JP3415273B2 - 珪素又は珪素酸化物の溶蝕方法及び溶蝕装置ならびに不純物分析用試料の調製方法及び装置 - Google Patents

珪素又は珪素酸化物の溶蝕方法及び溶蝕装置ならびに不純物分析用試料の調製方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弗化水素を用いた珪素
又は珪素酸化物の溶蝕方法及び装置、詳細には、シリコ
ンデバイスの製造、シリコン材中の超微量不純物の分析
等において用いられる、シリコン材の溶蝕方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンデバイスの製造、シリコン材中
の超微量不純物の分析等においては、弗化水素のガス又
は水溶液を用いて珪素を溶解する溶蝕方法が用いられて
いる。この溶蝕方法では、珪素は酸化されて二酸化珪素
となった後に、弗化水素と反応して珪弗化水素酸(H2
SiF6 )となり液化あるいは溶解する。これに従って、
シリコンデバイスの製造においては所望のパターンにシ
リコン材が溶蝕される。微量不純物の分析においては、
この溶蝕方法に従ってシリコン材の珪素を溶解した後に
濃縮残存する不純物の量を測定することによって元のシ
リコン材における不純物含有量が算定される。
【0003】上記の方法に従うと、廃液または排ガス中
には多量の珪弗化水素酸または四弗化珪素(SiF4 )が
生成物として含まれている。このような廃液は、現在の
ところ、水酸化カルシウムや水酸化ナトリウム等のアル
カリを用いた中和処理によって弗化カルシウムや弗化ナ
トリウムに変換される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、中和処理に
よって生じる弗化カルシウムや弗化ナトリウムは再利用
価値が低いため、結果として多量の産業廃棄物の発生と
なってしまう。更に、このような廃液の処理のためには
多大な資材と時間が必要とされる。又、排ガスはスクラ
バで珪弗化物の大部分を捕集した後に、大気中にそのま
ま排気されるが、スクラバの寿命を大幅に縮めると共
に、微量ではあるけれども珪弗化物による大気汚染の問
題がないわけではない。
【0005】又、シリコン材中の不純物の分析において
は、試料の珪素を溶解するために多量の弗化水素を必要
とするが、市販の弗化水素の水溶液及びガス中には極微
量ではあるが不純物が含まれているので、弗化水素の使
用量が多くなるに従い、それに応じた量の不純物によっ
て溶蝕工程が汚染されることになる。特に、超微量不純
物分析における検出限界は、分析装置の感度よりもむし
ろ試料溶解過程での不純物汚染に起因するバックグラウ
ンドの大きさによって決定されるため、高品質のシリコ
ンデバイスを製造するのに欠かせない原料シリコン材の
不純物分析では、試料以外によってもたらされる不純物
汚染がないような試料溶解方法の開発が特に強く望まれ
ている。
【0006】上述のように、従来の珪素溶蝕工程では多
量の弗化水素を使用し、且つ、多量の珪弗化水素酸又は
四弗化珪素を生成するために、高額の廃液・排ガス処理
費用、高価な処理工程が必要となり、環境汚染、不純物
分析の精度改善に対する障害という問題点があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、多量の産業廃棄物や環境汚染を伴わ
ない珪素の溶蝕方法及び装置を提供することを目的とす
るものである。
【0008】又、試料以外に起因する不純物による影響
のない不純物分析を可能にする珪素の溶蝕方法及び装置
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは弗化水素を用いた珪素の溶蝕プロセス
について鋭意研究を重ねた結果、珪弗化水素酸又は四弗
化珪素を分解して弗化水素を再生・再利用することによ
り、廃棄物の生成及び弗化水素の大量使用から開放され
た溶蝕のシステムを見いだし、本発明の方法及び装置を
発明するに至った。
【0010】本発明の珪素又は珪素酸化物の溶蝕方法
は、弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物から珪弗化水
素酸を生成することによって該珪素又は珪素酸化物を溶
蝕する溶蝕工程と、生成した珪弗化水素酸を収集する収
集工程と、収集した珪弗化水素酸を水と共に酸化雰囲気
下でプラズマ又は高エネルギ光照射を用いて分解して弗
化水素を再生する再生工程と、再生した弗化水素を回収
して前記溶蝕工程に供給する返還工程とを備えるもので
ある。
【0011】又、本発明の溶蝕装置は、弗化水素を用い
て珪素又は珪素酸化物から珪弗化水素酸を生成すること
によって該珪素又は珪素酸化物を溶蝕するための溶蝕室
と、生成した珪弗化水素酸を収集するための収集手段
と、収集した珪弗化水素酸を水と共に酸化雰囲気下でプ
ラズマ又は高エネルギ光照射を用いて分解して弗化水素
を再生するための再生装置と、再生した弗化水素を回収
して前記溶蝕室に供給する返還装置とを備えるものであ
る。
【0012】更に、本発明の珪素又は珪素酸化物の不純
物分析用試料の調製方法は、弗化水素を用いて珪素又は
珪素酸化物から珪弗化水素酸を生成することによって珪
素分を液化して不純物を不溶物として含む液体を得る液
化工程と、該液体から珪弗化水素酸を収集する収集工程
と、収集した珪弗化水素酸を酸化雰囲気下で水と共にプ
ラズマ又は高エネルギ光照射中に導入して分解し弗化水
素を再生する再生工程と、前記再生工程で再生される弗
化水素を回収し前記液化工程に供給する返還工程とを備
えるものである。
【0013】又、本発明の珪素又は珪素酸化物の不純物
分析用試料の調製装置は、弗化水素を用いて珪素又は珪
素酸化物から珪弗化水素酸を生成することによって珪素
分を液化して不純物を不溶物として含む液体を得る液化
装置と、該液体から珪弗化水素酸を収集するための収集
手段と、収集した珪弗化水素酸を酸化雰囲気下で水と共
にプラズマ又は高エネルギ光照射中に導入して分解し弗
化水素を再生するための再生装置と、前記再生装置によ
って再生される弗化水素を回収し前記液化装置に供給す
るための返還手段とを備えるものである。
【0014】更に、本発明の珪素又は珪素酸化物の溶蝕
方法は、弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物から珪弗
化水素酸を生成することによって該珪素又は珪素酸化物
を溶蝕する溶蝕工程と、生成した珪弗化水素酸を収集す
る収集工程と、収集した珪弗化水素酸を分解して弗化水
素を再生する再生工程と、再生された弗化水素を回収し
前記溶蝕工程に供給する返還工程とを備えるものであ
る。
【0015】
【作用】本発明に従って、珪素又は珪素酸化物は弗化水
素との反応によって珪弗化水素酸を生成・液化し、これ
によって該珪素又は珪素酸化物が溶蝕される。生成した
珪弗化水素酸は収集され、収集した珪弗化水素酸をプラ
ズマ又は高エネルギ光照射中に導入して分解して弗化水
素と二酸化珪素が生成生する。弗化水素は回収して再度
溶蝕に利用するために珪素又は珪素酸化物に供給する。
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】珪素の溶蝕は、珪素を一旦酸化して二酸化
珪素とし、弗化水素ガス又は水溶液により珪弗化水素酸
(H2 SiF6 )に変換して溶解・液化することによって
なされる。水溶液中あるいは珪素上に生成した珪弗化水
素酸は80℃程度に加熱することによって気化し、気相
中では珪弗化水素酸又は四弗化珪素(SiF4 )の形で存
在する。気化した珪弗化水素酸又は四弗化珪素は、冷却
凝縮によって収集される。従って、珪弗化水素酸を気化
させることによって溶蝕容器から取り出すことが可能で
ある。珪弗化水素酸又は四弗化珪素を加熱・ガス化して
酸化性雰囲気下で水蒸気と共にプラズマや高エネルギ光
照射中に導入すると、これらの珪素化合物は一部が分解
し、下記の反応の進行によって弗化水素ガスと固体状Si
2 が生成する。従って、弗化水素ガスを固体状二酸化
珪素から分離して余剰の水蒸気と共に冷却凝縮すること
によって未分解の珪弗化水素酸を含む弗化水素水溶液が
再生される。再生された弗化水素水溶液は、珪素溶蝕容
器に戻して返還利用することができる。
【0018】 H2 SiF6 + 2H2 O → SiO2 + 6HF SiF4 + 2H2 O → SiO2 + 4HF プラズマや高エネルギ光照射による珪弗化水素酸又は四
弗化珪素の分解反応における反応率は、さほど高いもの
ではないが、未分解物を循環させてプラズマ又は高エネ
ルギ光照射中に繰り返し導入することによって、原理的
に効率上の問題は解消可能と言うことができる。
【0019】以下、溶蝕及び分解、返還の詳細について
説明する。
【0020】珪素自体は弗化水素によって溶解しないの
で、溶解するためには珪素が酸化して二酸化珪素となる
ことが必要である。このため、溶蝕は弗化水素と酸化剤
を共存させて行う。この態様には、酸化剤を含有する弗
化水素水溶液にシリコン材を浸す方法と、気体状酸化剤
及び弗化水素を含む雰囲気下にシリコン材を置く方法と
がある。溶蝕の目的や条件等に応じていずれの態様を選
択してもよい。気体状態で酸化剤及び弗化水素を供給す
る方が、高純度のものを供給し易い。珪素の酸化は、オ
ゾン、硝酸等の一般的な酸化剤を用いて容易に行うこと
ができる。又、水分を含む雰囲気によっても酸化するこ
とができる。酸化剤と水分を併用するとより酸化を促進
できる。もちろん、二酸化珪素を溶蝕する際には酸化剤
は必要ない。一旦、珪素が二酸化珪素に酸化されると、
すぐに弗化水素と反応し、珪弗化水素酸となって溶解す
る。
【0021】珪弗化水素酸は室温でもある程度気化し、
約80℃以上に加熱することによってほぼ完全にガス化
する。気相中では四弗化珪素と平衡状態にあると思われ
る。気化した珪弗化水素酸及び四弗化珪素は、冷却・凝
縮することによって液体の珪弗化水素酸として収集され
る。この際、気化した珪弗化水素酸及び四弗化珪素をキ
ャリアガスにのせて運ぶと、珪弗化水素酸及び四弗化珪
素を試料容器からから凝縮器へ容易に移動させることが
できる。キャリアガスは、次の分解工程においてプラズ
マを用いる場合は、プラズマ発生を考慮してアルゴン等
の不活性ガスが用いられる。溶蝕のための酸化剤及び水
分をキャリアガスと共に供給することができる。珪弗化
水素酸を捕集する凝縮器は、捕集効率の点から、0〜2
0℃の温度に冷却されるのが好ましい。珪弗化水素酸及
び四弗化珪素を凝縮せずに直接分解工程へキャリアガス
と共に投入しても良いが、凝縮する方が次の分解工程に
おける反応条件、操作条件等の制御が行い易い。溶蝕が
行われる雰囲気は、上述のように弗化水素や珪弗化水素
酸等を含むので、キャリアガスを系外へ引き出す際に
は、予め弗化水素及び珪弗化水素酸を凝縮器等によって
気相から分離除去し、これらが系外へ出るのを防止する
のが望ましい。
【0022】珪弗化水素酸及び四弗化珪素はプラズマ
炉、高エネルギ光照射等によって分解することができ
る。分解は、水蒸気の存在下、オゾン、酸素等の酸化性
物質を含む酸化性雰囲気中で行われる。プラズマ炉等
は、水の気化が十分に為されるように、好ましくは約1
50〜200℃の温度に加熱される。加熱気化された珪
弗化水素酸及び四弗化珪素はその一部がプラズマ分解又
は光照射によって分解し、酸化性物質及び水と反応して
二酸化珪素と弗化水素とが生成する。生じた二酸化珪素
は固体であるので、気相から分離し落下する。酸化性物
質を含まない雰囲気中でプラズマ分解を行うと、二酸化
珪素の代わりに珪素が生成する。
【0023】高エネルギ光照射によって分解を行う場
合、珪素−弗素の結合を切断、イオン化するのに必要な
約7〜10eVのエネルギを供給可能な波長の光が用い
られる。従って、波長範囲は120〜200nmが好まし
い。
【0024】生成した弗化水素ガスは、水蒸気、未分解
の珪弗化水素酸及び四弗化珪素と共に冷却され、弗化水
素及び珪弗化水素酸を含む水溶液に凝縮される。弗化水
素を水溶液として効率よく回収するために、冷却温度は
0〜10℃に設定するのが好ましい。凝縮液は、再び珪
素の溶蝕に利用するために、溶蝕用弗化水素水溶液に添
加される。
【0025】固化した二酸化珪素は未分解物や弗素化合
物を取り込み易いので、落下した二酸化珪素を100℃
以上、より好ましくは200〜500℃に加熱して弗素
化合物等を二酸化珪素から追い出すのが望ましい。又、
このように加熱することによって、一旦落下した二酸化
珪素が再び弗化水素と反応して珪弗化水素酸となって
も、気化させてプラズマ分解に導入することが可能とな
る。
【0026】
【実施例】以下に、上述の本発明に係る溶蝕方法を実施
する溶蝕装置の好適な実施例を図面を参照して詳細に説
明する。この実施例においては、分解手段としてプラズ
マ炉を用いている。
【0027】図1は、本発明に係る溶蝕装置の構成を示
す概念図である。
【0028】溶蝕装置は、シリコンウェーハ1を入れた
試料皿2を収容する溶蝕室3と、プラズマ炉を構成する
分解室4とを備え、更に、第1凝縮器5及び第2凝縮器
6が溶蝕室3と分解室4との間に配設されている。溶蝕
室3頂部にはガス導入口7があり、ここからオゾン及び
水蒸気を含んだアルゴンガスが溶蝕室3内に供給され
る。溶蝕室3下部には、溶蝕室3内を加熱するためのヒ
ータ8が取り付けられる。溶蝕室3内には弗化水素水溶
液9が投入される。
【0029】第1凝縮器5は、溶蝕室3の頂部と分解室
4の頂部とを接続し、冷却管により所定温度に冷却され
る。第1凝縮器5の末端は、上方及び下方に延びた分岐
管11,12を有し、上方に延びた管11はキャリアガ
スを回収しするためにポンプ等に接続される。下方に延
びた管12は分解室4の頂部に嵌入されている。
【0030】分解室4は、鉛直方向に縦長に延びてお
り、プラズマを発生させるための誘導コイル13と分解
室4内部を加熱するためのヒータ14とが分解室4の中
央から下部にかけて周囲を覆うように取り付けられてい
る。分解室4の底部下方にもヒータ15が設けられ、分
解室底部を加熱する。
【0031】分解室4の上部と溶蝕室3の下部とを接続
するように第2凝縮器6は配置され、第1凝縮器5と同
様に冷却管10によって冷却されている。第2凝縮器6
と溶蝕室3とを接続する部分にはプール16が設けら
れ、溶蝕室3の側壁17が下方に向かってプール16内
に突設し、所定量の液体がプール16内を満たした時に
側壁17と液体とによって溶蝕室3内が凝縮器6内から
遮断されるように構成されている。
【0032】上記構成に従って、試料皿2に収容したシ
リコンウェーハ1を溶蝕室3内に配置し、弗化水素水溶
液を試料皿2の周囲に流し込むと、シリコンウェーハ1
及び弗化水素水溶液はヒータ8により約80℃に加熱さ
れ、水蒸気及び弗化水素ガスが溶蝕室3内を充満する。
又、ガス導入口7から溶蝕室3へオゾン及び水蒸気を含
んだアルゴンガスが供給される。オゾン及び水蒸気の作
用により、シリコンウェーハ1の表面が酸化され、更
に、弗化水素水溶液9から供給される弗化水素ガスによ
って珪弗化水素酸に変換されて溶解する。ヒータ8の加
熱により珪弗化水素酸は気化し、アルゴンガス等と共に
第1凝縮器5へ運ばれる。第1凝縮器5内でガス状の珪
弗化水素酸及び四弗化珪素は0〜20℃に冷却され凝縮
されて、液状珪弗化水素酸になる。オゾンから生じた酸
素を含むアルゴンガスは、一部は分解室4へ送られ、残
りは管11を通して回収される。
【0033】液化した珪弗化水素酸は水と共に、管12
から分解室4へ投入され、150〜200℃に加熱され
て気化し、プラズマ分解によって分解して水蒸気と反応
し、二酸化珪素固体と弗化水素ガスとを生じる。二酸化
珪素は分解室4底部に落下し、二酸化珪素に未分解の弗
素分が残存しないようにヒータ15によって200〜5
00℃に加熱される。
【0034】分解によって生じた弗化水素、未分解の珪
弗化水素酸及び四弗化珪素は水蒸気と共に、第2凝縮器
によって冷却され、水溶液に液化される。弗化水素及び
珪弗化水素酸を含む水溶液がプール16に蓄積され、溶
蝕室3と第2凝縮器6とを遮断する。プール16から溢
れた水溶液は溶蝕室3内の弗化水素水溶液に添加され、
シリコンウェーハの溶蝕を行う弗化水素の供給源とな
る。
【0035】上記溶蝕装置において、分解室4の底部に
溜る二酸化珪素を除去可能にするために分解室4の底部
が本体から着脱可能なように構成してもよい。
【0036】二酸化珪素に代えて珪素を回収する場合に
は、プラズマ分解を非酸化性雰囲気で行うと二酸化珪素
の代わりに珪素が生成することを利用する。この場合、
分解室の雰囲気が溶蝕室の雰囲気から遮断されるように
装置を構成する必要がある。これは、例えば、分解室頂
部に嵌入される分岐管の途中に液溜めを設けることによ
って可能である。
【0037】上述の溶蝕方法及び装置は、弗化水素を再
生循環して溶蝕を行うための一つのユニットとして、シ
リコンデバイスの製造やシリコンウェーハの分析等の、
珪素の溶蝕を必要とするプロセス及び装置に組み込むこ
とができる。このユニットを組み込んだ方法及び装置に
おいては、溶蝕処理によって多量の珪弗化水素酸を生じ
ることがないので、珪弗化水素酸の処理が不要となる。
又、シリコンデバイスの製造に際して行われるシリコン
ウェーハの検定について、上記ユニットと常法に従った
残留不純物の微量分析とを組み合わせて不純物分析を行
えば、ウェーハを溶解するのに必要とされる弗化水素量
が減少し、弗化水素に起因する不純物によるウェーハの
分析試料の汚染が軽減されることにより、分析精度が向
上する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶蝕方法
及び装置は、シリコン材の溶蝕に必要な弗化水素の使用
量を減少させ、珪弗化水素酸又は四弗化珪素の処理を原
理的に不要とすることができるものであり、その工業的
価値は極めて大である。また、本発明の溶蝕方法及び装
置は、シリコン材の微量分析の際の弗化水素を用いた溶
蝕において弗化水素に起因する汚染を最小限にとどめる
ことができ、精度の高い分析を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶蝕装置の構成を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコンウェーハ 2 試料皿 3 溶蝕室 4 分解室 5、6 凝縮器 8 ヒータ 9 弗化水素水溶液 10 冷却管 13 誘導コイル 14、15 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 博 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−108333(JP,A) 特開 平7−81902(JP,A) 特開 平8−17810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306,21/308 C01B 7/19

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物か
    ら珪弗化水素酸を生成することによって該珪素又は珪素
    酸化物を溶蝕する溶蝕工程と、生成した珪弗化水素酸を
    収集する収集工程と、収集した珪弗化水素酸を水と共に
    酸化雰囲気下でプラズマ又は高エネルギ光照射を用いて
    分解して弗化水素を再生する再生工程と、再生した弗化
    水素を回収して前記溶蝕工程に供給する返還工程とを備
    える、珪素又は珪素酸化物の溶蝕方法。
  2. 【請求項2】 弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物か
    ら珪弗化水素酸を生成することによって該珪素又は珪素
    酸化物を溶蝕するための溶蝕室と、生成した珪弗化水素
    酸を収集するための収集手段と、収集した珪弗化水素酸
    を水と共に酸化雰囲気下でプラズマ又は高エネルギ光照
    射を用いて分解して弗化水素を再生するための再生装置
    と、再生した弗化水素を回収して前記溶蝕室に供給する
    返還装置とを備える、珪素又は珪素酸化物の溶蝕装置。
  3. 【請求項3】 弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物か
    ら珪弗化水素酸を生成することによって珪素分を液化し
    て不純物を不溶物として含む液体を得る液化工程と、該
    液体から珪弗化水素酸を収集する収集工程と、収集した
    珪弗化水素酸を酸化雰囲気下で水と共にプラズマ又は高
    エネルギ光照射中に導入して分解し弗化水素を再生する
    再生工程と、前記再生工程で再生される弗化水素を回収
    し前記液化工程に供給する返還工程とを備える、珪素又
    は珪素酸化物の不純物分析用試料の調製方法。
  4. 【請求項4】 弗化水素を用いて珪素又は珪素酸化物か
    ら珪弗化水素酸を生成することによって珪素分を液化し
    て不純物を不溶物として含む液体を得る液化装置と、該
    液体から珪弗化水素酸を収集するための収集手段と、収
    集した珪弗化水素酸を酸化雰囲気下で水と共にプラズマ
    又は高エネルギ光照射中に導入して分解し弗化水素を再
    生するための再生装置と、前記再生装置によって再生さ
    れる弗化水素を回収し前記液化装置に供給するための返
    還手段とを備える、珪素又は珪素酸化物の不純物分析用
    試料の調製装置。
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