JP3431319B2 - 真空バルブ用電極 - Google Patents

真空バルブ用電極

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大電流遮断特性の優れ
た真空バルブ用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】真空中でのアーク拡散性を利用し、高真
空中で電流遮断を行わせる真空バルブの大電流遮断性能
は、一般に接点材料と電極構造によって決まる。接点材
料は、その用途に応じて多種多様のものがあるが、大電
流遮断特性に優れた接点材料としては、Cu−Cr接点
が最も広く用いられている。一方、低サージ性とある程
度の大電流遮断性能を兼備した真空バルブでは、Ag−
WC系の接点材料が一般的である。
【0003】また、電極構造としては、例えば特公昭54
-22813で開示されているように、バルブの軸方向に磁界
を発生し、アークを安定化することにより電極全体にア
ークを広げる縦磁界方式電極がよく知られている。
【0004】ところで、アークは遮断電流が大きいとア
ーク自身より生じた磁場と外部回路の作る磁場との相互
作用により著しく不安定な状態となり、一部分へ集中し
ていく傾向にある。この場合、接点材料の局部的な溶融
と過度な蒸発を引起こし、よりアークを集中させ易い状
況を生み出す。この多量の金属蒸気等を蒸発させること
により容器内の真空度を低下させ、遮断特性を低下させ
る。このため、従来ではCu−Cr接点材料を採用し、
さらに縦磁界方式の電極構造を併用することにより、上
記現象の回避を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Cu−
Cr接点材料と縦磁界方式の電極構造を併用した場合で
も、ある電流値以上になるとアークの集中を免れること
はできない。また、低サージ性とある程度の遮断性能を
有する真空バルブの場合、接点開極時において、アーク
が接点表面に与える局部的な熱入力が過大なため、この
部分の熱電子放出及び溶融物の放出が激しく、遮断電流
値がある程度大きくなると遮断不能となる。本発明の目
的は、アークの集中を回避し、大電流遮断特性を向上さ
せた真空バルブ用電極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが研究開発を
進めた結果、電極表面を高融点金属の炭化物とし、この
電極のアーク電圧以上であるアーク電圧を有する接点を
電極上に配置することにより、上記目的を達成すること
に有効であることが判明し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、真空容器内に接離可
能に配置され、極間側の表面がW,Hf,Ta,Zr,
Mo,Nb,Ti,Cr及びVの炭化物の内の少なくと
も1種で形成される一対の電極と、この電極の対向側に
固着された接点とを有し、高真空中における接点間のア
ーク電圧が電極間のアーク電圧よりも大きくしたことを
要旨とする。
【0008】
【作用】このような構成において、一対の電極の極間側
の表面はW,Hf,Ta,Zr,Mo,Nb,Ti,C
r及びVの炭化物の内の少なくとも1種で形成されるの
で、この部分に金属蒸気が蒸着するとアーク電圧が著し
く低下する。このため、このアーク電圧より大きい接点
上で点弧したアークは電極上に移るので、アークの拡散
が促進されて大電流遮断特性が向上する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は本発明の一実施例を示す真空バルブ用電
極が適用された真空バルブの断面図、図2は図1の電極
部分の拡大断面図である。
【0010】これにの図において、遮断室1は、絶縁材
料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両
端に封止金具3a,3bを介して設けた金属製の蓋体4
a,4bとで真空気密に構成されている。
【0011】遮断室1内には、導電棒5,6の対向する
端部に取付けられた一対の電極7,8が配設され、上部
の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としてい
る。また、電極8の導電棒6にはベローズ9が取付けら
れ、遮断室1内を真空気密に保持しながら電極8の軸方
向の移動を可能にしている。ベローズ9上部には金属製
のアークシールド10が設けられ、ベローズ9がアーク蒸
気で覆われることを防止している。また、電極7,8を
覆うように、遮断室1内に金属製のアークシールド11が
設けられ、これにより絶縁容器2がアーク蒸気で覆われ
ることを防止している。
【0012】一方、電極8は、図2に拡大して示す如
く、導電棒6にろう付部12によって固定されるか、又は
かしめによって圧着接続されている。接点13aは電極8
にろう付け14によってろう付けで取付けられる。
【0013】また、無酸素銅の電極8の表面のうち、他
方の電極7との極間側の表面は、高融点炭化物15で形成
する。これは、電極8の少なくとも極間側表面を高融点
炭化物15で構成するようにしてもよいし、電極8の極間
側表面を高融点炭化物15でコーティングするようにして
もよい。コーティングする場合、例えば高純度Ar雰囲
気中において溶射法にてコーティングする。
【0014】なお、電極7側についても同様である。次
に、本発明実施例データを得た評価方法及び評価条件に
つき述べる。実施例−1〜17および比較例−1,2は、
遮断特性を重視した電極であるので、遮断特性とこれに
加えて溶着特性を評価した。また、実施例−18〜25及び
比較例−3,4については遮断特性と裁断特性の兼備を
目的としているので、遮断特性、裁断特性について評価
した。
【0015】(1)大電流遮断特性 遮断試験をJEC規格の5号試験により行い、これによ
り遮断特性を評価した。
【0016】(2)電流裁断特性 各接点を取付けて10-5Pa以下に排気した組立て式バルブ
を製作し、この装置を0.8m/秒の開極速度で開極させ
遅れ小電流を遮断した時の裁断電流を測定した。遮断電
流は、20A(実効値)、50Hzとした。開極位相はランダ
ムに行い、 500回遮断されたときの裁断電流を接点数3
個につき測定し、その最大値を第1表に示した。尚数値
は、実施例18の裁断電流値の最大値を 1.0とした場合の
相対値で示した。
【0017】(3)溶着特性 溶着は接点間で発生するので、接点材料の試験片により
調べた。外径が25mmφの一対の円盤状試料に外径25mm
φ、先端が 100Rの球面をなす加圧ロッドを対向させ、
100kgの荷重を加え10-5mmHgの真空中において50Hz、 2
00kAの電流を20ms通電し、その時の試料−ロッド間の引
き外しに必要な力を測定し溶着特性を判断した。なお、
評価は、比較例1の溶着引き外し力を1としたときの相
対値で比較した。
【0018】以上の評価方法に基づく測定結果を表1に
示し、これらの表を参照しながら各実施例、比較例につ
いて考察する。なお、接点材料は、いずれも耐弧成分の
スケルトンの仮焼結後、導電成分を溶浸することによる
製造した。また、導電成分の溶浸時には、必要に応じて
補助成分−1を添加した。さらに、スケルトンの焼結時
には、いくつかの実施例では補助成分−2を焼結助材と
して添加した。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例−1〜12及び比較例−1)接点材
料は、いずれもCu−50wt%Crとし、コーティングを
施していない無酸素銅電極について示す比較例−1と、
これを高融点炭化物でコーティングした実施例1〜12を
比較した。比較例−1では遮断特性が不合格であるのに
対し、炭化物でコーティングした電極を用いた実施例1
〜12では、いずれも遮断特性が合格となっている。これ
は、コーティングした結果、電極にアークが移動してア
ークの拡散性が高められ、電極面積あたりのエネルギー
密度が低下したことによるものである。
【0021】( 実施例−13〜15)接点材料は、導電成分
がいずれもCuで、これに耐弧成分として 50vol%のN
b,Ti,Wを複合化したものを用いた。電極はいずれ
もWCで無酸素銅をコーティングしたものを用いた。い
ずれの場合にも良好な遮断特性及び溶着特性を示してい
る。
【0022】(実施例−16,17及び比較例−2)接点材
料は、導電成分がいずれもCuで、これに耐弧成分とし
て43〜 49.9vol%のCrおよび補助成分として 0.1〜6
wt%のBiを添加した。電極はいずれもWCで無酸素銅
をコーティングしたものを用いた。Bi量の増加に伴い
溶着特性が向上していくが、Bi量が5wt%を越えると
遮断特性が不合格となっている。
【0023】(実施例−18〜20)接点材料は、導電成分
がAg,72wt%Ag−CuおよびCuで、耐弧成分が 6
0vol%のWCである。電極はいずれもWCで無酸素銅を
コーティングしたものを用いた。いずれも良好な遮断特
性、裁断特性を示している。この他、HfC,TaC,
TiC,VC,ZrC,Mo2 C,Cr32 を耐弧材
として用いた場合も同様に良好な特性が得られた。
【0024】(実施例−21,22及び比較例−3 接点材料は、導電成分がAg、耐弧成分が48〜 59vol%
のWC、補助成分が耐弧成分に対して1〜12wt%のCo
である。電極はいずれもWCで無酸素銅がコーティング
したものを用いた。実施例−21,22はいずれも良好な特
性を示しているが、Coが耐弧成分の12wt%である比較
例−3では裁断特性が実施例−21,22と比べて高い。
【0025】(実施例−23,24及び比較例−4)接点材
料は、導電成分がCu、耐弧成分が49〜 56vol%のW
C、補助成分が2〜6wt%のTeである。電極はいずれ
もWCで無酸素銅をコーティングしたものを用いた。T
e量の増加と共に裁断特性は向上していくが、5wt%を
越えると遮断特性が不合格となっている。
【0026】(実施例−25)接点材料は、導電成分がC
u、耐弧成分が 58vol%のWC、補助成分が3wt%のB
iである。電極はいずれもWCで無酸素銅をコーティン
グしたものを用いた。補助成分がBiの場合も実施例−
23,24と同様良好な遮断特性、裁断特性を示している。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空容器
内に接離可能に配置され、極間側の表面がW,Hf,T
a,Zr,Mo,Nb,Ti,Cr及びVの炭化物の内
の少なくとも1種で形成される一対の電極と、この電極
の対向側に固着された接点とを有し、高真空中における
接点間のアーク電圧が電極間のアーク電圧よりも大きく
したので、大電流遮断特性に優れた真空バルブ用電極を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す真空バルブ用電極が適
用される真空バルブの断面図。
【図2】[図1]の電極部分の拡大断面図。
【符号の説明】
7,8…電極、13a,13b…接点、15…高融点炭化物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭60−197840(JP,A) 実開 昭57−119436(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に接離可能に配置され、極間側
    の表面がW,Hf,Ta,Zr,Mo,Nb,Ti,C
    r及びVの炭化物の内の少なくとも1種で形成される一
    対の電極と、この電極の対向側に固着された接点とを有
    し、前記接点が、Cuから成る高導電成分と、Cr,N
    b,Ti,V,Zr,W,Mo及びTaの内の少なくと
    も1種から成る耐弧成分とを備え、高真空中における接
    点間のアーク電圧が電極間のアーク電圧よりも大きくし
    たことを特徴とする真空バルブ用電極。
  2. 【請求項2】総量が 0.1〜2wt%のBi,Te及びSe
    の内の少なくとも1種を前記接点に含有させたことを特
    徴とする請求項1記載の真空バルブ用電極。
  3. 【請求項3】真空容器内に接離可能に配置され、極間側
    の表面がW,Hf,Ta,Zr,Mo,Nb,Ti,C
    r及びVの炭化物の内の少なくとも1種で形成される一
    対の電極と、この電極の対向側に固着された接点とを有
    し、前記接点が、Ag及びCuの内の少なくとも1種か
    ら成る導電成分と、W,Ta,Zr,Mo,Ti,Cr
    及びVの炭化物の内の少なくとも1種から成る耐弧成分
    とを備え、高真空中における接点間のアーク電圧が電極
    間のアーク電圧よりも大きくしたことを特徴とする真空
    バルブ用電極。
  4. 【請求項4】総量が0.1 〜10wt%のFe,Co及びNi
    の内の少なくとも1種を前記接点に含有させたことを特
    徴とする請求項3記載の真空バルブ用電極。
  5. 【請求項5】総量が2〜5wt%のBi,Te,Se,S
    b及びInの内の少なくとも1種を前記接点に含有させ
    たことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか
    に記載の真空バルブ用電極。
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