JP3425409B2 - 硬磁性材料及び発電機及びモータ - Google Patents

硬磁性材料及び発電機及びモータ

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JP3425409B2
JP3425409B2 JP2000165072A JP2000165072A JP3425409B2 JP 3425409 B2 JP3425409 B2 JP 3425409B2 JP 2000165072 A JP2000165072 A JP 2000165072A JP 2000165072 A JP2000165072 A JP 2000165072A JP 3425409 B2 JP3425409 B2 JP 3425409B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬磁気特性に優れ
た硬磁性材料及び発電機及びモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、フェライト磁石やアルニコ磁石
(Al−Ni−Co−Fe系磁石)よりも優れた性能を
有する硬磁性材料としては、Sm−Co系磁石、Nd−
Fe−B系磁石などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Nd−Fe−B系磁石
は、保磁力(iHc)、残留磁化(Ir)、最大磁気エ
ネルギー積((BH)max)が大きく、硬磁気特性に優
れた磁石であるが、温度による磁気特性の変化が大きい
ために、高温で使用する発電機やモータ等の構成材料と
しては使用できないという課題があった。また、Sm−
Co系磁石は、温度による磁気特性の変化は小さいが、
SmやCoが非常に高価であるため原料コストが高く、
また等方性磁石として使用した場合、最大磁気エネルギ
ー積((BH)max)が低くなるという課題があった。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、優れた硬磁気特性を備え、特に保
磁力(iHc)が大きい硬磁性材料を提供し、またこの
硬磁性材料を備えた発電機及びモータを提供することを
目的とする。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の硬磁性
材料は、組織中に平均結晶粒径50nm以下の微細な結
晶質相が少なくとも50体積%以上含まれ、残部が非晶
質相であり、更に組織中にソフト磁性相とハード磁性相
との混相状態が形成され、前記ソフト磁性相がbcc−
Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc−(CoF
e)相、固溶原子を含んだD20B相または残留非
晶質相のうちの少なくとも一つからなり、前記ハード磁
性相が固溶原子を含んだE17相からなり、下記組
成式で表される硬磁性合金粉末と、樹脂とが混合されて
固化成形されてなることを特徴とする。 (Co1−f100−x−y−tSm 但し、Dは、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種
または2種以上の元素であり、EはSmであり、Tは、
Fe、Niのうちのいずれか一方若しくは両方であり、
Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの1種または2種
以上の元素であり、組成比を示すf、x、y、tは、0
≦f<0.5、0原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y
≦16原子%、0.5原子%≦t≦10原子%、5原子
%≦x+y≦16原子%である。
【0012】なお、上記の組成式において、組成比y及
び組成比(x+y)の範囲をそれぞれ、8原子%≦y≦
16原子%、8原子%≦x+y≦16原子%としても良
い。
【0013】また、本発明の硬磁性材料は、組織中に平
均結晶粒径50nm以下の微細な結晶質相が少なくとも
50体積%以上含まれ、残部が非晶質相であり、更に組
織中にソフト磁性相とハード磁性相との混相状態が形成
され、前記ソフト磁性相がbcc−Fe相、bcc−
(FeCo)相、fcc−(CoFe)相、固溶原子を
含んだD20B相または残留非晶質相のうちの少な
くとも一つからなり、前記ハード磁性相が固溶原子を含
んだE17相からなり、下記組成式で表される硬磁
性合金粉末と、樹脂とが混合されて固化成形されてなる
ことを特徴とする。 (Co1−f100−x−y−t−uSm
但し、Dは、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種
または2種以上の元素であり、EはSmであり、Tは、
Fe、Niのうちのいずれか一方若しくは両方であり、
Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの1種または2種
以上の元素であり、Xは、Al、Ge、Ga、Ag、P
t、Au、Cuのうちの1種または2種以上の元素であ
り、組成比を示すf、x、y、t、uは、0≦f<0.
5、0原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y≦16原子
%、0.5原子%≦t≦10原子%、0原子%≦u≦5
原子%、5原子%≦x+y≦16原子%である。
【0014】なお、上記の組成式において、組成比y及
び組成比(x+y)の範囲をそれぞれ、8原子%≦y≦
16原子%、8原子%≦x+y≦16原子%としても良
い。
【0015】また、前記組成比を示すfが、0.2≦f
<0.5の範囲であることが好ましい。更に、前記の硬
磁性合金粉末は、Nbを必ず含むことが好ましい。
【0016】また、本発明の硬磁性材料は、先に記載の
硬磁性材料であって、前記硬磁性合金粉末が液体急冷法
により製造されたものであることを特徴とする。また、
本発明の硬磁性材料は、先に記載の硬磁性材料であっ
て、前記硬磁性合金粉末が600〜800℃で熱処理さ
れたものであることを特徴とする。
【0017】また本発明の硬磁性材料は、先に記載の硬
磁性材料であって、前記硬磁性合金粉末が、下記の組成
の急冷薄帯を0.5〜40K/分の昇温速度で熱処理し
て得られたものであり、保磁力(iHc)が1kOe以
上、最大磁気エネルギー積((BH)max)が20k
Jm−3以上のものであることを特徴とする。Co Fe Nb Sm 但し、55原子%≦a≦61原子%、 20原子%≦b≦
25原子%、0原子%≦x≦4原子%、9原子%≦y≦
12原子%、3原子%≦t≦9原子%、a+b+x+y
+t=100原子%、17原子%≦x+y+t≦25原
子%である。
【0018】また本発明の硬磁性材料は、先に記載の硬
磁性材料であって、前記硬磁性合金粉末が、600〜7
00℃で熱処理されたものであることを特徴とする。ま
た本発明の硬磁性材料は、先に記載の硬磁性材料であっ
て、1.5Tの印加磁場中及び真空中で室温における磁
化をI1.5)とし、残留磁化をIrとした場合に、前記
硬磁性合金粉末の角形比(Ir/I1.5)が0.7以上
であることを特徴とする。
【0019】また、本発明の硬磁性材料は、前記硬磁性
合金粉末に、前記樹脂に代えるか、あるいは前記樹脂に
加えて、金属材料または酸化物材料を混合して固化成形
したものであっても良い。また、本発明の硬磁性材料
は、前記硬磁性合金粉末を50体積%以上含むことが好
ましく、60体積%以上含むことがより好ましい。
【0020】また、本発明の硬磁性材料は、前記硬磁性
合金粉末と、前記樹脂または前記金属材料とが混合され
て、圧縮成形法により固化成形されたものであることを
特徴とする。また、本発明の硬磁性材料は、前記硬磁性
合金粉末と、前記樹脂または前記金属材料とが混合され
て、射出成形法により固化成形されたものであっても良
い。
【0021】次に、本発明の発電機は、先のいずれかに
記載の硬磁性材料からなる磁石と、前記磁石の磁束によ
り電圧が誘起されて電流が流れる巻線とを備えてなるこ
とを特徴とする。また、本発明のモータは、ロータとス
テータとを備えてなり、前記ロータまたは前記ステータ
のいずれか一方に、先のいずれかに記載の硬磁性材料が
備えられたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の硬磁性材料は、Coを主
成分とし、Bと、Smとを含み、かつ非晶質相と平均結
晶粒径100nm以下の微細な結晶質相とからなる硬磁
性合金粉末と、樹脂とが混合されて、固化成形されてな
るものである。
【0023】また、本発明の硬磁性材料は、Coを主成
分とし、Bと、Smと、Nb、Zr、Ta、Moのうち
の1種または2種以上の元素Mを含み、非晶質相と平均
結晶粒径100nm以下の微細な結晶質相とからなる硬
磁性合金粉末と、樹脂とが混合されて、固化成形されて
なるものであっても良い。
【0024】更に、本発明の硬磁性材料は、Coを主成
分とし、Bと、Smとを含み、更に、Nb、Zr、T
a、Moのうちの1種または2種以上の元素M、Al、
Ge、Ga、Ag、Pt、Au、Cuのうちの1種また
は2種以上の元素Xのうちの少なくとも1種以上の元素
を含み、非晶質相と平均結晶粒径100nm以下の微細
な結晶質相とからなる硬磁性合金粉末と、樹脂とが混合
されて、固化成形されてなるものであっても良い。
【0025】上記の樹脂は、硬磁気特性を有する硬磁性
合金粉末を結着して、硬磁性材料の形状を保持するもの
で、磁気特性に大きな損失とならない材料からなること
が好ましく、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリスチレン、パラフィン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、不飽和ポリエステル等が挙げられる。特に、ポリア
ミド(−6)(6−ナイロン)、ポリアミド(−12)(1
2−ナイロン)、塩化ポリエチレン、エポキシ樹脂が有
望である。
【0026】また、上記の樹脂に代えて低融点の金属材
料を用いて硬磁性合金粉末を固化成形させると、樹脂を
用いた場合よりも硬磁性材料自体の強度を高くすること
が可能となる。この金属材料は、比較的低融点で、特に
硬磁性合金粉末よりも融点が低い材料からなることが好
ましく、Zn、Al、In、Sn、Sb、Pb等が挙げ
られる。また上記の樹脂に加えて、他の金属材料または
酸化物材料を混合して固化成形しても良い。
【0027】上記の硬磁性材料を構成する硬磁性合金粉
末は、その組織の少なくとも50体積%以上が平均結晶
粒径100nm以下、好ましくは平均結晶粒径50nm
以下の微細な結晶質相を含むと共に残部が非晶質相から
なるもので、これら結晶質相及び非晶質相によりナノ複
相組織が形成されている。また、この硬磁性合金粉末
は、その組織が100nm以下の微細な結晶質相の単相
からなるものであっても良い。
【0028】微細な結晶質相には、少なくとも、bcc
−Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc−(CoF
e)相または固溶原子を含んだD20B相の少なく
とも一つからなるソフト磁性相と、固溶原子を含んだE
17相からなるハード磁性相とが析出している。ま
た、残留した非晶質相は、bcc−Fe相等と同様にソ
フト磁性相を形成する。上記Dは遷移金属のうちの1種
または2種以上を示し、具体的には、Fe、Co、Ni
のうちの1種または2種以上であり、特にFe、Coの
いずれか一方または両方であることが好ましい。また、
EはSmを示す。そして、この硬磁性合金粉末において
は、組織中に前記のソフト磁性相と前記のハード磁性相
との混相状態が形成されている。
【0029】またこの硬磁性合金粉末において、H、H
e、Li、Be、N、O、F、Ne、Na、Mg、A
l、S、Cl、Ar、K、Ca、V、Cr、Mn、C
u、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Kr、R
b、Sr、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、I
n、Sn、Sb、Te、I、Xe、Cs、Ba、Re、
Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、P
o、At、Rn等の元素を磁気特性が劣化しない程度に
加えても、本発明の効果は損なわれない。
【0030】この硬磁性合金粉末は、従来のSmCo系
磁石材料とは異なり、100nm以下の微細な結晶質相
を主体として構成されているため、粉末をより微細化し
ても結晶粒内部に歪みが発生することがなく、硬磁気特
性が劣化することがない。例えば、硬磁性合金粉末の平
均粒径を5〜100μm程度にしたとしたとしても、保
磁力(iHc)や最大磁気エネルギー積((B
H)max)等の硬磁気特性が劣化することがない。従っ
て、硬磁気特性を低下させずに硬磁性合金粉末の粒径を
小さくでき、これにより硬磁性材料中に占める硬磁性合
金粉末の充填密度を高くできるため、硬磁性材料自体の
硬磁気特性、特に最大磁気エネルギー積((B
H)max)を向上させることができる。
【0031】また、本発明の硬磁性材料は、磁気異方性
を付与することができる一方で、等方性の磁気特性を付
与することもできる。磁気異方性が付与された硬磁性材
料は、硬磁気特性が向上する一方で、その形状にもよる
が、硬磁性材料全体に渡って均一に磁気異方性を付与す
ることが困難となる場合があり、その結果、硬磁性材料
の表面における表面磁束密度の不均一性が若干大きくな
る。特にリング状等の複雑な形状の硬磁性材料の場合
に、磁化容易方向を一方向に向けて成形することが困難
であり、表面磁束密度の不均一性が大きくなる。従って
磁気異方性が付与された硬磁性材料は、例えば、モー
タ、発電機、スピーカー等の、優れた硬磁気特性が要求
される一方で、表面磁束密度の不均一性を問題としない
ような用途に用いることが好ましい。
【0032】また、磁気特性が等方性とされた硬磁性材
料は、硬磁気特性が異方性を付与した場合に比べて若干
低下するものの、表面磁束密度の不均一性が極めて小さ
くなる。このことは、硬磁性材料の表面磁束密度の変化
がスムーズであることを意味しており(ノイズが少な
い)、例えばこの硬磁性材料を角度センサ、回転量セン
サ、リニアセンサ等の極めて高い精度が要求される各種
センサの検知部分に用いた場合には、角度変化等の測定
対象の変化に対して極めて安定した出力が得られる。従
って等方性の硬磁性材料は、 角度センサ、回転量セン
サ、リニアセンサ等の、表面磁束密度の不均一性が小さ
いことを要求する用途に用いて好適である。
【0033】上記の硬磁性材料を製造するには、まず、
硬磁性合金粉末を用意する。本発明に係る硬磁性合金粉
末は、非晶質相を主相とする合金の粉末を得る工程と、
この粉末を熱処理する工程とにより製造される。
【0034】非晶質相を主相とする合金の粉末(粉粒
体)は、所定の組成の合金溶湯を急冷することにより得
られるもので、急冷の際には粉末状若しくは薄帯状のも
のとして得られ、薄帯状のものとして得られた場合に
は、更にこの薄帯状のものを粉砕して粉末化することに
より得られる。ここで得られた合金粉末の粒径として
は、粒径5μm〜100μm程度である。
【0035】上記合金溶湯から非晶質相を主相とする合
金を得る方法は、いわゆる液体急冷法と呼ばれるもの
で、具体的には回転ドラムに溶湯を吹き付けて急冷して
薄帯状に形成する方法や、溶湯を冷却用気体中に噴出し
て液滴状態で急冷して粉末状に形成する方法等であり、
本発明に用いる非晶質相を主相とする合金の粉末は、こ
れらのいずれかの方法により作製されたものであること
が好ましい。上記の液体急冷法により得られた合金粉末
は、非晶質相単相か、あるいは非晶質相を主相とし、僅
かに微細な結晶質相を含んでなる組織から構成されてい
る。
【0036】ついで、この合金粉末を600〜800℃
で熱処理することにより、合金粉末中の非晶質相を結晶
化または微細な結晶質相を粒成長させて、平均結晶粒径
100nm以下、好ましくは平均結晶粒径50nm以下
の微細な結晶質相が主相として析出した組織中にソフト
磁性相とハード磁性相との混相状態が形成されることに
より硬磁気特性が発現するか、あるいは、上記平均結晶
粒径100nm以下、好ましくは平均結晶粒径50nm
以下の微細な結晶質相が析出するとともに上記混相状態
が形成されて硬磁気特性が発現され、かつハード磁性相
の磁化容易軸が配向することにより磁気異方性が付与さ
れる。このようにして、硬磁気特性を有する硬磁性合金
粉末が得られる。
【0037】上記の熱処理は、600℃以上800℃以
下、より好ましくは600℃以上750℃以下の範囲で
行うことが好ましい。熱処理温度が600℃未満では、
硬磁気特性を担うE217相の析出量が少ないため充分
な硬磁気特性が得られないので好ましくない。また、熱
処理温度が800℃を超えると、微細な結晶質相の結晶
粒が粒成長して粗大化し、硬磁気特性が劣化してしまう
ので好ましくない。熱処理時間は、0分以上60分以
下、より好ましくは0分以上30分以下である。熱処理
時間が60分を超えると、微細な結晶質相が粒成長して
粗大化し、硬磁性合金粉末の硬磁気特性が劣化してしま
うので好ましくない。
【0038】特に、平均結晶粒径が100nm以下、よ
り好ましくは50nm以下である微細な結晶質相が組織
の50体積%以上であり残部が非晶質相となるように条
件を選び、しかも上記の微細結晶質相中に、bcc−F
e相、bcc−(FeCo)相、fcc−(CoFe)
相、固溶原子を含んだD20 相または残存する非
晶質相の少なくとも1つであるソフト磁性相と、E
17からなるハード磁性相とが生成するようにすれ
ば、きわめて高い硬磁気特性を有する硬磁性合金粉末が
得られる。
【0039】ついで、得られた硬磁性合金粉末を樹脂と
混合し、これを圧縮成形法若しくは射出成形法により固
化成形してバルク状の硬磁性材料を得る。
【0040】硬磁性合金粉末と樹脂との配合比は、目的
とする硬磁性材料の特性によって適宜変更可能である
が、硬磁性材料中に硬磁性合金粉末が50体積%以上、
好ましくは60体積%以上含まれるように添加するのが
好ましい。硬磁性合金粉末の体積割合が50体積%未満
であると、樹脂量が過多となって硬磁性材料の硬磁気特
性が低くなる恐れがあるので好ましくない。また、硬磁
性合金粉末の添加量が、硬磁性材料中の体積割合で95
体積%を超えると、樹脂量が少なくなって硬磁性材料を
固化成形するのが困難になるので好ましくない。
【0041】硬磁性合金粉末と樹脂とを圧縮成形法によ
り固化成形する場合は、硬磁性合金粉末を粉末状の樹脂
と混合して混合物とし、この混合物を所定の型に充填し
て圧縮すると共に、150℃〜200℃に加熱して樹脂
を溶融させることにより圧縮成形する。または、硬磁性
合金粉末と樹脂とを150℃〜200℃に加熱しつつ混
合て樹脂を溶融状態とし、これを所定の型に充填して圧
縮することにより圧縮成形しても良い。ここで用いる樹
脂としては、磁気特性の損失が小さい材料が用いられ、
例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリスチレン、パラフィン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポ
リエステル等が挙げられる。特に、ポリアミド(−6)
(6−ナイロン)、ポリアミド(−12)(12−ナイロ
ン)、塩化ポリエチレン、エポキシ樹脂が有望である。
【0042】特に圧縮成形法によれば、混合物中の硬磁
性合金粉末の配合比を、後述する射出成形法の場合より
も高くすることができ、硬磁性材料の硬磁気特性をより
優れたものとすることができるので好ましい。
【0043】硬磁性合金粉末と樹脂とを射出成形法によ
り固化成形する場合は、得られた硬磁性合金粉末を前記
の樹脂と混合し、これを150℃〜200℃に加熱して
樹脂を溶融状態とし、これを所定の金型のキャビティに
射出して成形する。
【0044】合金粉末をそのまま固化成形すれば、等方
性の磁気特性を有する硬磁性材料が得られる。また、一
軸応力下で結晶化させることにより合金粉末に磁気異方
性を与えることができ、このような粉末を樹脂と混合
し、磁場中で圧縮成形することで、磁気異方性を有する
硬磁性材料が得られる。
【0045】また、樹脂に代えて低融点の金属材料を用
いても良い。この場合は、硬磁性合金粉末とこの金属材
料の粉末とを混合し、これを金属材料の融点以上まで加
熱し、これを所定の金型に充填して圧縮するか、または
硬磁性合金粉末と金属材料を加熱して金属材料を溶融状
態とし、これを金型に充填するか若しくは所定の金型の
キャビティに射出して成形することにより、硬磁性材料
が得られる。ここで用いる金属材料としては、Zn、A
l、In、Sn、Sb、Pb等が挙げられる。更に樹脂
に追加して、他の金属材料(Nd−Fe−B磁石、Sm
Co磁石)または酸化物材料(フェライト等)を混ぜて
固化成形しても良い。
【0046】この硬磁性材料を構成する硬磁性合金粉末
は、上記非晶質相を主相とする合金粉末が応力下におい
て結晶化または粒成長されたことにより、ハード磁性相
の磁化容易軸が配向し、合金に磁気異方性が付与された
ものとなり、これにより、残留磁化(Ir)と最大磁気
エネルギー積((BH)max)が高くなって、優れた硬
磁気特性を発現させることができる。
【0047】硬磁性材料を構成する硬磁性合金粉末は、
組成が下記の組成式で表されるものであることが好まし
い。(Co 1−f 100−x−y−t Sm (但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの
1種または2種以上の元素であり、組成比を示すf、
x、y、tは、0≦f<0.5、0原子%≦x≦4原子
%、5原子%≦y≦16原子%、0.5原子%≦t≦1
0原子%、5原子%≦x+y≦16原子%である)
【0048】Coは、硬磁気特性を与えるものであり、
本発明の硬磁性材料に必須の元素である。Coを含む元
素Dと元素Eとを有する非晶質相は、600℃〜800
℃の範囲内の適切な温度で熱処理するとき、ハード磁性
相であるE17相と、ソフト磁性相であるbcc−
Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc−(CoF
e)相、固溶原子を含んだD20 相または残存す
る非晶質相のうちの少なくとも一つの相を生成する。
【0049】上記式において、Tは、Fe、Niのうち
のいずれか一方若しくは両方を表わす。これら元素T
は、残留磁化(Ir)を増加させる効果があるが、元素
Tの濃度をCo置換で増加させると、Coの濃度が減少
して保磁力(iHc)が低下する。従って、特に残留磁
化(Ir)が高い硬磁性材料が必要であれば、元素Tの
添加を行い、保磁力(iHc)が大きい硬磁性材料が必
要であれば、元素Tの添加を行わないようにすることに
より、硬磁性材料の用途に合わせて最適な硬磁気特性を
備えた硬磁性材料を製造できる。また、高価なCoを安
価なFeやNiに置き換えることにより、硬磁性材料の
製造コストを低減することもできる。元素Tの組成比を
示すfは、優れた硬磁気特性を発揮するために、0以上
0.5未満が好ましく、0.2以上0.5未満とするの
がより好ましい。
【0050】Smは、Coと同様に硬磁気特性を与える
ものであり、本発明の硬磁性材料に必須の元素である。
また、非晶質相を形成し易い元素である。Co(元素
D)とSm(元素E)とを含む非晶質相は、600℃〜
800℃の範囲内の適切な温度で熱処理するとき、ハー
ド磁性相である(Fe、Co)17Sm相と、ソフト
磁性相であるbcc−Fe相、bcc−(FeCo)
相、fcc−(CoFe)相または固溶原子を含んだD
20B相とを析出する。また、残留する非晶質相も
ソフト磁性相として作用する。Smの組成比を示すy
(原子%)は5原子%以上16原子%以下とすること
が好ましく、8原子%以上16原子%以下とすることが
より好ましく、9原子%以上13原子%以下とすること
が最も好ましい。組成比yが5原子%未満では、ハード
磁性相の析出量の減少による保磁力(iHc)の低下が
起こり、更に非晶質相が形成されにくいので好ましくな
い。また、組成比yが16原子%を超えると、Co及び
元素Tの濃度が減少して、飽和磁化(Is)が減少し、
それに伴って残留磁化(Ir)が低下してしまうので好
ましくない。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】上記式において、元素Mは、Nb、Zr、
Ta、Moのうちの1種または2種以上の元素を表す。
これら元素Mは、非晶質相の形成能が高いので、この元
素Mを添加することにより、十分な非晶質相を生成させ
ることができる。ただし、元素Mの組成比x(原子%)
をCo及び元素Tで置換して増加させると、得られる硬
磁性材料の飽和磁化(Is)は減少する。また、元素M
の組成比xを減少させると、十分な非晶質相を形成でき
ない。この観点から、元素Mの組成比xは、0原子%以
上4原子%以下とするのが好ましく、1原子%以上4原
子%以下とすることがより好ましい。これらの元素Mの
うち、特にNbが有効である。元素Mの一部若しくは全
部をNbで置換すると、硬磁性材料の保磁力(iHc)
が大きくなり、また硬磁性材料の酸化を比較的に防ぐこ
とが可能となる。
【0055】また、上述のSm及び元素Mはいずれも非
晶質相を形成し易い点では共通した性質を有する元素で
あり、これらの元素の組成比の合計量である(x+y)
は、5原子%以上16原子%以下であることが好まし
く、9原子%以上13原子%以下であることがより好ま
しい。組成比を示す(x+y)が5原子%未満では、非
晶質相の析出が十分でないため好ましくない。また、
(x+y)が16原子%を超えると、硬磁気特性が劣化
してしまうので好ましくない。
【0056】上記式において、Bは非晶質相を形成し易
い半金属である。また、Coを含む元素Dと、Bと、
mを含む元素Eとを有する非晶質相は、600℃〜80
0℃の範囲内の適切な温度で熱処理するとき、ソフト磁
性相であるbcc−Fe相、bcc−(FeCo)相、
fcc−(CoFe)相またはD20 相を析出す
る。合金に十分量の非晶質相を形成し、これを結晶化す
ることによって十分量の微細結晶質相を得るためには、
の組成比tは、0.5原子%以上が必要であり、特に
3原子%以上とすることが好ましい。ただし、の組成
比t(原子%)を増加させすぎると、それに伴って、得
られた硬磁性材料の飽和磁化(Is)、残留磁化(I
r)、および保磁力(iHc)が減少する傾向を示すの
で、良好な硬磁性特性を得るためには、の組成比tは
10原子%以下であることが必要であり、特に9原子%
以下とすることが好ましい。
【0057】また、本発明の硬磁性材料は、Al、G
e、Ga、Ag、Pt、Au、Cuのうちの1種または
2種以上の元素Xが添加されていても良く、その場合の
硬磁性材料は、下記の組成式で表すことができる。(Co 1−f 100−x−y−t−u Sm
(但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの
1種または2種以上の元素であり、Xは、Al、Ge、
Ga、Ag、Pt、Au、Cuのうちの1種または2種
以上の元素であり、組成比を示すf、x、y、t、u
は、0≦f<0.5、0原子%≦x≦4原子%、5原子
%≦y≦16原子%、0.5原子%≦t≦10原子%、
0原子%≦u≦5原子%、5原子%≦x+y≦16原子
である)
【0058】この場合の元素Tの組成比を示すfは、優
れた硬磁気特性を発揮するために、0以上0.5未満が
好ましく、0.2以上0.5未満とするのがより好まし
い。上記組成式中のSmの組成比を示すy(原子%)
は、良好な硬磁気特性を得るために、5原子%以上16
原子%以下であることが好ましく、9原子%以上13原
子%以下であることがより好ましい。
【0059】
【0060】上記組成式中の元素Mの組成比を示すx
(原子%)は、良好な硬磁気特性を得るために、0原子
%以上4原子%以下とするのが好ましく、1原子%以上
3原子%以下とすることがより好ましい。これらの元素
Mのうち、特にNbが有効である。元素Mの一部若しく
は全部をNbで置換すると、硬磁性材料の保磁力(iH
c)が比較的大きくなる。また、硬磁性材料の酸化を比
較的防ぐことが可能となる。
【0061】また、上述のSm及び元素Mはいずれも非
晶質相を形成し易い点では共通した性質を有する元素で
あり、これらの元素の組成比の合計量である(x+y)
は、5原子%以上16原子%以下であることが好まし
く、8原子%以上16原子%以下であることがより好ま
しく、10原子%以上14原子%以下であることが更に
好ましい組成比を示す(x+y)が5原子%未満また
は8原子%未満では、非晶質相の形成が十分でないため
好ましくない。また、(x+y)が16原子%を超える
と、硬磁気特性が劣化してしまうので好ましくない。
【0062】上記組成式中のの組成比を示すt(原子
%)は、良好な非晶質相と微細な結晶質相を得るため
に、0.5原子%以上が必要であり、特に3原子%以上
とすることが好ましい。良好な硬磁性特性を得るために
は、の組成比tは10原子%以下であることが必要で
あり、特に9原子%以下とすることが好ましい。
【0063】上記式において、元素Xは、Al、Ge、
Ga、Ag、Pt、Au、Cuのうちの1種または2種
以上の元素であり、これら元素Xは主に硬磁性材料の耐
食性を向上させる。また、この元素XのうちのAg、P
t、Au、Cuは、Feに固溶しないので、熱処理によ
って微細な結晶質相を析出させる際に、結晶粒の微細化
を促進する効果を有する。更にまた、この元素Xのうち
のGe、Ga、Alは、微細な結晶質相と非晶質相との
混相状態であるナノ複相組織の形成を促進させる効果を
有する。元素Xの組成比u(原子%)は、0原子%以上
5原子%以下であることが好ましく、1原子%以上3原
子%以下であることがより好ましい。uが5原子%を超
えると、非晶質形成能が低下し、硬磁気特性も低下する
ので好ましくない。特にAlは、元素Xの中でも最も安
価な元素であり、硬磁性材料のコストを低減させること
ができ、好ましい。
【0064】また上記元素Xのうち、Cuは除いても良
い。即ち、元素XをAl、Ge、Ga、Ag、Pt、A
uのうちの1種または2種以上の元素としてもよい。C
uは、E217相からなるハード磁性相をソフト磁性相
から分離して析出させるという作用があるが、一方でC
uは、非磁性材料であるため硬磁性材料の磁化を低下さ
せるためその添加量をできるだけ少なくすることが望ま
しいとされている。本発明では、液体急冷法により非晶
質薄帯を形成した後に熱処理して硬磁性材料を製造する
ことにより、Cuを添加しなくても、E217相からな
るハード磁性相をソフト磁性相から分離して析出させる
ことができるので、元素XにCuを含めなくてもよい。
【0065】更に、本発明の硬磁性材料を構成する前記
硬磁性合金粉末が、下記の組成の非晶質相を主相とする
急冷薄帯を熱処理して微細な結晶質組織を形成させて得
られたものであってもよい。Co Fe Nb Sm 但し、55原子%≦a≦61原子%、 20原子%≦b≦
25原子%、0原子%≦x≦4原子%、9原子%≦y≦
12原子%、3原子%≦t≦9原子%、a+b+x+y
+t=100原子%、17原子%≦x+y+t≦25原
子%である。
【0066】この硬磁性合金粉末は、0.5〜40K/
分の昇温速度で熱処理されることにより得られたもので
あって、保磁力(iHc)が1kOe以上を示し、最大
磁気エネルギー積((BH)max)が20kJm-3以上
を示すものである。また、熱処理温度は、873K(6
00℃)〜973K(700℃)の範囲であることが好
ましい。上記組成の比較的大量の硬磁性合金粉末を、上
記のように比較的遅い昇温速度で加熱すると、硬磁性合
金粉末全体が均等な熱処理条件で熱処理されて、熱処理
中における硬磁性合金粉末全体の温度が均一になり、組
織中に比較的均質な粒径の微細結晶組織が析出する。こ
れにより、昇温速度が数K/秒の条件で熱処理した場合
よりも、優れた硬磁気特性を発揮させることができる。
特に、保磁力(iHc)が1kOe以上、最大磁気エネ
ルギー積((BH)max)が20kJm-3以上と高く、
更には角形比(Ir/I1.5)が0.7以上のものが得
られる。
【0067】また、この硬磁性合金粉末を用いて硬磁性
材料を形成する際には、硬磁性材料に等方性の磁気特性
を付与することが好ましい。係る硬磁性材料に等方性の
磁気特性を付与することにより、硬磁性材料の表面磁束
密度を均一にすることができる。
【0068】この硬磁性合金粉末において、Fe及びC
oは、残留磁化(Ir)を増加させる効果がある。一方
で、Coを減らしてFeを増加させると保磁力(iH
c)が低下する。従って、高い保磁力(iHc)と、
0.7以上の角形比(Ir/I1.5)を同時に得るため
には、Fe及びCoの組成比を最適な範囲に限定する必
要がある。従ってFeの組成比を示すaは55原子%以
上61原子%以下であることが好ましく、Coの組成比
を示すbは20原子%以上25原子%以下であることが
好ましい。
【0069】Smは、Coと同様に硬磁気特性を与える
ものであり、本発明の硬磁性材料に必須の元素である。
また、非晶質相を形成し易い元素である。CoとSmと
を含む非晶質相は、600℃〜800℃の範囲内の適切
な温度で熱処理するとき、ハード磁性相である(Fe、
Co)17Sm2相と、ソフト磁性相であるbcc−Fe
相、bcc−(FeCo)相、fcc−(CoFe)相
または固溶原子を含んだCo20Sm3B相とを析出す
る。また、残留する非晶質相もソフト磁性相として作用
する。Smの組成比を示すyは、9原子%以上12原子
%以下とすることが好ましい。組成比yが9原子%未満
では、ハード磁性相の析出量の減少による保磁力(iH
c)の低下が起こり、更に非晶質相が形成されにくいの
で好ましくない。また、組成比yが12原子%を超える
と、Co及びFeの濃度が相対的に減少し、残留磁化
(Ir)が低下し、それに伴って角形比(Ir/
1.5)が低下してしまうので好ましくない。
【0070】
【0071】次にNbは、元素Mの中でも保磁力を増加
させる効果が特に大きい元素であり、NbとFe及びC
oを組成比を最適化することで、1kOe以上の高い保
磁力(iHc)が得られる。また、Nbには硬磁性材料
の酸化を防止する効果もある。従ってNbの組成比を示
すxは0原子%以上4原子%以下であることが好まし
い。
【0072】更に上記組成式中のBの組成比tは、良好
な非晶質相と微細な結晶質相を得るために、3原子%以
上とすることが好ましく、また良好な硬磁性特性を得る
ために、組成比tを9原子%以下とすることが好まし
い。また、上述のSm、Nb及びBはいずれも非晶質相
を形成し易い点では共通した性質を有する元素であり、
これらの元素の組成比の合計量である(x+y+t)
は、17原子%以上25原子%以下であることが好まし
い。(x+y+t)が17原子%未満では、非晶質相の
形成が十分でないため好ましくなく、25原子%を越え
ると硬磁気特性が劣化してしまうので好ましくない。
【0073】上述の硬磁性材料は、硬磁性合金粉末が樹
脂により結着されてなるものなので、形状の自由度が高
く、しかも小型で強力な硬磁性を有する永久磁石とする
ことができる。
【0074】また、硬磁性材料を構成する硬磁性合金粉
末は、Coを主成分とし、Bと、Smとを含み、非晶質
相と微細な結晶質相とを有しており、微細な結晶質相と
非晶質相とからなるナノ複相組織が形成されているの
で、硬磁性材料の硬磁気特性を優れたものとすることが
できる。特に上述の組成に、Nb、Zr、Ta、Moの
うちの1種または2種以上の元素Mを含んだ硬磁性合金
粉末は、非晶質相の形成能を更に高めることができ、A
l、Ge、Ga、Ag、Pt、Auのうちの1種または
2種以上の元素Xを含んだ硬磁性合金粉末は、微細組織
を最適化できるので、硬磁性材料の硬磁気特性をより優
れたものとすることができる。
【0075】また、上述の硬磁性材料を構成する硬磁性
合金粉末は、組織の少なくとも50体積%以上が平均結
晶粒径100nm以下、好ましくは平均結晶粒径50n
m以下の微細な結晶質相であり、更に、組織中にソフト
磁性相とハード磁性相との混相状態が形成されたもので
あるので、極めて高い硬磁気特性を有することができ
る。また、硬磁性材料に、ソフト磁性相とハード磁性相
の特徴を付与することができる。
【0076】更に上記の硬磁性合金粉末は、従来のSm
Co系磁石材料とは異なり、平均結晶粒径100nm以
下の微細な結晶質相を主体として構成されているため、
粉末の粒径を小さく粉砕しても結晶粒内部に歪みが発生
することが少なく、硬磁気特性が劣化することがない。
従って、より粒径が小さな硬磁性合金粉末を硬磁性材料
の原料として用いることができ、これにより硬磁性材料
における硬磁性合金粉末の充填密度を高くできるので、
硬磁性材料の硬磁気特性を、従来のSmCo系ボンド磁
石よりも高くできる。
【0077】また、本発明の硬磁性材料は磁気異方性を
付与することができ、磁気異方性を付与された硬磁性材
料では硬磁気特性が向上するので、例えばモータ、発電
機等の用途に用いることができる。
【0078】また、本発明の硬磁性材料は磁気的に等方
性とすることもでき、この等方性を付与された硬磁性材
料では、硬磁気特性が異方性を付与した場合に比べて若
干低下するものの、表面磁束密度の不均一性が極めて小
さくなり、例えばこの硬磁性材料を、極めて高精度が要
求される各種センサの検知部分に用いた場合には、角度
変化等の測定対象の変化に対して極めて安定した出力が
得られるので、表面磁束密度の不均一性が小さいことを
要求する各種センサに用いることができる。
【0079】上述の硬磁性合金粉末は、下記組成式で表
されるものであるので、合金溶湯を急冷した場合には非
晶質相を主相とする合金が容易に得られ、また、これを
熱処理したものは微細な結晶質相を析出することが可能
となり、優れた硬磁気特性を発揮させることができる。
即ち、(Co 1−f 100−x−y−t Sm (但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの
1種または2種以上の元素であり0≦f<0.5、0
原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y≦16原子%
0.5原子%≦t≦10原子%、5原子%≦x+y≦1
6原子%である)または、(Co 1−f 100−x−y−t−u Sm
(但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの
1種または2種以上の元素でありXは、Al、Ge、
Ga、Ag、Pt、Au、Cuのうちの1種または2種
以上の元素であり、0≦f<0.5、0原子%≦x≦4
原子%、5原子%≦y≦16原子%0.5原子%≦t
≦10原子%、0原子%≦u≦5原子%、5原子%≦
+y≦16原子%である)
【0080】また、上述の組成式において、組成比を示
すfが、0.2≦a<0.5の範囲とした場合には、よ
り優れた硬磁気特性を発揮できる。更に、上述の硬磁性
材料に、Nbを添加した場合には、硬磁性材料の保磁力
(iHc)が大きくなると共に、硬磁性合金粉末の酸化
を比較的防止することができる。
【0081】また、上記の硬磁性合金粉末は、下記組成
式で示される非晶質相を主相とする急冷薄帯を、0.5
〜40K/分の昇温速度で熱処理して得られたものであ
って、保磁力(iHc)が1kOe以上を示し、最大磁
気エネルギー積((BH)max)が20kJm−3
上を示すものであるので、硬磁性材料の硬磁気特性をよ
り向上させることができる。Co Fe Nb Sm 但し、 55原子%≦a≦61原子%、20原子%≦b≦
25原子%、0原子%≦x≦4原子%、9原子%≦y≦
12原子%3原子%≦t≦9原子%、a+b+x+y
+t=100原子%、17原子%≦x+y+t≦25原
子%である。
【0082】よって本発明の硬磁性材料は、モータ、ア
クチュエータ、ロータリーエンコーダ、磁気式センサ、
発電機、スピーカーなどの各種の装置に使用される永久
磁石として有用である。
【0083】次に、上述の硬磁性材料を備えてなる発電
機を図1を参照して説明する。図1には、電気駆動式の
腕時計に内蔵される発電機11を示す。この発電機11
は、回転軸13と、回転軸13に取り付けられた略円柱
体状の磁石12と、平面視略ロ字状のヨーク17と、ヨ
ーク17の巻線部18に巻回された導線19からなるコ
イル14(巻線)とを備えている。また、ヨーク17に
は、磁石12からの磁束を受けるための磁束受け部16
が設けられている。磁束受け部16は、磁石12の円周
面と対向して磁石12から離間する位置に設けられてい
る。ヨーク17と磁束受け部16により、磁石12から
の磁束が印加される磁心20が形成される。回転軸13
には、分銅15が取り付けられている。また、回転軸1
3は、図示しない軸受けに回転自在に取り付けられてい
る。腕時計が振動すると分銅15が揺れて回転軸13が
回転し、更に磁石12も回転する。磁石12は、上述の
硬磁性材料からなり、図2の図中1点鎖線で示すように
例えば4極に着磁されている。
【0084】次に、この発電機11の動作を説明する。
まず、分銅15が振動することによって磁石12が回転
し、これによって磁束受け部16で受ける磁束の向きが
変化し、この磁束の向きの変化がヨーク17及び巻線部
18を介してコイル14に印加される。コイル14にお
いては、電磁誘導の作用によって導線19に交流電流が
流れる。
【0085】図3には、別の発電機21を示す。この発
電機21は、回転軸23と、回転軸23に取り付けられ
た略円柱形状の磁石22と、2つの固定子24、24と
が備えられている。固定子24、24は、図示しない磁
心と、この磁心に導線が巻回されてなる図示しないコイ
ル(巻線)とからなるものである。磁心は、磁石22の
円周面と対向して磁石22と離間する位置にある。回転
軸23は、2つのころ軸受け28、28に支持されて一
対のエンドキャップ25、26の内側に回転自在に取り
付けられている。一対のエンドキャップ25、26は、
固定子24、24及び磁石22を挟み込むと共に、これ
らエンドキャップ25、26を貫通したボルト27、2
7とボルト27、27に螺合されたナット29、29に
より互いに固定されている。磁石22は、前述した硬磁
性材料からなり、図4の図中1点鎖線で示すように6極
に着磁されている。
【0086】次に、この発電機21の動作を説明する。
まず、外部の動力により回転軸23に取り付けられた磁
石22が回転する。磁石22の回転によって固定子24
の磁心に印加される磁束の向きが変化して、固定子24
の導線に電磁誘導の作用によって交流電流が流れる。
【0087】これらの発電機11、21に備えられた磁
石12、22は、前述の硬磁性材料から構成されてお
り、この硬磁性材料は残留磁化(Ir)が大きく、発電
機11、21の導線(コイル)に流れる電流によって生
じる電流磁界が硬磁性材料を減磁させたとしても、なお
十分に高い磁化を維持することが可能であるので、磁石
が消磁されることなく磁心に十分な磁束を与えることが
でき、また、磁心に大きな磁束が与えられるので、より
高い電圧の電流を発生させることが可能となって高出力
な発電機11、21を構成することができる。
【0088】次に、上述の硬磁性材料を備えてなるモー
タを図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6に
示すモータは、ハイブリッド型のステッピングモータと
呼ばれるもので、このモータ31は、電磁石の磁心であ
る固定子32を備えるステータ33と、ロータ34とか
らなる。固定子32のロータ34側の表面には、複数の
歯状の固定子歯極35が形成されている。固定子32は
透磁率の高い軟磁性体から形成され、更に、導線36が
固定子32に巻回されており、この固定子32と導線3
6とで電磁石を構成している。導線36は図示しない駆
動回路に接続されている。導線36に、駆動回路から極
性が逆向きの電流を交互に流すことにより、ロータ34
側の表面にある固定歯極35が、N極とS極とに交互に
帯磁される。
【0089】またロータ34は、軸37と、軸37に挿
入された円柱状の磁石38と、磁石38の両端にはめ込
まれる2組の円柱状の回転子39、40とからなる。磁
石38は、前述の硬磁性材料からなるもので、磁束の方
向が軸37の長さ方向に平行になるように配置されてい
る。また回転子39、40は、透磁率の高い軟磁性体か
ら形成されており、回転子39はN極に、もう1つの回
転子40はS極に帯磁されている。そして、図5に示す
ように、回転子39の固定子32側の表面には、複数の
歯状のロータ歯極41が形成され、回転子40の固定子
32側の表面には、複数の歯状のロータ歯極42が形成
されている。
【0090】駆動回路から導線36に印加される電流に
よって、固定子32の固定子歯極35の磁極を、N極か
らS極に交互に変換させることにより、ロータ歯極4
1、42との間における磁束が変化し、ロータ34が回
転する。
【0091】このモータ31は、前記の硬磁性材料から
なる磁石38を備えたロータ34を具備してなり、この
硬磁性材料は、最大磁気エネルギー積((BH)max
が大きいので、モータ31の回転トルクを高くすること
ができる。
【0092】
【実施例】(実験例1)Co、Fe、Sm、Zr及びB
を原料としてそれぞれ所定量秤量し、減圧Ar雰囲気下
においてこれらの原料を高周波誘導加熱装置またはアー
ク放電加熱装置で溶解して、所定の組成のインゴットを
作製した。このインゴットをるつぼ内に入れて溶解し、
ノズルから回転しているロールに溶湯を吹き出して急冷
する単ロール法によって、減圧Ar雰囲気下で(Co
0.72Fe0.2898-y-tSmyZr2 t(但し、y=6、
8、10、12、14、16、t=3、5、7、9、1
1)なる組成の急冷薄帯を得た。また、同様にして(C
0.72Fe0.2898-y-tSmyNb2t(但し、y=
8、10、12、14、16、t=3、5、7、9)な
る組成の急冷薄帯を得た。得られた急冷薄帯について、
X線回折分析によって薄帯の組織の状態を調査した。更
に、得られた薄帯について、VSM(振動試料型磁力
計)を用い、1.5Tの印加磁場中及び真空中で室温に
おける保磁力(iHc)を測定した。結果を図7及び図
8に示す。
【0093】図7に示すように、(Co0.72Fe0.28
98-y-tSmyZr2tなる組成の急冷薄帯については、
y=8原子%以上かつt=11原子%以上、または、y
=14原子%以上かつt=3原子%以上の条件では組織
のほぼ全てが非晶質相となり、またy=6原子%、3原
子%≦t≦9原子%では結晶質相となり、それ以外の条
件では非晶質相と結晶質相が混合した状態となる。従っ
て、(Co0.72Fe0.2898-y-tSmyZr2tなる組
成の急冷薄帯の場合においては、合金中のSmの濃度が
8原子%以上であると、合金溶湯を急冷して非晶質相を
主相とする急冷薄帯を得るには好ましいことがわかる。
これにより、M=Zrの場合、Smの濃度が8原子%以
上であれば熱処理後に均一かつ微細な結晶質相を析出さ
せることが可能となる。更に、保磁力(iHc)につい
ては、どの薄帯についても64〜114 Oe程度であ
り、熱処理を施していない急冷薄帯は、保磁力(iH
c)が小さいことがわかる。
【0094】また、図8に示すように、(Co0.72Fe
0.2898-y-tSmyNb2tなる組成の急冷薄帯につい
ては、y=10原子%以上かつt=5原子%以上、また
は、y=14原子%以上かつt=3原子%以上の条件で
は組織のほぼ全てが非晶質相となり、それ以外の条件で
は非晶質相と結晶質相が混合した状態となる。従って、
(Co0.72Fe0.2898-y-tSmyNb2tなる組成の
急冷薄帯の場合においては、合金溶湯を急冷して非晶質
相を主相とする急冷薄帯を得るには、合金中のSmの濃
度が少なくとも9原子%以上であれば良いことがわか
る。これにより、M=Nbの場合、Smの濃度が9原子
%以上であれば熱処理後に均一かつ微細な結晶質相を析
出させることが可能となる。更に、保磁力(iHc)に
ついては、どの薄帯についても64〜74 Oe程度で
あり、熱処理を施していない急冷薄帯は、保磁力(iH
c)が小さいことがわかる。なお、この実験例1におい
ては、薄帯状の試料のデータを示したが、この薄帯を粉
砕して粉末状とした場合であっても、同様なデータが得
られる。
【0095】(実験例2)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2883Sm10Nb25、(Co0.72Fe
0.2881Sm10Nb27、(Co0.72Fe0.2879Sm
10Nb29、(Co 0.72Fe0.2883Sm10Zr25
(Co0.72Fe0.2881Sm10Zr27、(Co0.72
0.2879Sm10Zr29、(Co0.72Fe0.2881
12Nb25、(Co0.72Fe0.2879Sm12Nb
27、(Co0.72Fe0.2877Sm12Nb 29、(Co
0.72Fe0.2881Sm12Zr25、(Co0.72
0.2879Sm12Zr27、(Co0.72Fe0.2877
12Zr29、(Co0.72Fe0.2885Sm8Zr
25、(Co0.72Fe0.2883Sm8Zr27、(Co
0.72Fe0.2879Sm14Zr25、(Co0.72
0.2877Sm14Zr27、(Co0.72Fe0.2875
14Zr29、(Co0.72Fe0.2879Sm12Nb
27、(Co0.66Fe 0.3479Sm12Nb27、(Co
0.60Fe0.4079Sm12Nb27、(Co0.72
0.2881Sm127、(Co0.72Fe0.2879Sm12
Nb27(Co0.72Fe0.2877Sm12Nb47、(C
0.72Fe0.2881Sm12Nb25、(Co0. 66Fe
0.3481Sm12Nb25、(Co0.60Fe0.4081Sm
12Nb25、(Co0.72Fe0.2883Sm125、(C
0.72Fe0.2881Sm12Nb25、(Co0.72Fe
0.2879Sm12Nb45、なる組成の急冷薄帯を得た。
次に、得られた急冷薄帯について、5×10-5Pa以下
の赤外線イメージ炉中で、昇温速度3K/秒で873K
(600℃)〜1173K(900℃)まで昇温し、約
3分間保持する条件で熱処理することにより、微細な結
晶質相を析出させた薄帯試料を得た。次に、得られた薄
帯試料について、VSM(振動試料型磁力計)を用い、
1.5Tの印加磁場中及び真空中で室温における磁化
(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/I1.5
及び保磁力(iHc)を測定した。結果を図9〜18に
示す。
【0096】図9において、(Co0.72Fe0.2888-t
Sm10Nb2t(t=5、7、9)なる組成の薄帯試料
は、923K(650℃)〜1073K(800℃)の
熱処理温度の範囲では、硬磁気特性に大きな変化は見ら
れず、熱処理温度依存性が見られない。一方、図10に
おいて、図9の薄帯試料のNbをZrに置換した(Co
0.72Fe0.2888-tSm10Zr2t(t=5、7、9)
なる組成の薄帯試料の場合には、角形比(Ir/
1.5)が1023K(750℃)を過ぎてから次第に
低下し、また、保磁力(iHc)は1073〜1123
Kで極大を示していることがわかる。更に、保磁力(i
Hc)については、図9に示した(Co0.72Fe0.28
88-tSm10Nb2tの試料が、図10に示すZrを含む
試料よりも保磁力(iHc)が大きいことがわかる。磁
化(I1.5)、残留磁化(Ir)については、Zrを含
む試料が、Nbを含む試料よりも磁化(I1.5)、残留
磁化(Ir)が高くなっている。
【0097】次に、図11において、(Co0.72Fe
0.2886-tSm12Nb2t(t=5、7、9)なる組成
の試料は、熱処理温度が923K(650℃)〜102
3K(750℃)の範囲において、保磁力(iHc)が
3〜9kOeを示しており、図8に示す(Co0.72Fe
0.2888-tSm10Nb2tのものよりも保磁力(iH
c)が大きくなっていることがわかる。また、図12に
おいて、図11の薄帯試料のNbをZrに置換した(C
0.72Fe0.2886-tSm12Zr2t(t=5、7、
9)なる組成の薄帯試料の場合には、保磁力(iHc)
はNbを含む試料(図11)よりも小さいが、磁化(I
1. 5)、残留磁化(Ir)は高くなっている。
【0098】更に、図13において、(Co0.72Fe
0.2890-tSm8Zr2t(t=5、7)なる組成の試
料は、保磁力(iHc)が、熱処理温度1023K(7
50℃)を超えて急激に増加するが、最大で2kOeと
他の組成の試料に比べてやや低くなっている。次に、図
14において、(Co0.72Fe0.2884-tSm14Zr2
t(t=5、7、9)なる組成の試料は、熱処理温度
が1023K(750℃)よりも高くなると、保磁力
(iHc)、角形比(Ir/I1.5)が減少する傾向に
あり、(Co0.72Fe0.2879Sm14Zr25なる組成
の試料においては、熱処理温度が923K(650℃)
〜1023K(750℃)の範囲において、10kOe
以上の保磁力(iHc)が得られていることがわかる。
【0099】次に、図15において、(Co0.72Fe
0.2883-tSm12Nbt5(t=0、2、4)なる組成
の試料は、磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比
(Ir/I1.5)ともに、熱処理温度が1023K(7
50℃)を超えると急激に劣化していることがわかる。
また、Nbの添加量に関する各特性の依存性について
は、t=2の組成の試料は磁化(I1.5)、残留磁化
(Ir)は劣るが、保磁力(iHc)に関してはt=4
の試料に比べて6kOe以上と大きい値が得られた。ま
た、図16において、(Co0.72Fe0.2881-tSm12
Nbt7(t=0、2、4)なる組成の試料は図15の
場合と同じ傾向を示し、熱処理温度が1023K(75
0℃)を超えると各特性が劣化していることがわかる。
また、t=2の組成の試料に関しては保磁力(iHc)
が9kOeと大きい値が得られている。
【0100】更に、図17は、CoとFeの比率と熱処
理温度による、各特性の依存性を示す図であり、(Co
1-fFef79Sm12Nb27(f=0.28、0.3
4、0.4)なる組成の試料は、Coの濃度が大きくな
るにつれて磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)の値は減
少するものの、保磁力(iHc)はt=0.28とCo
の濃度が最も大きい組成の試料は、熱処理温度973K
(700℃)〜1023K(750℃)において10k
Oeと大きな値が得れる。更に、図18は、図17と同
様に(Co1-fFef81Sm12Nb25(f=0.2
8、0.34、0.4)なる組成の試料のCoとFeの
比率と熱処理温度による、各特性の依存性を示す図であ
る。図17と同様に、Coの濃度が大きくなるにつれて
磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)の値は減少するもの
の、保磁力(iHc)はf=0.28とCoの濃度が最
も大きい組成の試料は、熱処理温度923K(650
℃)〜973K(700℃)において7kOeとf=
0.34、0.4の組成の試料よりも大きな値が得れ
る。また、熱処理温度が1023K(750℃)より大
きくなると、特に、f=0.28の試料において、保磁
力(iHc)が急激に劣化していることがわかる。
【0101】以上のように、いずれの試料も角形比(I
r/I1.5)の値が0.6を超えており、ナノ複相組織
を形成した交換結合磁石であることがわかる。従って、
これらの薄帯状の試料を粉砕して得られる本発明に係る
硬磁性合金粉末は、優れた硬磁気特性を有していること
がわかる。
【0102】(実験例3)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2877Sm12Zr29、(Co0.72Fe
0.2881Sm12Nb25なる組成の急冷薄帯を得た。次
に、得られた急冷薄帯について、昇温速度3K/秒、熱
処理温度650〜850℃、保持時間3分の条件で熱処
理して薄帯試料を得た。得られた薄帯試料の組織の状態
をX線回折分析によって調査した。結果を図19、図2
0に示す。
【0103】図19及び図20に示すように、熱処理を
する前の急冷薄帯は、ハローなパターンとなっており、
非晶質相の単相であることが確認できる。熱処理温度6
50℃付近から(Fe、Co)17Sm2相が析出し始
め、700℃を超えると(Fe、Co)20Sm3B相ま
たはbcc−(FeCo)相の析出が見られる。なお、
この実験例3においても、薄帯状の試料のデータを示し
たが、この薄帯を粉砕して粉末状とした場合であって
も、同様なデータが得られる。従って、本発明の硬磁性
材料を構成する硬磁性合金粉末は、熱処理によって微細
な結晶質相が析出し始め、この結晶質相は、ハード磁性
相である(Fe、Co)17Sm2相と、ソフト磁性相で
ある(Fe、Co)20Sm3B相またはbcc−(Fe
Co)相とを含んでいるので、良好な交換結合性を示す
磁石となることがわかる。なお、ソフト磁性相であるf
cc−(CoFe)相は、この回折パターンからは検出
することができなかった。析出量が少ないか、結晶の成
長が十分でないためと推定される。
【0104】(実験例4)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2877Sm12Zr29、(Co0.72Fe
0.2879Sm12Zr27、(Co0.72Fe0.2881Sm
12Zr25、(Co 0.72Fe0.2881Sm12Nb25
(Co0.72Fe0.2879Sm12Nb27、(Co0.72
0.2877Sm12Nb29、(Co0.72Fe0.2881
10Nb27、(Co0.72Fe0.2879Sm10Nb29
なる組成の急冷薄帯を得た。次に、得られた急冷薄帯に
ついて、5×10-5Pa以下の赤外線イメージ炉中で、
昇温速度3K/秒で873K(600℃)〜1173K
(900℃)まで昇温し、約3分間保持する条件で熱処
理することにより、微細な結晶質相を析出させた薄帯試
料を得た。次に、得られた薄帯試料について、透過型電
子顕微鏡(TEM)により、微細な結晶質相の平均粒径
を測定した。結果を表1に示す。
【0105】表1から明らかなように、熱処理温度が6
00℃以上の薄帯試料では、結晶粒の平均粒径が約50
nmとなり、微細な結晶質相が析出していることがわか
る。
【0106】
【表1】
【0107】(実験例5)実験例1と同様にして(Co
1-fFef86-ySm12Nb2y、(Co0.72Fe 0.28
88-x-ySm12Nbxy、(Co0.72Fe0.2898-x-y
yNb2x、(Co0.72Fe0.2898-x-ySmyZr2
xなる組成の急冷薄帯を得た。次に得られた各急冷薄
帯合金について昇温速度3K/秒、熱処理温度650〜
850℃、保持時間3分の条件で熱処理を行い薄帯試料
を得た。次に得られた試料について、Fe、Nb、B、
Smの濃度を種々変更して保磁力(iHc)、残留磁化
(Ir)、1.5Tの印加磁化における磁化(I1.5
を測定し、これら元素の濃度に対する各磁気特性の依存
性を測定した。得られた結果を図21〜図124に示
す。
【0108】図21は、(Co1-fFef86-ySm12
2yなる組成(y=5、7原子%)の薄帯試料につい
て、Feの濃度(f)に対する各磁気特性の依存性を示
す。図21より明らかなように、保磁力(iHc)に関
しては、B濃度(y)が5原子%の試料よりも7原子%
の試料の方が高く、残留磁化(Ir)と磁化(I1.5
はFe濃度(f)が多くなると上昇する傾向がある。従
って、100emu/g以上の高い残留磁化(Ir)と
80emu/g以上の高い磁化(I1.5)を保持したま
ま、1000 Oe以上の保磁力(iHc)を得るため
には、Fe濃度(f)は少なくとも0.5以下とすると
良いことがわかる。
【0109】図22は、(Co0.72Fe0.2888-x-y
12Nbxyなる組成(y=5、7原子%)の薄帯試料
について、Nb濃度(x)を0〜5原子%の範囲で変化
させたときの各磁気特性を示す。図22から明らかなよ
うに、B濃度(y)が5原子%及び7原子%の試料の両
方とも、Nb濃度(x)が2〜4原子%の場合に、特に
高い保磁力(iHc)を示していることがわかる。図2
2より、高い残留磁化(Ir)と高い磁化(I1.5)を
保持しつつ、1000 Oe以上の保磁力(iHc)を
得るためには、Nbの濃度を0〜4原子%とすると良い
ことがわかる。
【0110】図23は、(Co0.72Fe0.2898-x-y
yNb2xなる組成(y=8、10、12原子%)の
薄帯試料について、B濃度(x)を0.5〜11原子%
の範囲で変化させたときの各磁気特性を示す。図23か
ら明らかなように、Sm濃度(y)が12原子%の試料
では、B濃度(x)を0.5〜10原子%とすることに
より、高い残留磁化(Ir)と高い磁化(I1.5)を保
持しつつ、1000Oeよりも高い保磁力(iHc)が
得られている。特に、B濃度(x)を9原子%以下若し
くは2原子%以上とすることにより、より大きな保磁力
が得られることがわかる。
【0111】図24は、(Co0.72Fe0.2898-x-y
yZr2xなる組成(y=8、10、12、14原子
%)の試料のB濃度(x)を0.5〜11原子%変化さ
せたときの各磁気特性を示す。図24から明かなよう
に、B濃度(x)が10原子%以下の試料において、高
い残留磁化(Ir)と高い磁化(I1.5)を保持しつ
つ、1000 Oe以上の(iHc)を得ることができ
る。また、1000 Oeの保磁力(iHc)を確実に
得るためには、B濃度(x)を2〜10原子%とすると
良いことがわかる。従って、これらの薄帯状の試料を粉
砕して得られる本発明に係る硬磁性合金粉末は、優れた
硬磁気特性を有していることがわかる。
【0112】(実験例6)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2881Nb2Sm125、(Co0.72Fe
0.2879Nb2Sm127及び(Co0.72Fe0.2880
2Sm135なる組成の非晶質相からなる急冷薄帯を得
た。次に、(Co0.72Fe0.2879Nb2Sm127なる
組成の急冷薄帯について、5×10-5Pa以下の赤外線
イメージ炉中で、昇温速度3K/秒、熱処理温度(T
a)600℃、700℃、800℃、保持時間3分の条
件で熱処理することにより、微細な結晶質相が析出され
てなる薄帯試料を得た。得られた薄帯試料の組織の状態
をX線回折分析にて調査した。図25に各薄帯試料のX
線回折パターンを示す。
【0113】図25において、600℃で熱処理した薄
帯試料には、(Fe、Co)17Sm 2相の回折ピークが
観察される。また、熱処理温度が800℃の場合には、
(Fe、Co)17Sm2相に加えて(Fe、Co)20
3B相の回折ピークも観察される。また、最適な熱処
理温度と考えられる700℃の場合においては、bcc
−(Fe、Co)相の回折ピークは確認されなかった。
従って、本実験例の薄帯試料においては、少なくともハ
ード磁性相である(Fe、Co)17Sm2相と少なくと
もソフト磁性相である(Fe、Co)20Sm3B相また
は残留する非晶質相との交換結合特性により、磁気特性
が決定されると考えられる。
【0114】次に、(Co0.72Fe0.2881Nb2Sm
125、(Co0.72Fe0.2879Nb 2Sm127及び
(Co0.72Fe0.2880Nb2Sm135なる組成の急冷
薄帯について、示差走査型熱量計(Differential Scann
ing Calorimeter:以下DSCと称す。)により700
K(427℃)〜1100K(827℃)の間のDSC
曲線を測定した。結果を図26に示す。図26では、各
急冷薄帯において、約850K〜950Kの間で2つの
発熱ピーク(図中○印)が観察される。例えば(Co
0.72Fe0.2879Nb2Sm127なる組成の急冷薄帯に
おいて、図26のDSC曲線と図25のX線回折パター
ンを併せて考察すると、図26における約873K(6
00℃)付近の発熱ピークは主に(Fe、Co)17Sm
2相が析出した際の発熱によるものと推定され、約93
0K(657℃)付近の発熱ピークは主に(Fe、C
o)20Sm3B相が析出した際の発熱によるものと推定
される。
【0115】図27には、(Co0.72Fe0.2881Nb
2Sm125及び(Co0.72Fe0.2879Nb2Sm127
なる組成の急冷薄帯を、600〜800℃で3分間熱処
理して得られた薄帯試料の磁気特性を示す。図27に示
すように、熱処理温度700℃において保磁力(iH
c)が極大値を示しており、保磁力(iHc)に関して
は700℃の熱処理温度が最適であることが判る。これ
は、図26の結果と併せて考察すると、熱処理温度70
0℃においてはハード磁性相である(Fe、Co)17
2相が適度に析出して粒成長していることにより硬磁
気特性が良好になったためと考えられる。熱処理温度が
700℃未満及び700℃を越えた場合の保磁力(iH
c)が低い値を示しているが、これは、700℃未満で
は(Fe、Co)17Sm2相の析出量が残留する非晶質
相(ソフト磁性相)よりも少なく充分な硬磁気特性が発
揮されないためであり、700℃を越えると(Fe、C
o)20Sm3B相からなる結晶粒が肥大化して硬磁気特
性が低下するからである。このような保磁力と熱処理温
度との関係は、特に(Co0.72Fe0.2879Nb2Sm
127なる組成の場合に明確である。
【0116】熱処理温度と(Fe、Co)17Sm2相の
結晶粒の大きさの関係については、図25及び図26の
結果からも推測することができる。即ち、(Co0.72
0. 2879Nb2Sm127なる組成の薄帯試料において
は、上述のように657℃付近で発熱ピークが観察され
て(Fe、Co)20Sm3B相が析出していると推定さ
れているが(図26)、図25に示す熱処理温度700
℃での回折パターンにおいては(Fe、Co)20Sm3
B相が観察されていない。従って、700℃未満におい
てソフト磁性相である(Fe、Co)20Sm3B相の結
晶粒は粒径が小さく析出量も少ないと考えられる。一
方、図25に示すように熱処理温度800℃での回折パ
ターンにおいては、(Fe、Co)20Sm3B相の回折
ピークが多数観察されており、(Fe、Co)20Sm3
B相の結晶粒が肥大化して析出量も多いことが容易に推
測され、硬磁気特性の劣化の原因であると考えられる。
【0117】また、図27における残留磁化(Ir)及
び角形比(Ir/Is)は、熱処理温度の上昇と共に徐
々に低下しているもののその変化量は小さく、保磁力
(iHc)よりも熱処理温度の影響が小さい。従って、
残留磁化(Ir)、角形比(Ir/Is)については熱
処理温度500℃よりも700℃の場合がやや低いが、
700℃において保磁力(iHc)が最大値を示すため
に、上述の組成の薄帯試料における最適な熱処理温度は
700℃であると考えられる。
【0118】図28には、(Co0.72Fe0.2881Nb
2Sm125及び(Co0.72Fe0.2879Nb2Sm127
なる組成の各急冷薄帯を700℃で3分間熱処理して微
細結晶質相を析出させて得られた薄帯試料の磁化曲線
(JHループ)を示す。図28の磁化曲線上には、段差
等の特異な変曲点が観察されず、ハード磁性相単相から
なる磁性体と同様な磁化曲線が得られている。この原因
としては、本発明の硬磁性材料にはソフト磁性相とハー
ド磁性相が混在して存在するが、これら微細なソフト磁
性相の磁化回転が、微細なハード磁性相により磁気的に
結合されてハード磁性相に強く拘束されている結果であ
ると考えられる。こうしたハード磁性相単相からなる磁
性体と同様な磁化曲線を示す特性、すなわち交換スプリ
ング型磁石の磁気特性を有していることから、本発明の
硬磁性材料は優れた硬磁気特性を発揮するものである。
【0119】(実験例7)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2898-y-tNb2Smyt(但し、y=1
1〜16原子%、t=3〜9原子%である)なる組成の
急冷薄帯を得た。上記急冷薄帯について、5×10-5
a以下の赤外線イメージ炉中で、昇温速度3K/秒、熱
処理温度(Ta)700℃、保持時間3分の条件で熱処
理することにより、微細な結晶質相が析出されてなる薄
帯試料を得た。これら薄帯試料の組成と、保磁力(iH
c)、残留磁化(Ir)及び最大磁気エネルギー積
((BH)max)との関係を図29及び図30に示す。
【0120】図29に示すように、y+t=18原子%
(SmとBの合計量)を満たす組成の場合に、650k
A/m以上の高い保磁力(iHc)が得られていること
がわかる。このようにBを添加することにより、比較的
低いSm濃度においても高い保磁力が得られることがわ
かる。また、図30に示すように、(Co0.72
0.2898-y-tNb2Smxyにおいて、少なくとも1
3原子%≦y≦15原子%、かつ3原子%≦t≦7原子
%であれば、最大磁気エネルギー積((BH)max)≧
60kJ/m3を得ることができ、11原子%≦y≦1
5原子%、かつ3原子%≦t≦5原子%であれば、≧7
0kJ/m3を得ることができ、優れた硬磁気特性を有
していることがわかる。
【0121】(実験例8)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2879Nb2Sm127なる組成の急冷薄帯
を得た。上記急冷薄帯について、5×10-5Pa以下の
赤外線イメージ炉中で、昇温速度3K/秒、熱処理温度
(Ta)700℃、保持時間3分の条件で熱処理するこ
とにより、微細な結晶質相が析出されてなる薄帯試料を
得た。この薄帯試料について、透過型電子顕微鏡(TE
M)により組織を観察した。図31には組織のTEM写
真を示す。また、図31に示す番号1、2、3の近傍の
原子配列の状態を電子線回折により分析した。結果を図
32〜図34に示す。
【0122】図32〜図34に示す電子線回折の回折ス
ポットの分布形態から明らかなように、番号1及び2の
近傍は結晶質相であり、番号3近傍は非晶質相(非晶質
相3)であることが判る。また、番号1近傍の結晶質相
(結晶質相1)の結晶粒径は約60nmであり、番号2
の結晶質相(結晶質相2)の結晶粒径は約20nmであ
った。結晶質相1が結晶質相2に比較して結晶粒径が大
きいのは、結晶質相1が結晶質相2よりも先に析出した
ためと考えられる。
【0123】ここで、結晶質相1、結晶質相2及び非晶
質相3における組成を、エネルギー分散型X線分析法
(EDS:Energy Dispersive Spectrometry)により分
析した。結果を表2に示す。表2から、結晶質相1及び
2は、共にハード磁性相である(Fe、Co)17Sm2
相であることがわかる。また、結晶質相1及び2と非晶
質相3とを比較すると、Nbが非晶質相3に濃縮されて
いることがわかる。
【0124】
【表2】
【0125】また、(Co0.72Fe0.2881Nb2Sm
125なる組成であること以外は上記と同様にして、薄
帯試料を得た。この薄帯試料について、透過型電子顕微
鏡(TEM)により組織を観察した。図35に組織のT
EM写真を示す。
【0126】電子線回折法により、図35中、番号4及
び番号5を付した部分は結晶質相であり、番号6を付し
た部分は非晶質相であることが判明した。そこで、図3
5中の番号4及び番号5を付した部分について電子線回
折法により組成分析を行ったところ、番号4を付した部
分はbcc−(Co、Fe)からなる結晶質相であり、
番号5を付した部分はSm2(Co、Fe)17からなる
結晶質相であることが判明した。
【0127】以上の結果に基づいて図35のTEM写真
の模式図を作成した。この模式図を図36に示す。本発
明に係る薄帯試料は、Sm2(Co、Fe)17からなる
ハード磁性相と、bcc−(Co、Fe)からなるソフ
ト磁性相と、非晶質相とから構成されることが明らかに
なった。
【0128】(実験例9)実験例1と同様にして、(C
0.72Fe0.2883-xSm12Nbx5、(Co0. 72Fe
0.2881-xSm12Nbx7、(Co0.72Fe0.2880-x
Sm13Nbx7、(但し、x=0〜4原子%)なる組成
の急冷薄帯を得た。上記急冷薄帯について、5×10-5
Pa以下の赤外線イメージ炉中で、昇温速度3K/秒、
熱処理温度(Ta)700℃、保持時間3分の条件で熱
処理することにより、微細な結晶質相を析出させた薄帯
試料を得た。各薄帯試料について、Nb濃度(x)と磁
気特性との関係を図37に示す。図37から明らかなよ
うに、Nbを1〜2原子%添加することにより、硬磁気
特性が向上することがわかる。
【0129】(実験例10)実験例1と同様にして、非
晶質相を主相とする組織からなる種々の組成の急冷薄帯
を得、この急冷薄帯を、ローターミルを用いて大気中で
粉砕することで粉末化した。得られた粉末の中で粒径3
7〜105μmのものを選別して後の工程に原料粉末と
して使用した。次に、原料粉末を、5×10-5Pa以下
の赤外線イメージ炉中で、昇温速度3K/秒、熱処理温
度(Ta)700℃、保持時間3分の条件で熱処理する
ことにより、微細な結晶質相を析出させて、硬磁性合金
粉末を得た。
【0130】得られた硬磁性合金粉末と、エポキシ系樹
脂を混合して混合物とし、この混合物を圧縮成形法及び
射出成形法により固化成形することにより、本発明に係
るバルク状の硬磁性材料を得た。
【0131】圧縮成形法においては、上記の混合物を所
定の金型に充填し、これを500〜530kg/cm2
の圧力で圧縮しつつ、160℃まで加熱して30分保持
し、樹脂を溶融させることにより固化成形した。また、
射出成形法においては、上記の混合物を加熱して混合物
中の樹脂を溶融状態とし、これを所定の金型のキャビテ
ィに向けて射出することにより固化成形した。
【0132】表3及び表4には、得られたバルク状の硬
磁性材料の成形方法、樹脂の含有率、密度及び硬磁気特
性を示す。表3及び表4の保磁力(iHc)を見ると、
Nbを含む硬磁性材料の方が、Zrを含む硬磁性材料よ
りも保磁力(iHc)が高くなっていることがわかる。
【0133】また、表3及び表4において、成形方法と
硬磁性材料中の樹脂の含有率との関係を見ると、射出成
形法よりも圧縮成形法で得られた硬磁性材料の方が樹脂
の含有率が低くなり、硬磁性合金粉末の含有量が高くな
っていることがわかる。また、これに伴って、硬磁性材
料の密度も、射出成形法よりも圧縮成形法で得られた硬
磁性材料の方が、高い密度を示している。これは、射出
成形法の場合、混合物の流動性をある程度高くする必要
があるために樹脂量を多くする必要があるためである。
この結果だけを見ると、圧縮成形法の方が優れているよ
うに見えるが、射出成形法は、短時間で多量の成形体を
形成することが可能であるため、大量生産により適した
方法であるといえる。また、これらの成形方法によれ
ば、硬磁性材料の形状の自由度が高くなると共に欠けや
割れの発生がなく、また加工精度に優れたものとなる。
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】
【0136】(実験例11) [実施例のバルク状の硬磁性材料の製造]実験例1と同
様にして、非晶質相を主相とする組織からなる(Co
0.72Fe0. 2880Sm11Nb27なる組成の急冷薄帯を
得、この急冷薄帯を、ボールミルを用いて大気中で粉砕
することで粉末化した。得られた粉末の中で粒径5〜1
00μmのものを選別して後の工程に原料粉末として使
用した。次に、原料粉末を、窒素ガス雰囲気の電気炉中
で、昇温速度0.17K/秒、熱処理温度(Ta)92
3K(650℃)、保持時間30分の条件で熱処理する
ことにより、微細な結晶質相を析出させて、硬磁性合金
粉末を得た。
【0137】得られた硬磁性合金粉末と、樹脂を混合し
て混合物とし、この混合物を圧縮成形または射出成形法
により固化成形することにより、本発明に係る等方性の
リング状の実施例のバルク状硬磁性材料を得た。なおバ
ルク状の硬磁性材料を製造する際に、樹脂との混合比率
を調整することにより、相対密度を64.8〜76%の
範囲としたものを得た。また比較例として、従来型の等
方性のSmCo系磁石粉末を用い、上記の場合と同様に
して比較例のバルク状の硬磁性材料を得た。また、圧縮
成形は、相対密度が比較的高い硬磁性材料を得るために
用い、射出成形は、相対密度が比較的低い硬磁性材料を
得るために用いた。
【0138】図38に、保磁力(bHc)及び最大磁気
エネルギー積((BH)max)の相対密度依存性を示
す。尚、ここでの保磁力(bHc)は、B−H曲線から
求めたものである。実施例及び比較例の硬磁性材料は共
に、相対密度の増加にあわせて保磁力(bHc)及び最
大磁気エネルギー積((BH)max)が増加しているこ
とがわかる。これは、相対密度の増加により硬磁性合金
粉末の充填密度が高くなって、硬磁性を示す硬磁性合金
粉末の量が増加したため、硬磁気特性を示す指標である
保磁力(bHc)及び最大磁気エネルギー積((BH)
max)が増加したものと考えられる。
【0139】次に図38において、実施例の硬磁性材料
と比較例の硬磁性材料とを比較すると、保磁力(bH
c)に関しては顕著な差が見られない。一方、最大磁気
エネルギー積((BH)max)については、同じ相対密
度で比較した場合に、実施例の硬磁性材料の方が、比較
例の硬磁性材料よりも高くなっていることがわかる。即
ち、実施例の硬磁性材料を構成する硬磁性合金粉末が、
比較例の硬磁性合金粉末よりも最大磁気エネルギー積
((BH)max)について優れていることがわかる。
【0140】次に、射出成形法により長さ10mm、幅
5mm、厚さ3mmの直方体状とすること以外は上記と
同様にして、本発明に係る(Co0.72Fe0.2880Sm
11Nb27なる組成の小型形状部品を製造した。また、
射出成形法により長さ10mm、幅5mm、厚さ3mm
の直方体状とすること以外は上記と同様にして、従来型
の等方性のSmCo系磁石粉末からなる比較例の小型形
状部品を製造した。
【0141】得られた小型形状部品について相対密度を
測定したところ、本発明に係る小型形状部品の相対密度
は64.8%であり、比較例の小型形状部品の相対密度
は57.8%であった。
【0142】また表5に、相対密度64.8%の本発明
の小型形状部品と、相対密度57.8%の比較例の小型
形状部品の各種磁気特性を示す。表5から明らかなよう
に、本発明の小型形状部品については、相対密度がやや
高いために硬磁気特性、特に最大磁気エネルギー積
((BH)max)が高くなっている。よって、本発明の
硬磁性材料粉末を用いることにより、等方性で最大磁気
エネルギー積(BH)maxが高いボンド磁石が得られ
る。
【0143】このように、相対密度並びに(BH)max
が高いボンド磁石が得られたのは、本発明に係る硬磁性
合金粉末が、平均結晶粒径100nm以下の微細な結晶
質相と非晶質相とからなるために、合金粉末を細かく粉
砕しても結晶粒内に歪みが生じることがなく、細かい粉
末を得ることができ、これを用いて射出成形したことに
より粉末の充填密度を高めることができたためである。
【0144】
【表5】
【0145】(実験例12) [硬磁性材料の温度特性]組成が(Co0.72Fe0.28
79Sm12Nb27であること以外は、実験例11と同様
にして、粒径5〜100μmの原料粉末を得た。次に、
この原料粉末を、窒素ガス雰囲気中、昇温速度0.17
K/秒、熱処理温度(Ta)923K(650℃)、保
持時間30分の条件で熱処理することにより、微細な結
晶質相を析出させて、硬磁性合金粉末を得た。
【0146】得られた硬磁性合金粉末と、樹脂を混合し
て混合物とし、この混合物を圧縮成形法により固化成形
することにより、本発明に係る実施例の等方性のバルク
体を得た。このバルク体の形状は、5mm×5mm×5
mmの直方体であり、相対密度は90%であった。また
比較例として、従来型の等方性のSmCo系磁石粉末を
用い、上記の場合と同様にして比較例の異方性のバルク
体を得た。
【0147】得られたバルク体について、293〜42
3K(20〜150℃)の温度で30分間保持し、バル
ク体自体の温度が周囲の温度と同等になったときに、ガ
ウスメータにより磁化を測定し、磁化減少率を求めた。
ここでの磁化減少率は、温度293K(20℃)の時の
磁化を基準としたときの減少率である。図39に、磁化
減少率と温度との関係を示す。図39から明らかなよう
に、実施例のバルク体は、比較例の従来のバルク体と同
等の磁化減少率を示しており、従来のSmCo磁石と同
等の温度特性を有していることがわかる。従って、本発
明によれば、最大磁気エネルギー積((BH)max)が
高く、温度特性に優れた硬磁性材料が得られることがわ
かる。
【0148】(実験例13)Co、Fe、Sm、Nb及
びBを原料としてそれぞれ所定量秤量し、減圧Ar雰囲
気下においてこれらの原料を高周波誘導加熱装置または
アーク放電加熱装置で溶解して、所定の組成のインゴッ
トを作製した。このインゴットをるつぼ内に入れて溶解
し、ノズルから回転しているロールに溶湯を吹き出して
急冷する単ロール法によって、所定の組成の急冷薄帯を
得た。この急冷薄帯を、0.5、1、3、10K/分の
昇温速度で923K(650℃)の熱処理温度までそれ
ぞれ加熱し、5分間保持する条件で熱処理を行った。こ
のようにして、No.1〜No.17の硬磁性合金薄帯を製造
した。
【0149】なお、No.1〜No.10の硬磁性合金薄帯の
組成は、特に比較的遅い昇温速度で熱処理した場合に優
れた硬磁気特性を発揮しうる本発明に係る硬磁性合金粉
末の組成であり、CoaFebNbxSmyztの組成式
で表されるものである。ただし、55原子%≦a≦61
原子%、20原子%≦b≦25原子%、0原子%≦x≦
4原子%、9原子%≦y≦12原子%、z=0原子%、
3原子%≦t≦9原子%、17原子%≦x+y+z+t
≦25原子%である。
【0150】得られた硬磁性合金薄帯について、VSM
(振動試料型磁力計)を用い、残留磁化(Ir)、保磁
力(iHc)及び最大磁気エネルギー積((B
H)max)を測定した。結果を表6〜表9に示す。
【0151】
【表6】
【0152】
【表7】
【0153】
【表8】
【0154】
【表9】
【0155】表6〜表9に示すように、No.1〜No.10
の硬磁性合金薄帯は、0.5〜10K/分の比較的遅い
昇温速度で熱処理されても、1kOe以上の保磁力(i
Hc)と、20kJm-3以上の最大磁気エネルギー積
((BH)max)を示すことがわかる。また残留磁化
(Ir)についても、50emug-1以上の高い値を示して
いる。従って、本発明に係るCoaFebNbxSmyz
tなる組成の急冷薄帯が、10K/分以下の低い昇温
速度で熱処理されても、優れた硬磁気特性を示すことが
明らかになった。
【0156】一般的に、大量の原材料を熱処理する場合
には、比較的遅い昇温速度で熱処理した方が、原材料全
体を均一な温度で熱処理できるとされている。このこと
から、上記組成の硬磁性材料を製造する場合において、
10K/分以下の比較的低い昇温速度で大量の原材料を
熱処理することにより、硬磁気特性が劣化することな
く、しかも均一な硬磁気特性を示す硬磁性材料を大量に
製造することができる。
【0157】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
硬磁性材料は、Coを主成分とし、元素Qと、Smとを
含み、かつ微細な結晶質相と非晶質相からなる硬磁性合
金粉末と、樹脂とが混合されて固化成形されてなるもの
であり、硬磁性合金粉末が樹脂により結着されているの
で、形状の自由度が高く、しかも小型で強力な硬磁性を
有する永久磁石とすることができる。
【0158】また、上述の組成に、Nb、Zr、Ta、
Hf、Mo、W、Ti、Vのうちの1種または2種以上
の元素Mと、Al、Ge、Ga、Ag、Pt、Au、C
uのうちの1種または2種以上の元素Xとのうちの少な
くとも1種以上の元素を含んだ硬磁性合金粉末からなる
硬磁性材料は、非晶質相の形成能を更に高めることがで
きるので、より優れた硬磁気特性を発揮できる。
【0159】また本発明の硬磁性材料を構成する硬磁性
合金粉末は、組織の少なくとも50体積%以上が平均結
晶粒径100nm以下、好ましくは平均結晶粒径50n
m以下の微細な結晶質相であり、更に、組織中に少なく
ともbcc−Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc
−(CoFe)相、固溶原子を含んだD203Q相また
は残留する非晶質相のうちの少なくとも一相を含むソフ
ト磁性相と、少なくとも固溶原子を含んだE217相を
含むハード磁性相との混相状態が形成されたものである
ので、硬磁性材料の硬磁気特性を優れたものとすること
ができる。また、硬磁性材料に、ソフト磁性相とハード
磁性相とのそれぞれのの特性を付与することができる。
【0160】更に上記の硬磁性合金粉末は、従来のSm
Co系磁石材料とは異なり、平均結晶粒径100nm以
下の微細な結晶質相を主体として構成されているため、
細かく粉砕しても結晶粒内に歪みは発生しにくく、粉末
粒径を小さくしても硬磁気特性が劣化することがない。
従って、より粒径が小さな硬磁性合金粉末を硬磁性材料
の原料として用いることができ、これにより硬磁性材料
における硬磁性合金粉末の充填密度を高くできるので、
硬磁性材料の硬磁気特性を、従来のSmCo系ボンド磁
石よりも高くできる。
【0161】また、本発明の硬磁性材料は磁気異方性を
付与することができ、磁気異方性を付与された硬磁性材
料では硬磁気特性が向上するので、例えばモーター等の
用途に用いることができる。
【0162】また、本発明の硬磁性材料は磁気的に等方
性とすることもでき、この等方性を付与された硬磁性材
料では、硬磁気特性が異方性を付与した場合に比べて若
干低下するものの、表面磁束密度のばらつきが極めて小
さくなり、例えばこの硬磁性材料を、極めて高精度が要
求される各種センサの検知部分に用いた場合には、角度
変化等の測定対象の変化に対して極めて安定した出力が
得られるので、表面磁束密度のばらつきが小さいことを
要求する各種センサに用いることができる。また、本発
明の硬磁性材料によれば、従来のSmCo磁石と同等の
温度特性を有するので、作動温度が高い各種磁気応用製
品に用いることができる。
【0163】本発明の硬磁性材料は、下記組成式で表さ
れるものであるので、合金溶湯を急冷した場合には非晶
質相を主相とする合金が容易に得られ、また、これを熱
処理したものは微細な結晶質相を析出することが可能と
なり、優れた硬磁気特性を発揮させることができる。即
ち、(Co 1−f 100−x−y−t Sm (但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Hf、Mo、
W、Ti、Vのうちの1種または2種以上の元素であ
0≦f<0.5、0原子%≦x≦4原子%、5原子
%≦y≦16原子%0.5原子%≦t≦10原子%
5原子%≦x+y≦16原子%である)または、 (Co1−f100−x−y−t−uSm
(但し、Tは、Fe、Niのうちの1種または2種以上
の元素であり、Mは、Nb、Zr、Ta、Hf、Mo、
W、Ti、Vのうちの1種または2種以上の元素であ
Xは、Al、Ge、Ga、Ag、Pt、Au、Cu
のうちの1種または2種以上の元素であり、0≦f<
0.5、0原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y≦16
原子%0.5原子%≦t≦10原子%、0原子%≦u
≦5原子%、5原子%≦x+y≦16原子%である)
【0164】また、上述の組成式において、組成比を示
すfが、0.2≦f<0.5の範囲とした場合には、よ
り優れた硬磁気特性を発揮できる。更に、本発明の硬磁
性材料に、Nbを添加した場合には、硬磁性材料の保磁
力(iHc)を大きくすることができる。
【0165】また、本発明の硬磁性材料を構成する硬磁
性合金粉末は、液体急冷法により製造されるので、非晶
質相を主相とする合金を得ることができ、またこれを熱
処理することで微細な結晶質相を析出させることができ
るので、微細な結晶質相と残留する非晶質相とからなる
ナノ複相組織を容易に形成することができ、硬磁性材料
の硬磁気特性を優れたものとすることができる。
【0166】また、本発明の硬磁性合金粉末は、下記組
成式で示される非晶質相を主相とする急冷薄帯を、0.
5〜40K/分の昇温速度で熱処理して得られたもので
あって、保磁力(iHc)が1kOe以上を示し、最大
磁気エネルギー積((BH)max)が20kJm−3
以上を示すものであるので、硬磁性材料の硬磁気特性を
より向上させることができる。Co Fe Nb Sm 但し55原子%≦a≦61原子%、20原子%≦b≦
25原子%、0原子%≦x≦4原子%、9原子%≦y≦
12原子%3原子%≦t≦9原子%、a+b+x+y
+t=100原子%、17原子%≦x+y+t≦25原
子%である。
【0167】また、樹脂に代えて、金属材料を用いて固
化成形することにより、硬磁性材料自体の強度を高くす
ることができる。
【0168】また、本発明の硬磁性材料は、硬磁性合金
粉末を50体積%以上、より好ましくは60体積%以上
含むので、優れた硬磁気特性を発現させることができ
る。また、硬磁性合金粉末と樹脂を圧縮成形法により固
化成形することにより、硬磁性合金粉末の含有率を高く
することができ、硬磁性材料の硬磁気特性をより優れた
ものとすることができる。更に、硬磁性合金粉末と樹脂
を射出成形法により固化成形することにより、短時間で
多量の成形体を得ることができる。
【0169】本発明の硬磁性材料は、優れた硬磁気特性
を有するので、磁気式センサ、発電機、モータ、アクチ
ュエータ、ロータリーエンコーダ、スピーカ等に好適に
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である発電機を示す正
面図である。
【図2】 図1に示す発電機の磁石を示す斜視図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態である別の発電機を示
す正面断面図である。
【図4】 図3に示す発電機の磁石を示す斜視図であ
る。
【図5】 本発明の実施の形態であるモータを示す斜
視断面図である。
【図6】 図5に示すモータのロータを示す平面断面
図である。
【図7】 (Co0.72Fe0.2898-y-tSmyZr2t
(但し、y=6、8、10、12、14、16、t=
3、5、7、9、11)なる組成の急冷薄帯の組織の状
態及び保磁力(iHc)を示す図である。
【図8】 (Co0.72Fe0.2898-y-tSmyNb2t
(但し、y=8、10、12、14、16、t=3、
5、7、9)なる組成の急冷薄帯の組織の状態及び保磁
力(iHc)を示す図である。
【図9】 (Co0.72Fe0.2883Sm10Nb25
(Co0.72Fe0.2881Sm10Nb27及び(Co0.72
Fe0.2879Sm10Nb29なる組成の薄帯試料の磁化
(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図10】 (Co0.72Fe0.2883Sm10Zr
25、(Co0.72Fe0.2 881Sm10Zr27及び(C
0.72Fe0.2879Sm10Zr29なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図11】 (Co0.72Fe0.2881Sm12Nb
25、(Co0.72Fe0.2 879Sm12Nb27及び(C
0.72Fe0.2877Sm12Nb29なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図12】 (Co0.72Fe0.2881Sm12Zr
25、(Co0.72Fe0.2 879Sm12Zr27及び(C
0.72Fe0.2877Sm12Zr29なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図13】 (Co0.72Fe0.2885Sm8Zr25
(Co0.72Fe0.2883Sm8Zr27なる組成の薄帯
試料の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(I
r/I1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を
示す図である。
【図14】 (Co0.72Fe0.2879Sm14Zr
25、(Co0.72Fe0.2 877Sm14Zr27及び(C
0.72Fe0.2875Sm14Zr29なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図15】 (Co0.72Fe0.2883Sm125、(C
0.72Fe0.2881Sm12Nb25及び(Co0.72Fe
0.2879Sm12Nb45なる組成の薄帯試料の磁化(I
1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/I1.5)、保
磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す図である。
【図16】 (Co0.72Fe0.2881Sm127、(C
0.72Fe0.2879Sm12Nb27及び(Co0.72Fe
0.2877Sm12Nb47なる組成の薄帯試料の磁化(I
1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/I1.5)、保
磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す図である。
【図17】 (Co0.72Fe0.2879Sm12Nb
27、(Co0.66Fe0.3 479Sm12Nb27及び(C
0.60Fe0.4079Sm12Nb27なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図18】 (Co0.72Fe0.2881Sm12Nb
25、(Co0.66Fe0.3 481Sm12Nb25及び(C
0.60Fe0.4081Sm12Nb25なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、角形比(Ir/
1.5)、保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す
図である。
【図19】 (Co0.72Fe0.2877Sm12Zr29
なる組成の急冷薄帯を650〜850℃で熱処理して得
られた薄帯試料のX線回折を測定した結果を示す図であ
る。
【図20】 (Co0.72Fe0.2881Sm12Nb25
なる組成の急冷薄帯を600〜800℃で熱処理して得
られた薄帯試料のX線回折を測定した結果を示す図であ
る。
【図21】 (Co1-fFef86-ySm12Nb2
y(y=5、7)なる組成の薄帯試料の磁化(I1.5)、
残留磁化(Ir)、保磁力(iHc)のFe濃度(f)
の依存性を示す図である。
【図22】 (Co0.72Fe0.2888-x-ySm12Nbx
y(y=5、7)なる組成の薄帯試料の磁化
(I1.5)、残留磁化(Ir)、保磁力(iHc)のN
b濃度(x)の依存性を示す図である。
【図23】 (Co0.72Fe0.2898-x-ySmyNb2
x(y=8、10、12)なる組成の薄帯試料の磁化
(I1.5)、残留磁化(Ir)、保磁力(iHc)のB
濃度(x)の依存性を示す図である。
【図24】 (Co0.72Fe0.2898-x-ySmyNb2
x(y=8、10、12、14)なる組成の薄帯試料
の磁化(I1.5)、残留磁化(Ir)、保磁力(iH
c)のB濃度(x)の依存性を示す図である。
【図25】 (Co0.72Fe0.2879Nb2Sm127
なる組成の薄帯試料のX線回折分析の結果を示す図であ
る。
【図26】 (Co0.72Fe0.2881Nb2Sm
125、(Co0.72Fe0.2 879Nb2Sm127及び
(Co0.72Fe0.2880Nb2Sm135なる組成の急冷
薄帯のDSC曲線を示す図である。
【図27】 (Co0.72Fe0.2881Nb2Sm125
及び(Co0.72Fe0 .2879Nb2Sm127なる組成の
薄帯試料の残留磁化(Ir)、角形比(Ir/Is)及
び保磁力(iHc)の熱処理温度依存性を示す図であ
る。
【図28】 (Co0.72Fe0.2881Nb2Sm125
及び(Co0.72Fe0 .2879Nb2Sm127なる組成の
薄帯試料の磁化曲線(J−Hループ)を示す図である。
【図29】 (Co0.72Fe0.2898-y-tNb2Smy
t(但し、y=11〜16原子%、t=3〜9原子
%)なる組成の薄帯試料の保磁力(iHc)及び残留磁
化(Ir)を示す図である。
【図30】 (Co0.72Fe0.2898-y-tNb2Smy
t(但し、y=11〜16原子%、t=3〜9原子
%)なる組成の薄帯試料の最大磁気エネルギー積((B
H)max)を示す図である。
【図31】 (Co0.72Fe0.2879Nb2Sm127
なる組成の薄帯試料の透過型電子顕微鏡(TEM)写真
である。
【図32】 図31における結晶質相1の電子線回折
の結果を示す図である。
【図33】 図31における結晶質相2の電子線回折
の結果を示す図である。
【図34】 図31における非晶質相3の電子線回折
の結果を示す図である。
【図35】 (Co0.72Fe0.2881Nb2Sm125
なる組成の薄帯試料の透過型電子顕微鏡(TEM)写真
である。
【図36】 図35に示した透過型電子顕微鏡(TE
M)写真の模式図である。
【図37】 (Co0.72Fe0.2883-xSm12Nbx
5、(Co0.72Fe0 .2881-xSm12Nbx7及び(C
0.72Fe0.2880-xSm13Nbx7なる組成の薄帯試
料の残留磁化(Ir)、角形比(Ir/I1.5)及び保
磁力(iHc)のNb濃度依存性を示す図である。
【図38】 (Co0.72Fe0.2880Sm11Nb27
なる組成の急冷薄帯の保磁力(bHc)及び最大磁気エ
ネルギー積((BH)max)の相対密度依存性を示す図
である。
【図39】 (Co0.72Fe0.2879Sm12Nb27
なる組成のバルク体の磁化減少率と温度との関係を示す
図である。
【符号の説明】
11 発電機 12 磁石(硬磁性材料) 14 コイル(巻線) 20 磁心 21 発電機 22 磁石(硬磁性材料) 24 固定子(磁心及び巻線) 31 モータ 33 ステータ 34 ロータ 38 磁石(硬磁性材料)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 19/07 C22C 19/07 E C22F 1/10 C22F 1/10 F H01F 1/06 H01F 1/08 A 1/08 H02K 1/02 A H02K 1/02 21/14 G 21/14 35/02 35/02 37/14 535Z 37/14 535 C22F 1/00 B // C22F 1/00 608 608 621 621 660D 660 682 682 691B 691 H01F 1/06 A (72)発明者 木村 弘之 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アル プス電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−143641(JP,A) 特開 平4−143240(JP,A) 特開 平9−316565(JP,A) 特開 昭64−7502(JP,A) 特開 昭55−124206(JP,A) 特開 昭56−29639(JP,A) 特開2000−216015(JP,A) 特開2001−50935(JP,A) 特開2000−348936(JP,A) 特開2000−147079(JP,A) 特開2000−3808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/00 - 1/117,10/16 C22C 45/00 - 45/10

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織中に平均結晶粒径50nm以下の微
    細な結晶質相が少なくとも50体積%以上含まれ、残部
    が非晶質相であり、更に組織中にソフト磁性相とハード
    磁性相との混相状態が形成され、前記ソフト磁性相がb
    cc−Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc−(C
    oFe)相、固溶原子を含んだD20B相または残
    留非晶質相のうちの少なくとも一つからなり、前記ハー
    ド磁性相が固溶原子を含んだE17相からなり、下
    記組成式で表される硬磁性合金粉末と、樹脂とが混合さ
    れて固化成形されてなることを特徴とする硬磁性材料。 (Co1−f100−x−y−tSm 但し、Dは、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種
    または2種以上の元素であり、EはSmであり、Tは、
    Fe、Niのうちのいずれか一方若しくは両方であり、
    Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの1種または2種
    以上の元素であり、組成比を示すf、x、y、tは、0
    ≦f<0.5、0原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y
    ≦16原子%、0.5原子%≦t≦10原子%、5原子
    %≦x+y≦16原子%である。
  2. 【請求項2】 組織中に平均結晶粒径50nm以下の微
    細な結晶質相が少なくとも50体積%以上含まれ、残部
    が非晶質相であり、更に組織中にソフト磁性相とハード
    磁性相との混相状態が形成され、前記ソフト磁性相がb
    cc−Fe相、bcc−(FeCo)相、fcc−(C
    oFe)相、固溶原子を含んだD20B相または残
    留非晶質相のうちの少なくとも一つからなり、前記ハー
    ド磁性相が固溶原子を含んだE17相からなり、下
    記組成式で表される硬磁性合金粉末と、樹脂とが混合さ
    れて固化成形されてなることを特徴とする硬磁性材料。 (Co1−f100−x−y−t−uSm
    但し、Dは、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種
    または2種以上の元素であり、EはSmであり、Tは、
    Fe、Niのうちのいずれか一方若しくは両方であり、
    Mは、Nb、Zr、Ta、Moのうちの1種または2種
    以上の元素であり、Xは、Al、Ge、Ga、Ag、P
    t、Au、Cuのうちの1種または2種以上の元素であ
    り、組成比を示すf、x、y、t、uは、0≦f<0.
    5、0原子%≦x≦4原子%、5原子%≦y≦16原子
    %、0.5原子%≦t≦10原子%、0原子%≦u≦5
    原子%、5原子%≦x+y≦16原子%である。
  3. 【請求項3】 前記組成比を示すfが、0.2≦f<
    0.5の範囲であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の硬磁性材料。
  4. 【請求項4】 Nbを必ず含むことを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の硬磁性材料。
  5. 【請求項5】 前記硬磁性合金粉末が、液体急冷法によ
    り製造されたものであることを特徴とする請求項1〜請
    求項4のいずれかに記載の硬磁性材料。
  6. 【請求項6】 前記硬磁性合金粉末が、600〜800
    ℃で熱処理されたものであることを特徴とする請求項1
    〜請求項5のいずれかに記載の硬磁性材料。
  7. 【請求項7】 前記硬磁性合金粉末は、下記の組成の急
    冷薄帯が0.5〜40K/分の昇温速度で熱処理されて
    得られたものであって、保磁力(iHc)が1kOe以
    上、最大磁気エネルギー積((BH)max)が20k
    Jm−3以上のものであることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の硬磁性材料。Co Fe Nb Sm 但し、55原子%≦a≦61原子%、 20原子%≦b≦
    25原子%、0原子%≦x≦4原子%、9原子%≦y≦
    12原子%、3原子%≦t≦9原子%、a+b+x+y
    +t=100原子%、17原子%≦x+y+t≦25原
    子%である。
  8. 【請求項8】 前記硬磁性合金粉末が、600〜700
    ℃で熱処理されたものであることを特徴とする請求項7
    に記載の硬磁性材料。
  9. 【請求項9】 1.5Tの印加磁場中及び真空中で室温
    における磁化をI1.5)とし、残留磁化をIrとした
    場合に、前記硬磁性合金粉末の角形比(Ir/
    1.5)が0.7以上であることを特徴とする請求項
    7または請求項8に記載の硬磁性材料。
  10. 【請求項10】 前記樹脂に代えて金属材料を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の
    硬磁性材料。
  11. 【請求項11】 前記硬磁性合金粉末が50体積%以上
    含まれたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれ
    かに記載の硬磁性材料。
  12. 【請求項12】 前記硬磁性合金粉末が60体積%以上
    含まれたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれ
    かに記載の硬磁性材料。
  13. 【請求項13】 圧縮成形法により固化成形されたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の硬
    磁性材料。
  14. 【請求項14】 射出成形法により固化成形されたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の硬
    磁性材料。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のいずれか
    に記載の硬磁性材料からなる磁石と、前記磁石の磁束に
    より電圧が誘起されて電流が流れる巻線とを備えてなる
    ことを特徴とする発電機。
  16. 【請求項16】 ロータとステータとを備えてなり、前
    記ロータまたは前記ステータのいずれか一方に、請求項
    1ないし請求項14のいずれかに記載の硬磁性材料が備
    えられたことを特徴とするモータ。
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