JP3425240B2 - 弾性舗装構造体の施工法 - Google Patents

弾性舗装構造体の施工法

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JP3425240B2
JP3425240B2 JP24811294A JP24811294A JP3425240B2 JP 3425240 B2 JP3425240 B2 JP 3425240B2 JP 24811294 A JP24811294 A JP 24811294A JP 24811294 A JP24811294 A JP 24811294A JP 3425240 B2 JP3425240 B2 JP 3425240B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸上競技場,テニスコ
ート,運動場,校庭等に使用される優れた弾力性および
透水性を備える弾性舗装構造体の施工法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゴム等の弾性体を用いた弾性
舗装構造体は、土のグランド等と比較してメンテナンス
が殆ど必要ないことから、陸上競技場やテニスコート等
において、積極的に利用されている。このような弾性舗
装構造体としては、例えば、ゴム粒子を合成樹脂バイン
ダーで結合させたものがあげられる(特開昭62−27
3306号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この弾性舗装
構造体は、合成樹脂バインダーがゴム粒子間を隙間なく
埋めているため土のグランドのような透水性がないとい
う問題がある。したがって、上記ゴム粒子を使用した弾
性舗装構造体は、水はけが悪く、雨等により、容易に水
たまりが発生する。また、この弾性舗装構造体は、一般
に、アスファルトコンクリート(以下「アスコン」とい
う)等の下地基盤上に施工されるが、夏期等の高温条件
において、下地基盤中の水分が気化して発生する水蒸気
が、弾性舗装構造体外部に放出されないため、下地基盤
と弾性舗装構造体の間に滞留するようになり、この滞留
により、弾性舗装構造体が膨れてしまい、その表面に凹
凸が発生する。このような表面に凹凸が発生した弾性舗
装構造体は、競技中の選手等の転倒事故が発生するおそ
れがあるため、テニスコートやグラウンド等としての使
用に支障が生じるようになる。さらに、この弾性舗装構
造体は、合成樹脂バインダーとして水系エマルジョンタ
イプのものを使用した場合、その施工に長期間(約4〜
7日)を要するという問題がある。これは、水系エマル
ジョンタイプの合成樹脂バインダーの乾燥に時間がかか
るからである。
【0004】上記ゴム粒子を使用した弾性舗装構造体の
透水性や膨れの問題を解決する方法として、上記ゴム粒
子間に空隙を設けることが考えられる(例えば、特開昭
61−286403号公報、実開昭53−107029
号公報等)。このように、ゴム粒子間に空隙を設けるこ
とにより、この空隙を通じて、雨等による水が弾性舗装
構造体表面から容易に排出され、またアスコン等の下地
基盤から発生する水蒸気も外部に放出されるようにな
る。しかしながら、このような空隙を有する改良弾性舗
装構造体において、その透水性や水蒸気放出能は、永続
的なものではなく、経時的にこれらの性能が低下してく
る。これは、上記空隙に、砂等の異物が入り込み、空隙
を塞いでしまうからである。したがって、この空隙を有
する弾性舗装構造体の透水性や水蒸気放出能は、施工当
初の極めて短い期間に限られる。また、この空隙を有す
る弾性舗装構造体において、施工期間の短縮も充分なも
のではない。すなわち、ゴム粒子間に空隙を形成する必
要性から、使用する合成樹脂バインダーの使用量も少な
くなるため、これの乾燥に要する時間も短縮化されるよ
うになる。しかしながら、合成樹脂バインダーの使用量
の減少は、同時にゴム粒子間の結合力の低下を招くた
め、合成樹脂バインダーの使用量の低下も一定の限界が
あり、したがって、施工期間の短縮にも一定の限界が生
ずるようになる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた弾性を有し、透水性の経時的な低下や膨
れが発生せず、施工期間が短い弾性舗装構造体の施工法
の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明弾性舗装構造体の施工法、基盤面上に、
直接またはプライマー層を介して多数の弾性体粒子を分
布させ、この分布面に対しバインダーを塗工して下記
(A)の弾性体粒子下層を形成し、この弾性体粒子下層
の層上に、上記弾性体粒子の平均粒径より小さい平均粒
径の多数の弾性体粒子を分布させ、この分布面に対しバ
インダーを塗工して下記(B)の弾性体粒子上層を形成
するという構成をとる。(A)ある弾性体粒子の一部とこれと隣合う弾性体粒子
の一部とがバインダーに より結合し弾性体粒子間に空隙
が形成されている弾性体粒子下層。 (B)ある弾性体粒子の一部とこれと隣合う弾性体粒子
の一部とがバインダーに より結合し弾性体粒子間に空隙
が形成され、上記弾性体粒子の平均粒径が、 上記(A)
の弾性体粒子下層の弾性体粒子の平均粒径より小さい弾
性体粒子 上層。
【0007】
【作用】すなわち、本発明の弾性舗装構造体の施工法で
は、基盤面上に、弾性体粒子下層および弾性体粒子上層
を順次積層形成するに際し、各層とも、多数の弾性体粒
子を分布させた後、この分布面に対しバインダーを塗工
し、弾性体粒子相互をバインダーで部分的に結合させ
ことにより層形成を行っている。これにより、各層を厚
く形成する際であっても、上記弾性体粒子の分布および
バインダーの塗工を数回繰り返し行うことによって、バ
インダーの乾燥に要する時間が短くなる。しかも、各層
には、所定の大きさの空隙が形成され、上記空隙を通
じ、バインダーの揮発成分が揮発するため、このことに
よってもバインダーの乾燥に要する時間が短くなる。そ
して、この弾性舗装構造体は、上記弾性体粒子上層の弾
性体粒子の平均粒径が、上記弾性体粒子下層の弾性体粒
子の平均粒径より小さいという関係にある。したがっ
て、上記弾性体粒子上層に形成される空隙は小さく形成
され、これとは逆に、上記弾性体粒子下層に形成される
空隙は大きく形成される。このような構成をとることに
より、砂等の異物が、上記弾性体粒子上層から弾性体舗
装構造体の空隙に侵入しても、この異物は、弾性体粒子
上層から弾性体粒子下層に速やかに移行し、さらに、弾
性舗装構造体の下地基板(例えば、アスコン)等に排出
されるようになる。このため、弾性舗装構造体の空隙が
目詰まりを起こすことがなくなる。また、上記のよう
に、表層である弾性体粒子上層の空隙が小さく形成され
ているため、この弾性舗装構造体は、表層の構造強度が
向上するようになる
【0008】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】図1に、本発明に係る弾性舗装構造体の一
例の断面図を示す。図示のように、本発明に係る弾性舗
装構造体は、基盤1面上に、必要に応じてプライマー層
4を介して特殊な弾性体粒子下層2(A)が形成され、
この弾性体粒子下層2(A)の層上に特殊な弾性体粒子
上層3(B)が積層形成されたものである。なお、同図
において、5は、弾性粒子下層2の構成要素である弾性
粒子を示し、6は、弾性粒子上層3の構成要素である弾
性体粒子である。
【0010】上記基盤1としては、その種類は特に制限
するものではなく、例えば、アスコン,セメントコンク
リート,モルタルがあげられる。
【0011】そして、上記プライマー層4は、アスコン
等の基盤1と弾性体粒子下層2(A)とを強固に接着さ
せるために形成されるものである。このプライマー層4
の形成に用いられるプライマーとしては、一般に水性プ
ライマーが使用され、例えば、ポリウレタン,エポキシ
樹脂,アクリル酸エステル共重合体,スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR),エチレン−酢酸ビニル共重合体,
ポリアミド,ポリエステル等のエマルジョンまたはラテ
ックスがあげられる。これらは単独であるいは2種類以
上併用することが可能である。このなかで、通常、ポリ
ウレタン樹脂やエポキシ樹脂の樹脂液が使用される。
【0012】上記ポリウレタン樹脂液としては、例え
ば、遊離のイソシアネート基を有するポリエーテルウレ
タンプレポリマーをあげることができる。これは、少な
くとも2個の水酸基を有する平均分子量400〜400
0のポリアルキレンエーテルポリオールと、芳香族ポリ
イソシアネートとを付加反応させて得ることができる。
【0013】一方、上記エポキシ樹脂液としては、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂と、ポリアミドを主成分と
する硬化剤とからなるものがあげられる。
【0014】つぎに、上記特殊な弾性体粒子下層2
(A)は、ある弾性体粒子5の一部とこれと隣合う弾性
体粒子5の一部とがバインダーにより結合し弾性体粒子
5間に空隙が形成されているものである。
【0015】上記弾性体粒子としては、例えば、ゴム粒
子があげられる。このゴム粒子の種類としては、SB
R,ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),ポリウレタ
ンゴム,エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム粒子、
天然ゴム粒子があげられる。これらは、単独であるいは
2種類以上併用することができる。このなかでも、耐候
性,耐摩耗性等の特性が優れるという理由から、ポリウ
レタンゴム,エチレン−プロピレンゴムを使用すること
が好ましい。
【0016】また、この弾性体粒子の平均粒径は、通
常、2〜10mm、好ましくは4〜8mm、特に好まし
くは4〜6mmの範囲である。すなわち、2mm未満で
あると、弾性体粒子下層2の空隙が小さくなりすぎるお
それがあり、逆に、10mmを超えると弾性舗装構造体
の厚みが必要以上に厚くなるおそれがあるからである。
【0017】一方、上記バインダーとしては、合成樹脂
バインダーがあげられ、例えば、ポリウレタン樹脂,エ
ポキシ樹脂等の樹脂液や、ビニルウレタンエマルジョ
ン,アクリルウレタンエマルジョン,アクリル樹脂エマ
ルジョン等のエマルジョンあるいはSBRラテックス等
のゴムラテックスをあげることができる。通常は、ポリ
ウレタン樹脂液が使用される。このポリウレタン樹脂液
としては、前述したような、遊離のイソシアネート基を
有するポリエーテルウレタンプレポリマーをあげること
ができる。また、エマルジョンタイプのバインダーは、
コストが低いため、この使用により、得られる弾性舗装
構造体のコスト低減に寄与することが可能となる。
【0018】また、上記バインダーの配合割合は、その
種類により適宜決定されるものであるが、通常、乾燥重
量換算で、上記弾性体粒子100重量部(以下「部」と
略す)に対して、15〜40部の範囲であり、好ましく
は、20〜30部の範囲である。すなわち、15部未満
であると、弾性体粒子相互の結合力が不充分となるおそ
れがあり、逆に、40部を超えて配合すると、弾性体粒
子下層に空隙が形成されないおそれがあるからである。
【0019】つぎに、上記特殊な弾性体粒子上層3
(B)は、ある弾性体粒子6の一部とこれと隣合う弾性
体粒子6の一部とがバインダーにより結合し弾性体粒子
6間に空隙が形成され、かつ上記弾性体粒子6の平均粒
径が、上記弾性体粒子下層2(A)の弾性体粒子5の平
均粒径より小さいものである。
【0020】上記弾性体粒子としては、ゴム粒子があげ
られ、このゴム粒子の種類やその好適例は、上記弾性体
粒子下層(A)と同様である。しかし、この弾性体粒子
の平均粒径は、上記弾性体粒子下層(A)の弾性体粒子
の平均粒径より小さい必要がある。このように、平均粒
径が下層(A)の弾性体粒子より小さい弾性体粒子を使
用することにより、上記弾性体粒子上層(B)に形成さ
れる空隙が、上記(A)の弾性体粒子下層の空隙より微
細なものとなる。
【0021】上記弾性体粒子上層(B)の弾性体粒子の
平均粒径は、通常、1〜4mmであり、好ましくは2〜
4mm、特に好ましくは、2〜3mmである。すなわ
ち、1mm未満であると、形成される空隙が必要以上に
小さくなりすぎて、得られる弾性舗装構造体の透水性が
劣るおそれがあるからである。また逆に、4mmを超え
ると、得られる弾性舗装構造体の表層の耐摩耗性が低下
するおそれがあり、また美観を損ねるおそれもあるから
である。
【0022】そして、上記弾性体粒子上層(B)のバイ
ンダーおよびその好適例は、前述した下層(A)のバイ
ンダーと同様である。また、その配合割合も種類等によ
り適宜決定されるものであるが、通常、乾燥重量換算
で、弾性体粒子100部に対し、15〜40部、好まし
くは20〜30部、特に好ましくは20〜25部であ
る。すなわち、15部未満であると、弾性体粒子相互の
結合力が不充分となるおそれがあり、逆に、40部を超
えて配合すると、弾性体粒子上層に空隙が形成されない
おそれがあるからである。
【0023】このように、本発明に係る弾性舗装構造体
は、平均粒径が異なる2種類の弾性体粒子を用い、大き
い平均粒径の弾性体粒子で弾性体粒子下層を形成し、こ
の層上に、小さい平均粒径の弾性体粒子で弾性体粒子上
層を形成したものである。この構成を、詳しく説明する
と、図2(図1のY部の拡大断面図)に示すように、弾
性体粒子下層2および弾性体粒子上層3において、それ
ぞれ弾性体粒子5,6が、バインダー7により部分的に
結合され、弾性体粒子5,6の各粒子間に空隙8a,8
bが形成されている。この空隙8a,8bは、それぞれ
の弾性体粒子5,6の平均粒径の相違により、弾性体粒
子下層2の空隙8aは大きく形成され、これとは逆に、
弾性体粒子上層3の空隙8bは、小さく形成されてい
る。このような構成をとることにより、砂等の異物が、
弾性舗装構造体内に浸入した際は、この異物が弾性体粒
子上層から弾性体粒子下層へ速やかに移行し、さらに弾
性舗装構造体外(例えば、アスコン)へ排出される。こ
のため、本発明に係る弾性舗装構造体は、空隙の目詰ま
りが発生しなくなり、経時的な透水性や水蒸気放出能の
低下がなく、優れた性能を長期間維持できるものとな
。また、この構成の他の効果としては、弾性舗装構造
体表面へのノンスリップ性の付与があげられる。これ
は、表層となる弾性体粒子上層3に、平均粒径が小さい
弾性体粒子を使用しているため、弾性舗装構造体の表面
において、微細な凹凸が多数形成されて滑り抵抗が高く
なるからである。しかも、この滑り抵抗は、表面が濡れ
た状態の湿潤時でも低下しないものである。また、平均
粒径が小さい弾性体粒子をバインダーで結合する場合
は、平均粒径が大きい弾性体粒子を結合させる場合と比
較して、弾性体粒子の結合に関与する面積が大きくなる
ため、上記弾性体粒子上層3において弾性体粒子相互が
強固に結合し強度が高くなる。この結果、弾性舗装構造
体の耐久性が向上するようになり、特に表層の耐摩耗性
が優れるようになる。また、弾性体粒子間の空隙が大き
いと、弾性体粒子自身の弾性に加え、この空隙によって
も弾性が発現するため、上記弾性体粒子下層2の弾性は
極めて優れたものとなっている。したがって、強度が高
い弾性体粒子上層3を表層とし、優れた弾性を有する弾
性体粒子下層2をベース層とする本発明に係る弾性舗装
構造体は、これら強度と弾性の両特性に優れたものとな
る。
【0024】このような本発明に係る弾性舗装構造体に
おいて、全体の厚みや各層の厚みは、用途により適宜決
定されるものである。ここで、一般的な、厚みを例示す
ると、プライマー層の厚みは、通常、0.1〜0.3m
m、好ましくは0.15〜0.2mm、弾性体粒子下層
の厚みは、通常、2〜20mm、好ましくは5〜10m
m、弾性体粒子上層の厚みは、通常、1〜8mm、好ま
しくは2〜5mm、そして、弾性舗装構造体全体の厚み
は、通常、3〜25mm、好ましくは8〜15mmであ
る。
【0025】また、本発明に係る弾性舗装構造体の空隙
率は、20〜40体積%に設定される必要があり、好ま
しくは25〜40体積%、特に好ましくは、約30体積
%である。また、本発明に係る弾性舗装構造体の透水性
は、上記空隙率と密接に関連するものであるが、具体的
には、下記に示す方法で測定した場合、通常、1(分/
10cm角・1リットル)以下であり、好ましくは20
〜30(秒/10cm角・1リットル)である。なお、
上記空隙率および透水性は、弾性体粒子の大きさとバイ
ンダーの配合割合により調整することが可能である。
【0026】〔透水性〕 図3に示すように、一辺の長さが10cmの正方形を内
形状とする正方形管状体10を、弾性舗装構造体9の弾
性体粒子上層3の上に立て、正方形管状体10と弾性舗
装構造体9との接触部を水密にシールする。2は、弾性
体粒子下層である。この状態で、上記正方形管状体10
の上端口から、1リットルの水を瞬時に投入し、透水時
間(弾性舗装構造体表面から水が消失する時間)を測定
する。この透水時間の長短により透水性(時間/10c
m角・1リットル)を評価する。
【0027】つぎに、本発明の弾性舗装構造体の施工法
について説明する。
【0028】本発明に係る弾性舗装構造体は、例えば、
つぎのようにして施工される。すなわち、まず、基盤面
上に、必要に応じてプライマー層を形成する。このプラ
イマー層は、前述のプライマーを、基盤面上に塗布する
ことにより形成することができる。また、このプライマ
ーの塗布の割合は、通常、0.1〜1kg/m2 、好ま
しくは0.2〜0.5kg/m2 である。そして、この
プライマー層を介して、または、直接基盤面上に、多数
の弾性体粒子を分布させる。この弾性体粒子の分布は、
通常、2〜5kg/m2 、好ましくは3〜4kg/m2
である。そして、この弾性体粒子の分布面に対しバイン
ダーを塗工する。このバインダーの塗工は、特に制限す
るものではなく、吹きつけ塗工(スプレー)や刷毛塗り
等があげられるが、塗工効率の観点から吹きつけ塗工が
好ましい。そして、塗工されたバインダーを、例えば、
自然乾燥や風乾により乾燥させ、弾性体粒子下層を形成
する。つぎに、この弾性体粒子下層の層上に、多数の弾
性体粒子を分布させる。この弾性体粒子の分布は、通
常、2〜5kg/m2 、好ましくは3〜4kg/m2
ある。そして、この弾性体粒子の分布面に対しバインダ
ーを塗工する。このバインダーの塗工も、前述と同様
に、吹きつけ塗工(スプレー)や刷毛塗り等があげられ
るが、塗工効率の観点から吹きつけ塗工が好ましい。そ
して、塗工されたバインダーを、自然乾燥や風乾等によ
り乾燥させ、弾性体粒子上層を形成する。このようにし
て、本発明に係る弾性舗装構造体を施工することができ
る。
【0029】また、上記弾性体粒子下層および弾性体粒
子上層の形成において、弾性体粒子の分布およびバイン
ダーの塗工が1回の場合を説明したが、これに限るもの
ではない。すなわち、弾性体粒子下層および弾性体粒子
上層のそれぞれの形成工程において、上記弾性体粒子の
分布およびバインダーの塗工を数回繰り返し行ってもよ
い。このようにすることにより、弾性体粒子下層および
弾性体粒子上層が、それぞれ多層構造となり、全体厚み
が厚い弾性舗装構造体を施工することができるようにな
る。この場合、弾性舗装構造体の全体厚みは、約10〜
25mmの範囲である。
【0030】そして、上記弾性体粒子上層の形成におい
て、カラー(色付)弾性体粒子を使用したり、顔料や着
色剤を併用することにより、カラー舗装をすることがで
きるようになる。上記カラー弾性体粒子としては、例え
ば、ウレタンゴム,EPDM等があげられ、上記顔料等
としては、例えば、ベンガラ,クロム酸鉛等があげられ
る。そして、この顔料等の配合割合は、特に制限するも
のではなく、カラー舗装の用途等により適宜決定するも
のである。
【0031】さらに、本発明に係る弾性舗装構造体の耐
久性等をさらに向上させる目的で、弾性体粒子上層の層
上にトップコート層を形成してもよい。このトップコー
ト層は、トップコート剤を、弾性体粒子上層の層上に塗
工することにより形成することができる。このトップコ
ート剤としては、例えば、アクリルウレタン,アクリル
エマルジョンがあげられる。そして、このトップコート
剤は、弾性体粒子上層に使用されるバインダーの種類に
応じて適宜選択することが好ましい。例えば、弾性体粒
子上層のバインダーが水系エマルジョンである場合は、
水系のアクリルエマルジョンのトップコート剤を使用す
ることが好ましく、また弾性体粒子上層のバインダーが
ウレタンバインダーである場合は、アクリルウレタンの
トップコート剤を使用することが好ましい。また、トッ
プコート層の厚みは、通常、0.1〜0.3mm、好ま
しくは0.15〜0.2mmである。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の弾性舗装構造体
の施工法は、平均粒径が異なる2種類の弾性体粒子を用
い、大きい平均粒径の弾性体粒子を基盤上に分布させ、
その後、この粒子の分布面に対しバインダーを塗工する
ことによって弾性体粒子下層を形成し、さらにこの上か
ら、小さい平均粒径の弾性体粒子を分布させ、その後、
この分布面に対しバインダーを塗工することによって
性体粒子上層を積層形成することによりなされる。その
ため、各層を厚く形成する際であっても、上記弾性体粒
子の分布およびバインダーの塗工を数回繰り返し行うこ
とによって、バインダーの乾燥が促され、その結果、施
工時間が短くなる。しかも、各層には、所定の大きさの
空隙が形成され、上記空隙を通じ、バインダーの揮発成
分が揮発するため、このことによってもバインダーの乾
燥に要する時間が短くなる。これらのことから、本発明
の弾性舗装構造体の施工法は、約1日の短期間施工であ
り、かつ簡単な方法である。さらに、本発明の施工法
おいて、バインダーとして低コストのエマルジョンタイ
プのものを使用すれば、弾性舗装構造体のコストも大幅
に引き下げることが可能となる。
【0033】つぎに、実施例について説明する。
【0034】
【実施例】粒度アスコン(下地基盤)上に、プライマ
ーとして不揮発成分50%のSBRラテックス(Nip
ol−LX470A,日本ゼオン社製)を300g/m
2の割合で均一に塗布した。そして、この上に、平均粒
径5mmのSBRゴムチップを3kg/m2 の割合で広
げ(分布させ)、この分布面対し、バインダーである不
揮発成分50%のSBRラテックス(Nipol−LX
426,日本ゼオン社製)を、1.5Kg/m2 の割合
でスプレーにより均一に塗布した。そして、約2時間か
けて上記バインダーを自然乾燥させた後、再度、上記ゴ
ムチップの分布とバインダーの塗布を行った後、約2時
間かけて上記バインダーを自然乾燥させて弾性体粒子下
層(2層構造)を形成した。つぎに、平均粒径3mmの
EPDMカラーチップ(ベンガラ色)を3kg/m2
割合で分布させた。そして、バインダーである不揮発成
分50%でエマルジョンタイプのアクリル樹脂組成物
(アクリルエマルジョン,ヨドゾールA5801,カネ
ボウ・エヌエスシ−社製)100部とベンガラ5部との
混合物を作製し、上記分布面に対し、この混合物を、上
記弾性体粒子下層の層上に、1.5kg/m2 の割合で
スプレーし、約2時間かけて自然乾燥させて弾性体粒子
上層(1層構造)を形成し、目的とする弾性舗装構造体
を得た。なお、以上の施工は、1日で完了した。
【0035】このようにして作製した弾性舗装構造体
、適度の硬度を有し、引張強度,伸び率,反発弾性,
透水性(施工当初),滑り抵抗(乾燥時)が高く、かつ
透水性の経時的低下、滑り抵抗の湿潤時の低下および膨
れが発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性舗装構造体の一例の断面図で
ある。
【図2】上記弾性舗装構造体の拡大断面図である。
【図3】透水性を測定する状態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 基盤 2 弾性体粒子下層 3 弾性体粒子上層 4 プライマー層 5 弾性体粒子 6 弾性体粒子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盤面上に、直接またはプライマー層を
    介して多数の弾性体粒子を分布させ、この分布面に対し
    バインダーを塗工して下記(A)の弾性体粒子下層を形
    成し、この弾性体粒子下層の層上に、上記弾性体粒子の
    平均粒径より小さい平均粒径の多数の弾性体粒子を分布
    させ、この分布面に対しバインダーを塗工して下記
    (B)の弾性体粒子上層を形成することを特徴とする弾
    性舗装構造体の施工法。(A)ある弾性体粒子の一部とこれと隣合う弾性体粒子
    の一部とがバインダーに より結合し弾性体粒子間に空隙
    が形成されている弾性体粒子下層。 (B)ある弾性体粒子の一部とこれと隣合う弾性体粒子
    の一部とがバインダーに より結合し弾性体粒子間に空隙
    が形成され、上記弾性体粒子の平均粒径が、 上記(A)
    の弾性体粒子下層の弾性体粒子の平均粒径より小さい弾
    性体粒子 上層。
  2. 【請求項2】 上記弾性体粒子下層の弾性体粒子の平均
    粒径が、2〜10mmであり、上記弾性体粒子上層の弾
    性体粒子の平均粒径が、1〜4mmである請求項記載
    の弾性舗装構造体の施工法。
  3. 【請求項3】 上記弾性体粒子上層の層上に、トップコ
    ート剤を塗布してトップコート層を形成する請求項
    たは記載の弾性体舗装構造体の施工法。
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