JP3417598B2 - 内視鏡用処置具の製造方法 - Google Patents
内視鏡用処置具の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、生検鉗子などのよう
な内視鏡用処置具の製造方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】図２は従来の内視鏡用生検鉗子の先端部
分を示しており、先端カップ５１とそれを開閉するため
のリンク機構５２が取り付けられた先端本体５３から、
開閉操作ワイヤ５４が後方に引き出されている。 【０００３】そして、操作ワイヤ５４を進退自在に挿通
したコイルパイプ５５の先端が、先端本体５３の後端筒
状部５３ａ内に差し込まれて、両者がはんだ付け又は銀
ロー付けによって固着されていた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかし、コイルパイプ
５５の先端には、使用時に、隣り合う巻き線間にずれを
生じさせようとする複雑な力が加わる。 【０００５】そのため、コイルパイプ５５の先端と先端
本体５３とをはんだ付けによって固着すると、はんだ自
体の機械的強度が小さいため、くり返しの使用によっ
て、コイルの隣り合う巻き線の間ではんだに亀裂が生じ
て、先端本体５３がコイルパイプ５５から外れてしまう
事故が発生するおそれがある。 【０００６】また、コイルパイプ５５の先端と先端本体
５３とを銀ロー付けによって固着すると、銀ローを溶か
すためのバーナーの熱によって操作ワイヤが焼きなまさ
れて強度が低下し、使用中のワイヤ切断事故発生の原因
になる場合がある。 【０００７】そこで本発明は、先端本体とコイルパイプ
とが強固に確実に固着されて、しかも操作ワイヤが固着
作業時の熱によって劣化しない耐久性の優れた内視鏡用
処置具の製造方法を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡用処置具の製造方法は、先端開閉部
を開閉する開閉機構が取り付けられて開閉操作ワイヤが
後方に引き出された金属製の先端本体の後端部を筒状に
形成し、上記操作ワイヤを進退自在に挿通するように金
属線を巻いて形成されたコイルパイプの先端部分を、隣
り合う巻き線どうしが互いに動かないようにロー付け用
の金属ローで予め単独で固めた後、上記コイルパイプの
先端を上記先端本体の後端筒状部内に差し込んで両者を
はんだ付けによって固着させることを特徴とする。 【０００９】 【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図１は内
視鏡用生検鉗子の先端部分を示している。ただし本発明
は生検鉗子に限らず、把持鉗子、鋏その他種々の内視鏡
用処置具の製造方法に適用することができる。 【００１０】１は、組織片を採取するための一対の鉗子
カップであり、先端本体２の先端部分に、ピン３によっ
て回動自在にあい対向して取り付けられている。先端本
体２は、後端部２ａ側が後方に開口する筒状に形成さ
れ、それより先側の部分２ｂは、円柱状の素材を前側か
ら縦方向のスリット２ｃで左右に分割した形状に形成さ
れている。 【００１１】そして、鉗子カップ１，１を開閉動作させ
るためのリンク機構４が、スリット２ｃ内に可動に配置
されている。これら、鉗子カップ１，１、先端本体２及
びリンク機構４などは、いずれもステンレス鋼によって
形成されている。 【００１２】また、ステンレス鋼細線を撚って形成され
た操作ワイヤ６の先端が、リンク機構４の後端部に連結
されていて、先端本体２の中心を通って後方に引き出さ
れている。 【００１３】また、ステンレス鋼線を全長にわたって同
じ径で細長く密着巻きして形成されたコイルパイプ７内
に、操作ワイヤ６が進退自在に挿通されている。そし
て、コイルパイプ７の先端は先端本体２の後端筒状部２
ａに連結固着され、コイルパイプの基端は図示されてい
ない操作部に連結されている。 【００１４】このような構成により、操作部側から操作
ワイヤ６を進退操作することにより、リンク機構４が動
作して鉗子カップ１，１が開閉する。なお、図１には、
操作ワイヤ６を先側へ押して鉗子カップ１，１を開いた
状態が図示されている。 【００１５】このような内視鏡用生検鉗子を組み立てる
際には、操作ワイヤ６を連結したリンク機構４と先端カ
ップ１，１を先端本体２に組み付けておき、その先端本
体２の後端筒状部２ａに、コイルパイプ７を連結固着す
ることになる。 【００１６】ただし、本発明においては、その前にコイ
ルパイプ７単体の状態で、予めコイルパイプ７の先端部
分外周部に、銀ローをコーティング（プレコート８）し
ておおく。 【００１７】このプレコート８は、図１に示されるよう
に、コイルパイプ７の、先端本体２内に差し込まれる部
分から先端本体２外に露出する部分にわたって行ってお
く。その結果、この部分では、コイルパイプ７の隣り合
う巻き線どうしが、互いに移動することができないよう
に強固にロー付け固着される。 【００１８】次いで、コイルパイプ７内に操作ワイヤ６
を通して、コイルパイプ７の先端を先端本体２の後端筒
状部２ａ内にいっぱいに差し込み、そこでコイルパイプ
７の先端と先端本体２とをはんだ付けにより固定する。 【００１９】このはんだ付け９は、コイルパイプ７の銀
ローのプレコート８部分と先端本体２の後端筒状部２ａ
とを固着させるように行われ、はんだゴテの温度では、
操作ワイヤ６を劣化させるような熱は加わらない。 【００２０】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば銀ローに代えて、真ちゅうローなど
他の金属ローを用いてもよい。 【００２１】 【発明の効果】本発明の内視鏡用処置具の製造方法によ
れば、コイルパイプの先端部分を、隣り合う巻き線どう
しがお互いに動かないように金属ローで固めるので、そ
の部分のコイルの巻き線どうしが強固にロー付け固着さ
れ、そのように固められたコイルパイプ先端を、先端本
体の後端筒状部に差し込んではんだ付けによって固着す
るので、コイルパイプ内の操作ワイヤに高熱が加わら
ず、操作ワイヤが劣化することもない。したがって、非
常に耐久性のよい内視鏡用処置具を製造することができ
る。
な内視鏡用処置具の製造方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】図２は従来の内視鏡用生検鉗子の先端部
分を示しており、先端カップ５１とそれを開閉するため
のリンク機構５２が取り付けられた先端本体５３から、
開閉操作ワイヤ５４が後方に引き出されている。 【０００３】そして、操作ワイヤ５４を進退自在に挿通
したコイルパイプ５５の先端が、先端本体５３の後端筒
状部５３ａ内に差し込まれて、両者がはんだ付け又は銀
ロー付けによって固着されていた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかし、コイルパイプ
５５の先端には、使用時に、隣り合う巻き線間にずれを
生じさせようとする複雑な力が加わる。 【０００５】そのため、コイルパイプ５５の先端と先端
本体５３とをはんだ付けによって固着すると、はんだ自
体の機械的強度が小さいため、くり返しの使用によっ
て、コイルの隣り合う巻き線の間ではんだに亀裂が生じ
て、先端本体５３がコイルパイプ５５から外れてしまう
事故が発生するおそれがある。 【０００６】また、コイルパイプ５５の先端と先端本体
５３とを銀ロー付けによって固着すると、銀ローを溶か
すためのバーナーの熱によって操作ワイヤが焼きなまさ
れて強度が低下し、使用中のワイヤ切断事故発生の原因
になる場合がある。 【０００７】そこで本発明は、先端本体とコイルパイプ
とが強固に確実に固着されて、しかも操作ワイヤが固着
作業時の熱によって劣化しない耐久性の優れた内視鏡用
処置具の製造方法を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡用処置具の製造方法は、先端開閉部
を開閉する開閉機構が取り付けられて開閉操作ワイヤが
後方に引き出された金属製の先端本体の後端部を筒状に
形成し、上記操作ワイヤを進退自在に挿通するように金
属線を巻いて形成されたコイルパイプの先端部分を、隣
り合う巻き線どうしが互いに動かないようにロー付け用
の金属ローで予め単独で固めた後、上記コイルパイプの
先端を上記先端本体の後端筒状部内に差し込んで両者を
はんだ付けによって固着させることを特徴とする。 【０００９】 【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図１は内
視鏡用生検鉗子の先端部分を示している。ただし本発明
は生検鉗子に限らず、把持鉗子、鋏その他種々の内視鏡
用処置具の製造方法に適用することができる。 【００１０】１は、組織片を採取するための一対の鉗子
カップであり、先端本体２の先端部分に、ピン３によっ
て回動自在にあい対向して取り付けられている。先端本
体２は、後端部２ａ側が後方に開口する筒状に形成さ
れ、それより先側の部分２ｂは、円柱状の素材を前側か
ら縦方向のスリット２ｃで左右に分割した形状に形成さ
れている。 【００１１】そして、鉗子カップ１，１を開閉動作させ
るためのリンク機構４が、スリット２ｃ内に可動に配置
されている。これら、鉗子カップ１，１、先端本体２及
びリンク機構４などは、いずれもステンレス鋼によって
形成されている。 【００１２】また、ステンレス鋼細線を撚って形成され
た操作ワイヤ６の先端が、リンク機構４の後端部に連結
されていて、先端本体２の中心を通って後方に引き出さ
れている。 【００１３】また、ステンレス鋼線を全長にわたって同
じ径で細長く密着巻きして形成されたコイルパイプ７内
に、操作ワイヤ６が進退自在に挿通されている。そし
て、コイルパイプ７の先端は先端本体２の後端筒状部２
ａに連結固着され、コイルパイプの基端は図示されてい
ない操作部に連結されている。 【００１４】このような構成により、操作部側から操作
ワイヤ６を進退操作することにより、リンク機構４が動
作して鉗子カップ１，１が開閉する。なお、図１には、
操作ワイヤ６を先側へ押して鉗子カップ１，１を開いた
状態が図示されている。 【００１５】このような内視鏡用生検鉗子を組み立てる
際には、操作ワイヤ６を連結したリンク機構４と先端カ
ップ１，１を先端本体２に組み付けておき、その先端本
体２の後端筒状部２ａに、コイルパイプ７を連結固着す
ることになる。 【００１６】ただし、本発明においては、その前にコイ
ルパイプ７単体の状態で、予めコイルパイプ７の先端部
分外周部に、銀ローをコーティング（プレコート８）し
ておおく。 【００１７】このプレコート８は、図１に示されるよう
に、コイルパイプ７の、先端本体２内に差し込まれる部
分から先端本体２外に露出する部分にわたって行ってお
く。その結果、この部分では、コイルパイプ７の隣り合
う巻き線どうしが、互いに移動することができないよう
に強固にロー付け固着される。 【００１８】次いで、コイルパイプ７内に操作ワイヤ６
を通して、コイルパイプ７の先端を先端本体２の後端筒
状部２ａ内にいっぱいに差し込み、そこでコイルパイプ
７の先端と先端本体２とをはんだ付けにより固定する。 【００１９】このはんだ付け９は、コイルパイプ７の銀
ローのプレコート８部分と先端本体２の後端筒状部２ａ
とを固着させるように行われ、はんだゴテの温度では、
操作ワイヤ６を劣化させるような熱は加わらない。 【００２０】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば銀ローに代えて、真ちゅうローなど
他の金属ローを用いてもよい。 【００２１】 【発明の効果】本発明の内視鏡用処置具の製造方法によ
れば、コイルパイプの先端部分を、隣り合う巻き線どう
しがお互いに動かないように金属ローで固めるので、そ
の部分のコイルの巻き線どうしが強固にロー付け固着さ
れ、そのように固められたコイルパイプ先端を、先端本
体の後端筒状部に差し込んではんだ付けによって固着す
るので、コイルパイプ内の操作ワイヤに高熱が加わら
ず、操作ワイヤが劣化することもない。したがって、非
常に耐久性のよい内視鏡用処置具を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の内視鏡用生検鉗子の先端部分
の側面断面図である。 【図２】従来例の内視鏡用生検鉗子の先端部分の側面断
面図である。 【符号の説明】 １ 鉗子カップ ２ 先端本体 ２ａ 後端筒状部 ４ リンク機構 ６ 操作ワイヤ ７ コイルパイプ ８ 金属ローのプレコート ９ はんだ付け
の側面断面図である。 【図２】従来例の内視鏡用生検鉗子の先端部分の側面断
面図である。 【符号の説明】 １ 鉗子カップ ２ 先端本体 ２ａ 後端筒状部 ４ リンク機構 ６ 操作ワイヤ ７ コイルパイプ ８ 金属ローのプレコート ９ はんだ付け
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】先端開閉部を開閉する開閉機構が取り付け
られて開閉操作ワイヤが後方に引き出された金属製の先
端本体の後端部を筒状に形成し、 上記操作ワイヤを進退自在に挿通するように金属線を巻
いて形成されたコイルパイプの先端部分を、隣り合う巻
き線どうしが互いに動かないようにロー付け用の金属ロ
ーで予め単独で固めた後、 上記コイルパイプの先端を上記先端本体の後端筒状部内
に差し込んで両者をはんだ付けによって固着させること
を特徴とする内視鏡用処置具の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11547793A JP3417598B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 内視鏡用処置具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11547793A JP3417598B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 内視鏡用処置具の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06327682A JPH06327682A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3417598B2 true JP3417598B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=14663501
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11547793A Expired - Fee Related JP3417598B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | 内視鏡用処置具の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3417598B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3424433A1 (en) | 2017-07-06 | 2019-01-09 | Koninklijke Philips N.V. | Methods and systems for processing an ultrasound image |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP11547793A patent/JP3417598B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06327682A (ja) | 1994-11-29 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |