JP3416364B2 - 光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents

光起電力素子及びその製造方法

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JP3416364B2
JP3416364B2 JP30709595A JP30709595A JP3416364B2 JP 3416364 B2 JP3416364 B2 JP 3416364B2 JP 30709595 A JP30709595 A JP 30709595A JP 30709595 A JP30709595 A JP 30709595A JP 3416364 B2 JP3416364 B2 JP 3416364B2
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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光起電力素子及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、複数の半導体層を積層し、pin接合等をその内部
に形成した光起電力装置においては、半導体層の接合界
面を凹凸化したテクスチャー構造を形成することによ
り、半導体層内に光を閉じ込め、光電変換効率を向上さ
せる研究がなされている。しかしながら、多くの研究
は、Solar Cells,11(1984)357-366 に示されているよう
に、基板上に形成する透明導電膜または金属反射膜の表
面にテクスチャー構造を形成するものである。
【0003】図7は、透明導電膜の表面にテクスチャー
構造を形成した従来の光起電力装置を示す断面図であ
る。図7を参照して、基板1の上には透明導電膜2が形
成されている。透明導電膜2は、その表面にサブミクロ
ンオーダーのテクスチャー形状が形成されている。この
ようなテクスチャー構造は、例えば四塩化錫(SnCl
4 )や4−メチル錫(Sn(CH3 4 )を原料とし、
熱CVD法やスプレー法等で形成することにより形成さ
れる。このようなテクスチャー形状を有する透明導電膜
2の上には、p層またはn層3、i層4、n層またはp
層5が順次積層され、さらにその上に裏面電極層6が形
成されている。これらp層、i層及びn層は、それぞれ
p型、i型及びn型の非晶質シリコンに代表される非晶
質半導体からなる。図7に示されるように、基板1上の
下地層となる透明電極膜2の表面にテクチスャー構造を
形成することにより、その上に積層する層の表面もテク
スチャー構造の凹凸形状を受け継ぎ凹凸形状に形成され
る。しかしながら、上方の積層膜になるに従い、その凹
凸形状が鈍くなっている。図7においては、p層または
n層3とi層4の界面の凹凸形状に比べ、i層4とn層
またはp層5との界面の凹凸形状の方が鈍くなっている
ことがわかる。
【0004】図8は、同様に透明導電膜の表面にテクス
チャー構造を形成し、この透明導電膜上に半導体層を積
層することにより形成したタンデム構造の光起電力素子
を示す断面図である。図8を参照して、n層またはp層
5の上には、次のセル単位となるp層まはたn層7、i
層8、及びn層またはp層9が積層され、さらにこの上
に裏面電極層10が形成されている。このようにさらに
多数積層していくと、テクスチャー構造の凹凸形状がさ
らに鈍くなることがわかる。例えば、i層8とn層また
はp層9との界面は、i層4とn層またはp層5との界
面の凹凸形状よりもさらに鈍くなっている。
【0005】このように従来の光起電力装置では、透明
電極膜または金属反射膜にテクスチャー構造を付与して
も、その上に半導体層を積層していくと、半導体層の上
方の界面では、テクスチャー構造の凹凸形状が鈍くな
り、十分な光閉じ込め効果を得ることができていなかっ
た。
【0006】また、テクスチャー構造の凹凸形状が、散
乱させたい光の波長と関連するものであるので、半導体
層表面のテクスチャー構造の凹凸形状を自由に制御する
ことができれば、光閉じ込め効果をさらに十分に得るこ
とが可能になる。
【0007】本発明の目的は、基板から離れた半導体層
表面のテクスチャー構造を自由に制御することができ、
光閉じ込め効果を十分に得ることができる光起電力素子
の構造及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光起電力素子
は、基板上方に複数の半導体層を積層することにより構
成された光起電力素子であり、複数の半導体層のうち
層またはi層の一部の層として、前記基板と反対側の表
面をエッチングしてテクチャー構造としたダイヤモンド
様炭素膜が設けられている。
【0009】本発明の製造方法は、上記本発明の光起電
力素子を製造することができる方法であり、複数の半導
体層のうちの少なくとも1つの半導体層として、sp3
構造/sp2 構造の比を所定の比率に制御したダイヤモ
ンド様炭素膜を形成する工程と、ダイヤモンド様炭素膜
のsp2 構造を選択的にエッチングすることによりその
表面にテクスチャー構造を形成する工程とを備えてい
る。
【0010】ダイヤモンド様炭素膜は、H2 、He、N
e、Ar、Kr、またはこれらのうちの少なくとも1種
を含む混合ガスを処理用ガスとして用い、プラズマ処理
することによりエッチングすることができる。このよう
なエッチングの際、ダイヤモンド様炭素膜のsp2 構造
が選択的にエッチングされ、この結果凹凸形状のテクス
チャー構造が形成される。
【0011】ダイヤモンド様炭素膜のsp3 構造/sp
2 構造の比は、0.8以上3.2以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは1.0以上3.2以下であり、
さらに好ましくは1.0以上2.0以下である。
【0012】本発明に従えば、テクスチャー構造を有し
たダイヤモンド様炭素膜がi層またはi層の一部の層と
して設けられるので、半導体層積層によるテクスチャー
構造の凹凸形状の鈍化を改善することができ、光閉じ込
め効果を向上させることができる。
【0013】また本発明に従えば、sp3 構造/sp2
構造の比を制御することにより、ダイヤモンド様炭素膜
の表面に形成するテクスチャー構造の凹凸形状を制御す
ることができる。従って、効果的に散乱させたい波長に
応じて、ダイヤモンド様炭素膜表面のテクスチャー構造
を形成することができる。
【0014】以上のように、本発明に従えば、光閉じ込
め効果を向上させることができるので、短絡電流を大幅
に増加させることができ、変換効率の向上を達成するこ
とができる。
【0015】また、従来と同じ短絡電流を得るのであれ
ば、i層の膜厚を薄くすることができるので、光劣化後
の変換効率を大幅に改善することができる。本発明の限
定された局面においては、基板上に形成される透明導電
膜または金属反射膜がテクスチャー化されており、この
ようなテクスチャー構造を有する透明導電膜または金属
反射膜の上に複数の半導体層が積層され、複数の半導体
層のうちi層またはi層の一部の層として、ダイヤモン
ド様炭素膜が形成される。
【0016】本発明に従う他の限定された局面において
は、基板上方に、p型、i型、n型の半導体層を積層す
ることにより構成された光起電力装置において、i型の
半導体層の基板と反対側に、基板と反対側の表面をエッ
チングしてテクスチャー構造としたダイヤモンド様炭素
膜が設けられる。このようなダイヤモンド様炭素膜は、
i型のものがよい。
【0017】本発明に従う他の限定された局面における
製造方法は、上記局面の光起電力装置を製造することが
できる方法であり、i型の半導体層の上にsp3 構造/
sp 2 構造の比を所定の比率に制御したダイヤモンド様
炭素膜を形成する工程と、ダイヤモンド様炭素膜のsp
2 構造を選択的にエッチングすることにより、その表面
にテクスチャー構造を形成する工程とを備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う一実施形態
の光起電力素子を示す断面図である。図1を参照して、
基板11の上には、テクスチャー構造が形成された透明
電極膜12が形成されており、この透明電極層12の上
にp層もしくはn層13が形成されている。これらp層
もしくはn層は、p型の非晶質シリコンカーバイドもし
くはn型の非晶質シリコンからなる。p層もしくはn層
13の上には、i型の非晶質シリコンからなるi層14
が形成されている。p層もしくはn層13及びi層14
は、透明電極層12のテクスチャー構造を引き継ぐよう
に凹凸形状を有している。
【0019】i層14の上には、ダイヤモンド様炭素膜
15が形成されている。このダイヤモンド様炭素膜15
の、基板11と反対側の表面には、その表面をエッチン
グすることにより形成されたテクスチャー構造が形成さ
れている。i層14の表面のテクスチャー構造の凹凸形
状は、透明導電膜12のテクスチャー構造の凹凸形状に
比べ鈍化しているが、このように形成されたダイヤモン
ド様炭素膜15の表面は、その表面をエッチングするこ
とにより新たに形成されたテクスチャー構造であるた
め、鋭い凹凸形状を有している。この新たに形成された
テクスチャー構造の上に、n層もしくはp層16が形成
され、さらにその上にAgなどからなる裏面電極層17
が形成されている。
【0020】上記実施形態の光起電力素子は、基板11
として透明基板を用い、基板側から光を入射するタイプ
の光起電力素子である。従って、pin接合は、光入射
側からp/i/nの順で設けられることが好ましいの
で、13はp層、16はn層として形成されることが好
ましい。
【0021】基板と反対側から光が入射するタイプの光
起電力素子の場合は、基板11として透明基板を用いる
必要はなく、シリコンなどの半導体基板や金属基板を用
いることができる。またこの場合、基板表面にテクスチ
ャー構造を形成し、この上に半導体層を積層させてもよ
い。また基板の上にテクスチャー化した金属層12を形
成させ、この上に半導体層を積層させてもよい。この場
合、最上層17は透明電極層となる。上述のように、光
入射側からp/i/nの順で半導体層を積層することが
好ましいので、このような場合には、16がp層とな
り、13がn層となることが好ましい。また、p層16
を高濃度にドーピングすることにより、p層16を透明
導電膜として機能させることができる。このような場
合、その上の透明導電膜17を省略することができる。
【0022】
【0023】上記実施形態においては、i層として非晶
質シリコン層を形成しているが、i層としてダイヤモン
ド様炭素膜を形成してもよい。図2は、図1に示す光起
電力素子を製造する工程を説明するための断面図であ
る。ダイヤモンド様炭素膜15は、例えば、原料ガスC
2 2 の流量50sccm、基板温度200℃、RFパ
ワー50mW/cm2 、圧力1Paの条件でプラズマC
VD法により形成することができる。このようにして形
成したダイヤモンド様炭素膜をエッチングし、その表面
にテクスチャー構造を形成する。このようなエッチング
は、処理用ガスとして、H2 、He、Ar、Ne、Kr
などのガスを用い、例えば、ガス流量50sccm、基
板温度200℃、RFパワー50mW/cm2 、圧力1
Paの条件でプラズマ処理することにより行うことがで
きる。
【0024】本発明におけるダイヤモンド様炭素膜のプ
ラズマCVD法における一般的な形成条件としては、C
2 2 などの原料ガスの流量10〜500sccm、基
板温度100〜350℃、RFパワー1〜300mW/
cm2 、圧力0.5〜5Paが挙げられる。
【0025】以上のようなプラズマ処理によるエッチン
グで、ダイヤモンド様炭素膜15の表面をテクスチャー
構造にすることができる。このようにテクスチャー構造
を付与した後に、残りの層を積層し、図1に示すような
光起電力素子とする。
【0026】図1におけるその他の半導体層は、プラズ
マCVD法を用いて、原料ガスとしてB2 6 、SiH
4 及びPH3 を適宜切り替えることにより形成すること
ができる。
【0027】ダイヤモンド様炭素膜のsp3 構造/sp
2 構造の比は、例えばプラズマCVD法で形成する場
合、原料ガスの流量、基板温度、RFパワー、圧力等の
全てのパラメーターにより影響を受けるものである。こ
こでは、成膜時の下地へのダメージを低減するため、基
板温度200℃、RFパワー50mW/cm2 と一定の
条件にし、反応圧力を0.5〜5Paの範囲内で変化さ
せることにより、種々のダイヤモンド様炭素膜を形成
し、反応圧力と膜中水素量及びsp3 構造/sp2構造
の比との関係を求めた。結果を、図3及び図4にそれぞ
れ示す。なお、膜中水素量はSIMS(Secondary Ion
Mass Spectroscopy)で測定し、sp3 構造/sp2 構造
の比は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)
によりそれぞれ測定した。
【0028】図3から明らかなように、反応圧力が低下
するに伴い、形成されるダイヤモンド様炭素膜中での膜
中水素量が増加している。また図4から明らかなよう
に、反応圧力が低下するに伴い、ダイヤモンド様炭素膜
中のsp3 構造/sp2 構造の比が増加していることが
わかる。このような低い圧力におけるダイヤモンド様炭
素膜におけるsp3 構造/sp2 構造の比の増加は、イ
オン衝撃により選択的にsp2 結合が切断されているこ
とによるものと思われる。従って、例えば、反応圧力を
コントロールすることにより、ダイヤモンド様炭素膜中
のsp3 構造/sp2 構造の比を所定の比率となるよう
に制御することができる。
【0029】次に、図1に示すような構造の光起電力素
子のダイヤモンド様炭素膜15として、種々のsp3
造/sp2 構造の比を有するダイヤモンド様炭素膜を形
成し、ダイヤモンド様炭素膜のsp3 構造/sp2 構造
の比と、光起電力素子における短絡電流との関係を検討
した。図1におけるi層14の膜厚としては2500Å
とし、エッチング処理前のダイヤモンド様炭素膜15の
膜厚としては500Åとなるように形成した。基板11
と透明電極膜12とからなるTCO基板としては、ヘイ
ズ率15%のものを用いた。なお、ここでヘイズ率と
は、直達光に対する散乱光の割合を示す値である。また
p層13としては、膜厚100Åのp型非晶質シリコン
カーバイド層を形成した。ダイヤモンド様炭素膜15の
上に形成するn層16としては、膜厚100Åのn型非
晶質シリコン層を形成した。裏面電極層17としては、
Ag層をスパッタリング法により形成した。
【0030】なお、短絡電流は、ダイヤモンド様炭素膜
15を形成していない、すなわち図7に示すような従来
の光起電力素子の構造で、非晶質シリコンからなるi層
14の膜厚を3000Åとし、その他の構造は上述の実
施形態と同様である比較の光起電力素子を作製し、この
比較の光起電力素子で得られる短絡電流で規格化した規
格化短絡電流として表した。図5に、sp3 構造/sp
2 構造の比と、このようにして測定された規格化短絡電
流との関係を示す。
【0031】図5から明らかなように、sp3 /sp2
の比が0.8以上3.2以下の範囲で、規格化短絡電流
の値が1以上になっており、短絡電流の改善が認められ
る。特に好ましくは、1.0以上3.2以下であり、さ
らに好ましくは、1.0以上2.0以下である。これら
の範囲で短絡電流が著しく改善されている。sp3 /s
2 の比が大きくなると、選択的にエッチングされるs
2 の構造が少なくなるため、エッチングによる凹凸形
状の形成が不十分になるため、短絡電流が低下するもの
と思われる。またsp3 /sp2 の比が小さくなると、
選択的にエッチングされるsp2 構造が多くなるため、
大部分がエッチングされ、効果的な凹凸形状が形成され
ず、短絡電流が低下するものと思われる。
【0032】さらに、sp3 /sp2 =1.2におい
て、約1割の短絡電流の改善が認められたため、このよ
うなsp3 /sp2 の比率を有するダイヤモンド様炭素
膜を用い、i層の薄膜化による光劣化の改善効果を検討
した。すなわち、i層の膜厚を2500Åから2000
Åに薄くした、図1に示すような構造の光起電力素子を
作製し、変換効率を測定した。変換効率は、上記の比較
の光起電力素子と同様に、図7に示すような構造を有す
る従来の光起電力素子においてi層の膜厚を3000Å
とした光起電力素子の効率を基準とし、(本実施形態の
光起電力素子の変換効率)/(比較の光起電力素子の変
換効率)の比を、規格化効率として示した。光劣化条件
は、初年度劣化に相当する加速劣化条件(500mW/
cm2 、25℃、160分)とした。光劣化前の初期の
規格化効率及び光劣化後の規格化効率を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、光劣化前の規格
化変換効率は1.01であり、本実施形態と比較の光起
電力素子はほぼ同程度の変換効率を示しているが、劣化
後においては、規格化効率が1.15であり、本実施形
態の光電変換効率が比較の光起電力素子の変換効率より
も著しく高くなっている。これは、本実施形態によれ
ば、光閉じ込め効果が改善され、従来より薄いi層で従
来と同程度の短絡電流が得られるため、i層を薄膜化す
ることにより、光劣化後の光起電力素子の特性を大幅に
改善することができたことに対応している。
【0035】ところで、ダイヤモンド様炭素膜は、その
膜中のsp3 /sp2 の比率を変えることにより、その
光学ギャップを変化させることができる。sp3 /sp
2 の比率をそれぞれ1.2及び1.8と代えて作製した
ダイヤモンド様炭素膜の光学ギャップを表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、ダイヤモンド様
炭素膜のsp3 /sp2 の比を変化させることにより光
学キャップを変化させることが可能であることがわか
る。このような種々の光学ギャップに制御可能なセル
は、積層型光起電力素子のフロントセルやボトムセルの
発電層としても有用なものである。
【0038】図6は、このような積層型光起電力素子に
本発明を適用した実施形態の1つを示す断面図である。
本実施形態の積層型光起電力素子は、基板と反対側から
光が入射するいわゆる逆タイプ構造のものである。図6
を参照して、基板1の上にテクスチャー構造を有する金
属電極層22が設けられており、この上にはn層23、
i層24、及びp層25が順次積層されている。このn
層23、i層24、及びp層25からボトムセルが形成
されている。
【0039】このボトムセルの上には、n層26、i層
27が形成され、このi層27はダイヤモンド様炭素膜
から形成されている。このi層27の上には、ダイヤモ
ンド様炭素膜28が形成されている。ダイヤモンド様炭
素膜28の表面は、H2 プラズマ処理等によりテクスチ
ャー構造が形成されている。このテクスチャー構造が形
成された表面上にp層29が形成され、さらにその上に
ITOなどからなる透明電極膜30が形成されている。
n層26、i層27、ダイヤモンド様炭素膜28、及び
n層29からフロントセルが構成される。
【0040】図6に示すようなタンデム型の光起電力素
子において、ダイヤモンド様炭素膜28として、sp3
/sp2 の比が1.2であるものを用いると、フロント
セルとして、上述のように光学ギャップが1.9eVの
ものが得られる。従って、ボトムセルのi層24とし
て、例えば、公知のプラズマCVD法により形成した光
学ギャップ1.7eVの非晶質Si層を用い、積層型太
陽電池とすることができる。
【0041】なお、ダイヤモンド様炭素膜28の表面を
2 プラズマ処理でエッチングしない場合に比べ、エッ
チング処理しテクスチャー構造を形成した場合には、変
換効率が約1割向上し、変換効率として10%が得られ
た。
【0042】上記実施形態では、いわゆる逆タイプ構造
の積層型太陽電池においてフロントセルとして本発明に
従う光起電力素子を用いたが、基板側から光が入射す
る、いわゆる順タイプ構造の積層型太陽電池にも本発明
に従う光起電力素子を用いることができる。例えば、基
板側に形成するフロントセルとして、公知のプラズマC
VDにより形成した、光学ギャップ1.8eVの非晶質
Siからなるi層のセルを用い、ボトムセルとして表3
に示したsp3 /sp2 の比が1.8である、光学ギャ
ップ1.6eVのi層を有する光起電力素子を形成する
ことができる。このような積層型太陽電池は、ボトムセ
ルにおいてエッチング処理によるテクスチャー構造の付
与を行わないものに比べ、変換効率において約1.5割
向上し、変換効率として10.5%が得られた。
【0043】以上のように、本発明の光起電力素子は、
積層型光起電力素子にも適用することができ、変換効率
を向上させることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に従えば、基板から離れた半導体
層表面のテクスチャー構造を自由に制御することがで
き、光閉じ込め効果を十分に得ることができる。また、
効果的に散乱させたい波長に応じてテクスチャー構造の
凹凸形状を制御することができるので、短絡電流を大幅
に増加することができ、変換効率の向上を達成すること
ができる。
【0045】また短絡電流を大幅に増加することが可能
であるので、短絡電流を従来と同程度のものにすれば、
i層の膜厚を薄くすることができる。このため、光劣化
後の変換効率を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施形態の光起電力素子を示す
断面図。
【図2】図1に示す本発明の実施形態を製造する工程を
説明するための断面図。
【図3】ダイヤモンド様炭素膜の形成の際の反応圧力
と、膜中水素量との関係を示す図。
【図4】ダイヤモンド様炭素膜の形成の際の反応圧力
と、sp3 /sp2 の比との関係を示す図。
【図5】本発明におけるダイヤモンド様炭素膜のsp3
/sp2 の比を変化させたときの光起電力素子の規格化
短絡電流を示す図。
【図6】本発明に従う他の実施形態である積層型太陽電
池を示す断面図。
【図7】従来の光起電力素子の一例を示す断面図。
【図8】従来の積層型光起電力素子の一例を示す断面
図。
【符号の説明】
11…基板 12…透明電極膜または金属電極膜 13…p層またはn層 14…第1のダイヤモンド様炭素膜であるi層 15…ダイヤモンド様炭素膜 16…n層もしくはp層 17…裏面電極膜または透明電極膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−214680(JP,A) 特開 平2−34975(JP,A) 特開 昭64−77973(JP,A) 特開 昭62−183568(JP,A) 特開 平9−97919(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上方に複数の半導体層を積層するこ
    とにより構成された光起電力素子において、 前記複数の半導体層のうちi層またはi層の一部の層
    して、前記基板と反対側の表面をエッチングしてテクチ
    ャー構造としたダイヤモンド様炭素膜が設けられている
    ことを特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド様炭素膜がi層の一部
    の層である場合に、前記ダイヤモンド様炭素膜は、i層
    の他の部分の層に対し前記基板と反対側に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
  3. 【請求項3】 基板上方に複数の半導体層を積層するこ
    とにより構成された光起電力素子を製造する方法であっ
    て、 前記複数の半導体層のうちの少なくとも1つの半導体層
    として、sp3 構造/sp2 構造の比を所定の比率に制
    御したダイヤモンド様炭素膜を形成する工程と、 前記ダイヤモンド様炭素膜のsp2 構造を選択的にエッ
    チングすることにより、その表面にテクスチャー構造を
    形成する工程とを備える光起電力素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド様炭素膜のエッチング
    が、H2 、He、Ne、Ar、Kr、またはこれらのう
    ちの少なくとも1種を含む混合ガスを用いたエッチング
    である請求項3に記載の光起電力素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド様炭素膜のsp3 構造
    /sp2 構造の比が、0.8以上3.2以下である請求
    項3または4に記載の光起電力素子の製造方法。
JP30709595A 1995-11-27 1995-11-27 光起電力素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3416364B2 (ja)

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