JP3415067B2 - 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法 - Google Patents

廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法

Info

Publication number
JP3415067B2
JP3415067B2 JP11952799A JP11952799A JP3415067B2 JP 3415067 B2 JP3415067 B2 JP 3415067B2 JP 11952799 A JP11952799 A JP 11952799A JP 11952799 A JP11952799 A JP 11952799A JP 3415067 B2 JP3415067 B2 JP 3415067B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly ash
incineration fly
added
waste
solidified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11952799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000308867A (ja
Inventor
利紀 村岡
親徳 熊谷
泰典 柴田
教幸 谷山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP11952799A priority Critical patent/JP3415067B2/ja
Publication of JP2000308867A publication Critical patent/JP2000308867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3415067B2 publication Critical patent/JP3415067B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ、産業廃
棄物、ごみ固形燃料(RDF)等の廃棄物を焼却処理し
た際に発生する焼却飛灰から、高強度、かつ、長期的に
安定な高品質の固化体を製造する方法に関するものであ
る。なお、ごみ固形燃料(RDF:Refuse De
rived Fuel)とは、乾燥・選別・破砕等の前
処理が施された都市ごみ、産業廃棄物等にカルシウム化
合物を加えて成形した燃料のことを言う。
【0002】
【従来の技術】廃棄物焼却灰、特に、焼却飛灰には、P
b、Cd等の重金属が多く含まれており、直接埋立処分
ができず、特別管理一般廃棄物として、溶融固化、セメ
ント固化、薬剤(キレート)処理、溶媒抽出のいずれか
による中間処理が義務づけられている。しかし、例え
ば、薬剤処理では高価なキレート剤が処理すべき灰に対
して数%程度必要であり、溶融固化処理では設備費及び
多くのエネルギーが必要となり、これらの中間処理方法
は廃棄物処理費用を増大させる要因となっている。そこ
で、この飛灰を有効利用することで処理費の抑制、最終
処分場の延命等を図る方法のひとつとして、水和固化反
応を利用した固化体の製造方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特開平10−296205号公報
には、フライアッシュ(飛灰)、都市ごみ焼却灰、下水
汚泥焼却灰等に、生石灰、消石灰等の活性カルシウム
源、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、NaN
3、KNO3等の活性アルカリ源を添加・混合し、得ら
れた混合物を加圧成形した後、水熱合成して固化体を製
造する方法が開示されている。また、従来の廃棄物焼却
飛灰固化体の製造方法は、図5に示すように、焼却飛灰
に、添加剤としてアルカリ剤又は/及びシリカやアルミ
ナを含む物質と水とを加えて混練・成形した後、養生し
て水熱固化反応により固化体を製造するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】都市ごみ焼却灰の固化
処理方法において、焼却灰をセメントを用いて固化した
場合、灰中に含まれる金属Alが消石灰と反応して水素
ガスを発生し、固化体を膨張させることが知られている
(例えば、「都市ゴミ焼却灰の固化に関する一考察」、
第31回地盤工学研究発表会要旨集 第319頁〜第3
20頁、1996年7月発行)。また、図5に示すよう
な水熱固化反応を利用した固化体の製造方法では、廃棄
物焼却灰、特に、焼却飛灰に添加剤及び水を加えて混練
・成形した後、養生中に膨張が発生し、得られた固化体
の強度が低くなる場合がある。
【0005】焼却飛灰を固化させて路盤材等の土木資
材、建築資材等として有効利用を図る場合、アルカリ性
の湿潤雰囲気下では、焼却飛灰中に含まれる両性金属、
例えば、アルミニウムの酸化による水素ガスの発生や、
膨張性の化合物の生成などにより固化体の膨張が起こ
り、土木資材等としての性能が低下したり、有効利用で
きる範囲が限定されることがある。また、例えば、上記
の特開平10−296205号公報記載の固化体製造方
法では、養生する前に加圧成形を行っていることから、
養生中の膨張はあまりないと思われるが、この固化体を
土木資材等として使用している間に膨張等の問題が発生
するおそれがある。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、焼却飛灰から固化体を製造する際
に膨張を抑制する処理を行うことにより、多種類の灰に
対して高強度の固化体を製造することができ、さらに、
この固化体を実際に利用する場合には、長期的に安定で
強度低下や崩壊等のない高品質の固化体を得ることがで
きる廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法は、廃
棄物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰に、水及び温
水の少なくともいずれかを加え、常温〜98℃で5〜1
20分間混練して、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム
等の両性金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行った
後、アルカリ剤及びシリカやアルミナを含む物質の少な
くともいずれかを添加剤として加えて混練し、水熱固化
反応を利用して固化体を製造するように構成されている
(図1参照)。
【0008】また、本発明の固化体の製造方法は、廃棄
物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰に、水及び温水
の少なくともいずれかを加え、常温〜98℃で5〜12
0分間混練し、ついで、常温〜98℃で0.5〜24時
間養生して、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両
性金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行った後、ア
ルカリ剤及びシリカやアルミナを含む物質の少なくとも
いずれかを添加剤として加えて混練し、水熱固化反応を
利用して固化体を製造することを特徴としている(図2
参照)。
【0009】また、本発明の固化体の製造方法は、廃棄
物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰に、水及び温水
の少なくともいずれかを加えるとともに、焼却飛灰のpH
が9未満の場合にはアルカリ性物質を加え、焼却飛灰の
pHが12.5を超える場合には酸性物質を加えて、焼却
飛灰のpHが9〜12.5の範囲内となるように調整し
常温〜98℃で5〜120分間混練して、焼却飛灰中に
含まれるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性の
化合物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の水和反応
を抑制するようにした後、アルカリ剤及びシリカやアル
ミナを含む物質の少なくともいずれかを添加剤として加
えて混練し、水熱固化反応を利用して固化体を製造する
ことを特徴としている(図3参照)。具体的には、焼却
飛灰のpHが9未満の場合にはアルカリ性物質を加え、焼
却飛灰のpHが12.5を超える場合には酸性物質を加え
て、焼却飛灰のpHを9〜12.5の範囲に調整する。
【0010】また、本発明の固化体の製造方法は、廃棄
物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰に、水及び温水
の少なくともいずれかを加えるとともに、焼却飛灰のpH
が9未満の場合にはアルカリ性物質を加え、焼却飛灰の
pHが12.5を超える場合には酸性物質を加えて、焼却
飛灰のpHが9〜12.5の範囲内となるように調整し
常温〜98℃で5〜120分間混練し、ついで、常温〜
98℃で0.5〜24時間養生して、焼却飛灰中に含ま
れるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性の化合
物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の水和反応を抑
制するようにした後、アルカリ剤及びシリカやアルミナ
を含む物質の少なくともいずれかを添加剤として加えて
混練し、水熱固化反応を利用して固化体を製造すること
を特徴としている(図4参照)。
【0011】これらの本発明の方法において、添加剤と
して加えるアルカリ剤は、消石灰、生石灰、石灰石、石
こう、セメント、鉄鋼スラグ等が用いられる。また、添
加剤として加えるシリカやアルミナを含む物質は、粘
土、浚渫汚泥、シリカヒューム、石炭灰、珪砂、スラグ
等が用いられる。また、これらの本発明の方法におい
て、焼却飛灰のpHが9未満の場合に添加するアルカリ性
物質としては、消石灰、生石灰、石灰石、セメント、鉄
鋼スラグ等が用いられる。また、焼却飛灰のpHが12.
5を超える場合に添加する酸性物質としては、硫酸、硫
酸第一鉄、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、シリカヒ
ューム等が用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は、本発明の実施の第1形態による廃
棄物焼却飛灰固化体の製造方法を示している。都市ご
み、産業廃棄物、RDF等の廃棄物を焼却処理した際に
発生する焼却飛灰からの固化体の製造時及び利用時にお
ける膨張を抑制するために、図1に示すように、焼却飛
灰100重量部に対し、水(又は/及び温水)を15〜
100重量部、望ましくは25〜75重量部加えて混練
機に供給し、常温〜98℃、望ましくは60〜95℃で
5〜120分間、望ましくは10〜60分間混練(前混
練)することにより、焼却飛灰中に含まれるアルミニウ
ム等の両性金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行
う。なお、焼却飛灰、水は混練機に別々に供給してもよ
く、予め混合した状態で供給してもよい。
【0013】前混練するときの温度が上記範囲の下限値
未満の場合は、アルミニウム等の両性金属の酸化や膨張
性化合物の反応が起こりにくくなり、また、常温以下で
上記の反応を行わせようとすると装置費が増大するとい
う問題があり、前混練するときの温度が上記範囲の上限
値を超える場合は、圧力容器が必要となり装置費が増大
するという問題がある。また、前混練の時間が上記範囲
の下限値未満の場合は、アルミニウム等の両性金属の酸
化や膨張性化合物の反応が十分に行われないという問題
があり、前混練の時間が上記範囲の上限値を超える場合
は、固化反応時に必要な成分まで反応してしまい、後で
混練物が固化しなくなるおそれが生じるという問題があ
る。
【0014】上記の前混練を行った後、この混練物に、
消石灰、生石灰、石灰石、石こう、セメント、鉄鋼スラ
グ等のアルカリ剤、又は/及びシリカやアルミナを含む
物質、例えば、粘土、浚渫汚泥、シリカヒューム、石炭
灰、珪砂、スラグ等を添加剤として加えて、さらに混練
し、ついで、成形機で成形して、例えば、恒温槽やオー
トクレーブ等の養生室にて40〜250℃で3〜24時
間水蒸気養生を行う。なお、混練物を成形せずに養生す
る場合もある。また、造粒工程等を加える場合もある。
養生を行うことにより、水熱固化反応によってエトリン
ガイト(3CaO・Al23・3CaSO4・32H
2O)、C−S−H(ケイ酸カルシウム水和物)等が生
成して固化し、水熱固化反応による固化体が得られる。
前記の前混練によりアルミニウム等の両性金属の酸化及
び膨張性化合物の反応を行っているので、養生中に膨張
は起こらず、得られた固化体の強度も高い。
【0015】図2は、本発明の実施の第2形態による廃
棄物焼却飛灰固化体の製造方法を示している。焼却飛灰
からの固化体の製造時及び利用時における膨張を抑制す
るために、図2に示すように、焼却飛灰100重量部に
対し、水(又は/及び温水)を15〜100重量部、望
ましくは25〜75重量部加えて混練機に供給し、常温
〜98℃、望ましくは60〜95℃で5〜120分間、
望ましくは10〜60分間混練(前混練)し、ついで、
常温〜98℃で0.5〜24時間養生(前養生)するこ
とにより、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性
金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行う。
【0016】前養生するときの温度が上記範囲の下限値
未満の場合、常温以下でアルミニウム等の両性金属の酸
化及び膨張性の化合物の反応を行わせようとすると装置
費が増大するという問題があり、前養生するときの温度
が上記範囲の上限値を超える場合は、圧力容器が必要と
なり装置費が増大するという問題がある。また、前養生
の時間が上記範囲の下限値未満の場合は、十分に固化体
の膨張要因を除去できないという問題があり、前養生の
時間が上記範囲の上限値を超える場合は、灰の水硬性が
損なわれ、また、装置が大型化するという問題がある。
【0017】上記の前混練・前養生を行った後、この混
練物に、消石灰、生石灰、石灰石、石こう、セメント、
鉄鋼スラグ等のアルカリ剤、又は/及びシリカやアルミ
ナを含む物質、例えば、粘土、浚渫汚泥、シリカヒュー
ム、石炭灰、珪砂、スラグ等を添加剤として加えて、さ
らに混練し、ついで、成形機で成形して、例えば、恒温
槽やオートクレーブ等の養生室にて40〜250℃で3
〜24時間水蒸気養生を行う。前記の前混練によりアル
ミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性化合物の反応を
行っているので、養生中に膨張は起こらず、得られた固
化体の強度も高い。他の構成及び作用は、実施の第1形
態の場合と同様である。
【0018】図3は、本発明の実施の第3形態による廃
棄物焼却飛灰固化体の製造方法を示している。焼却飛灰
からの固化体の製造時及び利用時における膨張を抑制す
るために、図3に示すように、焼却飛灰100重量部に
対し、水(又は/及び温水)を15〜100重量部、望
ましくは25〜75重量部加えて混練機に供給し、常温
〜98℃、望ましくは60〜95℃で5〜120分間、
望ましくは10〜60分間混練(前混練)することによ
り、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性金属の
酸化及び膨張性の化合物の反応を行う。
【0019】このとき、焼却飛灰のpHが9未満の場合に
は、アルカリ性の物質、例えば、消石灰、生石灰、石灰
石、セメント、鉄鋼スラグ等を添加し、焼却飛灰のpHが
12.5を超える場合には、酸性の物質、例えば、硫
酸、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム(Al2(S
43)、シリカヒューム等を添加して、焼却飛灰のpH
が9〜12.5の範囲になるように調整する。焼却飛灰
のpHを9〜12.5の範囲に調整することで、焼却飛灰
中に含まれるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張
性の化合物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の水和
反応を抑制して、混練物の膨張を抑制し、より高品質な
固化体を得ることが可能になる。具体的に、焼却飛灰の
pHが9未満の場合は、金属Al等の両性金属の酸化が不
十分になるという問題があり、焼却飛灰のpHが12.5
を超える場合は、灰の水硬性が損なわれるという問題が
ある。
【0020】上記の前混練及びpH調整を行った後、この
混練物に、消石灰、生石灰、石灰石、石こう、セメン
ト、鉄鋼スラグ等のアルカリ剤、又は/及びシリカやア
ルミナを含む物質、例えば、粘土、浚渫汚泥、シリカヒ
ューム、石炭灰、珪砂、スラグ等を添加剤として加え
て、さらに混練し、ついで、成形機で成形して、例え
ば、恒温槽やオートクレーブ等の養生室にて40〜25
0℃で3〜24時間水蒸気養生を行う。前記の前混練及
びpH調整により、アルミニウム等の両性金属の酸化及び
膨張性の化合物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の
水和反応を抑制しているので、養生中等に膨張は起こら
ず、得られた固化体の強度も非常に高い。他の構成及び
作用は、実施の第1形態の場合と同様である。
【0021】図4は、本発明の実施の第4形態による廃
棄物焼却飛灰固化体の製造方法を示している。焼却飛灰
からの固化体の製造時及び利用時における膨張を抑制す
るために、図4に示すように、焼却飛灰100重量部に
対し、水(又は/及び温水)を15〜100重量部、望
ましくは25〜75重量部加えて混練機に供給し、常温
〜98℃、望ましくは60〜95℃で5〜120分間、
望ましくは10〜60分間混練(前混練)し、ついで、
常温〜98℃で0.5〜24時間養生(前養生)するこ
とにより、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性
金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行う。
【0022】前混練の際に、焼却飛灰のpHが9未満の場
合には、アルカリ性の物質、例えば、消石灰、生石灰、
石灰石、セメント、鉄鋼スラグ等を添加し、焼却飛灰の
pHが12.5を超える場合には、酸性の物質、例えば、
硫酸、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム(Al2(SO4
3)、シリカヒューム等を添加して、焼却飛灰のpHが9
〜12.5の範囲になるように調整する。焼却飛灰のpH
を9〜12.5の範囲に調整することで、焼却飛灰中に
含まれるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性の
化合物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の水和反応
を抑制して、混練物の膨張を抑制し、より高品質な固化
体を得ることが可能になる。
【0023】上記の前混練・pH調整及び前養生を行った
後、この混練物に、消石灰、生石灰、石灰石、石こう、
セメント、鉄鋼スラグ等のアルカリ剤、又は/及びシリ
カやアルミナを含む物質、例えば、粘土、浚渫汚泥、シ
リカヒューム、石炭灰、珪砂、スラグ等を添加剤として
加えて、さらに混練し、ついで、成形機で成形して、例
えば、恒温槽やオートクレーブ等の養生室にて40〜2
50℃で3〜24時間水蒸気養生を行う。前記の前混練
及びpH調整により、アルミニウム等の両性金属の酸化及
び膨張性の化合物の反応を促進させるとともに焼却飛灰
の水和反応を抑制しているので、養生中等に膨張は起こ
らず、得られた固化体の強度も非常に高い。他の構成及
び作用は、実施の第1、第2、第3形態の場合と同様で
ある。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。 実施例1 表1に示す組成の焼却飛灰100重量部に水40重量部
を加え、95℃で30分間混練(前混練)した後、添加
剤としてセメント20重量部を加えて混練し、ついで、
型枠を用いてφ50mm×H100mmに成形し、95℃で
15時間養生したところ、養生中に膨張は見られず、得
られた固化体の一軸圧縮強度は103kgf/cm2であった
(図1参照)。なお、焼却飛灰と水との混合物(飛灰ス
ラリー)のpHは12.7であった。
【0025】実施例2 実施例1と同じ組成の焼却飛灰100重量部に水45重
量部を加え、pHを測定したところ12.7であった。そ
こで、硫酸を加えて、飛灰スラリーのpHを11.0に調
整した後、95℃で45分間混練(前混練)した。その
後、添加剤としてセメント20重量部を加えて混練し、
ついで、型枠を用いてφ50mm×H100mmに成形し、
95℃で15時間養生したところ、養生中に膨張は見ら
れず、得られた固化体の一軸圧縮強度は135kgf/cm2
であった(図3参照)。
【0026】比較例1 実施例1、2と同じ組成の焼却飛灰100重量部に、添
加剤としてセメント20重量部と水35重量部とを加
え、5分間混練した後、型枠を用いてφ50mm×H10
0mmに成形し、95℃で15時間養生したところ、養生
中に9.5mmの高さの膨張が見られた。得られた固化体
の一軸圧縮強度は25kgf/cm2であった(図5参照)。
なお、焼却飛灰と水との混合物(飛灰スラリー)のpHは
12.7であった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 焼却飛灰に、水及び温水の少なくともいずれか
を加え、常温〜98℃で5〜120分間混練(前混練)
した後、添加剤を加えて混練し、水熱固化反応を利用し
て固化体を製造することにより、前混練において、焼却
飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性金属の酸化及び
膨張性の化合物の反応が行われ、固化体の製造時及び利
用時における膨張を抑制することができる。 (2) 前混練において、焼却飛灰のpHが9〜12.5
の範囲となるように調整する場合は、焼却飛灰中に含ま
れるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性の化合
物の反応を促進させるとともに焼却飛灰の水和反応を抑
制して、固化体の製造時及び利用時における膨張をより
一層抑制することができ、より高品質な固化体を得るこ
とが可能になる。 (3) 焼却飛灰から固化体を製造する際に膨張を抑制
する処理を行うことにより、多種類の灰に対して高強度
の固化体を製造することができ、さらに、この固化体を
実際に利用する場合には、長期的に安定で強度低下や崩
壊等のない高品質の固化体を得ることができる。 (4) 多種類の灰に対して、高強度、かつ、長期的に
安定な高品質の固化体を製造することができ、路盤材等
の土木資材、建築資材等に有効利用することができる。
また、固化体を有効利用できる範囲が大幅に拡大する。 (5) 前混練を行い、ついで、常温〜98℃で0.5
〜24時間養生した後、添加剤を加えて混練し、水熱固
化反応を利用して固化体を製造する場合は、固化体の膨
張による強度低下がより効果的に抑制され、また、固化
体において重金属のさらなる安定化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による廃棄物焼却飛灰
固化体の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による廃棄物焼却飛灰
固化体の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の第3形態による廃棄物焼却飛灰
固化体の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の実施の第4形態による廃棄物焼却飛灰
固化体の製造方法を示す工程図である。
【図5】従来の廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法を示す
工程図である。
フロントページの続き (72)発明者 谷山 教幸 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平10−113634(JP,A) 特開 平8−268737(JP,A) 特開 平9−314092(JP,A) 特開 平6−190356(JP,A) 特開 平11−189455(JP,A) 特開 平6−226238(JP,A) 特開 平8−57443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 301 - 304 C04B 7/24 - 7/28 C04B 18/06 - 18/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却
    飛灰に、水及び温水の少なくともいずれかを加えるとと
    もに、焼却飛灰のpHが9未満の場合にはアルカリ性物質
    を加え、焼却飛灰のpHが12.5を超える場合には酸性
    物質を加えて、焼却飛灰のpHが9〜12.5の範囲内と
    なるように調整し、常温〜98℃で5〜120分間混練
    して、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性金属
    の酸化及び膨張性の化合物の反応を促進させるとともに
    焼却飛灰の水和反応を抑制するようにした後、アルカリ
    剤及びシリカやアルミナを含む物質の少なくともいずれ
    かを添加剤として加えて混練し、水熱固化反応を利用し
    て固化体を製造することを特徴とする廃棄物焼却飛灰固
    化体の製造方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却
    飛灰に、水及び温水の少なくともいずれかを加えるとと
    もに、焼却飛灰のpHが9未満の場合にはアルカリ性物質
    を加え、焼却飛灰のpHが12.5を超える場合には酸性
    物質を加えて、焼却飛灰のpHが9〜12.5の範囲内と
    なるように調整し、常温〜98℃で5〜120分間混練
    し、ついで、常温〜98℃で0.5〜24時間養生し
    て、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性金属の
    酸化及び膨張性の化合物の反応を促進させるとともに焼
    却飛灰の水和反応を抑制するようにした後、アルカリ剤
    及びシリカやアルミナを含む物質の少なくともいずれか
    を添加剤として加えて混練し、水熱固化反応を利用して
    固化体を製造することを特徴とする廃棄物焼却飛灰固化
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加剤として加えるアルカリ剤が、消石
    灰、生石灰、石灰石、石こう、鉄鋼スラグ及びセメント
    の少なくともいずれかである請求項1又は2記載の廃棄
    物焼却飛灰固化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 添加剤として加えるシリカやアルミナを
    含む物質が、粘土、浚渫汚泥、シリカヒューム、石炭
    灰、珪砂及びスラグの少なくともいずれかである請求項
    1、2又は3記載の廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼却飛灰のpHが9未満の場合に添加する
    アルカリ性物質が、消石灰、生石灰、石灰石、鉄鋼スラ
    グ及びセメントの少なくともいずれかである請求項1〜
    のいずれかに記載の廃棄物焼却飛灰固化体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 焼却飛灰のpHが12.5を超える場合に
    添加する酸性物質が、硫酸、硫酸第一鉄、硫酸アルミニ
    ウム及びシリカヒュームの少なくともいずれかである請
    求項1〜4のいずれかに記載の廃棄物焼却飛灰固化体の
    製造方法。
JP11952799A 1999-04-27 1999-04-27 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法 Expired - Fee Related JP3415067B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11952799A JP3415067B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11952799A JP3415067B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000308867A JP2000308867A (ja) 2000-11-07
JP3415067B2 true JP3415067B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=14763502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11952799A Expired - Fee Related JP3415067B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3415067B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4214217B2 (ja) * 2000-02-16 2009-01-28 三井住友建設株式会社 石炭灰を主原料とする土木材料の製造方法及び製造装置
JP4733397B2 (ja) * 2005-01-19 2011-07-27 株式会社クボタ スラグ処理方法
JP4616202B2 (ja) * 2006-03-23 2011-01-19 大王製紙株式会社 土壌改良材及び土壌改良材の製造方法
JP5558027B2 (ja) * 2009-05-08 2014-07-23 株式会社東芝 放射性廃棄物の固化処理方法
JP2012076009A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Nippon Paper Industries Co Ltd バイオマス焼却灰から造粒固化体を製造する方法
JP4846876B1 (ja) * 2011-01-28 2011-12-28 株式会社大協組 焼却灰を原料とした資材の製造方法
JP5190975B1 (ja) * 2012-03-27 2013-04-24 株式会社太平洋コンサルタント 可燃性廃棄物焼却灰の固化処理方法及びその固化処理体
CN108721824B (zh) * 2018-05-22 2020-08-11 重庆大学 垃圾焚烧飞灰同步稳定重金属和降解多环芳烃的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000308867A (ja) 2000-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3415067B2 (ja) 廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法
JP2913265B2 (ja) 光触媒の固結方法
JP3415066B2 (ja) 廃棄物焼却灰固化体の製造方法
JP3263045B2 (ja) 廃棄物・焼却灰の安定化方法
JP2002086121A5 (ja)
JP3224021B2 (ja) 燃焼灰の固化に適するごみ固形燃料の燃焼処理方法及び燃焼処理装置
KR20040020494A (ko) 폐콘크리트를 이용한 유해 폐기물 고화용 시멘트 제조방법및 이로부터 제조된 시멘트
JP2940670B1 (ja) 廃棄物燃焼灰の改質処理方法及び装置
KR100423410B1 (ko) 하수슬러지 고화체
JP4238995B2 (ja) ペーパースラッジの処理方法
JP3415065B2 (ja) 廃棄物焼却灰脱塩固化体の製造方法
JPH10225669A (ja) 低アルカリ固化材
JPH08268737A (ja) 焼却灰の処理方法
JPH11207291A (ja) 焼却残渣用固化剤及び焼却残渣の固化方法
KR20090070263A (ko) 환경 친화형 토양 고화제
JPS6158239B2 (ja)
JPH06298552A (ja) 速硬性固化材
JP3423685B2 (ja) 廃棄物燃焼灰固化における膨張抑制方法
JP2004105783A (ja) 土壌の固化処理材および固化処理方法
JPH0994548A (ja) 焼却残渣用固化剤及び焼却残渣の固化方法
JP2001009418A (ja) 重金属含有燃焼灰の処理方法
KR20070055305A (ko) 유·무기성 폐자원의 재처리 방법
JPH0975897A (ja) 廃棄物中の金属固定化方法
JP2005279521A (ja) 飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法
JP2816094B2 (ja) 石炭灰質固化物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees