JP3428233B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
無段変速機の変速制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は無段変速機の変速制御
装置に係り、特に、ショックや変速遅れを発生すること
なく、運転者の運転操作及び車両の走行状態を忠実に反
映した変速制御を実現し得て、ドライバビリティや動力
性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果たし得
て、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、
コストの増加を極めて少なくし得る無段変速機の変速制
御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両には、搭載される内燃機関の駆動力
を走行条件に合致させて取り出すために、変速機を設け
ている。この変速機には、駆動プーリと被動プーリ部と
に巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて
変速比を連続的に変化させる無段変速機がある。 【0003】この無段変速機には、油圧により駆動力を
断続するクラッチを有するものがある。このクラッチ
は、エンジン回転速度やエンジン要求負荷量であるスロ
ットル開度等の信号に基づいて、各種の制御モードによ
り制御されている。 【0004】前記無段変速機には、変速比を連続的に変
化させるよう変速制御する制御手段を備えたものがあ
る。無段変速機は、制御手段によって、過渡時に定常状
態の目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得た最終
目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致
するよう変速制御し、この過渡修正時に単位時間当りの
前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により
制限するよう変速制御するとともに、この制限値をスロ
ットル開度の急増時やシフト操作時に通常よりも大なる
制限値に設定して変速制御を行うものもある。 【0005】このような無段変速機の制御装置として
は、特開昭59−212565号公報や特開昭60−8
8259号公報に開示されるものがある。 【0006】特開昭59−212565号公報に開示さ
れる制御装置は、無段変速機の変速速度を時間経過に連
れて徐々に増大させるとともにその増大特性を車速に応
じて設定するものである。 【0007】特開昭60−88259号公報に開示され
る制御装置は、過渡時の目標エンジン回転速度の変化速
度を加速ペダルの操作速度に関係して設定するものであ
る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の無段
変速機の変速制御装置には、過渡時の変速制御として、
前記のように、最終目標エンジン回転速度の制限値をス
ロットル開度やシフト操作状態に応じて設定するもの
や、変速速度の時間経過増大特性を車速に応じて設定す
るもの、目標エンジン回転速度の変化速度を加速ペダル
の操作速度に関係して設定するもの等がある。 【0009】しかし、これら従来の無段変速機の過渡時
の変速制御によっては、運転者の運転操作や車両の走行
状態を忠実に反映できない場面が発生することがある。 【0010】例えば、駆動プーリと被動プーリとに巻掛
けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて変速比
を連続的に変化させる無段変速機には、出力側にトルク
容量を調整可能なクラッチを設けたものがある。この無
段変速機の変速制御装置は、制御手段によって、過渡時
に単位時間当りの最終目標エンジン回転速度の変化量を
制限値(過渡修正量)により制限するよう変速制御して
いる。 【0011】この変速制御装置においては、図14に示
す如く、車速(クラッチ出力回転速度:NCOに相当)
が高速(高NCO)時に適した過渡修正量(レートリミ
ット値:RATUP・RATLO)を、そのまま低速
(低NCO)時に使用して過渡修正を行なうと、前記の
運転操作や走行状態を忠実に反映できない場面の発生が
顕著となる不都合がある。 【0012】特に、走行モードをエコノミー(ECON
OMY)からロー(LOW)に切換えた場合(シフトト
ランジェント制御時)は、ショックが発生する場合があ
る。 【0013】逆に、車速が低速(低NCO)時に適した
過渡修正量を、そのまま高速(高NCO)時に使用して
過渡修正を行なうと、変速遅れが大きいという不都合が
ある。 【0014】このようなことから、従来は、過渡修正量
である制限値を、低速時と高速時との夫々において、あ
る程度の性能を満足し得るような値に設定することに甘
んじいる。 【0015】このような不都合に対しては、過渡修正量
を車速に応じて設定する方法が提案されている。しか
し、同じ車速であっても、変速比の違いよってショック
が発生したり、変速遅れが発生する場合があり、改善が
望まれている。 【0016】 【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、駆動プーリと被動プーリと
に巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて
変速比を連続的に変化させる無段変速機を設け、この無
段変速機の過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車
速とより求められる定常状態の目標エンジン回転速度に
過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度を得て、こ
の最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度
が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時
間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限
値により制限するよう変速制御するとともに、この制限
値を前記無段変速機の変速比が大きくなるほど小さくな
るように設定した修正係数を乗算して設定するよう変速
制御する制御手段を設けたことを特徴とする。 【0017】 【作用】この発明の構成によれば、変速制御装置は、制
御手段によって、過渡修正時には単位時間当りの最終目
標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよ
う変速制御するとともに、この制限値を無段変速機の変
速比が大きくなるほど小さくなるように設定した修正係
数を乗算して設定するよう変速制御することにより、変
速比に応じて最終目標エンジン回転速度を変化させるこ
とができるため、従来の車速による設定のように同じ車
速でショックを発生したり変速遅れを発生することがな
く、また、従来のように異なる車速でショックを発生し
たり変速遅れを発生することを防止でき、運転者の運転
操作や車両の走行状態を忠実に反映させることができ
る。 【0018】 【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図1〜図13は、この発明の実施例を示すもので
ある。図6において、2はエンジン、4はクランク軸、
6は無段変速機である。無段変速機6は、クランク軸4
により回転される駆動軸8とこの駆動軸8に平行な被動
軸10とに夫々駆動プーリ12と被動プーリ14とを設
け、駆動プーリ12と被動プーリ14とにベルト16を
巻掛けている。 【0019】前記駆動プーリ12は、駆動軸8に固定し
た駆動側固定プーリ部片18と、駆動軸8に軸方向移動
可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ部片2
0と、を有する。前記被動プーリ14は、被動軸10に
固定した被動側固定プーリ部片22と、被動軸10に軸
方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プー
リ部片24と、を有する。 【0020】無段変速機6は、前記駆動側可動プーリ部
片20と被駆動側可動プーリ部片24とを駆動側固定プ
ーリ部片18と被動側固定プーリ部片22とに対して図
示しない油圧等により軸方向移動させ、駆動プーリ12
と被動プーリ14との各溝幅を相対的に増減させて巻掛
けられたベルト16の回転半径を相対的に増減させ、変
速比を連続的に変化させる。 【0021】この無段変速機6の被動軸10の出力側に
は、クラッチ26を設けている。クラッチ26は、油圧
等によりトルク容量を調整可能であり、駆動側クラッチ
板28と被動側クラッチ板30とを有している。クラッ
チ26は、歯車機構32を介して車輪等の負荷34に連
絡されている。 【0022】前記無段変速機6は、変速比調整装置36
により駆動側可動プーリ部片20と被駆動側可動プーリ
部片24とを軸方向移動され、変速比を調整される。前
記クラッチ26は、トルク容量調整装置38により駆動
側クラッチ板28と被動側クラッチ板30とを接離さ
れ、トルク容量を調整される。 【0023】変速比調整装置36とトルク容量調整装置
38とは、変速制御装置40の制御手段42に接続され
ている。制御手段42には、エンジン2のスロットル弁
(図示せず)のスロットル開度THRを検出するスロッ
トルセンサ44と、無段変速機6のシフトレバー(図示
せず)のシフト位置を検出するシフト位置センサ46
と、無段変速機6の駆動軸8の回転速度をエンジン回転
速度NEとして検出するエンジン回転速度センサ48
と、無段変速機6の変速比Rcを検出する変速比センサ
50と、無段変速機6の被動軸10の回転速度を車速N
COとして検出する車速センサ52と、を接続してい
る。 【0024】制御手段42は、各センサ44〜52から
信号を入力し、変速比調整装置36により無段変速機6
の変速比Rcを連続的に変化させるよう変速制御し、ま
た、トルク容量調整装置38によりクラッチの26のト
ルク容量を調整する。 【0025】この無段変速機6の変速制御装置40は、
制御手段42によって、過渡時に少なくともエンジン要
求負荷量たるスロットル開度THRと車速NCOとより
求められる定常状態の目標エンジン回転速度NESPR
に過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度NESP
RFを得て、この最終目標エンジン回転速度NESPR
Fに実際のエンジン回転速度NEが一致するよう変速制
御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標
エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値RAT
UP・RATLOにより制限するよう変速制御するとと
もに、この制限値RATUP・RATLOを少なくとも
前記無段変速機6の変速比Rcを勘案して設定するよう
変速制御する。 【0026】次に作用を説明する。 【0027】無段変速機6は、図7に示す如く、変速制
御される。変速制御装置40は、まず目標値である最終
目標エンジン回転速度NESPRFを設定する(10
1)。 【0028】最終目標エンジン回転速度NESPRFの
設定(101)は、スロットル開度THRと車速NCO
とシフト操作位置とを基に定常状態の目標エンジン回転
速度NESPRを算出し(102)、求められた目標エ
ンジン回転速度NESPRに運転者の運転操作と車両の
走行状態とによって過渡修正を施し(103)、最終目
標エンジン回転速度NESPRFを得る。 【0029】この過渡修正を施した最終目標エンジン回
転速度NESPRFに、実際のエンジン回転速度NEが
一致するように変速比Rcを調整し、エンジン回転制
御、つまり変速制御を行う。 【0030】前記最終目標エンジン回転速度NESPR
Fに実際のエンジン回転速度NEを一致させるための演
算をし(104)、得られた値をPI制御による演算を
し(105)、ベルトスリップ防止の演算をし(10
6)、この演算により得られた値にレシオソレノイドデ
ューティUrの中立値Unを加算してレシオソレノイド
デューティUrとし(107)、このレシオソレノイド
デューティUrにより変速比Rcを調整する。 【0031】前記図7の定常状態の目標エンジン回転速
度NESPRの算出(102)は、図8に示す如く、ス
ロットル開度THRを因子とするマップRACRVTよ
りスロットル開度THRに対するエンジン回転速度NE
SPRTを求め、図9に示す如く、車速NCOを因子と
するマップRACRVH・RACRVLより車速NCO
に対する前記エンジン回転速度NESPRTの上限値N
ESPRH及び下限値NESPRLを求め、エンジン回
転速度NESPRTを上限値NESPRH及び下限値N
ESPRLで制限することにより求める。 【0032】詳述すると、定常状態の目標エンジン回転
速度NESPRの算出は、図10に示す如く、制御がス
タートすると(ステップ201)、図8のマップRAC
RVTよりスロットル開度THRに対するエンジン回転
速度NESPRTを求め、図9に示すマップRACRV
H・RACRVLよりNCOに対するエンジン回転速度
NESPRTの上限値NESPRH及び下限値NESP
RLを求める(ステップ202)。 【0033】次いで、前記エンジン回転速度NESPR
Tと上限値NESPRHとを比較判断する(ステップ2
03)。この判断(203)において、NESPRT<
NESPRHの場合は、エンジン回転速度NESPRT
と下限値NESPRLとを比較判断する(ステップ20
4)。 【0034】前記判断(203)において、NESPR
T>NESPRLの場合は、エンジン回転速度NESP
RTを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ205)、終了する(ステップ206)。 【0035】前記判断(ステップ204)において、N
ESPRT≦NESPRLの場合は、下限値NESPR
Lを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ207)、終了する(ステップ206)。 【0036】前記判断(ステップ203)において、N
ESPRT≧NESPRHの場合は、上限値NESPR
Hを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ208)、終了する(ステップ206)。 【0037】なお、前記スロットル開度THRを因子と
するマップRACRVTや車速NCOを因子とするマッ
プRACRVH・RACRVLは、シフト位置毎に夫々
設けられている。同じスロットル開度THRや車速NC
Oであっても、シフト位置が異なる場合には、目標エン
ジン回転速度NESPRの値が異なる。 【0038】また、前記図7の目標エンジン回転速度N
ESPRの過渡修正(103)は、図11に示す如く、
目標エンジン回転速度NESPRにフィルタ処理を施し
てフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを
求め(301)、図12に示す如く、目標エンジン回転
速度NESPFの変化量を制限値RATUP・RATL
Oにより制限するレートリミット制御(過渡修正)を行
なう(302)。 【0039】レートリミット制御(302)において
は、運転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値
の下限値RATLOを設定する(303)とともに、運
転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値の上限
値RATUPを設定する(304)。 【0040】次いで、最終目標エンジン回転速度NES
PRFの前回値Z-1(305)から下限値RATLOを
減算(306)した値とフィルタ処理後の目標エンジン
回転速度NESPFを比較して大きな値MAXを選択す
る(307)とともに、この選択された値MAXと最終
目標エンジン回転速度NESPRFの前回値Z-1(30
5)に上限値RATUPを加算(308)した値とを比
較して小さな値MINを選択し(309)、最終目標エ
ンジン回転速度NESPRFとする。 【0041】また、このレートリミット制御において
は、運転操作によってスロットル開度THRを急増した
場合やシフト操作を行う場合には、通常の制限値よりも
大なる制限値でレートリミット制御(トランジェント制
御)する。 【0042】ところで、従来の過渡時の変速制御におけ
る運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映でき
ない問題について原因を解析したところ、変速比Rcの
大きさが影響していることが判明した。 【0043】つまり、無段変速機6の変速部入力回転速
度であるエンジン回転速度NEの変化に対する無段変速
機6の出力トルクToの変化は、図6に示す如く、概
略、以下の式で現わされる。 【0044】 To=Rg*Rc*Te(THR,NE) =Rg*(NE/NCO)*Te(THR,NE) ∴(dTo/dt)=Rg*{Rc*〔dTE (TH
R,NE)/dt〕+〔TE (THR,NE)/NC
O〕*〔dNE/dt〕} 【0045】なお、エンジン発生トルクTE は、図5に
示す如く、スロットル開度THRとエンジン回転速度N
Eとより求められる。 【0046】前記式中の〔TE (THR,NE)/NC
O〕*〔dNE/dt〕による出力トルクToへの影響
を考えると、エンジン回転速度NEが変化しても、車速
NCOが大きいほど、出力トルクToの変化が小さい。 【0047】前記式中のRc*〔dTE (THR,N
E)/dt〕による出力トルクToへの影響を考える
と、エンジン回転速度NEの変化に対し、TE (TH
R,NE)の変化が大きいほど、出力トルクToの変化
が大きく、変速比Rcが大きいほど、出力トルクToの
変化が大きい。 【0048】また、無段変速機6の変速制御において
は、概して、車速NCOが低いほど、変速比Rcが大き
くなる。 【0049】よって、無段変速機6の変速制御において
は、車速NCOが低いと変速比Rcが大きくなり、エン
ジン回転速度NEの変化によるTE (THR,NE)の
変化が、出力トルクToの変化に現われるため、異なる
車速でのショックや変速遅れの発生により前記の運転者
の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない問題
がある。 【0050】また、同じ車速NCOであっても、変速比
Rcが異なれば、出力トルクToの変化が異なることに
より、この出力トルクToの違いよってショックや変速
遅れが発生することにより、前記の運転者の運転操作や
車両の走行状態を忠実に反映できない問題がある。 【0051】そこで、この無段変速機6の変速制御装置
40は、制御手段42によって、定常状態の目標エンジ
ン回転速度NESPRに過渡修正を施して最終目標エン
ジン回転速度NESPRFを得る際の過渡修正時には、
単位時間当りの最終目標エンジン回転速度NESPRF
の変化量を制限値RATUP・RATLOにより制限す
るよう変速制御するとともに、この制限値RATUP・
RATLOを無段変速機6の変速比Rcが大きくなるほ
ど小さくなるように設定した修正係数Krを乗算して設
定するよう変速制御する。 【0052】この目標エンジン回転速度NESPRの過
渡修正は、図1に示す如く、制御が開始されると(ステ
ップ401)、定常状態の目標エンジン回転速度NES
PRにフィルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エン
ジン回転速度NESPFを求め(402)、フィルタ処
理後の目標エンジン回転速度NESPFの変化量に対す
る制限値である上限値RATUPと下限値RATLOと
を設定する(403)。 【0053】上限値RATUP及び下限値RATLOの
設定(403)は、図2に示す如く、設定が開始される
と(ステップ403−1)、フィルタ処理後の目標エン
ジン回転速度NESPFと最終目標エンジン回転速度N
ESPRFSとの差ERRを求め(403−2)、図3
に示すレートリミットマップRUCRV・RLCRVよ
り差ERRに応じた修正前の上限値RATUPNと下限
値RATLONとを求める(ステップ403−3)。 【0054】次いで、図4に示す修正係数マップKrC
RVより修正係数Krを求め(ステップ403−4)、
修正前の上限値RATUPNと下限値RATLONとに
夫々修正係数Krを乗算して修正後の上限値RATUP
と下限値RATLOとを得て(ステップ403−5)、
終了する(ステップ403−6)。 【0055】このように、上限値RATUPと下限値R
ATLOとが設定(403)されると、フィルタ後の目
標エンジン回転速度NESPFと前回の最終目標エンジ
ン回転速度NESPRNとを比較判断(404)する。 【0056】この判断(404)において、NESPF
<NESPRNの場合は、前回の最終目標エンジン回転
速度NESPRNからフィルタ処理後の目標エンジン回
転速度NESPFを引いた値と下限値RATLOとを比
較判断する(ステップ405)。 【0057】この判断(ステップ405)において、
(NESPRN−NESPF)>RATLOの場合は、
前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNから下限
値RATLOを引いた値を過渡修正を施した最終目標エ
ンジン回転速度NESPRFとし(ステップ406)、
この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最
終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ス
テップ407)、終了する(ステップ408)。 【0058】前記判断(ステップ405)において、
(NESPRN−NESPF)≦RATLOの場合は、
フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを過
渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRF
とし(ステップ409)、この最終目標エンジン回転速
度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NE
SPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する
(ステップ408)。 【0059】また、前記判断(ステップ404)におい
て、NESPF≧NESPRNの場合は、フィルタ処理
後の目標エンジン回転速度NESPFから前回の最終目
標エンジン回転速度NESPRNを引いた値と上限値R
ATUPとを比較判断する(ステップ410)。 【0060】この判断(ステップ410)において、
(NESPF−NESPRN)≦RATUPの場合に
は、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPF
を過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESP
RFとし(ステップ409)、この最終目標エンジン回
転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度
NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了す
る(ステップ408)。 【0061】前記判断(ステップ410)において、
(NESPF−NESPRN)>RATUPの場合に
は、前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに上
限値RATUPを加えた値を過渡修正を施した最終目標
エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ41
1)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前
回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換え
て(ステップ407)、終了する(ステップ408)。 【0062】このように、この変速制御装置40は、制
限値である上限値RATUPと下限値RATLOとに変
速比Rcによる修正係数Krを乗算することにより、変
速比Rcによる影響を低減している。なお、修正係数K
rは、変速比Rcが大きいほど、小さくなるように設定
する。 【0063】このように、この変速制御装置40は、制
御手段42によって、過渡修正時には単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値
たる上限値RATUPと下限値RATLOとにより制限
するよう変速制御するとともに、この上限値RATUP
と下限値RATLOとを無段変速機6の変速比Rcを乗
算して設定するよう変速制御している。 【0064】これにより、この変速制御装置40は、変
速比Rcに応じて最終目標エンジン回転速度NESPR
Fを変化させることができるため、従来の車速による設
定のように同じ車速でショックを発生したり変速遅れを
発生することがなく、また、従来のように異なる車速で
ショックを発生したり変速遅れを発生することを防止で
き、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映さ
せることができる。 【0065】このため、この変速制御装置40は、図1
3に示す如く、低NCO時のショック発生や高NCO時
の変速遅れを改善することができ、同じ車速NCOでも
変速比Rcに応じて最適な制限値たる上限値RATUP
と下限値RATLOとの設定が可能となり、変速比Rc
の違いによるショック発生や変速遅れを防止することが
できる。 【0066】この結果、この変速制御装置40は、同じ
車速でのショックや変速遅れを発生することがなく、ま
た、異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止で
きることにより、運転者の運転操作及び車両の走行状態
を忠実に反映した変速制御を実現でき、ドライバビリテ
ィや動力性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果
たすことができる。また、この変速制御方法は、プログ
ラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増
加を極めて少なくることができる。 【0067】 【発明の効果】このように、この発明によれば、変速制
御装置は、過渡修正時の制限値を無段変速機の変速比が
大きくなるほど小さくなるように設定した修正係数を乗
算して設定することにより、変速比に応じて最終目標エ
ンジン回転速度を変化させることができるため、従来の
車速による設定のように同じ車速でショックを発生した
り変速遅れを発生することがなく、また、従来のように
異なる車速でショックを発生したり変速遅れを発生する
ことを防止でき、運転者の運転操作や車両の走行状態を
忠実に反映させることができる。 【0068】このため、この変速制御装置は、同じ車速
でのショックや変速遅れを発生することがなく、また、
異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止でき、
運転操作及び車両の走行状態を忠実に反映した変速制御
を実現でき、ドライバビリティや動力性能、省燃費特
性、部品の耐久性等の向上を果たすことができる。ま
た、この変速制御方法は、プログラムのわずかの追加に
より対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくるこ
とができる。
装置に係り、特に、ショックや変速遅れを発生すること
なく、運転者の運転操作及び車両の走行状態を忠実に反
映した変速制御を実現し得て、ドライバビリティや動力
性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果たし得
て、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、
コストの増加を極めて少なくし得る無段変速機の変速制
御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両には、搭載される内燃機関の駆動力
を走行条件に合致させて取り出すために、変速機を設け
ている。この変速機には、駆動プーリと被動プーリ部と
に巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて
変速比を連続的に変化させる無段変速機がある。 【0003】この無段変速機には、油圧により駆動力を
断続するクラッチを有するものがある。このクラッチ
は、エンジン回転速度やエンジン要求負荷量であるスロ
ットル開度等の信号に基づいて、各種の制御モードによ
り制御されている。 【0004】前記無段変速機には、変速比を連続的に変
化させるよう変速制御する制御手段を備えたものがあ
る。無段変速機は、制御手段によって、過渡時に定常状
態の目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得た最終
目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致
するよう変速制御し、この過渡修正時に単位時間当りの
前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により
制限するよう変速制御するとともに、この制限値をスロ
ットル開度の急増時やシフト操作時に通常よりも大なる
制限値に設定して変速制御を行うものもある。 【0005】このような無段変速機の制御装置として
は、特開昭59−212565号公報や特開昭60−8
8259号公報に開示されるものがある。 【0006】特開昭59−212565号公報に開示さ
れる制御装置は、無段変速機の変速速度を時間経過に連
れて徐々に増大させるとともにその増大特性を車速に応
じて設定するものである。 【0007】特開昭60−88259号公報に開示され
る制御装置は、過渡時の目標エンジン回転速度の変化速
度を加速ペダルの操作速度に関係して設定するものであ
る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の無段
変速機の変速制御装置には、過渡時の変速制御として、
前記のように、最終目標エンジン回転速度の制限値をス
ロットル開度やシフト操作状態に応じて設定するもの
や、変速速度の時間経過増大特性を車速に応じて設定す
るもの、目標エンジン回転速度の変化速度を加速ペダル
の操作速度に関係して設定するもの等がある。 【0009】しかし、これら従来の無段変速機の過渡時
の変速制御によっては、運転者の運転操作や車両の走行
状態を忠実に反映できない場面が発生することがある。 【0010】例えば、駆動プーリと被動プーリとに巻掛
けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて変速比
を連続的に変化させる無段変速機には、出力側にトルク
容量を調整可能なクラッチを設けたものがある。この無
段変速機の変速制御装置は、制御手段によって、過渡時
に単位時間当りの最終目標エンジン回転速度の変化量を
制限値(過渡修正量)により制限するよう変速制御して
いる。 【0011】この変速制御装置においては、図14に示
す如く、車速(クラッチ出力回転速度:NCOに相当)
が高速(高NCO)時に適した過渡修正量(レートリミ
ット値:RATUP・RATLO)を、そのまま低速
(低NCO)時に使用して過渡修正を行なうと、前記の
運転操作や走行状態を忠実に反映できない場面の発生が
顕著となる不都合がある。 【0012】特に、走行モードをエコノミー(ECON
OMY)からロー(LOW)に切換えた場合(シフトト
ランジェント制御時)は、ショックが発生する場合があ
る。 【0013】逆に、車速が低速(低NCO)時に適した
過渡修正量を、そのまま高速(高NCO)時に使用して
過渡修正を行なうと、変速遅れが大きいという不都合が
ある。 【0014】このようなことから、従来は、過渡修正量
である制限値を、低速時と高速時との夫々において、あ
る程度の性能を満足し得るような値に設定することに甘
んじいる。 【0015】このような不都合に対しては、過渡修正量
を車速に応じて設定する方法が提案されている。しか
し、同じ車速であっても、変速比の違いよってショック
が発生したり、変速遅れが発生する場合があり、改善が
望まれている。 【0016】 【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、駆動プーリと被動プーリと
に巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて
変速比を連続的に変化させる無段変速機を設け、この無
段変速機の過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車
速とより求められる定常状態の目標エンジン回転速度に
過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度を得て、こ
の最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度
が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時
間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限
値により制限するよう変速制御するとともに、この制限
値を前記無段変速機の変速比が大きくなるほど小さくな
るように設定した修正係数を乗算して設定するよう変速
制御する制御手段を設けたことを特徴とする。 【0017】 【作用】この発明の構成によれば、変速制御装置は、制
御手段によって、過渡修正時には単位時間当りの最終目
標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよ
う変速制御するとともに、この制限値を無段変速機の変
速比が大きくなるほど小さくなるように設定した修正係
数を乗算して設定するよう変速制御することにより、変
速比に応じて最終目標エンジン回転速度を変化させるこ
とができるため、従来の車速による設定のように同じ車
速でショックを発生したり変速遅れを発生することがな
く、また、従来のように異なる車速でショックを発生し
たり変速遅れを発生することを防止でき、運転者の運転
操作や車両の走行状態を忠実に反映させることができ
る。 【0018】 【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図1〜図13は、この発明の実施例を示すもので
ある。図6において、2はエンジン、4はクランク軸、
6は無段変速機である。無段変速機6は、クランク軸4
により回転される駆動軸8とこの駆動軸8に平行な被動
軸10とに夫々駆動プーリ12と被動プーリ14とを設
け、駆動プーリ12と被動プーリ14とにベルト16を
巻掛けている。 【0019】前記駆動プーリ12は、駆動軸8に固定し
た駆動側固定プーリ部片18と、駆動軸8に軸方向移動
可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ部片2
0と、を有する。前記被動プーリ14は、被動軸10に
固定した被動側固定プーリ部片22と、被動軸10に軸
方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プー
リ部片24と、を有する。 【0020】無段変速機6は、前記駆動側可動プーリ部
片20と被駆動側可動プーリ部片24とを駆動側固定プ
ーリ部片18と被動側固定プーリ部片22とに対して図
示しない油圧等により軸方向移動させ、駆動プーリ12
と被動プーリ14との各溝幅を相対的に増減させて巻掛
けられたベルト16の回転半径を相対的に増減させ、変
速比を連続的に変化させる。 【0021】この無段変速機6の被動軸10の出力側に
は、クラッチ26を設けている。クラッチ26は、油圧
等によりトルク容量を調整可能であり、駆動側クラッチ
板28と被動側クラッチ板30とを有している。クラッ
チ26は、歯車機構32を介して車輪等の負荷34に連
絡されている。 【0022】前記無段変速機6は、変速比調整装置36
により駆動側可動プーリ部片20と被駆動側可動プーリ
部片24とを軸方向移動され、変速比を調整される。前
記クラッチ26は、トルク容量調整装置38により駆動
側クラッチ板28と被動側クラッチ板30とを接離さ
れ、トルク容量を調整される。 【0023】変速比調整装置36とトルク容量調整装置
38とは、変速制御装置40の制御手段42に接続され
ている。制御手段42には、エンジン2のスロットル弁
(図示せず)のスロットル開度THRを検出するスロッ
トルセンサ44と、無段変速機6のシフトレバー(図示
せず)のシフト位置を検出するシフト位置センサ46
と、無段変速機6の駆動軸8の回転速度をエンジン回転
速度NEとして検出するエンジン回転速度センサ48
と、無段変速機6の変速比Rcを検出する変速比センサ
50と、無段変速機6の被動軸10の回転速度を車速N
COとして検出する車速センサ52と、を接続してい
る。 【0024】制御手段42は、各センサ44〜52から
信号を入力し、変速比調整装置36により無段変速機6
の変速比Rcを連続的に変化させるよう変速制御し、ま
た、トルク容量調整装置38によりクラッチの26のト
ルク容量を調整する。 【0025】この無段変速機6の変速制御装置40は、
制御手段42によって、過渡時に少なくともエンジン要
求負荷量たるスロットル開度THRと車速NCOとより
求められる定常状態の目標エンジン回転速度NESPR
に過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度NESP
RFを得て、この最終目標エンジン回転速度NESPR
Fに実際のエンジン回転速度NEが一致するよう変速制
御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標
エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値RAT
UP・RATLOにより制限するよう変速制御するとと
もに、この制限値RATUP・RATLOを少なくとも
前記無段変速機6の変速比Rcを勘案して設定するよう
変速制御する。 【0026】次に作用を説明する。 【0027】無段変速機6は、図7に示す如く、変速制
御される。変速制御装置40は、まず目標値である最終
目標エンジン回転速度NESPRFを設定する(10
1)。 【0028】最終目標エンジン回転速度NESPRFの
設定(101)は、スロットル開度THRと車速NCO
とシフト操作位置とを基に定常状態の目標エンジン回転
速度NESPRを算出し(102)、求められた目標エ
ンジン回転速度NESPRに運転者の運転操作と車両の
走行状態とによって過渡修正を施し(103)、最終目
標エンジン回転速度NESPRFを得る。 【0029】この過渡修正を施した最終目標エンジン回
転速度NESPRFに、実際のエンジン回転速度NEが
一致するように変速比Rcを調整し、エンジン回転制
御、つまり変速制御を行う。 【0030】前記最終目標エンジン回転速度NESPR
Fに実際のエンジン回転速度NEを一致させるための演
算をし(104)、得られた値をPI制御による演算を
し(105)、ベルトスリップ防止の演算をし(10
6)、この演算により得られた値にレシオソレノイドデ
ューティUrの中立値Unを加算してレシオソレノイド
デューティUrとし(107)、このレシオソレノイド
デューティUrにより変速比Rcを調整する。 【0031】前記図7の定常状態の目標エンジン回転速
度NESPRの算出(102)は、図8に示す如く、ス
ロットル開度THRを因子とするマップRACRVTよ
りスロットル開度THRに対するエンジン回転速度NE
SPRTを求め、図9に示す如く、車速NCOを因子と
するマップRACRVH・RACRVLより車速NCO
に対する前記エンジン回転速度NESPRTの上限値N
ESPRH及び下限値NESPRLを求め、エンジン回
転速度NESPRTを上限値NESPRH及び下限値N
ESPRLで制限することにより求める。 【0032】詳述すると、定常状態の目標エンジン回転
速度NESPRの算出は、図10に示す如く、制御がス
タートすると(ステップ201)、図8のマップRAC
RVTよりスロットル開度THRに対するエンジン回転
速度NESPRTを求め、図9に示すマップRACRV
H・RACRVLよりNCOに対するエンジン回転速度
NESPRTの上限値NESPRH及び下限値NESP
RLを求める(ステップ202)。 【0033】次いで、前記エンジン回転速度NESPR
Tと上限値NESPRHとを比較判断する(ステップ2
03)。この判断(203)において、NESPRT<
NESPRHの場合は、エンジン回転速度NESPRT
と下限値NESPRLとを比較判断する(ステップ20
4)。 【0034】前記判断(203)において、NESPR
T>NESPRLの場合は、エンジン回転速度NESP
RTを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ205)、終了する(ステップ206)。 【0035】前記判断(ステップ204)において、N
ESPRT≦NESPRLの場合は、下限値NESPR
Lを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ207)、終了する(ステップ206)。 【0036】前記判断(ステップ203)において、N
ESPRT≧NESPRHの場合は、上限値NESPR
Hを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし
(ステップ208)、終了する(ステップ206)。 【0037】なお、前記スロットル開度THRを因子と
するマップRACRVTや車速NCOを因子とするマッ
プRACRVH・RACRVLは、シフト位置毎に夫々
設けられている。同じスロットル開度THRや車速NC
Oであっても、シフト位置が異なる場合には、目標エン
ジン回転速度NESPRの値が異なる。 【0038】また、前記図7の目標エンジン回転速度N
ESPRの過渡修正(103)は、図11に示す如く、
目標エンジン回転速度NESPRにフィルタ処理を施し
てフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを
求め(301)、図12に示す如く、目標エンジン回転
速度NESPFの変化量を制限値RATUP・RATL
Oにより制限するレートリミット制御(過渡修正)を行
なう(302)。 【0039】レートリミット制御(302)において
は、運転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値
の下限値RATLOを設定する(303)とともに、運
転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値の上限
値RATUPを設定する(304)。 【0040】次いで、最終目標エンジン回転速度NES
PRFの前回値Z-1(305)から下限値RATLOを
減算(306)した値とフィルタ処理後の目標エンジン
回転速度NESPFを比較して大きな値MAXを選択す
る(307)とともに、この選択された値MAXと最終
目標エンジン回転速度NESPRFの前回値Z-1(30
5)に上限値RATUPを加算(308)した値とを比
較して小さな値MINを選択し(309)、最終目標エ
ンジン回転速度NESPRFとする。 【0041】また、このレートリミット制御において
は、運転操作によってスロットル開度THRを急増した
場合やシフト操作を行う場合には、通常の制限値よりも
大なる制限値でレートリミット制御(トランジェント制
御)する。 【0042】ところで、従来の過渡時の変速制御におけ
る運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映でき
ない問題について原因を解析したところ、変速比Rcの
大きさが影響していることが判明した。 【0043】つまり、無段変速機6の変速部入力回転速
度であるエンジン回転速度NEの変化に対する無段変速
機6の出力トルクToの変化は、図6に示す如く、概
略、以下の式で現わされる。 【0044】 To=Rg*Rc*Te(THR,NE) =Rg*(NE/NCO)*Te(THR,NE) ∴(dTo/dt)=Rg*{Rc*〔dTE (TH
R,NE)/dt〕+〔TE (THR,NE)/NC
O〕*〔dNE/dt〕} 【0045】なお、エンジン発生トルクTE は、図5に
示す如く、スロットル開度THRとエンジン回転速度N
Eとより求められる。 【0046】前記式中の〔TE (THR,NE)/NC
O〕*〔dNE/dt〕による出力トルクToへの影響
を考えると、エンジン回転速度NEが変化しても、車速
NCOが大きいほど、出力トルクToの変化が小さい。 【0047】前記式中のRc*〔dTE (THR,N
E)/dt〕による出力トルクToへの影響を考える
と、エンジン回転速度NEの変化に対し、TE (TH
R,NE)の変化が大きいほど、出力トルクToの変化
が大きく、変速比Rcが大きいほど、出力トルクToの
変化が大きい。 【0048】また、無段変速機6の変速制御において
は、概して、車速NCOが低いほど、変速比Rcが大き
くなる。 【0049】よって、無段変速機6の変速制御において
は、車速NCOが低いと変速比Rcが大きくなり、エン
ジン回転速度NEの変化によるTE (THR,NE)の
変化が、出力トルクToの変化に現われるため、異なる
車速でのショックや変速遅れの発生により前記の運転者
の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない問題
がある。 【0050】また、同じ車速NCOであっても、変速比
Rcが異なれば、出力トルクToの変化が異なることに
より、この出力トルクToの違いよってショックや変速
遅れが発生することにより、前記の運転者の運転操作や
車両の走行状態を忠実に反映できない問題がある。 【0051】そこで、この無段変速機6の変速制御装置
40は、制御手段42によって、定常状態の目標エンジ
ン回転速度NESPRに過渡修正を施して最終目標エン
ジン回転速度NESPRFを得る際の過渡修正時には、
単位時間当りの最終目標エンジン回転速度NESPRF
の変化量を制限値RATUP・RATLOにより制限す
るよう変速制御するとともに、この制限値RATUP・
RATLOを無段変速機6の変速比Rcが大きくなるほ
ど小さくなるように設定した修正係数Krを乗算して設
定するよう変速制御する。 【0052】この目標エンジン回転速度NESPRの過
渡修正は、図1に示す如く、制御が開始されると(ステ
ップ401)、定常状態の目標エンジン回転速度NES
PRにフィルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エン
ジン回転速度NESPFを求め(402)、フィルタ処
理後の目標エンジン回転速度NESPFの変化量に対す
る制限値である上限値RATUPと下限値RATLOと
を設定する(403)。 【0053】上限値RATUP及び下限値RATLOの
設定(403)は、図2に示す如く、設定が開始される
と(ステップ403−1)、フィルタ処理後の目標エン
ジン回転速度NESPFと最終目標エンジン回転速度N
ESPRFSとの差ERRを求め(403−2)、図3
に示すレートリミットマップRUCRV・RLCRVよ
り差ERRに応じた修正前の上限値RATUPNと下限
値RATLONとを求める(ステップ403−3)。 【0054】次いで、図4に示す修正係数マップKrC
RVより修正係数Krを求め(ステップ403−4)、
修正前の上限値RATUPNと下限値RATLONとに
夫々修正係数Krを乗算して修正後の上限値RATUP
と下限値RATLOとを得て(ステップ403−5)、
終了する(ステップ403−6)。 【0055】このように、上限値RATUPと下限値R
ATLOとが設定(403)されると、フィルタ後の目
標エンジン回転速度NESPFと前回の最終目標エンジ
ン回転速度NESPRNとを比較判断(404)する。 【0056】この判断(404)において、NESPF
<NESPRNの場合は、前回の最終目標エンジン回転
速度NESPRNからフィルタ処理後の目標エンジン回
転速度NESPFを引いた値と下限値RATLOとを比
較判断する(ステップ405)。 【0057】この判断(ステップ405)において、
(NESPRN−NESPF)>RATLOの場合は、
前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNから下限
値RATLOを引いた値を過渡修正を施した最終目標エ
ンジン回転速度NESPRFとし(ステップ406)、
この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最
終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ス
テップ407)、終了する(ステップ408)。 【0058】前記判断(ステップ405)において、
(NESPRN−NESPF)≦RATLOの場合は、
フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを過
渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRF
とし(ステップ409)、この最終目標エンジン回転速
度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NE
SPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する
(ステップ408)。 【0059】また、前記判断(ステップ404)におい
て、NESPF≧NESPRNの場合は、フィルタ処理
後の目標エンジン回転速度NESPFから前回の最終目
標エンジン回転速度NESPRNを引いた値と上限値R
ATUPとを比較判断する(ステップ410)。 【0060】この判断(ステップ410)において、
(NESPF−NESPRN)≦RATUPの場合に
は、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPF
を過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESP
RFとし(ステップ409)、この最終目標エンジン回
転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度
NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了す
る(ステップ408)。 【0061】前記判断(ステップ410)において、
(NESPF−NESPRN)>RATUPの場合に
は、前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに上
限値RATUPを加えた値を過渡修正を施した最終目標
エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ41
1)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前
回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換え
て(ステップ407)、終了する(ステップ408)。 【0062】このように、この変速制御装置40は、制
限値である上限値RATUPと下限値RATLOとに変
速比Rcによる修正係数Krを乗算することにより、変
速比Rcによる影響を低減している。なお、修正係数K
rは、変速比Rcが大きいほど、小さくなるように設定
する。 【0063】このように、この変速制御装置40は、制
御手段42によって、過渡修正時には単位時間当りの最
終目標エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値
たる上限値RATUPと下限値RATLOとにより制限
するよう変速制御するとともに、この上限値RATUP
と下限値RATLOとを無段変速機6の変速比Rcを乗
算して設定するよう変速制御している。 【0064】これにより、この変速制御装置40は、変
速比Rcに応じて最終目標エンジン回転速度NESPR
Fを変化させることができるため、従来の車速による設
定のように同じ車速でショックを発生したり変速遅れを
発生することがなく、また、従来のように異なる車速で
ショックを発生したり変速遅れを発生することを防止で
き、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映さ
せることができる。 【0065】このため、この変速制御装置40は、図1
3に示す如く、低NCO時のショック発生や高NCO時
の変速遅れを改善することができ、同じ車速NCOでも
変速比Rcに応じて最適な制限値たる上限値RATUP
と下限値RATLOとの設定が可能となり、変速比Rc
の違いによるショック発生や変速遅れを防止することが
できる。 【0066】この結果、この変速制御装置40は、同じ
車速でのショックや変速遅れを発生することがなく、ま
た、異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止で
きることにより、運転者の運転操作及び車両の走行状態
を忠実に反映した変速制御を実現でき、ドライバビリテ
ィや動力性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果
たすことができる。また、この変速制御方法は、プログ
ラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増
加を極めて少なくることができる。 【0067】 【発明の効果】このように、この発明によれば、変速制
御装置は、過渡修正時の制限値を無段変速機の変速比が
大きくなるほど小さくなるように設定した修正係数を乗
算して設定することにより、変速比に応じて最終目標エ
ンジン回転速度を変化させることができるため、従来の
車速による設定のように同じ車速でショックを発生した
り変速遅れを発生することがなく、また、従来のように
異なる車速でショックを発生したり変速遅れを発生する
ことを防止でき、運転者の運転操作や車両の走行状態を
忠実に反映させることができる。 【0068】このため、この変速制御装置は、同じ車速
でのショックや変速遅れを発生することがなく、また、
異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止でき、
運転操作及び車両の走行状態を忠実に反映した変速制御
を実現でき、ドライバビリティや動力性能、省燃費特
性、部品の耐久性等の向上を果たすことができる。ま
た、この変速制御方法は、プログラムのわずかの追加に
より対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す変速制御装置による目
標エンジン回転速度の過渡修正の制御のフローチャート
である。 【図2】上限値と下限値との設定のフローチャートであ
る。 【図3】上限値と下限値との設定用マップを示す図であ
る。 【図4】修正係数マップを示す図である。 【図5】スロットル開度とエンジン回転速度とによるエ
ンジン発生トルクの関係を示す図である。 【図6】無段変速機の概略構成図である。 【図7】変速制御のブロック図である。 【図8】スロットル開度による目標エンジン回転速度の
関係を示す図である。 【図9】車速による目標エンジン回転速度の上限値と下
限値との関係を示す図である。 【図10】定常状態の目標エンジン回転速度の設定用の
フローチャートである。 【図11】目標エンジン回転速度の過渡修正の制御のブ
ロック図である。 【図12】目標エンジン回転速度の過渡修正状態を示す
タイミングチャートである。 【図13】過渡時のエンジン回転速度のタイミングチャ
ートである。 【図14】従来例を示す過渡時のエンジン回転速度のタ
イミングチャートである。 【符号の説明】 2 エンジン 4 クランク軸 6 無段変速機 8 駆動軸 10 被動軸 12 駆動プーリ 14 被動プーリ 16 ベルト 26 クラッチ 36 変速比調整装置 38 トルク容量調整装置 40 変速制御装置 42 制御手段 44 スロットルセンサ 46 シフト位置センサ 48 エンジン回転速度センサ 50 変速比センサ 52 車速センサ
標エンジン回転速度の過渡修正の制御のフローチャート
である。 【図2】上限値と下限値との設定のフローチャートであ
る。 【図3】上限値と下限値との設定用マップを示す図であ
る。 【図4】修正係数マップを示す図である。 【図5】スロットル開度とエンジン回転速度とによるエ
ンジン発生トルクの関係を示す図である。 【図6】無段変速機の概略構成図である。 【図7】変速制御のブロック図である。 【図8】スロットル開度による目標エンジン回転速度の
関係を示す図である。 【図9】車速による目標エンジン回転速度の上限値と下
限値との関係を示す図である。 【図10】定常状態の目標エンジン回転速度の設定用の
フローチャートである。 【図11】目標エンジン回転速度の過渡修正の制御のブ
ロック図である。 【図12】目標エンジン回転速度の過渡修正状態を示す
タイミングチャートである。 【図13】過渡時のエンジン回転速度のタイミングチャ
ートである。 【図14】従来例を示す過渡時のエンジン回転速度のタ
イミングチャートである。 【符号の説明】 2 エンジン 4 クランク軸 6 無段変速機 8 駆動軸 10 被動軸 12 駆動プーリ 14 被動プーリ 16 ベルト 26 クラッチ 36 変速比調整装置 38 トルク容量調整装置 40 変速制御装置 42 制御手段 44 スロットルセンサ 46 シフト位置センサ 48 エンジン回転速度センサ 50 変速比センサ 52 車速センサ
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−300097(JP,A)
特開 平7−71547(JP,A)
特開 平5−126239(JP,A)
特開 平3−121352(JP,A)
特開 平6−300098(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16H 59/00 - 61/12
F16H 61/16 - 61/24
F16H 63/40 - 63/48
F16H 9/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 駆動プーリと被動プーリとに巻掛けられ
たベルトの回転半径を相対的に増減させて変速比を連続
的に変化させる無段変速機を設け、この無段変速機の過
渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車速とより求め
られる定常状態の目標エンジン回転速度に過渡修正を施
して最終目標エンジン回転速度を得て、この最終目標エ
ンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよ
う変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記
最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限
するよう変速制御するとともに、この制限値を前記無段
変速機の変速比が大きくなるほど小さくなるように設定
した修正係数を乗算して設定するよう変速制御する制御
手段を設けたことを特徴とする無段変速機の変速制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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