JPH0941074A - 低温靭性の優れた超高張力鋼 - Google Patents

低温靭性の優れた超高張力鋼

Info

Publication number
JPH0941074A
JPH0941074A JP19535995A JP19535995A JPH0941074A JP H0941074 A JPH0941074 A JP H0941074A JP 19535995 A JP19535995 A JP 19535995A JP 19535995 A JP19535995 A JP 19535995A JP H0941074 A JPH0941074 A JP H0941074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
ferrite
strength
low
toughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19535995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3258207B2 (ja
Inventor
Hiroshi Tamehiro
博 為広
Hitoshi Asahi
均 朝日
Takuya Hara
卓也 原
Yoshio Terada
好男 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP19535995A priority Critical patent/JP3258207B2/ja
Publication of JPH0941074A publication Critical patent/JPH0941074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3258207B2 publication Critical patent/JP3258207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 HAZ靭性、現地溶接性の優れた引張強さ9
50MPa 以上(API規格X100超)の超高張力鋼を
提供する。 【解決手段】 低炭素−高Mn−Nb−V−Mo−微量
Ti系で、そのミクロ組織がマルテンサイト・ベイナイ
トと分率にして20〜90%のフェライトの2相混合組
織からなり、かつフェライト中50〜100%が加工フ
ェライトであって、フェライト粒径が5μm以下であ
る。 【効果】 低温靭性、現地溶接性の優れた超高張力鋼
(X100超)の製造が可能となった。その結果、パイ
プラインの安全性が著しく向上するとともに、パイプラ
インの施工能率、輸送効率の大幅な向上が可能となっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は950MPa 以上の引
張強さ(TS)を有する低温靭性・溶接性の優れた超高
張力鋼に関するもので、原油・天然ガス輸送用ラインパ
イプをはじめ、各種圧力容器、産業機械などの溶接用鋼
材として広く使用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、原油・天然ガスを長距離にわたっ
て輸送する大径パイプラインに使用されるラインパイプ
は、(1)高圧化による輸送効率の向上や(2)ライン
パイプの外径・重量の低減による現地施工能率の向上の
ため、ますます高張力(高強度)化する傾向にある。こ
れまでに米国石油協会(API)規格でX80(降伏強
さ551MPa 以上、引張強さ620MPa 以上)までのラ
インパイプが実用化されているが、さらに高強度のライ
ンパイプに対するニーズが強くなってきた。
【0003】現在、超高強度ラインパイプの製造法の研
究は、従来のX80ラインパイプの製造技術(たとえば
NKK技報 No.138 (1992), pp24-31 およびThe 7th
Offshore Mechanics and Arctic Engineering (1988),
Volume V, pp179-185)を基本に検討されているが、これ
ではせいぜい、X100(降伏強さ689MPa 以上、引
張強さ760MPa 以上)ラインパイプが製造限界と考え
られる。パイプラインの超高強度化は強度・低温靭性バ
ランスをはじめとして溶接熱影響部(HAZ)靭性、現
地溶接性、継手軟化など多くの問題を抱えており、これ
らを克服した画期的な超高張力ラインパイプ(X100
超)の早期開発が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強度と低温靭
性のバランスに優れ、かつ現地溶接性の優れた引張強さ
950MPa 以上(API規格X100超)の超高張力鋼
(厚板、ホットコイル、鋼管などに使用)を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、引張強さ
が950MPa 以上で、かつ優れた低温靭性・現地溶接性
を有する超高張力鋼を得るために鋼の化学成分(組成)
とそのミクロ組織について鋭意研究を行い、新しい超高
張力鋼を発明するに至った。
【0006】すなわち本発明の要旨は、重量%で、C
:0.05〜0.10%、 Si:0.6%以
下、Mn:1.8〜2.5%、 P :0.0
15%以下、S :0.003%以下、 M
o:0.30〜0.60%、Nb:0.01〜0.10
%、 V :0.03〜0.10%、Ti:0.0
05〜0.030%、 Al:0.06%以下、N :
0.001〜0.006%、さらに必要に応じて、選択
的に、Ni:0.1〜1.0%、 Cu:0.
1〜1.2%、Cr:0.1〜0.8%、 C
a:0.001〜0.005%の1種または2種以上、
あるいは、Ce:0.005〜0.020%、 Mg:
0.001〜0.005%、Y :0.005〜0.0
30%の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および
不可避的不純物からなるとともに、 P=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.4
5(Ni+Cu)+Mo+V−1 で定義されるP値が、1.9≦P≦2.8を満足し、さ
らに、そのミクロ組織が、マルテンサイト・ベイナイト
と分率にして20〜90%のフェライトによって形成さ
れた2相混合組織からなり、かつ、フェライト中に加工
フェライトを50〜100%含有し、フェライト平均粒
径が5μm以下であることを特徴とする低温靭性に優れ
た超高張力鋼である。また、こうして得られた鋼を、4
00℃以上Ac1 点以下の温度で焼戻し処理することに
より、降伏強さが向上する。ここで、フェライト平均粒
径は鋼材の厚み方向に測定したフェライトの平均粒界間
隔と定義する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳細
に説明する。本発明の特徴は、(1)Nb−Mo−V−
微量Tiを複合添加した低炭素・高Mn系(1.8%以
上)であること、(2)そのミクロ組織が微細なフェラ
イト(平均粒径が5μm以下で、一定量以上の加工フェ
ライトを含む)とマルテンサイト・ベイナイトの2相混
合組織からなることである。従来より、低炭素−高Mn
−Nb−Mo鋼は微細なアシキュラーフェライト組織を
有するラインパイプ用鋼としてよく知られているが、そ
の引張強さはせいぜい750MPa が上限であった。この
ような基本成分系で加工フェライトを含む微細フェライ
トとマルテンサイト・ベイナイトの硬軟2相混合微細組
織を有する超高強度ラインパイプ用鋼はまったく存在し
ない。これはフェライト主体の低炭素−Nb−Mo鋼に
おいて、950MPa 以上の引張強さを達成することは到
底不可能であり、低温靭性や現地溶接性も不十分と考え
られていたためである。
【0008】しかしながら、本発明者らは、低炭素−N
b−Mo鋼においても化学成分、ミクロ組織を厳密に制
御することにより、超高強度と優れた低温靭性が同時に
達成できることを見出した。本発明鋼の特徴は、(1)
焼戻し処理なしでも優れた超高強度、低温靭性・現地溶
接性バランスが得られること、(2)焼入れ・焼戻し処
理鋼に比較して降伏比が低く、鋼管成形性、低温靭性
(シャルピー遷移温度)に著しく優れていること、
(3)溶接熱による軟化(強度低下)が非常に少ないこ
と、などが挙げられる。なお本発明鋼では、鋼板の状態
で降伏強さが低くても、鋼管成形(加工硬化)によって
降伏強さが上昇し、目的とする降伏強さを得ることが可
能である。
【0009】まず本発明鋼のミクロ組織について説明す
る。引張強さ950MPa 以上の超高強度を達成するため
には、鋼のミクロ組織中に一定量以上のマルテンサイト
・ベイナイトを含有させることが不可欠であり、その必
要量は10〜80%である。この時残りの組織はフェラ
イトで、その量(フェライト分率)は20〜90%とな
る。フェライト分率が90%を超えて、マルテンサイト
・ベイナイト分率が小さくなりすぎて、如何にフェライ
トを強化しても目的とする引張強さは達成できない。本
発明鋼において強度、低温靭性の面から、最も望ましい
フェライト分率は60〜80%である。
【0010】しかし、本来フェライトは軟らかいもので
あり、フェライト分率が大きい場合には、従来の技術で
は目的とする強度(特に降伏強さ)・低温靭性を達成す
ることは不可能である。そこでVを0.03%以上添加
し、かつミクロ組織フェライト中の加工フェライトの分
率を50〜100%とした。一般にNがTiによりTi
Nとして固定された低炭素鋼では、V炭窒化物による析
出硬化が十分に得られないが、フェライトの強加工(圧
延)による歪によってVの析出が促進され、フェライト
を著しく強化できることがわかった。フェライトの加工
はVの析出に加え、転位強化やサブグレイン強化によっ
てフェライトの降伏強さを高めると同時に、後で述べる
ようにシャルピー遷移温度の改善にも極めて有効であ
る。
【0011】上述のようにミクロ組織の種類と量を限定
しても、優れた低温靭性を達成するには不十分である。
このためには、加工フェライトの導入によるセパレーシ
ョンを利用するとともに、フェライト平均粒径を5μm
以下に微細化する必要がある。超高張力鋼においても、
加工フェライト(集合組織)の導入により、シャルピー
衝撃試験などの破面にセパレーションが発生し、破面遷
移温度は飛躍的に低下することがわかった。なお、セパ
レーションはシャルピー衝撃試験などの破面に発生する
板面に平行な層状剥離現象で、脆性亀裂先端での3軸応
力度を低下させ、脆性亀裂伝播停止特性を改善すると考
えられている。さらにフェライト平均粒径を5μm以下
とすることによって、当然ながらフェライト以外のマル
テンサイト・ベイナイト組織も同時に微細化することが
でき、遷移温度の著しい改善や降伏強さの増加が得られ
た。
【0012】以上の研究により、従来低温靭性が低いと
考えられていたNb−Mo鋼のフェライトとマルテンサ
イト・ベイナイト2相混合組織における強度・低温靭性
バランスを大幅に向上させることに成功し、引張強さ9
50MPa 級超高張力鋼を発明するに至った。しかしなが
ら、上述のように、鋼のミクロ組織を厳密に制御しても
目的とする特性を有する鋼は得られない。このため、ミ
クロ組織と同時に化学成分を限定する必要がある。そこ
で、以下に成分元素の限定理由について説明する。
【0013】C量は0.05〜0.10%に限定する。
炭素は鋼の強度向上に極めて有効な元素であり、フェラ
イトとマルテンサイト・ベイナイト2相混合組織におい
て目的とする強度を得るためには、最低0.05%は必
要である。またこの量は、Nb,V添加による析出硬
化、結晶粒の微細化効果の発現や溶接部強度の確保のた
めの必要最小量でもある。一方、C量が多すぎると母
材、HAZの低温靭性や現地溶接性の著しい劣化を招く
ので、その上限を0.10%とした。
【0014】Siは、脱酸や強度向上のために添加する
元素であるが、添加量が多いとHAZ靭性、現地溶接性
を著しく劣化させるので、上限を0.6%とした。鋼の
脱酸はTiあるいはAlでも十分可能であり、Siは必
ずしも添加する必要はない。
【0015】Mnは、本発明鋼のミクロ組織を微細なフ
ェライトとマルテンサイト・ベイナイトの2相混合組織
とし、優れた強度・低温靭性バランスを確保する上で不
可欠な元素であり、その下限は1.8%である。一方、
Mn量が多すぎると鋼の焼入れ性が増してHAZ靭性、
現地溶接性を劣化させるだけでなく、連続鋳造鋼片(鋳
片)の中心偏析を助長し、母材の低温靭性をも劣化させ
るので、上限を2.5%とした。なお、望ましいMn量
は1.9〜2.1%である。
【0016】Moを添加する理由は、鋼の焼入れ性を向
上させ、目的とする2相混合組織を得るためである。ま
た、MoはNbと共存して制御圧延時にオーステナイト
の再結晶を強力に抑制し、オーステナイト組織の微細化
にも効果がある。このような効果を得るために、Moは
最低0.30%必要である。一方、過剰なMo添加はH
AZ靭性、現地溶接性を劣化させるので、その上限を
0.60%とした。なお、最も望ましいMo量は0.4
0〜0.50%である。
【0017】本発明鋼では、必須の元素としてNb:
0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.030
%を含有している。NbはMoと共存して制御圧延時に
オーステナイトの再結晶を抑制し、結晶粒を微細化する
だけでなく、析出硬化や焼入れ性増大にも寄与し、鋼を
強靭化する作用を有する。しかしNb添加量が多すぎる
と、HAZ靭性や現地溶接性に悪影響をもたらすので、
その上限を0.10%とした。
【0018】一方、Ti添加は微細なTiNを形成し、
スラブ再加熱時および溶接HAZのオーステナイト粒粗
大化を抑制してミクロ組織を微細化し、母材およびHA
Zの低温靭性を改善する。さらに、Al量が少ない時
(たとえば0.005%以下)、Tiは酸化物を形成
し、HAZにおいて粒内フェライト生成核として作用し
て、HAZ組織を微細化する効果も有する。このような
Ti添加効果を発現させるには、最低0.005%のT
i添加が必要である。しかしTi量が多すぎると、Ti
Nの粗大化やTiCによる析出硬化が生じ、低温靭性を
劣化させるので、その上限を0.030%に限定した。
【0019】VはNbとほぼ同様の効果を有するが、そ
の効果はNbに比較して弱いと考えられている。しか
し、超高強度鋼におけるV添加の効果は大きく、Nbと
Vの複合添加は本発明鋼の優れた特徴をさらに顕著なも
のとすることがわかった。本発明鋼では、フェライト強
化のため、最低0.03%のV添加が必須である。また
Vは、フェライトの加工(熱間圧延)によって歪誘起析
出し、フェライトを著しく強化することがわかった。V
の上限はHAZ靭性、現地溶接性の点から0.10%ま
で許容できる。
【0020】Alは通常脱酸剤として鋼に含まれる元素
である。しかし、Al量が0.06%を超えると、非金
属介在物が増加して鋼の清浄度を害するので、上限を
0.06%とした。脱酸はTiあるいはSiでも可能で
あり、必ずしもAlを添加する必要はない。
【0021】Nは、TiNを形成し、スラブ再加熱時お
よび溶接HAZのオーステナイト粒粗大化を抑制して母
材、HAZの低温靭性を向上させる。このための必要最
低量は0.001%である。一方、N量が多すぎると、
スラブ表面疵や固溶NによるHAZ靭性の劣化の原因と
なるので、その上限は0.006%に抑える必要があ
る。
【0022】さらに、本発明では、不純物元素である
P,S量をそれぞれ0.015%以下、0.003%以
下とする。この主たる理由は母材およびHAZの低温靭
性をより一層向上させるためである。P量の低減は鋳片
の中心偏析を軽減するとともに、粒界破壊を防止して低
温靭性を向上させる。またS量の低減は制御圧延で延伸
化したMnSを低減して延靭性を向上させる効果があ
る。
【0023】次に、Ni,Cu,CrおよびCaを添加
する目的について説明する。すなわち、以上に述べてき
た基本となる成分に、さらにこれらの元素を必要に応じ
て添加する主たる目的は、本発明鋼の優れた特徴を損な
うことなく、強度・低温靭性などの特性の一層の向上や
製造可能な鋼材サイズの拡大をはかるためである。した
がって、その添加量は自ら制限されるべき性質のもので
ある。
【0024】Niを添加する目的は、低炭素の本発明鋼
の強度、低温靭性や現地溶接性を劣化させずに向上させ
るためである。Ni添加は、MnやCr,Mo添加と比
較して圧延組織(特に鋳片の中心偏析帯)中に低温靭性
に有害な硬化組織を形成させることが少ないだけでな
く、微量のNiを添加すればHAZ靭性の改善にも有効
であることが判明した(HAZ靭性改善上、特に有効な
Ni添加量は0.3%以上である)。一方、添加量が多
すぎると、HAZ靭性や現地溶接性を劣化させるばかり
でなく、経済性をも損なうので、その上限を1.0%と
した。なお、Ni添加は連続鋳造時、および熱間圧延時
におけるCuクラック発生の防止にも有効である。この
場合、NiはCu量の1/3以上添加する必要がある。
【0025】Cuは、Niとほぼ同様な効果をもつとと
もに、耐食性、耐水素誘起割れ特性の向上にも効果があ
る。また、0.5%以上のCu添加は析出硬化によって
強度を大幅に増加させる。しかし過剰に添加すると、析
出硬化により母材、HAZの靭性低下や熱間圧延時にC
uクラックが生じるので、その上限を1.2%とした。
【0026】Crは母材、溶接部の強度を増加させる
が、多すぎるとHAZ靭性や現地溶接性を著しく低下さ
せる。このためCr量の上限は0.8%である。Ni,
CuおよびCr量の下限0.1%は、それぞれの元素添
加による材質上の効果が顕著になる最低量である。
【0027】CaはO,Sと結合して硫化物(MnS)
の形態を制御し、低温靭性を向上(シャルピー衝撃試験
の吸収エネルギーの増加など)させる。特に超高強度ラ
インパイプを主用途とする本発明鋼では、不安定延性破
壊の伝播防止のため、高シャルピー吸収エネルギーが要
求されるので、S量の低減とCa処理は重要である。し
かし、Ca添加量が0.001%未満では実用上効果が
なく、また0.005%を超えて添加するとCaO−C
aSが大量に生成して大型クラスター、大型介在物とな
り、鋼の清浄度を害するだけでなく、現地溶接性にも悪
影響をおよぼす。このためCa添加量の上限を0.00
5%に制限した。なお、超高強度鋼では、S,Oの含有
量をそれぞれ0.001%以下、0.003%以下に低
減し、かつESSP=(Ca)〔1−124(O)〕/
1.25(S)を0.5≦ESSP≦10.0とするこ
とが特に有効である。なおCa添加鋼において強脱酸元
素であるAlを0.01%以下に低減すると、微細分散
したCa酸化物が得られ、これはHAZのγ粒粗大化を
抑制し、低温靭性の改善に有効である。
【0028】以上の個々の添加元素の限定に加えて本発
明では、さらにP=2,7C+0.4Si+Mn+0.
8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V−1で定義
されるP値を1.9≦P≦2.8に制限する。これは、
HAZ靭性、現地溶接性を損なうことなく、目的とする
強度・低温靭性バランスを達成するためである。P値の
下限を1.9としたのは950MPa 以上の強度と優れた
低温靭性を得るためである。またP値の上限を2.8と
したのは優れたHAZ靭性、現地溶接性を維持するため
である。
【0029】次に、Ce,MgおよびYを添加する目的
について説明する。すなわち、その目的は、HAZ靭性
や現地溶接性(耐低温割れ性)などを一層改善するため
に必要に応じて添加するものであり、添加により本発明
鋼の優れた特徴をさらに顕著なものとする。
【0030】CeはCaとほぼ同様な効果を有し、O,
Sと結合して硫化物形態を制御し、低温靭性を向上(シ
ャルピー衝撃試験の吸収エネルギーの増加など)させる
他、低Al鋼(0.01%以下)にCeを添加すると、
微細分散したCe酸化物が得られ、HAZのγ粒粗大化
を抑制してHAZ靭性を改善する。しかしCe添加量が
0.005%未満では実用上効果がなく、また0.02
0%を超えて添加すると鋼の清浄度を害するだけでな
く、現地溶接性にも悪影響をおよぼす。このためCe添
加量の上限を0.020%に制限した。
【0031】Mgは強脱酸元素であり、酸素と結合して
微細な酸化物(微量のTiなどを含んだ複合酸化物)を
形成する。鋼中に微細分散したMg酸化物はTiNに比
べて高温でも安定であり、HAZ全域のγ粒粗大化を抑
制してHAZ靭性を改善する。そのために、Mgは最低
0.001%必要である。しかしMg量が多すぎると鋼
の清浄度が低下するので、その上限は0.005%であ
る。
【0032】YはほぼCe,Mgと同様な効果を有する
のに加え、溶接時に水素がY酸化物に捕獲され、溶接低
温割れを抑制する効果も有する。Yの下限は0.005
%、上限は0.030%である。なおMg,Y添加時に
微細酸化物を十分に得るためには、強脱酸元素Alの量
を極力低減し、O量を0.002〜0.010%に制御
することが有効である。
【0033】以上のような成分を有する鋼を400℃以
上Ac1 点以下の温度で焼戻し処理を行うことによっ
て、得られた鋼の特性はさらに良好なものとなる。すな
わち焼戻し処理は脱水素やマルテンサイトの分解による
降伏強さの向上に効果がある。また、焼戻し処理はミク
ロ組織分率などを変えず、本発明鋼の優れた特徴を損な
うものではないことを付記しておく。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。実験
室溶解(50kg,120mm厚鋼塊)または転炉−連続鋳
造法(240mm厚)で種々の鋼成分の鋳片を製造した。
これらの鋳片を種々の条件で厚みが13〜30mmの鋼板
に圧延し、諸機械的性質、ミクロ組織を調査した。な
お、一部の鋼板については焼戻し処理を付加した。鋼板
の機械的性質(降伏強さ:YS、引張強さ:TS、シャ
ルピー衝撃試験の−40℃での吸収エネルギー:vE
-40 と50%破面遷移温度:vTrs)は圧延と直角方
向で調査した。HAZ靭性(シャルピー衝撃試験の−2
0℃での吸収エネルギー:vE-20 )は再現熱サイクル
装置で再現したHAZで評価した(最高加熱温度:14
00℃,800〜500℃の冷却時間〔Δ
800-500 〕:25秒)。また現地溶接性はy−スリッ
ト溶接割れ試験(JIS G3158)においてHAZ
の低温割れ防止に必要な最低予熱温度で評価した(溶接
方法:ガスメタルアーク溶接、溶接棒:引張強さ100
MPa 、入熱:0.5kJ/mm、溶着金属の水素量:3cc/
100g)。
【0035】鋼の化学成分、板厚および焼戻し条件を表
1に示す。また、表2に組織および試験結果(特性)を
示す。本発明に従って製造した鋼板は優れた強度・低温
靭性バランス、HAZ靭性および現地溶接性を有する。
これに対して比較鋼は化学成分またはミクロ組織が不適
切なため、いずれかの特性が著しく劣る。
【0036】すなわち、具体的には以下の通りである。
鋼9はC量が多すぎるため、母材およびHAZのシャル
ピー吸収エネルギーが低く、かつ溶接時の予熱温度も高
い。鋼10はVが添加されていないため、母材の降伏強
さが低すぎる(UOE鋼管では成形時に加工効果によっ
て、降伏強さは増加するが、鋼10の降伏強さでは低す
ぎて目標値を満足できない)。鋼11はMn添加量が多
すぎるため、HAZの低温靭性が低く、かつ溶接時の予
熱温度も高い。鋼12はMo添加量が多すぎるため、母
材の低温靭性が低く、かつ溶接時に予熱を要する。鋼1
3は個々の元素は本発明の範囲内にあるが、P値が高す
ぎるため、母材靭性が低く、かつ溶接時の予熱温度も高
い。鋼14はNbが添加されていないため、強度不足
で、母材の低温靭性も今一歩である。鋼15はS量が多
すぎるため、母材およびHAZのシャルピー吸収エネル
ギーが低い。鋼16はフェライト分率が少なすぎるた
め、母材の降伏強さがやや低く、シャルピー遷移温度が
やや高い。鋼17は加工フェライト分率が小さすぎるた
め、強度が不十分で、かつシャルピー遷移温度がやや高
い。鋼18はフェライト粒径が大きいために、母材の低
温靭性が劣る。鋼19はフェライト分率、加工フェライ
ト分率がともに小さすぎ、フェライト粒径も大きいた
め、母材の低温靭性が低い。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明により低温靭性、現地溶接性の優
れた超高張力鋼(引張強さ950MPa以上、API規格
X100超)が安定して大量に製造できるようになっ
た。その結果、パイプラインの安全性が著しく向上する
とともに、パイプラインの輸送効率、施工能率の飛躍的
な向上が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 好男 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.05〜0.10%、 Si:0.6%以下、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.015%以下、 S :0.003%以下、 Mo:0.30〜0.60%、 Nb:0.01〜0.10%、 V :0.03〜0.10%、 Ti:0.005〜0.030%、 Al:0.06%以下、 N :0.001〜0.006% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなるとと
    もに、下記式で定義されるP値が、 P=2.7C+0.4Si+Mn+Mo+V−1:1.
    9〜2.8 を満足し、さらに、そのミクロ組織が、マルテンサイト
    ・ベイナイトと分率にして20〜90%のフェライトと
    によって形成された2相混合組織からなっており、かつ
    フェライト中に加工フェライトを50〜100%含有
    し、フェライト平均粒径が5μm以下であることを特徴
    とする低温靭性の優れた超高張力鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成分に加え、重量%で、 Ni:0.1〜1.0%、 Cu:0.1〜1.2%、 Cr:0.1〜0.8%、 Ca:0.001〜0.005% の1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなるとともに、下記式で定義されるP値
    が、 P=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.4
    5(Ni+Cu)+Mo+V−1:1.9〜2.8 を満足し、さらに、そのミクロ組織が、マルテンサイト
    ・ベイナイトと分率にして20〜90%のフェライトと
    によって形成された2相混合組織からなり、かつ、フェ
    ライト中に加工フェライトを50〜100%含有し、フ
    ェライト平均粒径が5μm以下であることを特徴とする
    低温靭性の優れた超高張力鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の成分に加えてさ
    らに、重量%で、 Ce:0.005〜0.020%、 Mg:0.001〜0.005%、 Y :0.005〜0.030% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1または2記載の低温靭性の優れた超高張力鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3のいずれかに記載
    の鋼を、400℃以上Ac1 点以下の温度で焼戻し処理
    してなることを特徴とする低温靭性の優れた超高張力
    鋼。
JP19535995A 1995-07-31 1995-07-31 低温靭性の優れた超高張力鋼 Expired - Fee Related JP3258207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19535995A JP3258207B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 低温靭性の優れた超高張力鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19535995A JP3258207B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 低温靭性の優れた超高張力鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0941074A true JPH0941074A (ja) 1997-02-10
JP3258207B2 JP3258207B2 (ja) 2002-02-18

Family

ID=16339870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19535995A Expired - Fee Related JP3258207B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 低温靭性の優れた超高張力鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3258207B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6224689B1 (en) 1997-07-28 2001-05-01 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable, essentially boron-free steels with superior toughness
US6228183B1 (en) 1997-07-28 2001-05-08 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable, boron-containing steels with superior toughness
US6248191B1 (en) 1997-07-28 2001-06-19 Exxonmobil Upstream Research Company Method for producing ultra-high strength, weldable steels with superior toughness
US6264760B1 (en) 1997-07-28 2001-07-24 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable steels with excellent ultra-low temperature toughness
EP1169485A2 (en) * 1998-12-19 2002-01-09 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength ausaged steels with excellent cryogenic temperature toughness
GB2363802A (en) * 2000-03-03 2002-01-09 Corus Uk Ltd A rare earth containing steel composition
JP2003105439A (ja) * 2001-10-01 2003-04-09 Kawasaki Steel Corp 低温用低降伏比鋼材およびその製造方法
WO2007023806A1 (ja) 2005-08-22 2007-03-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. ラインパイプ用継目無鋼管およびその製造方法
WO2017130885A1 (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 Jfeスチール株式会社 高強度・高靭性鋼管用鋼板およびその製造方法
CN107498054A (zh) * 2017-10-12 2017-12-22 东北大学 一种利用激光选区熔化技术制备增韧24CrNiMo合金钢的方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5065781B2 (ja) * 2007-07-10 2012-11-07 臼井国際産業株式会社 燃料噴射管用鋼管およびその製造方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6224689B1 (en) 1997-07-28 2001-05-01 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable, essentially boron-free steels with superior toughness
US6228183B1 (en) 1997-07-28 2001-05-08 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable, boron-containing steels with superior toughness
US6248191B1 (en) 1997-07-28 2001-06-19 Exxonmobil Upstream Research Company Method for producing ultra-high strength, weldable steels with superior toughness
US6264760B1 (en) 1997-07-28 2001-07-24 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength, weldable steels with excellent ultra-low temperature toughness
EP1169485A2 (en) * 1998-12-19 2002-01-09 Exxonmobil Upstream Research Company Ultra-high strength ausaged steels with excellent cryogenic temperature toughness
GB2363802A (en) * 2000-03-03 2002-01-09 Corus Uk Ltd A rare earth containing steel composition
JP2003105439A (ja) * 2001-10-01 2003-04-09 Kawasaki Steel Corp 低温用低降伏比鋼材およびその製造方法
WO2007023804A1 (ja) 2005-08-22 2007-03-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. ラインパイプ用継目無鋼管およびその製造方法
WO2007023806A1 (ja) 2005-08-22 2007-03-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. ラインパイプ用継目無鋼管およびその製造方法
US7896985B2 (en) 2005-08-22 2011-03-01 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Seamless steel pipe for line pipe and a process for its manufacture
US7931757B2 (en) 2005-08-22 2011-04-26 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Seamless steel pipe for line pipe and a process for its manufacture
WO2017130885A1 (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 Jfeスチール株式会社 高強度・高靭性鋼管用鋼板およびその製造方法
JPWO2017130885A1 (ja) * 2016-01-29 2018-02-01 Jfeスチール株式会社 高強度・高靭性鋼管用鋼板およびその製造方法
KR20180096784A (ko) 2016-01-29 2018-08-29 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도·고인성 강관용 강판 및 그 제조 방법
EP3409804A4 (en) * 2016-01-29 2018-12-12 JFE Steel Corporation Steel sheet for high-strength/high-toughness steel tubes, and method for producing same
RU2698036C1 (ru) * 2016-01-29 2019-08-21 ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН Толстолистовая сталь для высокопрочных и имеющих высокую ударную прочность стальных труб и способ производства толстолистовой стали
US11236405B2 (en) 2016-01-29 2022-02-01 Jfe Steel Corporation Steel plate for high-strength and high-toughness steel pipes and method for producing steel plate
CN107498054A (zh) * 2017-10-12 2017-12-22 东北大学 一种利用激光选区熔化技术制备增韧24CrNiMo合金钢的方法
CN107498054B (zh) * 2017-10-12 2019-10-01 东北大学 一种利用激光选区熔化技术制备增韧24CrNiMo合金钢的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3258207B2 (ja) 2002-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2331698C2 (ru) Стальные листы для сверхвысокопрочных магистральных труб и сверхвысокопрочные магистральные трубы, обладающие прекрасной низкотемпературной ударной вязкостью, и способы их изготовления
JP5439184B2 (ja) 低温靭性に優れた超高強度ラインパイプ用鋼板及びその製造方法
KR100222302B1 (ko) 저항복비를 가지는 저온인성이 우수한 고강도 라인파이프강재
JP6198937B2 (ja) 超高度の靭性および優れた溶接性を伴うht550鋼板ならびにその製造方法
JP4294854B2 (ja) 優れた超低温靭性を有する超高強度、溶接性鋼
KR100558429B1 (ko) 변형 성능이 우수한 고강도 강판, 고강도 강관 및 제조 방법
US4521258A (en) Method of making wrought high tension steel having superior low temperature toughness
JP2000199036A (ja) 低温靱性に優れた超高強度ラインパイプおよびその製造法
US4591396A (en) Method of producing steel having high strength and toughness
CN112575158B (zh) 一种高塑性厚规格管线钢板及其制造方法
JPH1136042A (ja) アレスト性と溶接性に優れた高張力鋼および製造方法
JP2009127069A (ja) 高靭性ラインパイプ用鋼板およびその製造方法
JP3244984B2 (ja) 低降伏比を有する低温靱性に優れた高強度ラインパイプ用鋼
JP3258207B2 (ja) 低温靭性の優れた超高張力鋼
JP3612115B2 (ja) 低温靭性に優れた超高強度鋼板の製造方法
JP4523908B2 (ja) 低温靱性に優れた引張強さ900MPa級以上の高強度ラインパイプ用鋼板およびそれを用いたラインパイプならびにそれらの製造方法
JPH10298707A (ja) 高靭性高張力鋼およびその製造方法
JP3262972B2 (ja) 低降伏比を有する低温靭性に優れた溶接性高強度鋼
JP4133175B2 (ja) 靭性に優れた非水冷型薄手低降伏比高張力鋼およびその製造方法
JP3466450B2 (ja) 高強度高靭性ベンド管およびその製造法
JP3244981B2 (ja) 低温靭性の優れた溶接性高強度鋼
JP3244986B2 (ja) 低温靭性の優れた溶接性高張力鋼
JP3244987B2 (ja) 低降伏比を有する高強度ラインパイプ用鋼
JPH10306347A (ja) 低温靭性に優れた超高強度鋼管
JPH11189840A (ja) 耐水素誘起割れ性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011030

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091207

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 12

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees