JP3424383B2 - 印刷装置およびその制御方法 - Google Patents

印刷装置およびその制御方法

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JP3424383B2
JP3424383B2 JP9570795A JP9570795A JP3424383B2 JP 3424383 B2 JP3424383 B2 JP 3424383B2 JP 9570795 A JP9570795 A JP 9570795A JP 9570795 A JP9570795 A JP 9570795A JP 3424383 B2 JP3424383 B2 JP 3424383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドットプリンタなどの
印刷装置に関し、特に、印刷ヘッドの可動範囲より小さ
い幅の記録紙を用いる印刷装置およびその制御方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタは、印字を高速におこな
うために、印刷ヘッドを現在ある点から印字を開始する
点まで最短の距離を移動し、印刷を必要とする範囲を動
いて印刷を行う制御(ロジカルシーキング)を行ってい
た。
【0003】ところで、ドットプリンタなどのようにイ
ンクリボンを用いて印刷を行うプリンタでは、鮮明な印
刷を行うために定期的にインクリボンを所定量送る動
作、即ちインクリボンの更新動作を行う。インクリボン
を定期的に送るためのモーターを設けても良いが、小型
のプリンタなどでは、印刷ヘッドを搭載したキャリッジ
を動かすキャリッジモーターと連動してインクリボンを
送る機構を採用しているものが多い。このような機構に
おいては、インクリボン送りの負荷によってモーター負
荷が極端に増したり、あるいは印刷ヘッドがスタックし
ては困るので、ギアによる減速比を大きくとってモータ
ーにかかる負荷を軽減している。このため、インクリボ
ンを更新に必要な量だけ送るために必要なヘッド移動
量、即ちリボン更新移動量は、相当大きなものとなる。
また、後述するように、キャリッジモータの回転方向に
拘わらずに同一の方向にインクリボンを送る機構におい
ては、キャリッジモータの回転方向が切り替わる際に、
キャリッジのみが搬送されてインクリボンの送りが行わ
れない期間が存在する。従って、このような期間が存在
してもなお所定のリボン送り量を確保するためには、前
述のリボン更新移動量は更に大きくならざるを得ない。
【0004】従来のロジカルシーキングにおいては、1
行中の印刷範囲が当該リボン更新移動量より狭くなると
いう状態が発生しないように、上述の減速比を小さめに
設定したり、キャリッジモータの出力トルクを増大した
りして、少ないキャリッジ移動量で充分なリボン送り量
を実現できるようにしていた。
【0005】一方、ワイヤドットプリンタでは、印刷ヘ
ッド内にワイヤを駆動するコイルが収納されており、こ
のコイルの焼損を防止したり、あるいはワイヤ等の加熱
に起因する作動不良を防止して印字品質を保つため、単
位時間当たりの印刷頻度(印刷デューティ)を変更でき
る制御方法を採用している。このため、印刷ヘッドや、
その内部のコイルの温度上昇を、サーミスタなどの温度
検出素子や、コイルの抵抗値を検出する手段を用いて監
視している。印刷ヘッドの温度が所定の値より高くなっ
たと判断すると、印刷デューティを低くするために通常
のロジカルシーキングを変更し、印刷ヘッドを印字可能
な領域の端から端まで移動する制御を採用する。さらに
温度上昇を抑制するために、当該領域の端部において印
刷ヘッドの移動を所定期間停止する、インターバル駆動
を採用することもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プリンタは、近年、様
々な情報処理装置の端末として用いられており、従来の
ようにロール紙に取引の記録を印字するジャーナル印字
の機能に加え、種々の幅のカード状の帳票用紙に取引に
関する認証等を印字するいわゆるバリデーション印字
や、様々な形状の単票用紙に印字を行うスリップ印字の
機能をも備えたものがある。また、プリンタの印字速度
も速くなり、印字の品質も向上している。そして、この
ような高機能、高品質のプリンタが小型、軽量なもので
実現できるようになっている。
【0007】このため、キャリッジモータや印刷ヘッド
には更に小型のものを採用する必要が生じており、モー
タトルクは減少しつつあり、印刷ヘッドのドットワイヤ
の作動時間は長くなりつつある。モータトルクが減少す
ると、上述の通り、キャリッジ送り量に対するリボン送
り量を減少させなければならない。また、ドットワイヤ
の作動時間が長くなると、ドットワイヤがインクリボン
に引っかかるのを防止するために、リボン送り速度を低
減する必要があるが、キャリッジの移動速度を落とさな
いためには、やはりキャリッジ送り量に対するリボン送
り量を減らさなければならない。従って、ロジカルシー
キングを行う場合でも、1行中の印刷範囲が当該リボン
更新移動量に比較して不足している場合には、インクリ
ボンの更新を行うために、当該不足量を加えた範囲を印
刷ヘッドが移動するように制御しなければならない。
【0008】また、ドットプリンタでは、印字スピード
を向上するために、プラテンと印刷ヘッドとの間隔、即
ちプラテンギャップを狭くしてワイヤーのストロークを
短縮し、印刷ヘッドの応答性を向上させるようにしてあ
る。そして、この狭いプラテンギャップにはインクリボ
ンが印刷ヘッドの移動方向に平行に設けられているの
で、多数枚構成の複写式印刷用紙であるバリデーション
用紙が、インクリボンを押し下げずにスムーズに挿入で
きるように、インクリボンとプラテンとの間にマスク板
と称される分離板が挿入されている。このマスク板は、
印刷ヘッドを往復動させるキャリッジに取り付けてあ
り、印刷時に印刷用紙をプラテン側に押圧できるように
なっている。従って、印刷用紙を挿入して所定の位置に
設定するときや紙送り時に発生し易い印刷用紙とインク
リボンとの干渉を防止することによって印刷用紙の汚れ
を防ぐと同時に、印刷時には印刷用紙のプラテンからの
浮き上がりを抑えることによって印字品質の向上にも役
立っている。さらに、バリデーション用紙よりも薄い単
票用紙に印字を行う際には、プラテンから用紙が浮き上
がり印字音が大きくなるという問題も発生するが、この
マスク板によって単票用紙をプラテンに押しつけること
ができるので、騒音も抑制できるといった効果もある。
従って、このようなマスク板あるいは、マスク板と同じ
ように印刷ヘッドと共に動きながら印刷用紙をプラテン
に押圧できる機構を採用すると、高機能、高品質のプリ
ンタをシンプルな構成で実現できる。
【0009】しかし、紙幅が印刷ヘッドの可動範囲より
も狭い印刷用紙を用いた場合、上述したような従来のプ
リンタで行われていた制御によって、リボン更新移動量
を確保し、あるいは印刷ヘッド発熱時にコイルの損傷を
防止するために、印刷ヘッドの移動する範囲が拡大され
ると、マスク板が印刷用紙の外側、即ち印刷用紙の無い
位置に移動することがある。その結果、マスク板が再び
印刷用紙の内側、即ち印刷用紙の存在する領域に移動す
る際に、このマスク板の印刷用紙をプラテンに押圧する
部分が印刷用紙の側端と干渉し、印刷用紙を破損した
り、あるいは、印刷ヘッドの動きを阻害して印字不良を
起こすことがある。特に、単票用紙を含む多様な印刷用
紙を用いる場合は、印刷用紙の幅も長さも様々であり、
マスク板が一度印刷用紙の外側に移動すると、プラテン
から印刷用紙が浮いた状態となり易く、上記のようなト
ラブルは発生し易い。このため、マスク板のような押圧
機構を採用した場合には、多様な印刷用紙に高品質な印
刷が可能である反面、紙幅の狭い印刷用紙に印字を行う
際には上記のトラブルを生じてしまうという問題があ
る。
【0010】そこで、本発明においては、紙幅の異なる
多種多様な印刷用紙に対し、上記のトラブルが発生する
ことなく、高品位の印刷が可能な印刷装置を提供するこ
とを目的としている。即ち、小型で様々な目的に使用さ
れる印刷装置において、紙幅の狭小な印刷用紙を用いた
場合でも、印刷用紙押圧機構を印刷用紙と干渉させるこ
となく、更新に十分なインクリボンの巻取量を確保する
と同時に印刷ヘッドの焼損を防止する事によって、印刷
トラブルなく、品質の高い印刷を行い得る印刷装置、お
よびその制御方法を提供することが、本願発明の目的で
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、バリ
デーション印字用や様々な紙幅のスリップ紙などの紙幅
の異なる印刷用紙でも、その一方の端を印刷装置の一端
に合わせて挿入することに着目し、その印刷装置の一端
を基準とし、印刷用紙からマスク板が外れない範囲で印
刷ヘッドの移動範囲を拡張するようにしている。
【0012】即ち、本発明の印刷装置は、1の側部に印
刷用紙の側部を揃えて挿入すべく設けられた挿入口と、
印刷用紙の幅方向に移動しながらインクリボンを介して
印刷用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、インクリボンと印
刷用紙との間に配置され印刷ヘッドと共に移動するマス
ク手段と、当該印刷用紙が接続されるホスト装置からの
印刷データに基づいて印刷ヘッドの移動範囲を決定する
移動範囲決定手段とを有し、複数の幅の異なる印刷用紙
に印刷可能な印刷装置において、挿入口の1の側部を基
準とする印刷ヘッドの所定の移動限界値を保持する移動
限界保持手段と、この移動範囲を拡張する移動範囲拡張
手段とを有し、この移動範囲拡張手段は移動限界値以内
において移動範囲の拡張を行うことを特徴としている。
【0013】この場合、所定の移動限界値は、当該印刷
装置に用いられる印刷用紙の最小の紙幅に対応する最小
移動限界値としてもよい。また、ホスト装置からの情報
に基づき印刷用紙の紙幅を判断する紙幅判断手段を備
え、その出力に応じて当該紙幅に対応した移動限界値を
設定するようにしてもよい。
【0014】また、本発明の印刷装置は移動範囲と移動
限界保持手段に保持されている移動限界値とを比較する
移動限界比較手段と、移動限界保持手段に新たな移動限
界値を設定する移動限界更新手段とを有し、この移動限
界更新手段は移動限界比較手段の出力に基づき移動範囲
及び移動限界値の内のより大きい値を新たな移動限界値
として移動限界保持手段に設定することを特徴としてい
る。この場合において、印刷用紙の有無を検出する印刷
用紙検出手段を更に有し、移動限界更新手段が印刷用紙
検出手段の出力の変化に基づいて移動限界保持手段に移
動限界値の所定の初期値を設定するようにしてもよい。
【0015】本発明の上記の特徴を応用することによ
り、インクリボンの所定の送り量を確保するために、印
刷ヘッドの移動範囲を拡張することができる。即ち、本
発明の印刷装置は、印刷ヘッドの移動に連動してインク
リボンを送るインクリボン送り手段と、移動範囲の大き
さとインクリボンの所定の送り量を確保するために必要
な所定の印刷ヘッド移動量とを比較する移動量比較手段
とを有し、上記の移動範囲拡張手段は、移動範囲の大き
さが所定の印刷ヘッド移動量より小さい場合に、移動範
囲を所定の印刷ヘッド移動量を得るべく拡張することを
特徴とする。
【0016】この場合において、移動範囲と印刷ヘッド
位置とに基づいて印刷ヘッドの移動方向を判断する移動
方向判断手段を更に有すると共に、インクリボン送り手
段を、印刷ヘッドの1の方向への移動にのみ連動してイ
ンクリボンを送るべく構成し、移動範囲拡張手段を、移
動方向判断手段の出力に基づいて、印刷ヘッドの移動方
向が上記の1の方向の場合にのみ移動範囲の拡張を行う
ようにしてもよい。
【0017】また、本発明の上記の特徴は印刷ヘッドが
発熱した際の印刷ヘッドの冷却動作に応用することがで
きる。即ち、本発明の印刷装置は、印刷ヘッドの温度を
検出する温度検出手段と、印刷ヘッド温度が所定の値を
超えたことを検出する温度上昇検出手段とを更に有し、
上記の移動範囲拡張手段は、温度上昇検出手段によって
印刷ヘッドの温度上昇が所定の値に達した場合に、移動
範囲の拡張を行うことを特徴とする。この場合におい
て、移動範囲拡張手段による移動範囲の拡張は、移動限
界値以内で行われる。
【0018】一方、本発明を印刷装置の制御方法として
表現することもできる。即ち、本発明の印刷装置の制御
方法は、1の側部に印刷用紙の側部を揃えて挿入すべく
設けられた挿入口と、印刷用紙の幅方向に移動しながら
インクリボンを介して印刷用紙に印刷を行う印刷ヘッド
と、インクリボンと印刷用紙との間に配置され印刷ヘッ
ドと共に移動するマスク手段とを有する印刷装置の制御
方法において、印刷データに基づいて印刷ヘッドの移動
範囲を決定する移動範囲決定工程と、挿入口の当該1の
側部を基準とする印刷ヘッドの位置であって当該印刷装
置に用いられる印刷用紙の最小の紙幅に対応する最小移
動限界値を格納する移動限界格納工程と、移動範囲と移
動限界値とを比較する移動限界比較工程と、この移動限
界比較工程の結果に基づき、移動範囲及び移動限界値の
内のより大きい値を新たな移動限界値として、移動限界
格納工程で格納された移動限界範囲に代えて格納する移
動限界更新工程と、その移動限界値以内において移動範
囲を拡張する移動範囲拡張工程とを有することを特徴と
する。この場合において、印刷用紙の有無を検出する印
刷用紙検出工程と、印刷用紙検出工程の検出結果の変化
に基づき、移動限界格納工程を行うようにしてもよい。
また、ホスト装置からの情報に基づいて印刷用紙の紙幅
を判断する紙幅判断工程を更に有し、移動限界格納工程
においては、その紙幅判断工程の結果に応じて当該紙幅
に対応した移動限界値を格納するようにしてもよい。
【0019】この本発明の印刷装置の制御方法をインク
リボン送り量を確保するための印刷ヘッド移動範囲の拡
張に応用することができる。即ち、本発明の印刷装置の
制御方法は、印刷ヘッドの移動に連動して前記インクリ
ボンを送るインクリボン送り工程と、移動範囲の大きさ
インクリボンの所定の送り量を確保するための所定の印
刷ヘッド移動量とを比較する移動量比較工程とを有し、
移動範囲拡張工程においては、移動範囲の大きさがこの
所定の印刷ヘッド移動量より小さい場合に、移動範囲が
所定の印刷ヘッド移動量を得るべく拡張されることを特
徴とする。
【0020】また、上記の本発明の印刷装置の制御方法
を印刷ヘッドを冷却する場合に応用することができる。
即ち、本発明の印刷装置の制御方法は、印刷ヘッドの温
度を検出する温度検出工程と、印刷ヘッド温度が所定の
値を超えたことを検出する温度上昇検出工程とを更に有
し、移動範囲拡張工程においては、温度上昇検出工程に
おいて所定の温度上昇が検出された場合に移動範囲の拡
張を行うことを特徴とする。
【0021】
【作用】以下に本発明の作用を概説する。本発明におい
ては、印刷用紙の挿入口は、その1の側部に印刷用紙の
側部を揃えて挿入するように構成されている。また、印
刷ヘッドは、印刷用紙の幅方向に移動しながらインクリ
ボンを介して印刷用紙に印刷を行う。更に、インクリボ
ンと印刷用紙との間にはこれらの接触を防止するマスク
手段が設けられており、このマスク手段は印刷ヘッドと
共に移動する。そして、印刷ヘッドが印刷を行いながら
移動する移動範囲は、ホスト装置からの印刷データに基
づいて決定される。印刷用紙がその側部を揃えて挿入さ
れる挿入口の1の側部を基準として、印刷ヘッドの移動
が許容できる位置が移動限界値として移動限界保持手段
に保持される。そして、印刷ヘッドの移動範囲を拡張す
る必要が生じた場合には、移動範囲拡張手段は、この移
動限界範囲内において当該移動範囲より広い拡張移動範
囲を設定する。これにより、印刷ヘッドは印刷用紙の1
の側部から所定の範囲、即ち移動限界値以内においてそ
の移動範囲を拡張することができる。従って、移動限界
値を印刷用紙の紙幅に対応して設定することにより、マ
スク手段が印刷用紙の範囲を越えて移動することを防止
することができる。
【0022】この場合、所定の移動限界値を、当該印刷
装置に用いられる印刷用紙の最小の紙幅に対応する最小
移動限界値とした場合には、セットされる印刷用紙の紙
幅に係わらずにマスク手段の印刷用紙外への移動を確実
に防止できる。また、ホスト装置からの情報に基づいて
印刷用紙の紙幅を判断する紙幅判断手段を備え、その出
力に応じて当該紙幅に対応した移動限界値を設定するよ
うにしてもよい。
【0023】また、移動限界比較手段は、移動範囲と設
定された移動限界値とを比較し、移動範囲の方が広い場
合には、移動限界更新手段はその移動範囲を新たな移動
限界値として移動限界保持手段に設定する。これによ
り、印刷が要求された位置まで移動限界値を拡大するこ
とができる。言い換えれば、移動限界値はそれまでに印
刷が要求された最も基準位置から遠い位置に設定され
る。この場合において、印刷用紙検出手段によって印刷
用紙の有無を検出し、ある印刷用紙の印刷が終了した時
点、または次の印刷用紙がセットされた時点において移
動限界更新手段によって移動限界値の初期化、即ち移動
限界保持手段に上記の所定の移動限界値を設定する処理
を行ってもよい。これにより、異なる紙幅の印刷用紙が
引き続いて挿入された場合でも、確実にマスク手段の印
刷用紙外への移動を防止できる。
【0024】次に、インクリボンの所定の送り量を確保
するために、印刷ヘッドの移動範囲を拡張する場合の作
用を概説する。インクリボン送り手段は、印刷ヘッドの
移動に連動してインクリボンを送るように構成されてい
る。移動量比較手段は移動範囲の一端から他の端までの
長さとインクリボンの上記の所定の送り量を確保するた
めの所定の印刷ヘッド移動量とを比較する。そして、移
動範囲の大きさが所定の印刷ヘッド移動量より小さい場
合には、上記の移動範囲拡張手段によって、移動範囲を
所定の印刷ヘッド移動量が得られるように拡張する。こ
の場合、拡張後の移動範囲が移動限界値を越えないこと
は言うまでもない。 また、インクリボン送り手段が、
印刷ヘッドの1の方向への移動にのみ連動してインクリ
ボンを送るように構成されている場合には、移動方向判
断手段によって、移動範囲と印刷ヘッド位置とに基づい
て印刷ヘッドの移動方向を判断する。そして、その方向
がインクリボンの送りが行われる方向である場合には、
移動範囲拡張手段によって上記のような移動範囲の拡張
を行うようにしてもよい。
【0025】本発明を印刷ヘッドが発熱した際の印刷ヘ
ッドの冷却動作に応用した場合につてその作用を概説す
る。温度検出手段によって印刷ヘッドの温度を検出し、
その温度に基づいて温度上昇検出手段が印刷ヘッド温度
が所定の値を超えたことを検出した場合には、上記の移
動範囲拡張手段によって、移動範囲の拡張を行う。この
場合において、移動範囲拡張手段によって移動範囲を移
動限界位置まで拡張するようにすれば、最大の印刷ヘッ
ド冷却効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0027】図1に、本発明の実施例に係るプリンタ1
の概要を示してある。本例のプリンタ1は、ロール紙1
1が搬送される方向に若干長い略直方体のボディー2を
備えており、このボディー2の内部にロール紙11を収
納している。また、ロール紙11の収納部の反対側に
は、キャリッジガイド軸20に沿ってロール紙11を横
断する方向に移動するキャリッジユニット22を備えて
いる。このキャリッジユニット22はキャリッジガイド
軸20に支持され、不図示のタイミングベルトに駆動さ
れる。また、キャリッジユニット22には印字を行う印
刷ヘッドユニット21が搭載されている。そして、この
キャリッジユニット22は、キャリッジガイド軸20に
沿って印刷領域内を移動可能となっている。
【0028】ヘッドユニット21からは、ドット形式の
印刷を行う印刷ヘッド23がロ−ル紙に向かって突出し
ている。また、ヘッドユニット21の後方、すなわち、
ヘッドユニット21に対しロール紙11と反対側には、
リボンケース30を装着してある。このリボンケース3
0は印刷ヘッド23の移動範囲の外側にロール紙11に
向かって突出した腕部を有しており、インクリボン31
はこれらの腕部の先端部の間に張架され、キャリッジガ
イド軸20と平行にロール紙11を横断している。この
インクリボン31は、印刷ヘッド23とロール紙11と
の間を通って印刷ヘッド23の移動する方向に沿って延
びており、印刷ヘッド23の動きと連動して以下に説明
するようなプリンタ内部の機構によって徐々に送られる
ようになっている。そして、このインクリボン31の新
しい部分を印刷ヘッド23のドットワイヤで打刻し、常
に鮮明な印刷を行えるようになっている。
【0029】本例のプリンタ1は、ヘッドユニット21
に対しロール紙11を挟んで反対側に、ボディー2を横
断する方向に延びた紙ガイド4を備えている。この紙ガ
イド4は、上下方向に広がった略U字形の断面を備えて
おり、その略中央に、プラテン5が抜き差し可能な開口
を形成してある。印刷ヘッド23に面した紙ガイド4の
表面の側に印刷用紙をセットしておけば、印刷を行うと
きは、プラテン5がこの印刷用紙の裏側から突出し、こ
のプラテン5によって印刷用紙の裏側を確実に支持でき
るようになっている。
【0030】また、インクリボン31とロール紙11と
の間には、キャリッジユニット22から印刷ヘッド23
の前方、すなわち、印刷ヘッド23とプラテン5の間の
プラテンギャップへと延びたマスク板40を用意してあ
る。このマスク板40は、弾性のある薄板で構成してあ
り、その下側はキャリッジユニット22に取り付けてあ
る。また、マスク板40の上側はプラテン5に向かって
延びており、マスク板40とプラテン5との間にあるロ
ール紙11などの印刷用紙をプラテン5に押圧できるよ
うになっている。このマスク板40によって、印刷用紙
を確実にプラテン5へ押しつけられるので、プラテンギ
ャップを狭くしても印刷用紙とインクリボン31との干
渉を防止でき、品質の高い印刷ができるようになってい
る。また、印刷用紙をプラテン5に押さえつけられるの
で、印刷用紙がプラテンから浮き上がることはなく、印
刷用紙の振動に起因する騒音も防止できるようになって
いる。
【0031】この紙ガイド4の上方には、マスク板40
の先端のリード部分に接触するマスクガイド41と、ロ
ール紙を切断するカッター6とを用意してあり、これら
はボディー2の1つの側部2aから他方の側部2bに延
びている。さらに、マスクガイド41の上方に、ローラ
ーシャフト26を左側部2aから右側部2bに渡してあ
り、このシャフト26には複数の紙送りローラー25を
装着してある。このシャフト26はボディー2の右側部
2bでベルト24を介して不図示の紙送り用のフィード
モーターと接続してある。
【0032】本例のプリンタ1は、ロール紙11の他に
も単票紙、例えば、バリデーション印字用の帳票(カー
ド状印刷用紙)12や、他の様々な紙幅のスリップ紙1
3aや13bなどへも印刷を行えるようになっている。
カード状印刷用紙12は通常は複数葉の複写式帳票であ
り、プリンタ1によって認証印字を行うものである。本
例のプリンタ1では、カード状印刷用紙12をプリンタ
1の上部の紙送りローラー25の部分から、用紙12の
右端をプリンタの右端2bに沿わせて挿入できるように
なっている。
【0033】他のスリップ紙13は、ヘッドユニット2
1の下方に設けてある湾曲した下部紙ガイド7に沿っ
て、この下部紙ガイド7とボディー2との隙間から挿入
できるようになっている。これらのスリップ紙13とし
ては、紙幅が広くボディー2からはみ出るものから、紙
幅の比較的狭いものまでが使用できる。換言すれば、こ
の最も紙幅の狭いスリップ紙に印字できるようにプリン
タ1を設計してある。これらのスリップ紙13は、カー
ド状印刷用紙と同様その右端をプリンタの右側に合わせ
て挿入し、プラテン上にセットできるようになってい
る。そして、これらの用紙への印刷は、本例のプリンタ
1の接続されたパーソナルコンピュータなどの上流機器
からのデータに基づいて行われる。
【0034】図2に、本例のプリンタ1に上記のそれぞ
れの印刷用紙がセットされた場合に、その表面を印刷ヘ
ッド23が動く様子を模式的に示してある。本例のプリ
ンタには種々の紙幅のスリップ紙13が使用可能であ
り、カード状印刷用紙12のように比較的紙幅の狭いも
のから、ロール紙11より広い紙幅のものまで使用でき
る。図2では、説明のために、紙幅の狭いカード状印刷
用紙12と、中間の紙幅の他のスリップ紙13を示して
ある。
【0035】本例のプリンタ1では、プラテン5上にセ
ットされたロール紙11、カード状印刷用紙12や他の
スリップ紙13をマスク板40でこれに押圧しながら印
刷ヘッド23が移動する。印刷ヘッド23は左端Lma
xから右端Rmaxまで移動することができるようにな
っており、従ってこの範囲が最大印刷可能領域である。
この最大印刷可能領域は、ロール紙11の紙幅より小さ
く設定されている。また、印刷ヘッド23の移動する最
小の移動領域は左側L0から右端Rmaxまでに設定し
てある。この最小の移動領域は、紙幅の最も狭いカード
状印刷用紙12に収まる範囲である。また、この最小の
移動領域は、後述するように、印刷ヘッド23の移動に
連動して送られるインクリボン31の送り量を必要量確
保できるように設定してある。
【0036】図3に、本例のプリンタ1で用いる、印刷
ヘッド23の移動に連動してインクリボンを送る機構7
0、及びその動作の様子を示してある。印刷ヘッド23
は、前述の通り、キャリッジユニットに搭載されてお
り、このキャリッジユニットがタイミングベルト18に
よって移動するようになっている。タイミングベルト1
8は、プリンタの左側部2aに設置されたプリーギア1
6と、プリンタの右側部2bに設置されたプリー17と
に張架されいる。プリーギア16はキャリッジモーター
15と係合しており、タイミングベルト18を介して印
刷ヘッド23を移動させる。キャリッジモーター15
は、インクリボンを送る機構70とも繋がっており、ア
イドルギアー71a、71bおよび71cを介して揺動
板72の設置されたギアーを駆動する。揺動板72に
は、2つの揺動ギアー73aおよび73bを取り付けて
あり、キャリッジモーター15の回転方向によって揺動
板72が旋回し、揺動ギアー73aおよび73bのいず
れかがアイドルギアー74、75を介してリボン駆動軸
76を回転できるようになっている。
【0037】例えば、キャリッジモーター15が右回転
し、印刷ヘッド23が左側2aに向かって動くと、揺動
ギアー73bがアイドルギアー74および75を介して
リボン駆動軸76を左回りに回転駆動する。これによっ
て印刷ヘッド23と印刷用紙との間にあるインクリボン
31を送ることができる。逆に、キャリッジモーター1
5が左回転し、印刷ヘッド23が右側2bに向かって動
くと、揺動ギアー73aがアイドルギアー75を介して
リボン駆動軸76をやはり左回りに回転駆動する。従っ
て、本例のプリンタは印刷ヘッド23が左右どちらに移
動してもインクリボン31を同一の方向に巻取ることに
よって更新し、鮮明な印刷を行うことができる。
【0038】ただし、キャリッジモータ15の回転方向
を切り換えた場合には、揺動ギアー73の係合が切り換
わる間のキャリッジモータ15の回転はインクリボン3
1の巻取に寄与しない。つまり、インクリボンの巻取無
しでキャリッジだけが送られる空走期間が現れる。
【0039】このリボン送り機構70は、インクリボン
31を送る際にキャリッジモーター15に過大の負荷が
発生して印刷ヘッド23の動きを阻害することがないよ
うに、幾つかのアイドルギアーを介して減速比を高く設
定してある。一方、インクリボンを印字濃度の維持に十
分な量だけ送るためには、幾つかのアイドルギアーを介
した後、リボン駆動軸76を所定の角度回転させなけれ
ばならない。このため、インクリボン31の更新のため
には、1行の印刷毎に上述のキャリッジ送り方向の切換
時に発生する空走期間をも考慮して、キャリッジモータ
ー15をかなりの角度回転させなければならない。すな
わち、インクリボン31を更新するためには、印刷ヘッ
ド23を所定の範囲(本例では最小の移動量、MCT)
だけ移動させる必要がある。なお、ロジカルシーキング
では印刷ヘッドの現在位置と印刷領域との関係によって
は、印刷ヘッドを一旦印刷開始位置へ移動するアイドル
シークを行い、移動方向を反転して印刷を行う場合があ
る。この場合、キャリッジの移動距離は印刷領域にアイ
ドルシーク量を加えたものとなるが、移動方向反転時の
空走期間を考慮すれば、アイドルシーク量はインクリボ
ンの巻取に殆ど寄与しない。従って、本実施例ではアイ
ドルシーク量を無視している。
【0040】ロール紙11だけを印刷する装置であれ
ば、印刷ヘッド23を最大印刷可能領域内で移動させて
もマスク板40が印刷用紙を外れた領域に至るおそれが
ないため、当該領域内、即ちLmaxとRmaxとの間
で最小の移動量MCT以上の範囲を動くように制御すれ
ばよい。しかし、本例のプリンタ1のように紙幅の異な
る印刷用紙を使用する場合は、印刷用紙からマスク板4
0が外れると、これが再び印刷用紙上に復帰する際に印
刷用紙の端と干渉して、印刷用紙を損傷する可能性があ
る。例えば、印刷用紙の紙幅を考慮しなければ、カード
状印刷用紙12を使用する場合には、最小の移動量MC
Tを確保するために、マスク板40がカード状印刷用紙
12の外側(図3に示すL1の位置)まで左側へ移動す
ることがある。この場合、次にカード状印刷用紙12に
印字するために、その内側に印刷ヘッド23を移動する
と、印刷ヘッド23と共に、プラテン5に押圧された状
態となっているマスク板40も右側に移動する。マスク
板40は弾性を持っており、プラテン5に向かって印刷
用紙を押しつけるように作用するので、一度カード状印
刷用紙12から外れると、マスク板40とプラテン5と
の隙間はほぼゼロとなる。従って、右側に戻ってきたマ
スク板40の側端や、マスク板40の中央部に設けてあ
るドットワイヤー貫通用の開口部端部がカード状印刷用
紙12の左端と干渉する可能性が高い。従って、このよ
うな制御では、カード状印刷用紙12を破損したり、印
刷ヘッド23がスタックして印刷を継続できないといっ
たトラブルの発生する可能性が高い。
【0041】特に複数枚の帳票が重なって構成されるカ
ード状印刷用紙12に印字を行う場合には、カード状印
刷用紙12がマスク板40によってプラテン5に押しつ
けられるので、印刷も綺麗にでき、カード状印刷用紙1
2とインクリボン31との干渉も防止でき、さらに、帳
票が浮き上がらないので印刷時の振動による騒音も少な
い。しかし、その厚さ故、一度マスク板40がカード状
印刷用紙12から外れて、用紙12が開放されると、プ
ラテン5からこれらの帳票が浮き上がってしまい、再度
印刷ヘッド23が用紙12に向かって戻ってくる際は上
記のようなトラブルが特に発生し易い状況となる。
【0042】そこで、本例のプリンタ1においては、印
刷を必要とする範囲が最小の移動量MCTより狭い場合
でも、カード状印刷用紙12のような最も紙幅の狭い印
刷用紙の内部に印刷ヘッド23の動きを制限しながら印
刷ヘッド23の移動範囲を拡大している。
【0043】このような制御を行うための本例のプリン
タ1の概略構成を図4に示してある。本例のプリンタ1
は、プリンタ外部のパーソナルコンピュータや、キャッ
シュレジスタ等の装置から、印刷データや印刷処理を行
うのに必要なコマンド等の外部データ60を受信し、こ
れに基づいて動作するものである。従って、キャリッジ
の位置及び速度を制御するキャリッジ制御手段50と、
印刷ヘッドを駆動制御して文字や図形を印刷用紙上に形
成する印刷ヘッド駆動制御手段51とに対し、上記の外
部装置からの外部データ60を受信解析する入出力制御
手段59から、所定のデータ及びコマンドからなる内部
データ61が送られる。キャリッジ制御手段50で生成
されたキャリッジ制御信号63は、印刷ヘッド駆動制御
手段51及びキャリッジ駆動回路58に送られ、これに
基づいて印刷が実行される。即ち、キャリッジ駆動回路
58はキャリッジ制御信号に基づいてキャリッジモータ
ー15にキャリッジ駆動信号64を送ってこれを駆動
し、キャリッジユニット22を所定の位置へ移動する。
また、印刷ヘッド駆動制御手段51はキャリッジ制御信
号63に基づき、キャリッジユニット22に搭載された
印刷ヘッド23の位置情報を得、これに応じて印刷ヘッ
ド駆動信号65を印刷ヘッド23に送出することによっ
て、所望の文字及び図形を印刷用紙上に形成する。
【0044】本発明の主要部をなすキャリッジ制御手段
50の構成を以下に説明する。キャリッジユニット22
の移動範囲を決定し、キャリッジ制御信号63を生成す
るキャリッジ移動範囲決定部52には、印字を行うべき
位置の情報を有する内部データ61と、マスク板40と
印刷用紙との干渉が生じない範囲を設定する移動許容範
囲設定部からの情報と、インクリボンの更新に必要なキ
ャリッジユニットの送り量MCTを設定するリボン更新
移動量設定部54からの情報とが入力されている。キャ
リッジ移動範囲決定部52はこれらの情報に基づき、後
述する方法により、マスク板40と印刷用紙との干渉が
起こらない範囲で、リボン更新に必要な送り量を確保し
ながら、且つ印字に必要なキャリッジユニット22の移
動範囲を設定する。
【0045】尚、移動許容範囲設定部53には内部デー
タ61が入力されており、指定された印字位置の履歴に
基づいて、許容範囲を拡大することが可能となってい
る。即ち、外部装置は印刷用紙の大きさに基づいて印字
の指令を発するはずであるという推定の蓋然性の高さに
鑑み、印字を行うべく指定された位置には印刷用紙が存
在するとして、当該位置まで許容範囲を拡大するのであ
る。本例においては、この拡大された許容範囲は、1の
印刷用紙の印刷処理の終了に伴って初期の値に再設定さ
れる。即ち、不図示の用紙検出器からの用紙なしの信号
に基づいて、移動許容範囲設定部53は、許容範囲を初
期化する。
【0046】また、キャリッジ移動範囲決定部52に
は、印刷ヘッド23の発熱に起因する温度上昇の程度に
応じてプリンタ1の動作モードを決定する動作モード決
定部57からの動作モード情報が入力されている。キャ
リッジ移動範囲決定部52は、動作モード決定部57が
印刷ヘッドの駆動デューティーを低下させる冷却モード
を指定した場合には、後述するように、移動範囲をマス
ク板40と印刷用紙との干渉が起こらない最大の範囲、
即ち移動許容範囲に設定する。これにより、印字を行わ
ない範囲を含んで印刷ヘッドが最大量移動するので、印
刷ヘッドの駆動デューティーは通常モード時と比較して
低く抑えられ、印刷ヘッドの冷却が行われる。
【0047】動作モードの決定のための印刷ヘッド23
の温度上昇の検出は以下のように行われる。温度検出情
報62は印刷ヘッド内に設けられた不図示のサーミスタ
の抵抗値に対応する電圧として得られ、動作モード決定
部57に入力される。動作モード決定部57は当該電圧
をA/D変換器によってディジタル値に変換した後、こ
れを所定の値と比較する。これにより、印刷ヘッド23
の温度が上昇して所定の値となったか否かを検出するこ
とができる。
【0048】また、印刷用紙がロ−ル紙であるか否かを
判別する用紙判別部55を設け、当該用紙判別部55か
らの判別情報を用いることにより、一層効率の良いキャ
リッジの制御が可能となる。即ち、印刷用紙がロ−ル紙
である場合には、移動許容範囲設定部53によって設定
される移動範囲の制限を取り除き、移動範囲を最大にす
ることにより、上記の駆動デューティーを更に低く抑え
ることが可能となり、これによって、更に大きい冷却効
果が得られる。本例においては用紙判別部55は内部デ
ータ61に含まれる印刷用紙に関する情報に基づいて印
刷用紙の判別を行う。しかし、この判別はプリンタ1内
部の情報で行っても良く、例えば、プラテンの左端近傍
に設けた用紙センサーからの信号を用いることも可能で
ある。
【0049】図5に、本例のプリンタ1における印刷ヘ
ッド移動範囲の決定に係る制御手順の一例を示してあ
る。なお、以下において、印刷ヘッド23の位置や移動
する範囲は、印刷可能領域の左端Lmaxから右端Rm
ax(以下、Lmaxを領域左端、Rmaxを領域右端
とそれぞれ称する)に向かって値の増加する座標系を用
いて表している。
【0050】ステップST1では、まず、印刷ヘッド2
3の移動する範囲の右端Rpおよび左端Lpを、印刷デ
ータを含む内部データ61を用いて印刷を必要とする範
囲にいったん設定してある。そして、右端Rpと現在印
刷ヘッド23の停止している位置CRpとを比較し、領
域右端Rmaxに近い方の位置をヘッドの移動する範囲
の右端Rpに設定する。同様に、左端Lpと現在印刷ヘ
ッド23の停止している位置CRpとを比較し、領域左
端Lmaxに近い方の位置をヘッドの移動する範囲の左
端Lpに設定する。このように設定された左端Lpと右
端Rpとの間が印刷を行う時に実際に印刷ヘッド23の
移動する範囲となる。
【0051】つぎに、ステップST2において、ヘッド
の移動する範囲の左端Lpと領域右端Rmaxとの間隔
が、インクリボンの更新を行うために必要な最小の移動
範囲MCTより大きいか否かを判断する。そして、左端
Lpと領域右端Rmaxとの間に最小の移動量MCTを
確保できないときは、ステップST3において、ヘッド
の移動する範囲の右端Rpに領域右端Rmaxの値を設
定と同時に、左端Lpに領域右端Rmaxから最小移動
量MCT離れた位置を設定する。
【0052】本例のプリンタ1においては、如何なる幅
の印刷用紙も用紙挿入口の右端に印刷用紙の右端を合わ
せて挿入することとなっている。また、最小移動範囲M
CTは、最も紙幅の狭いカード状印刷用紙12の紙幅に
対応して予め設定されている。即ち、最も幅の狭いカー
ド状印刷用紙12がその右端を用紙挿入口の右端に揃え
て挿入されている場合に、キャリッジユニット22を領
域右端Rmaxから領域左端Lmaxに向かって移動さ
せて、マスク板40が当該カード状印刷用紙12の左端
部を越えて左側に達しない位置をMPWとすると、次式
(1)の関係が成立する。
【0053】 Rmax − MPW >= MCT ・・・ (1) このため、領域右端Rmaxから最小の移動量MCTは
なれた位置に左端Lpを設定しておけば、印刷ヘッド2
3は、右端Rmaxと左端Lpとの間を移動しても、マ
スク板40が最も幅の狭い印刷用紙から外側にはみ出す
ことはない。従って、上述したようなマスク板と印刷用
紙とが干渉するというトラブルを未然に防止できる。ま
た、印刷ヘッド23の移動範囲は最小の移動量MCTと
同じなので、インクリボンを確実に送ることができ、鮮
明な印刷を行える。
【0054】一方、印刷を必要とする範囲とヘッド23
の停止位置とから導き出されたヘッドの移動する範囲の
左端Lpと、領域右端Rmaxとの間に最小の移動量M
CTを確保できる場合は、ステップST4において、ヘ
ッドの移動する範囲に最小移動量MCTを確保できるか
否かを判断する。ヘッドの移動する範囲が最小移動量M
CTより小さい場合は、ステップST5において、ヘッ
ドの移動する範囲の右端Rpに、ヘッドの移動する範囲
の左端Lpより最小移動量MCT大きい位置を設定す
る。これによって、印刷ヘッド23は少なくとも最小の
移動量MCTを移動するので、インクリボンを確実に送
ることができる。また、このステップでは、ヘッドの移
動する範囲を拡大する際に、その範囲の左端Lpは変更
していない。このため、ヘッドの移動する範囲の左端L
pの値は、ST1において設定された、現在ヘッド23
の停止している位置CRpと印刷データによって指示さ
れた印刷範囲の左端との小さい方の値となっている。
【0055】この印刷データによって指示された印刷範
囲の左端の値は、上流の機器によって指示された位置で
あり、現在プリンタにセットしてある印刷用紙に印刷可
能な位置であると推定される。従って、上記のように設
定されたヘッドの移動する範囲を印刷ヘッド23が動い
ても、現在プリンタにセットされている印刷用紙を外れ
てマスク板40が移動することはないであろう。このた
め、上述したようなマスク板と印刷用紙の干渉を未然に
防止できると期待される。
【0056】このように設定されたヘッドの移動範囲に
基づき、ステップST6において、印刷ヘッド23の停
止位置CRpがヘッドの移動範囲の左端Lpと、右端R
pのどちらに近いかを判定する。ヘッド23が右端Rp
により近い場合は、ステップST7において、ヘッドの
移動方向CTDを左側にセットする。また、移動を開始
する位置Spに右端Rpをセットすると共に、移動を終
了する位置Epに左端Lpをセットする。一方、ステッ
プST6において、印刷ヘッド23の停止位置CRpが
ヘッドの移動範囲の右端Rpより左端Lpに近い場合
は、ステップST8において、ヘッドの移動する方向C
TDを右側にセットする。また、移動を開始する位置S
pに左端Lpをセットし、移動を終了する位置Epに右
端Rpをセットする。
【0057】そして、印刷データに基づきステップST
10において印刷ヘッド23を移動させながら印刷を行
う。印刷ヘッド23の停止位置CRpがヘッドの移動す
る範囲内にある場合は、移動する範囲の右側か、左側の
印刷を開始する位置Spに予め動かしておく必要があ
る。このため、ステップST11およびステップST1
2においてそのヘッドの停止位置の判定を行い、ステッ
プST13においてヘッド23を移動開始位置Spに移
動する。そして、ステップST14において印刷を行
う。1行の印刷を終了するとステップST1に戻って、
次の行の印刷を必要とする範囲の設定を行う。
【0058】本例のプリンタのような制御を採用すれ
ば、幅の狭い印刷用紙を用いても、マスク板40が印刷
用紙の外側に移動しない。従って、マスク板40と印刷
用紙の側端部とが干渉することはなく、印刷用紙がプラ
テンギャップ内に詰まってしまったり、印刷ヘッド23
がスタックするようなトラブルを未然に防止できる。ま
た、現在プリンタにセットされている印刷用紙の幅をプ
リンタ自身が検出しないでも、印刷用紙の中で納まり、
且つインクリボンを更新するために必要な最小移動量を
確保するように移動範囲を決定しているので、紙幅セン
サーなどの検出機構によって印刷用紙の種類を判別する
必要はない。
【0059】従って、プリンタとしては新たな検出機能
を追設することなく、紙幅の異なる印刷用紙を使用する
場合でもトラブルなくインクリボンを確実に送れ、鮮明
な印刷を行える。また、上流の機器から印刷データを与
える際も、印刷用紙の種類をプリンタ側に通知する必要
はない。従って、検出機構や上流の機器から、印刷用紙
の幅についての誤った情報を受け取る可能性はなく、確
実にマスク板40と印刷用紙との干渉によるトラブルを
防止できる。このように、本例のような制御を採用すれ
ば、小型でも各種の印刷用紙を不具合なくハンドリング
できるプリンタを実現できる。以下に本例に係る制御方
法を実例に沿って説明する。
【0060】例えば、図3において、ヘッド23がカー
ド状印刷用紙12の左端に近い位置に停止している場合
に、同図中LpからRpまでの範囲を印刷するデータを
受け取ったとする。印刷を必要とする範囲に基づいて設
定されたヘッドの移動する範囲の左端Lpに対し、ヘッ
ドの停止位置CRpは左側にあるので、ヘッドの移動す
る範囲は停止位置CRpから右端Rpとなる。また、停
止位置CRpと右端Rmaxとの間には最小の移動範囲
MCTを確保できる。しかし、停止位置CRpと右端R
pとの間には最小の移動範囲MCTを確保できない。従
って、右端Rpを停止位置CRpより最小移動範囲MC
Tだけ大きいRp’の位置まで拡張する。そして、停止
位置CRpを始点Spとして右端Rp’を終点としてヘ
ッド23を動かせば、印刷を必要とする範囲がカバーさ
れると共に、インクリボンの更新に必要な最小移動量M
CTも達成できる。また、ヘッド23は現在停止してい
る位置より左側には動かないので、カード状印刷用紙1
2の外に出ることもない。
【0061】上述の制御手順においては、印字に必要な
移動範囲がリボンの更新に必要なキャリッジユニットの
移動範囲より狭い場合には、その範囲を右側に拡張する
ことを基本としている。例えば、当初の移動範囲、即ち
ST1で求めた右端Rpと左端Lpとの差、がMCTよ
り小さかった場合には、ST5において右端Rpを増加
させることによってその範囲を右側へ拡張している。こ
の拡張方向の制限は、ST1で求めた左端Lpより左側
にキャリッジユニットを移動させた場合には、マスク板
40の右端部がカード状印刷用紙の外側に出てしまう可
能性があるため、これを避けるために採用されたもので
ある。
【0062】これに対し、以下に説明する第2の制御例
は、行毎に指定される印字範囲の左端Lpの履歴を用
い、印刷を行っている当該印刷用紙における、印刷処理
中に指定された最も小さいLpの値を左方の移動制限位
置Llimとすることによって、上記の拡張方向の制限
を緩和するものである。
【0063】図6は上述の第2の制御例を表すフローチ
ャートである。図中、第1の制御例と同一の処理には同
一の参照番号を付してある。ステップSTH1におい
て、当該印字行において指定された印字範囲の左端Lp
と左方移動制限位置Llimの内、小さい方、即ちより
左側にある方の値を新たな左方移動制限値位置limと
して設定する。このLlimの更新によって、Llim
には過去の履歴の中で最も左方の印字指定位置を設定す
ることができる。
【0064】次に第1の制御手順と同様、ST1におい
て指定された印字範囲とキャリッジユニットの現在位置
CRpとから移動範囲を設定する。そして、STH2に
おいて左方移動制限位置Llimと移動範囲右端Rpと
の距離と、最小移動量MCTとを比較する。当該距離が
最小移動量MCTより小さい場合にはST2へ進み、以
降第1の制御手順と同様の手順で処理を行う。
【0065】一方、当該距離が最小移動量MCT以上で
ある場合には、STH3に進んで移動範囲と最小移動量
MCTとを比較する。そして、移動範囲が最小移動量M
CTより小さい場合には、STH4において左端Lpの
値を右端Rpとの距離が最小移動量MCTとなるように
修正した後、ST7へ進む。この処理はST5において
移動範囲の右端Rpを修正する処理に対応している。ま
た、移動範囲が最小移動量MCT以上である場合にはそ
のままST7へ進み、上述のように、移動方向を「左」
にセットすると共に移動開始位置Spを右端Rpに、移
動終了位置Lpを左端Lpにそれぞれ設定する。
【0066】ST10において印刷を行った後は、ST
H5において当該印刷用紙に対する全ての印刷が終了し
たか、言い換えれば印刷用紙の終端が検出されたかを確
認する。そして印刷用紙の終端が検出された場合には、
STH6において左方移動制限位置Llimを、当該プ
リンタに許容される最小の紙幅を有する印刷用紙に対応
する左方移動制限位置MPWに初期化する。これによ
り、引き続き行われる印刷処理が最小紙幅の印刷用紙に
対して行われるものであっても、マスク板40の左方へ
の移動は当該印刷用紙を越えては行われない。STH5
において印刷用紙の終端が検出されなかった場合には、
左方移動制限位置Llimの値を保持したまま、次行の
印刷処理を行うためにSTH1へ進む。
【0067】上記の第2の制御手順によれば、印刷ヘッ
ド23の移動許容範囲が拡大するため、印刷ヘッドの移
動方向の切り換え回数が減少し、印刷ヘッドの移動がよ
り滑らかに行われる。即ち、第1の制御手順を用いた場
合には、一旦左端Lpに移動した後、右方向に最小移動
量MCTだけ移動しなければならない印刷処理も、第2
の制御手順によれば、現在位置CRpから左方移動制限
位置Llimと左端Lpとの間の位置まで左方向に一度
移動するだけで済むことがある。以下、この場合につい
て説明する。
【0068】今、現在位置CRpが印刷範囲の右端Rp
と最右端Rmaxとの間にある場合において、現在位置
CRpと左方移動制限位置Llimとの距離が最小移動
量MCT以上であり、且つ現在位置CRpと印刷範囲左
端Lpとの距離がMCTより小さい場合を考える。第1
の制御手順によれば、先ずST1において移動範囲右端
RpにはCRpが、同左端Lpには印刷範囲の左端Lp
がそれぞれ設定される。従って、上記の条件によれば、
移動範囲の右端Rpと左端Lpとの距離は最小移動量M
CTより小さいことになり、左端Lpと最右端Rmax
との距離がMCT以上ある場合は、図5のフローチャー
ト中、ST4からST5に進み、右端Rpの値が修正さ
れる。その結果、右端Rp及び左端Lpの値は次のよう
になる。
【0069】Rp=Lp+MCT Lp=Lp 次にST6を経て、ST7又はST8に進む。この場
合、移動方向、移動開始位置及び移動終了位置の値はそ
れぞれ次のようになる。
【0070】ST7: CTD=L Sp=Lp+MCT ・・・(2) Ep=Lp ST8: CTD=R Sp=Lp ・・・(3) Ep=Lp+MCT このそれぞれの場合について、印刷処理ST10におけ
る印刷ヘッドの移動のようすを更に考察する。ST7に
進んだ場合には、ST12においてCRpとSpとが比
較される。上記の条件より、現在位置CRpと左端Lp
との距離がMCTより小さいこととなっているため、 CRp−Lp<MCT となり、これに式(2)を代入して CRp<Sp を得る。従って、ST12の条件式は成立し、ST13
において一旦印刷ヘッドをSpまで移動する処理が行わ
れる。
【0071】また、ST8に進んだ場合には、ST11
においてCRpとSpとが比較される。上記の条件か
ら、CRpは明らかにLpより右にあるから CRp>Lp となる。これに式(3)を代入して CRp>Sp を得る。従って、ST11の条件式は成立し、やはりS
T13において印刷ヘッドを移動開始位置Spまで移動
させる処理が行われる。
【0072】また、最右端Rmaxと印刷範囲左端Lp
との距離が最小移動量MCTより小さい場合、即ち Rmax−Lp<MCT ・・・(4) が成立する場合には、ST2においてこれが判断されて
ST3へと進み、ここで移動範囲右端Rp及び左端Lp
の値がそれぞれ以下のように設定される。
【0073】Rp=Rmax Lp=Rmax−MCT これらの場合にはST7およびST8において印刷時移
動方向CTD、移動開始位置Sp及び移動終了位置Ep
はそれぞれ次のように設定される。
【0074】ST7: CTD=L Sp=Rmax Ep=Rmax−MCT ST8: CTD=R Sp=Rmax−MCT Ep=Rmax 上記の条件から、CRpはLpより右にあること、即ち CRp>Lp は明らかであるから、(4)式より CRp>Rmax−MCT よって、ST8において移動方向が右に設定された場合
には、ST11において条件式が成立し、ST13にお
いて移動開始位置Spまでの印刷ヘッドの移動が行われ
る。
【0075】また、上記の条件から、現在位置は最右端
位置より左側にあるから、 CRp<Rmax よって、ST7において移動方向が左に設定された場合
には、ST12において条件式が成立し、やはりST1
3において印刷ヘッドの移動が行われる。
【0076】以上説明したように、上記の条件の下では
印刷ヘッドは一旦移動開始位置Spまで移動された後、
当該移動とは反対の方向に移動され、印刷が行われる。
【0077】次に、上記の条件の下で第2の制御手順を
用いた場合を考察する。上記の条件より、現在位置CR
pは印刷範囲右端Rpより右にあるから、ST1びおい
てRpにはCRpの値が設定される。
【0078】Rp=CRp ・・・(5) 上記の条件より、左方移動制限位置Llimと現在位置
CRpとの距離は最小移動量MCTより大きいから、S
TH2において条件式は成立せず、制御手順はSTH3
へ進む。条件より、現在位置CRpとLpとの距離はM
CTより小さいので、移動範囲左端LpはSTH4にお
いて修正され、Rp−MCTとされる。そして、ST7
において各変数が次のように設定される。
【0079】CTD=L Sp=Rp Ep=Rp−MCT 従って、印刷処理ST10におけるST12において
(5)式から、条件式が成立しないので、一旦移動開始
位置まで移動する処理を行うことなく、現在位置から直
接移動が開始され、印刷が行われる。
【0080】このように、途中で一旦停止し、移動方向
が変更される場合と、一度に移動を行う場合とでは、当
該移動が加速及び減速を伴う場合に著しい処理時間の差
を生じる。従って、第2の制御手順は、このような加速
・減速を伴う移動処理を行うプリンタに用いた場合に、
特に大きな効果が得られる。
【0081】尚、加減速を伴う移動処理を行うプリンタ
においては、印刷範囲を設定する場合において、その印
刷範囲に当該加速、及び減速に要する移動量を含めてお
けば、上記の第1及び第2の制御手順をそのまま採用す
ることができる。
【0082】図7に、プリンタの右側部2bから左側部
2aに向かってヘッドが動く際にのみインクリボンが送
られる機構を用いた場合の制御手順を示してある。この
ような機構によれば、リボン送り機構のギアー輪列数を
減らすことによって負荷の減少が可能となり、併せて部
品点数の削減が可能となる。この機構は、例えば図3に
示したインクリボンの送り機構70のうち、揺動ギアー
73a及びギアー74を取り除くことによって実現され
る。
【0083】このような機構の制御では、先ず、ステッ
プST21でヘッドの移動する方向を判断する。即ち、
現在停止している位置CRpが、これから印字を行う領
域の左端Lpに近ければ左に移動することとし、そうで
なければ右に移動することとする。そして、左側に向か
って印刷ヘッド23を動かす場合は、図5を用いて説明
したステップST2からステップST5までの処理と同
様の処理をステップST22からステップST26で行
う。この場合、印刷ヘッド23の移動する範囲の右端R
pを印刷ヘッドの移動始点Spとし、左端を同終点Ep
とする。一方、印刷ヘッドが右側に動く場合は、インク
リボンを送る必要がないので、ステップST27に示す
ようにヘッドの移動範囲を設定する。即ち、移動始点S
pには移動範囲の左端Lpと現在位置CRpの内、左側
の位置を、また、移動終点Epには移動範囲の右端Rp
をそれぞれ設定すると共に、移動方向CTDを「右」に
設定する。そして、図5で示したステップST10と同
じ制御によって印刷ヘッドを移動させ、印刷を行う。
【0084】上記から明らかなように、印刷ヘッドが右
に移動して印刷を行う場合にはインクリボンの更新が行
われないので、これを補うため、印刷ヘッドを左に移動
してインクリボンの更新を行う際のリボン送り量を、印
刷ヘッドの双方向の移動においてインクリボンの更新を
行う機構に対応するそれより多く設定する必要がある。
具体的には、インクリボン送り機構70の減速比を小さ
く設定したり、最小移動量MCTを大きく設定すること
により、インクリボンの送り量を大きくすることが可能
となる。
【0085】また、このような機構を用いた場合の印刷
ヘッドの移動制御は、前述の第1の制御手順を用いても
行うことができる。この場合は、図5中のST6におい
て印刷方向を決定する際に、当該条件式に依らずに必ず
左側への移動を選択することとする。これにより、それ
ぞれの行において印刷ヘッドの左方への移動に伴ってイ
ンクリボンの更新が行われる。この処理のフローチャー
トを図8に示す。
【0086】更に、上述の第2の制御手順を応用してこ
のようなインクリボン送り機構を採用したプリンタの印
刷ヘッドの移動制御を行うこともできる。この場合も第
1の制御手順における場合と同様、ST6において必ず
左方への移動を選択することとする。当該処理に係るフ
ローチャートを図9に示す。
【0087】図10に、プリンタの左側2aから右側2
bに向かってヘッドが動く際にインクリボンを送れる機
構が用いられている場合の制御を示してある。このよう
な機構としては、例えば図3に示したインクリボンの送
り機構70のうち、揺動ギアー73b及び74を取り除
いたものがある。このような機構の制御では、先ず、ス
テップST31でヘッドの移動する方向を判断する。そ
して、右側に向かってヘッドを動かす場合は、図5に基
づき説明したステップST2からステップST5と同様
の制御をステップST32からステップST36で行
う。この際、ヘッドの移動する範囲の左側がヘッドの移
動を始点Spとなり、右側が終点Epとなる。一方、ヘ
ッドが左側に動く場合は、インクリボンを送る必要がな
いので、通常通りステップST37に示すようにヘッド
の移動する範囲を設定する。そして、図5で示したステ
ップST10と同じ制御によってヘッドを動かし印刷を
行う。
【0088】この機構を用いたプリンタの制御に、上記
の第1の制御手順を応用することが可能であり、これを
示すフローチャートを図11に示す。尚、上記の第2の
制御手順は印刷ヘッドの移動範囲を左に拡張する点に特
徴があるので、左方の移動に伴ってインクリボン送りの
できない当該機構の制御に応用しても、上記の効果を充
分に得ることができない。
【0089】このように、ヘッドが一方向に移動する際
にインクリボンを送るような機構を採用しているプリン
タであっても、上述した制御方法を用いることにより、
紙幅の異なる印刷用紙に対しても、マスク板と印刷用紙
との干渉を未然に防止し、信頼性の高い印刷を行える。
【0090】なお、本例のプリンタでは、右側に沿って
印刷用紙をセットできるようにしてあるので、プリンタ
の右側を基準にしてヘッドの移動する範囲を変更してい
るが、基準とする側はプリンタの用途等に応じて左側に
規定することも可能である。この場合には上記の制御手
順の各処理を、左右を入れ替えて実行することにより、
本例の開示内容から容易にその制御手順を構成すること
が可能である。
【0091】また、ロール紙と異なる仕様の印刷用紙が
セットされたときにこれを用紙判別部において検出し、
上記のような制御を行うようにプリンタを設定してもも
ちろん良い。
【0092】次に、図12に示す印刷ヘッド冷却モード
に係るフローチャートを参照しながら当該モードにおけ
る印刷ヘッド23の動きを説明する。まず、プリンタ1
がリセットされると、ステップST41で印刷ヘッド2
3の最大の印刷可能な領域を示す左端Lmaxと右端R
maxを設定すると共に、左方移動制限位置Llimに
上記の最も幅の狭いカード状印刷用紙に対応する左方移
動制限位置MPWを設定する。次に、ステップST42
において、内部データ61中の印刷データに基づき、印
刷ヘッドの移動する範囲の左端Lpと右端Rpとを設定
する。ステップST43において、動作モード決定部5
7で印刷ヘッド23の温度が所定の値より高くなってい
るか否かを判断する。印刷ヘッド23の温度が所定の値
に達していない場合は、ステップST50に移行し印刷
を行う。ステップ50における印刷処理としては、上述
の図5に示す第1の制御手順あるいは図6に示す第2の
制御手順を用いることができる。これらの場合におい
て、当該手順のループする先は図12中のST42とな
ることに留意しなければならない。
【0093】ステップST43において、印刷ヘッド2
3の温度が所定の温度を越えている場合は、ステップS
T44において、印刷ヘッド移動範囲の右端Rpの値を
最右端Rmaxの値に変更する。そして、ステップST
45において、印刷用紙として単票が選択されているか
を判断する。本例のプリンタ1では、内部データ61か
ら用紙判別回路62によって単票紙かロ−ル紙かを判断
できるようになっている。印刷用紙がロール紙11であ
る場合は、ステップST46において印刷ヘッド移動範
囲の左端Lpに最左端Lmaxを設定する。このように
ヘッドの移動範囲左端Lpと右端Rpとに、最左端Lm
axと右端Rmaxとを設定すれば、内部データ61に
よって指示された印刷範囲を越えて、印刷ヘッド23は
最大の印刷可能な領域を動く。このため、印刷ヘッド2
3の印刷デューティは低下するので、温度の上昇を抑制
できる。
【0094】一方、印刷用紙として単票紙が選択されて
いれば、ステップST45においてステップST47に
移行し、左方移動制限位置Llimと、印刷ヘッドの移
動範囲左端Lpとを比較する。LpがLlimより大き
いとき、すなわち印刷範囲左端が左方移動制限位置より
右にあるときは、ヘッドの移動範囲左端Lpを左方移動
制限位置Llimに変更する。これにより、印刷範囲を
越えて印刷ヘッド23は左方移動制限位置と最右端との
間を移動して印刷を行う。従って、印刷ヘッドに伴って
移動するマスク板40と単票紙との干渉を未然に防止し
ながら、印刷ヘッド23の印刷デューティを低下し、こ
れにより印刷ヘッドの温度上昇を抑制できる。
【0095】次に、ステップST47において、印刷ヘ
ッドの移動範囲左端Lpが左方移動制限位置Llimよ
り小さいとき、すなわち印刷範囲の左端Lpが左方移動
制限位置Llimより左にあるときは、ヘッドの移動範
囲左端Lpの値を変更しない。また、ステップST49
において、左方移動制限位置Llimの値として、その
時のヘッドの移動範囲左端Lpを設定する。プリンタ1
に供給された内部データ61に基づき、左方移動制限位
置を越えて印刷が要求された場合は、現在プリンタ1に
設定されている印刷用紙の紙幅が現在の左方移動制限位
置に対応するものより広いことを意味する。従って、印
刷ヘッドの左方移動制限位置を拡大しても印刷ヘッド2
3が印刷用紙の外側にでることはない。尚、本例におい
ては、印刷用紙はその右端部をプリンタ1の用紙挿入口
右端に沿わせてセットすることとされているので、移動
範囲右端Rpは最右端Rmaxまで拡張が可能である。
例えば、図2において、スリップ紙13が選択されてい
た場合は、印刷ヘッド23は先ず最小の紙幅に対応した
左方移動制限位置MPWとRmaxとの間を移動する。
そして、印刷データに基づきヘッドの移動範囲の左端L
pがL1に設定されると、その印刷用紙に対する左方移
動制限位置LlimはL1となり、印刷ヘッド23の移
動できる範囲が広がる。印刷ヘッド23の移動できる最
小の移動領域を広げることにより、印刷ディーティをさ
らに低くでき、印刷ヘッドの温度上昇を抑制したり、温
度の降下を図れる。
【0096】このように、本例のプリンタ1では、紙幅
が狭く、Rmax及びLmaxで規定される最大移動領
域より狭くなる可能性のある単票紙が選択されると、ま
ず、印刷ヘッドの左方移動制限位置として予め設定して
ある最小の紙幅に対応する値MPWをセットし、印刷用
紙からマスク板40が外れないようにしている。そし
て、次々と送られてくる印刷データに基づき、印刷用紙
から外れない範囲において印刷ヘッドの移動範囲を広
げ、効率よく印刷ヘッドの温度上昇を抑制できるように
している。
【0097】本例のプリンタのような制御を採用すれ
ば、紙幅の狭い印刷用紙を用いても、マスク板40が印
刷用紙の外側に移動しない。従って、マスク板と印刷用
紙とが干渉することがなく、これにより印刷用紙が破損
したり、印刷ヘッドがスタックするようなトラブルを未
然に防止できる。また、印刷ヘッドの移動範囲を最小の
紙幅に対応するように設定し、印刷データに基づき印刷
ヘッドの移動する範囲を広げるようにしてある。従っ
て、上記のトラブルが生じない範囲で印刷ヘッドの移動
する範囲を広げ、効率的に温度上昇を抑制する制御を行
う場合でも、ユーザーが紙幅を設定する必要はない。ま
た、プリンタにデータを送るパーソナルコンピュータな
どからも紙幅に関するデータを供給する必要はない。ま
た、印刷用紙の紙幅を検出するための複数の紙センサー
を設置する必要はなく、それそれの印刷用紙の紙幅に合
わせて移動範囲を変更するような複雑な制御を採用する
必要もない。このため、本例のプリンタのような制御を
用いれば、種々の印刷用紙を用いる場合でも、簡単な構
成でトラブルなく印刷ヘッドの温度制御が可能となる。
従って、本例のような制御を採用すれば、小型でも各種
の印刷用紙を不具合なくハンドリングできるプリンタを
実現できる。
【0098】なお、本例のプリンタでは、印刷デューテ
ィを変更するために、印刷ヘッドの移動する範囲を変更
する制御を採用している。このような制御に加えて、印
刷ヘッドの移動する範囲を変更しても温度上昇を抑制で
きず、温度が上昇する場合は、印刷ヘッドの移動する際
に所定のインターバルを設定し、さらに印刷デューティ
を低くするような制御を加えることも簡単に行える。ま
た、本例のプリンタでは、印刷用のデータから単票が選
択されているかの判断を行っているが、プリンタ自身か
ら選択する情報を得ても勿論良い。例えば、最大印刷範
囲の左端Lmax近傍に紙センサーを1つ設置し、この
紙センサーで印刷用紙を検出できないときは上記のステ
ップST45においてステップST47に移行するよう
にしても良い。紙センサーを用いて印刷用紙を検出する
際も、本例のような制御を用いれば、最大印刷範囲を選
択できるか否かの判定を行えば良いだけなので、紙セン
サーの数は少なくて済む。さらに、本例のプリンタで
は、右側に沿って印刷用紙をセットできるようにしてあ
るので、プリンタの右側を基準にしてヘッドの移動する
範囲を変更している。基準とする側はプリンタの左側で
あっても勿論良く、また、プリンタの中心を基準として
も良い。
【0099】また、本例ではST45において印刷用紙
の判別を行っているが、これを行わずに常に単票紙に対
応した処理を行うようにしても良い。この場合には印刷
用紙幅についての如何なる情報も不要となるため、外部
の装置とのデータのやりとりが更に簡略化される。但
し、この場合にはロール紙に印刷を行う場合に、移動可
能範囲より狭い領域で印刷ヘッドの冷却動作を行う場合
があり、冷却効率が若干低下する。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る印刷
装置は、スリップ紙、例えばカード状印刷用紙や他の紙
幅の異なる様々の印刷用紙に対し、その紙幅を検出する
ことなくインクリボンを送る最低限の印刷ヘッドの移動
量を確保できるようにしてある。従って、紙幅の異なる
印刷用紙に対応するために印刷装置に監視機構を付加し
たり、あるいは、上流の機器に対し印刷用紙に係る情報
を要求する必要はない。従って、本発明に係る印刷装置
は、シンプルな構成で、その制御も簡単であり、紙幅の
異なる印刷用紙を使用してもこれらのスリップ紙から印
刷ヘッドがはみ出すことはないので、印刷ヘッドと共に
動くマスク板などの押さえ機構とこれらの用紙との干渉
を未然に防止できる。このように、本発明により、小型
で多様な印刷用紙を不具合なく使用でき、また、マスク
板を採用してインクリボンとのトラブルも少なく低騒音
で信頼性の高い印刷装置を実現できる。
【0101】また、本発明に係る印刷装置は、カード状
印刷用紙などのスリップ紙が選択されると、先ず、印刷
ヘッドの移動する範囲を最小限に設定し、印刷を必要と
する範囲に基づき印刷ヘッドの移動する範囲を拡大する
ようにしている。従って、印刷ヘッドの所定温度以上の
発熱を防止するために印刷ヘッドの移動する範囲を強制
的に広げる場合でも、カード状印刷用紙や他のスリップ
紙からマスク板がはみ出すことはなく、これらの用紙と
印刷ヘッドと共に動くマスク板などの押さえ機構との干
渉を未然に防止できる。従って、小型で多様な印刷用紙
を使用でき、マスク板を採用によってインクリボンとの
トラブルも少なく且つ低騒音を実現した印刷装置の信頼
性をさらに向上できる。
【0102】また、本発明に係る印刷装置は、上述した
ような簡単な構成と制御によって印刷用紙とマスク板と
のトラブルを未然に防止できるので、小型化、軽量化の
進む多機能形の印刷装置として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプリンタの概要を示す斜
視図。
【図2】図1に示すプリンタに多様な印刷用紙をセット
した場合の印刷ヘッドと印刷用紙との関係を示す説明図
である。
【図3】図1に示すプリンタのインクリボン送り機構を
示す概略図。
【図4】図1に示すプリンタの制御系統を説明するブロ
ック図。
【図5】図1に示すプリンタのインクリボン送りに係る
第1の制御手順を示すフローチャート。
【図6】図1に示すプリンタのインクリボン送りに係る
第2の制御手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例に係る異なるインクリボン送り
に係る制御手順を示すフローチャート。
【図8】図7のインクリボン送りに係る制御手順の変形
例を示すフローチャート。
【図9】図7のインクリボン送りに係る制御手順の他の
変形例を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例に係る異なるインクリボン送
りに係る制御手順を示すフローチャート。
【図11】図10のインクリボン送りに係る制御手順の
変形例を示すフローチャート。
【図12】図1に示すプリンタの印刷ヘッドの冷却動作
に係る制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】 1・・プリンタ 2・・プリンタボディー 4・・紙ガイド 5・・プラテン 6・・カッター 7・・下部紙ガイド 11・・ロール紙 12・・バリデーション印刷用のスリップ紙 13・・他のスリップ紙 15・・キャリッジモーター 16・・プーリーギア 17・・プーリー 18・・タイミングベルト 20・・ガイド 21・・ヘッドユニット 22・・キャリッジユニット 23・・印刷ヘッド 24・・ベルト 25・・紙送りローラー 26・・シャフト 30・・リボンケース 31・・インクリボン 40・・マスク板 41・・マスクガイド 50・・キャリッジ制御手段 51・・印刷ヘッド駆動制御手段 52・・キャリッジ移動範囲決定部 53・・移動許容範囲設定部 54・・リボン更新移動量設定部 55・・用紙判別部 57・・動作モード決定部 58・・キャリッジ駆動回路 59・・入出力制御手段 60・・外部データ 61・・内部データ 62・・温度検出情報 63・・キャリッジ制御信号 64・・キャリッジ駆動信号 65・・印刷ヘッド駆動信号 70・・リボン送り機構 71、74、75・・アイドルギアー 72・・揺動板 73・・揺動ギアー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−256679(JP,A) 特開 昭60−90791(JP,A) 特開 平2−295783(JP,A) 特開 昭57−98381(JP,A) 特開 平3−53946(JP,A) 特開 平3−104682(JP,A) 特開 昭62−13373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 19/00 - 19/74 B41J 2/51 B41J 33/14 - 33/60

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅の異なる複数の印刷用紙に印刷可能な
    印刷装置であって、1の側部に印刷用紙の1の側部を揃
    えて挿入すべく設けられた挿入口と、前記印刷用紙の幅
    方向に移動しながらインクリボンを介して前記印刷用紙
    に印刷を行う印刷ヘッドと、前記インクリボンと前記印
    刷用紙との間に配置され前記印刷ヘッドと共に移動する
    マスク手段と、当該印刷装置が接続されるホスト装置か
    らの印刷データに基づいて印刷ヘッドの移動範囲を決定
    する移動範囲決定手段とを有する印刷装置において、 前記挿入口の前記1の側部を基準とする印刷ヘッドの位
    置であって、前記マスク手段が前記印刷用紙を越えて移
    動しない移動限界値を保持する移動限界保持手段と、 前記移動範囲を拡張する移動範囲拡張手段とを有し、 該移動範囲拡張手段は前記移動限界値内において前記移
    動範囲の拡張を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置において、 前記移動限界値は、当該印刷装置において許容される最
    小の紙幅の印刷用紙に対応する最小移動限界値であるこ
    とを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置において、 前記ホスト装置からの情報に基づき前記印刷用紙の幅を
    判断する紙幅判断手段を更に有し、 前記移動限界保持手段は、該紙幅判断手段の出力に応じ
    て当該紙幅に対応した移動限界値を保持することを特徴
    とする印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置において、 前記移動範囲と前記移動限界保持手段に保持されている
    移動限界値とを比較する移動限界比較手段と、 前記移動限界保持手段に新たな移動限界値を設定する移
    動限界更新手段とを更に有し、 該移動限界比較手段の出力に基づき、前記移動範囲及び
    前記移動限界値の内のより大きい値を新たな移動限界値
    として前記移動限界保持手段に設定することを特徴とす
    る印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の印刷装置において、 前記印刷用紙の有無を検出する印刷用紙検出手段を更に
    有し、 前記移動限界更新手段は、前記印刷用紙検出手段の出力
    の変化に基づいて前記移動限界保持手段に移動限界値の
    所定の初期値を設定することを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちいずれか1項に
    載の印刷装置において、 前記印刷ヘッドの移動に連動して前記インクリボンを送
    るインクリボン送り手段と、 前記移動範囲の大きさと前記インクリボンの所定の送り
    量を確保するために必要な所定の印刷ヘッド移動量とを
    比較する移動量比較手段とを更に有し、 前記移動範囲拡張手段は、前記移動範囲の長さが前記所
    定の印刷ヘッド移動量より小さい場合に、前記移動範囲
    を前記所定の印刷ヘッド移動量を得るべく拡張すること
    を特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置において、 前記印刷移動範囲と印刷ヘッド位置とに基づいて印刷ヘ
    ッドの移動方向を判断する移動方向判断手段を更に有す
    ると共に、 前記インクリボン送り手段は、前記印刷ヘッドの1の方
    向への移動にのみ連動して前記インクリボンを送るべく
    構成され、 前記移動範囲拡張手段は、前記移動方向判断手段の出力
    に基づき、前記印刷ヘッドの移動方向が前記1の方向の
    場合にのみ前記移動範囲の拡張を行うことを特徴とする
    印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5のうちいずれか1項に
    載の印刷装置において、 前記印刷ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、 前記印刷ヘッド温度が所定の値を超えたことを検出する
    温度上昇検出手段とを更に有し、 前記移動範囲拡張手段は、前記温度上昇検出手段の出力
    に対応して、前記印刷移動範囲の拡張を行うことを特徴
    とする印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の印刷装置において、 前記移動範囲拡張手段による前記印刷移動範囲の拡張
    は、前記移動限界値まで行われることを特徴とする印刷
    装置。
  10. 【請求項10】 幅の異なる複数の印刷用紙に印刷可能
    な印刷装置であって、1の側部に印刷用紙の1の側部を
    揃えて挿入すべく設けられた挿入口と、前記印刷用紙の
    幅方向に移動しながらインクリボンを介して前記印刷用
    紙に印刷を行う印刷ヘッドと、前記インクリボンと前記
    印刷用紙との間に配置され前記印刷ヘッドと共に移動す
    るマスク手段と、当該印刷装置が接続されるホスト装置
    からの印刷データに基づいて印刷ヘッドの移動範囲を決
    定する移動範囲決定手段とを有する印刷装置の制御方法
    において、 前記挿入口の前記1の側部を基準とする印刷ヘッドの位
    置であって当該印刷装置において許容される最小の紙幅
    の印刷用紙に対応する最小移動限界値を格納する移動限
    界格納工程と、 前記移動範囲と前記移動限界値とを比較する移動限界比
    較工程と、 該移動限界比較工程の結果に基づき、前記移動範囲及び
    前記移動限界値の内のより大きい値を新たな移動限界値
    として、前記移動限界値に代えて格納する移動限界更新
    工程と、 該移動限界値以内において前記移動範囲を拡張する移動
    範囲拡張工程とを有することを特徴とする印刷装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の印刷装置の制御方法
    において、 前記印刷用紙の有無を検出する印刷用紙検出工程と、 前記印刷用紙検出工程における検出結果の変化に基づ
    き、前記移動限界格納工程を行うことを特徴とする印刷
    装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の印刷装置の制御方法
    において、 前記ホスト装置からの情報に基づき前記印刷用紙の紙幅
    を判断する紙幅判断工程を更に有し、 前記移動限界格納工程においては、該紙幅判断工程の結
    果に応じて当該紙幅に対応した移動限界範囲を格納する
    ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至12のうちいずれか1
    項に記載の印刷装置の制御方法において、 前記印刷ヘ
    ッドの移動に連動して前記インクリボンを送るインクリ
    ボン送り工程と、 前記移動範囲の大きさと、前記インクリボンの所定の送
    り量を確保するための所定の印刷ヘッド移動量とを比較
    する移動量比較工程とを有し、 前記移動範囲拡張工程においては、前記移動範囲の大き
    さが前記所定の印刷ヘッド移動量より小さい場合に、前
    記移動範囲を前記所定の印刷ヘッド移動量となるべく拡
    張されることを特徴とする印刷装置の制御方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の印刷装置において、 前記移動範囲と印刷ヘッド位置とに基づいて印刷ヘッド
    の移動方向を判断する移動方向判断工程を更に有すると
    共に、 前記インクリボン送り工程においては、前記印刷ヘッド
    の1の方向への移動にのみ連動して前記インクリボンの
    送りが為され、 前記移動範囲拡張工程においては、前記移動方向判断工
    程の結果に基づき、前記印刷ヘッドの移動方向が前記1
    の方向の場合にのみ前記移動範囲の拡張が行われること
    を特徴とする印刷装置の制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至12のうちいずれか1
    項に記載の印刷装置の制御方法において、 前記印刷ヘ
    ッドの温度を検出する温度検出工程と、 前記印刷ヘッド温度が所定の値を超えたことを検出する
    温度上昇検出工程とを更に有し、 前記移動範囲拡張工程においては、前記温度上昇検出工
    程により前記印刷ヘッドの所定の温度上昇が検出された
    場合に、前記印刷移動範囲の拡張が行なわれること特徴
    とする印刷装置の制御方法。
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