JP3423040B2 - Cad/cam結合システム - Google Patents

Cad/cam結合システム

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JP3423040B2
JP3423040B2 JP25107893A JP25107893A JP3423040B2 JP 3423040 B2 JP3423040 B2 JP 3423040B2 JP 25107893 A JP25107893 A JP 25107893A JP 25107893 A JP25107893 A JP 25107893A JP 3423040 B2 JP3423040 B2 JP 3423040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CAD情報を自動的に
CAM情報に変換できるCAD/CAM結合システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CADシステムで作成した加工対
象のCAD情報に基づいて加工対象を加工する場合、ユ
ーザーが、キーボード操作により、CAD情報に工具経
路を逐一付加し、さらに工具選択情報、加工速度等の情
報を付加して、CAM情報を作成していた。このCAM
情報は、NC工作機械に対応したNCコードに変換され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、CA
D情報に基づくCAM情報の作成をユーザーのキーボー
ド操作により行っているため、作業性が著しく悪かっ
た。そこで、CAD情報に基づくCAM情報の作成を自
動的に行うことが、要望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、請求項1の発明では、
加工対象のCAD情報を作成するCADシステムと、こ
のCAD情報をCAM情報に変換するAIツールと、こ
のCAM情報をNCコードに変換するCAMシステムと
を備え、上記AIツールは、 (a)加工対象の形状を表す複数の線要素とその順序に
関する情報を予め格納する線要素群格納手段と、 (b)上記線要素毎の格納部を有し、上記CADシステ
ムからの線要素毎のCAD情報を上記格納部に格納する
CAD情報格納手段と、 (c)上記格納部の線要素毎のCAD情報を、線要素毎
のCAM情報に変換する変換手段と、 (d)上記線要素群格納手段に格納された線要素の順序
で、上記変換手段で得られた線要素毎のCAM情報を順
序付けることにより、工具経路のCAM情報を生成する
CAM情報生成手段と、を備えたCAD/CAM結合シ
ステムを要旨とする。請求項2の発明では、さらにAI
ツールは、工具が時計回りか反時計回りかを示す方向情
報を予め格納する方向情報格納手段を備え、上記変換手
段は、この方向情報格納手段の方向情報を参照して上記
変換を行うことを要旨とする。請求項3の発明では、さ
らにAIツールは、線要素の種別と前の線要素との関係
に応じてCAD情報からCAM情報への変換の仕方を決
定するプログラムを格納したプログラム格納手段を備
え、上記変換手段の線要素に関する変換の仕方が未定義
の場合にこのプログラムを実行して変換の仕方を決定す
ることを要旨とする。請求項4の発明では、さらにAI
ツールは数値情報格納手段とCAD情報変更手段とを備
え、この数値情報格納手段は、上記CAD情報格納手段
に格納されたCAD情報のうちの重要な数値を格納する
とともに、加工対象の機能に関する数値を格納し、上記
CAD情報変更手段は、上記数値情報格納手段の数値が
変更された時に、上記CAD情報格納手段の格納部に格
納されたCAD情報を書き換えることを要旨とする。請
求項5の発明では、さらに上記AIツールは付加手段を
備え、この付加手段は、上記CAD情報格納手段に格納
された線要素毎のCAD情報から線要素の集合が閉ルー
プとなるか開ループとなるかを判断し、開ループとなる
場合には、線要素の集合が閉ループとなるように上記線
要素群格納手段に新たな線要素を付加するとともに、C
AD情報格納手段にこの付加された線要素のCAD情報
を格納するための格納部を付加することを要旨とする。
【0005】
【作用】請求項1の発明では、複数の線要素毎のCAD
情報に基づいて、工具経路のCAM情報を自動作成する
ことが可能となる。請求項2の発明では、工具経路が円
弧等を含む場合でも、方向情報に基づき確実に工具経路
のCAM情報を作成することができる。請求項3の発明
では、線要素毎のCAD情報からCAM情報への変換の
仕方を自動的に定義できる。請求項4の発明では、加工
対象に係わる数値を変更した時に、CAD情報を自動的
に変更することができ、ひいてはCAM情報もこの数値
変更に対応して作成することができる。請求項5の発明
では、CAD情報による線要素の集合が開ループを描く
場合でも、線要素を付加することにより閉ループにする
ことができ、工具経路のCAM情報を完全なものとする
ことができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1に示すように、本発明のCAD/CAM結
合システムは、加工対象のCAD情報を作成するCAD
システム1と、このCAD情報をCAM情報に変換する
AIツール2と、このCAM情報を機械設定情報に基づ
いてNCコードに変換するCAMシステム3とを備えて
いる。機械設定情報はNC工作機械5の種類によって異
なる。CADシステム1とAIツール2は、ワークステ
ーション4上で稼働しており、CAMシステムはパーソ
ナルコンピュータ上で稼働している。ワークステーショ
ン4とパーソナルコンピュータは、インサーネットによ
り接続されており、それぞれにはキーボードとディスプ
レイが付設されている。また、上記パーソナルコンピュ
ータとNC工作機械5はケーブルで接続されている。上
記CAD情報はCADlanguageフォ−マットで格納されて
おり、IGESに準拠した形式である。
【0007】最初に、上記CAD情報とCAM情報の関
係について、1つの線要素、円弧を例にとって説明す
る。図2(A)に示すように、円弧のCAD情報は、中
心点の座標(x0,y0,z0)と、半径(rad)
と、円弧の両端の基本線からの角度(ang1,ang
2)を原則的に含んでいる。他方、円弧のCAM情報
は、工具経路上において、この円弧の前の線要素との関
係(前の線要素と接線をなすか交差するか)と、中心点
の座標(x0,y0,z0)と、方向(directi
on)と、半径(rad)と、円弧の終点の座標(xー
end,yーend),円弧の終点と基本ラインとの間
の角度(angーend)を原則的に含んでいる。ただ
し、このCAM情報において円弧のための工具経路が特
定されるのであれば、上記情報のうちの幾つかは省くこ
とができる。なお、実際のCAM情報は、複数の線要素
の順序の情報を含んでいる。1つの線要素のCAM情報
のいくつかは、工具経路上で前または後に位置する線要
素のCAM情報に置き換えることが可能である。
【0008】次に、加工対象をカムを例にとって説明す
る。このカムの形状は、図3に示すように、少なくとも
4つの線要素すなわち、Base-Arc(基本円弧),Lift-L
ine(リフト機能を担う直線),Top-Arc(リフト状態を
維持するための円弧),Side-Arc(下降機能を担う円
弧)を含んでいる。すなわち、3つの円弧と一つの直線
を含んでいる。各円弧のCAD情報は、前述したように
中心点座標と、半径と、両端の基本ラインに対する角度
とを含んでいる。また、直線のCAD情報は、両端の座
標を含んでいる。上記カムを機能で表す情報は、図4に
示すように、リフト開始角度Θ1,変曲点角度Θ2,最大
リフトでの角度Θ3,最大リフト量Lmax等を含んで
いる。
【0009】上記カムを切削加工するために用意された
AIツール2の知識ベースは、図5に示すフレームシス
テムを含んでいる。このフレームシステムは、順にIS
A関係となっているフレーム「kernel」,「pecam-asse
mbly」,「fpcam」,「fpcam***」,「fpcam♯♯♯」を
有している。ここで、フレーム「kernel」が最上位概念
フレームであり、フレーム「fpcam♯♯♯」が最下位概
念フレームすなわちインスタンスである。図5におい
て、ISA関係は実線の矢印で示されている。
【0010】さらにフレームシステムは、図5において
点線の矢印で示すように、フレーム「fpcam***」とそれ
ぞれHasStructure,HasFunctionの関係にあるフレーム
「fpcam***structure」,「fpcam***function」を含んで
いる。これらHasStructure,HasFunctionは、いわゆるH
asPartと同じフレーム関係を表すものである。フレーム
「fpcam***structure」,「fpcam***function」はフレ
ーム「fpcam」とISA関係を有している。
【0011】同様にフレームシステムは、フレーム「fp
cam♯♯♯」とそれぞれHasStructure,HasFunctionの関
係にあるフレーム「fpcam♯♯♯structure」,「fpcam
♯♯♯function」を含んでいる。上記フレーム「fpcam
♯♯♯structure」はフレーム「fpcam***structure」と
ISA関係を有しており、フレーム「fpcam♯♯♯funct
ion」はフレーム「fpcam***function」とISA関係を
有している。さらに、フレームシステムは、フレーム
「kernel」とISA関係にあるフレーム「cam」,「ca
d」を備えている。
【0012】本実施例では、上記最下位概念フレーム
「fpcam♯♯♯」,「fpcam♯♯♯structure」,「fpcam
♯♯♯function」は、実際の加工対象のCAD情報を格
納するためのものであり、知識ベースの構築時には存在
せず、AIツール2により自動作成される。
【0013】次に、本発明で最も重要なフレーム「fpca
m***structure」について、図6を参照して説明する。
このフレーム「fpcam***structure」は、工具ファイル
スロット「tool-file」を有しており、ここに、材料に
対応する工具情報のファイル名が格納されている。本実
施例では、材料としてワックスを指定したので、このワ
ックスを切削するのに好適なドリルの情報を含むファイ
ル名が格納されている。また、ワークの寸法を表すスロ
ット「workーsize」,ドリルの深さ方向の送りを表すス
ロット「pass-pitch」等がある。
【0014】さらに、フレーム「fpcam***structure」
には、工具経路の方向(円弧の場合)を表すスロット
「direction」がある。この実施例では、時計回り方向
(2.cw)が格納されている。また、線要素群スロッ
ト「segments」には、前述した4つの線要素Base-Arc,
Lift-Line,Top-Arc,Side-Arcがこの順で格納されてい
る。このように、スロット「segments」で線要素を順序
付けることにより、加工対象であるカムの工具経路がモ
デル表現されている。
【0015】フレーム「fpcam***structure」のスロッ
ト「cad-drawing」は、本実施例に直接関係ないので説
明を省略する。スロット「cam-drawing」は、後述する
CAD情報からCAM情報への変換の際に参照される。
ここでのスロット値start0,line1,line2,line3,line4
は、ワークに関する情報であり本発明では重要でないの
で説明を省略する。このスロットでのstart1は工具経路
の始点を表し、?segmentsは、スロット「segments」の
参照指令を表している。
【0016】フレーム「fpcam***structure」は上記工
具経路の始点「start1」,各線要素「Base-Arc」,「Li
ft-Line」,「Top-Arc」,「Side-Arc」のスロットを有
している。各線要素スロットにはCAD情報が格納され
る。具体的には、各線要素スロットには、1番目に円弧
か直線か線要素の種類、円弧の場合には、2番目以降順
に、中心点のx,y,z座標,半径、円弧の両端の基本
ラインからの角度が格納される。スロット「Base-Arc」
の場合、スロット値は「arc 40.0 32.00.0 2
5.0 … 」となる。
【0017】上記フレーム「fpcam***structure」の各
線要素スロットには、後述するアトリビューション「c
ad」とアトリビューション「cam」が付属してい
る。アトリビューションは、特定の属性をもって一種の
デーモン機能のような管理を行うものである。
【0018】フレーム「fpcam***」は、カム形状におけ
る重要な寸法のスロット「base-radius」,「top-radiu
s」,「side-radius」,「max-lift」および重要な機能
のスロット「lift-start」,「lift-inflection」,「l
ift-end」を有している。スロット「base-radius」には
Base-Arcの半径が格納され、「top-radius」にはTop-Ar
cの半径が格納され,「side-radius」にはSide-Arcの半
径が格納され,「max-lift」には、最大リフト量Lma
xが格納されている。また、スロット「lift-start」に
は、基本線からのリフト開始角度Θ1(図3,図4参
照),「lift-inflection」にはリフト曲線の変曲点の
基本ラインからの角度Θ2,「lift-end」には、基本ラ
インからのリフト終了角度Θ3が格納されている。
【0019】フレーム「fpcam***function」は、図8の
右下に示すように、機能要素群スロット「elements」を
有しており、このスロットには、機能要素として「Lift
-Start」,「Lift-Inflection」,「Lift-End」等が格
納されされている。さらにフレーム「fpcam***functio
n」は、機能要素スロット「Lift-Start」,「Lift-Infl
ection」,「Lift-End」を有しており、これら機能要素
スロットには、加工対象の形状に係わる寸法値をファク
ターとして当該機能に関する数値を演算するための関数
が、格納されている。例えば図4に良く示されているよ
うに、Lift-Start=Θ1は、Base-Radius=Rbと、Top-
Radius=Rtと、Max-Lift=Lmaxの関数として表さ
れている。
【0020】上記構成において、まずCADシステム1
で作成されたCAD情報の読み込みついて説明する。こ
の読み込みの基本的手法は、設計工学会会誌,27巻,
12号(1992年),537ー542頁に開示されて
いる。キーボード操作により、CAD情報の読み込み指
令と各フレーム「fpcam***」の指定を行う。すると、フ
レーム「fpcam***structure」のスロット「recognitio
n」値が付加手続きとして起動し、プロダクションシス
テムに移行する。この際に、フレーム「fpcam***struct
ure」のスロット中に存在するアトリビューション「rul
e」の値をプロダクションシステム中に組み込む。これ
により、次の手続きが実行される。
【0021】(i)線要素(Base-Arc,Lift-Line,Top-Ar
c,Side-Arc)をそれぞれ認識し、フレーム「fpcam***st
ructure」のスロット「Base-Arc」,「Lift-Line」,「To
p-Arc」,「Side-Arc」に、線要素毎のCAD情報を格納
する。 (ii)フレーム「fpcam***structure」のスロット「seg
ments」におけるBase-Arc,Lift-Line,Top-Arc,Side-Arc
の順に閉ループをなすかどうかを検討する。加工対象と
なるカム形状がこれら4つの線要素だけで構成される場
合、閉ループと判断されるので次の(iii)を実行す
る。 (iii)CAD情報から、重要な寸法値(Base-Radiusや
Max-Lift等)を認識し、認識された寸法値をフレーム
「fpcam***」の対応するスロットに格納する。 (iv)上記寸法値格納に応答して、「fpcam***functio
n」の関数が参照され、「fpcam***」の機能要素スロッ
ト「Lift-Start」等に機能を表す数値が格納される。 上記のように、カムが4つの線要素だけからなるカムの
場合、CAD情報およびこれに付随する数値を、「fpca
m***」,「fpcam***structure」に格納することができ
る。ちなみに、他の線要素がある場合には、フレーム名
を「fpcam***」と指定したのでは、手続き(iii)に進
むことができない。これらフレームには、現実に切削を
所望するカムのCAD情報やそれに付随する数値を格納
してもよいが、本実施例では、標準モデルのカムのCA
D情報およびこれに付随する数値が格納される。
【0022】次に、現実に切削を所望するカムのCAD
情報の読み込みについて説明する。この場合には、キー
ボード操作により、CAD情報の読み込み指令とフレー
ム「fpcam♯♯♯」の指定を行う。すると、フレームシ
ステムは自動的に、フレーム「fpcam***」の下位概念と
して、フレーム「fpcam♯♯♯」を生成する。このフレ
ーム「fpcam♯♯♯」はフレーム「fpcam***」の機能を
継承するから、当然にフレーム「fpcam♯♯♯structur
e」,「fpcam♯♯♯function」も生成される。前述と同
様に、フレーム「fpcam***structure」のスロット「rec
ognition」値が付加手続きとして起動し、プロダクショ
ンシステムに移行する。これにより、次の手続きが実行
される。
【0023】(i’)基本線要素(Base-Arc,Lift-Line,
Top-Arc,Side-Arc)をそれぞれ認識し、フレーム「fpca
m♯♯♯structure」に線要素群スロット「Segments」を
作成するとともに、このスロットにBase-Arc,Lift-Lin
e,Top-Arc,Side-Arcを順に格納する。また、スロット
「Base-Arc」,「Lift-Line」,「Top-Arc」,「Side-Ar
c」を作成するとともに、これらスロットに線要素毎の
CAD情報を格納する。 (ii’)フレーム「fpcam♯♯♯structure」のスロット
「segments」におけるBase-Arc,Lift-Line,Top-Arc,Sid
e-Arcが順に閉ループをなすかどうかを検討する。閉ル
ープと判断した場合次の(iii’)以降を実行する。 (iii’)CAD情報から重要な寸法値を認識し、認識
された寸法値をフレーム「fpcam♯♯♯」の対応するス
ロットに格納する。 (iv’)上記寸法値格納に応答して、「fpcam♯♯♯fun
ction」のスロットが参照されるが、ここに何もないの
で、「fpcam***function」のスロットが参照され、その
結果、「fpcam♯♯♯」の機能要素スロット「Lift-Star
t」等に機能を表す数値が格納される。 上記のように、カムが4つの線要素だけからなるカムの
場合、CAD情報およびこれに付随する数値を、「fpca
m♯♯♯」,「fpcam♯♯♯structure」に格納すること
ができる。
【0024】上記手続(ii’)において、開ループと判
断した場合次の手続を実行する。 (v’)一筆書きの原理を基に、新たな線要素を探索す
る。これにより、例えば新たな円弧「Add-Arc」や新た
な直線「Add-Line」が探索される。なお、この線要素を
認識するためのルールは半自動的に生成される(上記論
文参照)。この線要素「Add-Arc」等の認識に伴い、フ
レーム「fpcam♯♯♯structure」のスロット「segment
s」に、上記基本線要素Base-Arc,Lift-Line,Top-Ar
c,Side-Arcの他にAdd-Arc等を付加して格納し、かつ、
線要素スロットとして「Base-Arc」,「Lift-Line」,
「Top-Arc」,「Side-Arc」の他に、「Add-Arc」等を作
成し、この付加スロットにもCAD情報を格納する。
【0025】上記のようにして、フレームシステムの最
下位概念フレーム「fpcam♯♯♯structure」に,現実の
加工対象となっているカムのCAD情報が格納された状
態において、寸法値や機能を表す数値を変更したい場合
には、キーボード操作により変更指令と、フレーム名
「fpcam♯♯♯」の指定と、変更対象のスロット指定を
行うとともに、変更すべき寸法値や数値を入力する。こ
の時、フレームシステムで実行される手続を「Base-Rad
ius」の変更の場合を例にとって図8を参照しながら順
に説明する。
【0026】(i)フレーム名「fpcam♯♯♯」のスロッ
ト「Base-Radius」の値の変更が起こる。 (ii)主従関係「HasStructure」により、フレーム「fp
cam♯♯♯structure」が参照され、次の(iii)が行わ
れる。 (iii)「fpcam♯♯♯structure」の線要素群スロット
「Segments」を参照し、ひいては各線要素スロット「Ba
se-Arc」,「Lift-Line」,「Top-Arc」,「Side-Arc」
等を参照する。各スロットのアトリビューション「ca
d」の値で、変更の起きたスロットが使用されているか
否かの検討を行い、使用されている場合には、CAD情
報を変更する。具体的には、例えばスロット「Base
−Arc」にあっては、CAD情報のうち4番目の数値
が変更される。なお、このアトリビューション「ca
d」はISA関係により、「fpcam***structure」のア
トリビューション「cad」を継承したものである。
【0027】(iv)また、主従関係「HasFunction」に
より、フレーム「fpcam♯♯♯function」が参照される
が、このフレーム「fpcam♯♯♯function」は付加的線
要素が無い限りは無内容なので、ISA関係にある「fp
cam***function」が参照され、次の(v)が実行され
る。 (v)機能要素群スロット「elements」を参照し、ひい
ては各機能要素スロット「Lift-Start」等を参照する。
アトリビューション「if−varied」の値で、変更がされ
たスロットが使用されているか否かの検討を行い、使用
されている場合には、そのスロットの評価を行い、該当
する「fpcam♯♯♯」のスロット値にその評価結果を格
納する。
【0028】なお、フレーム「fpcam♯♯♯」の機能要
素スロット例えば「Lift-Start」の値が変更された時に
も、「fpcam♯♯♯structure」の線要素スロット例えば
「Base-Arc」のCAD情報が変更されることは、図8か
ら理解できるであろう。上記と同様にして、「fpcam**
*」の寸法値や機能を表す数値が変更された時にも、こ
れに応じて「fpcam***structure」に格納されたCAD
情報を変更し、「fpcam***」の寸法値や機能を表す数値
を変更することができる。上述したように、本実施例で
は、寸法値や機能を表す数値の変更にも柔軟に対応して
矛盾のない知識ベースを構築できる。
【0029】次に、上記フレーム「fpcam♯♯♯structu
re」に格納されたCAD情報に基づいて、CAM情報が
どのように生成されるかについて詳述する。ユーザーが
キーボード操作によりCAM情報の生成の指令とフレー
ム「fpcam♯♯♯structure」の指定を行うと、ISA関
係にある図9のフレーム「fpcam」のスロット「macro-t
emplate」が参照される。このスロットには、例えば1
0段階の手続コードが格納されている。以下、順を追っ
て説明する。 (1)CAM情報生成プログラムをスタートさせる。 (2)工具情報をロードする。具体的には、「fpcam***
structure」のスロット「tool-file」の値が上記手続き
コードに代入され、次のマクロコードが作成される。
(new wax1 @ cr) このマクロコードは、工具情報ファイルwax1(ワッ
クス用のドリル)をロードして、このファイルから使用
される工具を選択することを指令するものである。な
お、newは新規のCAM情報の生成を意味する。
【0030】(3)工具経路に関するCAM情報を生成
する。具体的には、スロット「cam-drawing」が参照さ
れる。なお、指定されたファイル「fpcam♯♯♯structu
re」には、該当するスロットがないのでISA関係にあ
るスロット「cam-drawing」が参照されることになり、
以下のリスト式が評価される。( drawing Start0 Line
1 Line2 Line3 Line4 Start1 Base-Arc Lift-LineTop-A
rc Side-Arc) ここで関数「drawing」は、上記の順序でスロットを参
照する。スロット「start0」,「line1」,「line2」,
「line3」,「line4」については説明を省略する。スロ
ット「Start1」 ,「Base-Arc」,「Lift-Line」,「Top-A
rc」,「Side-Arc」は、フレーム「fpcam♯♯♯structu
re」,「fpcam***structure」の両者にあるが、指定さ
れた下位フレーム「fpcam♯♯♯structure」のスロット
が優先される。ただし、フレーム「fpcam♯♯♯structu
re」にはアトリビューション「cam」は付属していな
いので,「fpcam***structure」の各スロットのアトリ
ビューション「cam」が継承され、その評価が行われ
る。
【0031】上記アトリビューション「cam」の評価
を工具経路の始点である「start1」について説明す
る。このスロットのアトリビューション「cam」は、
下記のようになっている。(start−prof ¥
second @cr ¥third @cr) ここで、¥second,¥thirdは、スロット値
の2番目,3番目の値(x座標,y座標)の参照を行う
ことを示している。フレーム「fpcam♯♯♯structure」
のスロット「Start1」は図示されていないが、フレーム
「fpcam***structure」のスロット「Start1」と等しい
値(図6参照)が格納されていたと仮定した場合、下記
のようなマクロコードが作成される。(start−p
rof $40.0 @cr $7.0 @cr)
【0032】次に「Base−Arc」についてのアト
リビューション「cam」の評価を説明する。このスロ
ットのアトリビューション「cam」は、下記のように
なっている。(arc ?direction ¥fi
fth @cr ¥second@cr accept
@cr @cr @cr) ここで、?directionは、スロット「dire
ction」の値を代入することを意味している。な
お、このスロット「direction」はフレーム
「fpcam***structure」に存在する。¥fifth,¥
secondは、スロット「Base−Arc」の値の
5番目,2番目の値(Base−Arcの半径と中心点
のx座標)の参照を行うことを示している。フレーム
「fpcam♯♯♯structure」のスロット「Base-Arc」の値
が図8に示すような値である場合には、下記のようなマ
クロコードが作成される。(arc 2.cw $2
5.0 @cr $40.0 @cr accept@c
r @cr @cr) このように、Base−Arcについては、方向と、中
心点のx座標と半径が確定すれば、工具経路を決定する
ことができる。なお、Base−Arcの終点は、次の
Lift−Lineの始点でもあるので、上記マクロコ
ードに含まれなくてもよい。
【0033】LiftーLineのマクロコードについ
ては詳述しないが、工具経路における前線要素Base
−Arcとの関係が指定される。同様にしてTop−A
rc,Side−Arcのマクロコードが作成される。
したがって、上記手続き(1)〜(3)により作成され
るマクロコードの集合体としてのCAM情報は、下記の
ようになる。 (start-prof $0.0 @cr 0.0 @cr) (line $0.0 @cr $80.0 @cr) … (start-prof $40.0 @cr $7.0 @cr) (arc 2.cw $25.0 @cr $40.0 @cr accept @cr @cr @c
r) …
【0034】(4)上記CAM情報に基づいて図形(最
終仕上げにおける工具経路)の再描画を行う。 (5)CAM情報を専用のファイルに格納する。なお、
この段階で手続きを終了させることも可能である。 (6)データの圧縮を行う。 (7)工具切削経路間の飛び越し値を設定する。 (8)上記CAM情報と工具情報に基づき荒加工の処理
(工具経路を含む)を決定する。すなわち、この手続き
段階において、仕上げ代、加工の深さ、送り深さ,荒加
工の各段階でのドリル選定,ドリル回転速度などが決定
される。 (9)上記荒加工から最終仕上げまでの工具経路のシュ
ミレーションをディスプレイ上で行う。この工具経路に
何らかの不都合が生じた場合、シュミレーション中に強
制終了させることも可能である。 (10)CAMシステム3が、上記CAD情報に基づい
てNCコードを作成すうように、変換指令を行う。
【0035】なお、フレーム「fpcam***structure」に
格納された標準モデルのCAD情報に基づいてCAM情
報を生成する場合には、ユーザーがキーボード操作によ
りCAM情報の生成の指令とフレーム「fpcam***struct
ure」の指定を行う。以下は、上記フレーム「fpcam♯♯
♯structure」指定の場合と同様であるから説明を省略
する。
【0036】フレーム「fpcam***structure」に標準モ
デルのカムのCAD情報が最初に格納される前の状態で
は、このフレーム「fpcam***structure」の各線要素ス
ロットのアトリビューション「cam」は、図10に示
すように未定義である。このため、上記手続(3)にお
いて、アトビューション「cam」の評価の前にその定
義を行う。詳述すると、図10に示すように、線要素群
スロット「segments」が参照され、そのスロッ
ト値に基づいて線要素スロット「Base−Arc」等
が参照された時(図中符号X1で示す)、そのアトビュ
ーション「cam」が未定義の場合には、そのスロット
値を参照して、当該線要素が円弧arcなのか、直線l
ineなのかを認識する(図中符号X2で示す)。そし
て、上記線要素の種類に応じたアトビューション「ca
m」の生成関数を、付加手続きにより実行する(図中符
号X3)。この生成関数は、円弧用の関数「macro-gene
rate-arc」と直線用の関数「macro-generate-line」の
2種類あり、それぞれフレーム「cam」のスロット
「arc」,「line」に格納されている。そして、
この付加手続きを呼び出したスロットのアトビューショ
ン「cam」に評価結果が格納される。
【0037】例として、スロット「Base−Arc」
のアトリビューション「cam」が未定義の場合につい
て説明する。この場合、スロット「Base−Arc」
のスロット値を参照し、線要素が円弧「Arc」である
と認識し、図11に示す円弧用の関数「macro-generate
-arc」を実行する。詳述すると、まず、コード「ar
c」を格納する(ステップ100)。次に、前の要素が
出発点「start」か線「line」かを判断する
(ステップ101)。ここでの「line」は円弧も直
線も含む。「Base−Arc」の場合には、「sta
rt」であるから、ステップ105に移行する。ちなみ
に、「Top−Arc」,「Side−Arc」の場合
には、ステップ101で「line」と判断されるか
ら、ステップ102に移行し、ここで、前の線要素に対
して接線となるか否かを判断される。肯定判断された時
には、コード「tangent」を格納する(ステップ
103)。否定判断された時には、コード「inter
section」を格納する(ステップ104)。
【0038】ステップ105では、スロット「dire
ction」の値が格納される。次のステップ106で
は、半径を指定するコード「¥fifth @cr」を
格納する。次のルーチン107は円弧の中心点座標に関
するものであり、ステップ108〜111を含む。ルー
チン107に表示した「%x0」,「%y0」は、中心
点のx座標,y座標を意味する。ステップ108では、
フレーム「cad」のスロット値における該当順番を格
納する。例えば「%x0」は「¥second」と評価
される。「%x0」に対応する「¥second」を格
納した後、円弧が決定されるか否かを判断する(ステッ
プ109)。肯定判断された時には、コード「acce
pt」を格納し(ステップ110)、次に始点に戻った
か否かを判断する(ステップ111)。肯定判断の時に
は、このプログラムを終了し、否定判断の時には次のル
ーチン120に移る。このルーチン120はなくても済
むので、説明を省略する。BaseーArcの場合に
は、「%x0」に対応する「¥second」を格納し
た後、ステップ109で肯定判断され、ステップ111
で否定判断される。他の円弧において、「%x0」に対
応する「¥second」を格納した後でステップ10
9で否定判断された場合には、ステップ108に戻って
「%y0」に対応する「¥third」が格納され、こ
の後のステップ109で肯定判断される。SideーA
rcの場合には、ステップ111で肯定判断される。な
お、付加された線要素についても同様にしてアトリビュ
ーション「cam」を定義することができる。このアト
リビューション「cam」は、フレーム「fpcam♯♯♯s
tructure」のスロットに付けられる。参考までに、フレ
ーム「fpcam***structure」のスロット「direction」は、特
許請求の範囲における方向情報格納手段に相当し、同フ
レームの線要素群スロット「segments」は特許請求の範囲
における線要素群格納手段に相当する。また同フレーム
のスロット「Base-Arc」,「Lift-Line」,「Top-Arc」,「Sid
e-Arc」は、特許請求の範囲における線要素毎の格納部に
相当し、これらスロットの集合は特許請求の範囲におけ
るCAD情報格納手段に相当する。さらに同フレームの
各線要素スロットに付属するアトリビューション「ca
m」は、特許請求の範囲における変換手段に相当する。
フレーム「fpcam***structure」のスロット「cam-drawing」
とフレーム「fpcam」のスロット「macro-template」は協働
して、特許請求の範囲におけるCAM情報生成手段を構
成する。フレーム「fpcam***」,「fpcam###」は、特許
請求の範囲における数値情報格納手段に相当する。フレ
ーム「cam」のスロット「arc」,「line」は、特許
請求の範囲におけるプログラム作成手段に相当する。フ
レーム「fpcam***structure」のスロット「recognition」が
特許請求の範囲における付加手段に相当する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
CAD情報に基づきCAM情報を自動作成することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるCAD/CAM結合システムの
概略構成を示すブロックである。
【図2】円弧からなる線要素についての、CAD情報と
CAM情報を示す図である。
【図3】加工対象の一例であるカムの形状を示す図であ
る。
【図4】カムの機能を示す図である。
【図5】AIツールの知識ベースに含まれるフレームシ
ステムを示す図である。
【図6】図5におけるフレーム「fpcam***structure」
の内容を示す図である。
【図7】図5におけるフレーム「fpcam***」の内容を示
す図である。
【図8】図5における最下位概念フレームフレーム「fp
cam♯♯♯」、「fpcam♯♯♯structure」,「fpcam♯♯
♯function」とこれらフレーム間のメッセージ通信機能
を示す図である。
【図9】図5におけるフレーム「fpcam」の内容を示す
図である。
【図10】図5におけるフレーム「fpcam***structur
e」とフレーム「cam」との間のメッセージ通信機能を示す
図である。
【図11】図10のフレーム「cam」のスロット「macro-g
enerate-arc」の値を示す図である。
【符号の説明】
1 … CADシステム 2 … AIツール 3 … CAMシステム fpcam***structure … 第1フレーム fpcam … 第2フレーム cam … 第3フレーム fpcam*** … 第4フレーム fpcam***function … 第5フレーム fpcam♯♯♯structure … 第6フレーム fpcam♯♯♯ … 第7フレーム fpcam♯♯♯function … 第8フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 B23Q 15/00 - 15/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工対象のCAD情報を作成するCAD
    システムと、このCAD情報をCAM情報に変換するA
    Iツールと、このCAM情報をNCコードに変換するC
    AMシステムとを備え、上記AIツールは、 (a)加工対象の形状を表す複数の線要素とその順序に
    関する情報を予め格納する線要素群格納手段と、 (b)上記線要素毎の格納部を有し、上記CADシステ
    ムからの線要素毎のCAD情報を上記格納部に格納する
    CAD情報格納手段と、 (c)上記格納部の線要素毎のCAD情報を、線要素毎
    のCAM情報に変換する変換手段と、 (d)上記線要素群格納手段に格納された線要素の順序
    で、上記変換手段で得られた線要素毎のCAM情報を順
    序付けることにより、工具経路のCAM情報を生成する
    CAM情報生成手段と、 を備えたことを特徴とするCAD/CAM結合システ
    ム。
  2. 【請求項2】 さらにAIツールは、工具が時計回りか
    反時計回りかを示す方向情報を予め格納する方向情報格
    納手段を備え、上記変換手段は、この方向情報格納手段
    の方向情報を参照して上記変換を行うことを特徴とする
    請求項1に記載のCAD/CAM結合システム。
  3. 【請求項3】 さらにAIツールは、線要素の種別と前
    の線要素との関係に応じてCAD情報からCAM情報へ
    変換の仕方を決定するプログラムを格納したプログラ
    ム格納手段を備え、上記変換手段の線要素に関する変換
    の仕方が未定義の場合にこのプログラムを実行して変換
    の仕方を決定することを特徴とする請求項1または2に
    記載のCAD/CAM結合システム。
  4. 【請求項4】 さらにAIツールは数値情報格納手段と
    CAD情報変更手段とを備え、この数値情報格納手段
    は、上記CAD情報格納手段に格納されたCAD情報の
    うちの重要な数値を格納するとともに、加工対象の機能
    に関する数値を格納し、上記CAD情報変更手段は、上
    記数値情報格納手段の数値が変更された時に、上記CA
    D情報格納手段の格納部に格納されたCAD情報を書き
    換えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のCAD/CAM結合システム。
  5. 【請求項5】 さらに上記AIツールは付加手段を備
    え、この付加手段は、上記CAD情報格納手段に格納さ
    れた線要素毎のCAD情報から線要素の集合が閉ループ
    となるか開ループとなるかを判断し、開ループとなる場
    合には、線要素の集合が閉ループとなるように上記線要
    素群格納手段に新たな線要素を付加するとともに、CA
    D情報格納手段にこの付加された線要素のCAD情報を
    格納するための格納部を付加することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のCAD/CAM結合システ
    ム。
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