JPH07150291A - 疲労特性に優れた加工用高強度熱延鋼板 - Google Patents
疲労特性に優れた加工用高強度熱延鋼板Info
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- JPH07150291A JPH07150291A JP5338923A JP33892393A JPH07150291A JP H07150291 A JPH07150291 A JP H07150291A JP 5338923 A JP5338923 A JP 5338923A JP 33892393 A JP33892393 A JP 33892393A JP H07150291 A JPH07150291 A JP H07150291A
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Abstract
び伸びフランジ性に優れる、加工用高強度熱延鋼板。 【構成】 重量%で、C:0.05〜0.20、Si:0.
20〜2.0、Mn:0.60〜2.5、S:0.005以
下、P:0.1以下、Al:0.1以下を含み、残部がFe
及び不可避的不純物元素からなる鋼であって、その組織
がポリゴナルフェライト、ベーナイト及びマルテンサイ
トの3相からなり、ベーナイト体積率(VfB)が1〜1
5%、マルテンサイト体積率(VfM)が2〜30%で、
かつ、VfM/VfBの比が2〜20である疲労特性に優
れた加工用高強度熱延鋼板。
Description
−伸びバランス及び伸びフランジ性に優れる高強度熱延
鋼板に関し、特に、自動車の足まわり部材やホィールデ
ィスク等の素材として好適に用いることができる高強度
熱延鋼板に関する。
自動車の安全性向上及び燃費向上が検討されており、自
動車用鋼板の高強度薄肉化の試みが多くなされている。
これらの中でも、バネ下部材となるホィールや足まわり
部材の軽量化は、自動車の燃費向上に極めて有効な手段
であるので、ホィールや足まわり部材への高強度鋼板の
適用が検討されている。
マルテンサイト複合組織鋼板、所謂デュアル・フェイズ
鋼板(DP鋼板)が既に知られている。このDP鋼板は、
降伏比が低く、強度に比べて伸びが大きく、成形性及び
形状凍結性に優れており、また、疲労特性も良好であ
る。しかしながら、この高強度鋼板は伸びフランジ性の
面で劣っており、そのためにホィールディスク等への適
用に際して、ディスク成形時の穴拡げ部からの割れの発
生や、疲労試験時又は走行試験中における穴拡げ部から
の割れの発生の問題を有し、これらの問題は未だ解決さ
れていない。
フランジ性を向上させるために、フェライト・ベーナイ
ト・マルテンサイトの3相の組織を最適合に調整した、
所謂トライフェイズ鋼板(特開昭57−70257号、
特開昭57−145965号)がある。これらは、強度
−伸びバランス及び伸びフランジ性に優れているが、疲
労特性の要求の厳しい足まわり部材やホィールでは疲労
強度の向上が要求されている。
て、強度−伸びバランス及び伸びフランジ性に優れる高
強度熱延鋼板において、特に疲労特性に優れる加工用高
強度熱延鋼板を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために鋭意研究した結果、トライフ
ェイズ鋼板であっても、ベーナイト面積率とマルテンサ
イト面積率の分率を制御することによって、強度−伸び
バランス及び伸びフランジ性をさほど損なうことなく、
疲労強度を向上できることを見い出し、本発明に至った
ものである。
0%、Si:0.20〜2.0%、Mn:0.60〜2.5
%、S:0.005%以下、P:0.1%以下、Al:0.
1%以下、を含み、必要に応じて更に、Cu:0.1〜
2.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.05〜2.0
%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.50
%、Ti:0.01〜0.30%、Nb:0.01〜0.30
%、B:0.0005〜0.01%、Ca:0.005%以
下よりなる群から選ばれた1種或いは2種以上を含み、
残部がFe及び不可避的不純物元素からなる鋼であっ
て、その組織がポリゴナルフェライト、ベーナイト及び
マルテンサイトの3相からなり、ベーナイト体積率(Vf
B)が1〜15%、マルテンサイト体積率(VfM)が2〜
30%で、かつ、VfM/VfBの比が2以上20以下で
あることを特徴とする疲労特性に優れた加工用高強度熱
延鋼板を要旨としている。
ルフェライト、ベーナイト及びマルテンサイトの3相に
し、VfM/VfBを制御することが本質的に重要であ
る。
るが、図1に示すように強度−伸びフランジ性のバラン
スは、ベーナイト鋼板が最も良好で、次いでトライフェ
イズ鋼板、DP鋼板の順である。本発明鋼板は、ポリゴ
ナルフェライト、ベーナイト及びマルテンサイトの3相
からなるトライフェイズ鋼板であるので、従来のトライ
フェイズ鋼板とほぼ同等の強度−伸びフランジ性バラン
スを示している。
度比は、DP鋼板が最も良好で、トライフェイズ鋼板、
ベーナイト鋼板の順である。本発明鋼板は、ベーナイト
及びマルテンサイイトの面積率及びVfM/VfBを制御
することにより、DP鋼板と同等の強度−疲労強度比が
得られている。
フェイズ鋼板並みの優れた加工性を有し、かつ、DP鋼
板と同等の疲労強度を有し、すべての特性に優れてい
る。
記したようにポリゴナルフェライト、ベーナイト及びマ
ルテンサイトの3相を有するが、特にそのベーナイト面
積率(VfB)が1〜15%の範囲にあることが必要であ
る。ベーナイト面積率が15%を超えると、前記したマ
ルテンサイトを導入しても強度−疲労強度比が低下す
る。また、1%未満では、DP鋼板並みの伸びフランジ
性しか得ることができず、厳しい穴拡げ加工などに対し
ての加工性が不十分となる。特に好ましいベーナイト面
積率は1.5〜5%の範囲である。
〜30%の範囲にあることが必要である。マルテンサイ
ト面積率が30%を超えると、伸びフランジ性が低下
し、厳しい穴拡げ加工などに対しての加工性が不十分と
なる。また、2%未満では、強度−疲労強度比が低くな
る。特に好ましいマルテンサイト面積率は5〜20%の
範囲である。また、ベーナイト及びマルテンサイトの平
均粒径を10μm以下にすることで、より良好な強度−
疲労強度比及び伸びフランジ性を得ることができる。な
お、本発明において規定するマルテンサイトには、一
部、残留オーステナイトを包含するものとする。
ナイト面積率(VfB)とマルテンサイト面積率(VfM)が
所定の範囲にあることを必要条件とし、かつ、VfM/
VfBの比を2以上20以下にコントロールされること
が肝要であり、この条件を満足しなければ良好な強度−
伸びバランス及び伸びフランジ性を確保し優れた疲労特
性が併せて得られない。図3に示すように、本発明の組
成であっても、VfM/VfBの比が2未満では、σw/
TSが低く、優れた疲労特性を得ることができない。ま
た、VfM/VfBの比が20を超えると、伸びフランジ
性が低下するので望ましくない。
板の化学成分を考慮したうえで、鋼板の熱間圧延及び圧
延後の冷却条件を調整し、或いはその後の連続焼鈍或い
はバッチ焼鈍における焼鈍条件を調節することによって
得ることができる。
ーナイト及びマルテンサイト等の低温変態生成物を形成
するために必要な元素であり、このためには少なくとも
0.05%を添加する必要がある。しかし、過多に添加
すると延性の劣化が著しく溶接性も低下するので、その
上限を0.20%とする。
有するほか、置換型固溶強化元素としても有効な元素で
あり、高延性を与える働きをする。また、本発明のよう
な複合組織鋼板においては、熱延後のγ−α変態におい
てαへの変態を促進すると共にα中の固溶炭素をγ中へ
排出する作用があり、その結果、α相の清浄性を高め、
しかもγ中への炭素の濃縮によりγの安定化を図り、硬
質相の生成が容易になるため、機械的性質が向上する。
このためには、少なくとも0.20%の添加を必要とす
る。しかし、過多に添加すると溶接部の脆化を招くだけ
でなく、酸化スケールの生成により表面性状が悪化する
ので、2.0%を上限とする。
織を得るために必要な元素である。この効果を有効に発
揮させるには少なくとも0.60%を添加する必要があ
るが、過多に添加すると、延性を低下させるだけでなく
溶接性を害するので、その上限を2.5%とする。
いるが、成形性、特に、伸びフランジ性の改善のため
に、本発明においては、特に0.005%以下の範囲に
規制する。
元素であり、高延性を与える効果がある。しかし、過多
に添加すると、粒界に偏析し、脆化を招くので、0.1
%以下とする。
に添加してもその効果が飽和するだけでなく、コストア
ップを招くので、0.1%以下とする。
i、Cr、Mo、V、Ti、Nb、B及びCaの1種或いは2
種以上を適量にて含有せしめることができる。
元素であり、伸びフランジ性を損なうことなく鋼板を強
化する働きがある。また、疲労強度を向上させる効果も
ある。これらの効果を発揮するためには少なくとも0.
1%添加する必要がある。しかし、過多に添加するとそ
の効果が飽和するだけでなく、コストアップを招くの
で、2.0%を上限とする。
び靭性を向上する効果があり、この効果を発揮するには
少なくとも0.1%添加する必要がある。しかし、過多
に添加するとコストアップを招くので、2.0%を上限
とする。
組織を有利に与える元素である。この効果を発揮するた
めには少なくとも0.05%を添加する必要がある。し
かし、過多に添加しても効果が飽和し、また、コストア
ップになるので、その上限を2.0%とする。
織を有利に与える元素である。この効果を発揮するため
には少なくとも0.05%を添加する必要がある。しか
し、過多に添加しても効果が飽和し、また、コストアッ
プになるので、その上限を1.0%とする。
元素であり、強度上昇に有効であるのみならず、Mn等
と共存して低温変態生成物を得やすくする効果がある。
これらの効果を発揮するためには、それぞれV:0.0
1〜0.50%、Ti:0.01〜0.30%、Nb:0.0
1〜0.30%の範囲で添加する必要がある。
元素である。この効果を発揮するためには少なくとも
0.0005%を添加する必要がある。しかし、過多に
添加するとその効果が飽和するだけでなく、延性が低下
するので、その上限を0.01%とする。
特に伸びフランジ性を改善する効果がある。しかし、過
多に添加してもその効果が飽和するだけでなく、逆に鋼
の清浄度を低下させるので、その上限を0.01%とす
る。
板は、上記の成分のもとにおいて、組織をポリゴナルフ
ェライト・ベーナイト・マルテンサイトの複合組織に
し、かつ、ベーナイトとマルテンサイトの面積率と面積
比とを制御することにより、優れた疲労特性と加工性を
有している。
し、粗圧延した30mmの厚さのスラブを3〜4パスにて
厚さ3.5mmの熱延板とした。これらの熱延板、及び熱
延板に熱処理を施して種々の異なる組織の供試材を作製
した。
果を表2に示す。また各供試材の強度と伸びフランジ性
の関係を図1に、強度と疲労強度の関係を図2に整理し
て示す。
JIS5号引張試験片で試験し、伸びフランジ性は、鋼
板にポンチ打ち抜きで10mmφの穴をあけ、先端角60
°の円錐ポンチで試験した穴拡げ率(λ)で評価した。疲
労強度(σw)は、両振り平面曲げ疲労試験で107サイ
クル以上で破断しなかった応力とした。
2以上の高強度でσw/TSが0.5以上の優れた疲労特
性と良好な伸びフランジ性を示している。
鋼であっても、VfM/VfBが2未満の比較材No.2、
No.3及びNo.5では、σW/TSが0.5未満であっ
て優れた疲労特性が得られない。また、VfM/VfBが
20を超える比較材No.8では、穴拡げ率λが低く、良
好な伸びフランジ性を得ることができない。更に、比較
材No.18はS量が多い例であるが、このように、本発
明の条件を満たす組織になっていても、本発明範囲外の
化学成分では良好な伸びフランジ性を得ることができな
い。
優れた強度−伸びバランスと伸びフランジ性を有し、更
に疲労特性に優れる加工用高強度熱延鋼板を提供するこ
とができる。
ジ性の関係を示す図である。
関係を示す図である。
関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、 C:0.05〜0.20%、 Si:0.20〜2.0%、 Mn:0.60〜2.5%、 S:0.005%以下、 P:0.1%以下、 Al:0.1%以下、 を含み、残部がFe及び不可避的不純物元素からなる鋼
であって、その組織がポリゴナルフェライト、ベーナイ
ト及びマルテンサイトの3相からなり、ベーナイト体積
率(VfB)が1〜15%、マルテンサイト体積率(VfM)
が2〜30%で、かつ、VfM/VfBの比が2以上20
以下であることを特徴とする疲労特性に優れた加工用高
強度熱延鋼板。 - 【請求項2】 前記鋼が更に、Cu:0.1〜2.0%、
Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.05〜2.0%、Mo:
0.05〜1.0%、V:0.01〜0.50%、Ti:0.
01〜0.30%、Nb:0.01〜0.30%、B:0.
0005〜0.01%、Ca:0.005%以下よりなる
群から選ばれた1種或いは2種以上を含む請求項1に記
載の疲労特性に優れた加工用高強度熱延鋼板。
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JP33892393A JP3286050B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 疲労特性に優れた加工用高強度熱延鋼板 |
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- 1993-12-01 JP JP33892393A patent/JP3286050B2/ja not_active Expired - Fee Related
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