JP3417365B2 - 蓄電電気機器 - Google Patents

蓄電電気機器

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JP3417365B2
JP3417365B2 JP27251499A JP27251499A JP3417365B2 JP 3417365 B2 JP3417365 B2 JP 3417365B2 JP 27251499 A JP27251499 A JP 27251499A JP 27251499 A JP27251499 A JP 27251499A JP 3417365 B2 JP3417365 B2 JP 3417365B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は蓄電電気機器に関
し、さらに詳細にいえば、電力需要が小さい時間帯に二
次電池に対する充電を行い、電力需要が大きい時間帯に
二次電池からの放電電力を電気機器に供給する蓄電電気
機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から商用系統電源の停電時に各種の
電気機器を動作させることができるようにするものとし
て、無停電電源装置(以下、UPSと略称する)が提供
されている。
【0003】また、電力需要が小さい時間帯に二次電池
に対する充電を行い、電力需要が大きい時間帯に二次電
池からの放電電力を空気調和機に供給する蓄電空気調和
機が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記UPSは、停電時
に商用系統電源に代えて各種電気機器に電力を供給する
ものであるから、非停電時には全く利用されず、装置の
利用効率が著しく低いという不都合がある。
【0005】前記蓄電空気調和機は、電力需要が小さい
時間帯に二次電池に対する充電を行い、電力需要が大き
い時間帯に二次電池からの放電電力を空気調和機に供給
するものであるから、停電時に他の電気機器に電力を供
給することはできないという不都合がある。
【0006】また、近年は、生活の利便さを追求する上
で高出力の電化製品が増加している。このような高出力
の電化製品としては、例えば、空気調和機、電子レン
ジ、掃除機などが例示されるが、何れも負荷の変動が大
きい。したがって、このような電化製品の複数台を一時
に同時に使用しようとすると、消費電力に瞬間的なピー
クが発生し、電力容量を越えて事故(ブレーカー断)に
つながる危険性がある。
【0007】さらに、家庭やオフィスの電化が進むに伴
って電力需要は増加の一途をたどっている。しかし、こ
れからの大電力消費時代に、電力需要の増加を見越して
電力供給を拡大し、維持し続けることは非常に困難であ
る。また、不用意な電化製品の同時使用に起因する一時
な電力不足に対処するために電力供給を維持することは
決して合理的ではない。
【0008】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、消費電力の平準化に貢献できるととも
に、商用系統電源の停電時にも対処できる蓄電電気機器
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の蓄電電気機器
は、電力需要が小さい時間帯に二次電池に対する充電を
行い、電力需要が大きい時間帯に二次電池からの放電電
力を電気機器に供給するものであって、双方向コンバー
タ装置からの直流電力を交流電力に変換して外部に供給
するインバータ装置と、交流電源の停電を検出して強制
的に二次電池からの電力放電を行わせるべく双方向コン
バータ装置を制御する強制放電制御手段と、を含むもの
である。
【0010】
【0011】請求項2の蓄電電気機器は、二次電池に対
する充電電流を検出する充電電流検出手段と、電気機器
に対する供給電流を検出する供給電流検出手段と、検出
された充電電流、検出された供給電流に基づいて双方向
コンバータ装置を制御する充放電制御手段とをさらに含
むものである。
【0012】請求項3の蓄電電気機器は、前記充放電制
御手段として、放電時間帯の全範囲において一定の放電
電力を二次電池から電気機器に供給すべく双方向コンバ
ータ装置を制御するものを採用するものである。
【0013】請求項4の蓄電電気機器は、前記充放電制
御手段として、電気機器の消費電力が所定電力を越えた
ことを条件として、少なくとも所定電力を越える電力を
二次電池から電気機器に供給すべく双方向コンバータ装
置を制御するものを採用するものである。
【0014】請求項5の蓄電電気機器は、前記双方向コ
ンバータ装置として、交流電力を直流電力に変換して二
次電池に供給するコンバータ部と、直流電力を交流電力
に変換して電気機器に供給するインバータ部とを含むも
のを採用するものである。
【0015】請求項6の蓄電電気機器は、前記双方向コ
ンバータ装置として、互いに直列接続される整流器およ
びチョッパー部と、チョッパー部を昇降圧動作させるP
WM制御部と、整流器をバイパスさせるバイパス部と、
整流器またはバイパス部を選択する選択部とを含むもの
を採用するものである。
【0016】請求項7の蓄電電気機器は、前記双方向コ
ンバータ装置として、互いに直列接続される整流器およ
びインバータ部と、インバータ部を周波数変換動作させ
るPWM制御部と、整流器をバイパスさせるバイパス部
と、整流器またはバイパス部を選択する選択部とを含む
ものを採用するものである。
【0017】
【作用】請求項1の蓄電電気機器であれば、電力需要が
小さい時間帯に二次電池に対する充電を行い、電力需要
が大きい時間帯に二次電池からの放電電力を電気機器に
供給する場合において、強制放電制御手段によって交流
電源の停電を検出して強制的に二次電池からの電力放電
を行わせるべく双方向コンバータ装置を制御する。そし
て、インバータ装置によって双方向コンバータ装置から
の直流電力を交流電力に変換して外部に供給することが
できる。
【0018】したがって、電力負荷の平準化と停電時の
電力供給とを両立させることができる。
【0019】
【0020】
【0021】請求項2の蓄電電気機器であれば、充電電
流検出手段により二次電池に対する充電電流を検出し、
供給電流検出手段により電気機器に対する供給電流を検
出し、検出された充電電流、検出された供給電流に基づ
いて充放電制御手段により双方向コンバータ装置を制御
することができる。
【0022】したがって、請求項1と同様の作用を達成
することができるほか、充電電流を適正にすることがで
きるとともに、電気機器への供給電流を適正にすること
ができる。
【0023】請求項3の蓄電電気機器であれば、前記充
放電制御手段として、放電時間帯の全範囲において一定
の放電電力を二次電池から電気機器に供給すべく双方向
コンバータ装置を制御するものを採用するのであるか
ら、請求項1と同様の作用を達成することができるほ
か、放電時間帯の全範囲にわたって商用系統電源からの
供給電力を低減して電力負荷の平準化を達成することが
できる。
【0024】請求項4の蓄電電気機器であれば、前記充
放電制御手段として、電気機器の消費電力が所定電力を
越えたことを条件として、少なくとも所定電力を越える
電力を二次電池から電気機器に供給すべく双方向コンバ
ータ装置を制御するものを採用するのであるから、請求
項1と同様の作用を達成することができるほか、放電時
間帯における商用系統電源からの供給電力のピークをカ
ットして電力負荷の平準化を達成することができる。
【0025】請求項5の蓄電電気機器であれば、前記双
方向コンバータ装置として、交流電力を直流電力に変換
して二次電池に供給するコンバータ部と、直流電力を交
流電力に変換して電気機器に供給するインバータ部とを
含むものを採用するのであるから、請求項1から請求項
4の何れかと同様の作用を達成することができる。
【0026】請求項6の蓄電電気機器であれば、前記双
方向コンバータ装置として、互いに直列接続される整流
器およびチョッパー部と、チョッパー部を昇降圧動作さ
せるPWM制御部と、整流器をバイパスさせるバイパス
部と、整流器またはバイパス部を選択する選択部とを含
むものを採用するのであるから、充電時には選択部によ
りバイパス部を選択し、放電時には選択部により整流器
を選択して、二次電池に対する充放電を行わせることが
できる。したがって、請求項5と比較して構成を簡単化
することができる。
【0027】請求項7の蓄電電気機器であれば、前記双
方向コンバータ装置として、互いに直列接続される整流
器およびインバータ部と、インバータ部を周波数変換動
作させるPWM制御部と、整流器をバイパスさせるバイ
パス部と、整流器またはバイパス部を選択する選択部と
を含むものを採用するのであるから、充電時には選択部
によりバイパス部を選択し、放電時には選択部により整
流器を選択して、二次電池に対する充放電を行わせるこ
とができる。したがって、請求項5と比較して構成を簡
単化することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の蓄電電気機器の実施の態様を詳細に説明する。
【0029】図1はこの発明の蓄電電気機器の一実施態
様としての蓄電空気調和機を示すブロック図である。
【0030】この蓄電空気調和機は、商用系統電源に接
続されて直流電力に変換する整流器1と、整流器1から
の直流電力を入力とする電流可逆チョッパー制御部2
と、電流可逆チョッパー制御部2に接続された二次電池
3と、電流可逆チョッパー制御部2から出力される直流
電力を入力とする第1インバータ4と、第1インバータ
4から出力される交流電力を入力として動作する圧縮機
(空気調和機の室外機に含まれる圧縮機)5と、電流可
逆チョッパー制御部2から出力される直流電力を直接外
部に出力する直流電力出力部6と、電流可逆チョッパー
制御部2から出力される直流電力を入力として交流電力
を外部に出力する第2インバータ7と、商用系統電源に
接続されて、商用系統電源の状態に応答して第2インバ
ータ7を制御するAC切り替えスイッチ8とを有してい
る。また、二次電池3への供給電流を検出する直流電流
センサ11と、圧縮機5への供給電流を検出する交流電
流センサ12とを有している。なお、第2インバータ7
の出力端子は、商用系統電源から前記圧縮機5以外の電
気機器に交流電力を供給する交流電力供給経路9の所定
位置に接続されている。ただし、直流電力出力部6を省
略することが可能である。なお、整流器1と電流可逆チ
ョッパー制御部2とで可逆性のある双方向コンバータを
構成している。また、二次電池3の容量は、電力負荷の
平準化に必要な容量よりも大きく設定している。
【0031】前記双方向コンバータは、図2に示すよう
に、コンバータ21とインバータ22とを互いに直列接
続し、両者の接続点を二次電池と接続する構成であって
もよく、図3に示すように、整流器23と、PWM制御
部25により制御される昇降圧用のチョッパー24とを
互いに直列接続し、整流器23をバイパスするバイパス
線路26と、整流器23またはバイパス線路26を選択
する切り替えスイッチ27とを設ける構成であってもよ
く、または、図4に示すように、整流器23と、PWM
制御部25により制御される周波数変換用のインバータ
28とを互いに直列接続し、整流器23をバイパスする
バイパス線路26と、整流器23またはバイパス線路2
6を選択する切り替えスイッチ27とを設ける構成であ
ってもよい。
【0032】上記の構成の蓄電空気調和機の作用は次の
とおりである。
【0033】非停電時には、AC切り替えスイッチ8に
よって第2インバータ7が非動作状態に制御されるとと
もに、図示しない制御部によって電流可逆チョッパー制
御部2が二次電池3からの放電を行わせるべく制御され
る。したがって、電力需要が小さい時間帯に、整流器1
および電流可逆チョッパー制御部2を通して商用系統電
源から二次電池3に対する充電を行い、電力需要が大き
い時間帯に二次電池3からの放電電力を電流可逆チョッ
パー制御部2および第1インバータ4を通して圧縮機5
に供給することができる。この結果、電力負荷の平準化
を実現することができる。
【0034】また、停電時には、AC切り替えスイッチ
8によって第2インバータ7が動作状態に制御される。
したがって、二次電池3からの放電電力を電流可逆チョ
ッパー制御部2および第1インバータ4を通して圧縮機
5に供給することができるとともに、電流可逆チョッパ
ー制御部2および第2インバータ7を通して圧縮機5以
外の電気機器(例えば、冷凍機、店頭の看板や照明、非
常口表示灯、サーバーマシンなど)に供給することがで
きる。この結果、停電時であっても、圧縮機5以外の電
気機器を動作させることができる。
【0035】したがって、蓄電空気調和機の稼働率を高
めることができるとともに、UPSを別途設ける場合と
比較して構成を大幅に簡単化することができる。
【0036】特に、圧縮機5以外の電気機器がサーバー
マシンである場合には、停止することが許されないとい
う要求、および高温での使用を避けなければならないと
いう要求を両立させることができ、しかも、設置環境に
よっては狭いスペースへの設置を余儀なくされる場合で
あっても、簡単にこの実施態様の蓄電空気調和機を設置
することができる。
【0037】図5はこの発明の蓄電空気調和機の制御方
法の一例を説明するフローチャートである。なお、図5
は、停電時に空気調和機と他の電気機器である冷凍機と
の優先度を設定した場合に対応している。
【0038】停電が発生した場合に、ステップSP1に
おいて、空気調和機が優先か否かを判定する。
【0039】そして、空気調和機が優先であると判定さ
れた場合には、ステップSP2において、室内の不快指
数が予め設定した所定値よりも大きいか否かを判定し、
室内の不快指数が予め設定した所定値よりも大きいと判
定された場合には、ステップSP3において、空気調和
機の運転を行う。
【0040】逆に、空気調和機が優先でないと判定され
た場合には、ステップSP4において、庫内温度が予め
設定した所定温度よりも高いか否かを判定し、庫内温度
が予め設定した所定温度よりも高いと判定された場合に
は、ステップSP5において、冷凍庫の運転を行う。
【0041】そして、ステップSP2において室内の不
快指数が予め設定した所定値よりも大きくないと判定さ
れた場合、ステップSP4において庫内温度が予め設定
した所定温度よりも高くないと判定された場合、ステッ
プSP3の処理が行われた場合、またはステップSP5
の処理が行われた場合には、再びステップSP1の判定
を行う。
【0042】なお、上記のフローチャートの処理は、ユ
ーザーが任意に設定した優先順位に基づいて行われる。
また、不快指数に代えて、室内温度、室内湿度などが所
定値よりも高いか否かを判定するようにしてもよい。さ
らに、ステップSP2において室内の不快指数が予め設
定した所定値よりも大きくないと判定された場合にステ
ップSP4の判定を行い、ステップSP4において庫内
温度が予め設定した所定温度よりも高くないと判定され
た場合にステップSP2の判定を行うようにしてもよ
く、この場合には、二次電池からの放電電力をより有効
利用することができる。
【0043】図5のフローチャートの処理を採用した場
合には、ユーザーが設定した優先順位に基づいて、停電
時に、空気調和機を運転するか冷凍機を運転するかを選
択することができ、ひいては、二次電池に蓄えられた電
力の効率的利用を図ることができるとともに、運転時間
を長くすることができる。また、空気調和機、冷凍機の
運転を停止できる期間があれば、省電力を達成すること
ができる。
【0044】なお、図5のフローチャートにおいて、冷
凍機に代えて照明など、他の電気機器を採用してもよ
い。なお、照明を採用した場合には、庫内温度に代えて
時刻に基づく判定を行えばよい。
【0045】また、空気調和機が優先か否かを判定する
代わりに、二次電池の残量の多少を判定し、残量が少な
い場合に負荷が軽い電気機器を運転するようにしてもよ
い。
【0046】図6はこの発明の蓄電電気機器の他の実施
態様としての蓄電冷凍機を示すブロック図である。
【0047】この蓄電冷凍機は、冷凍車に適用されるも
のである。
【0048】エンジンを動力源とする発電機10からの
出力電力を電流可逆チョッパー制御部2と、電流可逆チ
ョッパー制御部2に接続された二次電池3と、電流可逆
チョッパー制御部2から出力される直流電力を入力とす
る第1インバータ4と、第1インバータ4から出力され
る交流電力を入力として動作する圧縮機(空気調和機に
含まれる圧縮機)5と、電流可逆チョッパー制御部2か
ら出力される直流電力を直接外部に出力する直流電力出
力部6と、電流可逆チョッパー制御部2から出力される
直流電力を入力として交流電力を外部に出力する第2イ
ンバータ7と、発電機10(またはエンジン)の状態に
応答して第2インバータ7を制御する切り替えスイッチ
8とを有している。
【0049】この実施態様を採用した場合には、ガス
欠、停車時のアイドリング防止などによりエンジンが停
止したような場合に、二次電池3に蓄えられた電力を電
流可逆チョッパー制御部2、第2インバータ7を通して
冷凍機に供給することにより、冷凍機の運転を継続する
ことができる。そして、冷凍機の運転停止期間を大幅に
短縮することができるので、冷凍庫の保冷性能を左右す
る外壁の厚みを小さくすることができる。
【0050】また、冷凍庫とこの実施態様の蓄電電気機
器とをユニットにすることが可能であり、この場合に
は、電源がない環境でも第1インバータ4または第2イ
ンバータ7からの交流出力によって冷凍庫を運転しなが
らユニットごと種々の場所へ、電力供給ができないよう
な運搬装置で移動させることができる。そして、このと
き、直流出力、または交流出力を用いて、照明、通信な
どを途切れることなく駆動すること(例えば、通信を利
用して庫内温度や運搬している品物のID、現在位置な
どを送信し続けること)が可能である。
【0051】次いで、図1の実施態様における非停電時
の作用を詳細に説明する。
【0052】図示しないタイマにより電力需要が少ない
時間帯(例えば、夜間)を検出した場合(または、負荷
がない時)には、空気調和機が停止しているか、もしく
は空調負荷が小さいので、商用系統電源からの供給電力
にゆとりがある。したがって、このゆとり分の供給電力
を双方向コンバータを通して二次電池3に供給すること
により蓄電動作を行うことができる。なお、この蓄電動
作中においては、直流電流センサによって充電電流を検
出し、充電電流が過大にならないように双方向コンバー
タを制御する。
【0053】また、図示しないタイマもしくはデマンド
制御により電力需要が多い時間帯(例えば、昼間)を検
出した場合には、空調負荷が大きいので、商用系統電源
からの供給電力にゆとりがない。したがって、二次電池
3に蓄えられた電力を双方向コンバータおよび第1イン
バータ4を通して圧縮機5に供給することにより、商用
系統電源からの供給電力を抑制し、ひいては電力需要の
平準化を達成することができる。また、電力供給が不安
定もしくは不足しているような電力事情の悪い地域で図
1の実施態様の蓄電空気調和機を採用した場合には、電
力供給を安定化することができる。なお、この放電動作
中においては、交流電流センサによって空気調和機への
供給電流を検出し、供給電流が過大にならないように双
方向コンバータを制御する。
【0054】ここで、二次電池3からの放電方法には、
ピークシフト方法とピークカット方法とデマンド制御方
法とがある。このピークシフト方法は、図7に示すよう
に、空気調和機が動作している全時間範囲において、二
次電池3から一定電力の放電を行うことにより商用系統
電源からの電力供給を削減する方法であり、デマンド制
御方法は、図8に示すように、空気調和機への供給電力
のうち、予め設定した所定電力を越える電力を二次電池
3から放電させる方法であり、ピークカット方法は、図
9に示すように、空気調和機の消費電力がピークとなる
時間帯において消費電力の殆どを二次電池3から放電さ
せることにより、この時間帯における商用系統電源から
の電力供給を大幅に削減する方法である。そして、二次
電池3からの放電を行わせるに当たって、何れかの放電
方法を採用するようにしてもよいが、緩やかな負荷曲線
を描くところではピークシフト方法を採用し、鋭利なピ
ークが発生するところではピークカット方法を採用する
ことが好ましい。
【0055】図10はピークシフト方法とピークカット
方法とを併用する二次電池の充放電の一例を説明する概
略図である。
【0056】図10から分るように、電力負荷がない時
間帯において二次電池3への充電を行い、電力負荷があ
る程度大きくなった時間帯においてピークシフト方法に
よる二次電池3からの放電を行い、電力負荷がさらに大
きくなった時間帯においてピークカット方法(またはデ
マンド制御方法)による二次電池3からの放電を行って
いる。なお、ピークカット方法による放電において、途
中から放電電流(放電電力に比例する)が減少している
のは、充電電力に限界があるためである。このような場
合には、放電中の容量不足として警報を発し、放電を垂
下することが好ましい。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明は、電力負荷の平準化と
停電時の電力供給とを両立させることができるという特
有の効果を奏する。
【0058】
【0059】請求項2の発明は、請求項1の効果に加
え、充電電流を適正にすることができるとともに、電気
機器への供給電流を適正にすることができるという特有
の効果を奏する。
【0060】請求項3の発明は、請求項1の効果に加
え、放電時間帯の全範囲にわたって商用系統電源からの
供給電力を低減して電力負荷の平準化を達成することが
できるという特有の効果を奏する。
【0061】請求項4の発明は、請求項1の効果に加
え、放電時間帯における商用系統電源からの供給電力の
ピークをカットして電力負荷の平準化を達成することが
できるという特有の効果を奏する。
【0062】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
の何れかと同様の効果を奏する。
【0063】請求項6の発明は、請求項1から請求項4
の何れかと同様の効果に加え、請求項5と比較して構成
を簡単化することができるという特有の効果を奏する。
【0064】請求項7の発明は、請求項1から請求項4
の何れかと同様の効果に加え、請求項5と比較して構成
を簡単化することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蓄電電気機器の一実施態様としての
蓄電空気調和機を示すブロック図である。
【図2】双方向コンバータの構成の一例を示すブロック
図である。
【図3】双方向コンバータの構成の他の例を示すブロッ
ク図である。
【図4】双方向コンバータの構成のさらに他の例を示す
ブロック図である。
【図5】停電時の処理の一例を説明するフローチャート
である。
【図6】この発明の蓄電電気機器の他の実施態様を示す
ブロック図である。
【図7】ピークシフト方法を説明する概略図である。
【図8】デマンド制御方法を説明する概略図である。
【図9】ピークカット方法を説明する概略図である。
【図10】充放電処理の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 電流可逆チョッパー制御部 3 二次電池 5 圧縮機 7 第2インバータ 21 コンバータ 22 インバータ 23 整流器 24 チョッパー 25 PWM制御部 26 バイパス線路 27 切り替えスイッチ 28 インバータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−182316(JP,A) 特開2001−54239(JP,A) 特開2000−318939(JP,A) 特開 平11−75328(JP,A) 特開 平6−137650(JP,A) 特開 平6−137651(JP,A) 特開 平10−309043(JP,A) 特開 平11−27877(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 9/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力需要が小さい時間帯に二次電池
    (3)に対する充電を行い、電力需要が大きい時間帯に
    二次電池(3)からの放電電力を電気機器(5)に供給
    する蓄電電気機器において、 双方向コンバータ装置(2)からの直流電力を交流電力
    に変換して外部に供給するインバータ装置(7)と、 交流電源の停電を検出して強制的に二次電池(3)から
    の電力放電を行わせるべく双方向コンバータ装置(2)
    を制御する強制放電制御手段と、を含むことを特徴とす
    る蓄電電気機器。
  2. 【請求項2】 二次電池(3)に対する充電電流を検出
    する充電電流検出手段(11)と、電気機器(5)に対
    する供給電流を検出する供給電流検出手段(12)と、
    検出された充電電流、検出された供給電流に基づいて双
    方向コンバータ装置(2)を制御する充放電制御手段と
    をさらに含む請求項1に記載の蓄電電気機器。
  3. 【請求項3】 前記充放電制御手段は、放電時間帯の全
    範囲において一定の放電電力を二次電池(3)から電気
    機器(5)に供給すべく双方向コンバータ装置(2)を
    制御する請求項1に記載の蓄電電気機器。
  4. 【請求項4】 前記充放電制御手段は、電気機器(5)
    の消費電力が所定電力を越えたことを条件として、少な
    くとも所定電力を越える電力を二次電池(3)から電気
    機器(5)に供給すべく双方向コンバータ装置(2)を
    制御する請求項1に記載の蓄電電気機器。
  5. 【請求項5】 前記双方向コンバータ装置(2)は、交
    流電力を直流電力に変換して二次電池(3)に供給する
    コンバータ部(21)と、直流電力を交流電力に変換し
    て電気機器(5)に供給するインバータ部(22)とを
    含んでいる請求項1から請求項4の何れかに記載の蓄電
    電気機器。
  6. 【請求項6】 前記双方向コンバータ装置(2)は、互
    いに直列接続される整流器(23)およびチョッパー部
    (24)と、チョッパー部(24)を昇降圧動作させる
    PWM制御部(25)と、整流器(23)をバイパスさ
    せるバイパス部(26)と、整流器(23)またはバイ
    パス部(26)を選択する選択部(27)とを含んでい
    る請求項1から請求項4の何れかに記載の蓄電電気機
    器。
  7. 【請求項7】 前記双方向コンバータ装置(2)は、互
    いに直列接続される整流器(23)およびインバータ部
    (28)と、インバータ部(28)を周波数変換動作さ
    せるPWM制御部(25)と、整流器(23)をバイパ
    スさせるバイパス部(26)と、整流器(23)または
    バイパス部(26)を選択する選択部(27)とを含ん
    でいる請求項1から請求項4の何れかに記載の蓄電電気
    機器。
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