JP3414878B2 - 板圧延機の圧下方法 - Google Patents

板圧延機の圧下方法

Info

Publication number
JP3414878B2
JP3414878B2 JP07219995A JP7219995A JP3414878B2 JP 3414878 B2 JP3414878 B2 JP 3414878B2 JP 07219995 A JP07219995 A JP 07219995A JP 7219995 A JP7219995 A JP 7219995A JP 3414878 B2 JP3414878 B2 JP 3414878B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
displacement
backup roll
rolling
split backup
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07219995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08267115A (ja
Inventor
石 利 幸 白
川 茂 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP07219995A priority Critical patent/JP3414878B2/ja
Publication of JPH08267115A publication Critical patent/JPH08267115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3414878B2 publication Critical patent/JP3414878B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下少なくともどちら
か一方のロールアセンブリーが、軸方向に3分割以上に
分割された分割バックアップロールによってワークロー
ルを支持する機構であって、各分割バックアップロール
には独立した荷重検出装置と圧下装置とが配備された板
圧延機、あるいは、分割バックアップロールと荷重検出
装置と分割バックアップロール圧下装置よりなる各分割
バックアップロールユニットのそれぞれは各分割バック
アップロールユニットに共通なインナーハウジングに配
され、インナーハウジングはミルハウジングに設けられ
たミル圧下装置により昇降可能に配置された板圧延機に
よる、板圧延に関する。
【0002】
【従来技術】近年、特開平05−48375号公報に記
載の板圧延機のように、分割バックアップロールの荷重
分布を検出し、圧延材とワークロール間の荷重分布を推
定し、これにより圧延後の板クラウン,板形状を高精度
に推定し得る圧延機が注目されている。また、特開平0
6−262228号公報にはこのような圧延機の圧延制
御方法が示されている。
【0003】この種の板圧延機を用いる圧延において、
第i分割バックアップロールに作用する荷重分布をq
i、その位置に対応する圧延材〜ワークロール間荷重布
分をpiとし、ワークロール軸心たわみの変形マトリク
スをKWij、バックアップロール系の変形マトリクスを
Bij、ロールクラウンの形式で表現したワークロール
プロフィルをCWi、分割バックアップロールプロフィル
をCBi、上ワークロール軸心たわみをyWTiとすると、
分割バックアップロールとワークロールの適合条件よ
り、式(1)が得られる。
【0004】 yWTi=KBijqj+CWi+CBi ・・・(1) なお、本明細書の数式では、同添字の繰り返しがある場
合にはアインシュタインの総和規約を用いて表現する。
また、KBijは、第j分割バックアップロールに単位荷
重が負荷された時の第i分割バックアップロールの変位
を表す影響係数マトリクスであるが、ここでは、ハウジ
ングの変形およびワークロール〜分割バックアップロー
ルの接触による両ロールの偏平変形を含めた変形マトリ
クスを表す。KBij,KWij,yWiは、すべてミルセンタ
ーからの相対位置のみを抽出する。
【0005】一方、上ワークロール軸心たわみyWTi
は、変形マトリクスKWijおよび圧延材〜ワークロール
間に作用する圧延荷重分布piを用いて、式(2)で表
される。
【0006】 yWTi=KWij(pj−qj) ・・・(2) 式(1),式(2)よりyWiを消去し、整理すると式
(3)が得られる。この(3)式は、第i分割バックア
ップロールに作用する荷重分布qiとその位置に対応す
る圧延材〜ワークロール間荷重分布piとの関係を表し
ている。
【0007】
【数3】
【0008】ところで、圧延荷重分布piは、一般に、
入側板厚H,出側板厚h,変形抵抗k,摩擦係数μ,平
均入側張力σb,平均出側張力σf,板形状を表現する伸
びひずみ差Δεの関数であり、式(4)で与えられる。
【0009】 pi=pi(H,h,k,μ,σb,σf,Δε) ・・・(4) ここで、ロールバイト中のk,μは、板幅方向にほとん
ど一定であり計算機および実験によって求めることがで
き、入側板厚Hと出側板厚hと平均入側張力σbと平均
出側張力σfは、所望とする圧延条件を入力することに
よって与えられる。 従って、式(4)より、目標とす
る板形状を表現する伸びひずみ差Δεを代入すれば、所
望の形状を得るための圧延荷重分布piが求められる。
この圧延荷重分布piを式(3)に代入することによっ
て、所望の形状を得るための各分割バックアップロール
の荷重分布qiが求められる。
【0010】そこで従来は一般に、各分割バックアップ
ロールの荷重分布がqiと一致するように各分割バック
アップロールの荷重分布を見ながら各分割バックアップ
ロールの変位をオペレータが手動で調整していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した圧延荷重分布
の調整方法では、第i番目の分割バックアップロールの
変位を変えると、上ワークロールに作用する力が変化す
るため、基本的には全ての分割バックアップロールの荷
重分布が変化する。従って、分割バックアップロールの
荷重分布を所望の荷重分布と一致させることはかなり困
難である。このため、オペレータは高い熟練度が要求さ
れると共に、分割バックアップロールの調整に長時間を
要した。
【0012】また、調整中に分割バックアップロールの
操作量がハード上の限界値に達することも多く、所望と
する分割バックアップロールの荷重分布すなわち所望と
する板形状が得られないことも起っていた。
【0013】本発明は上記したような従来法の問題点を
改善することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1実施態様
は、上下少なくともどちらか一方のロールアセンブリー
が、軸方向に3分割以上に分割された分割バックアップ
ロールによってワークロールを支持する機構であって、
各分割バックアップロールには独立した荷重検出装置と
圧下装置とが配備された板圧延機の圧下方法において、
所望の板形状を得るワークロールの荷重分布と圧延機出
側の板厚分布および圧延機の各ロールの変位の適合条件
とから所望の板形状を得る各分割バックアップロールの
変位を求め、その値に基づいて各分割バックアップロー
ルの変位を制御する。
【0015】分割バックアップロールと荷重検出装置と
分割バックアップロール圧下装置よりなる各分割バック
アップロールユニットのそれぞれは各分割バックアップ
ロールユニットに共通なインナーハウジングに配され、
インナーハウジングはミルハウジングに設けられたミル
圧下装置により昇降可能に配置された板圧延機の圧下方
においては、本発明の第2実施態様により、所望の板
形状を得るワークロールの荷重分布と圧延機出側の板厚
分布と各ロールの変位の適合条件およびインナーハウジ
ングの変位の規定条件から、所望の板形状を得る各分割
バックアップロールの変位とインナーハウジングの変位
を求め、それらの値に基づいて各分割バックアップロー
ルおよびインナーハウジングの変位を制御する。
【0016】
【作用】式(3)において、分割バックアップロールに
クラウンを予め機械的につけることと、そのクラウンと
同じ量の変位を各分割バックアップロールに与えること
は等価である。この概念に基づいて式(3)の変形マト
リクス等を用いて所望の荷重分割piとなる各分割バッ
クアップロールの変位を求める方法が、本発明の第1実
施態様の骨子である。
【0017】また、全ての分割バックアップロールをあ
る一定量変位させることと、各分割バックアップロール
の変位を変えずにインナーハウジング全体を一定量変位
させることも等価である。この概念に基づいて式(3)
の変形マトリクス等を用いて所望の荷重分布piとなる
インナーハウジングの変位と各分割バックアップロール
の変位を求める方法が、本発明の第2実施態様の骨子で
ある。
【0018】図1,図2に示すタイプの圧延機に本発明
を実施する態様に基づいて本発明を具体的に説明する。
図1および図2は、上下非対称なロール構成を有するク
ラスタータイプの圧延機の概略構造を示すもので、図1
はその正面図、図2は側面図である。上ロールアセンブ
リーは、第1組の4個の分割バックアップロール3a〜
3dと、第2組の3個の分割バックアップロ−ル3a’
〜3c’で上ワ−クロ−ル1をバックアップし、上ワ−
クロ−ル1に対しては7個に分割した分割バックアップ
ロール(3a〜3d,3a’〜3c’)として機能する
ものであり、両組共に上ワークロール1と接している。
すなわち、第1組および第2組の分割バックアップロー
ル(総計7個)は、ロ−ル軸に沿う方向に分布してお
り、圧延機の出側から圧延機の正面を見たとき、第1組
の4個の分割バックアップロール3a〜3dの隣り合う
ものの間の空間に、第2組の3個の分割バックアップロ
−ル3a’〜3c’が存在し、第2組の3個の分割バッ
クアップロ−ルの隣り合うものの間の空間に第1組の分
割バックアップロールが存在する。
【0019】分割バックアップロール3a〜3d,3
a’〜3c’には、それぞれ独立した荷重検出装置(図
示せず)とそれぞれ独立した圧下装置(図示せず)が設
けられている。また、これらの分割バックアップロール
と荷重検出装置と分割バックアップロール圧下装置より
なる各分割バックアップロールユニットは、各分割バッ
クアップロールユニットに共通なインナーハウジング5
に配され、インナーハウジング5は、ミルハウジング9
に設けられたミル圧下装置10により昇降可能に配置さ
れている。
【0020】なお、例えば上ワークロールに垂直方向の
力を付与する場合は、このワークロールにベンダー装置
(図示せず)およびベンダー力検出装置(図示せず)が
設けられている。
【0021】図2に示すように、4個の分割バックアッ
プロール3a〜3dは圧延機の出側方向に上ワークロー
ル1の中心と該分割バックアップロールの中心とを結ぶ
線がx軸となす角度θdで配置されている。一方、3個
の分割バックアップロール3a’〜3c’は圧延機の入
側方向に上ワークロール1の中心と該分割バックアップ
ロールの中心とを結ぶ線がx軸となす角度θeで配置さ
れている。
【0022】上ワークロール1と各分割バックアップロ
ール3a〜3d,3a’〜3c’との間には、それぞれ
のロール中心を結ぶ方向にqi’(i=1〜7)の力が
作用しており、y軸方向には図示しない分力qi(1〜
7)の力が作用している。
【0023】上ワークロール1には、y軸方向にベンダ
ー力(FW,FD)が作用している。FWがワークサイド
のベンダ−力、FDがドライブサイドのベンダ−力であ
る。さらに、上ワークロール1と被圧延材であるストリ
ップ6の間には、ストリップ6の幅方向に、荷重分布p
i(i=1〜7)が作用している。
【0024】下ワークロール2は、下ワークロールチョ
ック7に支持され、y軸方向と逆方向にベンダー力がワ
ークサイドにはFW,ドライブサイドにはFDが作用して
おり、下ワークロール2と下バックアップロールチョッ
ク8に支持された下バックアップロール4の間には、荷
重分布ri(i=1〜7)が作用している。また、パス
ラインはパスライン調節装置11によって、その位置を
制御される。
【0025】図2において、y軸方向に作用する図示し
ない分力qiとロール中心を結ぶ方向に作用する図示し
た分力qi’の関係は、式(5)で与えられ、qi’は先
に述べたように各分割バックアップロールに設けられて
いる荷重検出装置によって検出される。
【0026】
【数5】
【0027】また、y軸方向の力の釣り合いから式
(6)が得られる。
【0028】
【数6】
【0029】各分割バックアップロールを変位させた場
合の上ワークロールの軸心たわみyWTiに関しては、式
(1)に各分割バックアップロールを垂直方向にuiだ
け変化させた場合を考慮すると、式(7)で与えられ
る。
【0030】 yWTi=KBijqj+CWi+CBi−ui ・・・(7) また、下ワークロールの軸心たわみyWBiに関しては、
下バックアップロールと下ワークロールの2本のロール
変形特性を、例えば製鉄研究,第299号(197
9),p.92〜107に示されている方法を用いて、
等価2Hiミル化を行なうと、式(8)で与えられる。
【0031】 yWBi=−KWBijpj+fWBi ・・・(8) ここで、KWBijは、下ワークロール2の7行7列の変形
マトリクス、fWBiは等価2Hiミル化後の変位ベクト
ルであり、いずれも例えば上述の文献が示すような弾性
力学的な解法により求められる既知数である。式(7)
から式(8)を引くことによって式(9)が得られる。
【0032】 yWTi−yWBi=KBijqj+CWi+CBi−ui+KWBijpj−fWBi ・・・(9) 式(9)は、ストリップ6と上下ワークロール1,2間
のロール偏平変形を除いた場合の上下ワークロール1,
2間の間隔を示す。ここで、下ワークロール2とストリ
ップ6の接触によるロール偏平量を表す変形マトリクス
をKfBij、上ワークロール1とストリップ6の接触によ
るロール偏平量を表す変形マトリクスをKfTijとし、式
(9)に、ロール偏平変形成分を加えることによって、
圧延時のロールギャップすなわち出側板厚分布hiが得
られる。
【0033】 hi=KBijqj+CWi+CBi−ui+KWBijpj−fWBi +(KfBij+KfTij)pj ・・・(10) 式(10)において、出側板厚分布は各分割バックアッ
プロールの荷重および変位,ワークロールの荷重分布,
等価2Hiミル化後の変位ベクトル,分割バックアップ
ロールと上下ワークロールの変形マトリクス、および、
ロールプロフィルによって表される。式(10)を分割
バックアップロールの変位uiについて整理すると、式
(11)が得られる。
【0034】 ui=KBijqj+CWi+CBi−hi+KWBijpj−fWBi +(KfBij+KfTij)pj ・・・(11) 一方、荷重分布qjとpjとの間には、式(3)において
各部分割バックアップロールの変位uiを考慮した式
(12)の関係が成立する。式(12)がロールの変位
の適合条件を表す。すなわち、式(12)は分割バック
アップロールをuiだけ変位させた場合の分割バックア
ップロールの荷重分布とワークロールの荷重分布との力
の釣り合いを表している。
【0035】
【数12】
【0036】このようにして求められたqiをuiに変換
する手順について以下説明する。式(12)を式(1
1)に代入し、qiを消去すると式(13)が得られ
る。
【0037】
【数13】
【0038】また、マトリクスKWij,KBij,KWBij,
fBij,KfTijは、計算によって求まる既知の量であ
り、ロールプロフィルCWi,CBiの初期状態(圧延機組
み込み時)は既知の量であり、変位ベクトルfWBiは計
算によって求まる既知の量である。また、所望の板形状
を得るワークロールの圧延荷重分布pjは、例えば式
(4)によって与えられ、板厚分布(クラウン分布)h
iも板形状を計算する際例えば式(10)によって与え
られる既知の量である。
【0039】従って式(14)は解くことができ、各分
割バックアップロールの垂直方向の変位uiは容易に求
めることができる。このようにして各分割バックアップ
ロールの変位を求め、その値に基づいて各分割バックア
ップロールの圧下(変位)を制御する。
【0040】ところで、例えば各分割バックアップロー
ルの昇降を油圧を用いて行う場合、油圧シリンダーの長
さによりその昇降範囲,すなわち操作量範囲は限界(操
作限界値)がある。上述の圧下制御を行う場合、各分割
バックアップロールの実際の設定量は、分割バックアッ
プロールの操作限界量を考慮していないので、ハード上
の操作限界値よりも大きな値になる場合がありうる。こ
のような場合を解消する方法について次に説明する。
【0041】インナーハウジングをミルハウジングに設
けたミル圧下装置により、現状の圧下設定位置よりもワ
ークサイドをΔSW、ドライブサイドをΔSDだけ締め込
んだ場合を考える。以下、インナーハウジングを現在の
設定位置よりも昇降させる条件をインナーハウジングの
規定条件と言う。
【0042】これにより、各分割バックアップロールは
見かけ上、幾何学上の関係で式(15)に示された量S
iだけ変位させたことと等価になる。
【0043】
【数15】
【0044】ここで、圧延機の幅方向のロール中心から
ワークサイド方向にz軸を取り、各分割バックアップロ
ールの座標をziと定義する。また、aはインナーハウ
ジングに作用する荷重の支点間距離である。
【0045】上述した方法と同様のことを行うと、式
(11)に相当する関係式は式(16)で表され、式
(12)に相当する関係式は式(17)で表される。式
(17)がロールの変位の適合条件を表す。
【0046】 ui=KBijqj+CWi+CBi−hi+KWBijpj−fWBi +(KfBij+KfTij)pj−Si ・・・(16)
【0047】
【数17】
【0048】式(17)を式(16)に代入し、qiを
消去すると式(18)が得られる。
【0049】
【数18】
【0050】式(19)は、前述の式(14)と同様に
解くことができ、所要の形状を得るための各分割バック
アップロールの変位を求めることができる。
【0051】式(19)から、Siすなわちインナーハ
ウジングをミルハウジングに設けられたミル圧下装置に
よりワークサイドをΔSw、ドライブサイドをΔSDだけ
変位させることによって、分割バックアップロールの変
位の量を少なくすることができることは明らかである。
従って、操作限界値以上になっている各分割バックアッ
プロールの変位を操作範囲内に収めることができる。た
だし、Siは板圧延機の構造上明らかなように、一次式
で表すことのできるパターンでしか変更することはでき
ない。
【0052】ここで、ΔSwおよびΔSDの制御方法につ
いて、図3,図4を用いて説明する。図3の(a)の白
抜きの棒グラフは、圧延中の分割バックアップロールの
荷重分布がpioの時の各分割バックアップロールの変位
(uio)を示す。これらの変位は、各分割バックアップ
ロールのハード上の上限操作量と下限操作量限界内にあ
る。所望する板形状が得られる各分割バックアップロー
ルの変位を式(14)から求め、各分割バックアップロ
ールの操作量(変位;uiaim)に表したのが図3の
(b)のハッチングの棒グラフである。この時、第4分
割バックアップロールの操作量(変位;u4aim)は上限
操作量を越えている。
【0053】そこで、インナーハウジングをミルハウジ
ングに設けられたミル圧下装置により、ワークサイドを
ΔSw,ドライブサイドをΔSDだけ締め込ませる。ここ
では例えば、インナーハウジングの規定条件として、ワ
ークサイドとドライブサイドを均等に締め込むこと、す
なわち式(20)で表される平均値だけ締め込む場合を
考える。
【0054】
【数20】
【0055】式(20)から得られたSiを式(19)
に代入し、uiを求める。このようにして求めた分割バ
ックアップロールの変位を、図3の(b)に、黒塗りの
棒グラフで示す。
【0056】本発明の方法を適用することによって、各
分割バックアップロールの変位は、図3の(b)にハッ
チングで示した棒グラフから黒塗りで示した棒グラフへ
と変化する。図3より明らかなように、このような方法
で求められた分割バックアップロールの変位は上限操作
量限界内にあるようになる。従って、本発明の方法を適
用することによって、所望の板形状を得る分割バックア
ップロールの荷重分布を容易に得ることができる。
【0057】図3では、本発明の適用例として、ある分
割バックアップロールの変位が上限操作量限界を越した
場合について示したが、本発明は各分割バックアップロ
ールの変位がハード上の上限操作量限界を越さない場合
についても適用できる。
【0058】図4の(a)は、ある条件で圧延中の分割
バックアップロールの荷重分布pioの時の分割バックア
ップロール変位uioを座標(z)に対して示している。
図4の(b)は、図3の(b)のハッチングされた棒グ
ラフを求めた時と同様の手法によって求めた所要の分割
バックアップロールの変位uiを示す。これは、ワーク
サイドとドライブサイドで分布が傾斜している例であ
る。そこでこの例では、インナーハウジングの規定条件
として、インナーハウジングを締め込むワークサイドの
変位ΔSwおよびドライブサイドの変位ΔSDを、図4の
(b)のハッチングされた棒グラフの各分割バックアッ
プロール変位uiとその座標zに基づいて、直線回帰し
て求める。すなわち、図4の(b)において分割バック
アップロールの変位uiと座標ziの関係を直線近似し、
この直線をバックアップロールの荷重支点位置(+a/
2,−a/2)に外挿して求める。このようにして求め
たΔSw,ΔSDを式(15)に代入して求めたSiの分
布を、図4の(b)に直線で示す。求められたSiを式
(19)に代入して求めることによって、uiが求めら
れる。このようにして求めた分割バックアップロールの
変位を、図4の(b)に黒塗りの棒グラフで示す。図4
より明らかなように、このような方法で求めた分割バッ
クアップロールの変位は、上限操作量限界と下限操作量
限界のほぼ中間にある。従って、本発明の方法を適用す
ることによって、所望とする板形状を得る分割バックア
ップロールの荷重分布を容易に得ることができる。
【0059】また、図4において、インナーハウジング
をミルハウジングに設けられたミル圧下装置により、イ
ンナーハウジングの規定条件として、ワークサイドの変
位ΔSw,ドライブサイドの変位ΔSDを、式(15)か
ら求まる各分割バックアップロールの変位とその座標を
用いて直線回帰して求めた場合には、式(19)から求
まる各分割バックアップロールの変位が、式(14)か
ら求まるインナーハウジングを動かさない場合の変位と
比較して少なくなることもあり、応答性を高めることも
できる。ただし、この場合には上限操作量限界または下
限操作量限界を越えないように、各分割バックアップロ
ールの変位をチェックする必要があることは言うまでも
ない。
【0060】
【実施例】
(実施例1)使用した圧延機は、図1および図2に示し
たタイプと同じ圧延機であり、その仕様を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】インナーハウジングは、ミルハウジングに
設けられたミル圧下装置(電動圧下モータ)により圧下
され、これによるワークサイドの変位ΔSw,ドライブ
サイドの変位ΔSDは、ワークサイドおよびドライブサ
イドの圧下スクリュウの変位を検出することによって求
めた。
【0063】圧延に用いた板は、板厚1mm,板幅40
0mmの普通鋼のコイル(焼鈍材)である。圧延速度1
0m/min,圧下率20%,前方張力10kgf/m
2,後方張力5kgf/mm2で圧延した。最初の全て
の各分割バックアップロールの変位は0μmとした。こ
のとき、板形状は急峻度2%程度の端伸びであった。
【0064】予め計算を行い、上記圧延条件で、急峻度
3%の端伸び,急峻度1%の端伸び,デッドフラット,
急峻度1%の中伸び、および、急峻度3%の中伸び、の
各場合の板形状が得られるそれぞれの条件の各分割バッ
クアップロールの荷重分布を式(3),式(4)等に基
づいて求めた。
【0065】オペレータが各分割バックアップロールの
荷重分布を見ながら、各分割バックアップロールの変位
を試行錯誤しながら調整する方法では、例えば急峻度3
%の端伸びが得られる各分割バックアップロールの荷重
分布に設定するまでに10分を要した。これは、例えば
第1番目の分割バックアップロールの荷重分布になるよ
うに第1番目の分割バックアップロールの変位を調整し
た後、第2番目の分割バックアップロールの荷重分布が
所望の荷重分布になるように第2番目の分割バックアッ
プロールの変位を調整すると、第1番目の分割バックア
ップロールの荷重分布(3〜7番目の分割バックアップ
ロールの荷重分布)が変化するためである。
【0066】そこで本発明の方法を用いて、上記のそれ
ぞれの形状が得られる分割バックアップロールの荷重分
布となるための変位を求め、これによって得た変位に基
づいて各分割バックアップロールの操作量(変位)を調
整したところ、試行錯誤することなく短時間(1分程
度)で目標とする形状を得ることができた。
【0067】(実施例2)実施例1と同様の圧延機にお
いて、同じ圧延条件で圧延を行った。ただし、最初の全
ての各分割バックアップロールの変位は、ハード上の上
限限界値に近い+450μmとした。このとき、板形状
は急峻度2%程度の端伸びであった。
【0068】予め計算を行い、上記圧延条件で、急峻度
3%の端伸び,急峻度1%の端伸び,デッドフラット,
急峻度1%の中伸び、および、急峻度3%の中伸び、の
各場合の板形状が得られるそれぞれの条件の各分割バッ
クアップロールの荷重分布を求めた。そして、計算から
それぞれの形状が得られる所望とする分割バックアップ
ロールの荷重分布となるための変位を求めたところ、急
峻度3%の端伸びは、各分割バックアップロールの操作
量(変位)がハード上の上限限界値を越えたため、得る
ことができなかった。
【0069】そこで本発明の方法を用いて、インナーハ
ウジングの規定条件として、ハード上の制約がない場合
の本来の変位をもとに、一次回帰を行いインナーハウジ
ングのワークサイドおよびドライブサイドの変位ΔSw
およびΔSDを求めると共に、その際の各分割バックア
ップロールの変位を求めて、各分割バックアップロール
の操作量(変位)を調整したところ、所望の板形状を得
ることができた。
【0070】
【発明の効果】本発明を適用することによって、所望の
板形状が得られる各分割バックアップロールの操作量が
簡単に求められ、その圧下変位を制御することができる
と共に、ハード上の操作限界を回避することができ、形
状制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する圧延機の一構成例と作用す
る荷重,変位を示す正面図である。
【図2】 図1に示す圧延機の側面図である。
【図3】 (a)は図1に示す圧延機の分割バックアッ
プロ−ルそれぞれの変位を示すグラフであり、(b)は
上限操作量を越える場合の所要変位(斜線)と、インナ
−ハウジングの締込み調整をした場合の所要変位(黒塗
りつぶし)を示すグラフである。
【図4】 (a)は図1に示す圧延機の分割バックアッ
プロ−ルの、分布が傾斜した変位を示すグラフであり、
(b)は分布が傾斜した所要変位(斜線)と、インナ−
ハウジングの締込みにより斜線分を調整をした場合の、
分割バックアップロ−ルの所要変位(黒塗りつぶし)を
示すグラフである。
【符号の説明】
1:上ワークロール 2:下ワー
クロール 3a〜3d:圧延機出側の分割バックアップロール(4
分割) 3a’〜3c’:圧延機入側の分割バックアップロール
(3分割) 4:下バックアップロール 5:インナ
ーハウジング 6:ストリップ(圧延材) 7:下ワー
クロールチョック 8:下バックアップロールチョック 9:ミルハ
ウジング 10:圧下装置 11:パスラ
イン調節装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−154530(JP,A) 特開 平5−69010(JP,A) 特開 平6−262227(JP,A) 特開 平6−262215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78 B21B 27/02 B21B 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下少なくともどちらか一方のロールア
    センブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バ
    ックアップロールによってワークロールを支持する機構
    であって、各分割バックアップロールには独立した荷重
    検出装置と圧下装置とが配備された板圧延機の圧下方法
    において、 所望の板形状を得るワークロールの荷重分布と圧延機出
    側の板厚分布および圧延機の各ロールの変位適合条件
    とから所望の板形状を得る各分割バックアップロールの
    変位を求め、その値に基づいて各分割バックアップロー
    ルの変位を制御することを特徴とする板圧延機の圧下方
    法。
  2. 【請求項2】 上下少なくともどちらか一方のロールア
    センブリーが、軸方向に3分割以上に分割された分割バ
    ックアップロールによってワークロールを支持する機構
    であって、各分割バックアップロールには独立した荷重
    検出装置と圧下装置とが配備され、さらに、これらの分
    割バックアップロールと荷重検出装置と分割バックアッ
    プロール圧下装置よりなる各分割バックアップロールユ
    ニットのそれぞれは各分割バックアップロールユニット
    に共通なインナーハウジングに配され、インナーハウジ
    ングはミルハウジングに設けられたミル圧下装置により
    昇降可能に配置された板圧延機の圧下方法において、 所望の板形状を得るワークロールの荷重分布と圧延機出
    側の板厚分布と各ロールの変位の適合条件およびインナ
    ーハウジングの変位の規定条件から、所望の板形状を得
    る各分割バックアップロールの変位とインナーハウジン
    グの変位を求め、それらの値に基づいて各分割バックア
    ップロールおよびインナーハウジングの変位を制御する
    ことを特徴とする板圧延機の圧下方法。
JP07219995A 1995-03-30 1995-03-30 板圧延機の圧下方法 Expired - Lifetime JP3414878B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07219995A JP3414878B2 (ja) 1995-03-30 1995-03-30 板圧延機の圧下方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07219995A JP3414878B2 (ja) 1995-03-30 1995-03-30 板圧延機の圧下方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08267115A JPH08267115A (ja) 1996-10-15
JP3414878B2 true JP3414878B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=13482331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07219995A Expired - Lifetime JP3414878B2 (ja) 1995-03-30 1995-03-30 板圧延機の圧下方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3414878B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6102597A (en) * 1999-04-28 2000-08-15 Scitex Wide-Format Division Ltd. Feed mechanism for wide format flexible substrates
JP4551027B2 (ja) * 2001-05-24 2010-09-22 新日本製鐵株式会社 板圧延機の零点調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08267115A (ja) 1996-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8127584B2 (en) Prestressed rolling mill housing assembly with improved operational features
EP0621087B1 (en) Rolling mill and method
JPH0550109A (ja) 圧延機及び圧延方法
US20060230799A1 (en) Method and apparatus for rolling metalic plate material
RU2344891C1 (ru) Способ и прокатный стан для улучшения выпуска катаной металлической полосы, конец которой выходит со скоростью прокатки
US7251978B2 (en) Roll stand for producing plane roll strips having a desired strip profile superelevation
US5267170A (en) Method and apparatus for controlling rolling mill
JP3414878B2 (ja) 板圧延機の圧下方法
JP3443036B2 (ja) ローラレベラーのクラウニング補正方法およびクラウニング装置
EP0206453A1 (en) Method of multi-pass rolling and rolling mill stand for carrying out the method
US3394566A (en) Correction of roll positioning in a rolling mill
JPH10314819A (ja) 偏平な製品を熱間圧延および冷間圧延するための圧延機を運転するための方法
JP3774619B2 (ja) 二次加工性に優れた厚鋼板の製造方法
JP7040611B2 (ja) 圧延機及び圧延機の設定方法
JP3938635B2 (ja) 板圧延における板形状制御方法
EP0037834B1 (en) Method of controlling width of plate
JP6123745B2 (ja) 鋼板の圧延方法
JPH0724849B2 (ja) 板圧延における形状制御方法
JP2714118B2 (ja) 圧延機における形状制御方法および装置
JP2017006941A (ja) ローラーレベラの零点調整方法
JP3547328B2 (ja) 板圧延機および板形状制御方法
JP3930846B2 (ja) 板形状制御方法および板圧延機
JPH11123457A (ja) ローラレベラーのクラウニング装置およびそれを用いた横撓み補正方法
JPH0813367B2 (ja) 板圧延機
US3492848A (en) Automatic gauge control for rolling mills

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030303

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080404

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140404

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term