JP3428098B2 - ネットワークにおけるデータ転送方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、ネットワークを通じ
て情報データが授受されて処理される分散制御システム
等のネットワークシステムにおいて、ネットワークにつ
ながるコントローラ等のデータ処理ステーションが、ネ
ットワークを介してそれぞれのデータを更新置換すると
きのデータ転送方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来技術の方法によってネットワークを
通じて情報データを伝送授受してデータの置換更新を行
うデータ処理ステーションの通信制御部を中心とするブ
ロック構成を図２の（ａ）に示し、このネットワークシ
ステムにおける情報データ授受単位としてのメッセージ
フレーム３の構成を図２の（ｂ）に示し、以下図２の
（ａ）と（ｂ）とによって従来技術を説明する。 【０００３】メッセージフレーム３の構成を示す図２の
（ｂ）において、311 と34は一単位の情報データの始ま
りと終わりを知らせる識別子および伝送における同期信
号としても機能する開始および終結フラグシーケンスで
あり、312 は送信するメッセージフレームの宛て先又
は、送信元を示すアドレス部であり、313 は送信相手ス
テーションに対する動作の指令、あるいは指令に対する
受信元ステーションの応答を示す制御部であり、上記の
開始フラグシーケンス311 とアドレス部312 および制御
部313 とがヘッダー31を構成する。そして、伝送対象の
データ本体は情報本体部32に納められ、情報本体部32の
終端には、ヘッダー31と情報本体部32の内容が正確に転
送されたか否かの確認のための鍵（Key ）として機能す
るフレーム検査シーケンス（以下ＦＣＳと略記する) が
付せられ、最後部に前記の終結フラグシーケンス34が配
置されてメッセージフレーム３が終結する。 【０００４】上記の構成のメッセージフレーム３を受信
するデータ処理ステーション１のブロック構成を示す図
２の（ａ）において、11はこのデータ処理ステーション
１の基本機能の実行を司るメインＣＰＵであり、12はメ
インＣＰＵの作動に係わる情報データが格納されるメイ
ンメモリである。そして、２はこのデータ処理ステーシ
ョン１への受信情報の取込と格納を制御する通信制御部
であり、復調機能を備えたレシーバ21、受信制御部22、
通信制御ＣＰＵ23および受信バッファ24によって構成さ
れている。 【０００５】他の、或いは上位のデータ処理ステーショ
ンから図２（ｂ）の配列のメッセージフレーム３を内容
とする変調されたシリアル信号が発信されてネットワー
クに載せられると、データ処理ステーション１の通信制
御部２のレシーバ21がこの信号を復調してメッセージフ
レーム３の内容をシリアルデータとして受信制御部22へ
入力する。 【０００６】受信制御部22は入力されたシリアルデータ
をパラレルデータに変換して一旦受信バッファ24に格納
するとともに、受信制御部22を通過する受信されたメッ
セージフレーム３を監視し、ＦＣＳを受信したとき、こ
のＦＣＳによって受信したメッセージフレーム３の受信
誤りの有無を検査してその結果を通信制御ＣＰＵ23に知
らせる。 【０００７】通信制御ＣＰＵ23は、受信制御部22からメ
ッセージフレーム３の受信検査結果が正の通報を受けた
とき、受信バッファ24に格納されたメッセージフレーム
３のヘッダー31のアドレス部312 に記載の内容を読み取
って、該メッセージフレーム３の情報本体部32のデータ
の該データ処理ステーションへの取り込みが指示されて
いるか否かを判断し、取り込み要の場合には、アドレス
部312 と制御部313 の内容によって該データ処理ステー
ションのメインメモリ12における受信データ格納領域の
アドレスを生成し、そのアドレスの領域に、受信バッフ
ァ24に格納されたメッセージフレーム３の情報本体部32
のデータを転送する。 【０００８】一方、通信制御ＣＰＵ23が該メッセージフ
レーム３の該データ処理テーション１への取込みを不要
と判断したとき、及びＦＣＳ検査結果が不正との通報を
受けたときには、通信制御ＣＰＵ23は受信バッファ24に
格納されたメッセージフレーム３を破棄する処理を行
う。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のネットワー
ク・データ転送方法においては、メッセージフレーム３
を構成する全てのメッセージを一旦データ処理ステーシ
ョン１の受信バッファ24に格納し、受信制御部22におけ
るフレームデータの受信検査結果を確認してから、メッ
セージフレーム３中の情報本体部32のデータを再度受信
データ処理ステーション１のメインメモリ12への転送処
理を行うため、１個のメッセージフレーム３の受信に際
し転送処理動作が２回行われることとなる。このため、
１個のメッセージフレームを受信してから次のメッセー
ジフレームの受信動作へ遷移するまでに長時間を要して
しまう。又、各データ処理ステーションが受信した新規
データの該データ処理ステーションのメインメモリ格納
領域のアドレスは、予め定められた規則にもとづいてメ
ッセージフレーム３のヘッダー31に記載の内容により、
それぞれのデータ処理ステーションの通信制御ＣＰＵ23
が生成することとしているので、さまざまの種類のデー
タを受信する場合、その格納アドレスの管理・登録が煩
雑となって処理時間も長くなるという問題がある。 【００１０】本発明は、上記従来のネットワークにおけ
るデータ転送方法の問題点を解決し、メッセージフレー
ムの受信サイクルの周期を短縮する手段を提供し、この
ネットワークの上に構築される分散制御システム等のネ
ットワークシステムの処理速度を速めてシステムの機能
を高めることを目的とする。 【００１１】 【課題を解決するための手段】上記の目的達成のため、
本発明の方法においては、ネットワークを通じて、フラ
グシーケンスで始まるヘッダーを先頭に配置した情報本
体部の末尾に受信情報の正否判別用のフレーム検査シー
ケンスを配置し、終結フラグシーケンスで終るメッセー
ジフレームを伝送単位としてデータ処理ステーション間
の情報データの転送が行われるデータ転送方法におい
て、メッセージフレームのヘッダーと情報本体部の間
に、メモリ位置コードとデータ数コードおよび先頭部検
査シーケンスによってなる位置情報部を配置することと
している。そして、データ処理ステーションにおいて
は、メッセージフレームの位置情報部までが受信された
とき、位置情報部の先頭部検査シーケンスによってヘッ
ダーと位置情報部の受信正否が検査され、正しく受信さ
れたことが確認されたとき、ヘッダーによって指定され
たデータ処理ステーションのメインメモリの、位置情報
部のメモリ位置コードとデータ数コードによって定まる
受信データ格納領域に、メッセージフレームの情報本体
部のデータが直接書き込まれ、フレーム検査シーケンス
による受信データの検査結果が不正と判断されたとき、
メインメモリの前記受信データ格納領域に書き込まれた
データへのアクセスが禁止されるようにする。 【００１２】 【作用】上記構成のメッセージフレームがネットワーク
に載せられたとき、ネットワークに繋がるデータ処理ス
テーションは、メッセージフレームの位置情報部までを
受信したとき、位置情報部のアドレス検査シーケンスに
よってヘッダーと位置情報部の受信正否を検査し、正し
く受信されたことが確認されたとき、ヘッダーの内容が
解析されてヘッダーによって指定されたデータ処理ステ
ーションの位置情報部によって指定されたメインメモリ
の受信データ格納領域に、メッセージフレームの情報本
体部のデータが格納され、フレーム検査シーケンスが受
信されたとき、このシーケンスによって格納したデータ
は正しく受信されたものであるか否かが検査され、正し
く受信されていないと判断されたときには受信データ格
納領域に書き込まれたデータへのアクセスが禁止され
る。 【００１３】 【実施例】本発明の方法によってデータを受信してリフ
レッシュするデータ処理ステーションの通信制御部を中
心とするブロック構成を図１の（ａ）に、また、ネット
ワークを通じて伝送される受信対象のデータを載せたメ
ッセージフレームの構成を図１の（ｂ）に示し、以下こ
の図によって本発明を説明する。 【００１４】図１の（ｂ）のメッセージフレームの構成
において、情報データ本体である情報本体部32の他、ヘ
ッダー31とフレーム検査シーケンス33および終結フラグ
シーケンス34の部分は、従来技術の方法による図２の
（ｂ）に示されたメッセージフレームの構成において同
じ符号が付せられた対応する部分と同等の内容機能を備
えたメッセージフレームの構成要素である。 【００１５】一方、位置情報部35は本発明に基づいてヘ
ッダー31と情報部32の間に挿入配置された部分であり、
下記の1)ないし3)に説明する内容の情報を表すコードに
よってなるメモリ位置コード351 データ数コード352 お
よび先頭部検査シーケンス353 によって構成されてい
る。 1)メモリ位置コード； 受信メッセージフレームの情報
データ本体である情報部32のデータを格納するデータ処
理ステーション１のメインメモリ13中の受信データ格納
領域において、送信元各データ処理ステーションに対応
して分割されたブロックの先頭アドレス等のデータ格納
領域生成に係わる情報。 【００１６】2)データ数コード； 情報部32に載せられ
たデータの長さを表すデータバイト数等の情報。 3)先頭部検査シーケンス； ヘッダー31と位置情報部35
に指定の内容が、データ処理ステーション１において正
しく受信されたか否かを検査するサイクリック符号方式
（ＣＲＣ）あるいは反転情報方式等からなる検査シーケ
ンス。 【００１７】上記位置情報部が付加されたメッセージフ
レームを受信する図１の（ａ）のブロック構成のデータ
処理ステーションにおいて、11は、このデータ処理ステ
ーション１の基本機能の実行を司るメインＣＰＵであ
り、13は、メインＣＰＵ11の作動に係わる情報データが
格納されるメインメモリである。このメインメモリ13
は、同一アドレスが割付けられた二重化されたメモリ13
ａ，13ｂから構成されており、かつ、メモリ13ａ，13ｂ
は送信元の各データ処理ステーションに対応してブロッ
クに分割されている。メモリ13ａ，13ｂのいずれを選択
するかは、各ブロック毎に切換器14により決定される。
そして、２は、このデータ処理ステーション１への受信
情報の取込と格納を制御する通信制御部であり、復調機
能を備えたレシーバ21、受信制御部22、通信制御ＣＰＵ
28および本発明によって設けられたメモリ位置情報バッ
ファ25と出力ロック部26とによって構成されている。 【００１８】上記構成のデータ処理ステーションにおい
て図２の（ａ）におけると同一の符号が付された要素
は、図２の（ａ）におけると同等に機能する。他の、或
いは上位のデータ処理ステーションから図１（ｂ）の配
列のメッセージフレームを内容とする変調されたシリア
ル信号が発信されると、データ処理ステーション１の通
信制御部２のレシーバ21が受信信号を復調してメッセー
ジフレームの内容をシリアルデータとして受信制御部22
へ入力する。 【００１９】受信制御部22は、入力されたシリアルデー
タをパラレルデータに変換し、メッセージフレーム３の
ヘッダー31と位置情報部35までのデータを先頭情報バア
ファ25に格納するとともに、受信制御部22を通過するフ
レームデータを監視し、先頭部あるいはフレーム検査シ
ーケンスを受信したとき、その検査シーケンスによって
検査シーケンスの前に配置されているデータが正しく受
信されたか否かを検査して検査結果を通信制御ＣＰＵ28
に通知する。 【００２０】メッセージフレーム３が図１（ｂ）の構成
である本発明によるネットワークシステムのデータ処理
ステーションがメッセージフレームを受信するとき、最
初に検出される検査シーケンスは先頭部検査シーケンス
353 であり、この検査シーケンスによる検査結果が正と
判定された場合、通信制御ＣＰＵ28は、先頭情報バッフ
ァ25に格納されているヘッダー31のアドレス部312 に記
載の内容を読み取って該メッセージフレーム情報本体部
32のデータの該データ処理ステーションへの取り込み指
定有無を判断し、取り込み要の場合には、出力ロック部
27を開としてメモリ位置コード351 とデータ数コード35
2 で定まるメインメモリ13の受信データ格納領域にメッ
セージフレーム３の情報本体部32のデータが直接書き込
まれるように制御する。例えば、ここでは切換器14によ
りメモリ13ａ側に書き込まれるものとする。このとき、
メインＣＰＵ11は切換器14によりメモリ13ｂの情報を使
用している。 【００２１】そして、メッセージフレーム末尾のフレー
ム検査シーケンス（ＦＣＳ）33が受信されて、このＦＣ
Ｓによる受信データの受信制御部22における検査結果が
正と判定されたときには、切換器14は通信制御ＣＰＵ28
からの切換え通知を受けてメインＣＰＵ11がメモリ13ａ
の情報を使用できるようにするとともに、メモリ13ｂに
次の受信データが格納できるようにする。これに対し
て、検査結果が不正と判断されたときには、切換器14に
は通信制御ＣＰＵ28からの切換え通知が送られないた
め、メインＣＰＵ11は今までと同様にメモリ13ｂの情報
を使用する。なお、このときメモリ13ａに格納された受
信データは次の受信データが格納されるまで保持され
る。 【００２２】一方、ヘッダーのアドレス部が該データ処
理ステーションを指定していないとき、及び位置検査シ
ーケンス353 による検査結果が不正と判定されたときに
は、通信制御ＣＰＵ28は出力ロック部27を閉としてメッ
セージフレーム情報部32に載せられたデータがメインメ
モリ13に書き込まれないようにする。 【００２３】 【発明の効果】本発明の方法によってネットワークを介
してデータを転送する場合、メッセージフレームの情報
本体部のデータは、受信を指定されたデータ処理ステー
ションのメインメモリに直接転送されるので、転送速度
が向上するという効果が得られる。 【００２４】一方、データ処理ステーションのメインメ
モリに直接データを書き込む方式であるが、メッセージ
フレーム３のヘッダーと位置情報部が正しくデータ処理
ステーションに受信されたことを確認してから、メッセ
ージフレームの情報本体部のデータがヘッダーで指定さ
れたデータ処理ステーションのメインメモリのメッセー
ジフレームの位置情報部35のメモリ位置コード351 とデ
ータ数コード352 によって定まる領域に書き込まれてい
る旧データを更新するデータとして書き込まれるので、
情報データの種類の区分に対応して分けられているメイ
ンメモリの受信データ格納領域に、該受信データ格納領
域の区分に属さない種類のデータが誤って書き込まれて
本来の格納データを破壊してしまうことはない。そし
て、上記のヘッダー部と位置情報部の受信検査に当たっ
て必要な先頭情報バッファは、メッセージフレーム３全
体の情報を保持する必要がないので小容量の記憶領域を
用意しておけばよいという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の方法によってデータ転送を行うデータ
処理ステーションのブロック構成と転送単位としてのメ
ッセージフレームの構成を示す図 【図２】従来技術によってデータ転送を行うデータ処理
ステーションのブロック構成と従来技術におけるメッセ
ージフレームの構成を示す図 【符号の説明】 １ データ処理ステーション ２ 通信制御部 ３ メッセージフレーム 11 メインＣＰＵ 12，13 メインメモリ 14 切換器 21 レシーバ 22 受信制御部 23，28 通信制御ＣＰＵ 24 受信バッファ 25 先頭情報バッファ 27 出力ロック部 31 ヘッダー 32 情報本体部 33 フレーム検査シーケンス 34 終結フラグシーケンス 35 位置情報部 311 開始フラグシーケンス 312 アドレス部 313 制御部 351 メモリ位置情報部 352 データ長情報部 353 先頭部検査シーケンス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04L 13/08 H04L 29/00

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】ネットワークを通じて、フラグシーケンス
   で始まるヘッダーを先頭に配置した情報本体部の末尾に
   受信情報の正否を判別するフレーム検査シーケンスを配
   置し、終結フラグシーケンスで終るメッセージフレーム
   を伝送単位として、データ処理ステーション間の情報デ
   ータの転送を行うデータ転送方法において、 メッセージフレームのヘッダーと情報本体部の間に、メ
   モリ位置コードとデータ数コードおよび先頭部検査シー
   ケンスとによってなる位置情報部を配置し、 データ処理ステーションは、メッセージフレームのヘッ
   ダーと位置情報部とを受信したとき、位置情報部の先頭
   部検査シーケンスによってヘッダーと位置情報部の受信
   正否を検査し、 正しく受信されたことが確認されたとき、ヘッダーによ
   って指定されたデータ処理ステーションのメインメモリ
   の、位置情報部のメモリ位置コードとデータ数コードに
   よって定まる受信データ格納領域に、メッセージフレー
   ムの情報本体部のデータが直接書き込まれ、 フレーム検査シーケンスによる受信データの検査結果が
   不正と判断されたとき、メインメモリの前記受信データ
   格納領域に書き込まれたデータへのアクセスが禁止され
   ることを特徴とするネットワークにおけるデータ転送方
   法。