JP3419900B2 - アーク放電検出回路 - Google Patents

アーク放電検出回路

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JP3419900B2 JP20248394A JP20248394A JP3419900B2 JP 3419900 B2 JP3419900 B2 JP 3419900B2 JP 20248394 A JP20248394 A JP 20248394A JP 20248394 A JP20248394 A JP 20248394A JP 3419900 B2 JP3419900 B2 JP 3419900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン窒化処理に利用
される真空槽内のグロー放電を安定制御する際に必要な
アーク放電検出回路に係り、詳細には、グロー放電がア
ーク放電に遷移する際の異常状態を検出するアーク放電
検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン窒化処理においては、所定のガス
を導入する真空槽内で被処理物を陰極として設置し、真
空槽の壁面を陽極として、この真空槽中の電極間に直流
電源装置から直流電圧を印加してグロー放電を発生させ
て、被処理物表面の窒化処理を行っている。
【0003】しかし、例えば、狭間隙部や細孔等を有す
る複雑な形状の被処理物をイオン窒化処理する場合、真
空槽内の真空度を低くしてグロー放電の幅を狭くし、グ
ロー放電が狭間部や細孔の内部まで入り込むようにしな
ければ、被処理物が均一に窒化処理されない。また、試
料表面の付着物が放出されると、アーク放電が発生しや
すくなり、アーク放電が多発すると連続的に継続する持
続的アーク放電に移行し、電極被処理物及び被処理物を
保持する治具等が著しく損傷する等の問題が発生してい
た。
【0004】この持続的アーク放電への移行を防止する
ためのものとして、例えば、特公昭61−12990号
公報に記載された「イオン窒化処理方法およびその装
置」がある。この発明では、持続的アーク放電が発生し
た際に、単位時間当たりに低下する放電電圧の電圧変化
を検知し、直流電圧の印加を遮断することにより、アー
ク放電の発生を早期に検知し、陰極および陽極の保護を
図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の特公昭61−12990号公報に記載された持続ア
ーク放電の検出方法にあっては、持続的アーク放電が発
生した際に、単位時間当たりに低下する放電電圧の電圧
変化を検知するだけであったため、単位時間毎の放電電
圧の変化分を検知するだけでは、確実にアーク放電の発
生状態を検知することは困難である。
【0006】すなわち、検知する時間間隔の間にグロー
放電からアーク放電へ遷移してしまった場合は、アーク
放電になってからの放電電圧の変化を検知することにな
り、アーク放電に遷移してしまった後では、持続アーク
放電中の小さい電圧変化しか検知できず、グロー放電か
らアーク放電への遷移を確実に検出することが困難であ
る。
【0007】〔目的〕本発明は、電極間の負荷電圧の変
化と電源装置内の電流制限抵抗の電圧降下の変化を監視
し、負荷電圧及び電圧降下の変化の割合に基づいて、真
空槽内のグロー放電からアーク放電への遷移を検出する
アーク放電検出回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
交流電圧を整流して所定の直流電圧を生成する整流回路
と、この整流回路から出力される直流電圧の負荷への印
加時間を制御する制御回路と、を有する電源装置を備
え、当該電源装置から真空槽内に設置された電極間に所
定の直流電圧を印加して、当該電極間にグロー放電を発
生させるグロー放電制御装置において、当該電極間のグ
ロー放電がアーク放電に遷移したことを検出するアーク
放電検出回路であって、前記電極間に発生する負荷電圧
を検出する負荷電圧検出回路と、前記電極間に流れる負
荷電流に相当する電圧降下を検出する電圧降下検出回路
と、前記負荷電圧検出回路から出力される負荷電圧の変
位と前記電圧降下検出回路から出力される電圧降下の変
位とを比較し、当該比較結果に基づいて前記電極間のグ
ロー放電がアーク放電に遷移したことを判別する判別回
路と、を備えたことを特徴としている。
【0009】また、この場合、請求項2に記載するよう
に、前記電圧降下検出回路は、可変可能な負荷電流検出
用抵抗を備え、この負荷電流検出用抵抗により前記電圧
降下を検出する変位幅を調整し、前記判別回路は、この
電圧降下の変位と前記負荷電圧の変位とを比較する際の
相関関係を調整し、これらの電圧降下の変位と前記負荷
電圧の変位との比較結果に基づいて、前記電極間のグロ
ー放電がアーク放電に遷移したことを検出するようにす
ることが有効である。
【0010】さらに、請求項3に記載するように、前記
判別回路は、前記電極間のグロー放電がアーク放電に遷
移したことを判別すると、前記電源装置の電極への電圧
印加を停止させる旨の信号を前記電源装置内の制御回路
に対して出力することが有効である。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、交流電圧を整流
して所定の直流電圧を生成する整流回路と、この整流回
路から出力される直流電圧の負荷への印加時間を制御す
る制御回路と、を有する電源装置を備え、当該電源装置
から真空槽内に設置された電極間に所定の直流電圧を印
加して、当該電極間にグロー放電を発生させるグロー放
電制御装置において、当該電極間のグロー放電がアーク
放電に遷移したことを検出するアーク放電検出回路であ
って、前記電極間に発生する負荷電圧が負荷電圧検出回
路により検出され、前記電極間に流れる負荷電流に相当
する電圧降下が電圧降下検出回路により検出され、判別
回路により前記負荷電圧検出回路から出力される負荷電
圧の変位と前記電圧降下検出回路から出力される電圧降
下の変位とが比較され、当該比較結果に基づいて前記電
極間のグロー放電がアーク放電に遷移したことが判別さ
れる。
【0012】したがって、グロー放電制御装置において
真空槽内でグロー放電からアーク放電へ遷移する際の変
化を確実に検出することができ、持続アーク放電に移行
することを未然に防止することができる。その結果、イ
オン窒化処理装置等で持続アーク放電の発生による電極
の損傷を防止することができる。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、前記
電圧降下検出回路では、可変可能な負荷電流検出用抵抗
を備え、この負荷電流検出用抵抗により検出する電圧降
下の変位幅を調整し、前記判別回路では、この電圧降下
の変位と前記負荷電圧の変位とを比較する際の相関関係
を調整し、これらの電圧降下の変位と前記負荷電圧の変
位との比較結果に基づいて、前記電極間のグロー放電が
アーク放電に遷移したことが検出される。
【0014】したがって、電極間に印加される電圧値に
応じて、予め負荷電流による電圧降下の検出範囲を調整
することができ、負荷電圧と負荷電流による電圧降下の
相関関係を適切に設定することができ、真空槽内でグロ
ー放電からアーク放電へ遷移する際の変化をより確実に
検出することができる。
【0015】また、請求項3記載の発明によれば、前記
判別回路では、前記電極間のグロー放電がアーク放電に
遷移したことを判別すると、前記電源装置の電極への電
圧印加を停止させる旨の信号を前記電源装置内の制御回
路に対して出力する。
【0016】したがって、電極間のグロー放電がアーク
放電に遷移した場合に、直ちに電源装置からの電圧印加
を中止させて、持続アーク放電の発生を確実に防止する
ことができ、電極の損傷を防止することができる。その
結果、グロー放電制御装置の信頼性を向上させることが
できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図を参照して
説明する。図1〜図5は、本発明のアーク放電検出回路
を適用した電源装置の一実施例を示す図である。なお、
本実施例の電源装置は、上記従来のイオン窒化処理装置
に接続されるものである。
【0018】まず、構成を説明する。図1は、電源装置
1の回路構成図である。この図1において、電源装置1
は、トランスTR、3相位相制御整流回路2、平滑回路
3、フリーホイールダイオードFD1,FD2、パルス
波出力トランジスタPTR、放電回路4、電流制限用抵
抗RS、負荷電圧検出用抵抗R1,R2、負荷電流検出
用抵抗LR1、アーク検出回路5及び制御回路6により
構成され、この電源装置1の出力端子O1,O2は、イ
オン窒化処理を行う真空チャンバVC内に設置された陽
極Sと陰極Nに接続される。
【0019】この真空チャンバVC内の電極間には、パ
ルス波出力トランジスタPTRのスイッチング動作によ
り断続的に直流電圧が印加され、真空チャンバVC内に
所定圧力で導入されるガスの分子をイオン化させること
により、電極間にグロー放電を発生させ、陰極Nとして
設置される被処理物表面の窒化処理を行わせる。
【0020】3相位相制御整流回路2は、サイリスタS
CR1〜SCR6により構成され、図外の3相交流電源
からトランスTRを介して入力される3相交流電圧を整
流して直流電圧を出力する。
【0021】フリーホイールダイオードFD1は、3相
位相制御出力電圧断続時にCH電流をパスさせる。平滑
回路3は、チョークコイルCH及び平滑コンデンサCF
により構成され、3相位相制御整流回路2から出力され
る直流電圧に含まれる脈流成分を平滑化して直流電圧V
DCを出力する。
【0022】パルス波出力トランジスタPTRは、平滑
回路3から出力される直流電圧VDCをPWCゲート回路
5から入力されるPTR駆動パルス信号のパルス幅でO
N/OFFして負荷側に出力する。フリーホイールダイ
オードFD2は、浮遊インダクタンスによって生じるP
TR OFF時のサージ電圧の発生を抑制する。
【0023】放電回路4は、放電用トランジスタDTR
と放電用抵抗DRにより構成され、PWCゲート回路5
から入力されるDTR駆動パルス信号のパルス幅でON
/OFFし、そのON/OFFタイミングによりパルス
波出力トランジスタPTRがOFF期間中に放電用トラ
ンジスタDTRをONして負荷電極間の蓄積電荷を放出
する。
【0024】電流制限用抵抗RSは、負荷側に流れる電
流を制限し、その抵抗値は、アーク放電発生時に電極間
に流れるアーク電流量を制限するように設定される。す
なわち、真空チャンバVC内でアーク放電が発生した場
合、電極間に流れる電流を制限することにより、過大な
アーク電流が電極間に流れて、電極を損傷することを防
止している。
【0025】負荷電圧検出用抵抗R1,R2は、負荷側
に印加される負荷電圧Vc を分圧してアーク検出回路7
に出力する。負荷電流検出用抵抗LR1は、負荷に流れ
る負荷電流Ic を検出し、負荷電流Ic によって当該負
荷電流検出用抵抗LR1に発生する電圧降下VR をアー
ク検出回路7に出力する。
【0026】PWCゲート回路5は、電源動作制御回路
8から入力される制御信号(電源装置1の動作、停止を
制御する制御信号、基準パルス信号)に基づいて、パル
ス波出力トランジスタPTRと放電用トランジスタDT
Rをそれぞれ駆動するPTR駆動パルス信号とDTR駆
動パルス信号(基準パルス信号のデューティ比設定によ
り駆動時間を制御する信号)を生成する。
【0027】位相制御回路6は、外部のスタート/スト
ップスイッチ操作により入力されるスタート/ストップ
信号(スイッチ操作によるON/OFF信号)に基づい
て、3相位相制御整流回路2内のサイリスタSCR1〜
SCR6のゲート電極のスイッチング時間を制御する制
御信号を出力する。
【0028】次に、図2に示すアーク検出回路7及び電
源動作制御回路8の構成を説明する。アーク検出回路7
は、負荷電圧検出用抵抗R1,R2により分圧される負
荷電圧Vc の変位と負荷電流Ic が流れて負荷電流検出
用抵抗LR1により発生される電圧降下VR の変位とを
比較し、これら電圧変位の比較条件に基づいて真空チャ
ンバVC内で発生するグロー放電がアーク放電に遷移す
ることを検出し、そのアーク検出信号を電源動作制御回
路8に出力する回路である。
【0029】図2において、アーク検出回路7は、分圧
回路71、バッファ72、ノイズフィルタ73及びピー
クホールド回路74により構成される負荷電圧検出回路
7aと、分圧回路75、バッファ76及びピークホール
ド回路77により構成される負荷電流検出回路7bと、
負荷電圧検出回路7aにより検出される電圧検出値と負
荷電流検出回路7bにより検出される電流検出値とを比
較してアーク検出信号を電源動作制御回路8に出力する
コンパレータ回路78と、により構成されている。
【0030】まず、負荷電圧検出回路7aは、図1の電
源装置1内の接続点A,Bから負荷電圧Vc を検出し、
その検出した負荷電圧Vc を分圧回路71により分圧し
て分圧電圧Vc ´とし、その分圧電圧Vc ´に含まれる
ノイズ成分(リップル成分)をバッファ72とノイズフ
ィルタ73により取り除き(平均化し)、そのノイズを
取り除いた分圧電圧Vc ´のピーク値をピークホールド
回路74により保持して、そのピークホールド信号をコ
ンパレータ回路78に出力する。なお、ピークホールド
回路74のピークホールドレベルは、感度調整ボリュー
ム79によって調整可能である。
【0031】次いで、負荷電流検出回路7bは、図1の
電源装置1内の接続点B,Cから負荷電流Ic が負荷電
流検出用抵抗LR1に発生する電圧降下VR を検出し、
その検出した電圧降下VR を分圧回路75により分圧
(所定レベルでクランプ)して分圧電圧VR ´とし、そ
の分圧電圧VR ´のインピーダンス変換をバッファ76
で行った後、分圧電圧VR ´のピーク値をピークホール
ド回路77により保持して、そのピークホールド信号を
コンパレータ回路78に出力する。
【0032】コンパレータ回路78は、負荷電圧検出回
路7aから入力される負荷電圧Vc相当のピークホール
ド信号と、負荷電流検出回路7bから入力される負荷電
流Ic 相当のピークホールド信号を比較し、その比較結
果がアーク放電に遷移したことを判別する条件に一致す
るか否かにより、アーク検出信号を電源動作制御回路8
に出力する。なお、コンパレータ回路78から出力され
るアーク検出信号は、“Hi”信号とする。
【0033】次いで、図2において、電源動作制御回路
8は、インバータゲート81、ANDゲート82、モノ
マルチバイブレータ83、ANDゲート84、パルス波
発生器85、カウンタ86及びリレー87、88により
構成されている。
【0034】インバータゲート81は、アーク検出回路
7から入力されるアーク検出信号(“Hi”信号)を反
転させて、“Lo”信号としてANDゲート82に出力
し、ANDゲート82は、インバータゲート81から入
力されるアーク検出信号と外部のスタート/ストップス
イッチ操作により入力されるスタート/ストップ信号
(OFF時に“Hi”、ON時に“Lo”とする)との
論理和をモノマルチバイブレータ83に出力する。
【0035】モノマルチバイブレータ83は、アーク放
電検出時に電源装置1の動作を一定時間停止させる停止
信号を出力する回路であり、ANDゲート82から入力
される論理和が“Hi”信号の時は、“Hi”信号をA
NDゲート84に出力し、入力される論理和が“Lo”
信号の時、すなわちアーク放電が検出された時、設定さ
れた一定時間の間停止信号(“Lo”信号)をANDゲ
ート84に出力することにより、ANDゲート84から
上記PWCゲート回路5への基準パルス信号の出力を停
止させて、電源装置1の動作を一定時間停止させる。
【0036】ANDゲート84は、モノマルチバイブレ
ータ83から入力される停止信号と、外部から入力され
るスタート/ストップ信号と、パルス発生器85から入
力される基準パルス信号との論理和を制御信号として上
記PWCゲート回路5に出力する。
【0037】パルス発生器85は、上記PWCゲート回
路5がPTR駆動パルス信号及びDTR駆動パルス信号
を生成する際に利用する基準パルス信号をANDゲート
84に出力する。
【0038】カウンタ86は、モノマルチバイブレータ
83から出力される停止信号の出力回数を計数し、その
計数値が所定値に達した時、リレー88をONさせる信
号を出力し、リレー88をONさせることによりトリッ
プ信号を外部の制御パネル等に出力させて、電源装置1
の動作を停止させる。
【0039】リレー87は、モノマルチバイブレータ8
3から出力される停止信号に基づいてON/OFFし、
すなわち、停止信号が出力されている間は、電源装置1
の動作が停止して真空チャンバVC内の放電が停止して
いることを外部に知らせるため、“HEAT OFF”
表示信号を外部の制御パネル等に出力して、“HEAT
OFF”表示ランプ等を点灯させて、アーク放電によ
り一時的に電源装置1の出力を停止していることを報知
する。
【0040】リレー88は、カウンタ86から入力され
るON信号によりONし、電源装置1の動作を停止させ
て異常発生を知らせるトリップ信号を外部の制御パネル
等に出力し、電源装置1の動作を停止させるとともに、
真空チャンバVC内の電極間でアーク放電が継続して発
生していることを報知する。この報知によりオペレータ
にアーク放電の発生原因を取り除く処理を促すことがで
きる。
【0041】ここで、上記コンパレータ回路78が負荷
電圧Vc と負荷電流Ic による電圧降下VR を比較して
アーク放電を判定する際の条件について以下に説明す
る。
【0042】本実施例における電圧変位の比較条件は、
上記電源装置1内に設けられた電流制限用抵抗RSの設
定抵抗値と、アーク放電発生時に電極間に流れるアーク
電流により推定される負荷側のインピーダンス値の比に
よって設定される。
【0043】すなわち、電流制限用抵抗RSは、負荷に
対して直列抵抗となっており、図3に示すように、電流
制限用抵抗RSと負荷とを含む直列回路両端の電圧をV
O とし、電流制限用抵抗RS両端の電圧をVR 、負荷両
端の電圧をVc とし、アーク放電発生時に電極間に流れ
るアーク電流を、例えば、10パーセント程度に設定し
ようとすると、正常グロー放電が発生している時のVO
、Vc 、VR の関係は、次式(1)、(2)によって
示すことができる。
【0044】 VR =VO ×(10/100)=0.1V0 …(1) Vc =VO ×(90/100)=0.9V0 …(2) すなわち、正常時のVR とVc の関係は、“VR 《Vc
(Ic 《Vc )”であるが、アーク放電が発生した異常
時のVR とVc の関係は、“VR 》Vc (Ic》Vc
)”となる。
【0045】したがって、本実施例のアーク検出回路7
では、このようなVR とVc の相関関係に基づいて、V
R に相当する電圧を負荷電流検出用抵抗LR1により発
生される電圧降下として検出し、Vc に相当する電圧を
負荷電圧検出用抵抗R1,R2により分圧される負荷電
圧として検出する。そして、VR の変位とVc の変位と
をコンパレータ回路78により比較して、“VR 《Vc
”の関係が“VR 》Vc ”に変化することを検出する
ことにより、グロー放電からアーク放電に遷移すること
を検出して、アーク検出信号を電源動作制御回路8に出
力する。
【0046】次に、動作を説明する。まず、正常時の上
記図1及び図2の電源装置1、アーク放電検出回路7及
び電源動作制御回路8内の動作について図4に示す主要
信号の動作タイミングチャートを参照して説明する。
【0047】図1において、図外の3相交流電源から入
力される3相交流電圧は、3相位相制御整流回路2によ
り整流されて直流電圧として出力されると、平滑回路3
によって、その出力直流電圧に含まれる脈流成分が平滑
化されて直流電圧VDCが、パルス波出力トランジスタP
TRに供給される。パルス波出力トランジスタPTR
は、PWCゲート回路5から入力されるPTR駆動パル
ス信号のパルス幅でON/OFFされ、平滑回路3から
入力される直流電圧VDCを、そのONタイミングで真空
チャンバVC内に設置された電極間(陽極S,陰極N)
に印加する。
【0048】すなわち、3相位相制御整流回路2内のサ
イリスタSCR1〜SCR6は、位相制御回路6から各
ゲート電極に入力される駆動制御信号により図4
(a)、(b)に示すタイミングでON/OFFされ、
その各ON電圧が、平滑回路3内の平滑コンデンサCF
により図4(c)に示すように蓄積されるとともに平滑
化されて直流電圧VDCが生成される。そして、平滑回路
3から出力される直流電圧VDCは、パルス波出力トラン
ジスタPTRが、ベース電極にPWCゲート回路5から
入力されるPTR駆動パルス信号のパルス幅でON/O
FFされることにより、図4(d)に示すON/OFF
タイミングで負荷に供給される。
【0049】そして、電極間(陽極S,陰極N)に印加
される直流電圧VDCにより、真空チャンバVC内に所定
圧力で導入されるガスの分子をイオン化させ、電極間に
グロー放電を発生させて、陰極Nとして設置される被処
理物表面の窒化処理を行わせる。負荷に印加される直流
電圧VDCがアーク検出回路7により負荷電圧Vc として
検出される状態を図4(f)に示す。この負荷電圧Vc
の検出状態は、正常動作の場合である。
【0050】また、放電回路4内の放電用トランジスタ
DTRは、PWCゲート回路5から入力されるDTR駆
動パルス信号のパルス幅でON/OFFされ、図4
(e)に示すON/OFFタイミングによりパルス波出
力トランジスタPTRがOFF期間中に放電用トランジ
スタDTRをONして負荷電極間の蓄積電荷を放出す
る。以上が、電源装置1の正常動作である。次に、アー
ク検出回路7によりアーク放電の発生が検出される際の
検出信号の状態を図5に示して説明する。
【0051】図5(a)は、負荷電圧Vc の検出状態を
示し、図5(b)は、負荷電流Icの検出状態を示して
いる。正常なグロー放電が発生している場合は、アーク
検出回路7で検出される負荷電圧Vc のピークホールド
値及び負荷電流Ic のピークホールド値は、図中にVc1
及びIc1として示すようになっており、上記図3により
説明したアーク放電検出条件と一致しないため、コンパ
レータ回路78からアーク検出信号は、電源動作制御回
路8に出力されない。
【0052】しかし、アーク放電が発生すると、図5
(a)及び(b)にそれぞれ破線で示すように、負荷電
圧Vc のピークホールド値は、急激に低下してVc1から
Vc2に変化し、負荷電流Ic のピークホールド値は、急
激に増加してIc1からIc2に変化する。このピークホー
ルド値Vc2、Ic2がコンパレータ回路78に入力される
と、その比較結果はIc2》Vc2となり、上記図3により
説明したアーク放電に遷移したことを示す条件である
“Ic 》Vc ”と一致するため、アーク検出信号が図5
(c)に示すタイミングで電源動作制御回路8に出力さ
れる。
【0053】このアーク検出信号の出力により、電源動
作制御回路8内のモノマルチバイブレータ83から一定
時間停止信号が出力され、電源装置1の動作が一定時間
停止されて、真空チャンバVC内のアーク放電が停止さ
れる。また、停止信号によりリレー87がONされる
と、図5(c)に示すHEAT OFF表示信号が外部
の制御パネルに出力されて、電源装置1の動作が停止し
ていることがランプ等で表示される。
【0054】また、停止信号の出力回数がカウンタ86
により計数され、所定の規定回数に達すると、ON信号
が出力されてリレー88をONさせ、トリップ信号を外
部の制御パネルに出力させるとともに、電源装置1の動
作を停止させるとともに、真空チャンバVC内でアーク
放電が継続して発生していることを報知させる。この報
知によってオペレータにアーク放電の発生原因を取り除
く処理を促すことができる。
【0055】以上のように、電源装置1にアーク検出回
路7を接続し、このアーク検出回路が負荷電圧Vc と負
荷電流Ic との比によりグロー放電からアーク放電に遷
移したことを検出するようにしたことにより、真空チャ
ンバーVC内でグロー放電からアーク放電へ遷移する際
の変化を確実に検出することができる。
【0056】また、アーク検出回路7から出力されるア
ーク検出信号により電源動作制御回路8に電源動作、停
止を制御させることにより、持続アーク放電に移行する
ことを未然に防止することができ、イオン窒化処理装置
等で持続アーク放電の発生による電極の損傷を防止する
ことができる。
【0057】また、アーク検出回路7内では、電源装置
1内の電圧降下の監視範囲を調整することができ、負荷
電圧の変化に対する電源装置内の電圧降下の相関関係を
適切に設定することができ、より確実に真空槽内でグロ
ー放電からアーク放電へ遷移する際の変化を確実に検出
することができる。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、グロー放
電制御装置において真空槽内でグロー放電からアーク放
電へ遷移する際の変化を確実に検出することができ、持
続アーク放電に移行することを未然に防止することがで
きる。その結果、イオン窒化処理装置等で持続アーク放
電の発生による電極の損傷を防止することができる。
【0059】請求項2記載の発明によれば、電極間に印
加される電圧値に応じて、予め負荷電流による電圧降下
の検出範囲を調整することができ、負荷電圧と負荷電流
による電圧降下の相関関係を適切に設定することがで
き、真空槽内でグロー放電からアーク放電へ遷移する際
の変化をより確実に検出することができる。
【0060】請求項3記載の発明によれば、電極間のグ
ロー放電がアーク放電に遷移した場合に、直ちに電源装
置からの電圧印加を中止させて、持続アーク放電の発生
を確実に防止することができ、電極の損傷を防止するこ
とができる。その結果、グロー放電制御装置の信頼性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアーク放電検出方法を適用した電源装
置の回路構成図。
【図2】本発明のアーク放電検出方法を適用したアーク
検出回路及び電源動作制御回路の回路構成図。
【図3】図2のアーク検出回路において検出される負荷
電圧VP と電圧降下VR を比較する際の比較条件を説明
するための回路図。
【図4】図1の電源装置各部における主要信号の動作を
示すタイミングチャート。
【図5】図2のアーク検出回路によりアーク放電の発生
が検出される際の検出信号の一例を示す図。
【符号の説明】
1 電源装置 2 3相位相制御整流回路 3 平滑回路 4 放電回路 5 PWCゲート回路 6 位相制御回路 7 アーク検出回路 7a 負荷電圧検出回路 7b 負荷電流検出回路 8 電源動作制御回路 71 分圧回路 72 バッファ 73 ノイズフィルタ 74 ピークホールド回路 75 分圧回路 76 バッファ 77 ピークホールド回路 78 コンパレータ回路 79 感度調整ボリューム 81 インバータゲート 82 ANDゲート 83 モノマルチバイブレータ 84 ANDゲート 85 パルス波発生器 86 カウンタ 87 リレー 88 リレー TR トランス FD1,FD2 フリーホイールダイオード PTR パルス波出力トランジスタ DTR 放電用トランジスタ RS 電流制限用抵抗 R1,R2 負荷電圧検出用抵抗 LR1 負荷電流検出用抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−12990(JP,A) 特開 平7−78697(JP,A) 特開 平2−125856(JP,A) 特開 昭58−141378(JP,A) 特開 昭52−29438(JP,A) 特開 平4−32550(JP,A) 特開 平8−57297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電圧を整流して所定の直流電圧を生成
    する整流回路と、この整流回路から出力される直流電圧
    の負荷への印加時間を制御する制御回路と、を有する電
    源装置を備え、当該電源装置から真空槽内に設置された
    電極間に所定の直流電圧を印加して、当該電極間にグロ
    ー放電を発生させるグロー放電制御装置において、当該
    電極間のグロー放電がアーク放電に遷移したことを検出
    するアーク放電検出回路であって、 前記電極間に発生する負荷電圧を検出する負荷電圧検出
    回路と、 前記電極間に流れる負荷電流に相当する電圧降下を検出
    する電圧降下検出回路と、 前記負荷電圧検出回路から出力される負荷電圧の変位と
    前記電圧降下検出回路から出力される電圧降下の変位と
    を比較し、当該比較結果に基づいて前記電極間のグロー
    放電がアーク放電に遷移したことを判別する判別回路
    と、 を備えたことを特徴とするアーク放電検出回路。
  2. 【請求項2】前記電圧降下検出回路は、可変可能な負荷
    電流検出用抵抗を備え、この負荷電流検出用抵抗により
    前記電圧降下を検出する変位幅を調整し、前記判別回路
    は、この電圧降下の変位と前記負荷電圧の変位とを比較
    する際の相関関係を調整し、これらの電圧降下の変位と
    前記負荷電圧の変位との比較結果に基づいて、前記電極
    間のグロー放電がアーク放電に遷移したことを検出する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載のアーク放電
    検出回路。
  3. 【請求項3】前記判別回路は、前記電極間のグロー放電
    がアーク放電に遷移したことを判別すると、前記電源装
    置の電極への電圧印加を停止させる停止信号を前記電源
    装置内の制御回路に対して出力するようにしたことを特
    徴とする請求項1及び2記載のアーク放電検出回路。
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