JP2006133190A - 温度履歴管理シート及び温度履歴管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができ、かつ、安価に製造することができる温度履歴管理シートを提供する。
【解決手段】識別記号を構成する印刷部2を設けた上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、上記印刷部2と同色又は近似の色調で着色された下部シート層5とを積層して形成される。上部シート層3は印刷部2を除き透明である。溶融物質層4は不透明である。上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して下部シート層5に吸収される。
【選択図】図1
【解決手段】識別記号を構成する印刷部2を設けた上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、上記印刷部2と同色又は近似の色調で着色された下部シート層5とを積層して形成される。上部シート層3は印刷部2を除き透明である。溶融物質層4は不透明である。上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して下部シート層5に吸収される。
【選択図】図1
Description
本発明は、流通過程等における商品の温度履歴を管理するのに用いられる温度履歴管理シート及びこのシートを用いて商品の温度履歴を管理する温度履歴管理方法に関するものである。
従来より、種々の商品の流通過程等においては、その温度履歴を管理することが行われている。その際、温度に反応して色が変化する材料を塗布した温度検知可能なシールが採用されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなシールには可逆タイプと不可逆タイプの2種類があるが、いずれのタイプについても色の変化状況を視覚的に判断して温度履歴を追うというものである。
特開2004−85298号公報
しかしながら、従来のような色の変化状況に基づいた視覚的な温度履歴管理では、大量の温度管理対象物がある場合、自動的に温度履歴を読み取って管理することが困難であり、また、人的作業になるため、読み取り記入ミスの可能性があり、色調を判断する基準も曖昧となるものであった。特に色の濃淡が段階的に推移するような場合には、判断基準が不明確となりやすい。また、化学的に色調が変わる材料としては、サーモクロミック材やコレステリック液晶材を挙げることができるが、これらのものは一般的に高価な材料であるため、温度履歴管理用の材料として採用するには実用上問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができ、かつ、安価に製造することができる温度履歴管理シート及び温度履歴管理方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る温度履歴管理シートは、識別記号を構成する印刷部2を設けた上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、上記印刷部2と同色又は近似の色調で着色された下部シート層5とを積層して形成され、上部シート層3は印刷部2を除き透明であると共に溶融物質層4は不透明であり、上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して上部シート層3又は下部シート層5に吸収されることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る温度履歴管理シートは、識別記号を構成する印刷部2を設けた上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、上記印刷部2と同色又は近似の色調で着色された下部シート層5とを積層して形成され、上部シート層3は、不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となるものであることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る温度履歴管理シートは、上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、識別記号を構成する印刷部2を設けた下部シート層5とを積層して形成され、上部シート層3は透明であると共に溶融物質層4は不透明であり、上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して下部シート層5に吸収されることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る温度履歴管理シートは、上部シート層3と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層4と、識別記号を構成する印刷部2を設けた下部シート層5とを積層して形成され、上部シート層3は、不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となるものであることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、識別記号を構成する印刷部2が上部シート層3にも設けられていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、溶融物質がワックスであることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る温度履歴管理方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の温度履歴管理シート1を商品6に貼り付け、識別記号の読取装置7を用いて上記温度履歴管理シート1の識別記号を読み取ることによって、商品6の温度履歴を管理することを特徴とするものである。
本発明の請求項1乃至4に係る温度履歴管理シートによれば、商品が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の存否によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
請求項5の発明によれば、商品が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の形状の変化によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
請求項6の発明によれば、所定温度を自由に設定することができると共に、より安価に製造することができるものである。
本発明の請求項7に係る温度履歴管理方法によれば、読取作業の迅速化を図ることができると共に人的作業に比べて作業ミスがさらに低減し、大量の商品の温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、この温度履歴管理シート1は、図1(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、この温度履歴管理シート1は、図1(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
上部シート層3の表面の印刷領域8には、識別記号を構成する印刷部2が設けてある。識別記号としては、人が視認することもできるが、機械によって自動的に読み取りが可能な記号、例えば、図1(a)のような商品管理用の記号として用いられるバーコード等を挙げることができる。また、上部シート層3は印刷部2を除き透明である。そのため、上部シート層3は、例えば、ペットフィルム等で形成してある。なお、印刷領域8以外の領域は不透明であってもよい。
下部シート層5は、上部シート層3の印刷部2と同色又は近似の色調で着色してある。例えば、上部シート層3の印刷部2が黒色であれば、下部シート層5も黒色又は近似の色調で着色してある。
溶融物質層4は、不透明であり、所定温度(例えば40℃)で溶融する溶融物質で形成してある。この溶融物質としては、例えば、ワックスやパラフィン等を挙げることができ、この中から所望の温度で溶融するものを選択して用いることができる。溶融物質層4の不透明化は、この層を形成するワックスやパラフィン等の溶融物質を微粉砕することによって行うことができる。より安価な温度履歴管理シート1が製造できるという点で、一般的に低価格なワックスを溶融物質として用いるのが好ましい。しかもワックスには溶融温度の異なるものが多数存在するため、所定温度を自由に設定することができる。ただし、上部シート層3の印刷部2と溶融物質層4とは異なる色にしてある。また、上記所定温度に達すると、溶融物質は溶融状態となるが、この溶融した溶融物質は下部シート層5に吸収されるようにしてある。そのため、下部シート層5は、多孔質のシート、例えば、吸収紙、和紙、スポンジ等で形成してある。なお、溶融物質が下部シート層5に吸収されると、図1(d)に示すように溶融物質層4は消失することとなるが、その後温度に変化があっても、一旦消失した溶融物質層4は再生しない。つまり、溶融物質層4の消失は不可逆的なものである。
そして、上部シート層3と下部シート層5で溶融物質層4を挟み、接着剤等を用いて印刷領域8以外の領域で上部シート層3と下部シート層5を貼り合わせることによって、図1(b)に示すような3層構造の温度履歴管理シート1を得ることができる。
このようにして製造される温度履歴管理シート1は、図5に示すように接着剤等を用いて下部シート層5の側で商品6に貼り付けられて用いられるのであるが、この温度履歴管理シート1によれば、次のようにして商品6の温度履歴を管理することができる。
すなわち、商品6が所定温度に達していない段階では、温度履歴管理シート1の溶融物質は図1(b)に示すように溶融しない。そして、上述のとおり、上部シート層3は印刷部2を除き透明であるため、上部シート層3を通して直下の溶融物質層4が外部から見えることとなる。ここで、上部シート層3の印刷部2と溶融物質層4の色は異なっているので、図1(a)に示すように上部シート層3の印刷部2を例えば縦縞状の模様として視認することができる。また、下部シート層5は、図1(b)に示すように直上の不透明な溶融物質層4に遮られることとなり、外部からは見えないこととなる。よって、上部シート層3の印刷部2が構成する識別記号の読み取りが可能であるため、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものである。
一方、商品6が所定温度に達すると、温度履歴管理シート1の溶融物質は溶融し、下部シート層5に吸収される。そうすると、それまで下部シート層5を遮っていた溶融物質層4が消失するので、透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなる。ここで、上部シート層3の印刷部2と下部シート層5は、上述のとおり、同色又は近似の色調で着色されているので、両者の見分けがつかなくなって、図1(c)に示すように上部シート層3の印刷部2を視認することができなくなる。よって、このようにして上部シート層3の印刷部2が見掛け上消失することで識別記号の読み取りが不可能となるので、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。
以上のように、本実施形態における温度履歴管理シート1によれば、商品6が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の存否によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
(実施形態2)
本実施形態は、基本的な構造については上述した実施形態1と共通しているが、上部シート層3が、通常は不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となる点で相違している。このように溶融物質を吸収すると光透過性を示す上部シート層3は、例えば、紙や不織布等で形成することができる。
本実施形態は、基本的な構造については上述した実施形態1と共通しているが、上部シート層3が、通常は不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となる点で相違している。このように溶融物質を吸収すると光透過性を示す上部シート層3は、例えば、紙や不織布等で形成することができる。
そして、本実施形態で製造される温度履歴管理シート1によれば、次のようにして商品6の温度履歴を管理することができる。
すなわち、商品6が所定温度に達していない段階では、温度履歴管理シート1の溶融物質は図1(b)に示すように溶融しない。そして、上述のとおり、上部シート層3は不透明であるため、直下の溶融物質層4及び下部シート層5は外部から見えず、図1(a)に示すように上部シート層3の印刷部2が視認される。よって、上部シート層3の印刷部2が構成する識別記号の読み取りが可能であるため、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものである。
一方、商品6が所定温度に達すると、温度履歴管理シート1の溶融物質は溶融し、上部シート層3に吸収される。そうすると、上部シート層3は光透過性を示すようになるので、この透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなる。ここで、上部シート層3の印刷部2と下部シート層5は、上述のとおり、同色又は近似の色調で着色されているので、両者の見分けがつかなくなって、図1(c)に示すように上部シート層3の印刷部2を視認することができなくなる。よって、このようにして上部シート層3の印刷部2が見掛け上消失することで識別記号の読み取りが不可能となるので、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。なお、溶融物質の吸収によって、上部シート層3の印刷部2も透明となるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態における温度履歴管理シート1によれば、商品6が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の存否によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
(実施形態3)
図2は本発明の実施の形態の他例を示すものであり、この温度履歴管理シート1も、図2(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
図2は本発明の実施の形態の他例を示すものであり、この温度履歴管理シート1も、図2(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
上部シート層3は透明である。そのため、上部シート層3は、例えば、ペットフィルム等で形成してある。なお、印刷領域8以外の領域は不透明であってもよい。
下部シート層5の表面の印刷領域8には、識別記号を構成する印刷部2が設けてある。識別記号としては、上述したバーコード等を挙げることができる。
溶融物質層4は、不透明であり、所定温度(例えば40℃)で溶融する溶融物質で形成してある。この溶融物質としては、例えば、ワックスやパラフィン等を挙げることができ、この中から所望の温度で溶融するものを選択して用いることができる。溶融物質層4の不透明化は、この層を形成するワックスやパラフィン等の溶融物質を微粉砕することによって行うことができる。また、上記所定温度に達すると、溶融物質は溶融状態となるが、この溶融した溶融物質は下部シート層5に吸収されるようにしてある。そのため、下部シート層5は、多孔質のシート、例えば、吸収紙、和紙、スポンジ等で形成してある。なお、溶融物質が下部シート層5に吸収されると、図2(d)に示すように溶融物質層4は消失することとなるが、その後温度に変化があっても、一旦消失した溶融物質層4は再生しない。つまり、溶融物質層4の消失は不可逆的なものである。
そして、上部シート層3と下部シート層5で溶融物質層4を挟み、接着剤等を用いて印刷領域8以外の領域で上部シート層3と下部シート層5を貼り合わせることによって、図2(b)に示すような3層構造の温度履歴管理シート1を得ることができる。
このようにして製造される温度履歴管理シート1は、図5に示すように接着剤等を用いて下部シート層5の側で商品6に貼り付けられて用いられるのであるが、この温度履歴管理シート1によれば、次のようにして商品6の温度履歴を管理することができる。
すなわち、商品6が所定温度に達していない段階では、温度履歴管理シート1の溶融物質は図2(b)に示すように溶融しない。そして、上述のとおり、上部シート層3は透明であるため、上部シート層3を通して直下の溶融物質層4が外部から見えることとなる。しかし、下部シート層5の直上にある溶融物質層4は不透明であるため、この溶融物質層4で下部シート層5が隠蔽されるので、図2(a)に示すように外部からは下部シート層5の印刷部2を視認することができない。よって、識別記号の読み取りが不可能であるため、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものである。
一方、商品6が所定温度に達すると、温度履歴管理シート1の溶融物質は溶融し、下部シート層5に吸収される。そうすると、それまで下部シート層5を遮っていた溶融物質層4が消失するので、透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなる。そのため、下部シート層5の印刷部2も出現し、例えば図2(c)に示すように縦縞状の模様として視認することができるようになる。よって、下部シート層5の印刷部2が構成する識別記号の読み取りが可能となるので、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。
以上のように、本実施形態における温度履歴管理シート1によれば、商品6が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の存否によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
(実施形態4)
本実施形態は、基本的な構造については上述した実施形態3と共通しているが、上部シート層3が、通常は不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となる点で相違している。このように溶融物質を吸収すると光透過性を示す上部シート層3は、例えば、紙や不織布等で形成することができる。
本実施形態は、基本的な構造については上述した実施形態3と共通しているが、上部シート層3が、通常は不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となる点で相違している。このように溶融物質を吸収すると光透過性を示す上部シート層3は、例えば、紙や不織布等で形成することができる。
そして、本実施形態で製造される温度履歴管理シート1によれば、次のようにして商品6の温度履歴を管理することができる。
すなわち、商品6が所定温度に達していない段階では、温度履歴管理シート1の溶融物質は図2(b)に示すように溶融しない。そして、上述のとおり、上部シート層3は不透明であるため、この上部シート層3で直下の溶融物質層4及び下部シート層5が隠蔽されることとなり、図2(a)に示すように外部からは下部シート層5の印刷部2を視認することができない。よって、識別記号の読み取りが不可能であるため、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものである。
一方、商品6が所定温度に達すると、温度履歴管理シート1の溶融物質は溶融し、上部シート層3に吸収される。そうすると、上部シート層3は光透過性を示すようになると共に、それまで下部シート層5を遮っていた溶融物質層4が消失するので、透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなる。そのため、下部シート層5の印刷部2も出現し、視認することができるようになる。よって、下部シート層5の印刷部2が構成する識別記号の読み取りが可能となるので、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。
以上のように、本実施形態における温度履歴管理シート1によれば、商品6が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の存否によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
(実施形態5)
図3は本発明の実施の形態のさらに他例を示すものであり、この温度履歴管理シート1も、図3(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
図3は本発明の実施の形態のさらに他例を示すものであり、この温度履歴管理シート1も、図3(b)に示すように、上部シート層3と、溶融物質層4と、下部シート層5とをこの順に積層して形成される。
上部シート層3の表面の印刷領域8には、識別記号を構成する印刷部2aが設けてある。識別記号としては、上述したバーコード等を挙げることができる。また、上部シート層3は印刷部2aを除き透明であるか、又は、通常は不透明であって所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となるものである。そのため、前者の上部シート層3は、例えば、ペットフィルム等で形成することができ、後者の上部シート層3は、溶融物質を吸収すると光透過性を示すような紙や不織布等で形成することができる。なお、印刷領域8以外の領域は不透明であってもよい。
下部シート層5の表面の印刷領域8にも、識別記号を構成する印刷部2bが設けてある。識別記号としては、上述したバーコード等を挙げることができるが、この識別記号は、上部シート層3に設けた印刷部2aが構成する識別記号とは別のものである。
溶融物質層4は、不透明であり、所定温度で溶融する溶融物質で形成してある。上部シート層3が不透明なものである場合には、溶融物質層4は透明なものであってもよい。溶融物質の具体例としては、上述したものを挙げることができ、この中から所望の温度で溶融するものを選択して用いることができる。ただし、上部シート層3が透明なものである場合には、上部シート層3の印刷部2aと溶融物質層4とは異なる色にしてある。また、上記所定温度に達すると、溶融物質は溶融状態となるが、この溶融した溶融物質は、上部シート層3が透明なものである場合には、下部シート層5に吸収されるようにしてある。そのため、下部シート層5は、多孔質のシート、例えば、吸収紙、和紙、スポンジ等で形成してある。また、上部シート層3が不透明なものである場合には、上部シート層3に溶融物質が吸収されるようにしてある。なお、溶融物質が下部シート層5又は上部シート層3に吸収されると、図3(d)に示すように溶融物質層4は消失することとなるが、その後温度に変化があっても、一旦消失した溶融物質層4は再生しない。つまり、溶融物質層4の消失は不可逆的なものである。
そして、上部シート層3と下部シート層5で溶融物質層4を挟み、接着剤等を用いて印刷領域8以外の領域で上部シート層3と下部シート層5を貼り合わせることによって、図3(b)に示すような3層構造の温度履歴管理シート1を得ることができる。
このようにして製造される温度履歴管理シート1は、図5に示すように接着剤等を用いて下部シート層5の側で商品6に貼り付けられて用いられるのであるが、この温度履歴管理シート1によれば、次のようにして商品6の温度履歴を管理することができる。
すなわち、商品6が所定温度に達していない段階では、温度履歴管理シート1の溶融物質は図3(b)に示すように溶融しない。そして、上部シート層3が印刷部2aを除き透明である場合には、上部シート層3を通して直下の溶融物質層4が外部から見えることとなる。ここで、上部シート層3の印刷部2aと溶融物質層4の色は異なっているので、図3(a)に示すように上部シート層3の印刷部2aを例えば細い縦縞状の模様として視認することができる。また、下部シート層5は、図3(b)に示すように直上の不透明な溶融物質層4に遮られることとなり、外部からは見えないこととなる。また、上部シート層3が不透明である場合には、直下の溶融物質層4及び下部シート層5は外部から見えず、図3(a)に示すように上部シート層3の印刷部2aが視認される。よって、上部シート層3が透明なものであっても不透明なものであっても、上部シート層3の印刷部2aが構成する識別記号の読み取りが可能であるため、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものである。
一方、商品6が所定温度に達すると、温度履歴管理シート1の溶融物質は溶融し、上部シート層3が透明なものである場合には、下部シート層5に吸収される。そうすると、それまで下部シート層5を遮っていた溶融物質層4が消失するので、透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなる。そのため、下部シート層5の印刷部2bも出現し、上部シート層3の印刷部2aと重なり合うことによって、例えば図3(c)に示すように太い縦縞状の模様として視認することができるようになる。また、上部シート層3が不透明である場合には、溶融物質は上部シート層3に吸収される。そうすると、上部シート層3は光透過性を示すようになると共に、それまで下部シート層5を遮っていた溶融物質層4が消失するので、透明な上部シート層3を通して下部シート層5が外部から見えることとなり、下部シート層5の印刷部2も視認される。よって、上部シート層3が透明なものであっても不透明なものであっても、上部シート層3及び下部シート層5の印刷部2a,2bが構成する識別記号の読み取りが可能となるので、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。
本実施形態では、所定温度に達する前の段階と所定温度に達した後の段階との間で、識別記号の形状が変化するものである。よって、識別記号としてバーコードを用いる場合には、例えば、次のようにバーコードと温度を関連付けて応用することができる。すなわち、図4に示すように、所定温度に達する前の段階ではJANコードで“1”を表示する識別記号を視認することができるようにすると共に、所定温度に達した後の段階ではJANコードで“3”を表示する識別記号を視認することができるようにするためには、上記“1”を表示する識別記号を構成する印刷部2aをあらかじめ上部シート層3に設けておくと共に、上記“3”を表示する識別記号を完成させるために必要な識別記号を構成する印刷部2bをあらかじめ下部シート層5に設けておけばよい。下部シート層5に設けた印刷部2bは、上部シート層3に設けた印刷部2aと重なり合うことによって、新たに別の識別記号を構成するものであり、補完的な役割を果たすものである。そして、上記“1”を表示する識別記号が読み取られる場合には、商品6が所定温度に達していないことを知ることができるものであり、上記“3”を表示する識別記号が読み取られる場合には、商品6が所定温度に達したことを知ることができるものである。
以上のように、本実施形態における温度履歴管理シート1によれば、商品6が所定温度に達したか否かについて、色の変化状況によらないで、識別記号の形状の変化によって知ることができるので、判断基準が明確であり、従来よりも温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、サーモクロミック材やコレステリック液晶材のように化学的に色調が変わる材料を必要としないので、安価に製造することができるものである。
(実施形態6)
図5は上記の温度履歴管理シート1を用いて商品6の温度履歴を管理する方法の一例を示すものであり、この温度履歴管理方法は、温度履歴管理シート1を商品6に貼り付け、識別記号の読取装置7を用いて上記温度履歴管理シート1の識別記号を読み取ることによって、商品6の温度履歴を管理するものである。ここで、所定温度に達したか否かの判断基準は、識別記号の存否又はその形状の変化であって明確であるため、人的作業によっても温度履歴の管理を正確に行うことができる。しかし、例えば、識別記号としてバーコードを用い、商品6の温度管理用のパソコン11に接続した市販のバーコードリーダ等の読取装置7で自動的に上記バーコードを読み取るように機械化すれば、読取作業の迅速化を図ることができると共に人的作業に比べて作業ミスがさらに低減し、大量の商品6の温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、溶融物質層4が消失する温度が異なる温度履歴管理シート1を複数組み合わせて各商品6に貼り付けておけば、各商品6についてより詳細な温度履歴を知ることができるものである。
図5は上記の温度履歴管理シート1を用いて商品6の温度履歴を管理する方法の一例を示すものであり、この温度履歴管理方法は、温度履歴管理シート1を商品6に貼り付け、識別記号の読取装置7を用いて上記温度履歴管理シート1の識別記号を読み取ることによって、商品6の温度履歴を管理するものである。ここで、所定温度に達したか否かの判断基準は、識別記号の存否又はその形状の変化であって明確であるため、人的作業によっても温度履歴の管理を正確に行うことができる。しかし、例えば、識別記号としてバーコードを用い、商品6の温度管理用のパソコン11に接続した市販のバーコードリーダ等の読取装置7で自動的に上記バーコードを読み取るように機械化すれば、読取作業の迅速化を図ることができると共に人的作業に比べて作業ミスがさらに低減し、大量の商品6の温度履歴の管理を正確に行うことができるものである。また、溶融物質層4が消失する温度が異なる温度履歴管理シート1を複数組み合わせて各商品6に貼り付けておけば、各商品6についてより詳細な温度履歴を知ることができるものである。
1 温度履歴管理シート
2 印刷部
2a 印刷部
2b 印刷部
3 上部シート層
4 溶融物質層
5 下部シート層
6 商品
7 識別記号の読取装置
2 印刷部
2a 印刷部
2b 印刷部
3 上部シート層
4 溶融物質層
5 下部シート層
6 商品
7 識別記号の読取装置
Claims (7)
- 識別記号を構成する印刷部を設けた上部シート層と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層と、上記印刷部と同色又は近似の色調で着色された下部シート層とを積層して形成され、上部シート層は印刷部を除き透明であると共に溶融物質層は不透明であり、上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して下部シート層に吸収されることを特徴とする温度履歴管理シート。
- 識別記号を構成する印刷部を設けた上部シート層と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層と、上記印刷部と同色又は近似の色調で着色された下部シート層とを積層して形成され、上部シート層は、不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となるものであることを特徴とする温度履歴管理シート。
- 上部シート層と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層と、識別記号を構成する印刷部を設けた下部シート層とを積層して形成され、上部シート層は透明であると共に溶融物質層は不透明であり、上記所定温度に達したときに溶融物質が溶融して下部シート層に吸収されることを特徴とする温度履歴管理シート。
- 上部シート層と、所定温度で溶融する溶融物質で形成された溶融物質層と、識別記号を構成する印刷部を設けた下部シート層とを積層して形成され、上部シート層は、不透明であって、かつ、上記所定温度に達して溶融した溶融物質が吸収されると透明となるものであることを特徴とする温度履歴管理シート。
- 識別記号を構成する印刷部が上部シート層にも設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の温度履歴管理シート。
- 溶融物質がワックスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の温度履歴管理シート。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の温度履歴管理シートを商品に貼り付け、識別記号の読取装置を用いて上記温度履歴管理シートの識別記号を読み取ることによって、商品の温度履歴を管理することを特徴とする温度履歴管理方法。
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---|---|---|---|
JP2004325495A JP2006133190A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 温度履歴管理シート及び温度履歴管理方法 |
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-
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- 2004-11-09 JP JP2004325495A patent/JP2006133190A/ja not_active Withdrawn
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