JP3426806B2 - α,ω−不飽和共役化合物のポリマーの製造方法 - Google Patents

α,ω−不飽和共役化合物のポリマーの製造方法

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JP3426806B2
JP3426806B2 JP25741795A JP25741795A JP3426806B2 JP 3426806 B2 JP3426806 B2 JP 3426806B2 JP 25741795 A JP25741795 A JP 25741795A JP 25741795 A JP25741795 A JP 25741795A JP 3426806 B2 JP3426806 B2 JP 3426806B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、芳香環系を含む
α,ω−不飽和共役化合物のポリマーの製造方法に関す
る。本発明はまた、このようなポリマーを含むエレクト
ロルミネセンスデバイス(eletroluminescent device)に
関する。
【0002】
【従来の技術】大抵はディスプレイテクノロジーに関係
した広範囲な用途のために大面積固相光源(large-area
solid-state light source)が工業的に切望されてお
り、現在、完全に満足できるテクノロジーは存在しな
い。ポリマーに基づくエレクトロルミネセンスデバイス
は非常に有望であり、通常の無機発光ダイオード及び液
晶ディスプレイを越えた幾つかの利点がしばしば存在す
る。これらの利点には、全カラースペクトルの利用可能
性、大面積エレクトロルミネセンスデバイスの製造の可
能性、フレキシブルディスプレイの製造の可能性及びル
ミネセンスの高い光沢がある。これは簡単な加工テクノ
ロジーと低い製造コストを付随する。さらに、この種の
ディスプレイは液晶ディスプレイに比べて背景照明を必
要としない。
【0003】ポリマーに基づくエレクトロルミネセンス
デバイスは例えばWO90/13148及びEP−A0
443861に開示されている。WO90/13148
に述べられている典型的なデバイスは、少なくとも1種
の共役ポリマーと、半導体層の第1面に接触する第1接
触層と、半導体層の第2面に接触する第2接触層とを含
み、半導体層のポリマー被膜が、第1接触層と第2接触
層との間に半導体層を横切って第1接触層電荷キャリヤ
ーに比べて第1接触層を陽性(positive)にするように電
界を印加するときに、半導体層に注入される充分に低濃
度の外因性電荷キャリヤーを有し、光線(radiation)が
半導体層から放出される。
【0004】これらのデバイスに半導体層として用いら
れるポリマーは共役形である。共役ポリマーとは、ポリ
マーバックボーンに沿って非局在化π−電子系を有する
ポリマーを意味し;非局在化π−電子系はポリマーに半
導性(semicodecting property)を与え、高い移動度を有
する正電荷及び/又は負電荷キャリヤーを支持する可能
性をポリマーに与える。このようなポリマーは例えば
R.H.FriendによってJ.Mol.Elec
4,(1988)37頁に考察されている。
【0005】WO90/13148では、ポリ(p−フ
ェニレンビニレン)(PPV)が電荷伝導層として用い
られ、この資料ではフェニレンを融合炭素環系又は複素
環系と置換するためにPPVがフェニレン環上に置換基
を有することが示唆されている。EP−A044386
1では、ポリ(アニリン)[PAn]とポリ(2,5−
チエニレンビニレン)[PTV]とから製造される導電
層が開示されている。
【0006】例えばPPV又はPTVのような、高度に
共役したポリマーは、それらのバックボーンの剛性のた
めに、一般に不溶性かつ不融性である。したがって、こ
れらを加工することは困難である。この問題の解決方法
は溶解性先駆体ポリマーを介したそれらの合成又は、溶
解性の、特に側鎖置換した共役ポリマーを生じる特定の
置換モノマーの使用である。
【0007】先駆体ポリマーを介した合成は、例えば、
いわゆるWesslingのビス(スルホニウム塩)先駆体経路
に従って進行する(R.A.Wessling,J.Polym.Sci.Polym.S
ymp.72(1985), 55頁)。例えば、PPV先駆体ポリマー
はα,α’−ビス(スルホニウムクロリド)−p−キシ
レン(例えば、α,α’−ビス(テトラヒドロチオフェ
ニウムクロリド)−p−キシレンを溶媒としての水又は
アルコール中でNaOHによって処理して、スルホニウ
ム高分子電解質を得ることによって製造することができ
る。この先駆体ポリマーは溶解性であり、例えばスピン
コーティング(spin-coating)又はフィルム−キャスティ
ングによって加工することができる。この先駆体ポリマ
ーは加熱すると、テトラヒドロチオフェンとHClとを
除去することによって形成される。この方法は広範囲な
ポリ(アリーレンビニレン)の製造のための用途の広い
方法であるが、2つの主な欠点が存在する。第一に、先
駆体の高分子電解質性が先駆体溶液の濾過を困難に又は
不可能にさえする。これはダストのような不溶性小粒子
を除去しなければならない、あらゆる用途(例えば、エ
レクトロルミネセンスデバイス)に対する厳しい制限で
ある。第二に、先駆体ポリマーは熱的及び化学的に不安
定である。これらの先駆体ポリマーは、共役セグメント
を有する不溶性ポリマーを生じる部分脱離を防止するた
めに、0℃より充分に低い温度で貯蔵しなければならな
い、また、これらの先駆体ポリマーは特に一般に用いら
れる溶媒(水及びアルコール)による置換反応を受けや
すい。先駆体ポリマーの形成の機構は実際のモノマー
(恐らくは、P−キノジメタン系)の現場での生成を介
して進行すると考えられる。P−キノジメタン系の重合
反応は文献において周知である[例えば、H.G. Gilchと
W.L. Wheelwright, J. Ply m. Sci. A14 (1966) 1337;
R.W.Lenz等, J.Polym.Chem. 26 (1988) 3241; G.M.Broo
keとM.F. Woolley, Polymer 34 (1993) 1282]。
【0008】特定の側鎖置換共役ポリマーを生じる特定
の置換モノマーはモノマーとしての1,4−ビス(ハロ
ゲノメチル)ベンゼンによる脱塩酸を介して加工可能な
共役ポリマーを製造するために用いられている。例え
ば、2,5−ビス(クロロメチル)−1−メトキシ−4
−(2’−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンからのポリ
(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキ
シ)−p−フェニレンビニレン)の製造は米国特許第
5,189,136号に述べられている。他の例はポリ
(2,5−ジーn−ヘキシルオキシ−p−フェニレンビ
ニレン)の製造である(W.J.Swatos等,Polymer Prep.
31 (1) (1990) 505頁)。しかし、加工可能な共役ポリ
マー又はその先駆体ポリマーを製造するための脱ハロゲ
ン化水素酸(dehydrohalogenation)反応の使用は特定の
化合物に限定されている、さもなくば、不溶性かつ不融
性物質が得られるからである(例えば、H.H.Hoerholdと
J.Opfermann, Makromol. Chem. 131 (1970) 105頁)。
【0009】Wesslingによる合成において、例えばヘキ
サンのような非極性溶媒を水性反応混合物に加えるなら
ば、収率は改良され、得られるポリマーは高分子量を有
する。
【0010】先駆体経路を一般化すること(例えば、F.
Louwet, D. Vanderzande及びJ. Gelan, Synth. Met. 5
2 (1992) 125頁を参照のこと)又はこの経路をポリ
(2,5−ヘテロアリーレンビニレン)の合成に適用す
ること(例えば、H.J.Geise等,Synth. Met. 51 (1992)
329頁を参照のこと)が試みられている。
【0011】しかし、現在までに、これらの方法によっ
て製造された物質は分子量、化学的・熱的安定性及び加
工可能性に関して満足できるものではない。ポリマーが
良好な被膜形成性(film forming property)と機械的安
定性とを得るべきであり、また、末端基がエレクトロル
ミネセンスのような性質に不利な影響を与えがちである
ので、末端基濃度を最小にするべきである場合には、高
分子量が望ましい。PPVとその関連化合物の合成に
は、明らかに改良の余地がある。エレクトロルミネセン
スデバイスに用いるための新規な物質を開発することも
常に切望されているので、このようなポリマーへの一般
的な合成方法を発見することが非常に望まれていた。
【0012】実際のモノマー(すなわち、p−キシリレ
ン又はその誘導体)の形成を特定の溶媒又はその混合物
中で実施するならば、化学的・熱的安定性である、PP
Vの高分子量先駆体ポリマーが良好な収率で得られ、反
応媒質中に本質的に溶解性である塩の形成が付随して生
じ、モノマー及びポリマーが反応媒質中に溶解性である
ことが意外にも今回判明した。
【0013】極度の高分子量に達する場合には、高分子
量物質の若干の沈殿が生ずることもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は式(I):
【化3】 [式中、Pは−SR3、−SO−R3、−SO2−R3,−
COOR3、−NO2、−CN、−CF3又はR3を意味
し;Lは−Cl、−Br、−I、−O−トシレート、−
O−メシレート、−O−トリフレート、−(NR3 3+
又は−(SR34+を意味し;R1、R2は同一又は異
なる基であり、H、R3又はPを意味し;R3、R4は独
立的に直鎖若しくは分枝鎖の炭素数1〜20のアルキル
基、フェニル若しくはベンジルであり、これらのいずれ
も−R3、−OR1、−NO2、−CN、Br、Cl、F
によって1回若しくは2回、置換されることができる
か、又はR3とR4は共に−(CH24−若しくは−(C
25−を形成し;Aは任意に置換されることができ
る、炭素数4〜20の芳香族系を意味する]で示される
先駆体モノマーを溶媒中で塩基と反応させることを含む
α,ω−不飽和共役化合物のポリマーの製造方法であっ
て、塩基と式(I)化合物との反応によって、前記溶媒
中に本質的に可溶であるポリマーが形成され、副生成物
として、前記溶媒中に本質的に可溶である塩が形成さ
れ、前記溶媒が、 (a)一般式(II):R5−CO−NR6Hのアミド
(II); (b)一般式(III):R7 2−NR8のアミン(II
I); (c)一般式(IV):R8−SO2−R9のスルホン
(IV); (d)一般式(V):R8−SO−R9のスルホキシド
(V); (e)アルコール、ポリアルコール、グリコール及びポ
リエーテルから成る群から選択される溶媒;[上記式
中、R5、R6は同一若しくは異なる基であり、H、直鎖
若しくは分枝鎖アルキル基であるか、又はR5とR6が共
に−(CH22−、−(CH23−若しくは−(C
24−を形成し;R7は、非置換であるか又はハロゲ
ン、メチル及びメトキシ基によって置換されるR5又は
フェニル基の意味を有し;R8、R9は同一若しくは異な
る基であり、H以外のR7を意味するか、又はR8とR9
は共に−(CH22−、−(CH23−、−(CH24
−若しくは−CH2−CH=CH−CH2−を形成する]
から成る群から選択される化合物を含むことを特徴とす
る前記方法である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本質的に溶解性とは、ポ
リマーが好ましくは少なくとも1・106(Mw)の分子
量までの高分子量において溶媒中に溶解性であることを
意味するが、極度の高分子量に達する場合には、極度に
高い分子量物質の若干の沈殿が生ずる可能性があること
が理解される。
【0016】本発明によると、高純度かつ高規則性(hig
h regularity)の化学・機械的安定性の高分子量ポリマ
ーが良好な収率で得られる。新規な方法の生成物が、脱
離して二重結合を形成する基を有するならば、高品質の
エレクトロルミネセンス物質を製造することができる。
しかし、先駆体ポリマーの形成中に実質的な脱離は生じ
ない。
【0017】好ましい出発物質は、芳香族基Aが1,4
−フェニレン、2,6−ナフタレンジイル、1,4−ナ
フタレンジイル、1,4−アンタトラセンジイル、2,
6−アントラセンジイル、9,10−アントラセンジイ
ル、2,5−チエニレン、2,5−フランジイル、2,
5−ピロルジイル、1,3,4−オキサジアゾル−2,
5−ジイル、1,3,4−チアジアゾルー2,5−ジイ
ル、2,5−ベンゾ[c]フランジイル、2,5−ベン
ゾ[c]ピロルジイル、2,5−ベンゾ[c]チエニレ
ン、チエノ[3,2−b]チオフェンー2,5−ジイ
ル、ピロロ[3,2−b]ピロールー2,5−ジイル、
ピレン−2,7−ジイル、4,5,9,10−テトラヒ
ドロピレン−2,7−ジイル、4,4’−ビフェニレ
ン、フェナントレン−2,7−ジイル、9,10−ジヒ
ドロフェナントレン−2,7−ジイル、カルバゾル−
2,7−ジイル(これらは窒素上において好ましくは炭
素数1〜22のアルキル基又は好ましくは炭素数2〜1
0のアリール基によって置換されることができる)、ジ
ベンゾフラン−2,7−ジイル又はジベンゾチオフェン
−2,7−ジイルを意味する(これらの全てにおいて芳
香環上のH原子は、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ラウリル及びオクタデシルの
ような、炭素数1〜22の直鎖又は分枝鎖炭化水素基、
及び例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ラウ
リルオキシ若しくはオクタデシルオキシのような、炭素
数1〜22の直鎖若しくは分枝鎖アルコキシ基又はハロ
ゲン原子のような電子供与基、又は例えばシアノ、ニト
ロ若しくはエステル基のような電子吸引基によって置換
されることができる)ような物質である。
【0018】特に好ましい出発物質は、芳香族Aが1,
4−フェニレン、2,6−ナフタレンジイル、1,4−
ナフタレンジイル、1,4−アンタトラセンジイル、
2,6−アントラセンジイル、9,10−アントラセン
ジイル、2,5−チエニレン、2,5−フランジイル、
2,5−ピロルジイル、1,3,4−オキサジアゾル−
2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾルー2,5−
ジイル、2,5−ベンゾ[c]フランジイル、2,5−
ベンゾ[c]ピロルジイル、2,5−ベンゾ[c]チエ
ニレン、チエノ[3,2−b]チオフェンー2,5−ジ
イル又はピロロ[3,2−b]ピロールー2,5−ジイ
ル(これらの全てにおいて芳香環上のH原子が、例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ラウリル及びオクタデシルのような、炭素数1〜22の
直鎖若しくは分枝鎖炭化水素基、又は例えばメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t
−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチ
ルオキシ、オクチルオキシ、ラウリルオキシ若しくはオ
クタデシルオキシのような炭素数1〜22の直鎖若しく
は分枝鎖アルコキシ基又はハロゲン原子のような電子供
与基、又は例えばシアノ、ニトロ若しくはエステル基の
ような電子吸引基によって置換されることができる)よ
うな物質である。
【0019】特に好ましい出発物質は、芳香族基Aがp
−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、モノC1−C
22アルキル−p−フェニレン、モノC1−C22アルコキ
シーp−フェニレン、2,5−チエニレン、3−C1
22アルキルー2,5−チエニレン、2,5−ジーC1
−C22アルコキシー2,5−チエニレンを含み、特に詳
しくは、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、モ
ノメチル−p−フェニレン、モノメトキシ−p−フェニ
レン、2,5−ジメチルーp−フェニレン、2,5−ジ
メトキシーp−フェニレン、モノエチル−p−フェニレ
ン、2,5−ジエトキシーp−フェニレン、2,5−ジ
エチル−p−フェニレン、モノブチル−p−フェニレ
ン、モノブトキシ−p−フェニレン、2,5−ジブトキ
シ−p−フェニレン、2,5−ジヘプチル−p−フェニ
レン、2,5−ジヘプチルオキシ−p−フェニレン、
2,5−ジオクチル−p−フェニレン、2,5−ジオク
チルオキシーp−フェニレン、2,5−ジラウリル−p
−フェニレン、2,5−ジラウリルオキシーp−フェニ
レン、2,5−ジステアリル−p−フェニレン、2,5
−ジステアリルオキシーp−フェニレン、2,5−ジー
t−ブトキシーp−フェニレン、2,5−ジシアノ−p
−フェニレン、2−(2−エチルーヘキソオキシ)−5
−メトキシ−p−フェニレンを含むような物質である。
p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、2,5−ジ
メチル−p−フェニレン、2,5−ジメトキシ−p−フ
ェニレン、2,5−ジエトキシ−p−フェニレン、2,
5−ジブトキシ−p−フェニレン、2,5−ジヘプチル
オキシ−p−フェニレン、2,5−ジラウリルオキシー
p−フェニレン、p−フェニレン及び4,4’−ビフェ
ニレンが特に好ましい。
【0020】下記化合物はさらに好ましい先駆体モノマ
ーの例である:
【化4】
【化5】 式(I)化合物はそれ自体文献から周知である。これら
の化合物の合成は例えばW.B. Liang等,J. Polym. Sci.
Polym. Chem.28(1990)2867頁;I. Murase等,Synth. M
et. 17 (1987) 639頁;R.M. Gregorius等,Macromolecu
les 25 (1992)6664頁;N. Tsuyoshi,ヨーロッパ特許EP
-A0044381;F.R. Denton III等,J. Po lym. Sci. Poly
m. Chem. 30 (1992) 2233頁に開示される。
【0021】式(I)の種々な先駆体モノマーの混合物
も使用可能であり、コポリマーを生ずることは言うまで
もない。
【0022】一般式(I)の先駆体モノマーは塩基(Bas
e)と反応して、重合の実際のモノマーを形成する(スキ
ーム1、工程2と3)。
【0023】スキーム1:
【化6】 pKA(溶媒)がpKB(塩基)よりも小さい場合には、
工程1の平衡は右寄りであり、脱プロトン(deprotonate
d)溶媒が実際の塩基として作用する。
【0024】一般に、あらゆる種類の金属塩基とアンモ
ニウム塩基とが使用可能であり、例えばアミン(例え
ば、トリエチルアミン又はピリジン)のような非荷電塩
基も適切である。金属塩基とアンモニウム塩基との例
は、例えばNaH、KHのような金属水素化物、例えば
NaOH、LiOH、KOHのような金属水酸化物、例
えばNaOMe、NaOEt、KOtBuのような金属
アルコキシド、例えばNaNH2、NaN(SiMe3
2、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のような
金属アミド、例えばn−BuLi、グリニヤール試薬の
ような有機金属化合物、及び置換水酸化アンモニウムで
ある。極性非プロトン性溶媒中では、金属水素化物が求
核性を示さないので、金属水素化物を用いることが特に
有利である。極性プロトン性溶媒中では、溶媒のpKA
より大きいpKAを有する塩基を用いることが好まし
い。この場合には、溶媒が脱プロトン化され、脱プロト
ン溶媒が実際の塩基として作用する。これは塩基等化効
果(base equalizing effect)を導入する。この結果とし
て、ポリマーのMwは用いる塩基とは無関係である。相
対的に弱い塩基の存在は可能なポリマー分解(degradati
on)をも減ずる。
【0025】一般に、塩基量はモノマー先駆体に関して
100〜0.1当量の範囲で変化することができる。好
ましくは、モノマー先駆体に関して50〜0.5当量が
用いられる。モノマー先駆体1モルにつき10〜0.1
当量の塩基を用いることが特に好ましい。特にモノマー
先駆体の溶解性が低い場合に、過剰な塩基は通常、ポリ
マー収率と分子量を改良する。極性非プロトン性溶媒の
場合には、ポリマーの過剰な分解を避けるために、過剰
な塩基をモノマー先駆体1モルにつき10当量に制限す
ることが好ましい。
【0026】本発明の方法は、 (a)一般式(II):R5−CO−NR6Hのアミド
(II); (b)一般式(III):R7 2−NR8のアミン(II
I); (c)一般式(IV):R8−SO2−R9のスルホン
(IV); (d)一般式(V):R8−SO−R9のスルホキシド
(V); (e)アルコール、ポリアルコール、グリコール及びポ
リエーテルから成る群から選択される溶媒;[上記式
中、R5、R6は同一若しくは異なる基であり、H、直鎖
若しくは分枝鎖アルキル基であるか、又はR5とR6が共
に−(CH22−、−(CH23−若しくは−(C
24−を形成し;R7は、R5、又はフェニル基、又は
ハロゲン、メチル及びメトキシ基によって置換されたフ
ェニル基の意味を有し;R8、R9は同一若しくは異なる
基であり、H以外のR7を意味するか、又はR8とR9
共に−(CH22−、−(CH23−、−(CH24
若しくは−CH2−CH=CH−CH2−を形成する]か
ら成る群から選択される少なくとも1種の化合物を含む
溶媒中で実施される。
【0027】(a)〜(e)の群から選択される化合物
の特に好ましい例は、モノメチルホルムアミド(MM
F)、イミダゾリドン、ピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン、スルホレン、1,3−ジメチルイミ
ダゾリジンー2−オン、トリエタノールアミン、グリセ
リン及びトリエチレングリコールを含む。
【0028】溶媒混合物を用いることも可能である。
(a)〜(e)の群から選択される溶媒と弱極性又は非
極性非プロトン系溶媒との混合物を用いることが好まし
い。例えば、MMFとジクロロメタンとの混合物をもち
いることができる。
【0029】MMFと水との混合物も好ましい。
【0030】用いる溶媒は先駆体モノマー、実際のモノ
マー及びポリマーを溶解することができるべきである。
【0031】非プロトン性極性溶媒中では、出発化学種
(initiating species)の濃度が用いる塩基の、塩基強度
と求核性とに依存する。これらの場合に低い求核性を有
する塩基を用いることが好ましい。
【0032】本発明の方法を実施する場合に、基と先駆
体モノマーとの反応によって形成される塩と、反応中に
形成される先駆体ポリマーとが反応媒質中に本質的に可
溶であるように、先駆体モノマー、塩基及び溶媒を選択
するように注意しなければならない。
【0033】これは、例えばH. StephenとT. Stephen,
“無機化合物と有機化合物の溶解度”,Pergamon Press
(1963)のような、化学化合物の物理的性質に関する標
準ハンドブック中で特定溶媒中の塩の溶解度を調べるこ
とによって、容易に達成することができる。
【0034】反応温度は先駆体モノマー、実際のモノマ
ー及びポリマーの溶解度の関数として選択される。用い
られる最高温度はポリマーの分解温度よりも低くあるべ
きであり、用いられる最低温度は実際のモノマー(すな
わち、キノジメタン系)が形成されないような温度範囲
よりも高くあるべきである。
【0035】一般に、反応は−78℃〜200℃、好ま
しくは−40℃〜120℃、特に好ましくは−20℃〜
30℃で実施される。
【0036】通常、反応は24時間内に、好ましくは8
時間内に、より好ましくは3時間内に完成される。
【0037】一般に、この新規な方法は不活性雰囲気
(例えば窒素又はアルゴン)下で実施される。
【0038】反応において形成されるポリマーの仕上げ
処理(working up)は当業者に周知の方法によって実施さ
れる。例えば、水に不溶性であるポリマーの場合には、
水を加えることによってポリマーを沈殿させることがで
きる。このやり方で得られる粗生成物を例えば再沈殿、
抽出又は透析によってさらに精製することができる(例
えば、B. Vollmert, “Grundriss der Makromolekulare
n Chemie",II巻,E. Vollmert-Voll-Verlag (1988)
を参照のこと)。
【0039】新規な方法の生成物は一般式(VI):
【化7】 [式中、A、R1、R2及びPは一般式(I)で定義した
同じ意味を有する]で示される反復単位を含むポリマー
である。
【0040】一般式(VI)の先駆体ポリマーは好まし
くは3・105より大きい,より好ましくは7・105
り大きい、特に好ましくは1・106〜5・106の分子
量Mwを有する。
【0041】新規な方法によって製造されるポリマー
は、例えば、PPVのような共役ポリマーを製造するた
めの中間体として用いることができる。
【0042】1,2−脱離を受けることができる基を含
む一般式(VI)のポリマーはさらに反応して、完全に
又は部分的に共役したポリマー、例えばポリ(p−フェ
ニレンビニレン)を生成することができる。脱離に適し
た基はスルホキシド、スルホン、エステル等を含む。
【0043】先駆体ポリマー中に存在する脱離基に依存
して、文献から周知の方法によって、例えば熱処理によ
って及び酸性若しくは塩基性条件下で脱離を実施するこ
とができる(例えば、D.A. Halliday等,Adv. Mater. 5
(1993) 40頁を参照のこと)。この脱離は得られる共役
ポリマーの溶解度に依存して加工の前及び/又は後に実
施することができる。例えば、ポリ(2,5−ジヘキシ
ルオキシ−p−フェニレンビニレン)のような側鎖基(s
ide group)可溶化ポリ(p−フェニレンビニレン)の先
駆体の脱離工程は加工後に実施することができ、ポリ
(p−フェニレンビニレン)は先駆体状態において加工
しなければならない。熱脱離のために通常選択される温
度範囲は80〜300℃であり、芳香族単位の性質、芳
香族単位の置換基、脱離基の性質及び実験条件(例え
ば、印加される真空の性質、中性、酸性若しくは塩基性
の環境)に依存する。
【0044】本発明の方法のポリマーを用いることによ
って、高分子量を有する共役ポリマーが得られる。
【0045】新規な方法によって得られる、好ましい共
役ポリマーは一般式(VII): [−A−CH=CH−](VII) [式中、Aは式(I)で定義した意味を有する]で示さ
れる反復単位を有するポリマーである。一般式(VI
I)のポリマーは好ましくは3・105より大きい,よ
り好ましくは7・105より大きい、特に好ましくは1
・106〜5・106の分子量を有する。
【0046】本発明の他の目的は、次の工程: (1)式(I):
【化8】 [式中、Pは−SR3、−SO−R3、−SO2−R3,−
COOR3、−NO2、−CN、−CF3又はR3を意味
し;Lは−Cl、−Br、−I、−O−トシレート、−
O−メシレート、−O−トリフレート、−(NR3 3+
又は−(SR34+を意味し;R1、R2は同一又は異
なる基であり、H、R3又はPを意味し;R3、R4は直
鎖若しくは分枝鎖の炭素数1〜20のアルキル基、フェ
ニル若しくはベンジルであり、これらのいずれも−
3、−OR1、−NO2、−CN、Br、Cl、Fによ
って1回若しくは2回、置換されることができる、又は
3とR4は共に−(CH24−若しくは−(CH25
を形成し;Aは任意に置換されることができる、炭素数
4〜20の芳香族系を意味する]で示される先駆体モノ
マーを溶媒中で塩基と反応させる工程であって、塩基と
式(I)化合物との反応によって、前記溶媒中に本質的
に可溶であるポリマーが形成され、副生成物として、前
記溶媒中に本質的に可溶である塩が形成され、及び前記
溶媒が、 (a)一般式(II):R5−CO−NR6Hのアミド
(II); (b)一般式(III):R7 2−NR8のアミン(II
I); (c)一般式(IV):R8−SO2−R9のスルホン
(IV); (d)一般式(V):R8−SO−R9のスルホキシド
(V); (e)アルコール、ポリアルコール、グリコール及びポ
リエーテルから成る群から選択される溶媒;[上記式
中、R5、R6は同一若しくは異なる基であり、H、直鎖
若しくは分枝鎖アルキル基であるか、又はR5とR6が共
に−(CH22−、−(CH23−若しくは−(C
24−を形成し;R7は、R5又はフェニル基、又はハ
ロゲン、メチル及び/又はメトキシ基によって置換され
たフェニル基の意味を有し;R8、R9は同一若しくは異
なる基であり、H以外のR7を意味するか、又はR8とR
9は共に−(CH22−、−(CH23−、−(CH2
4−若しくは−CH2−CH=CH−CH2−を形成す
る]から成る群から選択される化合物を含むこと;を特
徴とする前記工程と; (2)前記ポリマーを場合により単離させる工程と; (3)H−P(Pは式(I)で定義した意味を有する)
を脱離させる条件下で前記ポリマーを処理して、共役ポ
リマーを形成する工程と;を含む共役ポリマーの製造方
法である。
【0047】本発明の意味において共役とは、ポリマー
が完全に共役されることを意味するとは必ずしも限ら
ず、ポリマーの実質的な部分が共役されなければならな
いことを意味する。
【0048】本発明によって製造される共役ポリマーは
エレクトロルミネセンスデバイスにエレクトロルミネセ
ンス層として及び/又は電荷伝導層として使用可能であ
る(例えば、WO90/13148及びEP−A044
3861)。これらのポリマーはドーピング後に導電性
ポリマー用途、例えば帯電防止性表面及び電磁遮蔽のた
めにも使用可能である。さらに、これらのポリマーは高
温用途、例えば熱安定性被膜のために有用である。
【0049】本発明を下記実施例によって非限定的に説
明する。
【0050】
【実施例】
A.出発物質 α,α’−ジクロロ−p−キシレン、n−ブタンチオー
ル及びナトリウムt−ブトキシドは、Janssen Chemica
から購入して用いた。2,5−ビス(クロロメチル)−
p−キシレンとAliquat336とはAldrichから
購入して用いた。二酸化テルル(tellurdioxide)と過酸
化水素(水中135%)とはMerckから購入して用い
た。N−メチルホルムアミド(MMF)は文献の記載に
従って乾燥させ、精製した。他の全ての溶媒はp.a.
品質であった。
【0051】B.モノマー合成実施例1 :α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル
−p−キシレン トルエン1000ml中のα,α’−ジクロロ−p−キ
シレン99.7g(0.57モル)と、H2O 100
0ml中のNaOH 60g(1.5モル)と、相間移
動触媒Aliquat336 2.5gとの混合物を周
囲温度において激しく撹拌した。この混合物に、トルエ
ン300ml中のブタンチオール30.5ml(0.2
85モル)の溶液を24時間にわたって滴加した。この
混合物をさらに2時間撹拌した。有機層を分離し、水で
洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発器
上で蒸発させて、白−黄色結晶を得た。結晶(α,α’
−ジクロロ−p−キシレンとα−クロロ−α’−n−ブ
チルスルフィド−p−キシレンとの混合物)を一定重量
になるまで真空乾燥させた。この粗物質をさらに精製せ
ずに次の酸化工程に用いた。
【0052】触媒TeO2 4.614g(2.891
・10-2モル)をMeOH 1200ml中の粗物質の
溶液に加えた。窒素保護下で、激しく撹拌しながら、過
酸化水素溶液(水中35重量%溶液)64.66ml
(0.5702モル)を滴加した。この反応を室温にお
いて、薄層クロマトグラフィーによってやや過度な酸化
が目視されるまで、激しく撹拌した。飽和NaCl溶液
800mlを加えて、反応を停止させた。水層をCHC
3 600mlによって1回、CHCl3 400ml
によって2回抽出した。一緒にしたCHCl3層をMg
SO4上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発器上で蒸発させ
て、白色結晶(α,α’−ジクロロ−p−キシレンとα
−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシレ
ンとの混合物)を得た。2生成物をカラムクロマトグラ
フィー(シリカ/CHCl3)によって分離させた。
α,α’−ジクロロ−p−キシレンはトルエンからの再
結晶後に再び用いることができる。α−クロロ−α’−
n−ブチルスルフィニル−p−キシレンはヘキサン/C
2Cl2の混合物から再結晶し、氷冷ジエチルエーテル
によって洗浄し、真空乾燥させた。白色結晶[収量:5
3.7g(77%)]が得られた;m.p.112〜1
13℃。
【0053】実施例2:α−クロロ−α’−n−ブチル
スルフィニル−2,5−ジメチル−p−キシレン トルエン300ml中の2,5−ビス(クロロメチル)
−p−キシレン 20.0g(0.0985モル)と、
2O 250ml中のNaOH 10g(0.25モ
ル)と、相間移動触媒Aliquat336 0.5g
との混合物を周囲温度において激しく撹拌した。この混
合物に、トルエン65ml中のブタンチオール5.32
ml(0.0497モル)の溶液を24時間にわたって
滴加した。この混合物をさらに2時間撹拌した。有機層
を分離し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過
し、回転蒸発器上で蒸発させて、白−黄色油状物を得
た。この粗物質(2,5−ビス(クロロメチル)−p−
キシレンとα−クロロ−α’−n−ブチルスルフィド−
2,5−ジメチル−p−キシレンとの混合物)をさらに
精製せずに次の酸化工程に用いた。
【0054】触媒TeO2 0.78g(4.93・1
-3モル)をMeOH 200ml中の粗物質の溶液に
加えた。激しく撹拌しながら、過酸化水素溶液(水中3
5重量%溶液)9.57ml(0.1113モル)を滴
加した。この反応を室温において、薄層クロマトグラフ
ィーによってやや過度な酸化が目視されるまで、激しく
撹拌した。飽和NaCl溶液150mlを加えて、反応
を停止させた。水層をCHCl3 200mlによって
1回、CHCl3 80mlによって2回抽出した。一
緒にしたCHCl3層をMgSO4上で乾燥させ、濾過
し、回転蒸発器上で蒸発させて、白色結晶(2,5−ビ
ス(クロロメチル)−p−キシレンとα−クロロ−α’
−n−ブチルスルフィニル−2,5−ジメチル−p−キ
シレンとの混合物)を得た。2生成物をカラムクロマト
グラフィー(シリカ/CHCl3)によって分離させ
た。2,5−ビス(クロロメチル)−p−キシレンはト
ルエンからの再結晶後に再び用いることができる。α−
クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−2,5−ジメ
チル−p−キシレンはヘキサン/CH2Cl2(200m
l/20ml)の混合物から再結晶し、氷冷ジエチルエ
ーテルによって洗浄し、真空乾燥させた。白色結晶[収
量:6.0g(44.5%)]が得られた;m.p.1
11.5〜112.5℃。
【0055】実施例3a:4,4−ビス(ヒドロキシメ
チル)ビフェニル 効率のよい冷却管と、温度計と、滴下ロートとを装備し
た1000ml−三つ口フラスコに、乾燥THF80m
l中のLiAlH4 6.2g(0.144モル)の懸
濁液を不活性雰囲気下で装入する。乾燥THF250m
l中のジメチル4,4’−ビフェニルジカルボキシレー
ト30g(0.122モル)の溶液を30分間にわたっ
て滴加する。混合物を撹拌しながら1時間還流させる。
混合物を−20℃に冷却し、H2O 80mlを滴加
し、その後に20%H2SO4(水溶液)80mlを徐々
に加える。THFを減圧下で蒸発させ、酸水溶液中の無
色生成物の懸濁液を得る。生成物を濾過し、H2Oで洗
浄する。アセトンからの再結晶後に、白色結晶が得られ
る。収率:93%;融点:187.3〜188.5℃。
【0056】実施例3b:4,4’−ビス(クロロメチ
ル)ビフェニル 冷却管を装備した50ml−フラスコに、4,4’−ビ
ス(ヒドロキシメチル)ビフェニル1g(0.005
g)と、ZnCl2 2g(0.015ml)とを装入
する。反応混合物を撹拌しながら、濃HCl 17ml
を加える。反応混合物を4時間還流させてから、H2
200ml中に注入する。還流させた褐色生成物を濾
過し、CHCl3中に溶解し、水で洗浄する。有機層を
乾燥させ(MgSO4)、減圧下で蒸発させる。生成物
をカラムクロマトグラフィー(シリカ10g/g生成
物;溶媒:ヘキサン/CHCl3(50/50))によ
って精製し、ヘキサンから再結晶して、無色結晶を得
る。収率:83%;融点:140.2〜141.4℃。
【0057】実施例3C:4−クロロメチル−4’−
(n−ブチルスルフィニルメチル)ビフェニル 4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル 15g
(0.06モル)をトルエン 105ml中に溶解す
る。H2O 250ml中に溶解したNaOH 6.3
g(0.157モル)を相間移動触媒Aliquat3
36 0.26gと共に加える。この溶液に、乾燥TH
F32ml中に溶解したn−ブチルメルカプタン3.2
ml(0.029モル)を一晩かけて滴加する。次に、
混合物をさらに60分間撹拌する。有機層を分離し、水
で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発
器上で蒸発させて、白色結晶を得る。結晶をヘキサンか
ら再結晶させて、無色4,4’−ビス(クロロメチル)
ビフェニルを得る。濾液を回転蒸発器で蒸発させて、4
−クロロメチルー4’−(n−ブチルチオメチル)ビフ
ェニルと、若干の残留抽出物(educt)とから成る油状物
を得た。
【0058】TeO2 0.49g(0.003モル)
をMeOH 180ml中の粗物質の溶液に加える。激
しく撹拌しながら、過酸化水素溶液(水中35重量%)
7ml(0.062モル)を滴加する。混合物を室温に
おいて、TLC上にスルホンへの多少の酸化が現れるま
で撹拌する。飽和NaCl溶液150mlを加えて、反
応を停止させる。水層をCHCl3によって抽出する。
一緒にした有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、
回転蒸発器上で蒸発させて、無色結晶を得る。種々な生
成物:4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4
−クロロメチル−4’−(n−ブチルスルフィニル)ビ
フェニル及び4,4’−ビス(n−ブチルスルフィニル
メチル)ビフェニルをカラムクロマトグラフィー(シリ
カ50g/g生成物;溶媒:CHCl3)によって精製
し、無色結晶を得る。収率:38%;融点:172.8
〜173.7℃。
【0059】実施例4:α,α’−(n−ブチルスルフ
ィニル)−p−キシレン α,α’−ジクロロ−p−キシレン 5g(0.029
モル)と、n−ブチルメルカプタン6.6ml(0.0
6モル)と、NaOH 3g(0.075モル)と、水
50mlと、トルエン60mlと、メチルトリカプリル
アンモニウムクロリド(Aliquat336)100
mgとを一緒にして、室温において20分間激しく撹拌
する。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSO4上で乾
燥させ、回転蒸発器上で蒸発させて、無色油状物である
α,α’−ビス(n−ブチルチオ)−p−キシレンを得
る。
【0060】TeO2 0.12g(0.73モル)を
MeOH 7.2ml中のα,α’−ビス(n−ブチル
チオ)−p−キシレン 1gの溶液に加える。撹拌しな
がら、過酸化水素溶液(水中35重量%)6.5ml
(0.057モル)を滴加する。反応を室温において2
時間撹拌する。飽和NaCl溶液に反応混合物を加える
ことによって、反応を停止させる。水層をCHCl3
よって抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾
過し、回転蒸発器上で蒸発させて、無色結晶のα,α’
−ビス(n−ブチルスルフィニル)−p−キシレンを得
る。この結晶をトルエンからの再結晶によって精製す
る。収率:70%;融点:187〜188.5℃。
【0061】実施例5:α,α’−ビス(n−ブチルス
ルフィニル)−α’−クロロ−p−キシレン CH2Cl2中のビス−スルホキシド(0.5g;2ミリ
モル)の溶液に、室温において、N−クロロスクシンイ
ミド0.1g(0.75ミリモル)を加える。6時間後
に、この溶液をブラインで洗浄する。有機抽出物をMg
SO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。粗生
成物をSiO2カラムクロマトグラフィー(シリカ60
g/g生成物;溶媒:CHCl3)とトルエンからの再
結晶とによって精製する。収率:74%;融点:14
1.5〜142.8℃。
【0062】C.重合実施例6 :約0℃におけるN−メチルホルムアミド(M
MF)中でのα−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニ
ル−p−キシレンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)をMMF 100ml
中に溶解し、この溶液を撹拌しながら0.5時間、窒素
によってフラッシュした。NaOtBu 2.354g
(0.0245モル)をMMF 20ml中に溶解し、
この溶液を0.5時間、窒素によってフラッシュした。
このモノマー溶液を0℃に冷却し、塩基を一度に加え
た。重合を約0℃において1時間(まだ、定常な窒素流
下で)進行させた。次に、反応混合物をH2O 400
ml中に注入し、希HClによって中和した。白色沈殿
を濾別し、水によって完全に洗浄し、CHCl3 10
0ml中に溶解した。有機層を残留H2Oから分離し、
回転蒸発器上で約50mlに濃縮した。ポリマーをジエ
チルエーテル/THF(1:1)800ml中に沈殿さ
せ、濾別し、CHCl3 80ml中に再溶解して、ヘ
プタン1200ml中で沈殿させ、再び濾別し、真空乾
燥させた。収量:0.94g;GPC(ポリスチレン基
準)による分子量:Mw=1.3・106;Mn=6.1
・105;Mw/Mn=2.1実施例7 :室温におけるN−メチルホルムアミド(MM
F)中でのα−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル
−p−キシレンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)を乾燥MMF 100
ml中に溶解し、この溶液を撹拌しながら0.5時間、
乾燥窒素によってフラッシュした。NaOtBu 2.
345g(0.0245モル)を加えた。この溶液は透
明な状態のままであった。重合を室温において1時間
(まだ、定常な窒素流下で)進行させた。次に、反応混
合物をH2O 600ml中に注入し、0.1M HC
l溶液によって中和した。白色沈殿を濾別し、水によっ
て完全に洗浄し、CHCl3 150ml中に溶解し
た。有機層を回転蒸発器上で約50mlに濃縮した。ポ
リマーをジエチルエーテル600ml中に沈殿させ、濾
別し、真空乾燥させた。収量:1.35g;GPC(ポ
リエステル基準)による分子量:Mw=4.4・105
n=1.6・105;Mw/Mn=2.7実施例8 :(MMF)/H2O(95/5)中でのα−
クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシレン
の重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)を乾燥MMF 95m
lとH2O 5ml中に溶解し、この溶液を撹拌しなが
ら0.5時間、窒素によってフラッシュした。NaOt
Bu 2.345g(0.0245モル)を加えた。溶
液は透明な状態のままであった。重合を室温において1
時間(まだ、定常な窒素流下で)進行させた。次に、反
応混合物をH2O 600ml中に注入し、0.1M
HCl溶液によって中和した。白色沈殿を濾別し、水に
よって完全に洗浄し、CHCl3 150ml中に溶解
した。有機層を回転蒸発器上で約50mlに濃縮した。
ポリマーをジエチルエーテル 600ml中に沈殿さ
せ、濾別し、真空乾燥させた。収量:1.25g;GP
C(ポリスチレン基準)による分子量:Mw=3.6・
105;Mn=1.10・105;Mw/Mn=3.2実施例9 :(MMF)/H2O(90/10)中でのα
−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシレ
ンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)を乾燥MMF 90m
lとH2O 10ml中に溶解し、この溶液を撹拌しな
がら0.5時間、乾燥窒素によってフラッシュした。N
aOtBu 2.345g(0.0245モル)を加え
た。溶液は透明な状態のままであった。重合を室温にお
いて1時間(まだ、定常な窒素流下で)進行させた。次
に、反応混合物をH2O 600ml中に注入し、0.
1M HCl溶液によって中和した。白色沈殿を濾別
し、水によって完全に洗浄し、CHCl3 150ml
中に溶解した。有機層を回転蒸発器上で約50mlに濃
縮した。ポリマーをジエチルエーテル 600ml中に
沈殿させ、濾別し、真空乾燥させた。収量:1.07
g;GPC(ポリスチレン基準)による分子量:Mw
5.3・105;Mn=1.7・105;Mw/Mn=3.
実施例 10:(MMF)/CH2Cl2(60/40)中
でのα−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−
キシレンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)を乾燥MMF 60m
lとCH2Cl2 40ml中に溶解し、この溶液を撹拌
しながら0.5時間、窒素によってフラッシュした。N
aOtBu 2.345g(0.0245モル)を加え
た。溶液は透明な状態のままであった。重合を室温にお
いて1時間(まだ、定常な窒素流下で)進行させた。次
に、反応混合物をCH2Cl2 1000ml中に注入
し、弱酸性水(pH=3〜4)500mlによって3回
洗浄し、水 1000mlによって3回洗浄した。有機
層を約50mlに濃縮した。白色ポリマーをジエチルエ
ーテル 600ml中に沈殿させ、濾別し、真空乾燥さ
せた。収量:0.77g;GPC(ポリスチレン基準)
による分子量:Mw=8.9・105;Mn=3.3・1
5;Mw/Mn=2.7。
【0063】実施例11:(MMF)/CH2Cl2(4
0/60)中でのα−クロロ−α’−n−ブチルスルフ
ィニル−p−キシレンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−p−キシ
レン 6g(0.0245モル)を乾燥MMF 40m
lとCH2Cl2 60ml中に溶解し、この溶液を撹拌
しながら0.5時間、乾燥窒素によってフラッシュし
た。NaOtBu2.345g(0.0245モル)を
加えた。溶液は透明な状態のままであった。重合を室温
において1時間(まだ、定常な窒素流下で)進行させ
た。次に、反応混合物をCH2Cl2 1000ml中に
注入し、弱酸性水(pH=3〜4)500mlによって
3回洗浄し、水 1000mlによって3回洗浄した。
有機層を約50mlに濃縮した。白色ポリマーをジエチ
ルエーテル 600ml中に沈殿させ、濾別し、真空乾
燥させた。収量:2.04g;GPC(ポリスチレン基
準)による分子量:Mw=7.6・105;Mn=2.2
・105;Mw/Mn=3.5実施例12 :N−メチルホルムアミド(MMF)中での
α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−2,5−
ジメチル−p−キシレンの重合 α−クロロ−α’−n−ブチルスルフィニル−2,5−
ジメチル−p−キシレン 3g(0.0110モル)を
MMF 45ml中に溶解し、この溶液を撹拌しながら
0.5時間、窒素によってフラッシュした。NaOtB
u 1.06g(0.0110モル)をMMF 20m
l中に溶解し、この溶液を0.5時間、窒素によってフ
ラッシュした。このモノマー溶液を室温において撹拌
し、塩基を一度に加えた。重合を約0℃において1.5
時間(まだ、定常な窒素流下で)進行させた。次に、反
応混合物をH2O 200ml中に注入し、希HClに
よって中和した。白色沈殿を濾別し、水によって完全に
洗浄し、CHCl3 80ml中に溶解した。有機層を
残留H2Oから分離し、回転蒸発器上で約40mlに濃
縮した。ポリマーをジエチルエーテル/THF(350
ml:50ml)中に沈殿させ、濾別し、CHCl3
20ml中に再溶解して、冷エーテル 200ml中で
沈殿させ、再び濾別し、真空乾燥させた。収量:0.5
6g;GPC(ポリスチレン基準)による分子量:Mw
=4.70・106;Mn=1.85・105;Mw/Mn
=2.5実施例13 :テトラヒドロフラン(THF)とジメチル
スルホキシド(DMSO)との混合物中での4−クロロ
メチルー4’−(n−ブチルスルフィニルメチル)ビフ
ェニルの重合 4−クロロメチルー4’−(n−ブチルスルフィニルメ
チル)ビフェニル 393mg(1ミリモル)をDMS
O 6mlとTHF 4mlとの混合物に溶解する。こ
の溶液を激しく撹拌しながら1時間、乾燥窒素によって
フラッシュする。Na+OtBu- 125mg(1.3
当量)を加える。ポリマーが部分的に沈殿するので、溶
液は濁る。重合を室温において1時間(まだ、定常な窒
素流下で)進行させる。次に、反応混合物をH2O 1
00ml中に注入し、0.1MHCl溶液によって中和
する。この懸濁液をクロロホルム 50mlによって2
回、抽出する。有機層を水層から分離し、一緒にして、
回転蒸発器上で5mlに濃縮する。ポリマーをジエチル
エーテル 200ml中に沈殿させ、濾過し、真空乾燥
させる。収率:45%;GPC(ポリスチレン基準)に
よる分子量と多分散性:Mw=27,500;Mn=1
0,100;Mw/Mn=2.7実施例14 :N−メチルホルムアミド(MMF)中での
α,α’−ビス−n−ブチルスルフィニル−p−キシレ
ンの重合 α,α’−ビス−n−ブチルスルフィニル−p−キシレ
ン 349mg(0.103モル)を乾燥MMF 10
ml中に溶解し、この溶液を激しく撹拌しながら1時
間、乾燥窒素によってフラッシュする。Na+OtBu-
125mg(1.3当量)を加える。この溶液は透明
なままである。重合を室温において1時間(まだ、定常
な窒素流下で)進行させる。次に、反応混合物をH2
100ml中に注入し、0.1M HCl溶液によっ
て中和する。この懸濁液をクロロホルム 50mlによ
って2回、抽出する。有機層を水層から分離し、一緒に
して、回転蒸発器上で5mlに濃縮する。ポリマーをジ
エチルエーテル 200ml中に沈殿させ、濾過し、真
空乾燥させる。収率:40%;GPC(ポリスチレン基
準)による分子量と多分散性:Mw=3800;Mn=3
000;Mw/Mn=1.25。
【0064】D.ポリマー転化実施例15 :ポリ(p−フェニレンビニレン),PPV
への転化 実施例3の記載と同様に得られるPPV先駆体ポリマー
をクロロホルム溶液からスピン塗装して、均一な無色透
明な被膜を得た。クロロホルム溶液はμmフィルターを
通して容易に濾過可能であった。この被膜は常圧、室温
において数週間貯蔵したときに黄変(yellowing)を示さ
なかった。この先駆体被膜は熱処理(280℃/4時間
/10-3mbar)によって、高度に蛍光性(黄緑色)
である、均一な黄色透明なPPV被膜に転化した。PP
V被膜の赤外スペクトルは文献から知られたものに従っ
た(例えば、D.D.C. Bradley, J. Phys. Appl. Phys. 2
0(1987) 1389頁)。
【0065】実施例16:ポリ(2,5−ジメチル−p
−フェニレンビニレン),DMe−PPVへの転化 実施例9の記載と同様に得られるDMe−PPV先駆体
ポリマーをクロロホルム溶液からスピン塗装して、均一
な無色透明な被膜を得た。クロロホルム溶液はμmフィ
ルターを通して容易に濾過可能であった。この被膜は常
圧、室温において数週間貯蔵したときに黄変を示さなか
った。この先駆体被膜は熱処理(280℃/4時間/1
-3mbar)によって、高度に蛍光性(黄緑色)であ
る、均一な黄色透明なDMe−PPV被膜に転化した。
DMe−PPV被膜の赤外スペクトルは文献から知られ
たものに従った(例えば、D.A. Halliday, Dissertatio
n Thesis,ケンブリッジ大学 (1992))。
【0066】実施例17:ルミネセンス層としてポリ
(p−フェニレンビニレン),PPVを有するルミネセ
ンスデバイス 実施例3の記載と同様に得られるPPV先駆体ポリマー
をクロロホルム溶液(20mg/ml,μmフィルター
を通して濾過したもの)からITO被覆ガラス基板上に
スピン塗装して、均一な無色透明な被膜を得た。この先
駆体被膜は熱処理(280℃/4時間/10-3mba
r)によって、均一な黄色透明なPPV被膜に転化し
た。アルミニウム電極(面積2x2mm,厚さ100n
m)をPPV被膜上に高真空蒸着によって付着させた。
この電極を電源に接続すると、ITOは陽極になり、ア
ルミニウムは陰極になった。光沢のある黄緑色の蛍光が
観察された。エレクトロルミネセンススペクトルはフォ
トルミネセンススペクトルと殆ど同じ特徴を示した。
【0067】実施例18:ルミネセンス層としてポリ
(2,5−ジメチルーp−フェニレンビニレン),DM
e−PPVを有するルミネセンスデバイス 実施例9の記載と同様に得られるDMe−PPV先駆体
ポリマーをクロロホルム溶液(5mg/ml,μmフィ
ルターを通して濾過したもの)からITO被覆ガラス基
板上にスピン塗装して、均一な無色透明な被膜を得た。
この先駆体被膜は熱処理(280℃/4時間/10-3
bar)によって、約1nmの厚さの均一な黄色透明な
DMe−PPV被膜に転化した。カルシウム電極(面積
2x2mm,厚さ250nm)をDMe−PPV被膜上
に高真空蒸着によって付着させた。この電極を電源に接
続すると、ITOは陽極になり、カルシウムは陰極にな
った。15Vの印加電圧において光沢のある黄緑色の蛍
光が観察された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク・ロウヴェット ベルギー王国ベー−3590 ディーペンベ ーク,プランテンラーン 5アー (72)発明者 ヨアネス・ゲラン ベルギー王国ベー−3600 ゲンク,ポラ イシュトラート 16 (72)発明者 アンナ・イザリス ベルギー王国ベー−3650 ディルセン, カントンスヴェーク 2,1フェアディ ープ (72)発明者 ミヒャエル・ヴァン・デア・ブロフト ベルギー王国ベー−3721 コルテゼム, ガウヴェルシュトラート 206 (56)参考文献 国際公開91/15534(WO,A1) 国際公開88/00954(WO,A1) 欧州特許出願公開182548(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/00 - 61/02 C08G 61/12 WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、Pは−SR3、−SO−R3、−SO2−R3,−
    COOR3、−NO2、−CN、−CF3又はR3を意味
    し;Lは−Cl、−Br、−I、−O−トシレート、−
    O−メシレート、−O−トリフレート、−(NR3 3)+
    は−(SR34)+を意味し;R1、R2は同一又は異なる
    基であり、H、R3又はPを意味し;R3、R4は独立的
    に直鎖若しくは分枝鎖の炭素数1〜20のアルキル基、
    フェニル若しくはベンジルであり、これらのいずれも−
    3、−OR1、−NO2、−CN、Br、Cl、Fによ
    って1回若しくは2回、置換されることができる、又は
    3とR4は共に−(CH2)4−若しくは−(CH2)5−を形
    成し;Aは任意に置換されることができる、炭素数4〜
    20の芳香族系を意味する]で示される先駆体モノマー
    を溶媒中で塩基と反応させることを含むα,ω−不飽和
    共役化合物のポリマーの製造方法であって、塩基と式
    (I)化合物との反応によって、前記溶媒中に本質的に
    可溶であるポリマーが形成され、副生成物として、前記
    溶媒中に本質的に可溶である塩が形成され、前記溶媒
    が、 (a)一般式(II):R5−CO−NR6Hのアミド
    (II); (b)一般式(III):R7 2−NR8のアミン(II
    I); (c)一般式(IV):R8−SO2−R9のスルホン
    (IV); (d)一般式(V):R8−SO−R9のスルホキシド
    (V); (e)アルコール、ポリアルコール、グリコール及びポ
    リエーテルから成る群から選択される溶媒; [上記式中、R5、R6は同一若しくは異なる基であり、
    H、直鎖若しくは分枝鎖アルキル基であるか、又はR5
    とR6が共に−(CH22−、−(CH23−若しくは
    −(CH24−を形成し;R7は、R5又は、非置換であ
    るか若しくはハロゲン、メチル及びメトキシ基によって
    置換されるフェニル基の意味を有し;R8、R9は同一若
    しくは異なる基であり、H以外のR7を意味するか、又
    はR8とR9は共に−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(C
    2)4−若しくは−CH2−CH=CH−CH2−を形成
    する]から成る群から選択される化合物を含むことを特
    徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 溶媒が式(II):R5−CO−NR6
    のアミド(II)[式中、R5、R6は請求項1における
    式(II)と同じ意味を有する]で示される化合物を含
    むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 次の工程: (1)式(I): 【化2】 [式中、Pは−SR3、−SO−R3、−SO2−R3,−
    COOR3、−NO2、−CN、−CF3又はR3を意味
    し;Lは−Cl、−Br、−I、−O−トシレート、−
    O−メシレート、−O−トリフレート、−(NR3 3)+
    は−(SR34)+を意味し;R1、R2は同一又は異なる
    基であり、H、R3又はPを意味し;R3、R4は独立的
    に直鎖若しくは分枝鎖の炭素数1〜20のアルキル基、
    フェニル若しくはベンジルであり、これらのいずれも−
    3、−OR1、−NO2、−CN、Br、Cl、Fによ
    って1回若しくは2回、置換されることができる、又は
    3とR4は共に−(CH2)4−若しくは−(CH2)5−を形
    成し;Aは任意に置換されることができる、炭素数4〜
    20の芳香族系を意味する]で示される先駆体モノマー
    を溶媒中で塩基と反応させる工程であって、塩基と式
    (I)化合物との反応によって、前記溶媒中に本質的に
    可溶であるポリマーが形成され、副生成物として、前記
    溶媒中に本質的に可溶である塩が形成され、前記溶媒
    が、 (a)一般式(II):R5−CO−NR6Hのアミド
    (II); (b)一般式(III):R7 2−NR8のアミン(II
    I); (c)一般式(IV):R8−SO2−R9のスルホン
    (IV); (d)一般式(V):R8−SO−R9のスルホキシド
    (V); (e)アルコール、ポリアルコール、グリコール及びポ
    リエーテルから成る群から選択される溶媒; [上記式中、R5、R6は同一若しくは異なる基であり、
    H、直鎖若しくは分枝鎖アルキル基であるか、又はR5
    とR6が共に−(CH22−、−(CH23−若しくは
    −(CH24−を形成し;R7は、R5又は、非置換であ
    るか若しくはハロゲン、メチル及びメトキシ基によって
    置換されたフェニル基の意味を有し;R8、R9は同一若
    しくは異なる基であり、H以外のR7を意味するか、又
    はR8とR9は共に−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(C
    2)4−若しくは−CH2−CH=CH−CH2−を形成
    する]から成る群から選択される化合物を含むことを特
    徴とする前記工程と; (2)前記ポリマーを場合により単離させる工程と; (3)H−P(Pは式(I)で定義した意味を有する)
    を脱離させる条件下で前記ポリマーを処理して、共役ポ
    リマーを形成する工程と; を含む共役ポリマーの製造方法。
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