JP3422943B2 - 既設鉄筋コンクリート柱の補強方法 - Google Patents
既設鉄筋コンクリート柱の補強方法Info
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Description
筋とが配筋された既設の鉄筋コンクリート柱の補強方法
に関する。
リート柱は、複数の主筋と剪断補強鉄筋がコンクリート
内に埋設された構造である。この剪断補強鉄筋の間隔を
狭くすれば、鉄筋コンクリート柱の剪断力、靭性を高め
ることができるが、旧基準では現行のものに比べて剪断
補強鉄筋の間隔が広いものが許容されていたため、現存
する構築物の多くは、現在の基準を満たしていない。近
年、阪神・淡路大震災を契機として、耐震性の強化を図
るため、鉄筋コンクリート柱の補強工事の必要性が増し
ている。
ては、鉄筋コンクリート柱の周囲を鋼板や鉄筋コンクリ
ートで巻き付ける方法、あるいは鉄筋コンクリート柱の
周囲を炭素繊維、アラミド繊維で巻き付け固化する方法
等が専ら採用されている。
法は、いずれも鉄筋コンクリート柱の全周面を利用して
行われるため、図5に示すような、例えば、補強対象と
なる鉄筋コンクリート柱1が、店舗や事務所等、各種構
築物の側壁2,2で囲まれた空間のコーナーに位置する
場合には、側壁2,2を一度取り壊したり、また店舗等
として利用している室内側からも施工しなければなら
ず、その工事期間中は、店舗等は営業を中止しなければ
ならない。そのような場合、テナント側と施工主側の意
見の調整が難しく、施工が思うように進展しないという
問題があった。
に、隣接する各種構築物の外壁面との間にスペースが無
い場合や、鉄筋コンクリート柱の一側面または隣接する
二側面にしか足場が組めない場合には、鉄筋コンクリー
ト柱の十分な補強ができなかった。そこで、本発明の課
題は、上記の点に着目し、構築物のコーナーに位置する
鉄筋コンクリート柱等の補強に際し、室内として利用さ
れている空間側等、工事に支障のある側面には一切の影
響を与えず、問題のない外側の一側面または二側面を利
用して鉄筋コンクリート柱を補強する方法を提供するこ
とにある。
ト柱の補強方法は、既設の鉄筋コンクリート柱の隣接す
る二側面に断面L字状の補強用板状体を密着させてカバ
ーする工程と、上記二側面の隣接縁から離れた辺縁部
に、前記鉄筋コンクリート柱に埋設された剪断補強鉄筋
の間で、上記補強用板状体がカバーされた側面の対面に
沿って埋設されている主筋列近傍にまで達する、内部へ
向かい、かつ先端部で交差する、二本の剪断補強材挿入
用長孔を穿ち、この長孔のそれぞれに剪断補強材を挿入
し、長孔の先端部で二本の剪断補強材を連結させ、上記
長孔の残部空隙を充填固化させる工程と、上記補強用板
状体と剪断補強材とを結合する工程とからなる。また、
既設の鉄筋コンクリート柱の一側面を利用して、該鉄筋
コンクリート柱を補強する方法であって、鉄筋コンクリ
ート柱の一側面に補強用板状体を密着してカバーする工
程と、上記一側面の両辺縁部に、前記鉄筋コンクリート
柱に埋設された剪断補強鉄筋の間で、上記一側面の対面
に沿って埋設されている主筋列近傍にまで達する、内部
へ斜めに向かい、かつ先端部で交差する、二本の剪断補
強材挿入用長孔を穿ち、この長孔のそれぞれに剪断補強
材を挿入し、長孔の先端部で二本の剪断補強材を連結さ
せ、上記長孔の残部空隙を充填固化させる工程と、上記
補強用板状体と剪断補強材とを結合する工程とからな
る。
用板状体は、鉄筋コンクリート柱の二側面に密着できる
よう、断面L字状に形成され、鉄筋コンクリート柱の二
側面に、接着若しくはボルト締め等の手段により密着一
体化させて外面から補強する。この補強用板状体として
は、金属製、FRP製等の強固な板状体が挙げられる。
補強用板状体は、鉄筋コンクリート柱の上下方向全面に
わたって形成しても良いし、補強が必要な各剪断補強鉄
筋間に部分的に形成しても良い。
差する二本の長孔は、鉄筋コンクリート柱の隣接する二
側面の辺縁部から、鉄筋コンクリートの内部に向けて穿
孔して形成される。この長孔に嵌入させる剪断補強材
は、剪断補強鉄筋の役目を果たすものであるため、鉄筋
コンクリート柱に埋設された剪断補強鉄筋の間でかつ主
筋の側面を通るように配置される。なお、主筋の側面を
通れば、剪断補強鉄筋の内側、外側のいずれであっても
良い。
ート柱を補強用板状体でカバーした後に、鉄筋コンクリ
ート柱の内部に長孔を形成して剪断補強材を挿入するよ
うにしても良く、反対に、鉄筋コンクリート柱の内部に
長孔を形成した後、補強用板状体に予め形成された孔と
上記長孔を合わせて、補強用板状体を鉄筋コンクリート
柱に取り付け、剪断補強材を挿入するようにしても良
い。
は、金属製の定着型アンカーボルトや異形鉄筋若しくは
炭素繊維製、アラミド繊維製の棒状体が包含されるが、
いずれの場合にも二本の剪断補強材が先端部で互いに連
結し得る構造であることが重要である。この連結の態様
としては、一方の剪断補強材の先端部に貫通孔を形成
し、他方の剪断補強材の先端頭部を前記貫通孔を通過さ
せ、頚部で係着させるようにしても良く、また、二本の
剪断補強材の先端部を凹凸形状として、互いに嵌合して
連結するようにしても良い。
ける連結例を断面図で示した。図3の(a)は、剪断補
強材にアンカーボルトを使用した場合で、一方のアンカ
ーボルト18の先端部に設けられた貫通孔19に、他方
のアンカーボルト18’の先端部に形成された突出状の
頭部20を挿通させて、頚部21が、貫通孔19の周縁
部に係着するようになっている。また、貫通孔19の挿
入側の開口周縁部には、アンカーボルト18’の頭部2
0を、アンカーボルト18の貫通孔19に導き易くする
ためのテーパー15が形成されている。なお、図では、
アンカーボルト18’の先端部を、貫通孔19に挿通さ
せた後、左側に寄せて係着させた状態を示している。
維製の棒状体を使用した場合で、剪断補強材28の先端
部に設けられた凹部13に、他方の剪断補強材28’の
先端部に設けられた凸部14が嵌合できるようになって
おり、接着剤を使用して先端部で連結一体化できるよう
になっている。また、前記凹部13の開口周縁部には、
嵌合を容易にするためのテーパー15’が形成されてい
る。
隙を充填固化させるものとしては、流動状硬化性樹脂も
しくは無機系モルタルが挙げられ、この流動状硬化性樹
脂としては、エポキシ系や、ポリエステル系等が挙げら
れる。
補強材の基部に形成したネジ部に補強用板状体の外側か
らナット等で締結するか、あるいは溶接もしくは接着等
の手段で一体化させて行う。
一実施の形態を添付図面に基づいてさらに具体的に説明
する。図1(a)、(b)は、本発明の補強方法の対象
となるコンクリート構造物の一例の断面図とその部分拡
大斜視図であり、図2は、本発明の補強方法の対象とな
るコンクリート構造物の一例の外側からの部分斜視図で
ある。
は、補強対象となる鉄筋コンクリート柱が、例えば図5
に示すような店舗等のコーナーに位置する場合に適用さ
れる。鉄筋コンクリート柱1の隣接するA,Bの二面
は、外側に位置し、残りのC,Dの二面は屋内側で、
C,Dの両面から側壁2,2’がそれぞれ延びている。
図1(a)は、剪断補強材に金属製棒状体を使用した場
合の施工後の状態を示している。
は、図1(a)に示すように、鉄筋コンクリート柱1の
隣接するA,Bの二面に、断面L字状の鉄鋼製等の補強
用板状体3を接着若しくはボルト締め等の手段により密
着状にカバーして補強し、次いで、この補強用板状体3
の側辺縁部4,4’より、鉄筋コンクリート柱1の内部
に向けて、長孔5,5’をそれぞれ穿孔する。その際、
長孔5と5’は、先端部が互いに交差して貫通するよう
に形成する。
ンクリート柱1に埋設された剪断補強鉄筋6,6の間
で,かつ主筋7,7の側面を通るように穿孔する。次
に、図1(a)に示すように、剪断補強材8,8’を、
長孔5,5’内に挿入し、剪断補強材8の先端部に形成
された貫通孔9に、剪断補強材8’の先端部に形成され
た頭部10を挿通させると、その自重で頸部11が貫通
孔9の周縁部に係着して連結される[図1(b)]。そ
の後、流動状硬化樹脂を長孔5,5’に圧入充填し、補
強用板状体3から突出した剪断補強材8、8’の基部に
形成されたネジ部にナット12,12’を螺着させて締
結する。
ンクリート柱の隣接二側面から施工する場合に有効であ
るが、例えば図4に示すように、補強対象となる鉄筋コ
ンクリート柱の側面が、店舗や事務所等、各種構築物の
外壁面の一部をなしている場合に、一側面の両辺縁部か
ら鉄筋コンクリート内部に向けて長孔をV字形に形成し
て、剪断補強材を先端部で連結させて、上記同様な方法
で鉄筋コンクリートを補強することもできる。
柱の隣接する二側面から、または一側面から内部に向け
て剪断補強鉄筋の間に先端部で交差する長孔を設け、こ
れらの長孔中に剪断補強材を挿入し、先端部で連結させ
た後、剪断補強材と長孔内部に生じた残部空隙を充填固
化して鉄筋コンクリート柱と一体化することにより、既
設の剪断補強鉄筋に新たな剪断補強鉄筋を形成したと同
等の強度の向上が図れる。補強用板状体は、鉄筋コンク
リート柱の隣接面をカバーして外面から補強し、鉄筋コ
ンクリート柱に打ち込まれた先端部で連結された剪断補
強材は、コンクリート柱を内部から補強する。しかも、
補強用板状体と剪断補強材は強固に締結しているため、
上記補強用板による外面からの補強と剪断補強材による
コンクリート内部の補強が相まって強力な補強効果が得
られる。
によれば、鉄筋コンクリート柱の一面または隣接する二
面に施工することにより、他の三面または他の二面に
は、一切、手を加えることなく補強できるので、店舗等
の営業を中断することもなく鉄筋コンクリート柱の補強
ができる。
リート構造物の一例の断面図であり、(b)は、(a)
の部分拡大斜視図である。
造物の他の例の外側からの部分斜視図である。
れる剪断補強材の連結状態を示す部分断面図である。
ら施工する場合に適用した場合を示す部分断面図であ
る。
造物の一例の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 既設の鉄筋コンクリート柱の隣接する二
側面を利用して、該鉄筋コンクリート柱を補強する方法
であって、鉄筋コンクリート柱の隣接する二側面に断面
L字状の補強用板状体を密着させてカバーする工程と、
上記二側面の隣接縁から離れた辺縁部に、前記鉄筋コン
クリート柱に埋設された剪断補強鉄筋の間で、上記補強
用板状体がカバーされた側面の対面に沿って埋設されて
いる主筋列近傍にまで達する、内部へ向かい、かつ先端
部で交差する、二本の剪断補強材挿入用長孔を穿ち、こ
の長孔のそれぞれに剪断補強材を挿入し、長孔の先端部
で二本の剪断補強材を連結させ、上記長孔の残部空隙を
充填固化させる工程と、上記補強用板状体と剪断補強材
とを結合する工程とからなることを特徴とする既設鉄筋
コンクリート柱の補強方法。 - 【請求項2】 既設の鉄筋コンクリート柱の一側面を利
用して、該鉄筋コンクリート柱を補強する方法であっ
て、鉄筋コンクリート柱の一側面に補強用板状体を密着
してカバーする工程と、上記一側面の両辺縁部に、前記
鉄筋コンクリート柱に埋設された剪断補強鉄筋の間で、
上記一側面の対面に沿って埋設されている主筋列近傍に
まで達する、内部へ斜めに向かい、かつ先端部で交差す
る、二本の剪断補強材挿入用長孔を穿ち、この長孔のそ
れぞれに剪断補強材を挿入し、長孔の先端部で二本の剪
断補強材を連結させ、上記長孔の残部空隙を充填固化さ
せる工程と、上記補強用板状体と剪断補強材とを結合す
る工程とからなることを特徴とする既設鉄筋コンクリー
ト柱の補強方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28142698A JP3422943B2 (ja) | 1998-10-02 | 1998-10-02 | 既設鉄筋コンクリート柱の補強方法 |
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1998
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