JP3428422B2 - 車両用乗員保護システム及びその起動装置 - Google Patents

車両用乗員保護システム及びその起動装置

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JP3428422B2
JP3428422B2 JP04970998A JP4970998A JP3428422B2 JP 3428422 B2 JP3428422 B2 JP 3428422B2 JP 04970998 A JP04970998 A JP 04970998A JP 4970998 A JP4970998 A JP 4970998A JP 3428422 B2 JP3428422 B2 JP 3428422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
エアバッグシステムやベルトプリテンショナ等の車両用
乗員保護システム及びそ起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の乗員保護システムにおい
ては、図9にて示すような起動装置を備えた自動車用乗
員保護システムがある。当該起動装置においては、機械
式の第3スイッチS3は両スキブ1、2兼用の起動用ス
イッチとして用いられている。そして、スキブ1は、電
子式の第1スイッチS1と直列接続され、一方、スキブ
2は、電子式の第2スイッチS2と直列接続されてい
る。
【0003】ここで、第2スイッチS2は、当該自動車
の加速度が所定の低加速度以上になったときこれを検出
して閉成するようになっている。なお、両スキブ1、2
の起動は、バックアップ回路6のバックアップ電圧を両
スキブ1、2に印加して起動電流を流すことで達成され
る。また、バックアップ回路6は、バッテリBから当該
自動車のイグニッションスイッチIG及び逆流阻止用ダ
イオード7を通し給電されてバックアップ電圧を発生す
る。このバックアップ電圧は、ダイオード7に並列接続
した逆流阻止用ダイオード8aを介しバッテリBから給
電される昇圧回路8bの昇圧作用でもって維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記起動装
置において、両スキブ1、2の起動時期に時間差を設け
る場合、例えば、スキブ1を乗員保護機構の初段用とし
て用い、スキブ2を乗員保護機構の後段用として用いる
場合、第3スイッチS3が機械式スイッチであるため、
当該第3スイッチS3の閉成がスキブ2の起動時まで継
続し得ないことがある。この場合には、スキブ2の起動
ができず、乗員保護機構による目的の乗員保護機能が得
られない。
【0005】これに対しては、特開平9−20205号
公報にて示すような起動装置が提案されている(図10
参照)。この起動装置においては、第1及び第2のスイ
ッチS1、S2に加え、第3スイッチS3にも電子式ス
イッチが用いられている。ここで、マイクロコンピュー
タ3は、第1加速度センサGの検出出力に基づき当該自
動車の衝突と判定したとき、第1駆動回路4を介して第
3スイッチS3を閉成する。また、積分回路9は、機械
式加速度センサGaが当該自動車の加速度の検出により
閉成したとき、この加速度センサGaの検出出力を積分
する。そして、この積分回路9は、当該積分出力が所定
値以上になったとき、第2駆動回路5を介して第1及び
第2のスイッチS1、S2を閉成する。
【0006】しかし、このような起動装置では、全スイ
ッチS1乃至S3が電子式であるため、両スキブ1、2
が、共に、ノイズ等の外乱や被水による各スイッチS1
乃至S3の誤動作に起因して誤起動するというおそれが
生ずる。また、両駆動回路4、5が共通のマイクロコン
ピュータにより制御されるようにした場合、マイクロコ
ンピュータの暴走による誤起動の発生というおそれも生
ずる。
【0007】また、乗員保護システムの乗員保護機構を
時間差起動する場合、乗員保護機構の後段作動時には、
乗員に対する加害性をできる限り弱めることが要請され
る。そこで、本発明は、以上述べたことに対処するた
め、複数の起動素子を同時起動或いは時間差起動させる
車両用乗員保護システムにおいて、複数の起動素子を同
時起動させる場合に、ノイズ等の外乱等により誤起動す
ることなく迅速に同時起動させるようにした起動装置を
提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、上記車両用乗員保護シス
テムにおいて、万が一起動素子を起動する複数の電子式
スイッチング素子が誤起動し乗員保護機構が誤作動した
場合でも、乗員に対する乗員保護機構の加害性を最小限
にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題の解決にあた
り、請求項1に記載の発明によれば、車両用乗員保護シ
ステムに設けた単一の乗員保護機構(11乃至13)を
給電に応じて初段作動させる初段用起動素子(10b)
と、乗員保護機構を給電に応じて後段作動させる後段用
起動素子(10a)とを少なくとも備える起動手段(1
0a、10b)と、初段用起動素子を挟むようにしてこ
の初段用起動素子と共に初段側直列回路を構成する両初
段用スイッチング素子であって電子式スイッチング素子
(30c)及び車両の衝突時に閉成する機械式スイッチ
ング素子(30d)からなる両初段用スイッチング素子
(30c、30d)と、後段用起動素子を挟むようにし
てこの後段用起動素子と共に後段側直列回路を構成する
両電子式後段用スイッチング素子(30a、30b)
と、車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)
と、加速度検出手段の検出加速度に基づき乗員保護機構
を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手段
(100、140、150と、初段用起動素子と後段
用起動素子を同時起動するか時間差起動するかにつき判
定する起動方法判定手段(200)と、衝突判定手段が
乗員保護機構を作動すべき衝突と判定するとともに起動
方法判定手段が同時起動と判定したとき電子式初段用及
び両電子式後段用の各スイッチング素子を閉成するよう
に制御する第1制御手段(220、230、60、60
A、70、80)と、衝突判定手段が乗員保護機構を作
動すべき衝突と判定するとともに起動方法判定手段が時
間差起動と判定したとき電子式初段用スイッチング素子
を閉成した後、所定の遅延時間の経過に伴い電子式両後
段用スイッチング素子の少なくとも一方を閉成するよう
に制御する第2制御手段(270、280、290、3
00、310、60、60A、70、80)と、機械式
スイッチング素子の閉成と電子式初段用スイッチング素
子の閉成に伴い初段側直列回路を通して初段用起動素子
に給電し、電子式両後段用スイッチング素子の閉成に伴
い後段側直列回路を通して後段用起動素子に給電する給
電手段(B、8b、6)と、両電子式後段用スイッチン
グ素子のうち機械式スイッチング素子の初段用起動素子
に対する接続位置に対応する接続位置にて後段用起動素
子に接続してなる電子式後段用スイッチング素子が第1
又は第2の制御手段の制御によって閉成しないとき、給
電手段に他方の電子式後段用スイッチング素子、後段用
起動素子及び機械式スイッチング素子を通して給電させ
るように初段側及び後段側の両直列回路間に接続した一
方向導通半導体素子(90、90a)とを備える車両用
乗員保護システムのための起動装置が提供される。
【0010】これにより、両起動素子を同時起動させる
とき、両電子式後段用スイッチング素子のうち機械式ス
イッチング素子の初段用起動素子に対する接続位置に対
応する接続位置にて後段用起動素子に接続してなる電子
式後段用スイッチング素子が第1又は第2の制御手段の
制御によって閉成しなくても、一方向導通半導体素子
が、給電手段に他方の電子式後段用スイッチング素子、
後段用起動素子及び機械式スイッチング素子を通して給
電させる。
【0011】その結果、一方向導通半導体素子により起
動遅れを防止しつつ、両起動素子の同時起動を円滑に達
成できる。また、請求項2に記載の発明によれば、車両
用乗員保護システムに設けた単一の乗員保護機構(11
乃至13)を給電に応じて初段作動させる初段用起動素
子(10b)と、乗員保護機構を給電に応じて後段作動
させる後段用起動素子(10a)とを少なくとも備える
起動手段(10a、10b)と、初段用起動素子を挟む
ようにしてこの初段用起動素子と共に初段側直列回路を
構成する両初段用スイッチング素子であって電子式スイ
ッチング素子(30c)及び車両の加速度が低いとき閉
成する機械式スイッチング素子(30d)からなる両初
段用スイッチング素子(30c、30d)と、後段用起
動素子を挟むようにしてこの後段用起動素子と共に後段
側直列回路を構成する両電子式後段用スイッチング素子
(30a、30b)と、車両の加速度を検出する加速度
検出手段(20)と、加速度検出手段の検出加速度に基
づき乗員保護機構を作動すべき衝突か否かにつき判定す
る衝突判定手段(100、140、150と、初段用
起動素子と後段用起動素子を同時起動するか時間差起動
するかにつき判定する起動方法判定手段(200)と、
機械式スイッチング素子が閉成しているか否かを判定す
る閉成判定手段(260)と、衝突判定手段が乗員保護
機構を作動すべき衝突と判定するとともに起動方法判定
手段が同時起動と判定したとき電子式初段用及び両電子
式後段用の各スイッチング素子を閉成するように制御す
る第1制御手段(220、230、60、60A、7
0、80)と、衝突判定手段が乗員保護機構を作動すべ
き衝突と判定するとともに起動方法判定手段が時間差起
動と判定したとき、閉成判定手段が機械式スイッチング
素子の閉成を判定しているときには、電子式初段用スイ
ッチング素子閉成した後、定の遅延時間の経過に伴
い電子式両後段用スイッチング素子閉成するように
子式初段用スイッチング素子および電子式両後段用スイ
ッチング素子を制御する第2制御手段(270、28
0、290、300、310、60、60A、70、8
0)と、機械式スイッチング素子の閉成と電子式初段用
スイッチング素子の閉成に伴い初段側直列回路を通して
初段用起動素子に給電し、電子式両後段用スイッチング
素子の閉成に伴い後段側直列回路を通して後段用起動素
子に給電する給電手段(B、8b、6)とを備える車両
用乗員保護システムのための起動装置が提供される。
【0012】これにより、後段用起動素子を初段用起動
素子に遅延させて起動する場合において、機械式スイッ
チング素子の閉成を確認した上で後段用起動素子を起動
する。従って、機械式スイッチング素子をも電子式にす
る場合に比べて、誤起動の防止が的確になされ得る。ま
た、請求項3に記載の発明のよれば、請求項2に記載の
発明において、両電子式後段用スイッチング素子のうち
機械式スイッチング素子の初段用起動素子に対する接続
位置に対応する接続位置にて後段用起動素子に接続して
なる電子式後段用スイッチング素子が第1又は第2の制
御手段の制御によって閉成しないとき、給電手段に他方
の電子式後段用スイッチング素子、後段用起動素子及び
機械式スイッチング素子を通して給電させるように初段
側直列回路と後段側直列回路との間に接続した一方向導
通半導体素子(90、90a)を備える。
【0013】これにより、請求項2に記載の発明の作用
効果を達成し得るのは勿論のこと、両起動素子を同時起
動させるとき、両電子式後段用スイッチング素子のうち
機械式スイッチング素子の初段用起動素子に対する接続
位置に対応する接続位置にて後段用起動素子に接続して
なる電子式後段用スイッチング素子が第1又は第2の制
御手段の制御によって閉成しなくても、一方向導通半導
体素子が、給電手段に他方の電子式後段用スイッチング
素子、後段用起動素子及び機械式スイッチング素子を通
して給電させる。その結果、両起動素子の同時起動を円
滑に達成できる。
【0014】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1又は3に記載の発明において、機械式スイッチン
グ素子が初段側直列回路において初段用起動素子の上流
側に接続されている。また、一方向導通半導体素子はダ
イオードある。そして、このダイオードは、そのアノー
ドにて、機械式スイッチング素子と初段用起動素子との
間に接続されており、このダイオードのカソードは、両
電子式後段用スイッチング素子のうち後段側直列回路に
おいて後段用起動素子の上流側に接続してなる電子式後
段用スイッチング素子と後段用起動素子との間に接続さ
れている。
【0015】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項1又は3に記載の発明において、機械式スイッチン
グ素子が初段側直列回路において初段用起動素子の後流
側に接続されている。また、一方向導通半導体素子はダ
イオードである。そして、このダイオードは、そのカソ
ードにて、機械式スイッチング素子と初段用起動素子と
の間に接続されており、このダイオードのアノードは、
両電子式後段用スイッチング素子のうち後段側直列回路
において後段用起動素子の後流側に接続してなる電子式
後段用スイッチング素子と後段用起動素子との間に接続
されている。
【0016】このように構成した請求項4又は5に記載
の発明によっても、請求項3に記載の発明と同様の作用
効果を達成できる。また、請求項6に記載の発明によれ
ば、車両用乗員保護システムに設けられて作動に応じて
乗員を保護する単一の乗員保護部材(13)と、この乗
員保護部材を低起動力にて作動させる低起動力発生部材
(11)と、乗員保護部材を高起動力にて作動させる高
起動力発生部材(12)とを備える乗員保護機構(11
乃至13)と、低起動力発生部材から給電に応じて低起
動力を発生させる低起動力用起動素子(10a)と、高
起動力発生部材から給電に応じて高起動力を発生させる
高起動力用起動素子(10b)と、この高起動力用起動
素子を挟むようにしてこの高起動力用起動素子と共に高
起動力側直列回路を構成する両高起動力用スイッチング
素子であって電子式スイッチング素子(30c)及び車
両の加速度が低いとき閉成する機械式スイッチング素子
(30d)からなる両高起動力用スイッチング素子(3
0c、30d)と、低起動力用起動素子を挟むようにし
てこの低起動力用起動素子と共に低起動力側直列回路を
構成する両電子式低起動力用スイッチング素子(30
a、30b)と、車両の加速度を検出する加速度検出手
段(20)と、加速度検出手段の検出加速度に基づき乗
員保護機構を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突
判定手段(100、140、150)と、高起動力用起
動素子と低起動力用起動素子を同時起動するか時間差起
動するかにつき判定する起動方法判定手段(200)
と、衝突判定手段が乗員保護機構を作動すべき衝突と判
定するとともに起動方法判定手段が同時起動と判定した
とき電子式高起動力用及び両電子式低起動力用の各スイ
ッチング素子を閉成するように制御する第1制御手段
(220、230、60、60A、70、80)と、衝
突判定手段が乗員保護機構を作動すべき衝突と判定する
とともに起動方法判定手段が時間差起動と判定したとき
電子式高起動力用スイッチング素子を閉成した後、所定
の遅延時間の経過に伴い電子式両低起動力用スイッチン
グ素子の少なくとも一方を閉成するように制御する第2
制御手段(270、280、290、300、310、
60、60A、70、80)と、機械式スイッチング素
子の閉成と電子式高起動力用スイッチング素子の閉成に
伴い高起動力側直列回路を通して高起動力用起動素子に
給電し、電子式両低起動力用スイッチング素子の閉成に
伴い低起動力側直列回路を通して低起動力用起動素子に
給電する給電手段(B、8b、6)とを備える車両用乗
員保護システムが提供される。
【0017】これにより、万が一、複数の電子式スイッ
チング素子がノイズ等により誤起動した場合でも低起動
力発生部材だけの誤起動に留めることができ、乗員に対
する乗員保護部材の加害性を最小限にすることができ
る。また、請求項7に記載の発明によれば、車両用乗員
保護システムに設けられて作動に応じて乗員を保護する
単一の乗員保護部材(13)と、この乗員保護部材を低
起動力にて作動させる低起動力発生部材(11)と、乗
員保護部材を高起動力にて作動させる高起動力発生部材
(12)とを備える乗員保護機構(11乃至13)と、
低起動力発生部材から給電に応じて低起動力を発生させ
る低起動力用起動素子(10a)と、高起動力発生部材
から給電に応じて高起動力を発生させる高起動力用起動
素子(10b)と、この高起動力用起動素子を挟むよう
にしてこの高起動力用起動素子と共に高起動力側直列回
路を構成する両高起動力用スイッチング素子であって電
子式スイッチング素子(30c)及び車両の加速度が低
いとき閉じる機械式スイッチング素子(30d)からな
る両高起動力用スイッチング素子(30c、30d)
と、低起動力用起動素子を挟むようにしてこの低起動力
用起動素子と共に低起動力側直列回路を構成する両電子
式低起動力用スイッチング素子(30a、30b)と、
車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)と、加
速度検出手段の検出加速度に基づき乗員保護機構を作動
すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手段(10
0、140、150)と、高起動力用起動素子と低起動
用起動素子を同時起動するか時間差起動するかにつき
判定する起動方法判定手段(200)と、機械式スイッ
チング素子が閉成しているか否かを判定する閉成判定手
段(260)と、衝突判定手段が乗員保護機構を作動す
べき衝突と判定するとともに起動方法判定手段が同時起
動と判定したとき電子式高起動力用及び両電子式低起動
力用の各スイッチング素子を閉成するように制御する第
1制御手段(220、230、60、60A、70、8
0)と、衝突判定手段が乗員保護機構を作動すべき衝突
と判定するとともに起動方法判定手段が時間差起動と判
定したとき、閉成判定手段が機械式スイッチング素子の
閉成を判定しているときには、電子式高起動力用スイッ
チング素子が閉成した後、所定の遅延時間の経過に伴い
電子式両低起動力用スイッチング素子が閉成するように
電子式高起動力用スイッチング素子および電子式両低起
動力用スイッチング素子を制御する第2制御手段(27
0、280、290、300、310、60、60A、
70、80)と、機械式スイッチング素子の閉成と電子
式高起動力用スイッチング素子の閉成に伴い高起動力側
直列回路を通して高起動力用起動素子に給電し、電子式
両低起動力用スイッチング素子の閉成に伴い低起動力側
直列回路を通して低起動力用起動素子に給電する給電手
段(B、8b、6)とを備える車両用乗員保護システム
が提供される。
【0018】このように機械式スイッチング素子の閉成
を確認した上で後段用起動素子を起動するから、機械式
スイッチング素子をも電子式にする場合に比べて、誤起
動の防止が的確になされ得る。また、請求項8乃至10
に記載の発明によれば、請求項6又は7に記載の発明の
作用効果を達成しつつ請求項1又は2に記載の発明の作
用効果を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は、自動車用乗員保護システムに
適用される起動装置の一実施形態を示している。ここ
で、本実施形態では、当該乗員保護システムは、乗員保
護機構として単一の助手席用エアバッグ機構を備えてお
り、このエアバッグ機構は、両インフレータ11、12
と、単一のエアバッグ13とにより構成されている。
【0020】エアバッグ13は、両インフレータ11、
12から共にガス圧を受けて展開するか、或いは、イン
フレータ11からのガス圧により初段分だけ展開し、イ
ンフレータ12からのガス圧により後段分だけ展開す
る。なお、エアバッグ13は、初段分及び後段分の両展
開にて完全に展開し終わる。起動装置は、両スキブ10
a、10bを備えている。スキブ10aは、その点火
(起動)により、インフレータ11からガス圧を発生さ
せる。また、スキブ10bは、その点火(起動)によ
り、インフレータ12からガス圧を発生させる。ここ
で、インフレータ12の発生ガス圧は、インフレータ1
1の発生ガス圧よりも低く設定されている。
【0021】また、当該起動装置は、第1加速度センサ
20と、後述する第4スイッチ30dにて兼用される第
2加速度センサとを備えている。第1加速度センサ20
は、当該自動車の加速度を検出する。なお、第1加速度
センサ20としては、電子式加速度センサが採用されて
いる。また、当該起動装置は、第1乃至第4のスイッチ
30a乃至30dを備えている。ここで、両スイッチ3
0a、30bは、スキブ10aを点火するために採用さ
れ、一方、両スイッチ30c、30dは、スキブ10b
を点火するために採用される。
【0022】第1乃至第3のスイッチ30a乃至30c
は電子式スイッチからなるもので、これら第1乃至第3
のスイッチ30a乃至30cは電界効果型トランジスタ
(以下、FETという)により構成されている。なお、
第1及び第3のスイッチ30a、30cは、Pチャンネ
ル型FETであり、第2スイッチ30bは、Nチャンネ
ル型FETである。
【0023】また、第4スイッチ30dは、常開型機械
式スイッチにより構成されている。そして、当該自動車
の加速度が所定低加速度以上になったとき、この第4ス
イッチ30dは、その内蔵の重りの移動により、当該加
速度の所定低加速度以上への増大を検出して閉成する。
なお、第4スイッチ30dとしては、起動電流の通電ス
イッチとしても利用できるものを採用する。
【0024】第1スイッチ30aは、そのソース端子に
て、バックアップ回路6に接続されており、この第1ス
イッチ30aのドレイン端子は、スキブ10aを介し第
2スイッチ30bのドレイン端子に接続されている。ま
た、第2スイッチ30bは、そのソース端子にて、接地
されている。これにより、第1及び第2のスイッチ30
a、30bが共に閉成(即ちFETとして導通)したと
き、スキブ10aには、バックアップ回路6から起動電
流が流れる。このため、スキブ10aは点火する。な
お、第1及び第2のスイッチ30a、30bのいずれか
が開成(即ちFETとして非導通)のときには、スキブ
10aには起動電流が流れない。
【0025】また、第3スイッチ30cは、そのソース
端子にて、バックアップ回路6に接続されており、この
第3スイッチ30cのドレイン端子は、スキブ10b及
び第4スイッチ30dを介し接地されている。これによ
り、第4スイッチ30dの閉成状態にて第3スイッチ3
0cが閉成(即ちFETとして導通)すると、スキブ1
0bには、バックアップ回路6から起動電流が流れる。
このため、スキブ10bは点火する。ここで、第3及び
第4のスイッチ30c、30dのいずれかが開成のとき
には、スキブ10bには起動電流が流れない。
【0026】当該起動装置はマイクロコンピュータ40
を備えており、このマイクロコンピュータ40は、図4
及び図5にて示すフローチャートに従い、コンピュータ
プログラムを実行する。そして、マイクロコンピュータ
40は、当該実行中において、第1加速度センサ20の
検出出力及び第4スイッチ30dの端子電圧に基づき、
第1乃至第3の駆動回路60乃至80の駆動制御処理を
行う。なお、第4スイッチ30dの端子電圧は、分圧回
路50を介してマイクロコンピュータ40に入力され
る。
【0027】第1駆動回路60においては、トランジス
タ61が、両抵抗62を介しマイクロコンピュータ40
の出力により制御されて導通或いは非導通となる。そし
て、トランジスタ61は、その導通により、バックアッ
プ回路6からの電圧を両抵抗63の共通端子を介し第1
スイッチ30aのゲートに付与してこの第1スイッチ3
0aを閉成する。また、トランジスタ61はその非導通
により第1スイッチ30aを開成する。
【0028】第3駆動回路80においては、トランジス
タ81が、両抵抗82を介しマイクロコンピュータ40
の出力により制御されて導通或いは非導通となる。そし
て、トランジスタ81は、その導通により、バックアッ
プ回路6からの電圧を両抵抗83の共通端子を介し第3
スイッチ30cのゲートに付与してこの第3スイッチ3
0cを閉成する。また、トランジスタ81はその非導通
により第3スイッチ30cを開成する。
【0029】次に、第2駆動装置70の構成につき図2
及び図3を参照して説明する。第2駆動装置70は、図
2にて示すごとく、シリアル−パラレル変換器70aを
備えており、このシリアル−パラレル変換器70aとし
ては、標準ICからなる株式会社東芝製74HC164
型シフトレジスタが採用されている。ここで、マイクロ
コンピュータ40は、後述のごとく、クリア信号CL
R、クロック信号CK及びシリアル信号SER(図3参
照)を発生するようになっている。
【0030】ここで、シリアル信号SERは、8ビット
からなる信号であって、第2スイッチ30bを閉成する
ための所定のシリアル信号パターンを特定する。このシ
リアル信号パターンは、第2スイッチ30bの誤動作を
防止するためのものであり、当該シリアル信号パターン
は、最上位ビットMSBから最下位ビットLSBにかけ
て、HHLLHLHHなる構成を有する(図3参照)。
なお、Lはローレベルを表し、Hはハイレベルを表す。
【0031】しかして、マイクロコンピュータ40がシ
リアル信号SERを発生する前、即ち、駆動装置の起動
前においては、シリアル−パラレル変換器70aは、マ
イクロコンピュータ40から発生するクリア信号CLR
を受けて、全パラレル出力ポートP1乃至P8にて、ロ
ーレベルLに固定される。また、駆動装置の起動時に
は、マイクロコンピュータ40がクロック信号CKと同
期してシリアル信号SERをその8ビット中の最上位ビ
ットMSBから最下位ビットLSBにかけて順に発生す
ると、シリアル−パラレル変換器70aは、マイクロコ
ンピュータ40からの8ビットのシリアル信号SERの
発生終了に伴い、このシリアル信号SERをパラレル出
力ポートP1乃至P8にセットする。
【0032】このとき、シリアル信号SERの8ビット
が、最下位ビットLSBから最上位ビットMSBにかけ
て、パラレル出力ポートP1乃至P8にそれぞれセット
される。このことは、シリアル信号SERの8ビット
が、パラレル状態にて、パラレル出力ポート71乃至7
8にセットされることを意味する。このようなセットに
伴いマイクロコンピュータ40のクロック信号CK、即
ち、CK1乃至CK8の発生が終了すると、シリアル−
パラレル変換器70aは、上記パラレル状態を一定の時
間T1(図3参照)の間保持する。この保持時間T1
は、第2スイッチ30bの閉成保持に要する時間(以
下、保持時間T1という)に相当する。
【0033】例えば、第2スイッチ30bを30msの
間閉成したければ、保持時間T1を30msに設定すれ
ばよい。また、クロック信号CKの周期は、目的に応じ
て決定する。例えば、当該起動装置において、スキブ1
0bの点火から50ms遅延させてスキブ10aを点火
したい場合には、当該自動車の衝突と判定後50ms以
内に第2スイッチ30bを閉成すればよいため、クロッ
ク信号CKの周期は5ms以内(5ms×8ビット=4
0ms<50ms)であればよい。
【0034】また、第2駆動装置70は、図2にて示す
ごとく、保護抵抗70b及び禁止回路70cを備えてい
る。保護抵抗70bは、シリアル−パラレル変換器70
aのパラレル出力ポートP1と第2スイッチ30bのゲ
ートとの間に接続されている。このため、シリアル−パ
ラレル変換器70aは、パラレル出力ポートP8から、
第2スイッチ30bのゲートに、シリアル信号SERの
8ビットうち最上位ビットMSBを第2スイッチ駆動信
号として出力する。
【0035】禁止回路70cは、4つのダイオード71
乃至74を備えており、これら各ダイオード71乃至7
4は、そのアノードにて、第2スイッチ30bのゲート
に接続されている。一方、各ダイオード71、72、7
3、74のカソードは、図2にて示すごとく、シリアル
−パラレル変換器70aの各パラレル出力ポートP1、
P2、P4、P7にそれぞれ接続されている。
【0036】これにより、パラレル出力ポートP1がロ
ーレベルのときダイオード71が導通して第2スイッチ
30bの閉成を禁止し、パラレル出力ポートP2がロー
レベルのときダイオード72が導通して第2スイッチ3
0bの閉成を禁止する。また、パラレル出力ポートP4
がローレベルのときダイオード73が導通して第2スイ
ッチ30bの閉成を禁止し、パラレル出力ポートP7が
ローレベルのときダイオード74が導通して第2スイッ
チ30bの閉成を禁止する。
【0037】また、各ダイオード71乃至74は、それ
ぞれ、その非導通により、第2スイッチ30bの閉成を
許容する。禁止回路70cは、図2にて示すごとく、3
つのトランジスタ75乃至77を備えている。これら各
トランジスタ75乃至77は、そのコレクタにて、第2
スイッチ30bのゲートに接続されており、当該トラン
ジスタ75乃至77のエミッタは、接地されている。
【0038】トランジスタ75は、そのベースにて、両
抵抗75aを介し、シリアル−パラレル変換器70aの
パラレル出力ポートP3に接続されている。トランジス
タ76は、そのベースにて、両抵抗76aを介し、シリ
アル−パラレル変換器70aのパラレル出力ポートP5
に接続されており、また、トランジスタ77は、そのベ
ースにて、両抵抗77aを介し、シリアル−パラレル変
換器70aのパラレル出力ポートP6に接続されてい
る。
【0039】これにより、パラレル出力ポートP3がハ
イレベルのときトランジスタ75が両抵抗75aにより
バイアスされて導通して第2スイッチ30bの閉成を禁
止し、パラレル出力ポートP5がハイレベルのときトラ
ンジスタ76が両抵抗76aによりバイアスされて導通
して第2スイッチ30bの閉成を禁止する。また、パラ
レル出力ポートP6がハイレベルのときトランジスタ7
7が両抵抗77aによりバイアスされて導通して第2ス
イッチ30bの閉成を禁止する。
【0040】また、各トランジスタ75乃至77は、そ
れぞれ、その非導通により、第2スイッチ30bの閉成
を許容する。なお、禁止回路70cでは、上述のごと
く、各ダイオード71乃至74及び各トランジスタ75
乃至77が、第2スイッチ30bの閉成の禁止及びその
許容に対し、それぞれ、独立的に作用する。
【0041】以上ように構成した本第1実施形態におい
て、当該自動車がイグニッションスイッチIGの閉成に
伴い走行状態になるものとする。なお、第4スイッチ3
0dは、当該自動車の加速度が所定低加速度に達したと
き閉成する。また、マイクロコンピュータ40がイグニ
ッションスイッチIGの閉成に伴いバッテリBから給電
されて作動状態になると、このマイクロコンピュータ4
0は、図4及び図5のフローチャートに従い、コンピュ
ータプログラムの実行を開始する。
【0042】すると、ステップ100では、第1加速度
センサ20の検出出力がマイクロコンピュータ40に入
力される。ここで、当該自動車の加速度が所定高加速度
以上であれば、ステップ110にて、第1加速度センサ
20の検出出力に基づき、YESとの判定がなされる。
なお、上記所定高加速度は当該自動車の高速衝突を表
す。
【0043】上述のようにステップ110における判定
がYESとなると、ステップ120において、高速衝突
フラグF=1とセットされる。これに伴い、ステップ1
30において、マイクロコンピュータ40に内蔵した第
1タイマーがリセット始動される。このため、当該第1
タイマーがその計時を開始する。ついで、ステップ14
0において、ステップ130における第1タイマーの計
時開始後の時間の経過に伴い第1加速度センサ20の検
出加速度が積分処理される。
【0044】この積分処理後、図5のステップ150に
おいて、ステップ140における積分値が所定積分値以
上か否かが判定される。ここで、当該所定積分値は、当
該自動車の衝突が高速衝突であるか否かを問わず、スキ
ブ10aの点火或いは両スキブ10a、10bの各点火
が必要であることを表す。しかして、上記積分値が上記
所定積分値未満であれば、ステップ150における判定
がNOとなる。その後、ステップ110における判定が
NOとなれば、ステップ180において、上記第1タイ
マーの計時時間が10ms経過したか否かが判定され
る。
【0045】ここで、上記第1タイマーの計時時間が1
0ms経過していなければステップ180における判定
がNOとなり、ステップ140以後の処理がなされる。
そして、上記第1タイマーの計時時間が10ms経過す
ると、ステップ180における判定がYESとなり、ス
テップ190において、高速衝突フラグFがF=0とク
リアされるとともに、上記第1タイマーがリセットされ
る。
【0046】即ち、ステップ130、110、180及
び190の処理は、ステップ110にてYESとの判定
後第1加速度センサ20の検出加速度が上記所定高加速
度未満となっても10msの間だけ、高速衝突フラグF
=1を保持する役割を果たす。コンピュータプログラム
が上述のごとくステップ150に達したとき、ステップ
140における最新の積分値が上記所定積分値以上であ
れば、当該自動車はエアバッグ機構の作動を必要とする
衝突をしたこととなる。このため、ステップ150にて
YESとの判定がなされる。
【0047】この判定後、ステップ200において高速
衝突フラグF=1か否かが判定される。ここで、高速衝
突フラグF=1が成立しておれば、ステップ200にお
ける判定がYESとなる。この高速衝突フラグF=1
は、当該自動車が高速衝突していることを意味するか
ら、エアバッグの全体を逸速く展開することが乗員保護
に有効である。このため、ステップ210において、両
スキブ10a、10bの同時起動処理が必要と判定され
る。
【0048】すると、第2スイッチの閉成指令処理ルー
チン220において、第1及び第3のスイッチの閉成指
令処理がなされる。これに伴い、第1駆動回路60のト
ランジスタ61が、マイクロコンピュータ40からハイ
レベルの出力を受けて導通して第1スイッチ30aを閉
成する。また、第3駆動回路80のトランジスタ81
が、マイクロコンピュータ40からハイレベルの出力を
受けて導通して第3スイッチ30cを閉成する。
【0049】ついで、スイッチ230において、図3の
タイミングチャートに基づき第2スイッチの閉成指令処
理がなされる。具体的には、マイクロコンピュータ40
がクリア信号CLRを発生すると、シリアル−パラレル
変換器70aが、そのパラレル出力ポートP1乃至P8
にてローレベルに維持される(図3参照)。
【0050】ついで、マイクロコンピュータ40が8個
のクロック信号CK(即ち、クロック信号CK1乃至C
K8)を順次発生するとともにこれらクロック信号CK
に同期させてシリアル信号SERを発生すると、シリア
ル−パラレル変換器70aは、クロック信号CK8の立
ち上がりに応答し、パラレル出力ポートP1乃至P8
に、シリアル信号SERを構成する8ビットをセットす
る。
【0051】この場合、シリアル信号SERの最下位ビ
ットLSB乃至最上位ビットMSBが、パラレル出力ポ
ートP1からパラレル出力ポートP8にかけてセットさ
れる(図3参照)。すると、各ダイオード71、72、
73、74が、各パラレル出力ポートP1、P2、P
4、P7のハイレベルに基づき非導通となる。また、各
トランジスタ75、76、77が、各パラレル出力ポー
トP3、P5、P6のローレベルに基づき非導通とな
る。
【0052】このとき、第4スイッチ30dは、上述の
ごとく、既に閉成している。よって、スキブ10aに
は、バックアップ回路6から第1及び第2のスイッチ3
0a、30bを通り起動電流が流れると同時に、スキブ
10bには、バックアップ回路6から第3及び第4のス
イッチ30c、30dを通り起動電流が流れる。このた
め、両スキブ10a、10bは同時に点火して、両イン
フレータ11、12が同時にガス圧を発生し、エアバッ
グをその全体に亘り展開させる。
【0053】これにより、上記高速衝突時の乗員の保護
が迅速に確保され得る。なお、第2スイッチ30bの他
のスイッチの閉成に対する閉成遅れ時間が、例えば、1
ms許容されているとすれば、クロック信号CKの周期
を0.1ms以内にすることで、両スキブ10a、10
bの同時起動が確保され得る。また、上記ステップ22
0における処理において、シリアル−パラレル変換器7
0aのパラレル出力ポートP1乃至P7からの各出力の
少なくとも一つが上記シリアル信号パターンと一致しな
いとき、第2スイッチ30bの閉成が禁止回路70cの
複数の素子71乃至77の少なくとも一つにより禁止さ
れる。
【0054】従って、ノイズ等の外乱やマイクロコンピ
ュータ40の暴走等による第2スイッチ30bの誤った
閉成が精度よく禁止できる。このような作用効果は、上
記シリアル信号パターンのビット数を増大させること
で、更に向上できる。ここで、ノイズによっては第2ス
イッチ30bが閉成しにくい理由につき詳細に述べる。
【0055】起動装置の非起動時に、マイクロコンピュ
ータ40のシリアル信号SERの出力系統に、静電気等
のノイズによりパルス信号がのっても、クリア信号CL
Rやクロック信号CKは変動しないため、シリアル−パ
ラレル変換器70aの変換動作がなされることはない。
従って、第2スイッチ30bが誤って閉成することはな
い。
【0056】また、マイクロコンピュータ40のクリア
信号CLR、クロック信号CK及びシリアル信号SER
の各出力系統に上記パルス信号がのった場合、シリアル
−パラレル変換器70aの変換動作がなされる可能性が
ある。しかし、クリア信号CLR、クロック信号CK及
びシリアル信号SERが同一タイミングにてローレベル
或いはハイレベルになる場合には、上記シリアル信号パ
ターン(図3参照)とのタイミングが一致しない。この
ため、第2スイッチ30bが誤って閉成することはな
い。
【0057】このようなことは、第2スイッチ30bの
ゲートに上記パルス信号がのっても、禁止回路70cの
禁止作動により、第2スイッチ30bが誤って閉成する
ことはない。また、上記シリアル信号パターンにおいて
は、次のような工夫がなされている。即ち、シリアル−
パラレル変換器70aのパラレル出力ポートP1乃至P
8の出力のうちの第2スイッチ30bの開閉制御に有効
なビット長中、シリアル−パラレル変換器70aによる
シリアル−パラレル変換時に最後に状態確定するビット
(パラレル出力ポートP8の出力に相当する)が、起動
装置の非起動時に禁止回路70cをローレベルで禁止作
動するように設定されている。これにより、シリアル信
号SERが8ビット分だけ出力されないと、第2スイッ
チ30bが閉成しない。
【0058】この点につき図3を参照して説明すると、
本第1実施形態では、パラレル出力ポートP8の出力が
ハイレベルのとき第2スイッチ30bの閉成が可能とな
る。換言すれば、パラレル出力ポートP8の出力がハイ
レベルであることを条件とすれば、シリアル信号SER
の8ビット全てが出力されないと、シリアル−パラレル
変換器70aの出力が図3のシリアル信号パターンにな
らない。これは、パラレル出力ポートP8の出力は、ク
ロック信号CK7の出力時点まではローレベルの状態を
維持し、クロック信号CK7の出力でもってハイレベル
となるためである。
【0059】従って、上述のようにシリアル信号パター
ンを工夫することで、シリアル信号SERのビット長、
即ち信号成分長を有効に生かした起動装置の提供が可能
となる。上述のように両スキブ10a、10bが同時に
点火すると、両インフレータ11、12が共にガス圧を
発生してエアバッグを迅速に展開させる。このため、高
速衝突における乗員の保護が的確になされ得る。
【0060】一方、上記ステップ200において、高速
衝突フラグF=1が成立しておらず、判定がNOとなる
場合には、当該自動車が高速衝突していないことを意味
するから、エアバッグの展開による乗員への加害性を緩
和することが乗員保護に有効である。このため、ステッ
プ240において、両スキブ10a、10bの時間差起
動処理が必要と判定される。
【0061】ここで、当該自動車が、例えば、低速衝突
している場合には、第4スイッチ30dが閉成していな
いことも考えられる。また、第1加速度センサ20の検
出出力が電気ノイズにより乱されたりする等の要因で、
第1及び第2のスイッチ30a、30bが共に閉成して
しまい、起動装置が誤動作するおそれもある。従って、
第4スイッチ30dの閉成状態の確認は重要である。
【0062】このため、ステップ250において、第4
スイッチ30dの端子電圧が分圧回路50を介しマイク
ロコンピュータ40に入力される。現段階にて、第4ス
イッチ30dが閉成していなければ、ステップ260に
おける判定がNOとなる。即ち、第4スイッチ30dに
よる当該自動車への衝撃の有無の確認により、起動装置
の誤動作を防止できる。
【0063】一方、第4スイッチ30dが閉成しておれ
ば、ステップ260における判定がYESとなる。これ
に伴い、ステップ270において、第3スイッチの閉成
指令処理がなされる。このため、第3駆動回路80のト
ランジスタ82が上述と同様に第3スイッチ30cを閉
成する。これにより、スキブ10bには、上述と同様に
起動電流が流れる。よって、当該スキブ10bが点火
し、インフレータ11がガス圧を発生しエアバッグを初
段分だけ展開させる。
【0064】また、ステップ270の処理後、ステップ
280において、マイクロコンピュータ40に内蔵の第
2タイマーがリセット始動される。これにより、当該第
2タイマーがその計時を開始する。この開始後、上記第
2タイマーの計時時間が所定の遅延時間(例えば、50
ms)を経過すると、ステップ290においてYESと
の判定がなされる。ここで、上記遅延時間は、上述した
エアバッグの展開による乗員への加害性を緩和すること
を目的として設定されている。
【0065】しかして、ステップ290における判定が
YESとなると、第2スイッチの閉成指令処理ルーチン
300において、閉成指令処理ルーチン220の処理と
同様に、図3のタイミングチャートに基づき第2スイッ
チの閉成処理がなされる。これにより、第2スイッチ3
0bが上述と同様に閉成する。この場合、ステップ22
0における処理に伴い説明した第2スイッチ30bの閉
成禁止に関する作用効果を確保し得るのは勿論である。
【0066】ついで、ステップ310において、第1ス
イッチの閉成指令処理が上述と同様になされる。これに
伴い、第1駆動回路60のトランジスタ61が、マイク
ロコンピュータ40からハイレベルの出力を受けて導通
して第1スイッチ30aを閉成する。よって、スキブ1
0aには、上述と同様に、起動電流が流れる。このた
め、スキブ10aが点火して、インフレータ12がガス
圧を発生し、初段分の展開状態にあったエアバッグをそ
の後段分だけ展開する。これにより、エアバッグはその
全体に亘り展開し終わる。この場合、インフレータ12
の発生ガス圧はインフレータ11の発生ガス圧よりも低
いから、エアバッグの後段階分での展開は、初段階分の
展開に比べて相当に緩やかになる。
【0067】このようにエアバッグを初段分から後段分
にかけて上記遅延時間をもって時間差展開すること及び
エアバッグの後段分での展開が緩やかであることで、当
該自動車の高速衝突以外の衝突時における乗員の保護
が、エアバッグによる加害性を有効に緩和しつつ確保さ
れ得る。また、上述のごとく、ステップ300での第2
スイッチ30bの閉成にあたり、予めステップ260に
おいて第4スイッチ30dが閉じていることを確認する
から、第4スイッチ30dとして電子式スイッチを用い
た場合の誤動作、即ち、スキブ10aの誤起動を未然に
防止し得る。
【0068】なお、上記遅延時間は、上述のごとく、5
0msに限ることなく、50±5msの範囲内であって
もよい。クロック信号CKの周期を上述のごとく0.1
ms以内とすれば、第2スイッチ30bの閉成遅れは1
ms以内に収まるため、上記の±5msの範囲の許容差
に十分対応できる。 (第2実施形態)図6は、本発明の第2実施形態を示し
ている。
【0069】この第2実施形態では、ダイオード90
が、そのアノードにて、上記第1実施形態にて述べた第
2スイッチ30bのドレインとスキブ10aとの間に接
続されており、このダイオード90のカソードは、第4
スイッチ30dとスキブ10bとの間に接続されてい
る。ここで、ダイオード90を上述のように接続した根
拠について説明する。
【0070】マイクロコンピュータ40のクロック信号
CKの周期は、マイクロコンピュータ40の処理負荷に
よる制限から、1ms以上になることも考えられる。こ
こで、第2スイッチ30bは図3のクロック信号CK8
の立ち上がりで閉成するが、例えば、1ms周期の場
合、第2スイッチ30bの閉成には、マイクロコンピュ
ータ40の閉成指令から約7msかかる。
【0071】上記第1実施形態にてステップ200にて
高速衝突と判定された場合、両スキブ10a、10bの
同時起動となり、第1、第2及び第3のスイッチ30
a、30b及び30cの閉成処理がなされるが、第2ス
イッチ30bの閉成時期は約7ms遅延する。従って、
乗員保護性能を考慮した第2スイッチ30bの閉成遅れ
時間の許容範囲が1msである場合、約7msの遅延は
許されない。
【0072】このため、本第2実施形態では、ダイオー
ド90を上述のように接続して、第1スイッチ30aと
第4スイッチ30dの閉成により、スキブ10aに対し
電流供給経路を設けるようにした。一般には、第1加速
度センサ20の出力に基づく衝突判定の閾値と同等以下
の加速度にて第4スイッチ30dは閉成する。このた
め、両スキブ10a、10bの同時起動時においてスキ
ブ10aの起動遅れは生じない。その他の構成は上記第
1実施形態と同様である。
【0073】このように構成した本第2実施形態におい
て、上記第1実施形態と同様にステップ210において
同時起動処理と判定された場合、第2スイッチ30bの
閉成処理ルーチン230における処理が上述と同様にな
される。ここで、ダイオード90が、上述のごとく、ス
キブ10aと第2スイッチ30bとの間及びスキブ10
bと第4スイッチ30dとの間に接続されている。この
ため、第3スイッチ30c、第4スイッチ30d及び第
1スイッチ30aが共に閉成しておれば、バックアップ
回路6の給電に基づき起動電流が、第1スイッチ30
a、スキブ10a、ダイオード90及び第4スイッチ3
0dを通り流れるとともに、第3スイッチ30c、スキ
ブ10b及び第4スイッチ30dを通り流れる。
【0074】従って、マイクロコンピュータ40のシリ
アル信号SERの出力開始から第2スイッチ30bの閉
成までの時間が、回路構成上の制約等に起因して、同時
起動に要求されるスキブ10aの起動タイミングよりも
遅れても、上述のように、ダイオード90の採用のも
と、両スキブ10a、10bの双方に同時に起動電流を
流すことができる。その結果、スキブ10aの起動遅れ
を招くことがない。
【0075】なお、このような作用効果は、第2駆動回
路70が禁止回路70cを採用していない場合でも同様
に達成できる。その他の作用効果は上記第1実施形態と
同様である。 (第3実施形態)図7は、本発明の第3実施形態を示し
ている。
【0076】この第3実施形態においては、上記第1実
施形態とは異なり、スキブ10aが、その一端にて、第
2スイッチ30bを介しバックアップ回路6に接続さ
れ、その他端にて、第2スイッチ30aを介し接地され
ている。なお、第2スイッチ30bは、駆動回路60A
(上記駆動回路60と実質的に同様の構成を有する)を
介しマイクロコンピュータ40により制御される。ま
た、第1スイッチ30aは、マイクロコンピュータ40
により直接制御される。
【0077】また、上記第1実施形態とは異なり、スキ
ブ10bが、その一端にて、第4スイッチ30dを介し
バックアップ回路6に接続され、その他端にて、第3ス
イッチ30cを介し接地されている。なお、第3スイッ
チ30cは、マイクロコンピュータ40により直接制御
される。その他の構成は上記第1実施形態と同様であ
る。
【0078】このように、第1及び第2スイッチ30
a、30bをスキブ10aに対し互いに入れ換えて接続
し、かつ、第3及び第4スイッチ30c、30dをスキ
ブ10bに対し互いに入れ換えて接続しても、上記第1
実施形態と実質的の同様の作用効果を達成できる。 (第4実施形態)図8は本発明の第4実施形態を示して
いる。
【0079】この第4実施形態では、ダイオード90a
が、そのアノードにて、上記第3実施形態にて述べた第
4スイッチ30dとスキブ10bとの間に接続されてお
り、このダイオード90aのカソードは、第2スイッチ
30bのソースとスキブ10aとの間に接続されてい
る。ここで、ダイオード90aを上述のように接続した
根拠は、上記第2実施形態にて述べてダイオード90の
場合と実質的に同様である。その他の構成は上記第3実
施形態と同様である。
【0080】このように構成した本第4実施形態におい
て、上記第3実施形態において、上記第1実施形態と同
様にステップ210において同時起動処理と判定された
場合、第2スイッチ30bの閉成処理ルーチン230に
おける処理が上述と同様になされる。ここで、ダイオー
ド90aが、上述のごとく、スキブ10aと第2スイッ
チ30bとの間及びスキブ10bと第4スイッチ30d
との間に接続されている。このため、スキブ10aを起
動させるべきタイミングにて第3スイッチ30c、第4
スイッチ30d及び第1スイッチ30aが共に閉成して
おれば、バックアップ回路6の給電に基づき起動電流
が、第4スイッチ30d、スキブ10b及び第3スイッ
チ30cを通り流れるとともに、第4スイッチ30d、
ダイオード90a、スキブ10a及び第1スイッチ30
aを通り流れる。
【0081】従って、上記第2実施形態にて述べたと実
質的に同様にスキブ10aの起動遅れを招くことなく、
両スキブ10a、10bの同時起動が可能となる。その
他の作用効果は上記第3実施形態と同様である。なお、
上記第1実施形態では、当該自動車の高速衝突以外の衝
突の場合、第1加速度センサ20の検出出力に基づく判
定と第4スイッチ30dの閉成確認との双方の判定に基
づき第1及び第3のスイッチ30a、30cを閉成する
ようにしたが、これに代えて、第1スイッチ30a或い
は第3スイッチ30cをステップ240において閉成す
るようにしてもよい。また、第1スイッチ30aは、上
記遅延期間前のステップ270において実現するように
してもよい。さらに、第2スイッチ30bの閉成処理
は、第4スイッチ30dの閉成を確認できれば、第1加
速度センサ20の検出出力による衝突判定を行うことな
く指令してもよい。
【0082】また、本発明の実施にあたり、シリアル−
パラレル変換器70a内にてマイクロコンピュータ40
からのシリアル信号SERの伝送速度が設定できる場合
には、マイクロコンピュータ40のクロック信号CKは
廃止してもよい。また、禁止回路の信頼性上、マイクロ
コンピュータ40のクリア信号CLRが不要な場合や、
シリアル−パラレル変換器70a自身でパラレル出力ポ
ートP1乃至P8のレベルをローレベルに固定できる手
段を有する場合には、マイクロコンピュータ40のクリ
ア信号CLRは廃止してもよい。
【0083】また、本発明の実施にあたり、乗員保護シ
ステムの乗員保護機構が、例えば、ベルトプリテンショ
ナや運転席用エアバッグであってもよい。また、本発明
の実施にあたり、第1乃至3のスイッチ30a乃至30
cは、FETに限らず、トランジスタ等の半導体スイッ
チング素子であってもよい。また、本発明の実施にあた
り、図4及び図5のフローチャートに代えて、このフロ
ーチャートにて示す各ステップに対応する各機能実行手
段であるディスクリートな回路素子を採用して実施して
もよい。
【0084】また、上記実施形態では、起動素子の同時
起動か時間差起動かの判定を、ステップ110にて衝突
シビアリティの大小を判定する例でもって説明したが、
これに代えて、バックルスイッチ等による乗員のベルト
装着状態により、起動素子の同時起動か時間差起動かの
判定を行うようにしてもよい。この場合、ベルト装着時
には時間差起動とし、ベルト非装着時には同時起動とす
ればよい。
【0085】また、本発明の実施にあたり、ダイオード
90、90aに代えて、サイリスタ等の一方向導通半導
体素子(正極側から負極側へ向けてのみ導通する半導体
素子)を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す回路構成図であ
る。
【図2】図1の第2駆動回路70の詳細回路図である。
【図3】図1のマイクロコンピュータの出力及びシリア
ル−パラレル変換器の出力のタイミングチャートであ
る。
【図4】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの前段部である。
【図5】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの後段部である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す回路構成図であ
る。
【図7】本発明の第3実施形態を示す回路構成図であ
る。
【図8】本発明の第4実施形態を示す回路構成図であ
る。
【図9】従来の起動装置を示す回路構成図である。
【図10】従来の他の起動装置を示す回路構成図であ
る。
【符号の説明】
B…バッテリ、6…バックアップ回路、8b…昇圧回
路、10a、10b…スキブ、11、12…インフレー
タ、13…エアバッグ、20…加速度センサ、30a乃
至30d…スイッチ、40…マイクロコンピュータ、6
0、60A、70、80…駆動回路、90、90a…ダ
イオード。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−17353(JP,A) 特開 平9−142245(JP,A) 特開 平9−20205(JP,A) 特開 平8−258664(JP,A) 特開 平3−135859(JP,A) 特開 平2−88344(JP,A) 特開 昭49−94030(JP,A) 実開 平4−7966(JP,U) 実開 昭49−47326(JP,U) 実開 平2−125459(JP,U) 特表 平11−500525(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32 B60R 22/46

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用乗員保護システムに設けた単一の
    乗員保護機構(11乃至13)を給電に応じて初段作動
    させる初段用起動素子(10b)と、前記乗員保護機構
    を給電に応じて後段作動させる後段用起動素子(10
    a)とを少なくとも備える起動手段(10a、10b)
    と、 前記初段用起動素子を挟むようにしてこの初段用起動素
    子と共に初段側直列回路を構成する両初段用スイッチン
    グ素子であって電子式スイッチング素子(30c)及び
    車両の衝突時に閉成する機械式スイッチング素子(30
    d)からなる両初段用スイッチング素子(30c、30
    d)と、 前記後段用起動素子を挟むようにしてこの後段用起動素
    子と共に後段側直列回路を構成する両電子式後段用スイ
    ッチング素子(30a、30b)と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)と、 前記加速度検出手段の検出加速度に基づき前記乗員保護
    機構を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手
    段(100、140、150と、 前記初段用起動素子と前記後段用起動素子を同時起動す
    るか時間差起動するかにつき判定する起動方法判定手段
    200)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が同時起動と
    判定したとき前記電子式初段用及び両電子式後段用の各
    スイッチング素子を閉成するように制御する第1制御手
    段(220、230、60、60A、70、80)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が時間差起動
    と判定したとき前記電子式初段用スイッチング素子を閉
    成した後、所定の遅延時間の経過に伴い前記電子式両後
    段用スイッチング素子の少なくとも一方を閉成するよう
    に制御する第2制御手段(270、280、290、3
    00、310、60、60A、70、80)と、 前記機械式スイッチング素子の閉成と前記電子式初段用
    スイッチング素子の閉成に伴い前記初段側直列回路を通
    して前記初段用起動素子に給電し、前記電子式両後段用
    スイッチング素子の閉成に伴い前記後段側直列回路を通
    して前記後段用起動素子に給電する給電手段(B、8
    b、6)と、 前記両電子式後段用スイッチング素子のうち前記機械式
    スイッチング素子の前記初段用起動素子に対する接続位
    置に対応する接続位置にて前記後段用起動素子に接続し
    てなる電子式後段用スイッチング素子が前記第1又は第
    2の制御手段の制御によって閉成しないとき、前記給電
    手段に他方の電子式後段用スイッチング素子、前記後段
    用起動素子及び前記機械式スイッチング素子を通して給
    電させるように前記初段側及び後段側の両直列回路間に
    接続した一方向導通半導体素子(90、90a)とを備
    える車両用乗員保護システムのための起動装置。
  2. 【請求項2】 車両用乗員保護システムに設けた単一の
    乗員保護機構(11乃至13)を給電に応じて初段作動
    させる初段用起動素子(10b)と、前記乗員保護機構
    を給電に応じて後段作動させる後段用起動素子(10
    a)とを少なくとも備える起動手段(10a、10b)
    と、 前記初段用起動素子を挟むようにしてこの初段用起動素
    子と共に初段側直列回路を構成する両初段用スイッチン
    グ素子であって電子式スイッチング素子(30c)及び
    車両の衝突時に閉成する機械式スイッチング素子(30
    d)からなる両初段用スイッチング素子(30c、30
    d)と、 前記後段用起動素子を挟むようにしてこの後段用起動素
    子と共に後段側直列回路を構成する両電子式後段用スイ
    ッチング素子(30a、30b)と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)と、 前記加速度検出手段の検出加速度に基づき前記乗員保護
    機構を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手
    段(100、140、150と、 前記初段用起動素子と前記後段用起動素子を同時起動す
    るか時間差起動するかにつき判定する起動方法判定手段
    200)と、前記機械式スイッチング素子が閉成しているか否かを判
    定する閉成判定手段(260)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が同時起動と
    判定したとき前記電子式初段用及び両電子式後段用の各
    スイッチング素子を閉成するように制御する第1制御手
    段(220、230、60、60A、70、80)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が時間差起動
    と判定したとき、前記閉成判定手段が前記機械式スイッ
    チング素子の閉成を判定しているときには、前記電子式
    初段用スイッチング素子閉成した後、定の遅延時間
    の経過に伴い前記電子式両後段用スイッチング素子
    成するように前記電子式初段用スイッチング素子および
    前記電子式両後段用スイッチング素子を制御する第2制
    御手段(270、280、290、300、310、6
    0、60A、70、80)と、 前記機械式スイッチング素子の閉成と前記電子式初段用
    スイッチング素子の閉成に伴い前記初段側直列回路を通
    して前記初段用起動素子に給電し、前記電子式両後段用
    スイッチング素子の閉成に伴い前記後段側直列回路を通
    して前記後段用起動素子に給電する給電手段(B、8
    b、6)とを備える車両用乗員保護システムのための起
    動装置。
  3. 【請求項3】 前記両電子式後段用スイッチング素子の
    うち前記機械式スイッチング素子の前記初段用起動素子
    に対する接続位置に対応する接続位置にて前記後段用起
    動素子に接続してなる電子式後段用スイッチング素子が
    前記第1又は第2の制御手段の制御によって閉成しない
    とき、前記給電手段に他方の電子式後段用スイッチング
    素子、前記後段用起動素子及び前記機械式スイッチング
    素子を通して給電させるように前記初段側直列回路と前
    記後段側直列回路との間に接続して一方向導通半導体素
    子(90、90a)を備える請求項2に記載の車両用乗
    員保護システムのための起動装置。
  4. 【請求項4】 前記機械式スイッチング素子が前記初段
    側直列回路において前記初段用起動素子の上流側に接続
    されており、 前記一方向導通半導体素子はダイオードであって、 このダイオードは、そのアノードにて、前記機械式スイ
    ッチング素子と前記初段用起動素子との間に接続されて
    おり、このダイオードのカソードは、前記両電子式後段
    用スイッチング素子のうち前記後段側直列回路において
    前記後段用起動素子の上流側に接続してなる電子式後段
    用スイッチング素子と前記後段用起動素子との間に接続
    されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の車
    両用乗員保護システムのための起動装置。
  5. 【請求項5】 前記機械式スイッチング素子が前記初段
    側直列回路において前記初段用起動素子の下流側に接続
    されており、 前記一方向導通半導体素子はダイオードであって、 このダイオードは、そのカソードにて、前記機械式スイ
    ッチング素子と前記初段用起動素子との間に接続されて
    おり、このダイオードのアノードは、前記両電子式後段
    用スイッチング素子のうち前記後段側直列回路において
    前記後段用起動素子の下流側に接続してなる電子式後段
    用スイッチング素子と前記後段用起動素子との間に接続
    されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の車
    両用乗員保護システムのための起動装置。
  6. 【請求項6】 車両用乗員保護システムに設けられて作
    動に応じて乗員を保護する単一の乗員保護部材(13)
    と、この乗員保護部材を低起動力にて作動させる低起動
    力発生部材(11)と、前記乗員保護部材を高起動力に
    て作動させる高起動力発生部材(12)とを備える乗員
    保護機構(11乃至13)と、 前記低起動力発生部材から給電に応じて低起動力を発生
    させる低起動力用起動素子(10a)と、 前記高起動力発生部材から給電に応じて高起動力を発生
    させる高起動力用起動素子(10b)と、 この高起動力用起動素子を挟むようにしてこの高起動力
    用起動素子と共に高起動力側直列回路を構成する両高起
    動力用スイッチング素子であって電子式スイッチング素
    子(30c)及び車両の衝突時に閉成する機械式スイッ
    チング素子(30d)からなる両高起動力用スイッチン
    グ素子(30c、30d)と、 前記低起動力用起動素子を挟むようにしてこの低起動力
    用起動素子と共に低起動力側直列回路を構成する両電子
    式低起動力用スイッチング素子(30a、30b)と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)と、 前記加速度検出手段の検出加速度に基づき前記乗員保護
    機構を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手
    段(100、140、150)と、 前記高起動力用起動素子と前記低起動力用起動素子を同
    時起動するか時間差起動するかにつき判定する起動方法
    判定手段(200)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が同時起動と
    判定したとき前記電子式高起動力用及び両電子式低起動
    力用の各スイッチング素子を閉成するように制御する第
    1制御手段(220、230、60、60A、70、8
    0)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が時間差起動
    と判定したとき前記電子式高起動力用スイッチング素子
    を閉成した後、所定の遅延時間の経過に伴い前記電子式
    両低起動力用スイッチング素子の少なくとも一方を閉成
    するように制御する第2制御手段(270、280、2
    90、300、310、60、60A、70、80)
    と、 前記機械式スイッチング素子の閉成と前記電子式高起動
    力用スイッチング素子の閉成に伴い前記高起動力側直列
    回路を通して前記高起動力用起動素子に給電し、前記電
    子式両低起動力用スイッチング素子の閉成に伴い前記低
    起動力側直列回路を通して前記低起動力用起動素子に給
    電する給電手段(B、8b、6)とを備える車両用乗員
    保護システム。
  7. 【請求項7】 車両用乗員保護システムに設けられて作
    動に応じて乗員を保護する単一の乗員保護部材(13)
    と、この乗員保護部材を低起動力にて作動させる低起動
    力発生部材(11)と、前記乗員保護部材を高起動力に
    て作動させる高起動力発生部材(12)とを備える乗員
    保護機構(11乃至13)と、 前記低起動力発生部材から給電に応じて低起動力を発生
    させる低起動力用起動素子(10a)と、 前記高起動力発生部材から給電に応じて高起動力を発生
    させる高起動力用起動素子(10b)と、 この高起動力用起動素子を挟むようにしてこの高起動力
    用起動素子と共に高起動力側直列回路を構成する両高起
    動力用スイッチング素子であって電子式スイッチング素
    子(30c)及び車両の衝突時に閉成する機械式スイッ
    チング素子(30d)からなる両高起動力用スイッチン
    グ素子(30c、30d)と、 前記低起動力用起動素子を挟むようにしてこの低起動力
    用起動素子と共に低起動力側直列回路を構成する両電子
    式低起動力用スイッチング素子(30a、30b)と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段(20)と、 前記加速度検出手段の検出加速度に基づき前記乗員保護
    機構を作動すべき衝突か否かにつき判定する衝突判定手
    段(100、140、150)と、 前記高起動力用起動素子と前記低起動力用起動素子を同
    時起動するか時間差起動するかにつき判定する起動方法
    判定手段(200)と、 前記機械式スイッチング素子が閉成しているか否かを判
    定する閉成判定手段(260)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が同時起動と
    判定したとき前記電子式高起動力用及び両電子式低起動
    力用の各スイッチング素子を閉成するように制御する第
    1制御手段(220、230、60、60A、70、8
    0)と、 前記衝突判定手段が前記乗員保護機構を作動すべき衝突
    と判定するとともに前記起動方法判定手段が時間差起動
    と判定したとき、前記閉成判定手段が前記機械式スイッ
    チング素子の閉成を判定しているときには、前記電子式
    高起動力用スイッチング素子が閉成した後、所定の遅延
    時間の経過に伴い前記電子式両低起動力用スイッチング
    素子が閉成するように前記電子式高起動力用スイッチン
    グ素子および前記電子式両低起動力用スイッチング素子
    を制御する第2制御手段(270、280、290、3
    00、310、60、60A、70、80)と、 前記機械式スイッチング素子の閉成と前記電子式高起動
    力用スイッチング素子の閉成に伴い前記高起動力側直列
    回路を通して前記高起動力用起動素子に給電し、前記電
    子式両低起動力用スイッチング素子の閉成に伴い前記低
    起動力側直列回路を通して前記低起動力用起動素子に給
    電する給電手段(B、8b、6)とを備える車両用乗員
    保護システム。
  8. 【請求項8】 前記両電子式高起動力用スイッチング素
    子のうち前記機械式スイッチング素子の前記高起動力用
    起動素子に対する接続位置に対応する接続位置にて前記
    低起動力用起動素子に接続してなる電子式低起動力用ス
    イッチング素子が前記第1又は第2の制御手段の制御に
    よって閉成しないとき、前記給電手段に他方の電子式低
    起動力用スイッチング素子、前記低起動力用起動素子及
    び前記機械式スイッチング素子を通して給電させるよう
    に前記高起動力側直列回路と前記低起動力側直列回路と
    の間に接続した一方向導通半導体素子(90、90a)
    を備える請求項6又は7に記載の車両用乗員保護システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記機械式スイッチング素子が前記高起
    動力側直列回路において前記高起動力用起動素子の上流
    側に接続されており、 前記一方向導通半導体素子はダイオードであって、 このダイオードは、そのアノードにて、前記機械式スイ
    ッチング素子と前記高起動力用起動素子との間に接続さ
    れており、このダイオードのカソードは、前記両電子式
    低起動力用スイッチング素子のうち前記高起動力側直列
    回路において前記低起動力用起動素子の上流側に接続し
    てなる電子式低起動力用スイッチング素子と前記低起動
    力用起動素子との間に接続されていることを特徴とする
    請求項8に記載の車両用乗員保護システム。
  10. 【請求項10】 前記機械式スイッチング素子が前記高
    起動力側直列回路において前記高起動力用起動素子の下
    流側に接続されており、 前記一方向導通半導体素子はダイオードであって、 このダイオードは、そのカソードにて、前記機械式スイ
    ッチング素子と前記高起動力用起動素子との間に接続さ
    れており、このダイオードのアノードは、前記両電子式
    低起動力用スイッチング素子のうち前記低起動力側直列
    回路において前記低起動力用起動素子の下流側に接続し
    てなる電子式低起動力用スイッチング素子と前記低起動
    力用起動素子との間に接続されていることを特徴とする
    請求項8に記載の車両用乗員保護システム。
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