JP3425517B2 - 冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工 - Google Patents

冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度形鋼に関
し、とくにトンネル工事に使用され、掘削断面を保持す
る支保工に用いられる降伏強さ440MPa以上、かつ引張強
さ590MPa以上を有する高強度形鋼および高強度形鋼を用
いた支保工に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル工事では、トンネル完成までの
間、土圧などの荷重を支え、掘削トンネルの断面を保持
し、掘削したトンネル内の安全を保つため、支保工が使
用されている。トンネル工事に使用される支保工は、H
形鋼をアーチ状に冷間曲げ加工されたものであり、この
ため、支保工に使用されるH形鋼は、安全性の観点から
曲げ加工後でも高い延性が要求される。
【0003】従来、トンネルの支保工用鋼材としては、
JIS G 3101に規定される一般構造用圧延鋼材のうち、降
伏強さ245MPa以上、かつ引張強さ 400〜510MPaを有する
SS400 が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
SS 400鋼材より高強度の鋼材を支保工に適用すれば、鋼
材の断面積を減少させても同一荷重に耐えることができ
るため、鋼材の断面積を減少でき、支保工の小断面化、
軽量化を図れ、その結果、トンネル内の作業性の向上が
期待できることに着目した。しかし、一般に、鋼材の強
度が増加するにしたがい、延性が低下するとともに、冷
間加工による延性低下が著しくなる。低強度のSS 400鋼
では、母材延性が高いため、冷間加工による延性低下が
大きくても、冷間加工後に良好な延性を維持できる。し
かし、高強度鋼では、もともとの延性が低く、かつ冷間
加工による延性低下度が大きいため、冷間加工による延
性低下量を極力小さくしなければ、冷間加工後に良好な
延性を確保できない。
【0005】冷間加工による延性低下を抑制するため
に、例えば、特開平6-136482号公報、特開平7-224351号
公報には、降伏強度:24.5〜41.5kgf/mm2 、かつ引張強
さ:34.6〜55.1kgf/mm2 の低強度鋼にTiを添加して、Ti
N を形成させ冷間加工後の延性を高める方法が提案され
ている。しかしながら、TiN の微細分散による延性向上
効果に不明な点があり、この方法を、単に高強度鋼材に
適用するだけでは、冷間曲げ加工による延性低下を抑制
し、冷間加工後の延性に優れた降伏強さ440MPa以上、か
つ引張強さ590MPa以上の高強度鋼材を得ることが容易に
はできなかった。
【0006】本発明は、上記した問題点を有利に解決
し、冷間加工後延性に優れた降伏強さ440MPa以上、かつ
引張強さ590MPa以上を有する支保工用高強度形鋼および
支保工を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高強度形
鋼の冷間加工による延性低下を防止するため、高強度鋼
の化学成分と冷間加工前後の延性の関係について調査し
た。その結果、冷間加工による延性低下は、Ti、Nb、
V、N量に依存し、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が小さいほど、冷間加工後に良好な
延性が得られることを見いだした。
【0008】本発明は、上記した知見をもとに構成され
た。すなわち、本発明は、重量%で、C:0.10〜0.20
%、Si:0.01〜0.65%、Mn:0.90〜1.60%、P:0.035
%以下、S:0.005 %以下、Al:0.005 〜0.050 %、
N:0.0150%以下を含み、さらに、Ti:0.003 〜0.030
%、Nb:0.005 〜0.060%、V:0.005 〜0.100 %のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が0.0030%以下、および次(2)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) で定義されるCeq が0.30〜0.47%であり、0.5 〜4.0 %
の冷間加工を施したのちの値で17%以上の伸びを有す
ことを特徴とする冷間加工後延性に優れ、降伏強さ440M
Pa以上、かつ引張強さ590MPa以上を有する支保工用形鋼
であり、また、本発明では、上記した組成に加えて、さ
らにCu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.30%以
下、Mo:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちから選ば
れた1種または2種以上を含有してもよく、またさら
に、Ca:0.0050%以下、REM :0.010 %以下のうちから
選ばれた1種または2種を含有してもよく、また、これ
ら合金元素群を複合して添加してもよい。
【0009】また、本発明は、上記した組成のうちのい
ずれかの組成を有する形鋼からなることを特徴とする支
保工である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の支保工用形鋼は、H形
鋼、I形鋼等を含む。また、本発明における支保工は上
記した形鋼から冷間加工により、所定の形状に加工され
たものである。まず、本発明の支保工用形鋼、支保工の
成分限定理由について説明する。
【0011】C:0.10〜0.20% Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、所定の強度を
確保するためには0.10%以上の含有が必要であるが、0.
20%を超える含有は延性が低下するとともに、溶接性が
劣化する。このため、Cは0.10〜0.20%の範囲とした。
なお、好ましい範囲は、0.13〜0.17%である。
【0012】Si:0.01〜0.65% Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼の強度を増加
させる元素であり、この効果を得るためには、0.01%以
上の添加を必要とするが、0.65%を超えて添加すると、
延性が低下する。このため、Siは、0.01〜0.65%の範囲
とした。 Mn:0.90〜1.60% Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、所定の強度を
確保するためには0.90%以上の添加を必要とする。しか
し、1.60%を超える添加は溶接性を劣化させる。このた
め、Mnは0.90〜1.60%の範囲とした。
【0013】P:0.035 %以下 Pは、粒界等に偏析し鋼の延性、靱性を低下させる元素
であり、できるだけ低減する。しかし、0.035 %までは
許容できる。このことからPは0.035 %以下とした。 S:0.005 %以下 Sは、鋼中ではほとんどが介在物となり、鋼の延性を阻
害するため、より良好な延性を確保するためには0.005
%以下とする。
【0014】Al:0.001 〜0.050 % Alは、脱酸剤として有効な元素で、0.001 %以上は必要
であるが、0.050 %を超えて添加しても脱酸効果は飽和
する。むしろ、0.050 %を超えて添加すると延性が低下
する。このため、Alは0.001 〜0.050 %の範囲に限定し
た。 Ti:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜0.060 %、V:0.
005 〜0.100 %のうちから選ばれた1種または2種以上 Ti、Nb、VはいずれもNとの親和力が強く、窒化物を形
成し、固溶Nを減少させ、かつ強度を増加させるのに効
果的である。本発明では、固溶N量の低減と、降伏強さ
440MPa以上、かつ引張強さ590MPa以上を確保するため
に、Ti、Nb、Vのうちのいずれか1種または2種以上を
含有させる。なかでも、TiはNとの親和力が強く、Nを
固定するために有効である。
【0015】熱間圧延による形鋼の製造において、炭窒
化物を析出させ所望の強度を得るためには、Tiは0.003
%以上、Nbは0.003 %以上、Vは0.003 %以上の添加が
必要である。しかし、Tiは0.030 %、Nbは0.060 %、V
は0.100 %を超えて添加すると延性が劣化する。このた
め、Tiは0.003 〜0.030 %、Nbは0.005 〜0.060 %、V
は0.005 〜0.100 %の範囲とした。
【0016】N:0.0150%以下 Nは、窒化物形成元素と結合する以外は、固溶Nとな
る。固溶Nは、冷間曲げ加工後に歪時効をおこし、延性
を著しく劣化させる。固溶Nの低減には、N量を低減す
るのが望ましい。また、Ti、Nb、Vを添加することによ
り固溶N量の低減が可能であるが、N量が0.0150%を超
えると溶接性、延性、靱性等の低下が顕著となるため、
Nの上限は0.0150%に限定した。なお、望ましくは0.00
50%以下である。
【0017】(N):0.0030%以下 固溶N量は、窒化物を形成するTi、Nb、Vを添加するこ
とにより低減できる。添加したTi、Nb、Vの全量が窒化
物を形成するわけではないので、窒化物形成のために必
要なTi、Nb、V量は化学量論的に決定される量よりも過
剰に添加する必要がある。また、Ti、Nb、Vは、それぞ
れ窒化物の形成能力が異なるため、それぞれ、必要添加
量が異なる。
【0018】熱間圧延により製造された高強度形鋼にお
ける冷間加工による延性低下は、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4 V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)に依存する。なお、(1)における
NはN含有量(total N量)(重量%)、TiはTi含有量
(重量%)であり、VはV含有量(重量%)、NbはNb含
有量(重量%)である。また、(1)式に記載された元
素のうち、鋼中に含まれない元素がある場合には、
(1)式中の当該元素量を零として(1)式を計算する
とものとする。
【0019】本発明では、(1)式で定義される(N)
を0.0030%以下とするように成分を調整する。(N)が
0.0030%を超えると、冷間加工後の延性が低下する。
(N)を0.0030%以下とすることにより、冷間加工後で
も17%以上の伸び(JIS 1A引張試験片)を得ることがで
きる。なお、好ましくは、(N)は0.0010%以下で、こ
の場合、冷間加工後に19%以上の伸びが得られる。
【0020】(N)と冷間加工前後の延性の関係につい
て説明する。N、Ti、V、Nb含有量を変化させた、表1
に基本成分を示す低強度鋼(X)と高強度鋼(Y)につ
いて、熱間圧延によりH形鋼を製造し、熱間圧延のまま
と圧延後冷間加工を施し各H形鋼の延性について調査し
た。なお、冷間加工における加工率は2%とした。ま
た、冷間加工後の引張試験は、室温で1ヶ月以上経過さ
せた後行った。冷間加工前後の延性を(N)で整理し、
図1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】降伏強さ245MPa以上、かつ引張強さ400 〜
510MPaを有する低強度鋼Xについても従来知見どおり
(N)の増加により冷間加工後の延性は低下している。
しかし、特に、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ590M
Pa以上の高強度鋼Yでは、冷間加工後の延性は(N)の
影響が顕著であり、冷間圧延後に良好な延性を確保する
ためには、(N)を小さくする必要がある。高強度鋼Y
では、(N)が0.0030%以下とすることにより、冷間加
工後の伸びを17%以上、(N)を0.0010%以下とするこ
とにより、冷間加工後の伸びを19%以上とすることがで
きる。
【0023】Cu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.
30%以下、Mo:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちか
ら選ばれた1種または2種以上 Cu、Ni、Cr、Mo、Bはいずれも焼入れ性を増加し、鋼の
強度を増加させる元素であり、強度確保のために、必要
に応じ添加できる。しかし、Cu:0.30%、Ni:0.30%、
Cr:0.30%、Mo:0.20%、B:0.0020%を超える添加は
溶接性を劣化させるため、それぞれ上限とした。
【0024】Ca:0.0050%以下、REM :0.010 %以下の
うちから選ばれた1種または2種 Ca、REM はいずれもO、Sとの親和力が強く硫化物、酸
化物あるいはそれらの複合介在物となり、球状の硫化
物、酸化物系介在物を形成し、介在物の形状制御を行う
作用を有している。この作用により鋼の延性向上に寄与
する。しかし、Caは0.0050%、REM は0.010 %を超える
添加は、介在物量が多くなり延性を劣化させるため、そ
れぞれを上限とした。
【0025】Ceq (%):0.30〜0.47% 次(2)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) で定義されるCeq を0.30〜0.47%に制限する。なお、
(2)式におけるCはC含有量(重量%)を、SiはSi含
有量(重量%)を、MnはMn含有量(重量%)を、CrはCr
含有量(重量%)を、MoはMo含有量(重量%)を、Niは
Ni含有量(重量%)を、VはV含有量(重量%)を、そ
れぞれ表す。なお鋼中に含有されない元素については、
(2)式中の該当する元素量を零として(2)式を計算
するものとする。
【0026】支保工では、仮付溶接、あるいは溶接接合
により各部材を固定する場合がある。しかもトンネル内
という作業環境が悪いところでの溶接となる。溶接割れ
の発生は構造物の安全性を劣化させるため、割れ発生は
防止しなければならない。このため、Ceq を0.47%以下
とする。Ceq が0.47を超えると溶接割れが発生する危険
が増大するため、上限とした。一方、降伏強さ440MPa以
上、かつ引張強さで590MPa以上の高強度を得るために
は、Ceq が0.30%以上必要である。このため、Ceq を0.
30〜0.47%の範囲に限定した。
【0027】その他、本発明の支保工用形鋼は残部Feお
よび不可避的不純物からなる。 降伏強さ(YS):440MPa以上、かつ引張強さ(T
S):590MPa以上 強度の高い鋼材を支保工に適用することにより、支保工
用形鋼の断面を減少することができる。支保工用一般H
形鋼として、H-250、H-200、H-175、H-150、H-12
5、H-100の各断面サイズがあり、従来のYS:245MPa
(TS:400MPa)級H形鋼の断面サイズを1ランク以上
減少するには、少なくともYS:440MPa(TS:590MP
a)級以上の高強度鋼が必要となる。すなわち、従来の
YS:245MPa級(TS≧400MPa)H形鋼より1ランク以
上小さい断面のH形鋼で同等の曲げモーメントに耐える
には、少なくともYSで440MPa級(TS≧590MPa)以上
の高強度鋼のH形鋼とする必要がある。このようなこと
から、支保工用形鋼の降伏強さを440MPa以上、かつ引張
強さを590MPa以上に限定した。
【0028】本発明の支保工用形鋼の保有する特性は、
次のとおりである。本発明の支保工用形鋼は、従来のSS
400より強度が高い、降伏強さが440MPa以上、かつ引張
強さが590MPa以上で、冷間加工後の延性として、0.5 〜
4.0 %の冷間加工を施したのちの値で、17%以上の伸び
を有するという冷間加工後延性の優れた形鋼である。し
たがって、上記した形鋼を用いた支保工は、440MPa以上
の降伏強さと590MPa以上の引張強さと17%以上の伸びを
有することになり、支保工としても高延性・高強度の支
保工となる。
【0029】これにより、従来の支保工にくらべ、高強
度の支保工用形鋼を使用でき、形鋼断面の減少が可能と
なる。例えば、従来のSS 400鋼材では、H 200×200 サ
イズのH形鋼で支保工を作製していたが、本発明の高強
度形鋼を使用すればH 150×150 サイズまでの2ランク
の縮小(ダウンサイズ)ができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)表2に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームから表3に示す熱間圧延条件で、表3に示
すサイズのH形鋼を製造した。これらH形鋼のフランジ
T/4部の機械的性質(降伏強さ、引張強さ、伸び)を
調査し、表3に示す。さらに、各H形鋼に2 〜2.8 %の
冷間曲げ加工を施したのち、機械的性質を同様に調査
し、表3に併記した。また、支保工とつなぎ板とをT字
継手溶接し、割れの有無を調べた。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】本発明例はいずれも、440MPa以上の降伏強
さ、590MPa以上の引張強さを有し、かつ冷間加工による
歪時効は小さく、冷間曲げ加工後で17%以上の伸びを有
している。これに対し、本発明から外れる比較例は、い
ずれも冷間加工後の延性が低下し、17%以上の伸びが得
られなかったり、強度が不足したり、溶接割れが発生し
たりしている。
【0034】例えば、No.11 、No.12 、No.13 、No.14
の比較例は、(N)が0.0030%を超えて本発明範囲を外
れており、歪時効が大きく冷間加工後の延性が低下して
いる。No.15 の比較例は、C、Mn量が本発明から外れて
いるため、所定の高強度が得られない。No.16 の比較例
は、C量、Ceqが本発明から外れているため、溶接割れ
が発生している。 (実施例2)表4に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームを1280℃に加熱し、圧延終了温度 850℃の
熱間圧延を施し、H 150×150 のH形鋼とした。このH
形鋼に曲げ半径2M〜 6.9M(曲げ加工率 3.2〜 1.1
%)の冷間曲げ加工を施し、鋼製支保工とした。この鋼
製支保工の機械的性質を表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】表5から本発明の支保工(No.2-1〜No.2-
6)は、強度も高く、19%以上の伸びを示すすぐれた高
強度の鋼製支保工であるといえる。これに対し、(N)
の高い比較例の支保工(No.2-7〜No.2-9)は、高強度は
得られているものの、伸びが低く延性低下が著しく、と
くに曲げ加工率3.2 %の支保工No.2-9の伸びは9.5 %と
低い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、冷間加工後の延性に優
れた支保工用高強度形鋼が工業的に容易に製造できる。
このような高強度形鋼は、支保工用形鋼の小断面化、軽
量化が図れ、トンネル工事の作業性向上に貢献でき、産
業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間加工前後の伸びにおよぼす(N)の影響を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 義明 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 斎藤 晋三 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 内田 清 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 長谷川 博行 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新日本製鐵株式会社内 (56)参考文献 特公 平7−5961(JP,B2) 特公 昭56−50777(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.10〜0.20%、 Si:0.01〜0.65%、 Mn:0.90〜1.60%、 P:0.035 %以下、 S:0.005 %以下、 Al:0.005 〜0.050
    % N:0.0150%以下 を含み、さらに、 Ti:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜0.060 %、V:0.
    005 〜0.100 %のうちから選ばれた1種または2種以上
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
    下記(1)式で定義される(N)が0.0030%以下、およ
    び下記(2)式で定義されるCeq が0.30〜0.47%であ
    り、0.5 〜4.0 %の冷間加工を施したのちの値で17%以
    上の伸びを有することを特徴とする冷間加工後延性に優
    れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ590MPa以上を有
    する支保工用形鋼。 記 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) ここに、N、Ti、V、Nb:各元素の含有量(重量%) Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) ここに、C、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、V:各元素の含有量(重量%)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成に加えてさらに、
    重量%で、 Cu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.30%以下、M
    o:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちから選ばれた
    1種または2種以上を含有することを特徴とする冷間加
    工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ59
    0MPa以上を有する支保工用形鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の組成に加えて
    さらに、重量%で、 Ca:0.0050%以下、REM :0.010 %以下のうちから選ば
    れた1種または2種を含有することを特徴とする冷間加
    工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ59
    0MPa以上を有する支保工用形鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の形
    鋼からなることを特徴とする支保工。
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