JP3417533B2 - コネクタ接続構造 - Google Patents

コネクタ接続構造

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JP3417533B2 JP20596597A JP20596597A JP3417533B2 JP 3417533 B2 JP3417533 B2 JP 3417533B2 JP 20596597 A JP20596597 A JP 20596597A JP 20596597 A JP20596597 A JP 20596597A JP 3417533 B2 JP3417533 B2 JP 3417533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばドアトリム
側の雄コネクタをドアインナパネル側の雌コネクタに嵌
合しつつドアトリム側から解放させるコネクタ接続構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来のコネクタ接続構造の一
例(実開平5−19014号)を示すものである。この
構造は、自動車のドアインナパネル86とドアトリム8
7とにそれぞれワイヤハーネス88,89を配索し、ド
アトリム87をドアインナパネル86に組み付けると同
時に、各ワイヤハーネス88,89のコネクタ90,9
1を相互に接続させるものである。
【0003】各コネクタ90,91はブラケット92,
93を介してドアインナパネル86やドアトリム87に
ボルト等で固定されている。両コネクタ90,91の接
続により、例えばドアトリム87側のスイッチユニット
(図示せず)とドアインナパネル86側の各補機(図示
せず)とが接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造にあっては、ドアの閉止等でドアトリム87の
取っ手を引いた際に、ドアトリム87がコネクタ91と
共に車室側に引っ張られて、コネクタ90,91の嵌合
が不完全(半嵌合)になりやすいという問題があった。
また、ドアトリム87をドアインナパネル86に組み付
ける際に、コネクタ90,91の嵌合状態を目視確認で
きないために、コネクタ91が不完全嵌合になっても分
からないという問題や、コネクタ同士の位置合わせを行
いにくく、嵌合の正確さに欠けるという問題があった。
【0005】なお、コネクタの半嵌合を防止するため
に、図示しないボルトとナットの螺合で両コネクタを強
制的に嵌合させることもできるが、その場合には例えば
ドアトリム87にボルト孔をあけなければならず、見栄
えが悪くなるという問題を生じる。
【0006】本発明は、上記した点に鑑み、例えばドア
トリムがコネクタと共に離脱方向に引っ張られた場合で
も、コネクタの嵌合が不完全にならず、また、万一、コ
ネクタの嵌合が不完全な場合でもその異常を確実に検知
でき、また、コネクタ同士の嵌合を確実に行うことので
きるコネクタ接続構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一方の組付体に雌コネクタが設けられ、
他方の組付体にコネクタフレームが設けられ、該コネク
タフレームにばね片と雄コネクタ停止部とが設けられ、
該ばね片に対する係止部が雄コネクタに設けられ、前記
雌コネクタが、該ばね片に押接する係止解除部と、前記
係止部に対する収容切欠部とを有し、前記ばね片が前記
コネクタフレームの壁部から前記雌コネクタの進入方向
に突出され、前記係止解除部が前記雌コネクタのハウジ
ング壁であり、該ハウジング壁で該ばね片の長手方向中
間部が該ばね片の付勢反対方向に押圧されて、該ばね片
と前記係止部との係合が解除されるコネクタ接続構造を
採用する(請求項1)。前記コネクタフレームと雌コネ
クタとの各前部開口側に傾斜ガイド面が形成された構造
も有効である(請求項2)。前記雄コネクタと雌コネク
タとにロック手段が設けられた構造も可能である(請求
項3)。また、請求項1又は2記載の構造において、前
記雄コネクタと雌コネクタとの完全嵌合状態で同一軸線
上に位置する検知孔が該雄コネクタと雌コネクタとに設
けられ、各検知孔に進入可能な検知棒が前記他方の組付
体側の補機に設けられた構造も有効である(請求項
)。また、組付体に補機を組付可能であり、該組付体
のブラケットに雄コネクタが配置され、該雄コネクタに
該補機の雌コネクタが接続されるコネクタ接続構造にお
いて、該ブラケットの開口縁に、係止部を有する保持ア
ームが設けられ、該係止部に対する係合部が雄コネクタ
に設けられ、前記雌コネクタが、該保持アームに押接す
る係止解除部を有し、該雌コネクタが該雄コネクタに完
全嵌合した時点で、前記補機が前記組付体に不完全組付
で、コネクタ嵌合方向にストローク可能であり、前記保
持アームが前記ブラケットから前記雌コネクタの進入方
向に突出され、前記係止解除部が前記雌コネクタのハウ
ジング壁であり、該ハウジング壁で該保持アームの長手
方向中間部が該保持アームの付勢反対方向に押圧され
て、該保持アームと前記係合部との係合が解除される
ネクタ接続構造を採用する(請求項)。前記開口縁に
おいて前記雄コネクタに接するばね片が前記保持アーム
の90°方向に設けられた構造も可能である(請求項
6)。
【0008】以下に上記構成に基づく主な作用を説明す
る。請求項1の構成においては、両組付体を相互に接合
することで、雄コネクタが雌コネクタに嵌合する。ばね
片は雌コネクタの係止解除部で外側に押圧されて撓み、
係止が解除され、雄コネクタがコネクタフレームから解
放される。また、請求項の構成においては、両組付体
を相互に接合した後、補機を組み付けることで、検知棒
が雌コネクタの検知孔から雄コネクタの検知孔に貫通す
る。検知棒により両コネクタがロックされる。また、請
求項の構成においては、雄コネクタが保持アームで係
止された状態で雌コネクタに完全嵌合される。その後、
雌コネクタの係止解除部が保持アームを外側に押し広
げ、雌コネクタが雄コネクタと一体にコネクタ嵌合方向
に移動し、補機の組付が完了する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。図1,図2は、本発明に係る
コネクタ接続構造の第一実施例を示すものである。図1
において、ドアインナパネル(一方の組付体)1に待ち
受け用の雌コネクタ2が固定され、ドアトリム(他方の
組付体)3にコネクタフレーム4が固定され、コネクタ
フレーム4に雄コネクタ5が雌コネクタ2方向に移動可
能に設けられている。
【0010】本例で雌コネクタ2は、補機の一つである
パワーウィンドモータユニット6に直付けされている。
モータユニット(補機)6はドアインナパネル1内に埋
め込まれ、雌コネクタ2がドアインナパネル1からドア
トリム3側に突出している。ドアインナパネル1には他
にスピーカ7やドアロックユニット8といった補機が設
けられ、各補機7,8はそれぞれ待ち受けコネクタ9,
10に続いている。
【0011】ドアトリム3側の雄コネクタ5からは複数
本の電線11が導出され、ドアトリム側のワイヤハーネ
ス12の分岐線13を構成している。ワイヤハーネス1
2の本線14はドアトリム表側のスイッチユニット15
に接続され、本線14の一端は外部接続部16に続き、
他の分岐線はカーテシランプ17や、前記待ち受けコネ
クタ9,10に対する雄側接続部18,19に続いてい
る。雄側接続部18,19は可撓板20の表面に端末導
体を露出させたものである。この雄側接続部18,19
を前記同様なコネクタフレーム4と可動な雄コネクタ5
とで構成することも勿論可能である。
【0012】図2において、コネクタフレーム4は合成
樹脂で略矩形筒状に形成され、後端部の外側に、ドアト
リム3に対する取付部22を有している。取付部22
は、例えばドアトリム3と一体の樹脂クリップ(図示せ
ず)を係合孔23に係合させてドアトリム3に固定され
る。コネクタフレーム4の後端には、雄コネクタ5に対
する当接用の停止壁(雄コネクタ停止部)24が左右に
設けられている。停止壁24の中央には電線導出用のス
リット孔25が形成されている。
【0013】また、コネクタフレーム4の上壁26の中
央には電線挿通用のスリット孔27が前後方向に切欠形
成されている。コネクタフレーム4の両側壁28の内側
面には前から後に向けてコネクタ仮保持用の板ばね状の
一対のばね片29,29が突出形成されている。ばね片
29はコネクタフレーム4の前部開口30寄りから立ち
上がって湾曲して後方へ延び、後端(自由端)に、雄コ
ネクタ5に対する係止面29aを有している。前部開口
30には、相手側雌コネクタ2に対するテーパ状の傾斜
ガイド面31が形成されている。なお、コネクタフレー
ム28の下壁にも同様のばね片(図示せず)を設け、そ
れにより雄コネクタ5を安定に支持させてもよい。
【0014】雄コネクタ5は合成樹脂製の雄コネクタハ
ウジング32と、ハウジング32内の雌端子(図示せ
ず)とで構成される。雌端子は電線11に接続されてい
る。雄コネクタハウジング32の両側壁33の高さ方向
中央に、前記ばね片29に対する係止突起(係止部)3
4が形成されている。なお、係止部は凹部(図示せず)
であってもよい。係止突起34は、前端に、ばね片29
の係止面29aに対する垂直な当接面34aを有し、後
側に、ばね片29の湾曲表面29bに接するテーパ状の
摺接面34bを有する。ばね片29は係止突起34の高
さ以上の撓み量を有する。
【0015】雄コネクタハウジング32の上壁35に
は、雌コネクタ2に対する縦断面略二等辺三角形状のロ
ック突起(ロック手段)36が形成されている。ロック
突起36は前側にテーパ状のガイド傾斜面36aを有し
ている。ロック突起36はコネクタフレーム4の上側の
スリット孔27に対向して位置する。
【0016】雌コネクタ2は合成樹脂製の雌コネクタハ
ウジング38と、ハウジング38のコネクタ嵌合室39
内に突出した雄端子40とで構成される。雌コネクタハ
ウジング38の両側壁41は、前記ばね片29に対する
係止解除壁として作用する。本例では両側壁41の前端
部41aが係止解除部となる。両側壁41の高さ方向中
央に、雄コネクタ5の各係止突起34を収容可能な一対
の切欠部(収容切欠部)42が形成されている。切欠部
42の底面42aは係止突起34の当接面34aに対向
する。底部42aの板厚は係止突起34の高さと同一な
いしはやや厚く設定されている。
【0017】底部42aの内側から雌コネクタハウジン
グ38の前端にかけて、前部開口46の内側に、雄コネ
クタ5に対するテーパ状の傾斜ガイド面43が形成され
ている。なお、切欠部42の幅をばね片29の幅より若
干大きくして、切欠部42内にばね片29を進入可能と
し、底部42aの外側角部42bを係止解除部としても
よい。雌コネクタハウジング38の上壁44には、前記
ロック突起36に対する矩形状の係合孔(ロック手段)
45が形成されている。
【0018】図3(a)(b)は上記コネクタ接続構造の作用
(コネクタ接続方法)を示すものである。先ず、図3
(a) の如くドアトリム3側のコネクタフレーム4に雄コ
ネクタ5を仮保持させる。すなわち、図2の矢印イの如
く雄コネクタ5を前部開口30からコネクタフレーム4
内に挿入することで、係止突起34がばね片29を乗り
越え、ばね片29の先端29aが係止突起34の当接面
34aに当接する。雄コネクタ5は各ばね片29で可動
に支持され、コネクタフレーム4の内側に収容される。
【0019】この状態でドアトリム3をドアインナパネ
ル1(図1)に組み付ける。ドアインナパネル側の雌コ
ネクタ2は傾斜ガイド面31に案内されて、コネクタフ
レーム4の内側に挿入される。それと同時に、雄コネク
タ5の前端が傾斜ガイド面43で調芯されつつ、図3
(b) の如く雌コネクタ2内に挿入される。
【0020】それにより、雄コネクタ5と雌コネクタ2
とが嵌合し、ロック突起36(図2)が係合孔45に係
合する。その後、切欠部42がばね片29を押し拡げる
ことで、係止突起34がばね片29からやや離間し、コ
ネクタ後端が停止壁24に当接する。ばね片29は雌コ
ネクタハウジング38の両側壁(係止解除壁又はハウジ
ング壁)41によって外側に押されて撓み、係止突起3
4から離間する。切欠部42の底面42aは係止突起3
4の当接面34aに隙間なく当接する。
【0021】ばね片29が係止突起34から離脱するこ
とで、雄コネクタ5がコネクタフレーム4から解放され
る。また、係止突起34は解除壁41よりも外側に出っ
張ることはない。これにより、ドア閉時にドアトリム3
が車室側に引っ張られて撓み、ドアインナパネル1とド
アトリム3との間に隙間が生じた場合でも、コネクタフ
レーム4のみがドアトリム3と一体に移動し、ばね片2
9の先端29aが解除壁41の外面及び係止突起34の
外面に沿って引っ掛かりなくスムーズに通過するから、
雄コネクタ5に離脱方向の力が作用せず、雄コネクタ5
の半嵌合や外れが防止される。これは、雄コネクタ5が
コネクタフレーム4と別体化し、雌コネクタ2と一体化
して、補機(ユニット)6(図1)と同軌することによ
る。なお、上記構造はドアインナパネルやドアトリム以
外の部位においても適用可能である。
【0022】図4〜図6は、本発明に係るコネクタ接続
構造の第二実施例を示すものである。この構造は、第一
実施例の構造とほぼ同じ構造に加えて、コネクタの嵌合
状態を検知可能としたことを特徴とするものである。前
例と同一部分には同一符号を用いて詳細な説明を省略す
る。
【0023】図4において前例との相違点は雄コネクタ
5′の上壁35に設けた検知孔47のみであり、ロック
突起36(図2)は設けていない。この検知孔47はロ
ック孔をも兼ねている。コネクタ嵌合時において検知孔
47は相手雌コネクタハウジング2の検知孔45′の真
下に整合して位置する。検知孔47は本例で矩形状に形
成され、雄コネクタハウジング32′を上下に貫通して
いてもよい。
【0024】図5の如くドアトリム3の膨出部48に組
み付けられるスイッチユニット15′(補機)に、雌コ
ネクタ2の検知孔45′と雄コネクタ5′の検知孔47
とを貫通する嵌合検知棒49が設けられている。前例同
様に雌コネクタ2はドアインナパネル1側の補機6に一
体に設けられ、雄コネクタ5′はドアトリム3側のコネ
クタフレーム4に仮保持され、コネクタ嵌合と同時に係
止突起34とばね片29(図4)との係合が解除され
て、コネクタフレーム4から解放される。このコネクタ
完全嵌合状態でスイッチユニット15′の検知棒49が
検知孔45′から検知孔47に挿入される。それに伴っ
て膨出部48へのスイッチユニット15′の組付が可能
となる。検知孔47が矩形状であるから、円柱状の検知
棒49は突き当たりなくスムーズに検知孔47に挿入さ
れる。
【0025】万一、コネクタ2,5′が半嵌合である場
合には、検知棒49の先端が係合孔45には進入する
が、雄コネクタハウジング32′の上壁35に突き当た
って、検知孔47に入らず、スイッチユニット15′の
組付が行われない。
【0026】検知棒49が検知孔45′と検知孔47と
に貫通係合することにより、雄コネクタ5′が雌コネク
タ2にロックされ、雄コネクタ5′の抜け出しが阻止さ
れる。万一、ドアトリム3が車室側に引っ張られた場合
でも、検知棒49が雌コネクタ2と雄コネクタ5′とを
結合(ロック)しているから、雄コネクタ5′が離脱す
ることがない。勿論、雄コネクタ5′はコネクタフレー
ム4からはフリーとなっている。また、検知棒49が両
コネクタ2,5′を介してドアインナパネル1とドアト
リム3とを結合していることになり、ドアトリム3の撓
みも防止される。
【0027】図6(a)(b)の如く、検知棒49はスイッチ
ユニット15′の上部の化粧パネル50から垂下されて
いてもよい。あるいは図5の如くスイッチユニット1
5′の裏カバー51に設けられていてもよい。裏カバー
51には雌コネクタ52が設けられ、雌コネクタ52に
雄コネクタ5′からのハーネス11′をコネクタ接続さ
せることも可能である。
【0028】上記第二実施例によれば、検知棒49によ
りコネクタ2,5′の完全嵌合が確認され、同時にコネ
クタ5′の離脱が防止される。また、スイッチユニット
15′の組付により検知棒49でコネクタ5′をロック
できるから、従来のねじ締めコネクタのようにドアトリ
ムにボルト孔を開ける必要がなく、車両の見栄えが向上
する。
【0029】図7〜図11は本発明に係るコネクタ接続
構造の第三実施例を示すものである。この構造は、図7
〜図8の如くスイッチユニット(補機)55をドアトリ
ム(組付体)56の膨出部57に組み付ける際に、スイ
ッチユニット55側の雌コネクタ58とドアトリム56
内のワイヤハーネス側の雄コネクタ59とを自動的に接
続可能としたものである。本構造は本出願人が先に提案
した特願平7−304390号を応用したものである。
【0030】スイッチユニット55は膨出部57の上壁
60の開口61から膨出部57内に挿入される。雌コネ
クタ58はスイッチユニット55の底壁62(図9)に
突設されている。ドアトリム56の内側には、L字状に
屈曲したブラケット63が設けられ、ブラケット63の
底壁64にコネクタ挿通用の開口65が設けられ、開口
縁から斜め下向きにコネクタ保持用の弾性保持アーム6
6やばね片67(図9)が設けられている。雄コネクタ
59は弾性保持アーム66やばね片67で開口65内に
仮保持されている。
【0031】ブラケット63の底壁64には、雄コネク
タ59に対するL字状の停止板68が垂下形成されてい
る。停止板68は必須なものではない。ブラケット63
は金属ないしは合成樹脂で形成され、保持アーム66や
ばね片67や停止板68はブラケット63に一体に形成
されている。雄コネクタハウジング69にはロック突起
70(図7)が設けられ、雌コネクタハウジング71に
は、ロック突起70に対する係合孔72が設けられてい
る。
【0032】図9,図10の如く、ブラケット63の開
口縁において一対の弾性保持アーム66,66は左右に
対向して設けられ、一対のばね片67,67は前後に対
向して設けられている。各保持アーム66及びばね片6
7は内向きに湾曲している。また、左右対角位置に一対
の前記停止板68が設けられている。
【0033】保持アーム67は先端部内側に係止突起7
3を有している。雄コネクタハウジング69の下半部の
側壁74には、係止突起73に対する係合穴75が形成
されている。雄コネクタ59は係止突起73により抜け
落ちが阻止されている。ばね片67は雄コネクタハウジ
ング69の側壁76に接するのみで、係止はしない。雄
コネクタ59はばね片67と保持アーム66とにより開
口65内で前後左右可動に支持され、ガタが矯正され、
且つ雌コネクタ58に対する調芯作用がなされる。
【0034】ブラケット63の底壁64には、ハーネス
挿通用のスリット孔77(図10)が切欠形成されてい
る。雄コネクタ59から導出されたハーネス(複数の電
線)78はスリット孔77から開口65内に挿通され、
次いで雄コネクタ59が上方から開口65内に挿着され
る。雄コネクタ59内で電線78は雌端子(図示せず)
に接続され、雌端子は雌コネクタ58側の雄端子79に
接続される。雌コネクタハウジング71の前端部内側に
はテーパ状の傾斜ガイド面80が形成され、雄コネクタ
ハウジング69の拾いを容易化している。雄コネクタハ
ウジング69の両側壁(ハウジング壁)82は、保持ア
ーム66に対する係止解除壁として作用する。
【0035】図11(a) 〜(c) は上記コネクタ接続構造
の作用(コネクタ接続方法)を示すものである。先ず、
図11(a) の如く雄コネクタ59をブラケット63に保
持アーム66の係止突起73で仮保持させる。68は停
止板である。次いでスイッチユニット55(図7)をド
アトリム56に組み付けるに際して、雌コネクタ58が
雄コネクタ59に向けて図11(b) の如く完全嵌合す
る。ロック突起70はその傾斜面70aによって係合孔
72に容易に係合する。雌コネクタハウジング71の前
端は保持アーム66の直近に位置する。
【0036】但し、コネクタ58,59の完全嵌合時に
スイッチユニット55は未だ完全には組み付けられてお
らず、未だ下向きにストローク可能である。そのように
スイッチユニット55のフランジ(化粧板)81の位置
等が設定されている。従って、図11(b) において雌コ
ネクタ58は雄コネクタ59と一体にさらに下方に移動
する。
【0037】これに伴って保持アーム66が雌コネクタ
ハウジング71の前端(係止解除部)82aで押されて
図11(c) の如く外側に開き、係止突起73が係合穴7
5から離脱して、係止が解除され、雄コネクタ59がブ
ラケット63から解放されて、両コネクタ58,59が
一体的に下向きに移動する。次いで化粧板81がドアト
リム56(図7)の膨出部57の上壁60に当接し、例
えば図示しない係止クリップ等が上壁60の孔に係合し
て、スイッチユニット55がドアトリム56に固定され
る(スイッチユニットの組付が完了する)。雄コネクタ
59の下端は停止板68に当接し、雄コネクタ59が二
重に係止される。
【0038】本実施例によれば、コネクタ58,59が
完全嵌合した後、スイッチユニット55がさらにストロ
ークして組付が完了するから、スイッチユニット55の
押し込み不足によるコネクタ58,59の嵌合不良が起
こらないと共に、コネクタ58,59の完全嵌合が作業
者の手感等で確認され、コネクタ半嵌合が確実に防止さ
れる。
【0039】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、コネクタ嵌合時にばね片と係止部との係止が解除さ
れ、雄コネクタがコネクタフレームから解放されるか
ら、ドアトリム等の他方の組付体に引張力が作用して
も、雄コネクタに離脱方向の力が作用せず、それにより
コネクタの抜け出し(半嵌合)が防止される。また、
コネクタが雄コネクタ停止部に当接することで、両コネ
クタの嵌合が確実化する。また、コネクタ嵌合時に係止
部(係止突起)が収容切欠部内に収まり、外側に突出し
ないから、他方の組付体に引張力が作用してコネクタフ
レームが離脱方向に移動する際に、ばね片が係止部に引
っ掛からず、スムーズな移動が可能となるまた、ハウ
ジング壁が係止解除部を兼ねることで、雌コネクタすな
わち接続構造のコンパクト化が図られる。また、請求項
記載の発明によれば、雌コネクタが一方の傾斜ガイド
面に沿ってコネクタフレーム内にスムーズに案内され、
雄コネクタが他方の傾斜ガイド面に沿って雌コネクタ内
にスムーズに挿入される。また、請求項記載の発明に
よれば、コネクタ嵌合と同時にコネクタがロックされ、
雄コネクタがコネクタフレームから完全に独立すること
で、請求項1の効果が高まる。また、請求項記載の発
明によれば、コネクタが半嵌合の場合に、検知棒が雄コ
ネクタの検知孔に入らず、補機の組付が行えないから、
嵌合異常が確実に検知される。また、コネクタ完全嵌合
後は、検知棒で両コネクタがロックされ、半嵌合が防止
される。また、請求項記載の発明によれば、両コネク
タが完全嵌合した後に保持アームの係止が解除され、雌
コネクタと一体で補機が組付方向に移動するから、補機
の組付が完了すれば、両コネクタは確実に嵌合している
こととなり、補機の組付でコネクタの完全嵌合が確認さ
れ、コネクタ半嵌合が防止される。また、ハウジング壁
が係止解除部を兼ねることで、雌コネクタすなわち接続
構造のコンパクト化が図られる。また、請求項記載の
発明によれば、雄コネクタが保持アームとばね片とで例
えば前後左右の四方向に可動に支持されるから、コネク
タ嵌合に際してコネクタの位置合わせが確実に行われ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコネクタ接続構造の第一実施例の
全体を示す分解斜視図である。
【図2】同じく要部を示す分解斜視図である。
【図3】(a)(b)は作用を示す横断面図である。
【図4】コネクタ接続構造の第二実施例を示す分解斜視
図である。
【図5】同じく組付状態を示す縦断面図である。
【図6】(a) はスイッチユニットを示す斜視図、(b) は
逆にした状態の斜視図である。
【図7】コネクタ接続構造の第三実施例を示す組付前の
縦断面図である。
【図8】同じく組付状態を示す縦断面図である。
【図9】同じくコネクタ接続構造の要部を示す分解斜視
図である。
【図10】ブラケットを示す斜視図である。
【図11】(a) 〜(c) は作用を示す縦断面図である。
【図12】一従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ドアインナパネル(組付体) 2,58 雌コネクタ 3,56 ドアトリム(組付体) 4 コネクタフレーム 5,5′,59 雄コネクタ 15′,55 スイッチユニット(補機) 24 停止壁(雄コネクタ停止部) 29,67 ばね片 31,43 傾斜ガイド面 34 係止突起(係止部) 36 ロック突起(ロック手段) 41,82 側壁(ハウジング壁) 41a 係止解除部 42 収容切欠部 45 係合孔(ロック手段) 47,45′ 検知孔 49 検知棒 63 ブラケット 66 保持アーム 73 係止突起(係止部) 75 係合穴(係合部) 82a 係止解除部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 13/64 B60R 16/02 620 B60R 16/02 621

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の組付体に雌コネクタが設けられ、
    他方の組付体にコネクタフレームが設けられ、該コネク
    タフレームにばね片と雄コネクタ停止部とが設けられ、
    該ばね片に対する係止部が雄コネクタに設けられ、前記
    雌コネクタが、該ばね片に押接する係止解除部と、前記
    係止部に対する収容切欠部とを有し、 前記ばね片が前記コネクタフレームの壁部から前記雌コ
    ネクタの進入方向に突出され、前記係止解除部が前記雌
    コネクタのハウジング壁であり、該ハウジング壁で該ば
    ね片の長手方向中間部が該ばね片の付勢反対方向に押圧
    されて、該ばね片と前記係止部との係合が解除される
    とを特徴とするコネクタ接続構造。
  2. 【請求項2】 前記コネクタフレームと雌コネクタとの
    各前部開口側に傾斜ガイド面が形成されたことを特徴と
    する請求項1記載のコネクタ接続構造。
  3. 【請求項3】 前記雄コネクタと雌コネクタとにロック
    手段が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載
    のコネクタ接続構造。
  4. 【請求項4】 前記雄コネクタと雌コネクタとの完全嵌
    合状態で同一軸線上に位置する検知孔が該雄コネクタと
    雌コネクタとに設けられ、各検知孔に進入可能な検知棒
    が前記他方の組付体側の補機に設けられたことを特徴と
    する請求項1又は2記載のコネクタ接続構造。
  5. 【請求項5】 組付体に補機を組付可能であり、該組付
    体のブラケットに雄コネクタが配置され、該雄コネクタ
    に該補機の雌コネクタが接続されるコネクタ接続構造に
    おいて、該ブラケットの開口縁に、係止部を有する保持
    アームが設けられ、該係止部に対する係合部が雄コネク
    タに設けられ、前記雌コネクタが、該保持アームに押接
    する係止解除部を有し、該雌コネクタが該雄コネクタに
    完全嵌合した時点で、前記補機が前記組付体に不完全組
    付で、コネクタ嵌合方向にストローク可能であり、 前記保持アームが前記ブラケットから前記雌コネクタの
    進入方向に突出され、前記係止解除部が前記雌コネクタ
    のハウジング壁であり、該ハウジング壁で該保持アーム
    の長手方向中間部が該保持アームの付勢反対方向に押圧
    されて、該保持アームと前記係合部との係合が解除され
    ことを特徴とするコネクタ接続構造。
  6. 【請求項6】 前記開口縁において前記雄コネクタに接
    するばね片が前記保 持アームの90°方向に設けられた
    ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ接続構造。
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