JPH06331231A - 吸収式製氷蓄冷装置 - Google Patents

吸収式製氷蓄冷装置

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JPH06331231A
JPH06331231A JP14559993A JP14559993A JPH06331231A JP H06331231 A JPH06331231 A JP H06331231A JP 14559993 A JP14559993 A JP 14559993A JP 14559993 A JP14559993 A JP 14559993A JP H06331231 A JPH06331231 A JP H06331231A
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和夫 相沢
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英雅 生越
Noritoshi Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 20から25℃程度の低い温度の冷却水を不要と
し、製氷運転が可能であり、そして、冷熱とともに温熱
を供給することができる吸収式製氷蓄冷装置を提供す
る。 【構成】 二段吸収式ヒートポンプの原理を採用し、即
ち、吸収器を高圧側吸収器4と低圧側吸収器3とにより
構成し、冷凍の発生場所として、冷媒である水の循環ラ
イン内に、蒸発器に替わり蒸発蓄冷容器1aを、低圧側吸
収器3と接続して配置する。蒸発蓄冷容器1aでは凝縮器
6で凝縮された水を冷媒として受入れ貯留するととも
に、前記水と低圧側吸収器3内の臭化リチウム濃厚水溶
液との蒸気圧差によって蒸発した前記水の気相部分(水
蒸気)を、前記臭化リチウム濃厚水溶液に吸収させるこ
とによる減圧作用によって、氷水スラリーを生成させて
冷熱として貯蔵する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ビル空調シ
ステム、あるいは、地域冷暖房システム、また、更に
は、各種の製造等において、効率的に冷熱および温熱等
を、生成、貯蔵および輸送するために必要な大容量の熱
源機器で、特に、製氷可能、且つ、温熱供給も可能な吸
収式製氷蓄冷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄冷装置として、下記 (1)に示す圧縮式
冷凍機、および、 (2)に示す吸収式冷凍機が知られてい
る。
【0003】(1) 圧縮式冷凍機 空調用の冷熱供給を目的とする製氷蓄冷装置としては、
フロンを冷媒とする圧縮式冷凍機と氷蓄熱槽とを組合せ
たシステムが実用化されている。例えば、「空気調和、
衛生工学 第64巻 第6号 第5頁 坪倉著 “氷畜熱
に対する電力会社の取組”空気調和衛生工学会 平成2
年6月」には、前記システムが開示されている。また、
「高田秋一著 “工業用ヒートポンプ”第21頁 財団法
人省エネルギーセンター 昭和59年5月31日」には、圧
縮式冷凍機の原理が開示されている。
【0004】(2) 吸収式冷凍機 従来、工業的に実用化されている吸収式冷凍機として
は、「高田秋一著 “吸収式冷凍機” 財団法人日本冷
凍協会 昭和57年3月15日」にも開示されているよう
に、下記に示す単効用吸収式冷凍機およびに示す二
重効用吸収式冷凍機が知られている。また、「G.Alefel
d “ADVANCED ABSORPTION CYCLES AND SYSTEMS FOR ENV
IRONMENTAL PROTECTION ” 1991 年 TOKYO 国際吸収ヒ
ートポンプ会議論文集」にも開示されているように、下
記に示す二段吸収式ヒートポンプが研究開発中であ
る。
【0005】 単効用吸収式冷凍機 図4は従来の単効用吸収式冷凍機の1例を示す工程図で
ある。単効用吸収式冷凍機は、蒸発器2、吸収器3、再
生器5、凝縮器6および熱交換器8からなっている。蒸
発器2は、冷熱を発生させる部分であり、蒸発熱交換器
47の管表面には、導管31,32 を経由してポンプ12によっ
て冷媒散布用スプレーノズル34より水が散布される。
【0006】吸収器3においては、吸収剤として臭化リ
チウムの濃厚水溶液がノズルより吸収器冷却管16の管表
面に散布される。このとき、水と臭化リチウム濃厚水溶
液との蒸気圧差によって、蒸発熱交換器47の表面上の水
が蒸発し、この水蒸気はダクト13を経由し、吸収器3に
おいて吸収器冷却管16の管表面に散布されている臭化リ
チウムの濃厚水溶液に吸収される。このとき、蒸発熱交
換器47上では、水の蒸発潜熱分の冷熱が発生し、蒸発熱
交換器47の管内に水またはブラインを流せば、通常5℃
程度の水またはブラインが得られ、冷熱需要に供せる。
一方、吸収器冷却管16の管表面では、水蒸気の凝縮熱が
発生するので、通常この吸収器冷却管16の管内に冷却水
を流して除熱する。冷却水は冷却水入口45より供給され
出口46から放熱される。
【0007】水蒸気を吸収した臭化リチウムの希釈水溶
液は、ポンプ10によって導管23,24,26を経由して再生器
5に戻り、溶液散布ノズルによって再生器5内の加熱管
19の管表面に散布され、この熱交換器(再生器加熱管1
9)内を熱源入口35から供給されて熱源出口36に流れる
高温の駆動熱源(加熱熱源)によって加熱され、水分の
一部が蒸発して、再び濃厚水溶液となって導管27,30 を
経由して吸収器3に戻される。熱交換器8は、臭化リチ
ウムの希釈水溶液の顕熱を回収して、冷凍サイクルの効
率を高める作用を有している。
【0008】一方、再生器5で蒸発した水蒸気は、ダク
ト15を経由して凝縮器6内に入り、中を冷却水が流れる
凝縮器冷却管20の管表面上で冷却され凝縮する。凝縮さ
れたこの水は、再度蒸発器2内に戻される。冷却水入口
39より凝縮器冷却管20に供給された冷却水は出口40から
放熱される(以下、「先行技術1」という)。
【0009】 二重効用吸収式冷凍機 単効用吸収式冷凍機を改良した、二重効用吸収式冷凍機
が知られている。二重効用吸収式冷凍機は、再生器を高
圧および低圧の二段に設け、高圧側の再生器で生成する
水蒸気(約760Torr 、100 ℃)を低圧側再生器の加熱源
に用いる。この低圧側再生器から生成される水蒸気(72
Torr、45℃)は、冷却水によって凝縮される。この方式
によれば、成績係数は約50%増加する。反面、加熱熱源
としては、158 ℃以上の温度のものが必要となる(以
下、「先行技術2」という)。
【0010】上記の先行技術1または2で述べた吸収式
冷凍機は、温水または水蒸気からなる通常100 から200
℃の高温の熱源と、20から30℃の冷却水とを供給するこ
とにより、5℃程度の冷水を得ることができる
【0011】 二段吸収式ヒートポンプ 単効用吸収式冷凍機および二重効用吸収式冷凍機は、冷
熱供給と同時に、利用価値の高い高温度の温熱を同時に
供給することができない。
【0012】これに対して、温熱供給可能なものとし
て、例えば、上記に述べた、「G.Alefeld “ADVANCED A
BSORPTION CYCLES AND SYSTEMS FOR ENVIRONMENTAL PRO
TECTION ”」に、その1つが開示されるように、多段
(二段)吸収式ヒートポンプのアイデアが提案されてい
る。二段吸収式ヒートポンプの原理を図5のデューリン
グ線図によって説明する。
【0013】図5に示すように、低圧側吸収器3で発生
した熱は、内部伝熱ループ33によって除熱される。この
熱は、高圧側蒸発器7aの熱源として使われる。ここで生
成した水蒸気は、高圧側吸収器4に吸収される。ここか
らは、70℃程度の温熱が取り出せる。凝縮器6から得ら
れる温熱の温度は、再生器5に供給される駆動熱源温度
に依存する。例えば、160 ℃の駆動熱源が供給される
と、凝縮器排熱として80から100 ℃程度のものが得られ
る。結果として、この方式では、100 の供給熱源に対し
て、30の冷熱(2から3℃の冷水)と130 の温熱を得る
ことができる。図5において、2は低圧側蒸発器、そし
て、8および9は臭化リチウム水溶液の熱交換器である
(以下、「先行技術3」という)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】圧縮式冷凍機によれ
ば、製氷蓄冷のみならず、温熱の供給も可能である。し
かしながら、そのために電力の供給が不可欠である。従
って、例えば、100 から200 ℃の排熱では、駆動させる
ことはできない。また、通常このシステムにおいては、
冷凍機の作業媒体として、フロンを用いている。これ
は、地球環境保全の観点からは好ましくない。
【0015】先行技術1から3に述べた吸収式冷凍機に
よるシステムは、フロンを使用せず吸収剤として臭化リ
チウム水溶液を使用し、且つ、100 から200 ℃の排熱
(駆動熱源)によって駆動できる。しかしながら、前記
吸収式冷凍機の各々は、冷媒として水を用いており、そ
して、冷凍の発生場所である蒸発器(または低圧側蒸発
器)の蒸発熱交換器の管表面に散布された水が減圧蒸発
する際に、蒸発潜熱を持ち去ることによって冷熱が発生
し、この冷熱を蒸発熱交換器の管内に水を流し、間接熱
交換形式で冷水を得て回収している。従って、この方式
で0℃以下の温度は得られない。無理に得ようとして
も、蒸発熱交換器の管表面において水が凍結し、冷媒と
しての水の循環が滞ってしまう。このように、先行技術
1から3に述べた従来の吸収式冷凍機では、いずれも製
氷運転は不可能である。
【0016】上述のように、臭化リチウム水溶液のよう
な吸収剤を使用し、冷媒として水を使用する吸収式冷凍
機においては、冷凍の発生場所として蒸発器を用い、そ
の蒸発熱交換器の管表面に散水してこれを蒸発させ、前
記管の中に水を流して冷水を得る方式では、氷を取り出
すことはできない。そこで、我々は、先行技術1に示す
単効用吸収式冷凍機を用い、そして、蒸発器の替わりに
蒸発蓄冷容器を配置した吸収式製氷蓄冷装置を開発し、
製氷運転を可能とした(特願平4-139459号で特許出願済
み)(以下、「先行技術4」という)。
【0017】しかしながら、先行技術4においては、製
氷を行うために、吸収器に20から25℃程度のかなり冷た
い冷却水の供給が必要である。このような温度の冷却水
は、夏の日本においては冷却塔では得られない。しか
も、冷却水出口温度は30℃程度にしかならず、これは、
温熱として供給するには低すぎる。
【0018】従って、この発明の目的は、20から25℃程
度の低い温度の冷却水を不要とし、製氷運転が可能であ
り、そして、冷熱とともに温熱を供給することができる
吸収式製氷蓄冷装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は、水を冷媒と
して使用する吸収式ヒートポンプサイクルを利用した冷
熱発生装置であって、希釈された吸収剤を再生器加熱管
に供給された外部熱源により加熱するための前記再生器
加熱管を有する再生器と、前記再生器と接続され、前記
再生器での前記吸収剤の加熱により生成した水蒸気を導
入し、凝縮器冷却管に供給された外部冷熱源により前記
水蒸気を冷却して得た凝縮熱を外部に供給するための、
前記凝縮器冷却管を有する凝縮器と、前記凝縮器と接続
され、前記凝縮器において凝縮された水を導入し、前記
水を高圧側蒸発器加熱管に供給された低圧側吸収器から
の熱源により加熱して水蒸気を生成させるための前記高
圧側蒸発器加熱管を有する高圧側蒸発器と、前記再生器
および前記高圧側蒸発器と接続され、前記再生器から第
1熱交換器を介して吸収剤を導入するとともに、前記高
圧側蒸発器から水蒸気を導入し、導入した前記水蒸気を
前記吸収剤に吸収させて高圧側吸収器冷却管に供給され
た外部冷熱源を加熱して得られた熱を外部に供給するた
めの、前記高圧側吸収器冷却管を有する高圧側吸収器
と、前記高圧側蒸発器と接続され、前記高圧側蒸発器か
ら水を導入し、前記水を貯留するための蒸発蓄冷容器
と、前記高圧側吸収器および前記蒸発蓄冷容器と接続さ
れ、前記高圧側吸収器から第2熱交換器を介して前記吸
収剤を導入するとともに、前記吸収剤と前記蒸発蓄冷容
器内に貯留された前記水との蒸気圧差によって前記蒸発
蓄冷容器内の前記水から水蒸気を生成させ、前記水蒸気
を前記蒸発蓄冷容器内から導入し、導入した前記水蒸気
を前記吸収剤に吸収させることによる前記水の減圧蒸発
作用によって、前記蒸発蓄冷容器内の水を冷却しそして
前記水の一部分を凍結させて氷水スラリーを生成し、且
つ、低圧側吸収器冷却管内の水を加熱するための、前記
低圧側吸収器冷却管を有する低圧側吸収器と、前記低圧
側吸収器冷却管で加熱された水を熱源として前記高圧側
蒸発器加熱管に導入して前記高圧側蒸発器で水蒸気を生
成させるための、前記低圧側吸収器冷却管と前記高圧側
蒸発器加熱管との間を循環する内部伝熱ループとを備
え、前記吸収剤は、前記再生器、前記第1熱交換器、前
記高圧側吸収器、前記第2熱交換器、前記低圧側吸収
器、前記第2熱交換器および前記第1熱交換器の各々を
前記順序で循環し、そして、前記再生器に戻ることに特
徴を有するものである。
【0020】本発明の吸収式製氷蓄冷装置においては、
二段吸収式ヒートポンプの原理を採用し、即ち、吸収器
を高圧側吸収器と低圧側吸収器とにより構成し、およ
び、冷凍の発生場所として、冷媒である水の循環ライン
内に、蒸発器に替わり蒸発蓄冷容器を、低圧側吸収器と
接続して配置する構造とする。この蒸発蓄冷容器におい
ては、凝縮器において凝縮された水を冷媒として導入し
貯留するとともに、前記水と低圧側吸収器内の臭化リチ
ウム濃厚水溶液との蒸気圧差によって蒸発した前記水の
気相部分(水蒸気)を、前記臭化リチウム濃厚水溶液に
吸収させることによる減圧作用によって、氷水スラリー
を生成させて冷熱として貯蔵する構造となっている。吸
収剤としては、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、その他の塩またはそれらの
混合塩、または硫酸、水酸化ナトリウム、その他の酸ま
たはアルカリのように、水との沸点差が大きく水の溶解
度が高い性質を有する物質水溶液を用いる。
【0021】また、蒸発蓄冷容器は、専ら製氷を行うた
めの蒸発製氷器と氷水スラリーの貯蔵のための蓄冷槽に
分割した構造とすることもできる。
【0022】
【作用】
(1) 冷凍の発生場所として、蒸発器に替わり、蒸発蓄冷
容器を有する構造または蒸発製氷器および蓄冷槽を有す
る構造に改めることにより、以下の作用が得られる。蒸
発蓄冷容器内に(または、蒸発蓄冷容器を蒸発製氷器と
蓄冷槽に分離したものにあっては蒸発製氷器内に)、凝
縮器から凝縮水を冷媒として導入し貯留するとともに、
前記水と低圧側吸収器内の臭化リチウム濃厚水溶液との
蒸気圧差によって蒸発した前記水の気相部分(水蒸気)
を、前記臭化リチウムの濃厚水溶液に吸収させることに
よる減圧作用によって、水の三重点圧力以下まで減圧す
ることにより、水が自己蒸発し、その蒸発潜熱に相当す
る分だけ、水の一部分が凍結して、シャーベット状の氷
水スラリーが生成される。
【0023】本発明では、吸収サイクルの冷媒循環ライ
ンと蒸発蓄冷容器(蒸発製氷器)とがつながっているた
め、蒸発蓄冷容器の水は、製氷機の冷媒としての働き
と、蓄冷のための蓄冷媒体としての働きとの両方の役割
を演じている。
【0024】蒸発蓄冷容器または蓄冷槽は、内部に多量
の水を保有しているために、これを低圧側吸収器に接続
して減圧蒸発させて水の一部を凍結させても、冷媒の循
環が滞ることはない。従って、製氷運転は蒸発蓄冷容器
または蓄冷槽内に水が存在する間は継続して実施でき
る。
【0025】(2) 真空排気系として、従来の単効用吸収
サイクルに替わって、二段吸収式ヒートポンプサイクル
を用いることにより、即ち、低圧側吸収器および高圧側
吸収器を有する構造とすることにより、以下の作用が得
られる。
【0026】上記サイクルを用いることにより、冷凍量
は、供給熱量100 に対して30程度と低くなるが、低圧側
吸収器での排熱を外界に捨てる必要がなくなるので、前
記吸収器を冷却するための冷たい冷却水を準備する必要
がない。また、高圧側吸収器での発熱は、駆動熱源温度
の設定によって約40から80℃と高くすることが可能であ
る。従って、前記吸収器でこの熱を廃棄する場合は30か
ら35℃程度の通常温度の冷却水を使用できるようにな
る。また、温熱として供給する場合は、70から80℃の利
用価値の高い温度のものが得られる。
【0027】低圧側吸収器の排熱は、外部に放熱する必
要が無くなったため、前記吸収器の動作濃度を臭化リチ
ウム水溶液の結晶線から十分に離れたレベルに維持する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の構成を図面に示す実施例に
基づいて説明する。 〔実施例1〕図1はこの発明の実施例1を示す工程図で
ある。図1に示すように、この発明の吸収式製氷蓄冷装
置は、蒸発蓄冷容器1aと、低圧側吸収器3と、高圧側吸
収器4と、再生器5と、凝縮器6と、高圧側蒸発器7a
と、熱交換器8および9(第2熱交換器8および第1熱
交換器9)とからなっている。真空容器である蒸発蓄冷
容器1aの中に貯留されている水は、ポンプ12によって導
管31,32 を経由してスプレーノズル34より散水される。
このように、水を微粒化することにより蒸発面積が拡大
され蒸発速度が高まる。蒸発蓄冷容器1aと低圧側吸収器
3とは、ダクト13を介して接続されている。低圧側吸収
器3においては、臭化リチウム濃厚水溶液がノズルより
吸収器冷却管16の管表面に散布される。このとき、水と
臭化リチウム濃厚水溶液との蒸気圧差によって、蒸発蓄
冷容器1a内の微粒化された水の表面より蒸発がおこり、
水蒸気はダクト13を経由して、低圧側吸収器3内で吸収
器冷却管16の管表面に散布されている臭化リチウム濃厚
水溶液に吸収される。そして、吸収による減圧作用によ
って、水の三重点圧力以下まで減圧することにより水が
自己蒸発し、その蒸発潜熱に相当する分だけ、この蒸発
蓄冷容器1a内の水の一部分が凍結して氷水スラリー44が
生成され、蒸発蓄冷容器1a内に蓄冷される。
【0029】ここに蓄冷された冷熱は、冷熱供給ループ
41,42によって冷熱需要先に供給される。
【0030】本発明においては、真空排気系、即ち、蒸
発蓄冷容器1aを真空排気するために使用する方式とし
て、水を冷媒として使用する二段吸収式ヒートポンプサ
イクルを用いている。この熱サイクルそのものは、先行
技術3で述べたように公知の技術であるが、その動作に
ついて以下に説明する。
【0031】100 から160 ℃の温度の駆動熱源(加熱熱
源)は、熱源入口35から再生器5に供給される。36は駆
動熱源が排出する出口である。この再生器5で濃縮され
た臭化リチウムの濃厚水溶液は、熱交換器9を経由して
高圧側吸収器4の冷却管18の表面上に散布される。この
高圧側吸収器4では、ダクト14を経由した高圧側蒸発器
7aからの水蒸気を吸収して希釈されると同時に発熱する
ため、冷却水入口37から冷却水を流し除熱する。冷却水
は出口38から温熱供給されまたは放熱される。希釈され
た臭化リチウム水溶液は、熱交換器8を経由して、低圧
側吸収器3の内部に散布される。低圧側吸収器3の冷却
管16の表面上に散布された臭化リチウム水溶液は、ダク
ト13を経由した蒸発蓄冷容器1a内からの水蒸気を吸収
し、希釈され発熱する。ここでの発熱は、ポンプ11によ
り内部伝熱ループ33によって高圧側蒸発器7aの加熱管17
の加熱源として使われる。従来の単効用冷凍サイクルま
たは二重効用冷凍サイクルを適用したとすると、ここ
(吸収器)での発熱は20から25℃程度の冷却水を供給し
て外界に放熱しなければならない。これに対して、本発
明においては、この低圧側吸収器3での発熱を系内(高
圧側蒸発器7a)に捨てることができるため、冷却水その
ものが不要である。高圧側蒸発器7a内に入った水は、導
管22を経由して蒸発蓄冷容器1aに導入される。
【0032】低圧側吸収器3で最終濃度まで希釈された
臭化リチウム水溶液は、ポンプ10によって、導管23,24,
25,26,27,28,29,30 および熱交換器8,9 を経由後、再生
器5に戻される。
【0033】再生器5から生成する水蒸気は、ダクト15
を経由して凝縮器6内に入り、冷却されて凝縮する。凝
縮熱は冷却水入口39から供給され凝縮器冷却管20内を流
れる冷却水によって除去されるが、この排熱温度は供給
される駆動熱源の温度によって異なる。冷却水は出口40
から温熱供給され、または、放熱される。凝縮器6内の
凝縮水は、導管21を経由して高圧側蒸発器7a内に導入さ
れる。温熱の需要が大きいときには、駆動熱源として16
0 ℃程度の高い温度のものを供給すると、凝縮器6から
は70℃程度の温熱が得られる。前記温熱がいらないとき
には、駆動熱源は100 ℃程度のものでよい。このとき、
凝縮器6の排熱は40℃程度のものとなり、冷却塔によっ
て得られる程度の温度の冷却水が使用できる。
【0034】本実施例では、駆動熱源100 に対して、約
30の製氷能力が得られ、排熱は凝縮器6および高圧側吸
収器4を合わせて約130 となる。
【0035】〔実施例2〕実施例1における、内部伝熱
ループ33は、吸収ヒートポンプ(高圧側吸収器4および
低圧側吸収器3等)の媒体とは隔離されたものである
が、この水をそのまま循環させるようにしてもよい。実
施例2においては、図2の工程図に示すように、実施例
1における高圧側蒸発器7aに替わり、気液分離器7bが配
置されている。
【0036】〔実施例3〕実施例1および2における蒸
発蓄冷容器は真空容器である。真空容器は大型化すると
高価なものとなる。実施例3においては、図3の工程図
に示すように、蒸発蓄冷容器の替わりに、これより小型
の蒸発製氷器1cと、そして、蓄冷槽1bとに分割したもの
を配置している。蒸発製氷器1cで生成された氷水スラリ
ー44は、ポンプ43によって蓄冷槽1bに供給される。蓄冷
槽1b内の水はポンプ12によって導管31, 32を経由してス
プレーノズル34より蒸発製氷器1c内に散水され微粒化さ
れる。これにより、蒸発製氷器1cのみを真空容器とし、
蓄冷槽1bは大気圧仕様にて設計でき、設備費用を低減す
ることができる。また、図示はしないが、実施例3にお
ける高圧側蒸発器7aに替わり、気液分離器7bを配置して
もよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、熱源駆動による真空排気系として二段吸収式ヒート
ポンプサイクルを用い、冷凍の発生場所として蒸発蓄冷
容器を配置することにより、従来の単効用吸収式冷凍サ
イクルまたは二重効用吸収式冷凍サイクルを用いる場合
に不可欠であった20から25℃程度の低い温度の冷却水を
不要とすることができ、冷熱とともに温熱を供給でき、
製氷運転が可能であり、そして、蒸発蓄冷容器の替わり
に蒸発製氷器および蓄冷槽を用いることにより、設備費
用を低減することができる吸収式製氷蓄冷装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吸収式製氷蓄冷装置の実施例1を示
す工程図
【図2】この発明の吸収式製氷蓄冷装置の実施例2を示
す工程図
【図3】この発明の吸収式製氷蓄冷装置の実施例3を示
す工程図
【図4】従来の単効用吸収式冷凍機の1例を示す工程図
【図5】二段吸収式ヒートポンプの原理をデューリング
線図によって示すグラフ。
【符号の説明】
1a 蒸発蓄冷容器 1b 蓄冷槽 1c 蒸発製氷器 2 蒸発器または低圧側蒸発器 3 吸収器または低圧側吸収器 4 高圧側吸収器 5 再生器 6 凝縮器 7a 高圧側蒸発器 7b 気液分離器 8,9 熱交換器 10〜12 ポンプ 13〜15 ダクト 16 吸収器冷却管 17 高圧側蒸発器加熱管 18 高圧側吸収器冷却管 19 再生器加熱管 20 凝縮器冷却管 21〜32 導管 33 内部伝熱ループ 34 スプレーノズル 35 駆動熱源入口 36 駆動熱源出口 37 冷却水入口 38 冷却水出口 39 冷却水入口 40 冷却水出口 41,42 冷熱供給ループ 43 ポンプ 44 氷水スラリー 45 冷却水入口 46 冷却水出口 47 蒸発熱交換器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を冷媒として使用する吸収式ヒートポ
    ンプサイクルを利用した冷熱発生装置であって、 希釈された吸収剤を再生器加熱管に供給された外部熱源
    により加熱するための前記再生器加熱管を有する再生器
    と、 前記再生器と接続され、前記再生器での前記吸収剤の加
    熱により生成した水蒸気を導入し、凝縮器冷却管に供給
    された外部冷熱源により前記水蒸気を冷却して得た凝縮
    熱を外部に供給するための、前記凝縮器冷却管を有する
    凝縮器と、 前記凝縮器と接続され、前記凝縮器において凝縮された
    水を導入し、前記水を高圧側蒸発器加熱管に供給された
    低圧側吸収器からの熱源により加熱して水蒸気を生成さ
    せるための前記高圧側蒸発器加熱管を有する高圧側蒸発
    器と、 前記再生器および前記高圧側蒸発器と接続され、前記再
    生器から第1熱交換器を介して吸収剤を導入するととも
    に、前記高圧側蒸発器から水蒸気を導入し、導入した前
    記水蒸気を前記吸収剤に吸収させて高圧側吸収器冷却管
    に供給された外部冷熱源を加熱して得られた熱を外部に
    供給するための、前記高圧側吸収器冷却管を有する高圧
    側吸収器と、 前記高圧側蒸発器と接続され、前記高圧側蒸発器から水
    を導入し、前記水を貯留するための蒸発蓄冷容器と、 前記高圧側吸収器および前記蒸発蓄冷容器と接続され、
    前記高圧側吸収器から第2熱交換器を介して前記吸収剤
    を導入するとともに、前記吸収剤と前記蒸発蓄冷容器内
    に貯留された前記水との蒸気圧差によって前記蒸発蓄冷
    容器内の前記水から水蒸気を生成させ、前記水蒸気を前
    記蒸発蓄冷容器内から導入し、導入した前記水蒸気を前
    記吸収剤に吸収させることによる前記水の減圧蒸発作用
    によって、前記蒸発蓄冷容器内の水を冷却しそして前記
    水の一部分を凍結させて氷水スラリーを生成し、且つ、
    低圧側吸収器冷却管内の水を加熱するための、前記低圧
    側吸収器冷却管を有する低圧側吸収器と、 前記低圧側吸収器冷却管で加熱された水を熱源として前
    記高圧側蒸発器加熱管に導入して前記高圧側蒸発器で水
    蒸気を生成させるための、前記低圧側吸収器冷却管と前
    記高圧側蒸発器加熱管との間を循環する内部伝熱ループ
    とを備え、 前記吸収剤は、前記再生器、前記第1熱交換器、前記高
    圧側吸収器、前記第2熱交換器、前記低圧側吸収器、前
    記第2熱交換器および前記第1熱交換器の各々を前記順
    序で循環し、そして、前記再生器に戻ることを特徴とす
    る吸収式製氷蓄冷装置。
  2. 【請求項2】 前記高圧側蒸発器の替わりに気液分離器
    を配置し、前記低圧側吸収器で加熱された前記低圧側吸
    収器冷却管内の水を前記気液分離器に導入し、前記気液
    分離器において水蒸気を生成させる請求項1記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発蓄冷容器の替わりに、蒸発製氷
    器および蓄冷槽を配置し、前記蒸発製氷器に前記高圧側
    蒸発器から水を導入し、前記蒸発製氷器内に生成した水
    蒸気は前記低圧側吸収器に、氷水スラリーは前記蓄冷槽
    に供給して貯留する請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸発蓄冷容器の替わりに、蒸発製氷
    器および蓄冷槽を配置し、前記蒸発製氷器に前記気液分
    離器から水を導入し、前記蒸発製氷器内に生成した水蒸
    気は前記低圧側吸収器に、氷水スラリーは前記蓄冷槽に
    供給して貯留する請求項2記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発蓄冷容器は、前記蒸発蓄冷容器
    内の水を前記蒸発蓄冷容器内に散水して微粒化する機構
    を有する請求項1または2記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発製氷器および前記蓄冷槽は、前
    記蓄冷槽内の水を前記蒸発製氷器内に散水して微粒化す
    る機構を有する請求項3または4記載の装置。
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