JP3426546B2 - 温度表示ラベル - Google Patents

温度表示ラベル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は温度表示ラベル、
詳しくは温度管理を必要とする各種機器の所望部位に貼
付し、あらかじめ設定された規定温度に達したとき、こ
の事実を発色により表示する温度表示ラベルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ラベル状をした温度表示具は、各種機器
の所望部位に簡単に貼付でき、挾いスペ−スにも適用可
能で、電源等を必要としないので、各種機器の温度管理
の為、広く用いられている。この温度表示ラベルにはあ
らかじめ設定された規定温度に達すると発色によりその
事実を表示し、対象物が規定温度以下に戻ったとしても
同じ表示を続ける不可逆的温度表示ラベルと、対象物の
温度の変化に応じて表示を変化させる可逆的温度表示ラ
ベルとが存在するが、不可逆的温度表示ラベルは遠隔地
に設置された無人機器類や一定期間毎にチェックを必要
とする機器類の温度管理などの為、広く用いられてい
る。
【0003】この不可逆的な温度表示ラベルには、種々
のタイプのものが存在するが、代表的なものとしては、
あらかじめ設定された規定温度で融解するワックスに所
望の色調の顔料を練り込み、これを紙などの基材に含浸
あるいは重畳し、その上に白色の和紙などを重畳させた
ものが例示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記顔料を練り込んだ
ワックスを用いた温度表示ラベルにおいては、これが貼
付されている測定対象物が規定温度を越えるとワックス
は融解し、その上面に重畳されている和紙に浸み込み、
和紙をワックスに練り込まれている顔料によって発色さ
せ、規定温度超過の事実を明示する様になっている。
【0005】この種温度表示ラベルに要求される条件と
しては、着色部分が十分な耐候性、特に、日光による紫
外線に対して十分な耐候性を持っていることが必要な場
合がある。一般に、染料と顔料を比較した場合、顔料の
方が耐候性にすぐれたものが多いが、顔料でワックス類
に均一に融解、分散するものは少なく、耐候性の良好な
ものほどワックスに対する融解、分散性は乏しい性質が
ある。従って、耐候性を重視すると、分散、融解性が悪
くなり、和紙表面での着色ワックスによる発色が期待通
りに行われなくなる欠点がある。
【0006】なお、ワックス中に均一に分散、融解して
いない顔料が和紙に浸み込んだ場合には、所謂ペ−パ−
クロマトグラフ特性が発現しやすく、色素が分離して和
紙に滲みが生じてしまい、到底鮮明な発色とはならなか
った。
【0007】従って、従来の温度表示ラベルにおいて
は、十分な耐候性を持たせようとすると、発色が不十分
になり、逆に、鮮明に発色させようとすると耐候性が劣
る様になり、鮮明な発色と十分な耐候性とを併せ持たせ
ることは非常に困難であった。この発明は、温度表示ラ
ベルに関する上記従来の問題点を解決することを目的と
するものであり、十分な耐候性を持ちながら、鮮明な発
色を発現し得る新規な温度表示ラベルを提供せんとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、一方の面に
彩色を施したシ−ト状をした基材1の彩色面7側にあら
かじめ設定された温度で融解するワックス2を前記基材
1を覆う様に重畳し、このワックス2の表面側にワック
ス2が融解して浸透すると不透明から透明に変化する性
質を有する物質からなるマスキング材3の層を形成し、
基材1の裏面に両面接着テ−プ4を貼付すると共に、表
面側全体を透明フィルム5で被覆することにより、又、
シ−ト状をしたワックス吸収体6の表面側にあらかじめ
設定された温度で融解するワックス2を重畳し、その上
に片面が彩色面7となっているシ−ト状の基材1を彩色
面7をワックス2側にして重畳し、ワックス吸収体6の
裏面に両面接着テ−プ4を貼付すると共に、表面側全体
を透明フィルム5で被覆することにより、更には、片面
が彩色面7となっており、ワックス2が融解浸透すると
不透明から透明に変化する性質を有する物質からなるシ
−ト状基材1の非彩色面側に固体状ワックス層8を形成
せしめ、彩色面7側を裏面側として、これに両面接着テ
−プ4を貼付すると共に、ワックス層8を表面側として
表面側全体を透明フィルム5で被覆することにより、上
記課題を解決せんとするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図4に基づいて本発明に
係る温度表示ラベルの一実施の形態を説明する。図中1
は、所望の色調を有する顔料を塗布したシ−ト状基材で
あり、十分な耐候性を持つ顔料を用いた市販の色紙等を
この基材1として用いることができる。そして、この基
材1の彩色面7側には、あらかじめ設定された規定温度
で融解する直鎖状炭化水素を主体としたシ−ト状のワッ
クス2が前記基材1を覆う様に重畳されている。更に、
このワックス2の表面側には、融解したワックス2が浸
透すると不透明から透明に変化する性質の物質からなる
マスキング材3の層が形成されている。このマスキング
材3としては、白色の和紙が好適に使用できるが、必ず
しも和紙でなくても良く、上記性質を有するものなら、
粉体や多孔質物質、不織布などであっても良い。
【0010】そして、前記基材1の裏面側には、両面接
着テ−プ4が貼り付けられており、表面側の全体は透明
フィルム5で被覆されている。なお、前記基材1はその
全面に同一の色彩を施すだけでなく、その一部だけに色
彩を付したり、複数の色彩で模様を形成したり、色彩に
よって図形や文字を抽出しても良い。
【0011】この実施の形態は上述の通りの構成を有す
るものであり、両面接着テ−プ4によって、温度測定の
対象である機器類の所望部位に貼付する。そして、この
機器類の貼付部位があらかじめ設定された規定温度を越
えると、ワックス2は融解して、その表面側に位置して
いるマスキング材3に浸透し、これを透明に変化させ、
基材1の彩色面7を上方から透視可能状態にする。この
とき、基材1にはあらかじめ特定の色彩が施されている
ので上方から見た場合、この温度表示ラベルが発色した
様に見え、色彩変化により測定対象物が規定温度を越え
たことを知らせる。なお、その後、この測定対象物が規
定温度より低下しても、マスキング材3は透明な状態の
ままなので、いつまでもこの発色は維持される。
【0012】次に、図2及び図5に基づいてこの発明に
係る温度表示ラベルの第2の実施の形態について説明す
る。この第2の実施の形態は、融解したワックス2が容
易に浸み込むシ−ト状をしたワックス吸収体6上にワッ
クス2を重畳し、その上に片面に彩色を施した色紙など
の基材1をその彩色面7が内側つまりワックス2側を向
く様に重畳してなるものである。なお、図中4は両面接
着テ−プ、5は透明フィルムであり、これらについての
構成は、前述の図1に示した第一の実施の形態と同一で
ある。
【0013】この第2の実施の形態は、上述の通りの構
成を有するものであり、第一の実施の形態の場合と同様
に、温度測定をしようとする機器類に貼付して使用する
ものであり、規定温度に達してワックス2が融解する
と、基材1にワックス2が浸み込み、その裏面を透明化
し、彩色面7が透けて見える様になる。従って、上方か
ら見た場合、この温度表示ラベルが発色した様に見え
る。なお、この際、融解した余分なワックス2は、裏面
側のワックス吸収体6に吸収される。更に、図3及び図
6に基づいてこの発明に係る温度表示ラベルの第3の実
施形態について説明する。この第3の実施の形態は、片
面が彩色面7となっており、ワックス2が融解浸透する
と不透明から透明に変化する性質を有する色紙などの基
材1の非彩色面側に薄いシ−ト状のワックス2を固体状
態で圧着せしめてワックス層8とし、彩色面7側を裏面
側としてこれに両面接着テ−プ4を貼付すると共に、ワ
ックス層8側を表面側として表面側全体を透明フィルム
5で被覆してなるものである。この第3の実施の形態
は、上述の通りの構成を有するものであり、規定温度に
達してワックス2が融解すると、基材1にワックス2が
浸み込み、非彩色面を透明化し、彩色面7を透けて見え
る様にする。この第3の実施の形態においては、基材1
とワックス層8とは一体化しているので、部品点数が少
なく、組立作業が極めて容易となり、製造コストを低下
させることができるメリットが存在する。
【0014】
【発明の効果】この発明に係る温度表示ラベルは、色彩
が施された部分を覆っている不透明部分をワックスの作
用によって透明化することにより発色させるものであ
り、従来のものの様に顔料を練り込んだワックスを和紙
に浸み込ませて発色させるものでない為、ワックスと顔
料との相性を考慮する必要がなく、耐候性にすぐれた顔
料を自由に選ぶことができるので、十分な耐候性を持っ
ている。従って、強い紫外線に晒される屋外において特
に有効である。又、発色も鮮明であり、従来のものと比
してより高い実用的価値を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る温度表示ラベルの第一の実施形
態の断面図。
【図2】この発明に係る温度表示ラベルの第二の実施形
態の断面図。
【図3】この発明に係る温度表示ラベルの第三の実施形
態の断面図。
【図4】図1に示す温度表示ラベルの第一の実施形態の
要部を層状に切欠いて描いたその部分拡大斜視図。
【図5】図2に示す温度表示ラベルの第二の実施形態の
要部を層状に切欠いて描いたその部分拡大斜視図。
【図6】図3に示す温度表示ラベルの第三の実施形態の
要部を層状に切欠いて描いたその部分拡大斜視図。
【符号の説明】
1 基材 2 ワックス 3 マスキング材 4 両面接着テ−プ 5 透明フィルム 6 ワックス吸収体 7 彩色面 8 ワックス層

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に彩色を施したシ−ト状をした
    基材1の彩色面7側にあらかじめ設定された温度で融解
    するワックス2を前記基材1を覆う様に重畳し、このワ
    ックス2の表面側にワックス2が融解して浸透すると不
    透明から透明に変化する性質を有する物質からなるマス
    キング材3の層を形成し、基材1の裏面に両面接着テ−
    プ4を貼付すると共に、表面側全体を透明フィルム5で
    被覆したことを特徴とする温度表示ラベル。
  2. 【請求項2】 ワックス2が直鎖状炭化水素を主体とす
    ることを特徴とする請求項1記載の温度表示ラベル。
  3. 【請求項3】 マスキング材3が和紙であることを特徴
    とする請求項1記載の温度表示ラベル。
  4. 【請求項4】 シ−ト状をしたワックス吸収体6の表面
    側にあらかじめ設定された温度で融解するワックス2を
    重畳し、その上に片面が彩色面7となっており、ワック
    ス2が融解浸透すると不透明から透明に変化する性質を
    有する物質からなるシ−ト状の基材1を彩色面7をワッ
    クス2側にして重畳し、ワックス吸収体6の裏面に両面
    接着テ−プ4を貼付すると共に、表面側全体を透明フィ
    ルム5で被覆したことを特徴とする温度表示ラベル。
  5. 【請求項5】 基材1が紙であることを特徴とする請求
    項4記載の温度表示ラベル。
  6. 【請求項6】 ワックス吸収体6が和紙であることを特
    徴とする請求項4記載の温度表示ラベル。
  7. 【請求項7】 ワックス2が直鎖状炭化水素を主体とす
    ることを特徴とする請求項4記載の温度表示ラベル。
  8. 【請求項8】 片面が彩色面7となっており、ワックス
    2が融解浸透すると不透明から透明に変化する性質を有
    する物質からなるシ−ト状基材1の非彩色面側に固体状
    ワックス層8を形成せしめ、彩色面7側を裏面側とし
    て、これに両面接着テ−プ4を貼付すると共に、ワック
    ス層8を表面側として表面側全体を透明フィルム5で被
    覆したことを特徴とする温度表示ラベル。
  9. 【請求項9】 基材1が紙であることを特徴とする請求
    項8記載の温度表示ラベル。
  10. 【請求項10】ワックス2が直鎖状炭化水素を主体とす
    ることを特徴とする請求項8記載の温度表示ラベル。
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