JP3791882B2 - 内視鏡用可撓管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用可撓管の製造方法、詳しくは、金属製弾性薄帯板よりなる螺旋管の外周に網管を被覆し、該網管の外周に外装チューブを被覆する内視鏡用可撓管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、一般に医療用や工業用に用いられる内視鏡の可撓管は、その一例を図1に示すようにして製造されている。即ち、内視鏡用可撓管1は、ステンレス鋼等からなる一本の芯金5の周面上に、金属製弾性薄帯板をスパイラル状に巻き付けて螺旋管2を形成し、同螺旋管2の外周上に網管3を被嵌し、更に同網管3上に外装チューブ4を被覆した後、最後に上記芯金5を引き抜いて所望の可撓管1を製造するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の製造方法においては、上記芯金5がステンレス綱製であったため、螺旋管2と網管3を半田付けによって固着する際、しみ出した半田によって螺旋管2と芯金5が接着してしまい、芯金5を引き抜くことができなくなり、これを無理に引き抜こうとすると、螺旋管2と網管を破損させてしまうことがあった。また、芯金5に螺旋管2を密着させて巻き付け、その上に網管3を被嵌しているため、一旦芯金5を引き抜いてしまうと網管3によって締め付けられている螺旋管2の内径が若干縮小されて再び芯金5を挿入しようとしても挿入できなくなってしまうという不具合もあった。そのため、芯金5を引き抜いた方が組立て易いような場合でも芯金をそのままにして組立て作業を行うことから、組立てが大変難しく厄介な作業になってしまう等の問題点を有していた。
【0004】
従って、本発明の目的は、上述したような従来の内視鏡用可撓管の製造方法における問題点を除去し、組立て作業が極めて容易な内視鏡用可撓管の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属製弾性薄帯板よりなる螺旋管の外周に網状管を被覆し、該網状管の外周に外装チューブを被覆する内視鏡用可撓管の製造方法について、
螺旋管の内径と同一、若しくはこれより大きい径の金属製若しくは合成樹脂製の螺旋管巻付け用芯金の外周面に、金属製弾性薄帯板を同一ピッチで巻き付けて螺旋管を形成する工程と、
上記螺旋管の端部を上記螺旋管巻付け用芯金に仮止め部材で第1の仮止めを行う第1の仮止め工程と、
上記螺旋管の外周に網状管を被覆する網状管被覆工程と、
上記網状管の端部を固定し、この網状管をしごいて螺旋管に密着させた後、上記網状管と螺旋管の両端部をろう付け手段で第2の仮止めを行う第2の仮止め工程と、
上記網状管の端部の固定を開放し、上記第1の仮止めを外し、上記螺旋管巻付け用芯金を引き抜き、同螺旋管巻付け用芯金の外径より小さい外径を有した金属製若しくは合成樹脂製のろう付け用芯金に差し換える第1の芯金差換工程と、
この第1の芯金差換工程後、上記網状管の両端を引張し捩じった状態で第3の仮止めを行う第3の仮止め工程と、
上記網状管の両端の所定の位置に、5〜10mmの幅で網状管と螺旋管にろう付け手段で本固定を行う本固定工程と、
上記第3の仮止め工程で固定した部分を外し、ろう付け用芯金を抜き取る芯金引抜き工程と、
本固定した上記螺旋管と網状管の上記口金部材を取付ける側のろう付け部を所定の寸法に切断する工程と、
この抜き取ったろう付け用芯金をバイス等に固定すると共に、予め同芯金に可撓管の口金部材を挿通しておく工程と、
上記螺旋管と網状管を、その切断部から上記ろう付け用芯金に挿入し、上記口金部材と嵌合させ、同口金に固定する工程と、
網状管を外装した螺旋管から上記ろう付け用芯金を抜き取り、同ろう付け用芯金の外径より小さい外径を有し、金属製若しくは合成樹脂製のチューブ挿入用芯金を差し換える第2の芯金差換工程と、
チューブ挿入用芯金が上記口金部材側から挿入されている螺旋管と網状管に外装チューブの一端部を押し付け、外装チューブの他端部から空気を送気し、外装チューブを膨らませながら網状管の外周に被覆してゆき、一端部が上記口金部材の所定の位置に来るまで外装チューブを被せる外装チューブ被覆工程と、
を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法を図示の一実施形態に基づいて説明する。
【0007】
図2は、本発明の一実施形態を示す内視鏡用可撓管1の製造方法における螺旋管2の製作工程を示す側面図である。
【0008】
図2に示すように、螺旋管2は、金属製弾性薄帯板を螺旋管巻付け用芯金5に巻き付けて形成される(螺旋管を形成する工程)。上記芯金5は、黄銅等からなり、外径は螺旋管2の内径と同等か、もしくは若干大きいものであって、同芯金5の一端部に設けられた割溝6に上記金属製弾性薄帯板の一端を挾み込み、同一ピッチで同芯金5に巻き回されて螺旋管2が形成される。
【0009】
また、同芯金5に巻き回された螺旋管2の他端部は同芯金5上に仮止め部材、例えばテープ7(図3参照)等で、仮止め固定される(第1の仮止め工程)。
【0010】
次いで、このように芯金5に巻き付けられた螺旋管2の一端部より、図3に示すように、螺旋管2に網管3を上記テープ7によって固定された螺旋管2の他端部迄被せ、同網管3の他端部をバイス8等で固定する(網状管被覆工程)。
【0011】
しかる後、同網管3をしごいて螺旋管2に密着させた後、網管3の両端部に近いところで螺旋管2にそれぞれ半田等のろう付け手段で点付けし、半田点付部9で仮止めをする(第2の仮止め工程)。
【0012】
次に、上記網状管の端部の固定を開放し、上記第1の仮止めを外し、網管3が外装された螺旋管2から、上記螺旋管巻付け用芯金5を引き抜き、替りに半田付け用芯金10(図3参照)を挿入し、芯金5と10の差し替えを行なう(第1の芯金差換工程)。上記半田付け用芯金10は半田等のろうが接着しにくい離型性の高いアルミニウムやチタン等の金属製若しくは合成樹脂製のものからなり、その外径は上記螺旋管巻付け用芯金5の外径より僅かに小さいものである。
【0013】
このように芯金を入れ替えた後、図4に示すように、網管3の両端部を引張って捩り込み、同網管3がたるまないようにして(第3の仮止め工程)、その両端部を螺旋管2の両端部近傍で、5〜10mmの幅で半田等のろう付け手段で固定し、接着部11を形成する(本固定工程)。
【0014】
次いで、網管3の一端部を切り離し、その端から半田付け用芯金10を引き抜く(芯金引抜き工程)。そして、一端部の上記半田接着部11の中程を切断部12として直角に切断する(切断する工程)。
【0015】
しかるのち、上記引き抜かれた半田付け用芯金10を、図5に示すようにバイス8に固定し、その半田付け用芯金10の先端部に予じめ可撓管の口金部材13を通しておき、切断した上記網管3と螺旋管2の切断部12を、上記半田付け用芯金10に挿入し、同芯金10に予じめ通されていた上記口金部材13を上記切断部12に嵌合させ、同口金部材13を回転させながら半田付けをして固定させる(口金に固定する工程)。
【0016】
次に、上記半田付け用芯金10を、網管3を外装した螺旋管2から抜き取り、同芯金10に替えて、図6に示すように、チューブ挿入用芯金14が上記網管3を外装した螺旋管2に挿入する。即ち、チューブ挿入用芯金14をバイス8に固定し、これに網管3を外装した螺旋管2に口金部材13側からチューブ挿入用芯金14に挿入する(第2の芯金差換工程)。
【0017】
なお、上記チューブ挿入用芯金14はステンレス鋼材からなり、その外径は上記半田付け用芯金10の外径よりも更に小さいものとなっている。
【0018】
そして、図6に示すように、上記網管3を外装した螺旋管2の先端部(図6において左端部)から、外装チューブ4を被せ、その先端部15を押え込みながら、同外装チューブ4の後端部16から同外装チューブ4内に送気し、これを膨らませながら螺旋管2上に外装された網管3の外周に被覆していき、上記口金部材13の小径部17の外周面迄被覆する(外装チューブ被覆工程)。
【0019】
次いで、上記チューブ挿入用芯金14を引き抜くことにより、内視鏡用可撓管1は完成する。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、
(1)網管を螺旋管に半田付けする際、芯金には半田等のろうが接着しにくいアルミニウム材のろう付け用芯金を用いているため、半田等のろうが芯金にまでしみ出しても螺旋管と芯金が接着しにくく、ろう付け用芯金が抜けなくなるようなことはなく、従来のもののように芯金を抜くときに網管を外装した螺旋管を破損するような欠点は解消される。
【0021】
(2)各芯金の径は、螺旋管巻付け用芯金の径>ろう付け用芯金の径>チューブ挿入用芯金の径となっており、前工程に用いられる芯金より次の工程に用いられる芯金が細径となっているので、可撓管の製造工程中に芯金が挿入できなくなるという問題点は解消し、製造工程が円滑となり、組立てを容易にすることができる。
【0022】
等従来のこの種の内視鏡用可撓管の製造方法における問題点を見事に解消し、組立て作業が極めて容易な内視鏡用可撓管の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡用可撓管の構成の一例を示す要部断面図である。
【図2】内視鏡用可撓管の製造方法における螺旋管の製作工程を示す要部側面図である。
【図3】内視鏡用可撓管の製造方法における螺旋管に網管を外装する工程を示す概要側面図である。
【図4】内視鏡用可撓管の製造方法における螺旋管に網管を外装する工程を示す概要側面図である。
【図5】内視鏡用可撓管の製造方法における螺旋管に網管を外装する工程を示す概要側面図である。
【図6】内視鏡用可撓管の製造方法における外装チューブの被覆工程を示す概要側面図である。
【符号の説明】
1…内視鏡用可撓管
2…螺旋管
3…網管
4…外装チューブ
5…螺旋管巻付け用芯金
10…半田付け用芯金
14…チューブ挿入用芯金
Claims (1)
- 金属製弾性薄帯板よりなる螺旋管の外周に網状管を被覆し、該網状管の外周に外装チューブを被覆する内視鏡用可撓管の製造方法について、
螺旋管の内径と同一、若しくはこれより大きい径の金属製若しくは合成樹脂製の螺旋管巻付け用芯金の外周面に、金属製弾性薄帯板を同一ピッチで巻き付けて螺旋管を形成する工程と、
上記螺旋管の端部を上記螺旋管巻付け用芯金に仮止め部材で第1の仮止めを行う第1の仮止め工程と、
上記螺旋管の外周に網状管を被覆する網状管被覆工程と、
上記網状管の端部を固定し、この網状管をしごいて螺旋管に密着させた後、上記網状管と螺旋管の両端部をろう付け手段で第2の仮止めを行う第2の仮止め工程と、
上記網状管の端部の固定を開放し、上記第1の仮止めを外し、上記螺旋管巻付け用芯金を引き抜き、同螺旋管巻付け用芯金の外径より小さい外径を有した金属製若しくは合成樹脂製のろう付け用芯金に差し換える第1の芯金差換工程と、
この第1の芯金差換工程後、上記網状管の両端を引張し捩じった状態で第3の仮止めを行う第3の仮止め工程と、
上記網状管の両端の所定の位置に、5〜10mmの幅で網状管と螺旋管にろう付け手段で本固定を行う本固定工程と、
上記第3の仮止め工程で固定した部分を外し、ろう付け用芯金を抜き取る芯金引抜き工程と、
本固定した上記螺旋管と網状管の上記口金部材を取付ける側のろう付け部を所定の寸法に切断する工程と、
この抜き取ったろう付け用芯金をバイス等に固定すると共に、予め同芯金に可撓管の口金部材を挿通しておく工程と、
上記螺旋管と網状管を、その切断部から上記ろう付け用芯金に挿入し、上記口金部材と嵌合させ、同口金に固定する工程と、
網状管を外装した螺旋管から上記ろう付け用芯金を抜き取り、同ろう付け用芯金の外径より小さい外径を有し、金属製若しくは合成樹脂製のチューブ挿入用芯金を差し換える第2の芯金差換工程と、
チューブ挿入用芯金が上記口金部材側から挿入されている螺旋管と網状管に外装チューブの一端部を押し付け、外装チューブの他端部から空気を送気し、外装チューブを膨らませながら網状管の外周に被覆してゆき、一端部が上記口金部材の所定の位置に来るまで外装チューブを被せる外装チューブ被覆工程と、
を有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
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JP24786199A JP3791882B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 内視鏡用可撓管の製造方法 |
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1999
- 1999-09-01 JP JP24786199A patent/JP3791882B2/ja not_active Expired - Fee Related
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