JP3412727B2 - 導電樹脂ペーストの転写方法 - Google Patents

導電樹脂ペーストの転写方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異方性導電樹脂ペース
トの転写方法、更に詳しくは、半導体チップのバンプに
異方性導電樹脂ペーストを転写する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体チップのバンプに、異方性
導電樹脂ペーストを転写する方法は公知である。例え
ば、特開平4−83344号公報においては、転写型を
用いる方法、及びスクリーンを用いる方法が開示されて
いる。
【0003】すなわち、前者は、転写型内に異方性導電
樹脂ペーストを充填し、それをスキージでならして型内
のペーストを均一厚さにした後、このペーストに半導体
チップのバンブを接触せしめて転写させるものである。
また、後者は、バンプが形成されている方の面を上側に
位置せしめた半導体チップの直上にスクリーンを配し、
このスクリーン上に供給される異方性導電樹脂ペースト
をスキージで移動させて、かかるパンプに異方性導電樹
脂ペーストを印刷するものである。
【0004】なお、異方性導電樹脂ペーストとは、樹脂
中に、導電性粒子(Au、Ni、Ag、Cuなど)を分
散混入させたものであって、加圧熱硬化することによ
り、加圧方向に対しては電気導電性を示すと共に加圧方
向から90度異方向に対しては電気絶縁性を示すもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の、スク
リーンを用いる方法は、スキージの押圧力や速度、更に
は、スキージエッジのシャープ性等の諸条件により影響
されて均一な厚さに印刷することの困難性を有している
と共に、印刷中において導電性粒子が半導体チップのパ
ンプのエッジ部分に滞留し易く、その為、かかるバンプ
表面上に配置されないとった問題を有していた。
【0006】その点、転写型を用いる方法は、スクリー
ン式でないから、このような問題は生じないが、その一
方において、粘度が高く、導電性粒子の大きさが不均一
のペーストを使用する場合において、型内のペーストを
均一な厚さに調整することの困難性を有し、かかるペー
ストの上面レベルが一定しない為、バンプの背丈が、例
えば、70μmといった大きな背丈の特殊な半導体チッ
プだけにしか、この方法を採用することができず、その
汎用性が妨げられていた。
【0007】本発明は、このような欠点に鑑み、それを
解決すべく鋭意検討の結果、異方性導電樹脂ペーストに
含まれている導電性粒子の径よりも大きい径の孔を有し
ている多孔性の転写ステージを用いることにより一挙に
解決し得ることを見い出したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
異方性導電樹脂ペーストの転写方法は、半導体チップの
バンプに、樹脂中に導電性粒子を分散混入させた異方性
導電樹脂ペーストを転写する異方性導電樹脂ペーストの
転写方法において、スキージにより前記導電性粒子の径
よりも大きい径の孔を有している多孔性転写ステージに
前記異方性導電樹脂ペーストを塗布した後、それに半導
体チップのバンプを接触させて転写せしめることを特徴
とするものである。なお、多孔性転写ステージは、焼結
金属又はオイルストーンで構成するのが好ましい。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について述べる
と、図1においては、多孔性転写ステージ1の上面に異
方性導電樹脂ペースト2を塗布する態様が示されている
が、スキージ3は矢印方向へ移動され、これにより5μ
m程度の安定した薄膜が形成される。なお、異方性導電
樹脂ペースト2の導電性粒子2aは、直径が5μm程度
であると共に多孔性転写ステージ1は、7μm程度の小
さい4を有している焼結金属又はオイルストーンで構
成されている。
【0010】以下、多孔性転写ステージ1の上面に異方
性導電樹脂ペースト2を塗布し得ると、その上方より半
導体チップ5のバンプ5aを、かかる塗布面に接触させ
る。この状態が図2において示されているが、その際、
塗布面上に半導体チップ5を静かに置くように接触させ
る。次いで、図3において示されているように、半導体
チップ5を上方へ移動させる。
【0011】よって、このような簡単な作業により、半
導体チップ5のバンプ5aに異方性導電樹脂ペースト2
を均一に付着させて転写することができる。なお、半導
体チップ5のパンプ5aの背丈Lが、最も一般的な20
μm程度であっても、均一に転写することができる。ま
た、半導体チップ5を、多孔性転写ステージ1の上面に
置くだけで転写することができる為、従来の転写型を用
いる方法のように、型内のペーストの上面レベル(液面
レベル)が一定しないといった問題を解消することがで
き、よって、転写作業を一段と容易化することができ
る。
【0012】加えて、導電性粒子2aが、かたまって大
きな粒子の状態になっていても、それを砕いて多孔性転
写ステージ1のの中に塗り込むことができる為、転写
型を用いる従来方法において発生していた所謂、すじの
発生を防止することができると共に、バンプ5a間ピッ
チについても、転写型を用いる従来方法においては、1
20μm程度が限界であったが、本発明による方法によ
ると、65μm程度まで可能になり、かつ、バンプ4a
に対する異方性導電樹脂ペースト2の転写厚さWを、1
0μm程度にすることができる。
【0013】すなわち、従来の転写型方法においては、
転写型内に充填された異方性導電樹脂ペースト2をスキ
ージ3でならしても、その液面が波打ち、液面精度が十
分でないが、本発明においては、異方性導電樹脂ペース
トに含まれている導電性粒子の径よりも大きい径の孔を
有している多孔性転写ステージ1を使用しているので、
それの上面に、かかるペースト2の膜を形成し得て、ス
テージ上面に5μm程度の高精度の液面を形成すること
ができ、また、スクリーン式において使用する転しょく
板のような物では、液面精度は向上し得ても、液量が少
ない為、バンプ上に十分に付着し得ないのに対し、異方
性導電樹脂ペーストに含まれている導電性粒子の径より
も大きい径の孔を有している多孔性転写ステージ1を使
用するが為、それの孔にしみ込んでいる異方性導電樹脂
ペースト2がしみ出して、それが半導体チップ5のバン
プ5aに吸い上がって来るから、十分な付着量を確保す
ることができる。
【0014】なお、一般に、異方性導電樹脂ペースト2
の溶剤が多孔性転写ステージ1にしみ込み、上部の濃度
が高くなる為、かかるペースト2は多めに供給し、多孔
性転写ステージ1全体にしみ込ませた状態でスキージす
ることにより濃度を一定にすることができるので、その
ようにするのが好ましい。
【0015】
【発明の効果】上述の如く、請求項1,2に記載の発明
によると、異方性導電樹脂ペーストに含まれている導電
性粒子の径よりも大きい径の孔を有している多孔性転写
ステージを用いているので、粘土が高く、導電性粒子の
大きさが不均一の異方性導電樹脂ペーストを使用する場
合においても、ステージ上面に5μm程度の高精度の液
面を形成することができて一段と均一に転写することが
できると共に転写作業を一段と容易化することができて
汎用化が図れる異方性導電樹脂ペーストの転写方法が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔性転写ステージ1に異方性導電樹脂ペース
ト2を塗布する態様を示す図である。
【図2】異方性導電樹脂ペースト2を塗布した多孔性転
写ステージ1の上面に半導体チップ5のパンブ5aを接
触させる態様を示す図である。
【図3】半導体チップ5を多孔性転写ステージ1の上方
に移動させて転写を終えた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 多孔性転写ステージ 2 異方性導電樹脂ペースト 2a 導電性粒子 3 スキージ 4 5 半導体チップ 5a バンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−313246(JP,A) 特開 平5−21438(JP,A) 特開 平8−115946(JP,A) 特開 平4−83344(JP,A) 特開 平5−335312(JP,A) 特開 平4−105301(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 H01L 21/60 311

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップのバンプに、樹脂中に導電
    性粒子を分散混入させた異方性導電樹脂ペーストを転写
    する異方性導電樹脂ペーストの転写方法において、スキ
    ージにより前記導電性粒子の径よりも大きい径の孔を有
    している多孔性転写ステージに前記異方性導電樹脂ペー
    ストを塗布した後、それに半導体チップのバンプを接触
    させて転写せしめることを特徴とする異方性導電樹脂ペ
    ーストの転写方法。
  2. 【請求項2】 前記多孔性転写ステージを、焼結金属又
    はオイルストーンで構成したことを特徴とする請求項1
    に記載の異方性導電樹脂ペーストの転写方法。
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