JP3414132B2 - 高分子電解質およびその製造方法 - Google Patents

高分子電解質およびその製造方法

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JP3414132B2 JP17781396A JP17781396A JP3414132B2 JP 3414132 B2 JP3414132 B2 JP 3414132B2 JP 17781396 A JP17781396 A JP 17781396A JP 17781396 A JP17781396 A JP 17781396A JP 3414132 B2 JP3414132 B2 JP 3414132B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホン化された
ポリスチレン系樹脂よりなる高分子電解質に関し、ま
た、この高分子電解質の好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂は、透明で、電気的
特性や剛性、耐水性等の特性に優れており、しかも安価
である。このため、ポリスチレン系樹脂は、単独で、も
しくは、共重合体物や他の樹脂とのアロイ物として、緩
衝材(発泡スチロール)や包装材、電化製品や自動車に
おける筐体および各種部品等の材料として使用され、ポ
リエチレンに代表されるポリオレフィン系樹脂と並ぶ汎
用性樹脂となっている。
【0003】また、ポリスチレン系樹脂は、上述したよ
うな構造材料以外として用いる以外に、高分子電解質に
改質することで、凝集剤や表面サイズ剤として用いるこ
ともできる。
【0004】ポリスチレン系樹脂を高分子電解質に改質
するには、ポリスチレン系樹脂をスルホン化剤と反応さ
せることにより、該樹脂中にスルホン基を導入し、その
後、このスルホン基を塩基性化合物で中和することによ
り、水溶性のスルホン酸塩ポリマーとすればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際
に、上述のようにしてポリスチレン系樹脂を高分子電解
質に改質すると、スルホン化反応時に分子架橋(スルホ
ン架橋)が生じやすいため、ポリマーのゲル化が生じ、
水に不要なポリマーが形成されてしまいやすかった。こ
のため、このスルホン化反応に際しては、非常に厳密な
反応条件の制御が必要であった。また、このゲル化は、
ポリマーの分子量が大きくなるほど顕著となるため、特
に高分子量の高分子電解質を得ることは困難であった。
【0006】そこで、本発明においては、十分に水に溶
解可能な高分子電解質を提供することを目的とし、ま
た、この高分子電解質の好適な製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高分子電解
質は、上述の目的を達成するものであり、カーボンブラ
ック、酸化チタンの少なくともいずれかの無機顔料を
×10 −5 〜15重量%含有し、スルホン化されたポリ
スチレン系樹脂を主体とし、水溶性を示すことを特徴と
するものである。
【0008】ここで、含有される無機顔料としては、カ
ーボンブラック、酸化チタンの少なくともいずれかであ
って好適である。
【0009】また、本発明に係る高分子電解質の製造方
法は、上述のような高分子電解質を製造するためのもの
であり、ポリスチレン系樹脂を、無機顔料の存在下でス
ルホン化することにより水溶性の高分子電解質とするも
のである。
【0010】なお、スルホン化に際して存在させておく
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタンの少
なくともいずれかであって好適である。
【0011】このように、ポリスチレン系樹脂をスルホ
ン化するに際して、上述のような無機顔料を存在させる
と、架橋反応が抑制され、ゲル化が抑えられる。このた
め、水に不要なポリマーが形成されにくくなり、水溶性
の高分子電解質を安定して得ることができるようにな
る。
【0012】本発明が適用されるポリスチレン系樹脂
は、バージン材のみならず、廃材であってもよい。この
ため、本発明は、汎用性樹脂として大量に生産されたポ
リスチレン系樹脂製品の再利用法としても非常に有効で
ある。
【0013】無機顔料は、スルホン化に先立って添加さ
れてもよいし、ポリスチレン系樹脂中に予め含有させて
おいてもよい。即ち、この樹脂中に上述したような無機
顔料が含有されていなければ、スルホン化に先立って無
機顔料を添加すればよく、上述したような無機顔料がも
ともと含有されていれば、この無機顔料の含有量によっ
ては、そのままスルホン化を行うことができる。なお、
ポリスチレン系樹脂として廃材を用いる場合には、上述
したような無機顔料がもともと含有されていることが多
い。
【0014】ポリスチレン系樹脂をスルホン化するに際
しては、ポリスチレン系樹脂の固体に対してスルホン化
剤を添加する、あるいは、スルホン化剤中にポリスチレ
ン系樹脂の固体を投入する等の手法を用いるより、スル
ホン化に先立って、ポリスチレン系樹脂を溶媒に溶解さ
せておくことが好ましい。これによって、スルホン化の
際に、より架橋反応を抑制できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について詳細に説明する。
【0016】本発明に係る高分子電解質は、無機顔料を
含有し、スルホン化されたポリスチレン系樹脂を主体と
し、水溶性を示すものである。
【0017】無機顔料としては、カーボンブラック、酸
化チタンのいずれか、あるいは両方が含有されるが、こ
の含有量は、1×10-5〜15重量%、さらに好ましく
は5×10-4〜5重量%であって好適である。
【0018】このカーボンブラック、酸化チタンは、樹
脂の着色剤や補強剤、電気伝導性付与剤として一般に用
いられているものでよい。例えば、カーボンブラック
は、チャンネル法、ファーネス法、サーマル法のいずれ
の方法によって製造されたものであってもよく、これら
より選ばれるいずれか一つの方法によって製造されたも
のが単独で用いられても、異なる方法によって製造され
たものが併用されてもよい。また、平均粒子径は、5〜
500nm、さらに好ましくは10〜50nmであって
好適である。一方、酸化チタンは、ルチル型、アナター
ゼ型、超微粒子チタンのいずれのタイプであってもよ
く、これらが単独で用いられても、複数のタイプのもの
が併用されてもよい。また、平均粒子径は、0.01〜
50nm、さらに好ましくは0.05〜10nmであっ
て好適である。
【0019】ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレ
ン単独よりなるものであってもよいし、スチレンと他の
モノマーとの共重合体であってもよい。なお、共重合体
である場合、スチレンユニットが全体の30モル%以上
とされて好適である。また、このようなポリスチレン系
樹脂は、他のポリマーとアロイ物やブレンド物とされて
もよく、この場合、ポリスチレン系樹脂が樹脂全体の2
0重量%以上含有されて好適である。
【0020】スチレン系共重合体としては、スチレン−
ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル、スチレン−(メタ)ア
クリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル(炭
素数が1〜4の脂肪族炭化水素)、スチレン−アクリロ
ニトリル−(メタ)アクリル酸エステル(炭素数が1〜
4の脂肪族炭化水素)、スチレン−ブタジエン−(メ
タ)アクリル酸エステル(炭素数が1〜4の脂肪族炭化
水素)、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−無水イ
タコン酸が挙げられる。この中でも、スチレン−ブタジ
エン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−ブタジ
エン−アクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル
−(メタ)アクリル酸エステル(炭素数が1〜4の脂肪
族炭化水素)、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリ
ル酸エステル(炭素数が1〜4の脂肪族炭化水素)、ス
チレン−無水マレイン酸が好ましく、特に、スチレン−
ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル、スチレン−無水マレイ
ン酸が好ましい。なお、これらスチレン系共重合体は単
独で使用されても、ポリスチレンや他のスチレン系共重
合体と併用されてもよい。また、これらポリスチレン系
樹脂の分子量は、5000〜10000000、好まし
くは50000〜1000000、さらに好ましくは1
00000〜500000であって好適である。
【0021】また、上述のようなポリスチレン系樹脂が
アロイやブレンドされる場合、アロイやブレンドされる
他のポリマーとしては、ポリフェニレンエーテル、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド
(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートが挙げられる。中でも、ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネートを用いて好適である。
なお、これらのポリマーのうち1種類を用いても、2種
類以上を用いてもよい。
【0022】上述のような高分子電解質は、廃水処理用
凝集剤、セメント用分散剤、紙用サイズ剤、電子複写用
導電剤、帯電防止剤等に利用することができる。中で
も、廃水処理用凝集剤、セメント用分散剤、紙用サイズ
剤、電子複写用導電剤に利用して好適である。
【0023】また、本発明に係る高分子電解質の製造方
法は、上述のような高分子電解質を製造するためのもの
であり、ポリスチレン系樹脂を、無機顔料の存在下でス
ルホン化することにより水溶性の高分子電解質とするも
のである。
【0024】ここで用いられるポリスチレン系樹脂は、
上述したような種類のものであればよいが、本発明の高
分子電解質を製造するために新規につくられたもの(バ
ージン材)であっても、工場や販売店、家庭等からの廃
棄物(廃材)であってもよい。また、バージン材と廃材
とを併用してもよい。このように、本発明は、汎用性樹
脂として大量に生産されたポリスチレン系樹脂製品を再
利用できるため、地球環境保全の観点からも非常に有用
である。このような観点から、本発明では、ポリスチレ
ン系樹脂として、バージン材よりも廃材を用いることが
好ましい。なお、家庭からの一般廃棄物よりは、工場や
販売店等から回収されたものの方が比較的組成がそろっ
たものが得られるため、より望ましい。
【0025】そして、実際にスルホン化するには、ポリ
スチレン系樹脂を予め有機溶媒に溶解あるいは分散させ
ておき、これにスルホン化剤を添加すればよい。なお、
ポリスチレン系樹脂と他のポリマーとが併用される場合
には、両者を有機溶媒に溶解あるいは分散させればよ
い。
【0026】有機溶媒としては、炭素数1〜2の脂肪族
ハロゲン化炭化水素を用いて好適であり、特に、1,2
−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,1−ジクロロエタンを用いて好適である。なお、ポ
リスチレン系樹脂の分子量にもよるが、このような有機
溶媒に対して、上述のポリスチレン系樹脂を0.5〜5
0重量%、好ましくは2〜20重量%溶解させればよ
い。
【0027】また、飽和あるいは不飽和の環状炭化水素
を用いてもよい。環状飽和炭化水素としては、シクロペ
ンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタ
ン、ビシクロヘキシル、デカリン、サビナン等が挙げら
れ、環状不飽和炭化水素としては、シクロヘキセン、単
環式モノテルペン(リモネン、シルベストレン、テルピ
ネン)、二環式モノテルペン(カレン、ピネン、サビネ
ン、カンフェン)、テルピノレン等が挙げられる。な
お、これら環状炭化水素の中では、環状飽和炭化水素が
望ましい。
【0028】また、これら環状炭化水素と混合可能な溶
媒としては、上述した脂肪族ハロゲン化炭化水素の他、
炭素数1〜7のパラフィン系炭化水素、アセトニトリ
ル、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピ
ラン、アセトン、メチルエチルケトン、チオフェン等が
挙げられ、特に、炭素数1〜7のパラフィン系炭化水
素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトンが
好適である。
【0029】スルホン化剤としては、無水硫酸、発煙硫
酸、クロルスルホン酸、濃硫酸が挙げられる。スルホン
化剤の添加量としては、ポリスチレン系樹脂中に含まれ
る側鎖のベンゼン環あたり、0.5〜2.0モル量、好
ましくは0.7〜1.5モル量が適当である。なお、ポ
リフェニレンエーテルやポリカーボネート系樹脂を併用
する場合には、この樹脂中の主鎖のベンゼン環と上述の
ポリスチレン系樹脂中のベンゼン環とを併せて、スルホ
ン化剤の添加量を設定する。スルホン化剤の添加量が少
なすぎると、スルホン化度が不十分となるため、水に対
する溶解性が悪くなり、逆に多すぎると、分子内および
分子間の架橋が起こりやすくなるため、副生成物が増加
して、かえって水に対する溶解性が劣化する。
【0030】なお、このようなスルホン化剤はルイス塩
基と併用されてもよい。この場合、ルイス塩基として
は、トリエチルフォスフェートやトリメチルフォスフェ
ート等のアルキルフォスフェート、ジオキサン、無水酢
酸、酢酸エチル、ジエチルエーテル、チオキサン等が挙
げられる。
【0031】このようなスルホン化の反応は、0〜80
℃、好ましくは10〜60℃にて行えばよい。
【0032】上述のようなスルホン化に際しては、無機
顔料として、カーボンブラック、酸化チタンの少なくと
もいずれかを存在させることが重要である。これら無機
顔料は、スルホン化反応中、系内にいずれか一方存在さ
せればよいが、両方存在させてもよく、反応系内にそれ
ぞれ独立して、1×10-5〜25重量%、好ましくは5
×10-4〜10重量%存在させればよい。
【0033】これら無機顔料を反応系内に存在させるに
は、スルホン化反応を行う前に予め系内に添加しておい
てもよいし、既にポリスチレン系樹脂中に含有されてい
るもので間に合わせてもよい。通常、ポリスチレン系樹
脂の廃材においては、添加剤としてカーボンブラックや
酸化チタンが既に含有されていることが多いため、上述
の添加量を満たすならば、そのままスルホン化反応を行
えばよい。なお、樹脂中に既に無機顔料が含まれている
ものの方が、反応系中での分散性に優れている。既に無
機顔料が含まれている場合、樹脂中の無機顔料の量が、
0.002〜50重量%、特に0.01〜10重量%で
あるとよい。
【0034】このように、ポリスチレン系樹脂をスルホ
ン化するに際して、上述のような無機顔料を存在させる
と、この無機顔料が分散性を向上させ、反応が均一に起
こるようになる。このため、分子内および分子間の架橋
反応が抑制され、水に不溶や副生成物の生成が抑制され
ることとなり、水溶性の高分子電解質を安定して得るこ
とができるようになる。また、このようにして得られた
高分子電解質自体の分散性も向上させることができるた
め、高分子電解質の品質の安定化、均一化を図ることも
できる。
【0035】なお、上述のようにしてスルホン化を行っ
た後は、塩基性化合物と反応させることで中和処理を行
う。塩基性化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属等の水酸化物や炭酸塩、アンモニア、1級〜3級
のアルキルアミン化合物等が挙げられる。これらをその
まま、もしくは水溶液の状態で、徐々に添加することに
より中和処理を完結させる。これら塩基性化合物を水溶
液として添加する場合、この添加水の量は、ポリスチレ
ン系樹脂の分子量により異なるが、樹脂全体の重量に対
して、1倍〜100倍、好ましくは2倍〜50倍として
好適である。そして、中和処理が終了した後は、溶媒を
分液、蒸留等で除去すればよい。
【0036】以上のようにすることにより、無機顔料を
含有する水溶性の高分子電解質を得ることができる。な
お、この高分子電解質中には無機顔料が含有されていた
方が、水溶液中での分散性、均一性にすぐれているが、
必要に応じて、無機顔料をフィルターで濾過することに
よって除去してもよい。
【0037】
【実施例】ここで、本発明に係る高分子電解質、その製
造方法の具体例を示すため、実際に高分子電解質を作製
し、その特性の評価を行った。
【0038】先ず、樹脂として、 (a)ポリスチレン・・・アルドリッチ社製、分子量M
w=28万(無機顔料無添加) (b)ハイインパクトポリスチレン・・・VHSカセッ
トテープ用ハウジング材(カーボンブラック1重量%含
有) (c)ハイインパクトポリスチレン−ポリフェニレンエ
ーテルのアロイ物・・・ファクシミリ用ハウジング材
(酸化チタン2重量%含有) (d)ポリスチレン−ポリフェニレンエーテルのアロイ
物・・・CD−ROMドライブ用ハウジング材(カーボ
ンブラック2重量%含有) をそれぞれシュレッダーにより粉砕したものを用意し
た。
【0039】実施例1 60gのポリスチレン(a)を、540gの1,2−ジ
クロロエタンに溶解させた後、カーボンブラック(カラ
ー用標準品、HCCタイプ、平均粒径9〜14nm)を
0.5g添加した。そして、これを50℃に加熱した
後、60%発煙硫酸77gを30分かけて滴下した。
【0040】このとき、反応系中にはスラリー上の生成
物が生じたが、反応終了時までゲル化物が反応容器の壁
面に付着することはなかった。
【0041】滴下終了後は、さらに30分間、同温度で
スルホン化を完結させた後、反応系中に水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて中和を行った。その後、加熱によりで
1,2−ジクロロエタンを留出除去し、残留物の水溶液
を水酸化ナトリウムで最終的にPH8に調整した。これ
により、20重量%の高分子電解質水溶液を得た。
【0042】なお、このようにして得られた高分子電解
質水溶液を、室温下、1ヶ月放置したところ、良好な均
一性、分散性を維持していた。
【0043】実施例2 6.93gのハイインパクトポリスチレレン(b)を6
3gの1,2−ジクロロエタンに溶解させたものと、
9.33gの60%発煙硫酸とを、2.44gのリン酸
トリエチルを70gの1,2−ジクロロエタンに添加し
た溶液に対して、60分かけて同時滴下した。滴下中は
反応系の温度を20〜25℃の範囲にコントロールし
た。
【0044】なお、ハイインパクトポリスチレレン
(b)中に含まれていたカーボンブラックは、反応系内
では均一に分散しており、スルホン化反応の進行ととも
に安定したスラリー物を生成した。また、本実施例にお
いても、同反応中、反応容器の壁面にゲル化物が付着す
ることはなかった。
【0045】滴下終了後は、さらに30分間、同温度で
スルホン化を完結させた後、反応系中に水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて中和を行った。その後、加熱により
1,2−ジクロロエタンを留出除去した。これにより、
20重量%の高分子電解質水溶液を得た。
【0046】なお、このようにして得られた高分子電解
質水溶液を、室温下、1ヶ月放置したところ、良好な均
一性、分散性を維持していた。
【0047】実施例3 0.6gのリン酸トリエチルを70gの1,2−ジクロ
ロエタンに添加した溶液を20〜25℃に保った状態で
0.27gの無水硫酸を加えた。次に、7.0gのハイ
インパクトポリスチレン−ポリフェニレンエーテルのア
ロイ物(c)を63gの1,2−ジクロロエタンに溶解
させたものと、5.4gの無水硫酸とを、同温度に保ち
ながら、60分かけて同時滴下した。
【0048】なお、ハイインパクトポリスチレン−ポリ
フェニレンエーテルのアロイ物(c)中に含まれていた
酸化チタンは、反応系内では均一に分散しており、スル
ホン化反応の進行とともに安定したスラリー物を生成し
た。また、本実施例においても、同反応中、反応容器の
壁面にゲル化物が付着することはなかった。
【0049】滴下終了後は、3.0gの水酸化ナトリウ
ムを含む水溶液32gを撹拌しながら反応系中に徐々に
加えて中和を行った。その後、加熱により溶媒を留出さ
せ、残留物の水溶液を水酸化ナトリウムで最終的にPH
8に調整した。これにより、30重量%の高分子電解質
水溶液を得た。
【0050】なお、このようにして得られた高分子電解
質水溶液を、室温下、1ヶ月放置したところ、良好な均
一性、分散性を維持していた。
【0051】実施例4 ハイインパクトポリスチレン−ポリフェニレンエーテル
のアロイ物(c)の代わりにポリスチレン−ポリフェニ
レンエーテルのアロイ物(d)を用いた以外は、実施例
3と同様にして高分子電解質水溶液を得た。
【0052】この場合も、ポリスチレン−ポリフェニレ
ンエーテルのアロイ物(d)中に含まれていたカーボン
ブラックは、反応系内では均一に分散しており、スルホ
ン化反応の進行とともに安定したスラリー物を生成し
た。また、同反応中、反応容器の壁面にゲル化物が付着
することはなかった。
【0053】なお、このようにして得られた高分子電解
質水溶液を、室温下、1ヶ月放置したところ、良好な均
一性、分散性を維持していた。
【0054】比較例1 カーボンブラックを添加しなかった以外は実施例1と同
様にして高分子電解質水溶液を得た。
【0055】本比較例においては、発煙硫酸の滴下開始
から約10分後、反応系中に塊状のゲル化物が生じ、滴
下終了時には反応容器の壁面に同ゲル化物が付着した。
また、このゲル化物は、水にもアルカリ性水溶液にも溶
解しなかった。
【0056】特性の評価 実施例1と比較例1とを比較すると、ポリスチレンをス
ルホン化する際にカーボンブラックを存在させることに
より、水に不溶な副生成物の生成を抑えることができる
ようになることがわかる。
【0057】また、実施例2より、ポリスチレン系樹脂
の廃材を用いても、良好に高分子電解質水溶液を製造で
きることがわかった。また、ポリスチレン系樹脂中に、
既にカーボンブラックが含有されていてよいことがわか
った。
【0058】さらに、実施例3、4より、ポリスチレン
系樹脂を単独で用いる代わりに、ポリスチレン系樹脂と
他のポリマーとのアロイ物を用いても、同様に、優れた
高分子電解質水溶液を製造できることがわかった。
【0059】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明を適用すると、安定して水溶性の高分子電解質を製造
できるようになる。また、得られた高分子電解質は、保
存安定性にも優れている。このため、比較的安価なポリ
スチレン樹脂の付加価値を上げることができ、用途拡大
を図ることができるようになる。
【0060】また、使用済みの廃材を用いることができ
るため、資源の有効利用を図ることができ、地球環境保
全に貢献することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−104335(JP,A) 特開 昭62−590(JP,A) 特開 平8−27222(JP,A) 特開 平9−188872(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/36 C08L 25/00 - 25/18 C08K 3/04 C08K 3/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラック、酸化チタンの少なく
    ともいずれかの無機顔料を1×10-5〜15重量%含有
    し、スルホン化されたポリスチレン系樹脂を主体とし、
    水溶性を示すことを特徴とする高分子電解質。
  2. 【請求項2】 前記スルホン化されたポリスチレン系樹
    脂は、分子量が100000〜500000であるポリ
    スチレン系樹脂をスルホン化して得られる樹脂である
    とを特徴とする請求項1記載の高分子電解質。
  3. 【請求項3】 ポリスチレン系樹脂を、カーボンブラッ
    ク、酸化チタンの少なくともいずれかの無機顔料の存在
    下でスルホン化することにより水溶性の高分子電解質と
    することを特徴とする高分子電解質の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無機顔料は、前記スルホン化に先立
    って添加されることを特徴とする請求項記載の高分子
    電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記無機顔料は、前記ポリスチレン系樹
    脂中に予め含有させておくことを特徴とする請求項
    載の高分子電解質の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記スルホン化に先立って、前記ポリス
    チレン系樹脂を溶媒に溶解させておくことを特徴とする
    請求項記載の高分子電解質の製造方法。
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