JP2003173504A - 磁気記録装置及び磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録装置及び磁気記録方法

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JP2003173504A
JP2003173504A JP2001370684A JP2001370684A JP2003173504A JP 2003173504 A JP2003173504 A JP 2003173504A JP 2001370684 A JP2001370684 A JP 2001370684A JP 2001370684 A JP2001370684 A JP 2001370684A JP 2003173504 A JP2003173504 A JP 2003173504A
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JP2001370684A
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Kentaro Shinkai
健太郎 新階
Shinko Kiko
真弘 喜古
Hideji Yoshida
秀司 吉田
Yoichiro Senshu
陽一郎 専修
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、磁気記録装置に関し、フライングイ
レーズヘッドを削除して構成を簡易化することを提案す
る。 【解決手段】ディジタルデータが記録されたトラックと
同一の位置を磁気ヘッドがトレースしながら新たにトラ
ックを形成すると共に記録対象のディジタルデータを上
書き記録する際、上書きされない未上書き領域に対し磁
気ヘッドによって所定のダミーデータを記録することに
より、フライングイレーズヘッドを用いることなく、デ
ィジタルデータが記録されたトラックを完全に上書き記
録することができ、かくしてフライングイレーズヘッド
を削除して磁気記録装置の構成を簡易化し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録装置及び磁
気記録方法に関し、例えばカメラ一体型ビデオテープレ
コーダに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタルビデオテープレコーダ
の記録方式としてディジタルビデオ(DV:Digital Vi
deo )方式(IEC 61834 helical scan digital video t
ape cassette recording system using 6.35mm magneti
c tape for consumers(525/60,625/50,1125/60and1250
/50systems))があり、近年ではこのディジタルビデオ
方式に対応したカメラ一体型ビデオテープレコーダや、
据え置き型のビデオテープレコーダが登場している。
【0003】そしてこのディジタルビデオ方式では、使
用する磁気テープ(以下、これをDVテープと呼ぶ)の
テープ幅が6.35〔mm〕(=1/4インチ)となってお
り、例えば従来のアナログビデオテープレコーダの記録
方式として広く用いられているアナログ8〔mm〕方式
(IEC 60843 helical scan video tape cassette recor
ding system using 8mm magnet tape for consumer)で
使用する磁気テープ(以下、これを8〔mm〕ビデオテー
プと呼ぶ)のテープ幅(8〔mm〕)よりも狭くなってい
る。
【0004】また近年では、8〔mm〕ビデオテープにデ
ィジタルビデオ方式のデータフォーマットの映像音声信
号を記録するディジタル8〔mm〕方式が開発されてい
る。
【0005】ところでビデオテープレコーダでは、図1
6(A)及び(B)に示すように、回転ドラム11は、
固定軸11Cに固定されている下固定ドラム11Bに対
して、上回転ドラム11Aが当該固定軸11Cを中心と
して矢印aで示す方向又はこれと逆方向に回転自在に取
り付けられている。上回転ドラム11Aの下端周縁部に
は、固定軸11Cを介して互いにアジマス角が異なる2
つの磁気ヘッド12A、12Bが 180〔°〕対向した位
置に搭載されると共に、その中央位置にフライングイレ
ーズヘッド12Cが搭載されている。
【0006】図17に示すように、上回転ドラム11A
の外周上において、フライングイレーズヘッド12C
は、一対の磁気ヘッド12A、12Bよりも軸方向に沿
ってわずかに上側に取り付けられ、各磁気ヘッド12
A、12Bと高さ方向に段差をもつようになされてい
る。また磁気ヘッド12A、12Bについて、互いに高
さ方向の段差(いわゆるペアリング)が製造誤差として
わずかに生じている。
【0007】これにより記録モード時、フライングイレ
ーズヘッド12Cが記録対象となるトラックをトレース
しながら当該トラックに記録されている信号を消去した
後、当該信号が記録されたトラックと同じ位置を磁気ヘ
ッド12A、12Bがトレースしながら新たにトラック
を形成すると共に当該所定の信号を記録し、以下同様に
かかる消去動作及び記録動作を繰り返し得るようになさ
れている。
【0008】実際に図18に示すように、磁気ヘッド1
2Aによって予め形成された第1の記録トラックTr1
を、フライングイレーズヘッド12Cによって第1の消
去トラックTreが上書きするようにして当該第1の記
録トラックTr1に記録されている信号を消去した直
後、磁気ヘッド12Aによって第1の記録トラックTr
1を形成しながら所定の信号を記録する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかるディジ
タル8〔mm〕方式では、記録モード時にフライングイレ
ーズヘッド12Cが記録対象となるトラックをトレース
しながら当該トラックに記録されている信号を消去した
後、当該信号が記録されたトラックと同じ位置を磁気ヘ
ッド12A、12Bがトレースしながら新たにトラック
を形成すると共に当該所定の信号を記録し、以下同様に
かかる消去動作及び記録動作を繰り返し得るようになさ
れている。
【0010】一方、ディジタルビデオ方式ではフライン
グイレーズヘッドでの当該トラックに記録されている信
号消去は行わず、当該信号が記録されたトラックと同じ
位置を磁気ヘッド12A、12Bがトレースしながら新
たにトラックを形成すると共に当該所定の信号を上書き
記録(いわゆるオーバーライト)する。
【0011】回転ドラムの材料コストにおいて、ヘッド
のコストが占める割合は大きく、ディジタル8〔mm〕方
式においても、ディジタルビデオ方式にようにフライン
グイレーズヘッドを削除できれば、回転バランスを取る
ためにフライングイレーズヘッドの180〔°〕対向に
取り付けるバランスウエイトも削除でき、これにより構
成を簡易化し得ると共に材料コストを安く抑えることが
できる。
【0012】しかしながら、ディジタル8〔mm〕方式の
フォーマットはフライングイレーズヘッドを使用するこ
とを前提に作られており、かつディジタル8〔mm〕方式
のビットパターンはディジタルビデオ方式をそのまま使
用しており、互換オーバーライトに十分な精度がないた
めフライングイレーズを削除することができない。
【0013】互換オーバーライトに十分な精度がないと
いう具体的な内容として、トラックパターンの高さ精度
の公差(すなわちトラックパターンの長手方向において
許容されている誤差の範囲)が広く、当該公差はヘッド
突入入口側で±25〔μm〕、出口側で±40〔μm〕
とフォーマット上規定されている。
【0014】ディジタル8〔mm〕方式でディジタルビデ
オ方式のようなオーバーライトを行うと、図19に示す
ように、当該トラックに記録されている信号がディジタ
ル信号の場合、当該トラックに記録されている下地信号
のパターンと当該下地信号に上書きするディジタル信号
のパターンが最大の公差でばらつくと、ヘッド突入入口
側でITI(Insert Track Information)の一部、出口
側でサブコードが上書きされずに残ってしまい、トラッ
ク上に新旧2つの信号が混在してしまうことで、システ
ムに異常を来たす可能性がある。
【0015】また、トラックに記録されている信号がア
ナログ8〔mm〕方式の場合、上書きするパターン以外の
部分は完全に残ってしまう。また、上書きパターン部も
低減のオーバーライト特性が悪いと、アナログ8〔mm〕
方式の低減信号が下地信号として残ってしまい、アナロ
グ8〔mm〕方式での再生モードとディジタル8〔mm〕方
式での再生モードの自動判別に失敗するおそれがある。
【0016】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、フライングイレーズヘッドを削除した磁気記録装置
及び磁気記録方法を提案しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、所定の記録フォーマットに基づい
て磁気テープの長手方向に沿って順次トラックを形成す
るようにして磁気テープにディジタルデータを記録する
磁気記録装置において、ディジタルデータが記録された
上記トラックと同一の位置を磁気ヘッドがトレースしな
がら新たにトラックを形成すると共に記録対象のディジ
タルデータを上書き記録する際、上書きされない未上書
き領域に対し磁気ヘッドによって所定のダミーデータを
記録する記録手段を設けた。
【0018】この結果、フライングイレーズヘッドを用
いることなく、ディジタルデータが記録されたトラック
を完全に上書き記録することができ、かくしてフライン
グイレーズヘッドを削除して磁気記録装置の構成を簡易
化し得る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施の形態を詳述する。
【0020】(1)本実施の形態による記録方式 以下に本発明を適用した記録方式について現行のアナロ
グ8〔mm〕方式及び従来のディジタルビデオ方式と比較
しながら説明する。本発明を適用した記録方式は、8
〔mm〕ビデオテープにディジタルビデオ方式のデータフ
ォーマットの映像音声信号を記録する方式であり、以下
の説明ではディジタル8〔mm〕方式と呼ぶものとする。
【0021】まずアナログ8〔mm〕方式では、図1に示
すように、8〔mm〕ビデオテープ1に対して直径40〔m
m〕の回転ドラム2をNTSC方式では1800/1.001〔r.
p.m.〕、PAL(Phase alfernation by Line )方式で
は1500〔r.p.m.〕の回転速度で回転(矢印a1 方向)
させながら映像音声信号を記録する。
【0022】この場合回転ドラム2には、例えばアジマ
ス角の異なる2つの磁気ヘッド3A、3Bが180 〔°〕
対向した位置に搭載される。このため2つの磁気ヘッド
3A、3Bが8〔mm〕ビデオテープ1の走行方向(矢印
b1 )に対して所定角度をもって順次交互に走査し、
この結果この図1のように8〔mm〕ビデオテープ1の長
手方向に沿って順次斜めにトラック4が形成される。
【0023】そしてアナログ8〔mm〕方式では、上述の
ように1フィールド分で1本のトラック4を形成するよ
うにして映像音声信号を8〔mm〕ビデオテープ1に記録
する。
【0024】またディジタルビデオ方式では、図2に示
すように、テープ幅が6.35〔mm〕のDVテープ5に対し
て直径21.7〔mm〕の回転ドラム6をNTSC方式では90
00/1.001〔r.p.m.〕、PAL方式では9000〔r.p.m.〕の
回転速度で回転(矢印a2方向)させながらDVデータ
を記録する。
【0025】この場合においても回転ドラム6には、ア
ジマス角の異なる2つの磁気ヘッド7A、7Bが180
〔°〕対向した位置に搭載される。このため2つの磁気
ヘッド7A、7BがDVテープ5の走行方向(矢印b2
)に対して所定角度をもって順次交互に走査し、この
結果この図2のようにDVテープ5の長手方向に沿って
順次斜めにトラック8が形成される。
【0026】そしてディジタルビデオ方式では、一方の
磁気ヘッド7Aにより形成されるトラック8をオッドト
ラックO1、O3、……とし、他方の磁気ヘッド7Bによ
り形成されるトラック8をイーブントラックE2、E4
……としたとき、1フレーム分の映像音声信号がNTS
C方式では5本のオッドトラックO1、O3、……と5本
のイーブントラックE2、E4、……の合計10本のトラッ
クに分割して記録され、PAL方式では6本のオッドト
ラックO1、O3、……と6本のイーブントラックE2
4、……の合計12本のトラック8に分割して記録され
る。
【0027】またこのディジタルビデオ方式では、各ト
ラックに記録するデータ全てに24/25 変換が施される。
記録するデータを24/25 変換することにより、ATF
(Automatic Track Finding )と呼ばれるトラックサー
ボ方式に用いられるパイロット信号がトラック全体に重
畳される。そして再生時において、このパイロット信号
を検出することにより、磁気ヘッドのトラッキングを取
ることができる。この24/25 変換では、24ビット(3バ
イト)毎のデータに対してエキストラビット(1ビッ
ト)を挿入することにより、記録するデータのデータ列
に3つの周波数の低域パイロット成分を重畳している。
【0028】具体的には、記録するデータのランレング
スを9以下にし、図3(A)〜(C)のスペクトラムを
満たすような、周波数f0、周波数f1、周波数f2の
パイロット信号を各トラックに重畳する。そしてこのデ
ィジタルビデオ方式では、例えばオッドトラックに周波
数f0のパイロット信号を交互に重畳する。
【0029】従って、全体としては各トラックに対し
て、……f0、f1、f0、f2、f0、f1、f2、
……といった繰り返しとなるような各周波数のパイロッ
ト信号が記録される。このようなパイロット信号を記録
することによって、周波数f0が記録されたトラックを
磁気ヘッドが走査するとき、隣接トラックから周波数f
1、f2のパイロット信成分をクロストーク信号として
得ることができ、再生時において安定したトラッキング
をかけることができる。
【0030】一方本発明を適用したディジタル8〔mm〕
方式では、図4に示すように、8〔mm〕ビデオテープ1
0に対してアナログ8〔mm〕方式と同径(直径40〔m
m〕)の回転ドラム11をNTSC方式では4500/1.001
〔r.p.m.〕、PAL方式では4500〔r.p.m.〕の回転速度
で回転(矢印a3 )させながらディジタルビデオ方式
のデータフォーマットの映像音声信号を記録する。
【0031】この場合回転ドラム11にはアジマス角の
異なる2つの磁気ヘッド12A、12Bが180 〔°〕対
向した位置に設けられる。このため2つの磁気ヘッド1
2A、12Bが8〔mm〕ビデオテープ10の走行方向
(矢印b3 )に対して所定角度をもって順次交互に走
査し、この結果この図3のように8〔mm〕ビデオテープ
10の長手方向に沿って順次斜めにトラック13が形成
される。
【0032】ここでディジタル8〔mm〕方式では、8
〔mm〕ビデオテープの1本のトラック13に対してディ
ジタルビデオ方式における2トラック分のデータをディ
ジタルビデオ方式のデータパターンのまま連続して記録
する。すなわちディジタル8〔mm〕方式では、ディジタ
ルビデオ方式におけるオッドトラックO1、O3、……の
データと、イーブントラックE2、E4、……のデータと
を組にして、データの内容は変えずに1本のトラック1
3として記録する。
【0033】例えばディジタル8〔mm〕方式では、ディ
ジタルビデオ方式におけるオッドトラックO1のデータ
とイーブントラックE2のデータを組にして、1本のト
ラック13に連続して記録する。そして次のトラック1
3にはディジタルビデオ方式におけるオッドトラックO
3のデータとイーブントラックE4のデータを組にして連
続して記録する。そしてこの後これと同様にしてディジ
タルビデオ方式における連続する2つのトラック8(図
2)のデータを順次組にして1本のトラック13に連続
して記録する。
【0034】従ってディジタル8〔mm〕方式では、1フ
レーム分の映像音声信号が8〔mm〕ビデオテープ10上
にNTSC方式では5本のトラック13に分けて記録さ
れ、PAL方式では6本のトラック13に分けて記録さ
れる。
【0035】またディジタル8〔mm〕方式では、24/25
変換を施すことにより、ATFで用いられる3つの周波
数f0、f1、f2のパイロット信号を各トラックに重
畳している。すなわち、ディジタル8〔mm〕方式におけ
る1トラック毎に、ディジタルビデオ方式に対応させ
て、2トラック毎に周波数が異なるパイロット信号を記
録する。
【0036】具体的には、ディジタルビデオ方式におけ
るイーブントラック(Ech)のデータとオッドトラッ
ク(Och)のデータの一組からなる1つのトラック毎
に、……f0、f1、f0、f2、f0、f1、f0、
f2……といった繰り返しとなる周波数のパイロット信
号を記録する。このようにパイロット信号を記録するこ
とによって、周波数f0が記録されたトラックを磁気ヘ
ッドが記録するとき、隣接トラックから周波数f1、f
2のパイロット成分をクロストーク信号として得ること
ができ、再生時において安定したトラックキングをかけ
ることができる。
【0037】なお図5及び図6に、このディジタル8
〔mm〕方式の具体的な記録フォーマットを示す。
【0038】この図5及び図6からも明らかなように、
ディジタル8〔mm〕方式では、有効ラップ角が 177
〔°〕に選定されている。そしてこの有効ラップ角内に
は、3〔°〕のギャップITG(Inter Track Gap )を
挟んで2つのサブトラックSubTr♯0、SubTr ♯1が設
けられる。
【0039】このとき各サブトラックSubTr ♯0、SubT
r ♯1は、それぞれ回転ドラム11に対する巻付け角が
87〔°〕の範囲に設定され、ディジタルビデオ方式にお
ける1トラック分のデータがディジタルビデオ方式のデ
ータフォーマットのまま記録される。この結果有効ラッ
プ角内において、上述のようにディジタルビデオ方式に
おけるオッドトラックO1、O3、……及びイーブントラ
ックE2、E4、……のデータがそのまま1トラック分ず
つ連続されて記録される。
【0040】さらにこのディジタル8〔mm〕方式では、
回転ドラム11の回転位相に同期して発生するスイッチ
ングパルスSWPにより、回転ドラム11に設けられた
2つの磁気ヘッドが切り換えられる。
【0041】すなわち一方の磁気ヘッド12A(例えば
Ach)による有効ラップ角内のデータの記録が終了した
時点でスイッチングパルスSWPが切り換えられ、他方
の磁気ヘッド12B(例えばBch)の有効ラップ角内の
データの記録が開始する。
【0042】なおこのスイッチングパルスSWPは、回
転ドラム11が 180〔°〕回転する毎に切り換えられ
る。このため有効ラップ角の前段に 1.5〔°〕のマージ
ンが発生する。
【0043】因みに、図7及び図8に本発明を適用した
ディジタル8〔mm〕方式の仕様を、NTSC方式及びP
AL方式に対応させて具体的に示す。比較のため、アナ
ログ8〔mm〕方式及び従来のディジタルビデオ方式の各
仕様も合わせて示す。
【0044】このようにディジタル8〔mm〕方式では、
8〔mm〕ビデオテープ10に対してディジタルビデオ方
式における2トラック分のデータをそのままのデータパ
ターンで連続して1トラックとして記録するようにして
いるため、テープ面積を有効に利用することができ、よ
り高品質の映像を長時間に渡って記録再生することがで
きる。
【0045】図9に、従来のディジタルビデオ方式の記
録時における磁気ヘッドの切換タイミング及びATFパ
イロット信号の順番を示し、図10にディジタル8〔m
m〕方式の記録時における磁気ヘッドの切換タイミング
及びATFパイロット信号の順番を示す。
【0046】なお従来のディジタルビデオ方式では、回
転ドラムの直径は21.7〔mm〕で、ドラム回転数は9000
〔r.p.m 〕であるのに対して、ディジタル8〔mm〕方式
では、回転ドラムの直径は40.0〔mm〕で、ドラム回転数
は4500〔r.p.m 〕である。
【0047】先ず図9に示す従来のディジタルビデオ方
式において、RF信号はクロック周波数(記録レート/
1ヘッド)が 41.85〔Mbps〕であり、このRF信号がオ
ッドトラック(Och)のデータとイーブントラック
(Ech)のデータで交互に配置される。これらオッド
トラック(Och)とイーブントラック(Ech)のR
F信号は、それぞれドラム回転角度の 174〔°〕分に相
当する長さを有し、またこれらオッドトラック(Oc
h)とイーブントラック(Ech)との間はドラム回転
角度の6〔°〕分毎に相当する期間をおいて形成され
る。
【0048】回転ドラム上に配置されている2つの磁気
ヘッドは、イーブントラック(Ech)用のヘッドとオ
ッドトラック(Och)用のヘッドとしてそれぞれ動作
し、これら2つの磁気ヘッドは、回転ドラムが 180
〔°〕回転する毎に、ヘッド切換え用のスイッチングパ
ルスSWPによって交互に切り換えられる。
【0049】これによりオッドトラック(Och)とイ
ーブントラック(Ech)のRF信号は、ドラム回転角
度の 174〔°〕分毎にそれぞれ1本のトラック上に記録
されることになる。
【0050】また従来のディジタルビデオ方式における
ATFパイロット信号は、オッドトラック(Och)と
イーブントラック(Ech)とが交互に配置される各ト
ラックに対して、……f0、f1、f0、f2、f0、
f1、……のような繰り返しとなるように記録される。
【0051】一方、ディジタル8〔mm〕方式では、RF
信号のクロック周波数(記録レート/1ヘッド)が 41.
85〔Mbps〕となっており、従来のディジタルビデオ方式
と変わらない。サブトラックSubTr ♯0には、従来のデ
ィジタルビデオ方式のオッドトラック(Och)のデー
タが記録され、サブトラックSubTr ♯1には、従来のデ
ィジタルビデオ方式のイーブントラック(Ech)のデ
ータが記録される。サブトラックSubTr ♯0とサブトラ
ックSubTr ♯1との間には、巻き付け角の6〔°〕分毎
に相当する期間が形成され、サブトラックSubTr ♯0の
データの開始位置から、次のサブトラックSubTr ♯0の
データの開始位置までの回転角が 180〔°〕となる。
【0052】図10に示すように、回転ドラム上に配さ
れている2つの磁気ヘッドは、サブトラックSubTr ♯0
及びサブトラックSubTr ♯1の一組のRF信号からなる
チャンネル毎に、スイッチングパルスSWPによって交
互に切り換えられる。
【0053】すなわちディジタル8〔mm〕方式では、デ
ィジタルビデオ方式におけるオッドトラック(Och)
及びイーブントラック(Ech)の一組のRF信号を、
1つのチャンネルとして扱っており、従ってこれら一組
のRF信号からなる1つのチャンネルを、回転ドラムが
180〔°〕回転する毎に1本のトラックとして記録する
ことになる。
【0054】またディジタル8〔mm〕方式におけるAT
Fパイロット信号は、それら一組のRF信号からなる1
つのチャンネルが交互に配置される各トラックに対して
……f0、f1、f0、f2、f0、f1、……のよう
な繰り返しとなるように記録される。上述したようなヘ
ッド切換え及びATFパイロット信号の組換えを行い、
トラッキングパターンを形成している。
【0055】(2)本実施の形態によるビデオテープレ
コーダの構成 ここで図11は、本発明を適用したカメラ一体型のビデ
オテープレコーダ20を示すものである。このビデオテ
ープレコーダ20では、回転ドラム21にそれぞれアジ
マス角の異なる2つの磁気ヘッド22A、22Bが 180
〔°〕対向した位置に搭載されており、これら2つの磁
気ヘッド22A、22Bによって映像音声信号をディジ
タル8〔mm〕方式で8〔mm〕ビデオテープ23に記録再
生し、かつ8〔mm〕ビデオテープ23にアナログ8〔m
m〕方式で記録された映像音声信号を再生し得るように
なされている。
【0056】実際上このビデオテープレコーダ20で
は、筐体の所定位置に動作モード選択用の操作キー24
が設けられており、当該操作キー24を操作することよ
ってディジタル8〔mm〕方式での記録モード若しくは再
生モード、又はアナログ8〔mm〕方式での再生モードの
いずれかの動作モードを選択できるようになされてい
る。
【0057】そしてこのビデオテープレコーダ20にお
いては、この操作キー24が操作されることにより1つ
の動作モードが選択されると、これに応じたモード選択
信号S1がコントロール部25のモード遷移部26を介
して動作モード指定信号S2としてディジタル8〔mm〕
用メカ・サーボコントローラ27に与えられる。
【0058】ディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコント
ローラ27は、供給される動作モード指定信号S2に基
づいて、例えばディジタル8〔mm〕方式での記録モード
が指定された場合には、モータ制御部28を介してドラ
ムモータ29及びキャプスタンモータ30を制御するこ
とにより、回転ドラム21をNTSC方式では4500/1.0
01〔r.p.m.〕、PAL方式では4500〔r.p.m.〕の回転速
度で回転させる一方、当該回転ドラム21にローディン
グさせた8〔mm〕ビデオテープ23をNTSC方式の標
準モード時には14.348/1.001〔mm/sec〕、長時間(L
P)モード時には9.590/1.001〔mm/sec〕の走行速度で
走行させ、PAL方式の標準モード時には14.348〔mm/s
ec〕、長時間モード時には 9.590〔mm/sec〕の走行速度
で走行させる。
【0059】またディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコ
ントローラ27は、これと共にディジタル8〔mm〕用信
号処理部31を制御する。このときディジタル8〔mm〕
用信号処理部31には、レンズ系及びCCD(Charge C
oupled Device )等からなる撮像部32からアナログ波
形の撮像信号S3が与えられると共に、図示しないマイ
クロホンから音声入出力端子33を介してアナログ波形
の音声信号S4が与えられる。
【0060】かくしてディジタル8〔mm〕用信号処理部
31は、ディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコントロー
ラ27の制御のもとに、供給される撮像信号S3及び音
声信号S4に対してアナログ/ディジタル変換処理、符
号化処理、エラー訂正処理及びATF(Automatic Trac
k Finding )信号の重畳処理及び変調処理等のディジタ
ルビデオ方式に応じた所定の記録信号処理を順次施し、
得られたディジタルビデオ方式のデータフォーマットの
映像音声データ(以下、これをDVデータと呼ぶ)D1
をヘッドドライバ34に送出する。
【0061】そしてヘッドトライバ34は、このときデ
ィジタル8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ27から
与えられるスイッチングパルスSWPに基づいて、供給
されるDVデータD1を、磁気ヘッド22A、22Bが
8〔mm〕ビデオテープ23上を走査するタイミングでデ
ィジタルビデオ方式における2トラック分ずつ各磁気ヘ
ッド22A、22Bにそれぞれ順次交互に切り換えなが
ら送出する。
【0062】この結果このビデオテープレコーダ20で
は、8〔mm〕ビデオテープ23に対して、各磁気ヘッド
22A、22Bによってディジタルビデオ方式における
2トラック分ずつのDVデータD1が連続して1つのト
ラックとして順次記録される。
【0063】このようにしてこのビデオテープレコーダ
20においては、記録モード時、撮像部32から出力さ
れる撮像信号S3及びマイクロホンから出力される音声
信号S4を図3について上述したディジタル8〔mm〕方
式で8〔mm〕ビデオテープ23に記録し得るようになさ
れている。
【0064】一方ディジタル8〔mm〕メカ・サーボコン
トローラ27は、動作モード指定信号S2に基づいて、
例えばディジタル8〔mm〕方式での再生モードが指定さ
れた場合には、モータ制御部28を介してドラムモータ
29及びキャプスタンモータ30を制御することによ
り、上述のディジタル8〔mm〕方式での記録モード時と
同じ回転速度で回転ドラム21を回転させると共に、デ
ィジタル8〔mm〕方式での記録モード時と同じ走行速度
で8〔mm〕ビデオテープ23を走行させる。
【0065】この結果回転ドラム21が1回転する毎に
当該回転ドラム21に搭載された各磁気ヘッド22A、
22Bによってそれぞれ8〔mm〕ビデオテープ23にお
ける1トラック分(ディジタルビデオ方式における2ト
ラック分)のDVデータD1が順次再生され、これがヘ
ッドドライバ34を介してディジタル8〔mm〕用信号処
理部31に与えられる。
【0066】そしてディジタル8〔mm〕用信号処理部3
1は、ディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ
27の制御のもとに駆動して、このDVデータに対して
復調処理、エラー訂正処理、復号処理及びディジタル/
アナログ変換処理等のディジタルビデオ方式に応じた所
定の再生信号処理を施し、かくして得られた映像信号を
再生映像信号S5として映像入出力端子35を介して外
部に出力する一方、得られた音声信号を再生音声信号S
6として音声入出力端子33を介して外部に出力する。
【0067】またこのときディジタル8〔mm〕用信号処
理部31は、DVデータD1に重畳されているATF信
号S7を分離抽出し、これをディジタル8〔mm〕用メカ
・サーボコントローラ27に送出する。そしてディジタ
ル8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ27は、このA
TF信号S7に基づいてモータ制御部28を介してキャ
プスタンモータ30の回転速度を制御するようにしてト
ラッキング制御する。
【0068】このようにしてこのビデオテープレコーダ
20は、ディジタル8〔mm〕方式での再生モード時、図
3について上述したディジタル8〔mm〕方式で8〔mm〕
ビデオテープ23に記録されたDVデータD1を再生し
て外部に出力し得るようになされている。
【0069】これに対してディジタル8〔mm〕用メカ・
サーボコントローラ27は、動作モード指定信号S2に
基づいて、例えばアナログ8〔mm〕方式での再生モード
が指定された場合には、これを知らせるモード遷移信号
S8をコントロール部25を介してアナログ8〔mm〕用
メカ・サーボコントローラ36に送出する。
【0070】このときアナログ8〔mm〕用メカ・サーボ
コントローラ36は、モード遷移信号S8に基づいて、
モータ制御部28を介してドラムモータ29及びキャプ
スタンモータ30を制御することにより、回転ドラム2
1をNTSC方式では1800/1.001〔r.p.m 〕、PAL方
式では1800〔r.p.m 〕の回転速度で回転させる一方、8
〔mm〕ビデオテープ23をNTSC方式の標準モード時
には14.354〔mm/sec〕、長時間モード時には 7.186〔mm
/sec〕の走行速度で走行させ、PAL方式の標準モード
時には20.051〔mm/sec〕、長時間モード時には10.058
〔mm/sec〕の走行速度で走行させる。
【0071】この結果回転ドラム21が1回転する毎に
8〔mm〕ビデオテープ23にアナログ8〔mm〕方式で記
録された映像音声信号S10が各磁気ヘッド22A、2
2Bによってそれぞれ1トラック分ずつ順次再生され、
これがヘッドドライバ34を介してアナログ8〔mm〕用
信号処理部37に与えられる。
【0072】このときアナログ8〔mm〕用信号処理部3
7は、アナログ8〔mm〕メカ・サーボコントローラ36
の制御のもとに、供給される映像音声信号S10に対し
てアナログ8〔mm〕方式に応じた所定の信号処理を施
し、かくして得られたアナログ波形の映像信号を再生映
像信号S5として映像入出力端子35を介して外部に出
力すると共に、アナログ波形の音声信号を再生音声信号
S6として音声入出力端子33を介して外部に出力す
る。
【0073】またこのときアナログ8〔mm〕用信号処理
部37は、映像音声信号S10に重畳されているATF
信号S11を分離抽出し、これをアナログ8〔mm〕用メ
カ・サーボコントローラ36に送出する。そしてアナロ
グ8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ36は、このA
TF信号S11に基づいてモータ制御部28を介してキ
ャプスタンモータ30の回転速度を制御するようにして
トラッキング制御する。
【0074】このようにしてこのビデオテープレコーダ
20は、アナログ8〔mm〕方式での再生モード時、アナ
ログ8〔mm〕方式で8〔mm〕ビデオテープ23に記録さ
れた映像音声信号を再生して外部に出力し得るようにな
されている。
【0075】なおこのビデオテープレコーダ20の場
合、ディジタル8〔mm〕方式での再生モード時には、ヘ
ッドドライバ34の出力がディジタル8〔mm〕用メカ・
サーボコントローラ27のアナログ8〔mm〕信号検出部
38に与えられる。
【0076】そしてこのときアナログ8〔mm〕信号検出
部38は、このヘッドドライバ34の出力を常時監視
し、アナログ8〔mm〕方式の信号(すなわち映像音声信
号S10)を検出したときには、これを知らせるアナロ
グ8〔mm〕検出信号S12をコントロール部25のモー
ド切替え部39に送出する。またモード切替え部39
は、アナログ8〔mm〕検出信号S12が与えられると、
これに応じたモード切替え信号S13をディジタル8
〔mm〕用メカ・サーボコントローラ27に送出する。
【0077】さらにディジタル8〔mm〕用メカ・サーボ
コントローラ27は、モード切替え信号S13が与えら
れると、ディジタル8〔mm〕用信号処理部31の信号処
理動作を停止させると共にモータ制御部28を介してド
ラムモータ29及びキャプスタンモータ30の制御を停
止させる一方、モード遷移信号S8をコントロール部2
5を介してアナログ8〔mm〕用メカ・サーボコントロー
ラ36に送出する。
【0078】そしてアナログ8〔mm〕用メカ・サーボコ
ントローラ36は、供給されるモード遷移信号S8に基
づいて、モータ制御部28を介してドラムモータ29及
びキャプスタンモータ30を制御することによりこれら
を上述のアナログ8〔mm〕方式での再生モード時と同様
に回転させる一方、アナログ8〔mm〕用信号処理部37
を制御して上述のアナログ8〔mm〕方式での再生モード
時と同様の信号処理動作を開始させる。
【0079】このようにしてこのビデオテープレコーダ
20においては、ディジタル8〔mm〕方式での再生モー
ド時にアナログ8〔mm〕方式の信号を再生したときに
は、動作モードをアナログ8〔mm〕方式での再生モード
に切り替える。
【0080】またこれと同様にして、このビデオテープ
レコーダ20では、アナログ8〔mm〕方式での再生モー
ド時にはヘッドドライバ34の出力がアナログ8〔mm〕
用メカ・サーボコントローラ36のディジタル8〔mm〕
信号検出部40に与えられる。
【0081】そしてこのときディジタル8〔mm〕信号検
出部40は、このヘッドドライバ34の出力を常時監視
し、ディジタル8〔mm〕方式の信号(すなわちDVデー
タD1)を検出したときには、これを知らせるディジタ
ル8〔mm〕検出信号S14をコントロール部25のモー
ド切替え部39に送出する。またモード切替え部39
は、ディジタル8〔mm〕検出信号S14が与えられる
と、これに応じたモード切替え信号S13をディジタル
8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ27に送出する。
【0082】さらにディジタル8〔mm〕用メカ・サーボ
コントローラ27は、モード切替え信号S13が与えら
れると、モード遷移信号S8をコントロール部25を介
してアナログ8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ36
に送出する。
【0083】この結果アナログ8〔mm〕用メカ・サーボ
コントローラ36は、このモード遷移信号S13に基づ
いてアナログ8〔mm〕用信号処理部37を制御すること
により信号処理動作を停止させると共に、モータ制御部
28を介したドラムモータ29及びキャプスタンモータ
30の制御を停止する。
【0084】またこのときディジタル8〔mm〕用メカ・
サーボコントローラ27は、モータ制御部28を介して
ドラムモータ29及びキャプスタンモータ30を制御す
ることによりこれらを上述のディジタル8〔mm〕方式で
の再生モード時と同様に回転させる一方、ディジタル8
〔mm〕用信号処理部31を制御することにより上述のデ
ィジタル8〔mm〕方式での再生モード時と同様の信号処
理動作を開始させる。
【0085】このようにしてこのビデオテープレコーダ
20においては、アナログ8〔mm〕方式での再生モード
時にディジタル8〔mm〕方式の信号を再生したときに
は、動作モードをディジタル8〔mm〕方式での再生モー
ドに切り替えるようになされている。
【0086】(3)オーバーライト (3−1)トラックに記録されている信号がディジタル
8〔mm〕信号でオーバーライトを行う場合 ディジタル8〔mm〕方式のフォーマットにおける各ブロ
ックの位置(8〔mm〕ビデオテープの下エッジからの高
さ)を図19に示す。ディジタル8〔mm〕方式のフォー
マットでは、トラックパターンの高さ精度の公差(すな
わちトラックパターンの長手方向において許容されてい
る誤差の範囲)として、ヘッド突入入口側で±25〔μ
m〕、出口側で±40〔μm〕と規定されている。
【0087】例えば、トラックに記録されているトラッ
クパターンの入口側がフォーマットセンター値に対して
−25〔μm〕の位置αにあり、このトラックをフォー
マットセンター値に対して+25〔μm〕の位置βから
上書きすると、入口側のITI#0 SSA が未上書き部分とな
って信号が残ってしまい、再生時に動作に異常を来たす
可能性がある。
【0088】そこで、未上書き部分を本信号に害の無い
下地信号消去用の信号γで上書きすることにより、下地
信号を完全に消去することができる。具体的には、入口
側消去パターン延長量は、上書きパターンと下地パター
ンのトラックずれ量16〔μm〕を考慮して、次式
【0089】
【数1】
【0090】によって算出され、この場合、入口側に下
地信号の消去用のパターンを39〔μm〕延長すること
になる。
【0091】一方、トラックに記録されているトラック
パターンの出口側がフォーマットセンター値に対して+
40〔μm〕の位置δにあり、このトラックをフォーマ
ットセンター値に対して−40〔μm〕の位置εまで上
書きすると、出口側のSub-Code#1SC-sync blocksが未上
書き部分となって信号が残ってしまい、再生時に動作に
異常を来す可能性がある。
【0092】そこで、未上書き部分を本信号に害の無い
下地信号消去用の信号ζで上書きすることにより、下地
信号を完全に消去することができる。具体的には、出口
側消去パターン延長量は、上書きパターンと下地パター
ンのトラックずれ量16〔μm〕を考慮して、次式
【0093】
【数2】
【0094】によって算出され、この場合、出口側に下
地信号の消去用のパターンを49〔μm〕延長すること
になる。
【0095】また、ディジタル8〔mm〕方式では一本の
トラック内のサブトラックSubTr#0とサブトラックSubTr
#1 との間に巻き付け角6〔°〕分毎に相当する期間η
が形成されているが、この部分においてもトラックパタ
ーンの高さ精度のばらつきにより、未上書き部分が発生
する。そこで、サブトラックSubTr#0 とサブトラックSu
bTr#1 との間に巻き付け角6〔°〕分毎に相当する部分
を本信号に害の無い下地信号消去用の信号θで上書きす
ることで、下地信号を完全に消去することができる。
【0096】以上のことから、図12に示すように、デ
ィジタル8〔mm〕のトラックパターンの高さ精度のばら
つきを考慮して、入口側と出口側、およびサブトラック
SubTr#0 とサブトラックSubTr#1 との間に巻き付け角の
6〔°〕分毎に相当する部分を、本信号に害の無い下地
信号消去用の信号を記録することにより、フライングイ
レーズヘッドを使わずに下地信号を完全に消去すること
ができる。
【0097】(3−2)トラックに記録されている信号
がアナログ8〔mm〕信号でオーバーライトを行う場合 この場合においても、上書き記録する信号は、トラック
に記録されている信号がディジタル8〔mm〕方式の場合
と同一であり、上書き記録パターン上には未上書き部分
は無い。
【0098】ディジタル8〔mm〕信号の上書きにより、
下地信号となるアナログ8〔mm〕信号の高域成分は、十
分上書き信号で書き換えられるが、低域成分のATFパ
イロット信号やクロマ信号等の低域信号は、従来の記録
電流20〜25〔mA〕では上書きで消去できず、残っ
てしまう。そこで、記録電流を30〜35〔mA〕に記
録電流を増やすことにより、低域のオーバーライト特性
を改善して低域成分の消去率を向上させることができ、
アナログ8〔mm〕方式での再生モードとディジタル8
〔mm〕方式での再生モードの自動判別に問題なく対応す
ることができる。
【0099】ここで図13にMP(メタルパウダ)テー
プからなる8〔mm〕ビデオテープにおける記録電流とエ
ラーレートの関係を示す。記録電流が18〔mA〕より
低くなると、エラーレートは急激に悪化する。従って、
従来のディジタル8〔mm〕方式の記録電流は5〔mA〕
のマージンを考慮して23〔mA〕となっている。ま
た、ヘッド特性から23〔mA〕よりも電流を高くした
場合、電流を低くする場合に比べ急激なエラーレートの
悪化は見られず、徐々にエラーレートが悪化している。
本発明の記録電流30〜35〔mA〕におけるエラーレ
ートは、従来の記録電流23〔mA〕に比べ約半桁悪化
するだけで済む。
【0100】図14に下地が8〔mm〕記録されたMP
テープをフライングイレーズヘッドを用いず、記録再生
ヘッドでオーバーライトした時の下地8〔mm〕ATF
信号の消去率を示す。従来の記録電流23〔mA〕の消
去率に比べ、本発明の記録電流30〜35〔mA〕にお
ける消去率は約1.5〔dB〕改善する。その結果、ア
ナログ8〔mm〕方式での再生モードとディジタル8〔m
m〕方式での再生モードの自動判別において、誤判別を
起こさない消去率5〔dB〕をクリアしている。
【0101】なお再生モードの自動判別方法は、図15
に示すようなマトリックスを利用して行うようになされ
ている。すなわち、再生モードの自動判別方法において
は、テープからの信号出力があり、かつパイロット信号
がない場合には、ディジタル8〔mm〕方式での再生モー
ドと判別する一方、テープからの信号出力があり、かつ
DV system dataがない場合には、アナログ8〔mm〕方式
での再生モードと判別する。
【0102】以上の結果から、エラーレートの軽微な悪
化はあるが、記録電流を30〜35〔mA〕にすること
により、アナログ8〔mm〕方式での再生モートとディジ
タル8〔mm〕方式での再生モードの自動判別に問題なく
対応することができる。
【0103】(4)本実施の形態の動作及び効果 以上の構成において、ディジタル8〔mm〕方式を採用し
たビデオテープレコーダ20では、従来回転ドラム21
に搭載されたフライングイレーズヘッドを削除すると共
に、上書き時にフォーマット上のトラック高さの公差に
より発生する未上書き部分に対し、磁気ヘッド22A、
22Bによって本信号に害の無い信号を記録することに
より、当該信号が記録されたトラックを完全に上書きし
て、未上書き部分が残らないようにした。
【0104】また、トラックに記録されている信号がア
ナログ8〔mm〕信号の場合には、上書き時に磁気ヘッド
22A、22Bに流す記録電流を大きくすることによ
り、オーバーライト特性を改善し、低域の信号を消去す
るようにした。
【0105】この結果、ビデオテープレコーダ20で
は、フライングイレーズヘッド削除と同時に、フライン
グイレーズヘッドの180〔°〕対向位置にあったバラ
ンスウエイトの削除が可能となり、構成を簡易化し得る
と共に回転ドラム21のコストを抑えることができる。
【0106】以上の構成によれば、フライングイレーズ
ヘッドを削除すると共に、上書き時にフォーマット上の
トラック高さの公差により発生する未上書き部分に対
し、磁気ヘッド22A、22Bによって本信号に害の無
い信号を記録することにより、当該信号が記録されたト
ラックを完全に上書きして、未上書き部分が残らないよ
うにすることができ、従ってビデオテープレコーダ20
の構成を簡易化し得る。
【0107】(5)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、本発明をアナログ8
〔mm〕方式及びディジタル8〔mm〕方式の信号を記録し
得るようになされたカメラ一体型のビデオテープレコー
ダに適用するようにした場合について述べたが、本発明
はこれに限らず、所定の記録フォーマットに基づいて磁
気テープの長手方向に沿って順次トラックを形成するよ
うにして磁気テープにディジタルデータを記録する他の
種々の磁気記録装置に本発明を適用するようにしても良
い。
【0108】また上述の実施の形態においては、記録手
段としてディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコントロー
ラ27を適用した場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、ディジタルデータが記録されたトラックと同
一の位置を磁気ヘッドがトレースしながら新たにトラッ
クを形成すると共に記録対象のディジタルデータを上書
き記録する際、上書きされない未上書き領域に対し磁気
ヘッドによって所定のダミーデータを記録する他の種々
の記録手段を適用するようにしても良い。
【0109】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、ディジタ
ルデータが記録されたトラックと同一の位置を磁気ヘッ
ドがトレースしながら新たにトラックを形成すると共に
記録対象のディジタルデータを上書き記録する際、上書
きされない未上書き領域に対し磁気ヘッドによって所定
のダミーデータを記録することにより、フライングイレ
ーズヘッドを用いることなく、ディジタルデータが記録
されたトラックを完全に上書き記録することができ、か
くしてフライングイレーズヘッドを削除して磁気記録装
置の構成を簡易化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログ8〔mm〕方式における記録フォーマッ
トの説明に供する略線図である。
【図2】従来のディジタルビデオ方式における記録フォ
ーマットの説明に供する略線図である。
【図3】パイロット信号のスペクトラム特性の説明に供
するグラフである。
【図4】ディジタル8〔mm〕方式における記録フォーマ
ットの説明に供する略線図である。
【図5】ディジタル8〔mm〕方式の具体的な説明に供す
る略線図である。
【図6】ディジタル8〔mm〕方式の具体的な説明に供す
る略線図である。
【図7】各種記録方式の仕様を示す図表である。
【図8】各種記録方式の仕様を示す図表である。
【図9】従来のディジタルビデオ方式の記録時の動作の
説明に供するタイミングチャードである。
【図10】本実施の形態によるディジタル8〔mm〕方式
の記録時の動作の説明に供するタイミングチャードであ
る。
【図11】本実施の形態によるビデオテープレコーダの
構成を示すブロック図である。
【図12】本発明における記録パターンの説明に供する
略線図である。
【図13】記録電流とエラーレートの関係を示す略線図
である。
【図14】記録電流と8〔mm〕ATF消去率の説明に供
する略線図である。
【図15】再生モード自動判別方法の説明に供する図表
である。
【図16】回転ドラムの構成を示す側面図及び上面図で
ある。
【図17】フライングイレーズヘッドの位置関係を示す
略線図である。
【図18】記録時におけるトラック間の位置関係の説明
に供する略線図である。
【図19】ディジタル8〔mm〕方式のフォーマットにお
ける各ブロックの位置(下エッジからの高さ)を示す図
表である。
【符号の説明】
1、10、23……8〔mm〕ビデオテープ、11、21
……回転ドラム、12A、12B、22A、22B……
磁気ヘッド、20……ビデオテープレコーダ、27……
ディジタル8〔mm〕用メカ・サーボコントローラ、29
……ドラムモータ、30……キャプスタンモータ、31
……ディジタル8〔mm〕用信号処理部、34……ヘッド
ドライバ、36……アナログ8〔mm〕用メカ・サーボコ
ントローラ、37……アナログ8〔mm〕用信号処理部、
D1……DVデータ、S3……撮像信号、S10……映
像音声信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 秀司 東京都品川区北品川6丁目7番35号ソニー 株式会社内 (72)発明者 専修 陽一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号ソニー 株式会社内 Fターム(参考) 5D031 AA03 BB02 CC04 CC11 EE07 HH11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の記録フォーマットに基づいて磁気テ
    ープの長手方向に沿って順次トラックを形成するように
    して上記磁気テープにディジタルデータを記録する磁気
    記録装置において、 上記ディジタルデータが記録された上記トラックと同一
    の位置を磁気ヘッドがトレースしながら新たに上記トラ
    ックを形成すると共に記録対象のディジタルデータを上
    書き記録する際、上書きされない未上書き領域に対し上
    記磁気ヘッドによって所定のダミーデータを記録する記
    録手段を具えることを特徴とする磁気記録装置。
  2. 【請求項2】上記未上書き領域は、 新たに上記トラックを上記磁気テープに形成する際、上
    記記録フォーマットにおいて許容されているトラック位
    置の誤差によって発生することを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録装置。
  3. 【請求項3】上記記録手段は、 上記トラックにアナログ信号が記録されている場合、上
    記記録対象のディジタルデータを上書き記録する際に上
    記磁気ヘッドに流す記録電流を大きくすることを特徴と
    する請求項1に記載の磁気記録装置。
  4. 【請求項4】上記記録フォーマットは、ディジタル8
    〔mm〕方式でなることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気記録装置。
  5. 【請求項5】所定の記録フォーマットに基づいて磁気テ
    ープの長手方向に沿って順次トラックを形成するように
    して上記磁気テープにディジタルデータを記録する磁気
    記録方法において、 上記ディジタルデータが記録された上記トラックと同一
    の位置を磁気ヘッドがトレースしながら新たに上記トラ
    ックを形成すると共に記録対象のディジタルデータを上
    書き記録する際、上書きされない未上書き領域に対し上
    記磁気ヘッドによって所定のダミーデータを記録するこ
    とを特徴とする磁気記録方法。
  6. 【請求項6】上記未上書き領域は、 新たに上記トラックを上記磁気テープに形成する際、上
    記記録フォーマットにおいて許容されているトラック位
    置の誤差によって発生することを特徴とする請求項5に
    記載の磁気記録方法。
  7. 【請求項7】上記トラックにアナログ信号が記録されて
    いる場合、上記記録対象のディジタルデータを上書き記
    録する際に上記磁気ヘッドに流す記録電流を大きくする
    ことを特徴とする請求項5に記載の磁気記録方法。
  8. 【請求項8】上記記録フォーマットは、ディジタル8
    〔mm〕方式でなることを特徴とする請求項5に記載の磁
    気記録方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7880998B2 (en) 2007-12-21 2011-02-01 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Multiple writing process for magnetic bit-patterned media

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7880998B2 (en) 2007-12-21 2011-02-01 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Multiple writing process for magnetic bit-patterned media

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