JP3421371B2 - 蒸発製氷式冷熱源装置 - Google Patents

蒸発製氷式冷熱源装置

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JP3421371B2
JP3421371B2 JP00218093A JP218093A JP3421371B2 JP 3421371 B2 JP3421371 B2 JP 3421371B2 JP 00218093 A JP00218093 A JP 00218093A JP 218093 A JP218093 A JP 218093A JP 3421371 B2 JP3421371 B2 JP 3421371B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷房設備等の冷熱消費
設備に対する冷熱供給として、冷媒水中に細氷粒が分散
するスラリー(以下、スラリー氷と略称する)を冷熱消
費設備に対し循環供給する蒸発製氷式の冷熱源装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】スラリー氷による冷熱消費設備への冷熱
供給は、冷水のみの送給による冷熱供給に比べ、単位流
量当たりの保有冷熱量(潜熱を含む)が大きいことで、
冷熱消費設備への必要送給流量を少量にでき、このこと
から、送給動力の節減、及び、配管・ポンプ等の送給設
備の軽小化が可能となるが、スラリー氷の製造が可能な
製氷方式については従来、下記(イ)〜(ニ)の方式が
知られている。
【0003】(イ)ハーベスタ方式 フロンや不凍液を冷媒とする製氷用の熱交換器(フロン
冷媒の場合は冷媒蒸発器に相当)の伝熱面に水を流下さ
せて伝熱面上で板状の氷を成長させ、そして、その氷を
伝熱面から適時剥離させて冷媒水に投入することで、冷
媒水中に氷粒が分散するスラリー氷を製造する。 (ロ)リキッドアイス方式 フロンや不凍液を冷媒とする製氷用の熱交換器において
不凍物質の水溶液を冷却することにより、その水溶液に
おける水部分を粒状に凍結させて、水溶液中に氷粒が分
散するスラリー氷(シャーベット状の氷)を得る。
【0004】(ハ)過冷却アイス方式 同じく、フロンや不凍液を冷媒とする製氷用の熱交換器
において水を過冷却状態にまで冷却し、そして、その過
冷水にショックを与えることで水中に氷粒が分散するス
ラリー氷を得る。
【0005】(ニ)直接熱交換方式 フロンや不凍液等の冷媒、或いは、充分に冷却した非水
溶性流体(油等)を不凍物質の水溶液中へ直接に吹き込
むことで、その水溶液における水部分を粒状に凍結させ
て、水溶液中に氷粒が分散するスラリー氷を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来方
式では次の問題があった。
【0007】前記の4方式に共通する問題として、製氷
用熱交換器での熱交換や水溶液中への吹き込みによる直
接熱交換で、フロンや不凍液等の冷媒や冷却した非水溶
性流体から水や水溶液に冷熱を移して製氷するため、そ
れら製氷用冷媒としてのフロン、不凍液、非水溶性流体
の必要冷却温度が(フロン等の気化式冷媒では蒸発温
度)が極めて低い(一般に−10℃以下)。従って、そ
のような低温を発生する冷凍機の成績係数が低く、エネ
ルギ効率が低い。
【0008】その上、ハーベスタ方式では、いわゆるス
ラリーとして、細かな氷粒が水中に分散する状態を得る
のに、剥離氷の破砕処理が必要となり、それに大きな動
力が必要となる。
【0009】又、リキッドアイス方式、及び、直接熱交
換方式では、形成スラリー、即ち、冷熱消費設備に対し
循環送給するスラリー中にフロン、不凍物質、非水溶性
流体が混在するため、その循環における配管仕様や循環
スラリーの取扱が特殊で難しくなり、しかも、漏れによ
る環境汚染の危険性が高くなる。
【0010】過冷却方式では、フロン、不凍物質、非水
溶性流体の混在がない水と氷のスラリーを生成できる
が、元来、過冷却状態が極めて不安定な状態であるため
装置の安定運転が難しく、実用上で充分な信頼性を得ら
れない。
【0011】本発明の目的は、合理的な形態でスラリー
氷を製造することにより、上記の如き従来の各問題を解
消する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は蒸
発製氷式冷熱源装置に係り、その特徴は、冷媒水を貯留
するとともに散水ノズルにより室内の貯留水面上へ冷媒
水を散水する蒸発室と、その蒸発室の室内気圧を低下さ
せるとともに室内から冷媒水の蒸気を排出して室内冷媒
水の凍結を進行させる排気手段と、その凍結進行過程で
前記蒸発室の冷媒水を攪乱して、冷媒水中に細氷粒が分
布するスラリーを形成させる攪乱手段と、その形成スラ
リーを前記蒸発室から冷熱消費設備へ送給するとともに
その冷熱消費設備からの戻り冷媒水を前記蒸発室に還流
する循環手段とを設け、前記攪乱手段を、前記蒸発室へ
戻す冷媒水を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わ
せる状態に噴出させることにより前記蒸発室における貯
留冷媒水に前記蒸発室の内周に沿って流れる状態の旋回
流動を生じさせる構成にしてある点にある。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その
特徴は、 前記攪乱手段として、前記蒸発室へ戻す冷媒水
を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状態に
噴出させることにより前記蒸発室における貯留冷媒水に
前記蒸発室の内周に沿って流れる状態の旋回流動を生じ
させる手段と、前記蒸発室の貯留冷媒水に浸漬させる状
態に配備した機械的な攪乱装置によりその貯留冷媒水を
攪乱する手段とを併用する構成にしてある点にある。
【0014】
【作用】つまり、請求項1に係る発明では、排気手段に
より蒸発室の室内気圧を低下させるとともに蒸発室内か
ら冷媒水の蒸気を排出することで、また、散水ノズルに
よる室内貯留水面上への散水により冷媒水の蒸発を効果
的に促進することで、蒸発室において効率的な冷媒水の
蒸発を継続させ、この蒸発による気化熱奪取で貯留冷媒
水を冷却して、貯留冷媒水に凍結を生じさせる。
【0015】又、この凍結進行過程において、攪乱手段
による攪乱(すなわち、蒸発室へ戻す冷媒水を蒸発室内
周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状態に噴出させる
こと により蒸発室における貯留冷媒水に蒸発室の内周に
沿って流れる状態の旋回流動(図5参照)を生じさせる
ことによる攪乱)と上記散水による攪乱補助とをもって
蒸発室の貯留冷媒水を攪乱することで、冷媒水中の氷粒
が大氷塊へ成長することを防止し、これにより、冷媒水
中に細氷粒が分布するスラリー(スラリー氷)を形成す
る。しかも、請求項1に係る発明では、蒸発室へ戻す冷
媒水を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状
態に噴出させて蒸発室における貯留冷媒水に蒸発室の内
周に沿って流れる状態の旋回流動を生じさせることによ
り、氷が蒸発室内面に付着する状態で成長してスラリー
氷生成の支障になることを併せ効果的に防止するととも
に、その旋回流動による遠心分離機能(冷媒水と氷との
分離)を利用した状態でスラリー氷として氷密度の高い
スラリーを蒸発室から容易に取り出すようにするといっ
たことも可能になる。
【0016】そして、この形成スラリーを冷熱供給媒体
として循環手段により冷熱消費設備へ送給するととも
に、冷熱消費設備での冷熱消費により氷分が融解した戻
り冷媒水をスラリー氷の製氷原水として再び蒸発器に戻
す。また、請求項2に係る発明によれば、攪乱手段とし
て、蒸発室へ戻す冷媒水を蒸発室内周の接線方向で蒸発
室内周に沿わせる状態に噴出させることにより蒸発室に
おける貯留冷媒水に前記蒸発室の内周に沿って流れる状
態の旋回流動を生じさせる上述請求項1に係る発明で採
用の攪乱手段と、蒸発室の貯留冷媒水に浸漬させる状態
に配備した機械的な攪乱装置によりその貯留冷媒水を攪
乱する手段とを併用することで、冷媒水中の氷粒が大氷
塊へ成長することを一層効果的に防止することができ
る。
【0017】なお、請求項1又は2に係る発明の実施に
おいて排気手段には種々の構成のものを採用できるが、
好適な構成例の一つとしては、冷媒水の蒸気を吸収する
吸収液を貯留する吸収室を設けて、この吸収室と蒸発室
とを蒸気排出路を介して連通させ、これにより、蒸気排
出路を介して蒸発室と連通させた吸収室において、吸収
液に冷媒水蒸気を吸収させることで、蒸発室からの蒸気
排出及び蒸発室の気圧低下を行う構成を挙げることがで
きる。
【0018】
【発明の効果】即ち、請求項1に係る発明によれば、下
記(a)〜(d)の利点を得ることができる。
【0019】(a)冷熱消費設備への冷熱供給媒体であ
る冷媒水そのものの蒸発による気化熱奪取で、その冷媒
水を冷却してスラリー氷を製造するから、水や水溶液を
製氷用冷媒と熱交換させて製氷する先述の各従来方式で
必要とするような−10℃以下といった低温の製氷用冷
媒の生成が不要であり、このことから、製氷装置として
従来に比べ高い作動温度で高い成績係数を確保できて、
エネルギ効率を向上し得る。又、製氷用の熱交換器が不
要となることで、上記の如く成績係数面で有利にし得る
ことに加え、装置構成を簡略にできて製作面、装置コス
ト面でも有利となる。
【0020】(b)冷媒水の攪乱に動力を要するが、氷
を粉砕するのに必要となるような大動力は不要であり、
必要動力を小さなものとしながら、氷粒が細かく配管輸
送に適したスラリー氷を製造できる。そして特に、蒸発
室へ戻す冷媒水を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に
沿わせる状態に噴出させて貯留冷媒水に旋回流動を生じ
させることによる旋回式の攪乱と前記散水による攪乱補
助とをもって貯留冷媒水に対する攪乱効果を高く確保で
きることで、例えば散水のみを行なう方式に比べ、氷粒
の粒径を一層効果的に均一化でき、この点で配管輸送に
一層好適なスラリー氷を製造でき、さらに、氷が蒸発室
内面に付着する状態で成長してスラリー氷生成の支障に
なることを蒸発室の内周に沿って流れる状態の冷媒水の
旋回流動により効果的に防止できることで、装置運転の
安定性を一層向上することができ、また、その旋回流動
による遠心分離機能を利用した状態で氷密度の高いスラ
リー(すなわち、単位流量当たりの保有冷熱量の一層大
きなスラリー氷)を蒸発室から容易に取り出すようにし
得ることにより送給動力の節減や送給設備の軽小化の一
層の促進も可能になる。また、蒸発室へ戻す冷媒水を蒸
発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状態に噴出
させることにより貯留冷媒水に旋回流動を生じさせるか
ら、冷媒水を蒸発室へ戻すポンプを利用した状態でかつ
効率的に冷媒水の旋回流動を生じさせることができ、こ
れにより、必要動力及び機器騒音を一層効果的に低減で
きるとともに、装置構成の簡略化も一層効果的に達成で
きる。
【0021】(c)フロン、不凍物質、非水溶性流体等
の混入がないスラリー氷を製造でき、このことから、冷
熱消費設備に対するスラリー循環での配管仕様や循環ス
ラリーの取扱を平易で簡略なものとすることができ、
又、漏れによる環境汚染の危険性を回避できる。
【0022】(d)過冷却状態といった不安定な状態を
利用するのではなく、冷媒水の蒸発という単純な相変化
を利用するから、装置を安定的に運転でき、これによ
り、実用上の高い信頼性を確保できる。
【0023】また、請求項2に係る発明によれば、冷媒
水中の氷粒が大氷塊へ成長することを一層効果的に防止
できることで、冷媒水中に均一な細氷粒が分布するスラ
リー(スラリー氷)をより良好に形成することができ
る。なお、排気手段として吸収液に冷媒水の蒸気を吸収
させることで蒸発室から冷媒水蒸気を排気する前述の吸
収式を採用すれば、蒸発により貯留冷媒水を氷点下に冷
却して貯留冷媒水を凍結させる上で、蒸発器における水
蒸気圧を氷点における飽和水蒸気圧より低く(即ち、氷
点下でも貯留冷媒水の蒸発が進行するように)する必要
があるのに対し、吸収液の温度を常温程度(例えば20
℃)に保つだけで、吸収液の飽和水蒸気圧を氷点におけ
る飽和水蒸気圧未満として、蒸発室における水蒸気圧を
氷点における飽和水蒸気圧未満に維持でき、このことか
ら吸収液の温度維持に大気による冷却や一般廃棄冷熱に
よる冷却を採用した状態での製氷運転が可能となって効
果的な省エネを実現できる。
【0024】
【実施例】図1において、1は冷媒水w中に氷粒aが分
散するスラリー氷を製造する吸収式の製氷装置、2はこ
の製氷装置1で製造したスラリー氷を冷熱供給媒体とし
て冷熱消費設備3に送給するとともに、その冷熱消費設
備3での冷熱消費により氷分aが融解した戻り冷媒水w
を製氷原水として再び製氷装置1に戻す循環設備であ
る。
【0025】3aは冷熱消費設備3の構成手段で、空気
等の冷却対象をスラリー氷と熱交換させて冷却する熱交
換手段を示し、例えば、エアハンドリングユニットやフ
ァンコイルユニット群等である。
【0026】4は、循環設備2において、その循環経路
途中に介装した氷蓄熱槽であり、製氷装置1から一次側
送給路2aを介し供給されるスラリー氷を貯留して、そ
の貯留スラリー氷を二次側送給路2bを介し冷熱消費設
備3の熱交換手段3aに送給し、又、その熱交換手段3
aから二次側還流路2cを介して戻る戻り冷媒水wを受
入れ貯留するとともに、その貯留冷媒水wを一次側還流
路2dを介し製氷装置1へ戻す。
【0027】p1は一次側循環ポンプ、p2は二次側循
環ポンプである。
【0028】製氷装置1は、スラリー氷の生成室として
冷媒水wを貯留する蒸発室5、吸収液mとして吸湿性水
溶液を貯留する吸収室6、冷媒水蒸気を吸収した希吸収
液mを濃縮再生する再生室7、及び、希吸収液mから分
離した冷媒水蒸気を凝縮させる凝縮室8を備えている。
【0029】尚、吸収液mとしては、エチレングリコー
ル水溶液、臭化リチウム水溶液、プロピレングリコール
水溶液、塩化カルシウム水溶液、食塩水など、結晶化や
凍結を起こす温度以上の温度において、溶液上の飽和水
蒸気圧を蒸発室5における冷媒水wの氷点での飽和水蒸
気圧よりも低くし得る液であれば種々のものを適用でき
る。
【0030】蒸発室5には、前記の一次側送給路2a及
び一次側還流路2dを接続するとともに、凝縮室8から
凝縮冷媒水wを戻す凝縮水路9を接続し、又、貯留冷媒
水wを汲み上げて、その冷媒水wを散水ノズル10から
室内の貯留水面上へ散水する散水循環路11を設けてあ
る。
【0031】この散水ノズル10からの散水は、蒸発室
5においてスラリー氷を生成する上で冷媒水wの蒸発促
進と貯留冷媒水wの攪乱の補助を目的とする。
【0032】一次側送給路2aは、スラリー氷として氷
粒密度の高いスラリーを蒸発室5から取り出すように貯
留冷媒水wの上層部で開口させてある。
【0033】p3は散水用の循環ポンプである。
【0034】蒸発室5の気相部と吸収室6の気相部と
は、蒸気排出路12を介して連通させてあり、蒸発室5
で発生する冷媒水蒸気を蒸気排出路12を通じて吸収室
6へ導く。
【0035】吸収室6には、冷媒水蒸気を吸収した希吸
収液mを再生室7へ送出する液送出路13a、及び、再
生室7から濃吸収液mを戻す液戻し路13bを接続し、
又、貯留吸収液mを汲み上げて、その吸収液mを散布ノ
ズル14から室内の気相部へ散布する散布循環路15、
及び、貯留吸収液mを冷却する熱交換器16を設けてあ
る。
【0036】吸収室6での吸収液散布は、吸収液の表面
積(換言すれば冷媒水蒸気との接触面積)大きくして、
冷媒水蒸気の吸収を促進することを目的とする。
【0037】吸収液mを冷却する熱交換器16には、冷
却水やブライン、或いは、冷凍回路における冷媒ガスを
冷却媒体として供給するが、先に例示した如き吸収液m
であれば、一般に、吸収液mの温度を常温程度(例えば
20℃)に保つだけで、吸収液上の飽和水蒸気圧を蒸発
室5における冷媒水wの氷点での飽和水蒸気圧よりも低
くできることから、この熱交換器16で冷却機能させる
冷却媒体にはかなり高温のものを使用でき、このことか
ら、夏期を除く時期の大気や一般廃棄冷熱等を利用した
冷却も可能となる。
【0038】p4は散布用の循環ポンプ、p5は再生用
の循環ポンプである。
【0039】17は再生室7へ送出する希吸収液mと再
生室7から戻る濃吸収液mとを熱交換させて、吸収室6
へ戻す濃吸収液mを冷却するとともに再生器7へ送る希
吸収液mを予熱する熱交換器である。
【0040】再生室7には室内に貯留する吸収液mを加
熱する再生用熱交換器18を設け、この加熱により希吸
収液m中の冷媒水wを蒸発させて吸収液mを濃縮する。
【0041】又、凝縮室8には冷却水を冷却媒体とする
凝縮用熱交換器19を設け、再生室7から蒸気路20を
介し凝縮室8に導入される冷媒水蒸気を凝縮用熱交換器
19で冷却することにより凝縮させる。
【0042】つまり、上記構成の製氷装置1において
は、蒸気排出路12を介して吸収室6の吸収液mに冷媒
水蒸気を吸収させることによる蒸発室5からの蒸気排出
及び蒸発室5の気圧低下により、蒸発室5の水蒸気圧を
冷媒水wの氷点における飽和水蒸気圧以下に保つこと
で、また、蒸発室5での散水ノズル10による室内貯留
水面上への散水により冷媒水wの蒸発を効果的に促進す
ることで、蒸発室5において効率的な冷媒水wの蒸発を
継続させ、この蒸発による気化熱奪取で貯留冷媒水wを
氷点下に冷却して貯留冷媒水wに凍結を生じさせる。
【0043】そして、以上の基本構成において、図5に
示す如く蒸発室5へ戻す冷媒水wを蒸発室内周の接線方
向で蒸発室内周に沿わせる状態に噴出させることにより
蒸発室5における貯留冷媒水wに蒸発室5の内周に沿っ
て流れる状態の旋回流動を生じさせる旋回式の攪乱手段
を蒸発室5に装備して、又は、その旋回式の攪乱手段と
図4に示す如く蒸発室5の貯留冷媒水wに浸漬させる状
態に配備した機械的な攪乱装置10Aによりその貯留冷
媒水wを攪乱する機械式の攪乱手段とを併用して、その
旋回式の攪乱手段による攪乱又は併用した旋回式及び機
械式の攪乱手段による攪乱と散水ノズル10からの散水
による攪乱補助とをもって蒸発室5における凍結進行過
程の貯留冷媒水wを攪乱することで、冷媒水中の氷粒a
が大氷塊へ成長することを防止するとともに氷粒aの粒
径を効果的に均一化し、これにより、冷媒水中に粒径が
均一化された細氷粒aが分布するスラリー氷を生成す
る。
【0044】尚、21は製氷装置1の初期運転の開始時
に蒸発室5内の気圧を所定圧以下にまで立ち下げる(真
空化する)ための初期運転用真空ポンプである。
【0045】蒸発室5の内面は撥水性としてあり、これ
により、氷が内面に付着する状態で成長してスラリー氷
生成の支障となることを防止する。
【0046】蒸発室5の内面を撥水性とするには、テフ
ロン(商品名)、トリフルオロエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の撥水材で蒸発室5の室壁そのもの
を形成したり、或いは、これら撥水材の板やフィルムを
蒸発室5の内面に貼設する。又、ケロシン、パラフィ
ン、ステアリン酸等を蒸発室5の内面に塗布する形態を
採用してもよい。
【0047】一方、氷蓄熱槽4には、一次側送給路2a
から槽内へ供給されるスラリー氷を衝突させるバッファ
22を設けてあり、氷蓄熱槽4における貯留部4aの貯
留物が供給スラリー氷の勢いで乱されることをバッファ
22により防止し、これにより、貯留部4aにおいて比
重分離形態で氷粒aを上層に集積させる。
【0048】又、冷熱消費設備3側へスラリー氷を取り
出す二次側送給路2bは氷蓄熱槽4における貯留部4a
の上層部に開口させてあり、これらのことにより、氷蓄
熱槽4を本来の冷熱蓄熱機能とともに、極力氷粒密度の
高いスラリー氷を冷熱消費設備3へ送給するためトラッ
プとしても機能させる。
【0049】一次側送給路2aから氷蓄熱槽4に供給さ
れてバッファ22に衝突するスラリー氷のうち氷粒aは
バッファ22をオーバーフローする形態で貯留部4aの
上層へ流入するようにしてある。
【0050】蒸発室5の低圧化(真空化)に対し、蒸発
室5と氷蓄熱槽4との高低差による一次側送給路2a及
び一次側還流路2dの静水頭をもって氷蓄熱槽4の水位
を所定水位に保つように、蒸発室5はその低圧化に応じ
た高さだけ氷蓄熱槽4よりも高位に配置してあり、これ
により、氷蓄熱槽4を大気開放型で構成しながらもその
貯留水位を所定の適性水位に保ち得る。
【0051】〔別実施例〕 次に別実施例を列記する。
【0052】(1)図2は蒸発室5に対する排気手段と
して吸収室6の吸収液mに冷媒水wの蒸気を吸収させる
吸収式を採用する場合の変形例を示し、前述の実施例と
同様の構成装置については同じ符号を付してある。
【0053】7Aは希吸収液mを濃縮再生して吸収室6
へ戻す再生室であり、この再生室7での濃縮処理方式に
は、半透膜を使用して吸収液mから冷媒水wを分離する
方式、化学的反応を利用して吸収液mから冷媒水分を分
離する方式等を採用する。
【0054】9Aは上記の再生室7Aで分離した冷媒水
wを蒸発室5へ戻す流路であるが、再生室7Aで分離し
た冷媒水分は系外へ廃棄する方式として、この流路9A
を省略してもよい。尚、再生室7Aで分離した冷媒水分
を廃棄する方式では、蒸発室5と冷媒消費設備3との間
の循環系における適当箇所で補給手段により廃棄冷媒水
に相当する量の新鮮冷媒水wを補充する。
【0055】16Aは吸収室6の外部において吸収液m
を冷却する熱交換器16Aであり、吸収液mの冷却に
は、この外部熱交換器16Aのみによる冷却、或いは、
前述の実施例で吸収室6内部に設けた熱交換器16との
併用による冷却のいずれを採用してもよい。そして、図
2に示す装置では、以上の構成において、図5に示す如
く蒸発室5へ戻す冷媒水wを蒸発室内周の接線方向で蒸
発室内周に沿わせる状態に噴出させることにより蒸発室
5における貯留冷媒水wに蒸発室5の内周に沿って流れ
る状態の旋回流動を生じさせる旋回式の攪乱手段を散水
ノズル10とともに蒸発室5に装備する、又は、その旋
回式の攪乱手段と図4に示す如く蒸発室5の貯留冷媒水
wに浸漬させる状態に配備した機械的な攪乱装置10A
によりその貯留冷媒水wを攪乱する機械式の攪乱手段
を併用して散水ノズル10とともに蒸発室5に装備す
る。
【0056】(2)図3は、蒸発室5の室内気圧を低下
させるとともに室内から冷媒水wの蒸気を排出する排気
手段として、吸収液mに冷媒水wの蒸気を吸収させる吸
収式以外を適用する場合の装置構成を示し、前述の実施
例と同様の構成装置については同じ符号を付してある
が、排気手段6には蒸気エゼクタや機械式真空ポンプ等
を採用できる。そして、図3に示す装置では、以上の構
成において前記の旋回式の攪乱手段を散水ノズル10と
ともに蒸発室5に装備する、又は、前記の旋回式の攪乱
手段と前記の機械式の攪乱手段とを併用して散水ノズル
10とともに蒸発室5に装備する。
【0057】(3)冷熱消費設備3の冷熱消費目的は不
問であり冷房に限定されるものではなく、又、冷熱消費
設備3はどのような設備・装置構成を有するものであっ
てもよい。
【0058】(4)冷媒水wは単なる水、或いは、適当
な物質を含んだ水であってもよい。
【0059】(5)凍結進行過程で蒸発室5の冷媒水w
を攪乱する攪乱手段としては、蒸発室5へ戻す冷媒水w
を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状態に
噴出させることにより蒸発室5における貯留冷媒水wに
蒸発室5の内周に沿って流れる状態の旋回流動を生じさ
せる旋回式のものを単独に採用してもよく、また、その
旋回式のものと蒸発室5の貯留冷媒水wに浸漬させる状
態に配備した機械的な攪乱装置10Aによりその貯留冷
媒水wを攪乱する機械式のものとを併用してもよく、
らに、蒸発室5そのものを揺り動かして貯留冷媒水wを
攪乱する揺動式のものと旋回式のものとを併用したり、
回式のものと機械式のものと揺動式のものとの三者を
併用したりしてもよい。
【0060】(6)スラリー氷を蒸発室5から冷熱消費
設備3へ送給するとともにその冷熱消費設備3からの戻
り冷媒水wを蒸発室5に還流する循環手段2の具体的設
備構成は種々の変更が可能であり、例えば、冷熱消費設
備3における冷熱消費量の変動が小さい場合などは前述
実施例で示した如き氷蓄熱槽4の介装を省略した構成と
してもよい。
【0061】(7)蒸発室5における貯留冷媒水w中の
氷粒比率を検出する手段(例えば、蒸発室下部に配置の
検出端と氷粒aとの接触により氷粒比率がある程度より
大きくなったことを検出する等の手段)を設け、この検
出情報に基づいて製氷出力を調整する構成を採用しても
よい。
【0062】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】設備の基本構成を示す回路図
【図2】別実施例における設備の基本構成を示す回路図
【図3】他の別実施例における設備の基本構成を示す回
路図
【図4】機械式攪乱手段の構成図
【図5】旋回式攪乱手段の構成図
【符号の説明】
2 循環手段 5 蒸発室 6 排気手段 10 散水ノズル 10A 攪乱装置 a 氷粒 w 冷媒水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−270834(JP,A) 特開 平5−5542(JP,A) 特開 平4−327542(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒水(w)を貯留するとともに散水ノ
    ズル(10)により室内の貯留水面上へ冷媒水(w)を
    散水する蒸発室(5)と、 その蒸発室(5)の室内気圧を低下させるとともに室内
    から冷媒水(w)の蒸気を排出して室内冷媒水(w)の
    凍結を進行させる排気手段(6)と、 その凍結進行過程で前記蒸発室(5)の冷媒水(w)を
    攪乱して、冷媒水中に細氷粒(a)が分布するスラリー
    を形成させる攪乱手段と、 その形成スラリーを前記蒸発室(5)から冷熱消費設備
    (3)へ送給するとともにその冷熱消費設備(3)から
    の戻り冷媒水(w)を前記蒸発室(5)に還流する循環
    手段(2)とを設け、 前記攪乱手段を、前記蒸発室(5)へ戻す冷媒水(w)
    を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内周に沿わせる状態に
    噴出させることにより前記蒸発室(5)における貯留冷
    媒水(w)に前記蒸発室(5)の内周に沿って流れる状
    態の旋回流動を生じさせる構成にしてある蒸発製氷式冷
    熱源装置。
  2. 【請求項2】 前記攪乱手段として、前記蒸発室(5)
    へ戻す冷媒水(w)を蒸発室内周の接線方向で蒸発室内
    周に沿わせる状態に噴出させることにより前記蒸発室
    (5)における貯留冷媒水(w)に前記蒸発室(5)の
    内周に沿って流れる状態の旋回流動を生じさせる手段
    と、前記蒸発室(5)の貯留冷媒水(w)に浸漬させる
    状態に配備した機械的な攪乱装置(10A)によりその
    貯留冷媒水(w)を攪乱する手段とを併用する構成にし
    てある請求項1記載の蒸発製氷式冷熱源装置。
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