JP3416380B2 - 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法 - Google Patents

磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法

Info

Publication number
JP3416380B2
JP3416380B2 JP07615596A JP7615596A JP3416380B2 JP 3416380 B2 JP3416380 B2 JP 3416380B2 JP 07615596 A JP07615596 A JP 07615596A JP 7615596 A JP7615596 A JP 7615596A JP 3416380 B2 JP3416380 B2 JP 3416380B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
magnetic
phase amount
output
tracking phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07615596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09265691A (ja
Inventor
徹 澁澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP07615596A priority Critical patent/JP3416380B2/ja
Publication of JPH09265691A publication Critical patent/JPH09265691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3416380B2 publication Critical patent/JP3416380B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VTR、特にデジ
タルVTRの磁気記録再生装置に於いて、磁気テープ上
のトラックを正確にトレースする為のトラッキング調整
装置及びトラッキング調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘリカルスキャン方式によりアジマス記
録再生を行なう斯種磁気記録再生装置は、図11に示す
ように、シャーシ(21)上に、少なくとも2つの磁気ヘッ
ド(3)(3)を有する回転シリンダ(2)を具える。該回転
シリンダ(2)に磁気テープ(6)が巻き付けられ、キャプ
スタンモータ(4)とピンチローラ(41)からなるテープ送
り手段により該磁気テープ(6)を走行させて記録再生が
行なわれる。図12は、磁気ヘッド(3)と磁気テープ
(6)上の磁気記録トラック(8)の位置関係を示す図であ
る。磁気テープ(6)にはMP(Metal powder)テープが一
般に用いられ、磁気テープ(6)上には、磁気テープ(6)
の走行方向に対して傾き、アジマス角θが互いに異なる
トラック(8)(8)が隙間なく形成されている。各トラッ
ク(8)には所定の周波数を有するパイロット信号f1が挿
入されている。各トラック(8)と同じアジマス角θを有
する磁気ヘッド(3)にて、トラック(8)がトレースされ
て、信号の記録再生が行なわれる。
【0003】磁気ヘッド(3)からの出力は、トラッキン
グ制御回路(9)に送られ、該トラッキング制御回路(9)
はトラック(8)内のパイロット信号f1のレベルを検出し
て、キャプスタンモータ(4)の搬送タイミングを制御
し、磁気ヘッド(3)をトラック(8)にトレースさせる。
即ち、図12に点線で示すように、たとえば磁気ヘッド
(3)がテープ走行方向に対して進んでいる時は、キャプ
スタンモータ(4)はテープ送りを早くして、磁気ヘッド
(3)をトレースすべきトラック(8)に合わせる。その逆
に、磁気ヘッド(3)がテープ走行方向に対して遅れてい
るときは、キャプスタンモータ(4)はテープ送りを遅く
する。この動作は周知の如く、トラッキング制御動作で
あり、磁気ヘッド(3)に対するキャプスタンモータ(4)
の搬送タイミングをトラッキング位相量と呼ぶ。磁気ヘ
ッド(3)はトラック(8)より幅広であり、アジマス角θ
は所謂8mmVTRに於いて±10°である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、再生時の高出力
化に鑑みて、メタル蒸着テープ、所謂ME(Metal evapo
rated)テープが用いられることが多い。このMEテープ
では、テープ上の磁性体の配向性及びアジマス損失によ
り、MPテープを使用するよりも、各磁気ヘッド(3)毎
の再生出力レベルに差が生じるが、8mmVTRでは、両
磁気ヘッド(3)(3)の出力差は実用上支障はない。しか
し、所謂デジタルVTRに於いては、隣接するトラック
からの干渉防止の効果をより大きくする為に、アジマス
角θが±20°と8mmVTRよりも大きく設けられてい
る。この為、アジマス損失の効果は、8mmVTRに比し
て大きい。
【0005】また、磁気ヘッド(3)は図3に示すよう
に、磁気テープ(6)との摺動面が円弧形を呈し、該摺動
面の頂点にギャップ(30)が形成されているのが理想的で
あるが、全体形状が8mmVTRのものよりも小さな磁気
ヘッド(3)では、ギャップ(30)は製作上の誤差から摺動
面の先端からずれることが多い。更に、回転シリンダ
(2)に取り付ける際にも、取付け誤差が発生する。従っ
て、一方の磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確にトレ
ースしても、他方の磁気ヘッド(3)は必ずしも隣接する
トラック(8)を正確にトレースしているとは限らない。
他方の磁気ヘッド(3)のトレース率が小さくなると、ア
ジマス損失効果により、再生エンベロープ出力は更に小
さくなる。このときのトラッキング位相量とヘッド出力
の関係は、図6乃至図8に示すようになる。この為、両
磁気ヘッド(3)(3)の出力の差は顕著となり(図4参
照)、再生画面上にも違和感を生じさせる。特に、再生
しようとするメカデッキとは異なるメカデッキで記録さ
れた映像ソフト用テープを再生した場合はこの問題が大
きい。本発明は、デジタルVTRに於いて、トラッキン
グ制御当初に出力が低いと判断された方の磁気ヘッドの
出力が最大となるトラッキング位相量の範囲をまず検索
する。次に、この範囲内で他方の磁気ヘッドの出力が最
大となる範囲又は地点を検索する、即ち両磁気ヘッド
(3)(3)の出力に基づいて、トラッキング動作を行なう
ことで、各磁気ヘッド(3)(3)間の出力差を極力減らし
て、違和感のない再生画像を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】隣接するトラック(8)(8)
をトレースする少なくとも一対の磁気ヘッド(3)からの
出力に基づき、磁気ヘッド(3)に対するテープ送り手段
の搬送タイミングであるトラッキング位相量を制御し
て、磁気ヘッド(3)を磁気テープ(6)上のトラック(8)
に正確にトレースさせる磁気記録再生装置のトラッキン
グ調整装置は、各磁気ヘッド(3)の出力差を比較する比
較手段と、トラッキング位相量に対応した各磁気ヘッド
(3)毎の出力を一旦格納するメモリ手段とを具える。
気ヘッド(3)はトラック(8)よりも幅広に形成される。
制御手段は、比較手段によって当初出力が低いと判断さ
れた方の磁気ヘッド(3)の出力が最大となるトラッキン
グ位相量の範囲Cをメモリ手段から検索し、該範囲内で
トラッキング位相量を変化させて、他の磁気ヘッド(3)
の出力レベルが最大となるトラッキング位相量を検索す
るサーチ機能を有する。また、制御手段は、メモリ手段
が記憶したトラッキング位相量からずらしてトラッキン
グ位相量を変化させ、比較手段により両磁気ヘッド(3)
(3)の出力レベルが一致したことが判明したトラッキン
グ位相量にて、トラックトレースを行なう命令信号を発
することもできる。
【0007】
【作用及び効果】各磁気ヘッド(3)(3)の出力を比較
し、当初ヘッド出力が低いと判断された方の磁気ヘッド
(3)の出力が最大となるトラッキング位相量の範囲を検
索する。かかる範囲内で、他の磁気ヘッド(3)の出力が
最大となるトラッキング位相量を設定する。従って、ト
ラッキング制御は両磁気ヘッド(3)(3)の出力を検出し
て行なわれるから、従来のように一方の磁気ヘッド(3)
の出力に基づいてトラッキング制御を行なうよりも、両
磁気ヘッド(3)(3)の出力差を減らすように、トラッキ
ング微調整ができる。更に、従来に於ける片方のヘッド
出力が小さいことに起因する再生画面上での違和感も解
消される。また、両磁気ヘッド(3)(3)からの出力が一
致するように、トラッキング位相量を設定すれば、一方
の磁気ヘッド(3)の出力に於けるC/N(carrier to no
ise ratio)値は若干低下するものの、他方の磁気ヘッド
(3)の出力に於けるC/N値は改善される。従って、再
生画像全体のC/N値は殆ど変化せず、両磁気ヘッド
(3)(3)からの出力が一致しているから、再生画面上で
の違和感は解消される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図を用い
て、詳述する。図1は、デジタルVTRに於けるトラッ
キング制御装置のブロック図である。説明の便宜上、再
生装置のみについて記載する。シャーシ(21)上に載置さ
れ、周面に2つの磁気ヘッド(3)(3)を180°離して
具えた回転シリンダ(2)には、磁気テープ(6)が巻き付
けられる。該磁気テープ(6)は周知の如く、キャプスタ
ンモータ(4)のキャプスタン軸(40)と、ピンチローラ(4
1)に挟持搬送される。各磁気ヘッド(3)(3)からの出力
は、再生アンプ(11)(11)、切換えスイッチ(SW1)を介
して、出力端子(12)から再生RF(Radio frequency)信
号として取り出される。回転シリンダ(2)はシリンダモ
ータ(20)により回転駆動され、キャプスタンモータ(4)
及びシリンダモータ(20)から夫々発せられるFGパルス
は、サーボ回路(1)に入力され、該サーボ回路(1)はF
Gパルスの周波数からキャプスタンモータ(4)とシリン
ダモータ(20)を一定速度で回転させる制御動作を行な
う。
【0009】シリンダモータ(20)からは、またFGパル
スとは別に回転シリンダ(2)の回転数に対応したPGパ
ルスが出力され、サーボ回路は該PGパルスと、外部か
ら入力される基準クロックパルスにより、シリンダモー
タ(20)を位相制御する。サーボ回路(1)は制御回路(5)
に接続し、該制御回路(5)を介して、PGパルスから生
成されるスイッチングパルスを、切換えスイッチ(SW
1)に供給する。切換えスイッチ(SW1)がスイッチング
パルスにより切り換えられて、各磁気ヘッド(3)毎の出
力が取り出される。
【0010】再生出力信号は分岐されて、デジタル復調
回路(7)、ATF回路(10)及び再生レベル検出回路(52)
に入力される。デジタル復調回路(7)の動作は後記す
る。ATF回路(10)は磁気テープ(6)のトラック(8)内
に挿入されたパイロット信号f1のレベルから、一方の磁
気ヘッド(3)と、該磁気ヘッド(3)がトレースすべきト
ラック(8)との位置ズレを検出し、サーボ回路(1)に該
ズレ量の情報を送る。サーボ回路(1)は該ズレ情報に基
づいて、キャプスタンモータ(4)の搬送タイミングを制
御し、該一方の磁気ヘッド(3)の中心とトラック(8)の
幅方向の中心とを略合わせる所謂センタトラッキング制
御を行なう。
【0011】再生レベル検出回路(52)は、再生出力のレ
ベルを検出し、両磁気ヘッド(3)(3)の出力レベルを比
較する比較回路(51)に入力される。比較回路(51)は何れ
の磁気ヘッド(3)(3)の出力が大きいかを検出して、そ
の情報を制御回路(5)に送る。制御回路(5)は、磁気ヘ
ッド(3)に対するキャプスタンモータ(4)の搬送タイミ
ングであるトラッキング位相量を少しずつ変化させて、
サーボ回路(1)に送る。トラッキング位相量に対応する
再生出力レベルは、制御回路(5)に接続されたメモリ(5
0)に、トラッキング位相量をアドレスとして一旦格納さ
れる。格納されたトラッキング位相量毎のヘッド出力を
元に、後記するトラッキング制御動作を行なう。
【0012】デジタルVTRに於けるトラック(8)は、
図2のように示される。デジタルVTRの回転シリンダ
(2)は、回転数が9000rpmであり、1フレームの映
像又は音声信号はガードバンドレス記録された10本の
トラック(8)(8)上に記録される。磁気ヘッド(3)はト
ラック(8)よりも幅広に形成されている。トラック(8)
のアジマス角θは±20°と8mmVTRよりも大きく設
けられ、隣接するトラックからの干渉防止の効果をより
大きくしている。映像又は音声信号は、0、1の符号列
が連なって成るデジタル信号に変換されて記録されてお
り、各符号列には誤り検出訂正の為のパリティビット(8
0)が設けられる(特公平7−109697号参照)。パリ
ティビット(80)の値は、例えば符号列のビットの値を全
て加算して2進コードで表わした数字の最後桁を示すも
のであり、符号列とパリティビット(80)の値を検出し比
較することで、磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確に
トレースしたか否かが判る。各トラック(8)上には、前
記パイロット信号f1が重畳記録されている。
【0013】デジタルVTRでは、磁気ヘッド(3)の全
体形状が小さいために、磁気ヘッド(3)のギャップ(30)
は必ずしも頂点に形成されていない。この為、一方の磁
気ヘッド(3)が対応するトラック(8)を正確にトレース
しても、他の磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確にト
レースするとは限らない。また、アジマス角θが大きい
ことに加えて、特にMEテープでは、テープの磁性体の
配向性に起因して、各磁気ヘッド(3)毎の出力の差が大
きい(図4参照)。この為、前記ATF回路(10)によるト
ラッキングズレの検出に加え、デジタル復調回路(7)に
よってトラック(8)が正確にトレースされたか確認する
ことが提案されている。
【0014】具体的には、再生時に於いて、前記のAT
F回路(10)がパイロット信号に基づいて、一方の磁気ヘ
ッド(3)をトレースすべきトラック(8)から大きくズレ
ることがないように、凡そのトラッキング制御をサーボ
回路(1)を介して行なうともに、デジタル復調回路(7)
は、再生出力から符号列とパリティビット(80)を取り出
し、他方の磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確にトレ
ースしたか否かを確認する。磁気ヘッド(3)がトラック
(8)を正確にトレースしていないと、例えば本来1レベ
ルである筈のビットが0レベルとなるから、検出した符
号列とパリティビット(80)が対応しない。従って、磁気
ヘッド(3)はトラック(8)を正確にトレースしていない
ことが判る。デジタル復調回路(7)は、正確にトレース
されなかった符号列を検出すると、図4に示すように、
エラーフラグパルスを発生させる。該エラーフラグパル
スの数から、正確にトレースされなかった符号列の発生
率であるエラーレートを演算する。エラーレートが大き
いほど、正確にトレースされなかった符号列が多いこと
が判る。エラーレートは制御回路(5)に送られ、制御回
路(5)は、エラーレートを小さくするように、トラッキ
ング位相量を微調整する。
【0015】以下、本例に於けるトラッキング制御動作
を、図5のフローチャートを用いて説明する。このトラ
ッキング制御動作は、エラーレートを用いず、両磁気ヘ
ッド(3)(3)からのヘッド出力差を小さくするように制
御する場合と、上述の如く、エラーレートを小さくする
ように制御する場合の2通りが考えられるが、まずヘッ
ド出力差を小さくするように制御する場合について説明
する。まず、当初ATF回路(10)とサーボ回路(1)によ
り、何れか一方の磁気ヘッド(3)が対応するトラック
(8)をセンタトレースするように、トラッキング位相量
が設定される。切換えスイッチ(SW1)が制御回路(5)
からのスイッチングパルスにより切り換わることで、再
生レベル検出回路(52)には各磁気ヘッド(3)毎の出力が
入力される。
【0016】この状態で、比較回路(51)は、磁気ヘッド
(3)(3)の出力差を比較し、該出力差が一定値以上であ
れば(S1)、制御回路(5)にその旨及び何れの磁気ヘッ
ド(3)の方が出力が小さいかを、制御回路(5)に向けて
送信する。比較回路(51)が出力差が一定値以下と判断す
れば、制御動作を終了する(S6)。説明の便宜上、比較
回路(51)が当初出力が大きいと判断した方の磁気ヘッド
(3)をAch、小さいと判断した方の磁気ヘッド(3)をB
chと呼ぶ。
【0017】制御回路(5)はトラッキング位相量を徐々
に変化させて、サーボ回路(1)を介して、キャプスタン
モータ(4)に供給するとともに、トラッキング位相量を
アドレスとして、AchとBchの再生出力をメモリ(50)内
のテーブルに一旦格納する(S2)。このときのトラッキン
グ位相量と磁気ヘッドAch、Bchの出力の関係は、図6
乃至図8のグラフの何れかに該当する。仮に図10に示
すような、AchとBchの関係になることも考えられる
が、この場合、Bchのレベルが大きくなるように、当初
のトラッキング位相量を設定すれば、AchとBchの関係
が逆転し、図6に示す関係となる。図6乃至図8に於い
て、実線はAchのトラッキング位相量とヘッド出力の関
係を示し、点線はBchのトラッキング位相量とヘッド出
力の関係を示す。図6乃至図8に於いては、制御動作開
始当初のトラッキング位相量をd1点とする。
【0018】制御回路(5)は、メモリ(50)に格納された
内容から、Bchの出力が最大となるトラッキング位相量
の範囲である区間Cを検索する(S3)。次に、該トラッ
キング位相量の範囲である区間C内で、比較回路(51)を
介して、この区間C内でAchの出力がBchの出力よりも
大きいことを確認する(S4)。仮に、この区間C内で、
Achの出力がBchの出力より低ければ、即ち図8に示す
状態であれば、ステップS7に移行する。制御回路(5)
は区間C内で、Achの出力が最大となる区間又は地点を
サーチする(S5)。この区間は図6のDで示され、地点
は図7のd点で示される。制御回路(5)は区間D又は地
点dを検出すると、サーチ動作を停止し(S6)、区間D内
にある任意のトラッキング位相量又は地点dでのトラッ
キング位相量でトラッキング動作をする旨の情報をサー
ボ回路(1)に送る。
【0019】仮に、ステップS4に於いて、区間C内で
Achの出力がBchの出力より低いときは、即ちAchとB
chの関係が図8に示す状態にあるときは、以下のように
制御動作を行なう。制御回路(5)は区間Cの範囲を越え
て、トラッキング位相量を徐々に小さくしてゆく(S
7)。比較回路(51)はAchとBchの出力を比較し、出力レ
ベルが一致するか否かを確認する(S8)。比較回路(51)
により、両磁気ヘッド(3)(3)の出力レベルが一致した
ことが判明すれば、制御回路(5)はサーチ動作を終了し
(S6)、一致した地点dでのトラッキング位相量で位相制
御を行なうように、サーボ回路(1)に命令する。
【0020】この場合、Achの出力が低下するので、A
chの出力に於けるC/N値(Carrierto noise ratio)は
若干悪化するが、再生画像全体のエラーレートは逆に改
善される。この理由を以下に示す。図9は、C/N値と
再生画像のエラーレートの関係を示すグラフである。C
/N値とエラーレートは反比例する関係にあり、C/N
値が大きくなれば、エラーレートが小さくなる、即ち改
善されるのは周知の事実である。ここで、当初のAchの
出力に於けるC/N値は、図9のe点で示され、Bchの
出力に於けるC/N値はf点で示される。トラッキング
位相量調整後の再生画像全体のC/N値はd2点となる。
Achの出力に於けるC/N値は悪化し、Bchの出力に於
けるC/N値は改善されるが、悪化する値と改善される
値が、同程度であるため、再生画像全体のC/N値は殆
ど変わらない。これに対し、改善されるエラーレート
は、Hの範囲であり、悪化するエラーレートはIで示さ
れる。即ち、改善されるエラーレートの方が悪化するエ
ラーレートより大きいので、再生画像全体としては、エ
ラーレートが改善され、磁気ヘッド(3)のトラック(8)
に対するトレース率を高めることができる。
【0021】また、上述の如く、磁気ヘッド(3)(3)か
らの再生出力に代えて、デジタル復調回路(7)からのエ
ラーレートに基づいて、トラッキング位相量制御動作を
行なってもよい。トラッキング位相量とエラーレートの
関係は図13に示される。即ち、デジタル復調回路(7)
で各磁気ヘッド(3)(3)毎のエラーレートを演算し、一
旦メモリ(50)に格納する。制御回路(5)は、比較回路(5
1)で当初エラーレートが大きいと判断されたBchのエラ
ーレートが一定値以下となるトラッキング位相量の範囲
(図13のC)をメモリ(50)から検索する。次に、該範囲
内でAchのエラーレートが最小となるトラッキング位相
量を検索する。この場合、再生出力を検出する場合に比
して、磁気ヘッド(3)のトラック(8)に対するトレース
率を高めることができる。この理由を以下に示す。磁気
記録再生装置に於けるアジマス損失は、高周波信号のク
ロストークを除去するには効果があるが、低周波信号の
クロストークの除去にはあまり効果がない。従って、隣
接するトラック(8)に低周波信号が記録されていれば、
磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確にトレースしなく
とも、磁気ヘッド(3)からの出力が低下しない場合があ
る。換言すれば、図6に於ける区間Dの範囲が広過ぎた
り、図7の地点dの位置が本来の位置でない場合があ
る。この点、磁気テープ(6)上のデジタル信号に基づく
エラーレートは、磁気ヘッド(3)がトラック(8)を正確
にトレースしなかった割合を示しているため、エラーレ
ートによりトラッキング位相量の制御動作を行なうと、
アジマス損失の影響がなく、磁気ヘッド(3)を正確にト
ラックトレースさせることができる。
【0022】本例の磁気記録再生装置に於いては、各磁
気ヘッド(3)(3)の出力を比較し、ヘッド出力が低い方
の磁気ヘッド(3)に合わせてトラッキング位相量を制御
する。従って、トラッキング制御動作は両磁気ヘッド
(3)(3)の出力を検出して行なわれるから、従来のよう
に一方の磁気ヘッド(3)の出力に基づいてトラッキング
制御を行なうよりも、両磁気ヘッド(3)(3)の出力差を
減らすように、トラッキング微調整ができる。更に、従
来に於ける片方のヘッド出力が小さいことに起因する再
生画面上での違和感も解消される。また、両磁気ヘッド
(3)(3)からの出力が一致するように、トラッキング位
相量を制御すれば、一方の磁気ヘッド(3)の出力に於け
るC/N値は若干低下するものの、他方の磁気ヘッド
(3)の出力に於けるC/N値は改善される。従って、再
生画像全体のC/N値は殆ど変化せず、両磁気ヘッド
(3)(3)からの出力が一致しているから、再生画面上で
の違和感は更に解消される。
【0023】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。例えば、磁気ヘッド(3)は回転シリンダ
(2)の周面に、2つ設けられているとしたが、2つ以上
であればよいのは、勿論である。また、エラーレートの
代わりに、エラーレートに比例する信号若しくは数値を
用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラッキング制御装置のブロック図である。
【図2】磁気テープ上のトラックを示す図である。
【図3】磁気ヘッドの斜視図である。
【図4】各磁気ヘッドの出力の差及びエラーフラグパル
スの多少を示す図である。
【図5】トラッキング制御装置の動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】トラッキング位相量とヘッド出力の関係を示す
グラフである。
【図7】トラッキング位相量とヘッド出力の関係を示す
グラフである。
【図8】トラッキング位相量とヘッド出力の関係を示す
グラフである。
【図9】C/N値とエラーレートの関係を示すグラフで
ある。
【図10】トラッキング位相量とヘッド出力の仮想関係
を示すグラフである。
【図11】従来のトラッキング制御装置のブロック図で
ある。
【図12】従来のトラッキング制御装置が用いられる磁
気テープ上のトラックと磁気ヘッドとの関係を示す図で
ある。
【図13】トラッキング位相量とエラーレートの関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
(2) 回転シリンダ (3) 磁気ヘッド (6) 磁気テープ (7) デジタル復調回路 (8) トラック

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接するトラック(8)(8)をトレースす
    る少なくとも一対の磁気ヘッド(3)(3)を周面に有する
    回転シリンダ(2)に磁気テープ(6)を巻き付けて、テー
    プ送り手段により搬送させ、磁気ヘッド(3)はトラック
    (8)よりも幅広に形成され、磁気ヘッド(3)からの出力
    に基づき、磁気ヘッド(3)に対するテープ送り手段の搬
    送タイミングであるトラッキング位相量を適宜変化させ
    て、テープ送り手段に供給する制御手段を具え、磁気ヘ
    ッド(3)を磁気テープ(6)上のトラック(8)に正確にト
    レースさせる磁気記録再生装置のトラッキング調整装置
    に於いて、 各磁気ヘッド(3)の出力差を比較する比較手段と、トラ
    ッキング位相量に対応した各磁気ヘッド(3)毎の出力を
    一旦格納するメモリ手段とを具え、 制御手段は、比較手段によって当初出力が低いと判断さ
    れた方の磁気ヘッド(3)の出力が最大となるトラッキン
    グ位相量の範囲Cをメモリ手段から検索し、該範囲C内
    トラッキング位相量を変化させて、他の磁気ヘッド
    (3)の出力レベルが最大となるトラッキング位相量を検
    索するサーチ機能を有することを特徴とする磁気記録再
    生装置のトラッキング調整装置。
  2. 【請求項2】 比較手段により、当初出力が低いと判断
    された方の磁気ヘッド(3)の出力が最大レベルとなるト
    ラッキング位相量の範囲C内で、他の磁気ヘッド(3)の
    出力が、該最大レベルよりも低いときは、制御手段は、
    メモリ手段が記憶したトラッキング位相量からずらして
    トラッキング位相量を変化させ、比較手段により両磁気
    ヘッド(3)(3)の出力レベルが一致したことが判明した
    トラッキング位相量にて、トラックトレースを行なう命
    令信号を発する請求項1に記載の磁気記録再生装置のト
    ラッキング調整装置。
  3. 【請求項3】 隣接するトラック(8)(8)をトレースす
    る少なくとも一対の磁気ヘッド(3)(3)を周面に有する
    回転シリンダ(2)に磁気テープ(6)を巻き付けて、テー
    プ送り手段により搬送させ、磁気ヘッド(3)はトラック
    (8)よりも幅広に形成され、磁気ヘッド(3)からの出力
    に基づき、磁気ヘッド(3)に対するテープ送り手段の搬
    送タイミングであるトラッキング位相量を適宜変化させ
    て、テープ送り手段に供給する制御手段を具え、磁気ヘ
    ッド(3)を磁気テープ(6)上のトラック(8)に正確にト
    レースさせる磁気記録再生装置のトラッキング調整装置
    に於いて、 記録時にトラック(8)上に、予めデジタル処理された映
    像又は音声信号を記録し、再生時に該デジタル処理され
    た信号の再生信号から各磁気ヘッド(3)毎のエラーレー
    トを演算するデジタル複調回路(7)を具え、 各磁気ヘッド(3)毎のエラーレートを比較する比較手段
    と、トラッキング位相量に対応した各磁気ヘッド(3)毎
    のエラーレートを一旦格納するメモリ手段とを具え、 制御手段は、比較手段によって当初エラーレートが大き
    いと判断された方の磁気ヘッド(3)のエラーレートが一
    定値以下となるトラッキング位相量の範囲Cをメモリ手
    段から検索し、該範囲C内でトラッキング位相量を変化
    させて、他の磁気ヘッド(3)のエラーレートが最小とな
    るトラッキング位相量を検索するサーチ機能を有するこ
    とを特徴とする磁気記録再生装置のトラッキング調整装
    置。
  4. 【請求項4】 隣接するトラック(8)(8)をトレースす
    る少なくとも一対の磁気ヘッド(3)(3)を周面に有する
    回転シリンダ(2)に、磁気テープ(6)を巻きつけて走行
    させ、磁気ヘッド(3)はトラック(8)よりも幅広に形成
    され、各磁気ヘッド(3)(3)の出力を比較するととも
    に、磁気ヘッド(3)に対するテープ送り手段の搬送タイ
    ミングであるトラッキング位相量毎のヘッド出力をメモ
    リ手段に格納し、 当初出力が低いと判断された方の磁気ヘッド(3)の出力
    が最大となるトラッキング位相量の範囲Cをメモリ手段
    から検索し、該トラッキング位相量の範囲C内でトラッ
    キング位相量を変化させて、他の磁気ヘッド(3)の出力
    レベルが最大となるトラッキング位相量を検索する磁気
    記録再生装置のトラッキング調整方法。
  5. 【請求項5】 隣接するトラック(8)(8)をトレースす
    る少なくとも一対の磁気ヘッド(3)(3)を周面に有する
    回転シリンダ(2)に、磁気テープ(6)を巻きつけて走行
    させ、磁気ヘッド(3)はトラック(8)よりも幅広に形成
    され、磁気テープ(6)上のトラック(8)にはデジタル処
    理された映像又は音声信号が記録され、 該デジタル処理された信号の再生信号に基づき、各磁気
    ヘッド(3)毎のエラーレートを計算し、各磁気ヘッド
    (3)(3)のエラーレートを比較し、 エラーレートの大きい方の磁気ヘッド(3)について、エ
    ラーレートが一定値以下となるトラッキング位相量の範
    囲Cを検索し、該トラッキング位相量の範囲C内でトラ
    ッキング位相量を変化させて、他の磁気ヘッド(3)のエ
    ラーレートが最小となるトラッキング位相量を検索する
    磁気記録再生装置のトラッキング調整方法。
JP07615596A 1996-03-29 1996-03-29 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法 Expired - Fee Related JP3416380B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07615596A JP3416380B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07615596A JP3416380B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09265691A JPH09265691A (ja) 1997-10-07
JP3416380B2 true JP3416380B2 (ja) 2003-06-16

Family

ID=13597157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07615596A Expired - Fee Related JP3416380B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3416380B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113110877A (zh) * 2021-04-19 2021-07-13 河南科技大学 一种二进制串奇偶性的双状态自动识别装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09265691A (ja) 1997-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7161760B2 (en) Reproducing apparatus and reproducing method for reproducing data by scanning slant tracks using a plurality of reproducing heads
JP2617297B2 (ja) 磁気映像再生装置
JP3416380B2 (ja) 磁気記録再生装置のトラッキング調整装置及び調整方法
US5388007A (en) Apparatus for recording and reproducing signals which provides guard bands between sets of recording tracks to improve editing
JP3572759B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH06131821A (ja) 情報信号の記録装置
JPH0489654A (ja) 再生装置
US5506688A (en) Apparatus for recording video signals within recording tracks extending obliquely across a magnetic tape
JPH1011844A (ja) オートトラッキング装置
JPH0836811A (ja) トラッキング制御装置
JP3252989B2 (ja) 磁気記録再生装置
US5793925A (en) Recording method and apparatus for control track
US5859736A (en) Magnetic recording/reproducing apparatus and method for controlling the magnetic head during postrecording or dubbing operation
JP2506914B2 (ja) ディジタルサ―ボ装置
JP4078745B2 (ja) テープドライブ装置の調整方法
JP3484967B2 (ja) 磁気記録再生装置
US20040090705A1 (en) Magnetic head including recording device and servo device, and magnetic recording apparatus and magnetic recording/reproducing apparatus including the magnetic head
JP3302183B2 (ja) トラッキング制御装置
JP3624846B2 (ja) 記録再生装置
JPH0652605A (ja) テープ搬送モータ制御装置
JP2506915B2 (ja) ディジタルサ―ボ装置
JPS6214154B2 (ja)
JP2003173504A (ja) 磁気記録装置及び磁気記録方法
JPS61104457A (ja) 磁気記録再生装置
JPH02192002A (ja) ビデオテープレコーダ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030318

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees