JP3423423B2 - ボールスプライン - Google Patents

ボールスプライン

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JP3423423B2
JP3423423B2 JP18414294A JP18414294A JP3423423B2 JP 3423423 B2 JP3423423 B2 JP 3423423B2 JP 18414294 A JP18414294 A JP 18414294A JP 18414294 A JP18414294 A JP 18414294A JP 3423423 B2 JP3423423 B2 JP 3423423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,長手方向に軌道
溝を有するボールスプライン軸に多数の転動体を介在し
てスライダを相対摺動可能に構成したボールスプライン
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,スライダを構成し且つ多数のボー
ルを有する外筒をボールスプライン軸に沿って直線運動
させるボールスプラインは,産業用ロボットやトランス
ファマシン等に適用されてきた。従来のボールスプライ
ンとしては,外筒に多数のボールを保持するために保持
器を備えたものと保持器を備えていないものとが知られ
ている。
【0003】従来の保持器を有さないボールスプライン
としては,図15に示すようなものが知られている。該
ボールスプラインは,外周面の所定箇所の軸方向に軌道
溝2を複数個形成したボールスプライン軸3と,ボール
スプライン軸3を摺動的に嵌挿する中空孔を有する中空
円筒形の外筒70とを有している。外筒70の中空孔内
周面には,ボールスプライン軸3の軌道溝2に対向する
軌道溝71とリターン路72が形成されている。更に,
上記ボールスプラインは,方向転換路73を形成したス
ペーサリング74,サイドリング75,端面シール76
及び各軌道溝間に嵌合される多数のボール7を有してい
る。スペーサリング74,サイドリング75及び端面シ
ール76は,ボルト77で外筒70の両側に取り付けら
れ,スライダ78を構成している。外筒70に形成され
た軌道溝71は,ボール7を保持するため,断面で見た
軌道溝71の縁端部窓幅がボール7の直径より小さく形
成されている(例えば,特公平3−61046号公報参
照)。
【0004】また,従来の保持器を有するボールスプラ
インとしては,図16に示すようなものが知られてい
る。該ボールスプラインは,外周面の所定箇所の軸方向
に軌道溝2を複数個形成したボールスプライン軸3と,
ボールスプライン軸3上を摺動するスライダ79とから
成り,スライダ79は内側面にボールスプライン軸3の
軌道溝2に対向する軌道溝80とボール7を方向転換さ
せるための傾斜面81とを形成した外筒82と,外筒8
2の内側面にボール7を保持する保持器83と,複数の
ボール7とで構成されている。保持器83は,シームレ
ス薄円筒状に形成され,保持器83のリターン通路84
の無負荷域に在るボール7に対応する部分は径が大き
く,軌道溝80の負荷域に在るボール7に対応する部分
は径が小さく形成されている。更に,保持器83には,
負荷域を転走するボール7がわずかに突出するように長
孔85が穿設されている。保持器83は,外筒82にそ
の内周面両側でナット蓋筒86を螺着することによっ
て,外筒82に固定されている(例えば,実開昭58−
52317号公報参照)。
【0005】また,従来のボールスプラインとして,図
17及び図18に示すように,ボールスプライン軸3に
2個のスライダ88を軸方向に直列に配置したボールス
プラインが知られている。ボールスプライン軸3は,中
空軸であり,軸芯に対称に一対の軌道溝2が形成された
ものである。スライダ88は,ボールスプライン軸3の
軌道溝2に対向する軌道溝を有する円筒状の外筒89
と,外筒89の軸方向両端に配置した円盤状のエンドキ
ャップ90と,エンドキャップ90の反ケーシング側の
端面に取り付けた側面シール91等からる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで,図15に示
す保持器を有さない従来のボールスプラインは,外筒7
0の軌道溝71の側縁部にボール保持部を形成していた
が,ボール保持部付き軌道溝71を形成するのはかなり
困難である。即ち,上記ボールスプラインにいては,
図19に示すような直動転がり案内ユニットにおける軌
道溝94の加工のように,大径の砥石96を使用して軌
道溝71を加工することはできないので,外筒70の内
側の軌道溝71はブローチ加工し,その後で,焼き入れ
して研磨加工による仕上げ等をして製作されることにな
る。このため,仕上げ加工が困難であり,製作工数が多
くかかった。また,上記ボールスプラインについては,
外筒70の内側の軌道溝71の加工はブローチ加工によ
るため,内径に対する軸方向の長さに制限があり,長さ
の長いものは製作できなかった。このため,通常は図1
7に示すように,2個以上のスライダ88を組み合わせ
て使用していた。また,上記ボールスプラインは,外筒
70に形成したボール負荷域の軌道溝71,スペーサリ
ング74及びサイドリング75に形成した方向転換路7
3の形状を高精度に形成することが困難である。
【0007】図16に示す保持器を有するボールスプラ
インの外筒82の軌道溝80は,ボール負荷域の軌道溝
80の軸方向両端に,保持器83の方向転換路87を移
動するボール7を案内するために,傾斜させた溝なる
逃げ部が形成されているため,軌道溝80の形成が難し
くコスト高になっていた。また,従来のボールスプライ
ンでは,保持器83を装着する外筒82に対しては,外
筒82の軌道溝のブローチ加工と高精度の仕上げに難点
があり,また,外筒82に保持器83を装着するための
装着部を外筒82に形成することも面倒なものであり,
外筒82の製造が高コストになるものであった。
【0008】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,スライダの断面形状が略C字形状であって
ボールスプライン軸を跨ぐことのできる形状とすると共
に,スライダに軌道溝を形成せずに別部材即ち軌道部材
に軌道溝を形成し,該軌道部材をスライダに取付可能に
構成することにより,スライダの軌道溝の加工を容易な
ものにすると共に加工精度を向上させ,製造コストを低
減したボールスプラインを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は,軸芯に対し
て対称位置の長手方向外面に形成された一対の第1軌道
溝を備えた断面円形でなるボールスプライン軸,該ボー
ルスプライン軸に跨架する開口部の長手方向対向面に延
びる座部,長手方向に延びるリターン孔及び外面に平坦
面を形成したケーシング,前記ケーシングに形成した前
記座部に固定され且つ前記第1軌道溝と対向する第2軌
道溝を形成した一対の軌道部材,前記第2軌道溝と前記
リターン孔とにそれぞれ連通する方向転換路を備え且つ
前記ケーシングの両端にそれぞれ配置されたエンドキャ
ップ,前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成さ
れる軌道路,前記方向転換路前記リターン孔を転走す
る多数のボールでなる転動体,該転動体を前記ケーシン
グと共働して保持する保持器,及び前記エンドキャップ
の端面にそれぞれ配置された側面シールを有し,前記ケ
ーシングの前記外面である前記平坦面の両側部は,円形
孔のハウジングに嵌合可能な円弧面に形成されているこ
とを特徴とするボールスプラインに関する。
【0010】また,このボールスプラインでは,前記ケ
ーシングに形成した前記平坦面には,前記ハウジングに
取り付けるための取付孔が形成されているものである。
【0011】また,この発明は,軸芯に対して対称位置
の長手方向外面に形成された一対の第1軌道溝を備えた
断面円形でなるボールスプライン軸,該ボールスプライ
ン軸に跨架する開口部の長手方向対向面に延びる座部,
長手方向に延びるリターン孔及び外面に平坦面を形成し
たケーシング,前記ケーシングに形成した前記座部に固
定され且つ前記第1軌道溝と対向する第2軌道溝を形成
した一対の軌道部材,前記第2軌道溝と前記リターン孔
とにそれぞれ連通する方向転換路を備え且つ前記ケーシ
ングの両端にそれぞれ配置されたエンドキャップ,前記
第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道
路,前記方向転換路と前記リターン孔を転走する多数の
ボールでなる転動体,該転動体を前記ケーシングと共働
して保持する保持器,及び前記エンドキャップの端面に
それぞれ配置された側面シールを有し,前記ケーシング
はハウジングの円形孔に嵌合して固定され,前記ケーシ
ングの外面に形成される支持部が前記ハウジングの前記
円形孔に支持されていることを特徴とするボールスプラ
インに関する。このボールスプラインは,前記ケーシン
グを前記ハウジングに取り付けるための取付穴を前記ケ
ーシングの前記支持部に形成することが好ましい。
【0012】このボールスプラインは,上記のように構
成されているので,前記ケーシングが前記ハウジングに
対して相対回転可能であり,前記ハウジングに対する前
記ケーシングの取付角度を適正に調節することができ
る。また,このボールスプラインは,従来のように中空
円筒形の外筒にブローチ加工によって軌道溝を加工する
必要はなく,前記軌道部材に対して単独で軌道溝の加工
を行うことができ,軌道溝を所定の硬度にするため前記
軌道部材のみに対して焼入れを容易に行うことができ
る。また,このボールスプラインでは,直動転がり案内
ユニットにおける軌道溝の加工方法と同様に大径の砥石
を使用して前記ケーシングの外面に形成した平坦面を加
工基準面にして研削加工を行うこともできる。従って,
前記軌道部材に対する第2軌道溝の加工は,容易で且つ
製造が簡単であると共に加工精度を向上させることがで
きる。しかも,スライダを構成する前記ケーシングの断
面形状を略C字状に形成すると,前記ケーシングの外面
に形成した前記平坦面を加工基準面とすると,前記ケー
シングの対向内面に前記軌道部材を取り付けるための前
記座部を容易に且つ高精度に加工することができる。
【0013】また,前記ケーシングの外面に平坦面を形
成し,しかも前記平坦面に取付孔を形成した場合には,
前記平坦面は前記ケーシングの対向内面の前記座部を加
工する際の加工基準面としての機能を果たすと同時に,
前記ケーシングのハウジングへの取付面としての機能を
果たすことができる。
【0014】また,このボールスプラインは,前記ケー
シングが前記ハウジングの円形孔に嵌合可能であり且つ
外面に前記ハウジングの円形孔の内周面を支持可能な支
持部を有しているので,前記ケーシングが前記ハウジン
グに対して相対回転可能であるから,前記ハウジングに
対する前記ケーシングの取付角度を適正に調節すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,図1〜図14を参照して,
この発明によるボールスプラインの実施例を説明する。
このボールスプラインの第一実施例について図1〜図1
2を参照して説明する。
【0016】このボールスプラインの概略構成につい
て,図1,図2,図3及び図4を参照して説明する。ボ
ールスプライン1は,軸芯即ち軸中心に対して対称位置
の長手方向外面に形成された一対の第1軌道溝としての
軌道溝2を備えた断面円形でなるボールスプライン軸
3,ボールスプライン軸3に嵌挿し且つ軌道溝2と対向
する長手方向内面に設けた第2軌道溝としての軌道溝4
と軌道溝4に隔置して形成されたリターン孔5とを備え
たケーシング6,軌道溝4とリターン孔5とにそれぞれ
連通する方向転換路9を備え且つケーシング6の両端に
それぞれ配置されたエンドキャップ10,軌道溝2と軌
道溝4との間を転走し方向転換路9及びリターン孔5を
転走する多数のボール7でなる転動体,ボール7を軌道
溝4内に保持する保持器としての保持バンド8,並びに
エンドキャップ10の端面にそれぞれ配置された側面シ
ール11を有するものである。ケーシング6,エンドキ
ャップ10及び側面シール11等からなるスライダ12
は,図2に示すように,ボールスプライン軸3を跨架し
て嵌挿される。
【0017】ケーシング6は,ボールスプライン軸3の
跨架する開口部16を形成するように略C字形状の断面
を有する形状に構成され,ケーシング6の外面には平坦
面15が形成されている。また,ケーシング6の対向し
た内面には,軌道部材即ちベアリングプレート13をそ
れぞれ取り付けるため,ケーシング6にはその対向内面
に座部14がそれぞれ長手方向に延びるように形成され
ており,軌道溝2に対向する第2軌道溝即ち軌道溝4が
ベアリングプレート13に形成されている。
【0018】ボールスプライン1におけるケーシング6
は,図4に示すように,略C字状の断面形状を有してお
り,長手方向の全長にわたって延びる開口部16を有し
ている。ケーシング6は外面両側部に円弧面17を有
し,外面中央部に平坦面15を有している。また,ケー
シング6の内面28には開口部16に沿って長手方向に
延びる座部14がそれぞれ形成されている。座部14は
直角に交わる2つの平面からなるものである。ケーシン
グ6に形成された平坦面15は,ケーシング6の内面2
8に座部14を形成する際の加工基準面となる。ケーシ
ング6は断面形状が略C字状であるから,ケーシング6
の平坦面15を加工基準面とすることによって,ケーシ
ング6の内面28にベアリングプレート13を取り付け
るための一対の座部14を精度よく加工することができ
る。
【0019】ケーシング6の平坦面15には取付孔18
が形成されており,平坦面15はケーシング6を別部品
を構成するハウジング(図2の二点鎖線50,51)に
取り付ける際の取付面となる。ハウジング50,51
は,平坦面15に対応する平坦面を有する構造であれ
ば,形状は問わないものであり,筒体51,機台50等
の種々の物品がある。ケーシング6の対向内面28に形
成された一対の座部14には,ねじ穴19が形成されて
おり,これらの座部14を取付面として,ケーシング6
にベアリングプレート13がボルト20によって取り付
けられる。
【0020】ベアリングプレート13は,角柱部材に軌
道溝4やボルト20を挿通するための取付孔21等を形
成したものである。ベアリングプレート13の軌道溝4
は,ボールスプライン軸3の軌道溝2に対向する位置に
長手方向に沿ってV字状又は円弧状に形成されている。
ケーシング6には軌道溝4に平行にボール7のリターン
路となるリターン孔5が長手方向に形成されている。ま
た,ケーシング6の長手方向の両端面には取付穴22A
が形成されており,同様にベアリングプレート13の両
端面にも取付穴22Bが形成されており,これらの取付
穴22A,22Bにねじ23を螺入することによってエ
ンドキャップ10及び側面シール11はケーシング6に
取り付けられる。
【0021】ボールスプライン1におけるエンドキャッ
プ10は,図5,図6及び図7に示すように,金属又は
合成樹脂等の材料によって略円弧状に形成された一対の
部材からなるものである。各エンドキャップ10にはね
じ23を挿通するための取付孔32が2箇所に穿孔され
ており,各取付孔32にねじ23を挿通して締め付ける
ことによって,エンドキャップ10及び側面シール11
をケーシング6に取り付けることができる。また,側面
シール11の形状はエンドキャップ10の形状とほぼ同
一形状である。
【0022】エンドキャップ10の内端面29即ちケー
シング6との当接面には,図6に示すように,方向転換
路9を構成する断面形状が半円形の壁面24が形成され
ている。また,エンドキャップ10の内面30には,ボ
ールスプライン軸3に形成された軌道溝2に対応する部
位に軌道溝2に納まる円弧状の突部31が形成されてい
る。また,エンドキャップ10の外端面25即ち反ケー
シング面には,図7に示すように,保持バンド8を係止
するための係止溝26が形成されている。係止溝26の
深さは,保持バンド8を係止溝26に係止した状態にお
いて,保持バンド8がエンドキャップ10の外端面25
から突出しない程度の深さに形成されている。従って,
側面シール11は全面がエンドキャップ10の端面に密
着した状態で取り付けられる。
【0023】図8及び図9に示したスペーサ33は,エ
ンドキャップ10に形成された壁面24と共働して方向
転換路9を構成するものである。スペーサ33は略円弧
状の板材であって,板材の表面にボール7が転走する軌
跡に沿って溝34が形成されている。溝34は,転走す
るボール7の中心が描く軌跡を谷とするものであり,中
央部が高い山35になっている。スペーサ33はエンド
キャップ10の内端面29に形成された円弧状凹部36
に嵌合して取り付けられる。その際,スペーサ33は溝
34が形成されている面を壁面24に対向させて円弧状
凹部36に嵌合する。エンドキャップ10に形成された
壁面24とスペーサ33に形成された溝34の壁面とで
方向転換路9が形成される。
【0024】エンドキャップ10の内面30には,図6
に示すように,ボールスプライン軸3に形成された軌道
溝2に対応する部位に軌道溝2に納まる円弧状の突部3
1が形成されているので,方向転換路9を形成する壁面
24の突部31は,ボール7を円滑に案内することがで
きる。即ち,ボール7が転走するためのボール無限循環
路は,ベアリングプレート13に形成された軌道溝4,
エンドキャップ10に形成された壁面24とスペーサ3
3に形成された溝34の壁面とから形成される方向転換
路9,及びケーシング6に形成されたリターン孔5によ
って形成され,多数のボール7は,上記ボール無限循環
路をスムースに転走できる。
【0025】図10に示す保持器としての保持バンド8
は,薄くて細長い金属板を折り曲げて略コ字状に形成さ
れ,ケーシング6に取り付けられたベアリングプレート
13の軌道溝4からボール7が脱落するのを防止するた
め,エンドキャップ10に取り付けられている。保持バ
ンド8は薄くて細い金属板を折り曲げて製作されるの
で,製作が容易であり,製造コストも低く抑えることが
できる。保持バンド8は,多数のボール7をベアリング
プレート13の軌道溝4に並べた状態で保持するための
直線状のボール保持部37と,保持バンド8をエンドキ
ャップ10の係止溝26に引っ掛けて係止できるように
ボール保持部37の先端を折り曲げて形成した係止部2
7とから成る。保持バンド8の先端係止部27をエンド
キャップ10の係止溝26に係止させることによって,
保持バンド8は軌道溝4上を縦断するように配置され
る。この状態において,ベアリングプレート13の軌道
溝4に並べた多数のボール7は脱落しないように軌道溝
4内に保持される。
【0026】図11及び図12に示すボールスプライン
軸3は,貫通孔38を有する中空軸であり,ボールスプ
ライン軸3の外周面には,長手方向に延びる一対の軌道
溝2が軸芯即ち軸中心に関して対称位置に形成されてい
る。軌道溝2はケーシング6に取り付けられたベアリン
グプレート13に形成した軌道溝4に対向する位置に形
成されている。軌道溝2の底には,スライダ12がボー
ルスプライン軸3を摺動する際に,保持バンド8がボー
ルスプライン軸3に摺接しないように,凹溝39が形成
されている。
【0027】ボールスプライン1は,例えば,のこ刃部
が機台に対して摺動自在に設けられたスライド式電動の
こぎりに適用することができる。即ち,スライド式電動
のこぎりについては,のこ刃部をボールスプライン軸3
の一端に対して取り付け,ボールスプライン軸3と相対
的に摺動するスライダ12の平坦面15を機台ハウジン
グの平面に取り付ける。また,のこ刃部を取り付けたボ
ールスプライン軸3がスライダ12から抜け落ちるのを
防止するために,ボールスプライン軸3の他端にはスト
ッパが固定される。
【0028】このボールスプラインは,従来のボールス
プラインのようにケーシングに軌道溝をブローチ加工に
より形成するのではなくて,ベアリングプレート13と
称する角柱部材の表面に軌道溝4を形成したものである
から,軌道溝4の加工が極めて容易に行えるようにな
る。また,ケーシング6は,開口部16を形成するよう
に断面形状が略C字状であり,加工基準面としての平坦
面15を有するものであるから,ケーシング6の内面に
ベアリングプレート13を取り付けるための座部14を
精度よく形成することができる。また,ベアリングプレ
ート13をケーシング6に取り付ける際には,ベアリン
グプレート13はケーシング6内面28の座部14に正
確に位置決めされるので,その状態でボルト20を締め
付けるだけでベアリングプレート13はケーシング6の
座部14に簡単且つ精度良く取り付けられ,高精度の軌
道溝4を得ることができる。従って,ケーシング6の長
さが長いボールスプライン1であっても,精度良く製作
することができる。
【0029】また,ベアリングプレート13の軌道溝4
の加工は引き抜きされた素材を焼き入れした後で研削加
工するだけで行うことができ,製作工数が少なくて済
み,製作コストを抑えることができる。更に,上記研削
加工により加工精度が向上し,負荷容量も大きくできる
ので,軸断面の大きさがコンパクトなものになる。
【0030】次に,図13及び図14を参照して,この
発明によるボールスプラインの第二実施例について説明
する。第二実施例におけるボールスプライン40は,ケ
ーシング41の構造が第一実施例のケーシング6の構造
と一部において相違しているものの,その他の点におい
ては両者は同一の構成を備えているので,共通する構成
には第一実施例のものと同一の符号を付し,説明を省略
することにする。
【0031】第二実施例におけるケーシング41は,第
一実施例におけるケーシング6の外面両側部の円弧面1
7に支持部42を形成したものである。支持部42の外
面はハウジング43の円形孔44の曲率と同じ曲率をも
つ円弧面46であり,ケーシング41はハウジング43
に形成された円形孔44に嵌合可能である。ボールスプ
ライン40をハウジング43の円形孔44内に嵌挿して
取り付ける際に,ケーシング41の支持部42の外面は
ハウジング43に対する支持面46となる。また,支持
部42には取付穴45が形成されており,ボルトを取付
穴45に螺入することによってケーシング41はハウジ
ング43に取り付けられる。ケーシング41は,ハウジ
ング43に対して相対回転可能であるから,ハウジング
43に対するケーシング41の取付角度を適正に調節す
ることができる。
【0032】ボールスプライン40は,ハウジング43
の円形孔44にケーシング41を取り付けて使用するこ
とができるが,ケーシング41の外面中央部に平坦面1
5を有しているので,平坦面15に第一実施例と同様に
取付孔を形成しておけば,ケーシング41をハウジング
43の平面に固定することもできる。
【0033】また,ボールスプライン40についても,
ケーシング41は,略C字形状の断面を有すると共に,
外面に平坦面15が形成され且つ内面にベアリングプレ
ート13を取り付けるための座部14が形成されてい
る。軌道溝4は,ベアリングプレート13に形成されて
いるので,第一実施例のボールスプライン1と同様の効
果を有するものである。
【0034】
【発明の効果】この発明によるボールスプラインは,上
記のように構成されているので,ケーシングがハウジン
グに対して相対回転可能であり,前記ハウジングに対す
る前記ケーシングの取付角度を適正に調節することがで
きる。また,このボールスプラインは,スライダの軌道
溝が,ケーシングと別体の部材であるところのベアリン
グプレート即ち軌道部材に形成され,軌道溝が精度よく
簡単に形成することができるうえ,前記ケーシングの断
面形状が略C字状であり,前記ケーシングがその 外面に
加工基準面となる平坦面を形成しているので,ケーシン
グの座部の取付面を精度よく加工することができる。こ
れに対して,従来のスライダは,円筒体であったため,
スライダへの軌道溝の加工はブローチ加工によって行わ
れており,それ故に,製作できるスライダは内径に対す
る軸方向の長さに制限があり,長さの長いスライダは製
作できず,長さの長いスライダを必要とする場合には複
数個のスライダを軸方向に直列に配置して使用してい
た。従って,このボールスプラインによれば,スライダ
の長さが長いボールスプラインを簡単且つ精度よく製作
することができ,スライダの部品点数を低減することが
できる。
【0035】また,従来の中空円筒形のスライダにおい
ては,前記軌道溝はブローチ加工し,その後で焼き入れ
を行い,更に研磨加工による仕上げ等を行って製作して
いたので,製作工数が多くかかっていたが,この発明に
よるボールスプラインについては,ベアリングプレート
の軌道溝は,引き抜きされた素材を焼き入れした後に研
削加工するだけで製作でき,製作工数が少なくて済み,
製作コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】の発明によるボールスプラインの第一実施例
を示す正面図である。
【図2】図1のボールスプラインを示す側面図である。
【図3】図1のボールスプラインにおけるケーシングと
軌道部材を示す一部破断の正面図である。
【図4】図3のケーシング及び軌道部材を示す側面図で
ある。
【図5】図1のボールスプラインにおけるエンドキャッ
プを示す正面図である。
【図6】図5のエンドキャップの内端面を示す背面図で
ある。
【図7】図5のエンドキャップの外端面を示す側面図で
ある。
【図8】図1のボールスプラインにおけるスペーサを示
す平面図である。
【図9】図8のスペーサを示す側面図である。
【図10】図1のボールスプラインにおける保持バンド
を示す平面図である。
【図11】図1のボールスプラインにおけるボールスプ
ライン軸を示す一部破断の正面図である。
【図12】図11のボールスプライン軸を示す側面図で
ある。
【図13】この発明によるボールスプラインの第二実施
例を示す正面図である。
【図14】図13のボールスプラインを示す側面図であ
る。
【図15】従来のボールスプラインの一例を示す一部破
断の斜視図である。
【図16】従来のボールスプラインの別の例を示す一部
破断の断面図である。
【図17】従来のボールスプラインの更に別の例を示す
正面図である。
【図18】図17のボールスプラインを示す側面図であ
る。
【図19】直動転がり案内ユニットにおけるスライダの
加工方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1,40 ボールスプライン 2 軌道溝(第1軌道溝) 3 ボールスプライン軸 4 軌道溝(第2軌道溝) 5 リターン孔 6,41 ケーシング 7 ボール 8 保持バンド(保持器) 9 方向転換路 10 エンドキャップ 11 側面シール 12 スライダ 13 ベアリングプレート(軌道部材) 14 座部 15 平坦面 16 開口部 17 円弧面 18 取付孔 42 支持部 43,50,51 ハウジング 44 円形孔 45 取付穴
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−60132(JP,A) 特開 昭53−21346(JP,A) 特開 昭55−97518(JP,A) 特開 昭59−103018(JP,A) 実開 昭63−126615(JP,U) 実開 昭57−165820(JP,U) 実開 昭55−29771(JP,U) 実開 昭59−105622(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸芯に対して対称位置の長手方向外面に
    形成された一対の第1軌道溝を備えた断面円形でなるボ
    ールスプライン軸,該ボールスプライン軸に跨架する開
    口部の長手方向対向面に延びる座部,長手方向に延びる
    リターン孔及び外面に平坦面を形成したケーシング,前
    記ケーシングに形成した前記座部に固定され且つ前記第
    1軌道溝と対向する第2軌道溝を形成した一対の軌道部
    材,前記第2軌道溝と前記リターン孔とにそれぞれ連通
    する方向転換路を備え且つ前記ケーシングの両端にそれ
    ぞれ配置されたエンドキャップ,前記第1軌道溝と前記
    第2軌道溝との間に形成される軌道路,前記方向転換路
    前記リターン孔を転走する多数のボールでなる転動
    体,該転動体を前記ケーシングと共働して保持する保持
    器,及び前記エンドキャップの端面にそれぞれ配置され
    た側面シールを有し,前記ケーシングの前記外面に形成
    した前記平坦面の両側部は,円形孔のハウジングに嵌合
    可能な円弧面に形成されていることを特徴とするボール
    スプライン。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングに形成した前記平坦面に
    前記ハウジングに取り付けるための取付孔が形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のボールスプラ
    イン。
  3. 【請求項3】 軸芯に対して対称位置の長手方向外面に
    形成された一対の第1軌道溝を備えた断面円形でなるボ
    ールスプライン軸,該ボールスプライン軸に跨架する開
    口部の長手方向対向面に延びる座部,長手方向に延びる
    リターン孔及び外面に平坦面を形成したケーシング,前
    記ケーシングに形成した前記座部に固定され且つ前記第
    1軌道溝と対向する第2軌道溝を形成した一対の軌道部
    材,前記第2軌道溝と前記リターン孔とにそれぞれ連通
    する方向転換路を備え且つ前記ケーシングの両端にそれ
    ぞれ配置されたエンドキャップ,前記第1軌道溝と前記
    第2軌道溝との間に形成される軌道路,前記方向転換路
    と前記リターン孔を転走する多数のボールでなる転動
    体,該転動体を前記ケーシングと共働して保持する保持
    器,及び前記エンドキャップの端面にそれぞれ配置され
    た側面シールを有し,前記ケーシングはハウジングの
    孔に嵌合して固定され,前記ケーシングの外面に形成
    される支持部が前記ハウジングの前記円形孔に支持され
    ていることを特徴とするボールスプライン。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングを前記ハウジングに取り
    付けるための取付穴を前記ケーシングの前記支持部に形
    成したことを特徴とする請求項3に記載のボールスプラ
    イン。
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