JPH10152751A - 冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工 - Google Patents
冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工Info
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- JPH10152751A JPH10152751A JP26035597A JP26035597A JPH10152751A JP H10152751 A JPH10152751 A JP H10152751A JP 26035597 A JP26035597 A JP 26035597A JP 26035597 A JP26035597 A JP 26035597A JP H10152751 A JPH10152751 A JP H10152751A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷間加工後の延性に優れた降伏強さ440MPa以
上、かつ引張強さ590MPa以上を有する高強度支保工用形
鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.01
〜0.65%、Mn:0.90〜1.60%、P:0.035 %以下、S:
0.015 %以下、Al:0.005 〜0.050 %、N:0.0150%以
下を含み、さらにTi:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜
0.060 %、V:0.005 〜0.100 %のうちから選ばれた1
種または2種以上、かつ次式 (N)=N−(10Ti/48+
4V/51+3Nb/93) で定義される(N)を0.0030%以下に調
整し、冷間加工後の延性低下を抑制するとともに、強度
と溶接性を向上するためにCeq (%)を0.47%以下とす
る。必要に応じ、Cu、Ni、Cr、Mo、Bの1種以上を含有
してもよい。
上、かつ引張強さ590MPa以上を有する高強度支保工用形
鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.01
〜0.65%、Mn:0.90〜1.60%、P:0.035 %以下、S:
0.015 %以下、Al:0.005 〜0.050 %、N:0.0150%以
下を含み、さらにTi:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜
0.060 %、V:0.005 〜0.100 %のうちから選ばれた1
種または2種以上、かつ次式 (N)=N−(10Ti/48+
4V/51+3Nb/93) で定義される(N)を0.0030%以下に調
整し、冷間加工後の延性低下を抑制するとともに、強度
と溶接性を向上するためにCeq (%)を0.47%以下とす
る。必要に応じ、Cu、Ni、Cr、Mo、Bの1種以上を含有
してもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度形鋼に関
し、とくにトンネル工事に使用され、掘削断面を保持す
る支保工に用いられる降伏強さ440MPa以上、かつ引張強
さ590MPa以上を有する高強度形鋼および高強度形鋼を用
いた支保工に関する。
し、とくにトンネル工事に使用され、掘削断面を保持す
る支保工に用いられる降伏強さ440MPa以上、かつ引張強
さ590MPa以上を有する高強度形鋼および高強度形鋼を用
いた支保工に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル工事では、トンネル完成までの
間、土圧などの荷重を支え、掘削トンネルの断面を保持
し、掘削したトンネル内の安全を保つため、支保工が使
用されている。トンネル工事に使用される支保工は、H
形鋼をアーチ状に冷間曲げ加工されたものであり、この
ため、支保工に使用されるH形鋼は、安全性の観点から
曲げ加工後でも高い延性が要求される。
間、土圧などの荷重を支え、掘削トンネルの断面を保持
し、掘削したトンネル内の安全を保つため、支保工が使
用されている。トンネル工事に使用される支保工は、H
形鋼をアーチ状に冷間曲げ加工されたものであり、この
ため、支保工に使用されるH形鋼は、安全性の観点から
曲げ加工後でも高い延性が要求される。
【0003】従来、トンネルの支保工用鋼材としては、
JIS G 3101に規定される一般構造用圧延鋼材のうち、降
伏強さ245MPa以上、かつ引張強さ 400〜510MPaを有する
SS400 が使用されている。
JIS G 3101に規定される一般構造用圧延鋼材のうち、降
伏強さ245MPa以上、かつ引張強さ 400〜510MPaを有する
SS400 が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
SS 400鋼材より高強度の鋼材を支保工に適用すれば、鋼
材の断面積を減少させても同一荷重に耐えることができ
るため、鋼材の断面積を減少でき、支保工の小断面化、
軽量化を図れ、その結果、トンネル内の作業性の向上が
期待できることに着目した。しかし、一般に、鋼材の強
度が増加するにしたがい、延性が低下するとともに、冷
間加工による延性低下が著しくなる。低強度のSS 400鋼
では、母材延性が高いため、冷間加工による延性低下が
大きくても、冷間加工後に良好な延性を維持できる。し
かし、高強度鋼では、もともとの延性が低く、かつ冷間
加工による延性低下度が大きいため、冷間加工による延
性低下量を極力小さくしなければ、冷間加工後に良好な
延性を確保できない。
SS 400鋼材より高強度の鋼材を支保工に適用すれば、鋼
材の断面積を減少させても同一荷重に耐えることができ
るため、鋼材の断面積を減少でき、支保工の小断面化、
軽量化を図れ、その結果、トンネル内の作業性の向上が
期待できることに着目した。しかし、一般に、鋼材の強
度が増加するにしたがい、延性が低下するとともに、冷
間加工による延性低下が著しくなる。低強度のSS 400鋼
では、母材延性が高いため、冷間加工による延性低下が
大きくても、冷間加工後に良好な延性を維持できる。し
かし、高強度鋼では、もともとの延性が低く、かつ冷間
加工による延性低下度が大きいため、冷間加工による延
性低下量を極力小さくしなければ、冷間加工後に良好な
延性を確保できない。
【0005】冷間加工による延性低下を抑制するため
に、例えば、特開平6-136482号公報、特開平7-224351号
公報には、降伏強度:24.5〜41.5kgf/mm2 、かつ引張強
さ:34.6〜55.1kgf/mm2 の低強度鋼にTiを添加して、Ti
N を形成させ冷間加工後の延性を高める方法が提案され
ている。しかしながら、TiN の微細分散による延性向上
効果に不明な点があり、この方法を、単に高強度鋼材に
適用するだけでは、冷間曲げ加工による延性低下を抑制
し、冷間加工後の延性に優れた降伏強さ440MPa以上、か
つ引張強さ590MPa以上の高強度鋼材を得ることが容易に
はできなかった。
に、例えば、特開平6-136482号公報、特開平7-224351号
公報には、降伏強度:24.5〜41.5kgf/mm2 、かつ引張強
さ:34.6〜55.1kgf/mm2 の低強度鋼にTiを添加して、Ti
N を形成させ冷間加工後の延性を高める方法が提案され
ている。しかしながら、TiN の微細分散による延性向上
効果に不明な点があり、この方法を、単に高強度鋼材に
適用するだけでは、冷間曲げ加工による延性低下を抑制
し、冷間加工後の延性に優れた降伏強さ440MPa以上、か
つ引張強さ590MPa以上の高強度鋼材を得ることが容易に
はできなかった。
【0006】本発明は、上記した問題点を有利に解決
し、冷間加工後延性に優れた降伏強さ440MPa以上、かつ
引張強さ590MPa以上を有する支保工用高強度形鋼および
支保工を提供することを目的とする。
し、冷間加工後延性に優れた降伏強さ440MPa以上、かつ
引張強さ590MPa以上を有する支保工用高強度形鋼および
支保工を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高強度形
鋼の冷間加工による延性低下を防止するため、高強度鋼
の化学成分と冷間加工前後の延性の関係について調査し
た。その結果、冷間加工による延性低下は、Ti、Nb、
V、N量に依存し、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が小さいほど、冷間加工後に良好な
延性が得られることを見いだした。
鋼の冷間加工による延性低下を防止するため、高強度鋼
の化学成分と冷間加工前後の延性の関係について調査し
た。その結果、冷間加工による延性低下は、Ti、Nb、
V、N量に依存し、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が小さいほど、冷間加工後に良好な
延性が得られることを見いだした。
【0008】本発明は、上記した知見をもとに構成され
た。すなわち、本発明は、重量%で、C:0.10〜0.20
%、Si:0.01〜0.65%、Mn:0.90〜1.60%、P:0.035
%以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.050 %、
N:0.0150%以下を含み、さらに、Ti:0.003 〜0.030
%、Nb:0.005 〜0.060%、V:0.005 〜0.100 %のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が0.0030%以下、および次(2)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) で定義されるCeq が0.30〜0.47%であることを特徴とす
る冷間加工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引
張強さ590MPa以上を有する支保工用形鋼であり、また、
本発明では、上記した組成に加えて、さらにCu:0.30%
以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.30%以下、Mo:0.20%以
下、B:0.0020%以下のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有してもよく、またさらに、Ca:0.0050%以
下、REM :0.010 %以下のうちから選ばれた1種または
2種を含有してもよく、また、これら合金元素群を複合
して添加してもよい。
た。すなわち、本発明は、重量%で、C:0.10〜0.20
%、Si:0.01〜0.65%、Mn:0.90〜1.60%、P:0.035
%以下、S:0.015 %以下、Al:0.005 〜0.050 %、
N:0.0150%以下を含み、さらに、Ti:0.003 〜0.030
%、Nb:0.005 〜0.060%、V:0.005 〜0.100 %のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)が0.0030%以下、および次(2)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) で定義されるCeq が0.30〜0.47%であることを特徴とす
る冷間加工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引
張強さ590MPa以上を有する支保工用形鋼であり、また、
本発明では、上記した組成に加えて、さらにCu:0.30%
以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.30%以下、Mo:0.20%以
下、B:0.0020%以下のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有してもよく、またさらに、Ca:0.0050%以
下、REM :0.010 %以下のうちから選ばれた1種または
2種を含有してもよく、また、これら合金元素群を複合
して添加してもよい。
【0009】また、本発明は、上記した組成のうちのい
ずれかの組成を有する形鋼からなることを特徴とする支
保工である。
ずれかの組成を有する形鋼からなることを特徴とする支
保工である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の支保工用形鋼は、H形
鋼、I形鋼等を含む。また、本発明における支保工は上
記した形鋼から冷間加工により、所定の形状に加工され
たものである。まず、本発明の支保工用形鋼、支保工の
成分限定理由について説明する。
鋼、I形鋼等を含む。また、本発明における支保工は上
記した形鋼から冷間加工により、所定の形状に加工され
たものである。まず、本発明の支保工用形鋼、支保工の
成分限定理由について説明する。
【0011】C:0.10〜0.20% Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、所定の強度を
確保するためには0.10%以上の含有が必要であるが、0.
20%を超える含有は延性が低下するとともに、溶接性が
劣化する。このため、Cは0.10〜0.20%の範囲とした。
なお、好ましい範囲は、0.13〜0.17%である。
確保するためには0.10%以上の含有が必要であるが、0.
20%を超える含有は延性が低下するとともに、溶接性が
劣化する。このため、Cは0.10〜0.20%の範囲とした。
なお、好ましい範囲は、0.13〜0.17%である。
【0012】Si:0.01〜0.65% Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼の強度を増加
させる元素であり、この効果を得るためには、0.01%以
上の添加を必要とするが、0.65%を超えて添加すると、
延性が低下する。このため、Siは、0.01〜0.65%の範囲
とした。 Mn:0.90〜1.60% Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、所定の強度を
確保するためには0.90%以上の添加を必要とする。しか
し、1.60%を超える添加は溶接性を劣化させる。このた
め、Mnは0.90〜1.60%の範囲とした。
させる元素であり、この効果を得るためには、0.01%以
上の添加を必要とするが、0.65%を超えて添加すると、
延性が低下する。このため、Siは、0.01〜0.65%の範囲
とした。 Mn:0.90〜1.60% Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、所定の強度を
確保するためには0.90%以上の添加を必要とする。しか
し、1.60%を超える添加は溶接性を劣化させる。このた
め、Mnは0.90〜1.60%の範囲とした。
【0013】P:0.035 %以下 Pは、粒界等に偏析し鋼の延性、靱性を低下させる元素
であり、できるだけ低減する。しかし、0.035 %までは
許容できる。このことからPは0.035 %以下とした。 S:0.015 %以下 Sは、鋼中ではほとんどが介在物となり、鋼の延性を阻
害するため、0.015 %以下とする。なお、より良好な延
性を確保するためには0.005 %以下とするのが望まし
い。
であり、できるだけ低減する。しかし、0.035 %までは
許容できる。このことからPは0.035 %以下とした。 S:0.015 %以下 Sは、鋼中ではほとんどが介在物となり、鋼の延性を阻
害するため、0.015 %以下とする。なお、より良好な延
性を確保するためには0.005 %以下とするのが望まし
い。
【0014】Al:0.001 〜0.050 % Alは、脱酸剤として有効な元素で、0.001 %以上は必要
であるが、0.050 %を超えて添加しても脱酸効果は飽和
する。むしろ、0.050 %を超えて添加すると延性が低下
する。このため、Alは0.001 〜0.050 %の範囲に限定し
た。 Ti:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜0.060 %、V:0.
005 〜0.100 %のうちから選ばれた1種または2種以上 Ti、Nb、VはいずれもNとの親和力が強く、窒化物を形
成し、固溶Nを減少させ、かつ強度を増加させるのに効
果的である。本発明では、固溶N量の低減と、降伏強さ
440MPa以上、かつ引張強さ590MPa以上を確保するため
に、Ti、Nb、Vのうちのいずれか1種または2種以上を
含有させる。なかでも、TiはNとの親和力が強く、Nを
固定するために有効である。
であるが、0.050 %を超えて添加しても脱酸効果は飽和
する。むしろ、0.050 %を超えて添加すると延性が低下
する。このため、Alは0.001 〜0.050 %の範囲に限定し
た。 Ti:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜0.060 %、V:0.
005 〜0.100 %のうちから選ばれた1種または2種以上 Ti、Nb、VはいずれもNとの親和力が強く、窒化物を形
成し、固溶Nを減少させ、かつ強度を増加させるのに効
果的である。本発明では、固溶N量の低減と、降伏強さ
440MPa以上、かつ引張強さ590MPa以上を確保するため
に、Ti、Nb、Vのうちのいずれか1種または2種以上を
含有させる。なかでも、TiはNとの親和力が強く、Nを
固定するために有効である。
【0015】熱間圧延による形鋼の製造において、炭窒
化物を析出させ所望の強度を得るためには、Tiは0.003
%以上、Nbは0.003 %以上、Vは0.003 %以上の添加が
必要である。しかし、Tiは0.030 %、Nbは0.060 %、V
は0.100 %を超えて添加すると延性が劣化する。このた
め、Tiは0.003 〜0.030 %、Nbは0.005 〜0.060 %、V
は0.005 〜0.100 %の範囲とした。
化物を析出させ所望の強度を得るためには、Tiは0.003
%以上、Nbは0.003 %以上、Vは0.003 %以上の添加が
必要である。しかし、Tiは0.030 %、Nbは0.060 %、V
は0.100 %を超えて添加すると延性が劣化する。このた
め、Tiは0.003 〜0.030 %、Nbは0.005 〜0.060 %、V
は0.005 〜0.100 %の範囲とした。
【0016】N:0.0150%以下 Nは、窒化物形成元素と結合する以外は、固溶Nとな
る。固溶Nは、冷間曲げ加工後に歪時効をおこし、延性
を著しく劣化させる。固溶Nの低減には、N量を低減す
るのが望ましい。また、Ti、Nb、Vを添加することによ
り固溶N量の低減が可能であるが、N量が0.0150%を超
えると溶接性、延性、靱性等の低下が顕著となるため、
Nの上限は0.0150%に限定した。なお、望ましくは0.00
50%以下である。
る。固溶Nは、冷間曲げ加工後に歪時効をおこし、延性
を著しく劣化させる。固溶Nの低減には、N量を低減す
るのが望ましい。また、Ti、Nb、Vを添加することによ
り固溶N量の低減が可能であるが、N量が0.0150%を超
えると溶接性、延性、靱性等の低下が顕著となるため、
Nの上限は0.0150%に限定した。なお、望ましくは0.00
50%以下である。
【0017】(N):0.0030%以下 固溶N量は、窒化物を形成するTi、Nb、Vを添加するこ
とにより低減できる。添加したTi、Nb、Vの全量が窒化
物を形成するわけではないので、窒化物形成のために必
要なTi、Nb、V量は化学量論的に決定される量よりも過
剰に添加する必要がある。また、Ti、Nb、Vは、それぞ
れ窒化物の形成能力が異なるため、それぞれ、必要添加
量が異なる。
とにより低減できる。添加したTi、Nb、Vの全量が窒化
物を形成するわけではないので、窒化物形成のために必
要なTi、Nb、V量は化学量論的に決定される量よりも過
剰に添加する必要がある。また、Ti、Nb、Vは、それぞ
れ窒化物の形成能力が異なるため、それぞれ、必要添加
量が異なる。
【0018】熱間圧延により製造された高強度形鋼にお
ける冷間加工による延性低下は、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4 V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)に依存する。なお、(1)における
NはN含有量(total N量)(重量%)、TiはTi含有量
(重量%)であり、VはV含有量(重量%)、NbはNb含
有量(重量%)である。また、(1)式に記載された元
素のうち、鋼中に含まれない元素がある場合には、
(1)式中の当該元素量を零として(1)式を計算する
とものとする。
ける冷間加工による延性低下は、次(1)式 (N)=N−(10Ti/48 +4 V/51 +3Nb/93) ……(1) で定義される(N)に依存する。なお、(1)における
NはN含有量(total N量)(重量%)、TiはTi含有量
(重量%)であり、VはV含有量(重量%)、NbはNb含
有量(重量%)である。また、(1)式に記載された元
素のうち、鋼中に含まれない元素がある場合には、
(1)式中の当該元素量を零として(1)式を計算する
とものとする。
【0019】本発明では、(1)式で定義される(N)
を0.0030%以下とするように成分を調整する。(N)が
0.0030%を超えると、冷間加工後の延性が低下する。
(N)を0.0030%以下とすることにより、冷間加工後で
も17%以上の伸び(JIS 1A引張試験片)を得ることがで
きる。なお、好ましくは、(N)は0.0010%以下で、こ
の場合、冷間加工後に19%以上の伸びが得られる。
を0.0030%以下とするように成分を調整する。(N)が
0.0030%を超えると、冷間加工後の延性が低下する。
(N)を0.0030%以下とすることにより、冷間加工後で
も17%以上の伸び(JIS 1A引張試験片)を得ることがで
きる。なお、好ましくは、(N)は0.0010%以下で、こ
の場合、冷間加工後に19%以上の伸びが得られる。
【0020】(N)と冷間加工前後の延性の関係につい
て説明する。N、Ti、V、Nb含有量を変化させた、表1
に基本成分を示す低強度鋼(X)と高強度鋼(Y)につ
いて、熱間圧延によりH形鋼を製造し、熱間圧延のまま
と圧延後冷間加工を施し各H形鋼の延性について調査し
た。なお、冷間加工における加工率は2%とした。ま
た、冷間加工後の引張試験は、室温で1ヶ月以上経過さ
せた後行った。冷間加工前後の延性を(N)で整理し、
図1に示す。
て説明する。N、Ti、V、Nb含有量を変化させた、表1
に基本成分を示す低強度鋼(X)と高強度鋼(Y)につ
いて、熱間圧延によりH形鋼を製造し、熱間圧延のまま
と圧延後冷間加工を施し各H形鋼の延性について調査し
た。なお、冷間加工における加工率は2%とした。ま
た、冷間加工後の引張試験は、室温で1ヶ月以上経過さ
せた後行った。冷間加工前後の延性を(N)で整理し、
図1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】降伏強さ245MPa以上、かつ引張強さ400 〜
510MPaを有する低強度鋼Xについても従来知見どおり
(N)の増加により冷間加工後の延性は低下している。
しかし、特に、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ590M
Pa以上の高強度鋼Yでは、冷間加工後の延性は(N)の
影響が顕著であり、冷間圧延後に良好な延性を確保する
ためには、(N)を小さくする必要がある。高強度鋼Y
では、(N)が0.0030%以下とすることにより、冷間加
工後の伸びを17%以上、(N)を0.0010%以下とするこ
とにより、冷間加工後の伸びを19%以上とすることがで
きる。
510MPaを有する低強度鋼Xについても従来知見どおり
(N)の増加により冷間加工後の延性は低下している。
しかし、特に、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ590M
Pa以上の高強度鋼Yでは、冷間加工後の延性は(N)の
影響が顕著であり、冷間圧延後に良好な延性を確保する
ためには、(N)を小さくする必要がある。高強度鋼Y
では、(N)が0.0030%以下とすることにより、冷間加
工後の伸びを17%以上、(N)を0.0010%以下とするこ
とにより、冷間加工後の伸びを19%以上とすることがで
きる。
【0023】Cu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.
30%以下、Mo:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちか
ら選ばれた1種または2種以上 Cu、Ni、Cr、Mo、Bはいずれも焼入れ性を増加し、鋼の
強度を増加させる元素であり、強度確保のために、必要
に応じ添加できる。しかし、Cu:0.30%、Ni:0.30%、
Cr:0.30%、Mo:0.20%、B:0.0020%を超える添加は
溶接性を劣化させるため、それぞれ上限とした。
30%以下、Mo:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちか
ら選ばれた1種または2種以上 Cu、Ni、Cr、Mo、Bはいずれも焼入れ性を増加し、鋼の
強度を増加させる元素であり、強度確保のために、必要
に応じ添加できる。しかし、Cu:0.30%、Ni:0.30%、
Cr:0.30%、Mo:0.20%、B:0.0020%を超える添加は
溶接性を劣化させるため、それぞれ上限とした。
【0024】Ca:0.0050%以下、REM :0.010 %以下の
うちから選ばれた1種または2種 Ca、REM はいずれもO、Sとの親和力が強く硫化物、酸
化物あるいはそれらの複合介在物となり、球状の硫化
物、酸化物系介在物を形成し、介在物の形状制御を行う
作用を有している。この作用により鋼の延性向上に寄与
する。しかし、Caは0.0050%、REM は0.010 %を超える
添加は、介在物量が多くなり延性を劣化させるため、そ
れぞれを上限とした。
うちから選ばれた1種または2種 Ca、REM はいずれもO、Sとの親和力が強く硫化物、酸
化物あるいはそれらの複合介在物となり、球状の硫化
物、酸化物系介在物を形成し、介在物の形状制御を行う
作用を有している。この作用により鋼の延性向上に寄与
する。しかし、Caは0.0050%、REM は0.010 %を超える
添加は、介在物量が多くなり延性を劣化させるため、そ
れぞれを上限とした。
【0025】Ceq (%):0.30〜0.47% 次(2)式 Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) で定義されるCeq を0.30〜0.47%に制限する。なお、
(2)式におけるCはC含有量(重量%)を、SiはSi含
有量(重量%)を、MnはMn含有量(重量%)を、CrはCr
含有量(重量%)を、MoはMo含有量(重量%)を、Niは
Ni含有量(重量%)を、VはV含有量(重量%)を、そ
れぞれ表す。なお鋼中に含有されない元素については、
(2)式中の該当する元素量を零として(2)式を計算
するものとする。
(2)式におけるCはC含有量(重量%)を、SiはSi含
有量(重量%)を、MnはMn含有量(重量%)を、CrはCr
含有量(重量%)を、MoはMo含有量(重量%)を、Niは
Ni含有量(重量%)を、VはV含有量(重量%)を、そ
れぞれ表す。なお鋼中に含有されない元素については、
(2)式中の該当する元素量を零として(2)式を計算
するものとする。
【0026】支保工では、仮付溶接、あるいは溶接接合
により各部材を固定する場合がある。しかもトンネル内
という作業環境が悪いところでの溶接となる。溶接割れ
の発生は構造物の安全性を劣化させるため、割れ発生は
防止しなければならない。このため、Ceq を0.47%以下
とする。Ceq が0.47を超えると溶接割れが発生する危険
が増大するため、上限とした。一方、降伏強さ440MPa以
上、かつ引張強さで590MPa以上の高強度を得るために
は、Ceq が0.30%以上必要である。このため、Ceq を0.
30〜0.47%の範囲に限定した。
により各部材を固定する場合がある。しかもトンネル内
という作業環境が悪いところでの溶接となる。溶接割れ
の発生は構造物の安全性を劣化させるため、割れ発生は
防止しなければならない。このため、Ceq を0.47%以下
とする。Ceq が0.47を超えると溶接割れが発生する危険
が増大するため、上限とした。一方、降伏強さ440MPa以
上、かつ引張強さで590MPa以上の高強度を得るために
は、Ceq が0.30%以上必要である。このため、Ceq を0.
30〜0.47%の範囲に限定した。
【0027】その他、本発明の支保工用形鋼は残部Feお
よび不可避的不純物からなる。 降伏強さ(YS):440MPa以上、かつ引張強さ(T
S):590MPa以上 強度の高い鋼材を支保工に適用することにより、支保工
用形鋼の断面を減少することができる。支保工用一般H
形鋼として、H-250、H-200、H-175、H-150、H-12
5、H-100の各断面サイズがあり、従来のYS:245MPa
(TS:400MPa)級H形鋼の断面サイズを1ランク以上
減少するには、少なくともYS:440MPa(TS:590MP
a)級以上の高強度鋼が必要となる。すなわち、従来の
YS:245MPa級(TS≧400MPa)H形鋼より1ランク以
上小さい断面のH形鋼で同等の曲げモーメントに耐える
には、少なくともYSで440MPa級(TS≧590MPa)以上
の高強度鋼のH形鋼とする必要がある。このようなこと
から、支保工用形鋼の降伏強さを440MPa以上、かつ引張
強さを590MPa以上に限定した。
よび不可避的不純物からなる。 降伏強さ(YS):440MPa以上、かつ引張強さ(T
S):590MPa以上 強度の高い鋼材を支保工に適用することにより、支保工
用形鋼の断面を減少することができる。支保工用一般H
形鋼として、H-250、H-200、H-175、H-150、H-12
5、H-100の各断面サイズがあり、従来のYS:245MPa
(TS:400MPa)級H形鋼の断面サイズを1ランク以上
減少するには、少なくともYS:440MPa(TS:590MP
a)級以上の高強度鋼が必要となる。すなわち、従来の
YS:245MPa級(TS≧400MPa)H形鋼より1ランク以
上小さい断面のH形鋼で同等の曲げモーメントに耐える
には、少なくともYSで440MPa級(TS≧590MPa)以上
の高強度鋼のH形鋼とする必要がある。このようなこと
から、支保工用形鋼の降伏強さを440MPa以上、かつ引張
強さを590MPa以上に限定した。
【0028】本発明の支保工用形鋼の保有する特性は、
次のとおりである。本発明の支保工用形鋼は、従来のSS
400より強度が高い、降伏強さが440MPa以上、かつ引張
強さが590MPa以上で、冷間加工後の延性として、0.5 〜
4.0 %の冷間加工を施したのちの値で、17%以上の伸び
を有するという冷間加工後延性の優れた形鋼である。し
たがって、上記した形鋼を用いた支保工は、440MPa以上
の降伏強さと590MPa以上の引張強さと17%以上の伸びを
有することになり、支保工としても高延性・高強度の支
保工となる。
次のとおりである。本発明の支保工用形鋼は、従来のSS
400より強度が高い、降伏強さが440MPa以上、かつ引張
強さが590MPa以上で、冷間加工後の延性として、0.5 〜
4.0 %の冷間加工を施したのちの値で、17%以上の伸び
を有するという冷間加工後延性の優れた形鋼である。し
たがって、上記した形鋼を用いた支保工は、440MPa以上
の降伏強さと590MPa以上の引張強さと17%以上の伸びを
有することになり、支保工としても高延性・高強度の支
保工となる。
【0029】これにより、従来の支保工にくらべ、高強
度の支保工用形鋼を使用でき、形鋼断面の減少が可能と
なる。例えば、従来のSS 400鋼材では、H 200×200 サ
イズのH形鋼で支保工を作製していたが、本発明の高強
度形鋼を使用すればH 150×150 サイズまでの2ランク
の縮小(ダウンサイズ)ができる。
度の支保工用形鋼を使用でき、形鋼断面の減少が可能と
なる。例えば、従来のSS 400鋼材では、H 200×200 サ
イズのH形鋼で支保工を作製していたが、本発明の高強
度形鋼を使用すればH 150×150 サイズまでの2ランク
の縮小(ダウンサイズ)ができる。
【0030】
(実施例1)表2に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームから表3に示す熱間圧延条件で、表3に示
すサイズのH形鋼を製造した。これらH形鋼のフランジ
T/4部の機械的性質(降伏強さ、引張強さ、伸び)を
調査し、表3に示す。さらに、各H形鋼に2 〜2.8 %の
冷間曲げ加工を施したのち、機械的性質を同様に調査
し、表3に併記した。また、支保工とつなぎ板とをT字
継手溶接し、割れの有無を調べた。
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームから表3に示す熱間圧延条件で、表3に示
すサイズのH形鋼を製造した。これらH形鋼のフランジ
T/4部の機械的性質(降伏強さ、引張強さ、伸び)を
調査し、表3に示す。さらに、各H形鋼に2 〜2.8 %の
冷間曲げ加工を施したのち、機械的性質を同様に調査
し、表3に併記した。また、支保工とつなぎ板とをT字
継手溶接し、割れの有無を調べた。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】本発明例はいずれも、440MPa以上の降伏強
さ、590MPa以上の引張強さを有し、かつ冷間加工による
歪時効は小さく、冷間曲げ加工後で17%以上の伸びを有
している。これに対し、本発明から外れる比較例は、い
ずれも冷間加工後の延性が低下し、17%以上の伸びが得
られなかったり、強度が不足したり、溶接割れが発生し
たりしている。
さ、590MPa以上の引張強さを有し、かつ冷間加工による
歪時効は小さく、冷間曲げ加工後で17%以上の伸びを有
している。これに対し、本発明から外れる比較例は、い
ずれも冷間加工後の延性が低下し、17%以上の伸びが得
られなかったり、強度が不足したり、溶接割れが発生し
たりしている。
【0034】例えば、No.11 、No.12 、No.13 、No.14
の比較例は、(N)が0.0030%を超えて本発明範囲を外
れており、歪時効が大きく冷間加工後の延性が低下して
いる。No.15 の比較例は、C、Mn量が本発明から外れて
いるため、所定の高強度が得られない。No.16 の比較例
は、C量、Ceqが本発明から外れているため、溶接割れ
が発生している。 (実施例2)表4に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームを1280℃に加熱し、圧延終了温度 850℃の
熱間圧延を施し、H 150×150 のH形鋼とした。このH
形鋼に曲げ半径2M〜 6.9M(曲げ加工率 3.2〜 1.1
%)の冷間曲げ加工を施し、鋼製支保工とした。この鋼
製支保工の機械的性質を表5に示す。
の比較例は、(N)が0.0030%を超えて本発明範囲を外
れており、歪時効が大きく冷間加工後の延性が低下して
いる。No.15 の比較例は、C、Mn量が本発明から外れて
いるため、所定の高強度が得られない。No.16 の比較例
は、C量、Ceqが本発明から外れているため、溶接割れ
が発生している。 (実施例2)表4に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、
連続鋳造法により 270×340mm 断面のブルームとした。
このブルームを1280℃に加熱し、圧延終了温度 850℃の
熱間圧延を施し、H 150×150 のH形鋼とした。このH
形鋼に曲げ半径2M〜 6.9M(曲げ加工率 3.2〜 1.1
%)の冷間曲げ加工を施し、鋼製支保工とした。この鋼
製支保工の機械的性質を表5に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】表5から本発明の支保工(No.2-1〜No.2-
6)は、強度も高く、19%以上の伸びを示すすぐれた高
強度の鋼製支保工であるといえる。これに対し、(N)
の高い比較例の支保工(No.2-7〜No.2-9)は、高強度は
得られているものの、伸びが低く延性低下が著しく、と
くに曲げ加工率3.2 %の支保工No.2-9の伸びは9.5 %と
低い。
6)は、強度も高く、19%以上の伸びを示すすぐれた高
強度の鋼製支保工であるといえる。これに対し、(N)
の高い比較例の支保工(No.2-7〜No.2-9)は、高強度は
得られているものの、伸びが低く延性低下が著しく、と
くに曲げ加工率3.2 %の支保工No.2-9の伸びは9.5 %と
低い。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、冷間加工後の延性に優
れた支保工用高強度形鋼が工業的に容易に製造できる。
このような高強度形鋼は、支保工用形鋼の小断面化、軽
量化が図れ、トンネル工事の作業性向上に貢献でき、産
業上格段の効果を奏する。
れた支保工用高強度形鋼が工業的に容易に製造できる。
このような高強度形鋼は、支保工用形鋼の小断面化、軽
量化が図れ、トンネル工事の作業性向上に貢献でき、産
業上格段の効果を奏する。
【図1】冷間加工前後の伸びにおよぼす(N)の影響を
示すグラフである。
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 晴幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 牧 義明 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 斎藤 晋三 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 内田 清 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 長谷川 博行 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.10〜0.20%、 Si:0.01〜0.65%、 Mn:0.90〜1.60%、 P:0.035 %以下、 S:0.015 %以下、 Al:0.005 〜0.050 % N:0.0150%以下 を含み、さらに、 Ti:0.003 〜0.030 %、Nb:0.005 〜0.060 %、V:0.
005 〜0.100 %のうちから選ばれた1種または2種以上
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ
下記(1)式で定義される(N)が0.0030%以下、およ
び下記(2)式で定義されるCeq が0.30〜0.47%である
ことを特徴とする冷間加工後延性に優れ、降伏強さ440M
Pa以上、かつ引張強さ590MPa以上を有する支保工用形
鋼。 記 (N)=N−(10Ti/48 +4V/51 +3Nb/93) ……(1) ここに、N、Ti、V、Nb:各元素の含有量(重量%) Ceq =C+Si/24 +Mn/6+Cr/5+Mo/4+Ni/40 +V/14 ……(2) ここに、C、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、V:各元素の含有量
(重量%) - 【請求項2】 請求項1に記載の組成に加えてさらに、
重量%で、 Cu:0.30%以下、Ni:0.30%以下、Cr:0.30%以下、M
o:0.20%以下、B:0.0020%以下のうちから選ばれた
1種または2種以上を含有することを特徴とする冷間加
工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ59
0MPa以上を有する支保工用形鋼。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の組成に加えて
さらに、重量%で、 Ca:0.0050%以下、REM :0.010 %以下のうちから選ば
れた1種または2種を含有することを特徴とする冷間加
工後延性に優れ、降伏強さ440MPa以上、かつ引張強さ59
0MPa以上を有する支保工用形鋼。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の形
鋼からなることを特徴とする支保工。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26035597A JP3425517B2 (ja) | 1996-09-30 | 1997-09-25 | 冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-259320 | 1996-09-30 | ||
JP25932196 | 1996-09-30 | ||
JP25932096 | 1996-09-30 | ||
JP8-259321 | 1996-09-30 | ||
JP26035597A JP3425517B2 (ja) | 1996-09-30 | 1997-09-25 | 冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152751A true JPH10152751A (ja) | 1998-06-09 |
JP3425517B2 JP3425517B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=27334803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26035597A Expired - Fee Related JP3425517B2 (ja) | 1996-09-30 | 1997-09-25 | 冷間加工後延性の優れた支保工用高強度形鋼および支保工 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3425517B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10176240A (ja) * | 1996-12-13 | 1998-06-30 | Nippon Steel Corp | トンネル支保工用h形鋼およびその製造方法 |
KR100904581B1 (ko) | 2006-03-31 | 2009-06-25 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내진성이 우수한 프레스 벤딩 냉간성형 원형 강관의제조방법 |
CN103243269A (zh) * | 2012-12-30 | 2013-08-14 | 南阳汉冶特钢有限公司 | 一种新型低成本耐磨高强钢q420a/b钢板及其生产方法 |
CN103361551A (zh) * | 2012-03-30 | 2013-10-23 | 鞍钢股份有限公司 | 一种基于v-n微合金化高强韧船板及其制造方法 |
CN103882295A (zh) * | 2012-12-21 | 2014-06-25 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低温高韧性v-n合金化船板钢及其制造方法 |
KR101458104B1 (ko) * | 2013-12-18 | 2014-11-04 | 주식회사 세아베스틸 | 고강도 및 고인성을 갖는 터널지보용 강의 제조방법 |
JP2016117932A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 新日鐵住金株式会社 | 圧延h形鋼及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-09-25 JP JP26035597A patent/JP3425517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10176240A (ja) * | 1996-12-13 | 1998-06-30 | Nippon Steel Corp | トンネル支保工用h形鋼およびその製造方法 |
KR100904581B1 (ko) | 2006-03-31 | 2009-06-25 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 내진성이 우수한 프레스 벤딩 냉간성형 원형 강관의제조방법 |
CN103361551A (zh) * | 2012-03-30 | 2013-10-23 | 鞍钢股份有限公司 | 一种基于v-n微合金化高强韧船板及其制造方法 |
CN103882295A (zh) * | 2012-12-21 | 2014-06-25 | 鞍钢股份有限公司 | 一种低温高韧性v-n合金化船板钢及其制造方法 |
CN103243269A (zh) * | 2012-12-30 | 2013-08-14 | 南阳汉冶特钢有限公司 | 一种新型低成本耐磨高强钢q420a/b钢板及其生产方法 |
KR101458104B1 (ko) * | 2013-12-18 | 2014-11-04 | 주식회사 세아베스틸 | 고강도 및 고인성을 갖는 터널지보용 강의 제조방법 |
JP2016117932A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 新日鐵住金株式会社 | 圧延h形鋼及びその製造方法 |
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JP3425517B2 (ja) | 2003-07-14 |
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