JP3429532B2 - 表面保護用フイルム - Google Patents
表面保護用フイルムInfo
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- Laminated Bodies (AREA)
Description
表面保護フィルムに関する。更に詳しくは、本発明は、
主に切断加工,曲げ加工,絞り加工等が行なわれる金属
板等の表面保護に用いられる表面保護フィルムに関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来,主に切断加工,曲げ加工,絞り加
工等が行なわれる素材に対する表面保護フィルムとして
は、柔軟性に富むポリ塩化ビニルフィルムが使用されて
いた。しかし、使用後のフィルムを焼却する際に塩素が
発生し、環境破壊の1要因になるという問題から、ポリ
エチレン系フィルムへの転換が行なわれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレン系フィルムでは各種加工時にフィルムが切れた
り、被着体より浮き上がり表面保護フィルムの効果を失
う等の問題があり、特開昭62−201985号公報、
特開昭63−35680号公報に示されるように種々の
検討がされているが、完全には解決されていない。この
ために、ポリ塩化ビニルフィルムに類似した柔軟性に富
むポリオレフィン系フィルムの開発が望まれてきた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明のフィルムは、密
度0.900〜0.930g/cm3 及び0.1〜15
g/10分のメルトインデックスを有する分岐状ポリエ
チレン層と、メルトインデックス0.1〜15g/10
分及び酢酸ビニル含量10〜25重量%のエチレン−酢
酸ビニル共重合体層より構成される3層以上の多層フィ
ルムであって、両最外層が前記ポリエチレン層からな
り、かつその少なくとも一方の最外層表面に接着剤が塗
布されてなる、2%伸長応力は1500kg/cm 2 以
下の表面保護用フィルムである。 【0005】以下、本発明を詳細に説明する。ここで多
層フィルムとは、上記した重合体2種よりなる3層以上
の2種多層フィルムである。本発明のフィルムを構成す
るポリエチレン層は、分岐状ポリエチレンからなるもの
でなければならない。直鎖状ポリエチレンを用いた場合
にはフイッシュアイが層中に発生しやすく、表面保護用
フィルムとしては、このフイッシュアイの形状が基材表
面に転写され、基材表面を傷付ける場合があるので適当
でない。 【0006】本発明に使用される分岐状ポリエチレン
は、高圧ラジカル重合によって作られ、均一相ラジカル
重合でも不均一相ラジカル重合でもよく、またチューブ
ラー法でもオートクレーブ法でも良い。 【0007】本発明に使用される分岐状ポリエチレン
は、当該フィルムの使用される用途分野の要求特性か
ら、耐ピンホール性,低引張降伏強度,高引張破断伸
度,柔軟性等が必要であり、このために密度は0.90
0〜0.930g/cm3 、好ましくは0.910〜
0.925g/cm3 であり、かつメルトインデックス
が0.1〜15g/10分、好ましくは0.2〜10g
/10分,更に好ましくは0.5〜5g/10分であ
る。 【0008】密度がこの範囲より低い場合は有機溶剤に
よる膨潤が大きくなり、高い場合は柔軟性が不足する。
また、メルトインデックスがこの範囲以外では成形が困
難になる。本発明で使用するエチレン−酢酸ビニル共重
合体とは、メルトインデックスが0.1〜15g/10
分、好ましくは0.5〜10g/10分であり、かつ酢
酸ビニル含量は10〜25重量%、好ましくは12〜2
0重量%である。 【0009】メルトインデックスがこの範囲以外では成
形が困難であり、酢酸ビニル含量がこの範囲より少ない
場合は柔軟性が低下し、この範囲より大きい場合は有機
溶剤に対する膨潤性が増大し、分岐状ポリエチレン層を
通して侵入する極く僅の有機溶剤にも膨潤現象を起こ
す。 【0010】本発明で使用する分岐状ポリエチレンおよ
びエチレン−酢酸ビニル共重合体には、酸化防止剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、防曇剤、顔料等の添加剤を配合してもよい。本発明
のフィルムにおける分岐状ポリエチレン層とエチレン−
酢酸ビニル共重合体層の厚み比は特に制限はないが、各
要求特性を平均的に付与するには1/9〜8/2が好ま
しく、更に好ましくは2/8〜5/5である。 【0011】表面保護に用いるためには、フィルムの2
%伸長応力は1500kg/cm2以下、好ましくは1
000kg/cm2 以下である必要がある。フィルムの
2%伸長応力が1500kg/cm 2 を超えて大きい場
合は絞り加工時にフィルムが浮き上がり、マスキングフ
ィルムの機能を果たさない場合がある。 【0012】また、フィルムの引張破断伸度は400%
以上が好ましく、さらに好ましくは500%以上がよ
い。フィルムの引張破断伸度が小さい場合は曲げ加工時
にフィルムが切れる場合がある。 【0013】本発明の複合フィルムの製法には制限はな
く、インフレーション成形、Tダイ成形等いづれの成形
手段でも良い。最外層の分岐状ポリエチレン層の表面に
塗布される接着剤層としては、天然ゴム、ポリイソブチ
レンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレンブロック
共重合体ゴム等のゴム類又はアクリル酸エステル共重合
体、ポリビニルエーテル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等の合成樹脂等が使用される。 【0014】これらの接着剤の粘度調整に使用される有
機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸
エチルエステル、メチルエチルケトン等が使用される。
フィルム上にこれらの接着剤を塗布するためには、接着
剤を有機溶剤に溶解するか、水に分散して塗布乾燥する
か、接着剤を溶融コーティングする等の公知の方法を採
用することができる。 【0015】 【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。 <測定方法> メルトインデックス ASTM D1238 密度 ASTM D1505 2%伸張応力 ASTM D 638 引張破断伸度 JIS Z1702 【0016】 ヤゲン曲げ加工性 図1は表面
保護フィルムを貼り合わせたステンレス板の装置図であ
る。 ○:切れなし △:切れ中程度 ×:切れ大 絞り加工性 図2は表面保護フィルム
を貼り合わせたステンレス板の装置図である。 ○:フィルム剥離なし △:フィルム剥離が中程度 ×:フィルム剥離が大 【0017】(実施例1)口径100mmφのダイス内
接着タイプの三層共押出フィルム用ダイスの外層となる
供給口には、口径40mmφ,L/D=18の押出機
(以下、No1押出機と称す)を接続し、次の中間層と
なる供給口には、口径50mmφ,L/D=26の押出
機(以下、No2押出機と称す)を接続し、最後の内層
となる供給口には、口径50mmφ,L/D=28の押
出機(以下、No3押出機と称す)を接続した三層共押
出フィルム装置により、表1に示した樹脂を製膜し、第
1ピンチロール通過後、フィルムの両サイドを切り開
き、シート状で径3インチの紙管に巻いた。このフィル
ムの2%伸長応力,引張破断伸度を測定した。 【0018】各層の厚みを1:4:1にして100μの
三層フィルムを作り、コロナ処理により44〜46ダイ
ンの表面処理を行った。このフィルムの内層面に、アク
リル系粘着剤を塗布し、表面保護フィルムを作成した。
この表面保護フィルムを厚さ0.5mmのSUS304
ステンレス板に貼合し、ヤゲン曲げ加工性と、絞り加工
性を測定した。 【0019】(比較例)表2に示した樹脂を使用した以
外は、実施例と同様に行なった。 【0020】 【表1】 (註) LD :分岐状ポリエチレン EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 VA :酢酸ビニル 【0021】 【表2】【0022】 【表3】*1) フィルム成膜不可 【0023】 【発明の効果】本発明によれば、曲げ加工,絞り加工等
が行なわれる金属板の表面保護に適した表面保護用フィ
ルムが得られる。
工試験装置の模式図である。 【図2】本発明フィルムの評価に使用する絞り加工装置
の模式図を示す。 【符号の説明】 1 直径(50mmポンチ) 2 試験板 3 金型 4 絞り深さ(15mm)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 密度0.900〜0.930g/cm3
及び0.1〜15g/10分のメルトインデックスを有
する分岐状ポリエチレン層と、メルトインデックス0.
1〜15g/10分及び酢酸ビニル含量10〜25重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体層より構成される3
層以上の多層フィルムであって、両最外層が前記ポリエ
チレン層からなり、かつその少なくとも一方の最外層表
面に接着剤が塗布されてなることを特徴とする、2%伸
長応力は1500kg/cm 2 以下の表面保護用フィル
ム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19160393A JP3429532B2 (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 表面保護用フイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19160393A JP3429532B2 (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 表面保護用フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0726224A JPH0726224A (ja) | 1995-01-27 |
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Family
ID=16277389
Family Applications (1)
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JP19160393A Expired - Lifetime JP3429532B2 (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 表面保護用フイルム |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
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JP4668709B2 (ja) | 2004-08-06 | 2011-04-13 | 株式会社アマダ | 加工材及び表面保護シート並びに加工方法 |
JP5104088B2 (ja) * | 2007-07-18 | 2012-12-19 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置、および、液体噴射装置の製造方法 |
JP6444579B2 (ja) * | 2012-11-07 | 2018-12-26 | フマキラー株式会社 | 薬剤収容具 |
-
1993
- 1993-07-06 JP JP19160393A patent/JP3429532B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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