JPH08293233A - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料

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JPH08293233A
JPH08293233A JP9636195A JP9636195A JPH08293233A JP H08293233 A JPH08293233 A JP H08293233A JP 9636195 A JP9636195 A JP 9636195A JP 9636195 A JP9636195 A JP 9636195A JP H08293233 A JPH08293233 A JP H08293233A
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JP
Japan
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current
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arc
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vapor pressure
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JP9636195A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Isao Okutomi
功 奥冨
Keisei Seki
経世 関
Takashi Kusano
貴史 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空バルブ用接点材料の電流裁断特性及び通
電特性を向上させる。 【構成】 遮断室1内に配設された電極7,8の対向表
面に形成された接点13a又は13bの接点材料は、高蒸気
圧成分が添加された15〜50体積%の導電性成分と、50〜
85体積%であってW,Ta,Cr,Zr,Mo,Hf,
Nb及びVの炭化物のうちの少なくとも1種から成る耐
弧成分とを有し、導電成分の沸点における蒸気圧が1400
mmHg以上となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流裁断特性及び通電
特性を向上させた真空バルブ用接点材料に関する。
【0002】
【従来の技術】真空中でのアーク拡散性を利用して、高
真空中で電流遮断を行わせる真空バルブの接点は、対向
する固定、可動の2つの接点から構成されている。この
真空バルブを用いて電動機負荷などの誘導性回路の電流
を遮断する時、過度の異常サージ電圧が発生し、負荷機
器を破壊させる恐れがある。
【0003】この異常サージ電圧の発生原因は、例えば
真空中における小電流遮断時に発生する裁断現象(交流
電流波形の自然ゼロ点を待たずに強制的に電流遮断が行
われる事)、あるいは高周波消弧現象などによるもので
ある。裁断現象による異常サージ電圧の値Vsは、回路
のサージインピーダンスZo・Icで表される。従っ
て、異常サージ電圧Vsを低くするためには電流裁断値
Icを小さくしなくてはならない。
【0004】低裁断電流特性を有する接点には、主とし
て溶解法によって作られるCu−Bi系の接点と焼結溶
浸法によって作られるAg−WC系接点とがある。Ag
−WC系合金接点(例えば特願昭42-68447)は、 (1) WCの介在が電子放射を容易にさせる。
【0005】(2) 電界放射電子の衝突による電極面の加
熱に基づく接点材料の蒸発を促進させる。 (3) 接点材料の炭化物がアークにより分解し、荷電体を
生成してアークを接続する。 などの点で優れた低裁断電流特性を発揮し、この合金接
点を用いた真空開閉器が開発され、実用化されている。
【0006】また、この接点にCuを複合化し、Agと
Cuとの比率をほぼ7:3としたAg−Cu−WC合金
が特公昭63-59212に開示されている。この合金におい
て、従来にない限定をしたAgとCuとの比率を選択す
るので、安定した裁断電流特性を発揮することができ
る。
【0007】さらに、特公平5-61338 には、耐弧性材料
の粒界(例えば、WCの粒界)を 0.2〜1μmとするこ
とにより、低裁断電流特性の改善に有効であることが示
唆されている。
【0008】Cu−Bi系合金接点(例えば特公昭35-1
4974 、特公昭41-12131)では、Biの選択蒸発により
電流裁断特性を改善している。この合金のうちBiを10
重量%(以下、wt%という。)としたもの(例えば、特
公昭35-14974)は、その適度な蒸気圧特性を有するの
で、低い裁断電流特性を発揮する。また、Biを 0.
5wt%とした(例えば、特公昭41−12131)
は、結晶粒界に偏析して存在する結果、合金自体を脆化
し、低い溶着引き外し力を実現し、大電流遮断性に優れ
ている。
【0009】一方、真空遮断器は、本来の責務として大
電流遮断が行えなければならない。大電流遮断のために
は、接点材料表面全体にアークを点弧させ、接点材料の
単位表面積あたりの熱入力を小さくすることが重要とな
ってくる。その一手段として、接点材料をマウントして
いる電極部において、極間の電界と平行な方向に磁界を
発生させる縦磁界電極構造がある。特公昭54-22813によ
れば、このような方向に磁界を適度に生じさせることに
より、アークプラズマを接点表面に均一に分布させるこ
とが可能となり、大電流遮断能力が高められるとされて
いる。
【0010】また接点材料自体については、Ag−Cu
−WC−Co系接点材料において、WC−Coの粒子間
距離を 0.3〜3μm程度とすることにより、アーク陰極
点の易動度が良好となり、大電流遮断特性の向上が図れ
ることが特開平4-206121に示されている。また、Coな
ど鉄属の補助成分の含有量を高めることにより、遮断性
能が高められることが示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】真空遮断器には低サー
ジ性が要求され、そのために従来では上述のように低裁
断電流特性(低チョッビング特性)が要求されていた。
しかしながら、真空バルブは、近年大容量電動機等の誘
導性回路に適用されることが一層増えると共に、高サー
ジ・インピーダンス負荷も出現したため、一層安定した
低裁断特性を持つことが望まれるのは勿論のこと、大電
流遮断特性についても兼備しなくてはならない。
【0012】10wt%のBiとCuとを複合化した合金
(特公昭35-14974)では、開閉回数の増大と共に電極空
間への金属蒸気の供給量が減少し、低裁断電流特性の劣
化が現れ、高蒸気圧元素量に依存して耐電圧特性の劣化
も指摘されている。また、0.5wt %のBiとCuとを複
合化した合金(特公昭41-12131)では、低裁断電流特性
が不十分である。このように、高蒸気圧成分の選択蒸発
のみによっては、安定した低裁断性を有することは不可
能である。
【0013】一方、WCとAgを複合化した合金の接点
(特願昭42-68447)、AgとCuとの重量比率をほぼ
7:3としたAg−Cu−WC合金(特公昭63-5921
2)、およびWC等の耐弧性成分の粒径を 0.2〜1μm
とする合金(特公平5-61338 )では、通電特性の改善に
何等配慮がなされていない。
【0014】また、このような焼結法によるAg−WC
系の接点材料では、組織的なばらつきは避けられず、安
定した低裁断電流特性が得難い。さらに、接点材料のC
o含有量の増加により遮断性能の向上を図った場合に
は、これにより低電流裁断特性が阻害されてしまうと同
時に導電率も低下するため、やはり通電特性と低裁断電
流特性とを兼備することはできない。本発明の目的は、
電流裁断特性及び通電特性を向上させた真空バルブ用接
点材料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らが研究開発を進めた結果、導電成分の蒸
気圧をある値以上に高め、これを高融点炭化物と複合す
れば良いことが判明した。
【0016】すなわち、本発明は、高蒸気圧成分が添加
された15〜50体積%の導電性成分と、50〜85体積%であ
ってW,Ta,Cr,Zr,Mo.Hf,Nb及びVの
炭化物のうちの少なくとも1種から成る耐弧成分とを有
し、導電成分の沸点における蒸気圧が1400mmHg以上であ
ることを要旨とする。
【0017】
【作用】接点材料の裁断特性は構成成分のイオン生成特
性と熱電子放出特性によって決まる。イオン生成特性
は、導電成分を高蒸気圧としてある程度高められる。具
体的には、十分な裁断特性を発揮させるには、導電成分
の沸点において蒸気圧が1400mmHg以上であることが必要
とされる。また、W,Ta等の高融点炭化物を耐弧成分
として用いることにより、優れた熱電子放出能力を兼備
させ、且つ炭化物から炭素蒸気を供給することにより、
さらにアークを低電流領域まで安定に維持することが可
能となる。
【0018】また、組織を微細にすることにより、陰極
点の安定化を図っている。一方、通電性能は、接点材料
の導電率に支配されるため、導電成分であるCuの導電
率を阻害するようなCo,Fe,Ni等の成分を極めて
微量に限定することにより、優れた通電性能が発揮され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は本発明の一実施例を示す真空バルブ用接
点材料が適用された真空バルブの断面である。同図にお
いて、遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成さ
れた絶縁容器2と、この両端に封止金具3a,3bを介
して設けた金属製の蓋体4a,4bとで真空気密に構成
されている。
【0020】遮断室1内には、導電棒5,6の対向する
端部に取付けられた一対の電極7,8が配設され、上部
の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としてい
る。また、この電極8の電極棒6にはベローズ9が取付
けられ、遮断室1内を真空密に保持しながら電極8の軸
方向の移動を可能にしている。また、このベローズ9上
部には金属製のアークシールド10が設けられ、ベローズ
9がアーク蒸気で覆われることを防止している。また、
電極7,8を覆うように、遮断室1内に金属製のアーク
シールド11が設けられ、これにより絶縁容器2がアーク
蒸気で覆われることを防止している。
【0021】さらに、電極8は、図2に拡大して示す如
く、導電棒6にろう付け部12によって固定されるか、か
しめによって圧着接続されている。接点13aは、電極8
にろう付け14によってろう付けで取付けられる。なお、
電極7、接点13bについても同様である。
【0022】次に、本実施例を説明するにあたり、実施
例データを得た評価方法及び評価条件につき述べる。 (1)電流裁断特性 各接点を取付けて10-5Pa以下に排気した組立て式バルブ
を製作し、この装置を0.8m/秒の開極速度で開極させ
遅れ小電流を遮断した時の裁断電流を測定した。遮断電
流は、20A(実効値)、50Hzとした。開極位相はランダ
ムに行い、 500回遮断されたときの裁断電流を接点数3
個につき測定し、その最大値を示した。尚、数値は実施
例2の裁断電流値の最大値を 1.0とした場合の相対値で
示した。
【0023】(2)通電特性 通電電流1000Aで真空バルブの温度が一定となるまで行
い、その温度上昇値により評価した。通電特性として、
実施例2の温度上昇値を 1.0とした場合の相対値を示し
た。
【0024】(3)大電流遮断特性 遮断試験をJEC規格の5号試験により行い、これによ
り遮断特性を評価した。
【0025】次にCu−Te−WCを例にあげ、この接
点材料の製造方法について説明する。製造に先立って必
要粒径別に耐弧性成分および補助成分を分類する。分類
作業は、例えばふるい分けと沈隆法とを併用して行うこ
とで容易に所定粒径の粉末を得る。まず、所定粒径のW
Cの所定量と、加圧成形して粉末成形体を得る。
【0026】ついで、この粉末成形体を所定温度で所定
時間、例えば1150℃、1時間の条件にて仮焼結し、仮焼
結体を得る。ついで、この仮焼結体の残存空孔中にCu
−Teを1150℃、1時間で溶浸しCu−Te−WC合金
を得る。溶浸は主として水素中で行うが、真空中でも可
能である。
【0027】尚、Cu−Teの溶浸素材は、温度1200
℃、真空度 1.3×10-2Paにおいて所定比率で真空溶解し
て得たインゴットに切断して用いた。表1に供試接点の
材料内容、表2に対応する特性データを示す。高蒸気圧
成分をTeとし、導電成分として採用したCuの沸点近
傍の2566℃における蒸気圧を1028〜3237mmHgまで、導電
成分量を 13.3vol%から 55.5vol%まで、耐弧成分粒径
を 0.8〜10μmまでそれぞれ変化させて調べた。また、
Bi,Agを高蒸気圧成分とした場合、Co,Ni,F
eを補助成分として含む場合についても調査した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 実施例−1,2及び比較例−1,2 Cuに添加する高蒸気圧成分をTe、高導電成分(Cu
−Te)の高積率を約45vol%、耐弧成分の粒径を 0.8
μmとしてそれぞれ一定とし、Te量を変化させること
によって高導電性成分の蒸気圧を変化させた場合につい
て示す。
【0030】裁断特性は導電成分が十分高蒸気圧化され
ている実施例1,2では良好であるが蒸気圧が1400mmHg
以下の比較例1,2では、裁断電流値が実施例−2の2
倍以上となり不適である。 実施例−3,4及び比較例−3,4 Cuに添加する高蒸気圧成分をTe、高導電性成分の蒸
気圧を3237mmHg、耐弧成分の粒径を 0.8μmとしてそれ
ぞれ一定とし、高導電性成分(Cu−Te)の高積率を
13.3 〜55.5vol %の範囲で変化させた場合について示
す。
【0031】高導電性成分量が 15.6 〜50.2vol %の範
囲の実施例3,4では、導電特性、裁断特性、遮断特性
の全てにおいて良好であるが、高導電性成分量を 13.3v
ol%とした比較例3では、導電性成分量が不十分なため
温度上昇値が大きく通電性能が劣っている。また、遮断
試験でも溶着が発生し、遮断特性も悪い。一方、高導電
性成分量を 55.5vol%とした比較例−4では、耐弧成分
の熱電子放出が不十分なため裁断電流値が高く、裁断特
性が実施例−2の2倍以上となり不適である。遮断性能
もアークの拡散性が悪く不合格となっている。 実施例−5,6 高導電性成分の高積率を約 45vol%、耐弧成分の粒径を
0.8μmとしてそれぞれ一定とし、Cuに添加する高蒸
気圧成分としてBiおよびAgを用い、高導電性成分の
蒸気圧をそれぞれ1400mmHg以上となるようにした場合に
ついて示す。
【0032】高導電性成分をBi、蒸気圧を1410mmHgと
した場合の実施例−5および高導電性成分をAgとし、
蒸気圧を3258mmHgとした実施例−6は、ともに通電特
性、裁断特性ともに良好であった。 実施例−7及び比較例−5〜8 Cuに添加する高導電性成分をTe、高導電性成分の蒸
気圧を3237mmHg、耐弧成分の粒径を 0.8μm、高導電性
成分(Cu−Te)の体積率を約 45vol%で一定とし、
WCの焼結助材としてCo,Fe,Ni,Crをそれぞ
れ添加した場合およびこれらの助材を含まない場合につ
いて示す。
【0033】Coを0.05wt% 含む実施例7では、Cu中
のCo含有量が0.1wt%未満であるので通電特性、裁断特
性ともに良好であるが、Co,Fe,Niを0.7wt%含む
比較例5,6,7では、この値が0.1wt%を越えてしまう
ため導電性成分の導電率が不十分となり温度上昇値が大
きく通電性能が劣っている。 実施例−8及び比較例−9 Cuに添加する高導電性成分をTe、高導電性成分の蒸
気圧を3237mmHg、高導電性成分(Cu−Te)の体積率
を約 45vol%で一定とし、耐弧成分の粒径を3および10
μmとした場合について示す。
【0034】WCの粒径が3μmの実施例−8では、導
電特性、裁断特性に加え遮断性能も良好であるが、C
o,10μmの比較例−9では、アークの拡散性が悪いた
め、優れた遮断特性を兼備できない。
【0035】以上の実施例においては、耐弧成分をWC
として調べた結果について示したが、耐弧成分をTa
C,Cr32 ,ZrC,Mo2 C,HfC,NbC,
VCとした場合、及びWCを含めたこれらの炭化物の複
合耐弧成分を用いた場合においても、同様な効果が得ら
れている。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高蒸気圧
成分が添加された15〜50体積%の導電性成分と、50〜85
体積%であってW,Ta,Cr,Zr,Mo.Hf,N
b及びVの炭化物のうちの少なくとも1種から成る耐弧
成分とを有し、前記導電成分の沸点における蒸気圧が14
00mmHg以上となるようにしたので、電流裁断特性及び通
電特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す真空バルブ用接点材料
が適用された真空バルブの断面図。
【図2】[図1]の要部拡大断面図。
【符号の説明】
7,8…電極、13a,13b…接点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高蒸気圧成分が添加された15〜50体積%
    の導電性成分と、50〜85体積%であってW,Ta,C
    r,Zr,Mo.Hf,Nb及びVの炭化物のうちの少
    なくとも1種から成る耐弧成分とを有し、前記導電成分
    の沸点における蒸気圧が1400mmHg以上であることを特徴
    とする真空バルブ用接点材料。
  2. 【請求項2】 前記導電性成分に添加される高蒸気圧成
    分は、Te,Bi又はAgであることを特徴とする請求
    項1記載の真空バルブ用接点材料。
  3. 【請求項3】 前記導電成分には 0.1%未満のCo,F
    e又はNiが含有されていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の真空バルブ用接点材料。
  4. 【請求項4】 前記耐弧成分の粒径が3μm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の真空バルブ用接点材料。
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