JP3418674B2 - 漏電遮断器 - Google Patents

漏電遮断器

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JP3418674B2 JP04588498A JP4588498A JP3418674B2 JP 3418674 B2 JP3418674 B2 JP 3418674B2 JP 04588498 A JP04588498 A JP 04588498A JP 4588498 A JP4588498 A JP 4588498A JP 3418674 B2 JP3418674 B2 JP 3418674B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、零相変流器を貫通
する導体の作業性を改善した漏電遮断器に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】漏電遮断器の従来技術を図6及び図7に
示す。図6及び図7において、ケース1とカバー2とで
形成された空間内に、夫々の電源端子3a〜3cに接続
される固定接点(図示せず)と、該固定接点に対し開閉
する可動接点(図示せず)とが設けられている。その可
動接点に接続線4を介し過電流検出手段としてのバイメ
タル5が接続され、そのバイメタル5と負荷端子6a〜
6cとが導体7によって夫々接続されている。各極毎の
導体7は板状のものであって零相変流器9を貫通してお
り、該零相変流器9を貫通した部分においては互いに各
極毎に絶縁できるようにするため、図示の如き絶縁チュ
ーブ8或いは絶縁テープを装着している。 【0003】この漏電遮断器は、回路を流れる地絡電流
が所定の値に達すると、それを零相変流器9が検出し、
該零相変流器9の検出により漏電検出手段10を介し図
示しない電圧引外し装置を駆動させることによって図示
しないリンク機構部をトリップ動作時のときの同様に動
作させることにより、可動接点を固定接点から開離する
ようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記に示す
従来技術の漏電遮断器は、零相変流器9を貫通する夫々
の導体7が絶縁チューブ8或いは絶縁テープなどの被覆
部品で絶縁するので、その部分がそれだけ太くなり、そ
のため、配線時、導体7が零相変流器9を貫通しにくい
問題がある。しかも絶縁チューブ8を用いた場合、零相
変流器9の貫通時に絶縁チューブ8自体に傷を付けたり
することがあり、また絶縁テープを用いた場合、巻き付
け作業に不良が発生したりすることがあり、従って、被
覆部品の装着作業の不良が起こり得るので、大事故を招
くおそれがあった。また、導体7自体の形状が大きいの
で、漏電遮断器内の限られた空間部内に収容することが
難しく、遮断器全体が大型になってしまう問題がある。 【0005】本発明の目的は、上記事情に鑑み、複数の
極の導体であっても、零相変流器に対する作業性を改善
し、しかも遮断器自体の小型化を図り得る漏電遮断器を
提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では、それぞれ接
点に電気的に接続され、零相変流器を貫通して負荷端子
に連なる第一の導体と第二の導体と第三の導体とを有す
る漏電遮断器において、前記第一の導体,前記第二の導
体及び第三の導体板状とし、前記第一の導体及び前記
第二の導体はコ字形形状部を有し、前記第三の導体は
階段状に折り曲げた部分を有し、前記第一の導体及び前
記第二の導体を前記零相変流器に挿通させ、それぞれコ
字形形状部内に前記零相変流器を配置し、前記第三の導
体を絶縁バリアに保持し該保持した状態で前記絶縁バ
リアを前記零相変流器に配置した前記第一の導体と前記
第二の導体との間に挿入、前記絶縁バリア、前記第
一の導体前記第二の導体及び前記第三の導体をそれぞ
ほぼπ字状に配置することを特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至
図5により説明する。図1乃至図4は本発明の漏電遮断
器の第一の実施例を示している。実施例の漏電遮断器
は、図1に示すように、ケース11とカバー12とによ
って空間部が形成され、その空間部に回路を開閉する接
点が内蔵されている。 【0008】該接点は、固定接点台13の一端部に設け
られた固定接点14と、可動接点台16の一端部に設け
られた可動接点15とからなり、可動接点15が固定接
点14に接することによって回路への通電を可能にして
いる。固定接点台13はケース11に固定されており、
該ケース11の外側部に他端部が配置されて電源端子1
3aを構成している。可動接点台16は軸17によって
ケース11に軸支され、ばね18により図1において反
時計方向に回動可能に付勢され、該ばね18のばね力に
より可動接点15が固定接点14に対し一定の力で接触
するようにしている。また可動接点台16の他端にはリ
ード線19を介し、過電流検出手段としてのバイメタル
20が接続され、該バイメタル20は先端部に調整ねじ
20aを有し、またリード線19との接続部にはヒータ
21を有している。さらに、バイメタル20には導体2
2を介し負荷端子23が接続されている。その場合、導
体22は各極毎に設けられ(本例では三相に対応して三
本)、夫々が零相変流器35を貫通している。零相変流
器35は、これと離れた位置にIC等の電子部品を搭載
した漏電検出手段及び電圧引外し手段(図1では共に図
示せず)を有している。 【0009】一方、可動接点台16の上方位置には軸2
4によってフック25が軸支されると共に、該フック2
5が駆動ばね26によって反時計方向に付勢されてい
る。このフック25と可動接点台16の下部との間には
複数本のリンク部材で構成されるリンク機構部40が連
結され、該リンク機構40は、フック25が図1に示す
位置から反時計方向に動作したとき、そのフック25の
動作に連動してトリップ動作することにより、可動接点
台16をばね18の付勢力に抗し時計方向に回動させ、
可動接点15を固定設定14から開極させるようにして
いる。 【0010】他方、フック25と係合するトリップ金具
27はピン28によって軸支され、かつばねによって時
計方向に付勢されており、その一端側が引外しレバー2
9に係止されている。 【0011】引外しレバー29はその下部に動作棒30
を有し、中央部がピン31によって軸支されている。ま
たこの引外しレバー29は、ばねにより反時計方向に付
勢され、ピン31寄りの端部がトリップ金具27の上端
部と当接することによってトリップ金具27を係止して
いる。そして、引外しレバー29のトリップ金具27と
反対側には各極共通のリレー軸32が配置され、該リレ
ー軸32は、ケース11に回転自在に軸支され、かつば
ねにより時計方向に付勢されている。そして、何れか一
方の極の回路に流れた過電流によって対応するバイメタ
ル20が彎曲すると、該バイメタル20により調整ねじ
20aを介し被押圧板32aが押圧されることにより、
反時計方向に作動するようになっている。さらに、リレ
ー軸32はバイメタル32の彎曲動作によって作動した
とき、引外しレバー29の動作棒30を押し付け、該引
外しレバー29を時計方向に動作させて引外しレバー2
9とトリップ金具27との係合を解除させるようにして
いる。 【0012】図1に示すように固定接点14と可動接点
15とが接触することによって回路が通電状態にあると
き、過電流が流れると、ヒータ21が加熱され、その加
熱によりバイメタル20が左側に彎曲動作してリレー軸
32を反時計方向に作動し、該リレー軸32が引外しレ
バー29の動作棒30を押し付けて該引外しレバー29
を、ピン31を中心に時計方向に応動させ、その応動に
よって引外しレバー29がトリップ金具27に対する係
止を解除し、その解除によってトリップ金具27がばね
力により時計方向に回り、これによりトリップ金具27
とフック25との係合が解除され、該フック25が駆動
ばね26のばね力により反時計方向に動作し、さらにリ
ンク機構部40がトリップ動作して可動接点台16が時
計方向に回動することにより、可動接点15が固定接点
14から開離するようにしている。 【0013】また、回路を流れる地絡電流が所定の値に
達すると、それを零相変流器35が検出し、その検出信
号を図示しない漏電検出手段で増幅して電圧引外し装置
を駆動し、該電圧引外し装置が引外しレバー29の動作
棒を押し付けて該引外しレバー29が過電流検出時のと
きと同様に時計方向に応動し、リンク機構部40がトリ
ップ動作することにより、可動接点15を開離するよう
にしている。 【0014】このため、リレー軸32と引外しレバー2
9とトリップ金具27、フック25とで過電流引外し機
構を形成している。従って、この漏電遮断器は、固定接
点14,可動接点15からなる接点と、可動接点15を
固定接点14に対し開閉させるリンク機構部40と、こ
のリンク機構部40をトリップ動作させるための過電流
引外し機構と、バイメタル20とを備えて構成されてい
る。なお図1において、符号41は接点を開閉させるた
めのハンドルである。 【0015】さらに、実施例の漏電遮断器は、零相変流
器35を貫通する導体22の夫々が極間絶縁バリア42
によって互いに絶縁されている。ここで、極間絶縁バリ
ア42を詳細に述べる前に、まず導体22について述べ
ると、導体22は、図2に示すように、三相に対応し第
一〜第三の導体板221〜223からなっている。この
うち、第一の導体板221は折曲げ加工によって形成さ
れており、ヒータ21に接続される一端部221aと、
負荷端子23を構成する他端部221bと、U字形をな
す中間部分221cとを有する板体である。第二の導体
板222は前記第一の導体板221と対称形状をなして
いる。第三の導体板223は直線的にかつほぼ階段状に
折り曲げられており、一端部223aと他端部223b
との間の中間部分223cが水平方向をなしている。 【0016】そして、極間絶縁バリア42は絶縁性の合
成樹脂によって成形されたものであって、しかも図2乃
至図4に示すように、零相変流器35の内部に配置され
るものであって、矩形状の本体42aと、その本体42
aの両側に突設され、第一導体板221の中間部221
c,第二導体板222の中間部222cを夫々保持する
翼部42b,42cと、本体42aの上部に第三導体板
223の中間部分223cを保持する対向突起42d,
42dと、本体42aの底部に垂下する脚部42eとか
らなり、第一〜第三導体板221〜223を互いに絶縁
させるようにしている。この極間絶縁バリア42は零相
変流器35に挿入したとき、図3に示すように、脚部4
2eの先端が零相変流器35の内側下部に形成された爪
35aの凹陥部35bに嵌まり、かつ翼部42b,42
cが零相変流器35の内側に突設された支持突起35c
に適合することによって零相変流器35の内部に配置さ
れる。従って、第一〜第三導体板221〜223は、零
相変流器35の内部においては図3に示す如く極間絶縁
バリア42によりほぼπ字状に配設されている。 【0017】次に、零相変流器35に導体22及び極間
絶縁バリア42を組み込む場合について述べる。まず、
導体22のうち、図2に示すように第一導体板221及
び第二導体板222の夫々のU字形の中間部分221
c,223cの底部を近接して対向させ、この近接して
対向した状態で第一導体板221,第二導体板222を
零相変流器35に貫通させておく。次いで、第三導体板
223の中間部分223cを極間絶縁バリア42の対向
突起42d,42d間に入れて保持し、これを零相変流
器35における第一導体板221と第二導体板222と
の間に挿入し、図3に示すように、極間絶縁バリア42
の脚部42eを零相変流器35の凹陥部35bに嵌め込
むと共に、対向突起42dを零相変流器35の支持突起
35cに適合させる。これにより、第一導体板221の
中央部分221cが極間絶縁バリア本体42aの一方の
端部に翼部42bによって支持され、かつ第二導体板2
22の中央部分222cが本体42aの他方の側部に翼
部42cによって夫々支持され、第三導体板223の中
央部分223cが対向突起42dによって支持されるの
で、極間絶縁バリア42が第一〜第三導体板221〜2
23の夫々を互いに絶縁状態で保持させることができ
る。即ち、極間絶縁バリア42に対し第一〜第三導体板
が図3に示す如くほぼπ字状の形態に配置されることに
より、第一導体板221の中央部分221cと第二導体
板222の中央部分222c間、及び第一導体板中央部
分221cと第三導体板223間、並びに第二導体板中
央部分222cと第三導体板223間をそれぞれ同時に
絶縁することができる。 【0018】このように、極間絶縁バリア42を零相変
流器35の内側に配置させ、その極間絶縁バリア42に
より、零相変流器35を貫通する夫々の導体板221〜
223を互いに絶縁できるので、従来技術に比較する
と、夫々の導体板221〜223をいちいち被覆するこ
とが不要になる。このため、導体板が太くなるのを防止
でき、そのままの導体板を零相変流器35に貫通するの
で、零相変流器35に対する貫通作業を容易に行える。
しかも、極間絶縁バリア42が第一〜第三導体板221
〜223の位置を夫々相対的に確定させるので、零相変
流器35自体の性能が安定する。また、上述の如く、導
体板221〜223が絶縁部品を装着することがないば
かりか、それらが適宜に折り曲げ加工されることによっ
て全体的に小型に形成することが可能となり、このた
め、漏電遮断器内の限られたスペースに容易に配置する
ことができる。 【0019】図5は本発明の漏電遮断器の他の例を示し
ている。この場合は、零相変流器35を貫通する第一〜
第三導体板221〜223が極間絶縁バリア42によっ
て互いに絶縁状態に保持されている。極間絶縁バリア4
2の構成は前記第一の実施例と同様なので、ここではそ
の説明を省略する。この実施例において前記実施例と異
なるのは、零相変流器35の漏電検出手段が絶縁ケース
36に収納され、かつ該絶縁ケース36が零相変流器3
5に組み込まれた点にある。 【0020】即ち、この絶縁ケース36は、絶縁性の合
成樹脂によりほぼコ字形形状に成形されており、中央部
の本体36aが零相変流器35と接続される漏電検出手
段を収納し得る形状をなすと共に、その本体36aに零
相変流器35自体の上部を収納し得る空間部36bを有
し、また両側の脚部36c,36dが零相変流器35を
貫通した第一導体板221の中央部分221c,第二導
体板222の中央部分222cに夫々挿入されるように
なっている。そして、絶縁ケース36の一方の脚部36
cを、零相変流器35の外部に出ている第一導体板22
1の中央部分221cに挿入すると共に、他方の脚部3
6dを零相変流器35の外部に出ている第二導体板22
2の中央部分222cに挿入し、さらに本体36aの空
間部36bに零相変流器35の上部を収納する如く本体
36aを零相変流器35に被せると、絶縁ケース36が
零相変流器35を取り囲むようにしている。 【0021】この実施例によれば、絶縁ケース36が漏
電検出手段を収容し、またこれを組み付けたとき、絶縁
ケース36が零相変流器35を取り囲むようにしたの
で、回路に大電流が流れたときの溶着部が零相変流器3
5や漏電検出手段に付着することを防止でき、従って、
零相変流器35や漏電検出手段を保護することができ
る。なお本例では、漏電検出手段が絶縁ケース36の本
体36a内に収納された例を示したが、本体36aの外
側部であっても良く、何れにしろ絶縁ケース36によっ
て周囲に対し絶縁されるように配置されても良い。 【0022】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、絶
縁バリアが第一〜第三導体板の位置を夫々相対的に確定
させるように構成したので、零相変流器自体の性能が安
定する効果がある。また、絶縁バリアを零相変流器の内
側に配置させ、その絶縁バリアにより、零相変流器を貫
通する夫々の導体を互いに絶縁できるように構成したの
で、従来技術のように夫々の導体のいちいち被覆するこ
とが不要になり、そのままの導体板を零相変流器に貫通
するので、零相変流器に対する貫通作業を容易に行え、
しかも導体を小型に形成できることによって漏電遮断器
内の限られたスペースに容易に配置することができる結
果、零相変流器に対する作業性を高め得ると共に遮断器
全体の小型化を図り得る効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の漏電遮断器の第一の実施例を示す全体
断面図である。 【図2】夫々の導体板と絶縁バリアと零相変流器との関
係を示す分解斜視図である。 【図3】零相変流器に導体板と絶縁バリアとを組み込ん
だ状態を示す正面図である。 【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。 【図5】本発明の漏電遮断器の他の実施例を示す説明図
である。 【図6】従来の漏電遮断器の一構成例を示す一部破断の
正面図である。 【図7】同じく一部破断の側面図である。 【符号の説明】 11…ケース、12…カバー、14…固定接点、15…
可動接点、22…導体、221…第一導体板、222…
第二導体板、223…第三導体板、25…フック、27
…トリップ金具、29…引外しレバー、30…動作棒、
32…各極共通のリレー軸、35…零相変流器、36…
絶縁ケース、40…リンク機構部、42…極間絶縁バリ
ア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−129630(JP,A) 実開 昭63−184543(JP,U) 実開 昭62−95403(JP,U) 実公 昭62−2754(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 71/00 - 83/22

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 それぞれ接点に電気的に接続され、零
    変流器を貫通して負荷端子に連なる第一の導体と第二の
    導体と第三の導体とを有する漏電遮断器において、 前記第一の導体,前記第二の導体及び第三の導体板状
    とし、 前記第一の導体及び前記第二の導体はコ字形形状部を有
    し、前記 第三の導体は略階段状に折り曲げた部分を有し、 前記第一の導体及び前記第二の導体を前記零相変流器
    挿通させ、それぞれコ字形形状部内に前記零相変流器を
    配置し、 前記第三の導体を絶縁バリアに保持し該保持した状態で前記絶縁バリアを 前記零相変流器に配
    した前記第一の導体と前記第二の導体との間に挿入
    、 前記絶縁バリア、前記第一の導体前記第二の導体
    前記第三の導体をそれぞれほぼπ字状に配置すること
    を特徴とする漏電遮断器。
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