JP3412237B2 - 耐衝撃性透明樹脂積層体 - Google Patents

耐衝撃性透明樹脂積層体

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JP3412237B2
JP3412237B2 JP04720094A JP4720094A JP3412237B2 JP 3412237 B2 JP3412237 B2 JP 3412237B2 JP 04720094 A JP04720094 A JP 04720094A JP 4720094 A JP4720094 A JP 4720094A JP 3412237 B2 JP3412237 B2 JP 3412237B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタクリレート系樹脂
板とポリカーボネート系樹脂板とを、ビスフェノール型
エポキシ樹脂系軟質重合体で接合してなる耐衝撃性透明
樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性透明板は、公共施設や運動施設
等のグレージング材、銀行カウンターの仕切り板、防犯
ドアーまたは各種車両のグレージング材等に使用されて
おり、既に多種多様のものが知られている。これらの中
で、限定された領域に強い衝撃を与える銃弾等から生命
を保護するために使用される耐衝撃性透明板としては、
シリケートガラス板またはポリカーボネート透明樹脂板
等の単一材料からなる透明板、シリケートガラス板また
はメタクリル透明樹脂板のうち少なくとも1種とポリカ
ーボネート透明樹脂板とをメタクリレート系シロップ状
物を用いて接合してなる透明積層板(特開昭 52-100515
号公報)、ポリイソシアネートとポリエステルジオール
との反応生成物である熱可塑性ポリウレタン樹脂製の中
間接合層を介して複数のポリカーボネート樹脂板を接合
した透明積層板(特公昭 59-12520号公報、特開平 4-30
1448 号公報、特開平 4-361034 号公報)などが代表例
として挙げられる。
【0003】このような従来から知られている耐衝撃性
透明板は、高性能拳銃などに対して十分な防護性能を有
するとは言えず、安全性の点でなお一層の改良が望まれ
ていた。そこで本発明者らは、上記したような問題点を
解決するために、多層弾性体を含有してなるメタクリレ
ート系樹脂板とポリカーボネート樹脂板とを軟質重合体
で接合してなる耐衝撃性透明樹脂積層体を提案した〔特
願平 6-32501号(優先権主張後の特願平 6-149673 号=
特開平 7-290657 号公報)、特願平 6-32502号=特開平
7-112515 号公報〕。これらの耐衝撃性透明樹脂積層体
は、高性能拳銃などに対して優れた耐衝撃性能を有する
ものの、温度が60℃を超えるような条件下で使用する
と、優れた透明性を維持することが難しい場合があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
上記したような問題点を解決すべくさらに鋭意検討を重
ねた結果、多層弾性体を含有する場合と比べて板厚を若
干厚くした多層弾性体を含まないメタクリレート系樹脂
板を用いて、該メタクリレート系樹脂板とポリカーボネ
ート系樹脂板とをビスフェノール型エポキシ樹脂系軟質
重合体で接合してなる透明樹脂積層体が、優れた防護性
能を維持し、しかも温度が60℃を超えるような条件下
で使用しても優れた透明性を維持できることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、厚さ
5〜40mmのメタクリレート系樹脂板と厚さ3〜15mm
のポリカーボネート系樹脂板とを、分子中に少なくとも
2個のエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ化
合物および分子中に少なくとも2個のアミノ基を有する
脂肪族炭化水素系硬化剤を含有する混合物の重合体であ
ビスフェノール型エポキシ樹脂系軟質重合体で接合し
てなる耐衝撃性透明樹脂積層体を提供するものである。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の透明樹脂積層体は、図1に示すように、メタクリ
レート系樹脂板Iとポリカーボネート系樹脂板IIとを、
エポキシ樹脂系軟質重合体III で接合したものである。
【0007】本発明の透明樹脂積層体に使用されるメタ
クリレート系樹脂板の原料となるメタクリレート系樹脂
を構成する単量体としては、メチルメタクリレート単量
体、またはメチルメタクリレート単量体と共重合可能な
他の単量体との単量体混合物などが挙げられる。メチル
メタクリレート単量体と共重合可能な他の単量体として
は、例えば、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト等の炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキルメタ
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オク
チルアクリレート等の炭素数1〜8のアルキル基を有す
るアルキルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、
メタクリルアミド、アクリルアミド、スチレン、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、または
これらの混合物などが挙げられるが、グリシジルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、またはこれらの混
合物を10%以下の割合でメチルメタクリレートと混合
した単量体混合物が、後述の軟質重合体との接着強度が
向上することから好ましく用いられる。
【0008】これらの単量体は、公知の乳化重合法、懸
濁重合法、塊状重合法などにより重合される。
【0009】重合反応の際用いられる重合開始剤として
は、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド等の有機過酸化物、2、2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2、2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等のアゾ系化
合物、有機過酸化物とアミン類とを組み合わせたレドッ
クス系の重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤の添
加量は、単量体または単量体混合物に対して、通常0.
01〜1wt%、好ましくは0.01〜0.5wt%である。
【0010】メチルメタクリレート系樹脂の重合反応の
際には、その製造時に一般に用いられる各種の添加剤を
添加してもよく、添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、可塑剤、連鎖移動剤、着色剤などが挙げられ
る。
【0011】紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビン
P(チバガイギー社製品)、スミソーブ 340(住友化学
工業社製品)等のベンゾトリアゾール系や、シーソーブ
101S(シプロ化成社製品)、スミソーブ 110(住友化
学工業社製品)等のベンゾフェノン系化合物、チヌビン
770(チバガイギー社製品)、サノール LS2626(三共
社製品)等のヒンダードアミン系化合物などが挙げられ
る。紫外線吸収剤は、重合体の耐候性向上、重合時の空
気による重合阻害防止などのために添加され、その添加
量は、通常、マトリックス樹脂の1wt%以下、好ましく
は、0.01〜0.2wt%である。
【0012】酸化防止剤としては、例えば、スミライザ
ー BP101(住友化学工業社製品)、スミライザー GM
(住友化学工業社製品)等のフェノール系化合物、マー
ク PEP-8(アデカアーガス社製品)、マーク PEP-24
(アデカアーガス社製品)等のリン系化合物などが挙げ
られる。
【0013】可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート等の芳香族カルボン酸エス
テル、ジオクチルアジペート、アセチルトリブチルシト
レート等の脂肪族多塩基酸エステルなどが挙げられる。
【0014】連鎖移動剤としては、例えば、メチルメル
カプタン、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン等の直鎖、または分岐したアルキルメルカプタ
ン化合物などが挙げられる。
【0015】着色剤としては、例えば、スミプラスト G
reen G、スミプラスト Blue OR(いずれも住友化学工業
社製品)等のアントラキノン系染料、スミプラスト Ora
ngeHRP(住友化学工業社製品)等のペリノン系染料など
が挙げられる。
【0016】また、表面硬度や耐溶剤性を向上させる目
的で、上記単量体または単量体混合物100重量部に対
して、20重量部以下の範囲で架橋剤を使用することも
できる。架橋剤としては、分子中に複数個の重合性不飽
和結合を有するものが用いられ、例えば、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリルなどが挙
げられる。
【0017】メタクリレート系樹脂板は、例えば、メタ
クリレート系樹脂を押出成形機などにより溶融するか、
またはメタクリレート系単量体を公知の鋳込み重合法に
より重合するなどの方法により製造することができる。
重合の際には、前記の重合開始剤、各種添加物などを添
加してもよい。メタクリレート系樹脂板の厚さは、5〜
40mmであるが、好ましくは10〜20mm、さらに好ま
しくは8〜18mmである。
【0018】次に、ポリカーボネート系樹脂板について
説明する。ポリカーボネート系樹脂板としては、例え
ば、高分子熱可塑性ポリカーボネートなどが挙げられる
が、特にジヒドロキシジアリールアルカンからなるもの
は耐衝撃性に優れているため、好ましく用いられる。ポ
リカーボネート系樹脂板の板厚は3〜15mmであるが、
特に3〜8mmが好ましい。
【0019】本発明の耐衝撃性透明樹脂積層板は、メタ
クリレート系樹脂板とポリカーボネート系樹脂板との間
を、ビスフェノール型エポキシ樹脂系軟質重合体で接合
することにより、製造される。
【0020】この接合は、例えば、分子中に少なくとも
2個のエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ化
合物30〜80wt%、分子中に少なくとも2個のアミノ
基を有する脂肪族炭化水素系硬化剤20〜50wt%、非
反応性希釈剤0〜25wt%、反応性希釈剤0〜25wt%
からなる混合物をメタクリレート系樹脂板とポリカーボ
ネート系樹脂板との間に注入し、これを重合して軟質重
合体とすることにより行われる。
【0021】ここで、少なくとも2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物としては、例えば、最も汎用性のあ
るビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ポリフェ
ノール系、またはシリコン変性型等とエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られるエポキシ化合物、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオ
キシド−プロピレンオキシドのブロック状コポリマーの
α、ω−グリコール等とエピクロルヒドリンとの反応に
より得られるエポキシ化合物、またはこれらの混合物な
どが挙げられるが、ビスフェノールA型エポキシ化合物
とビスフェノールF型エポキシ化合物との混合物が好ま
しく用いられ、特にビスフェノールF型エポキシ化合物
の含量が高いものは、透明性、樹脂粘度の低減化、常温
での可とう性において好ましい。
【0022】少なくとも2個のアミノ基を有する脂肪族
炭化水素系の硬化剤としては、例えば、ポリメチレンジ
アミン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族ジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,2
−置換ジアミン、置換ポリアミン、ジメチルアミノプロ
ピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイ
ミノプロピルアミン等の直鎖または分岐した脂肪族ポリ
アミン、メンタンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘ
キサン等の脂環式ポリアミンなどが挙げられるが、特に
ポリエーテルジアミンが、低粘度で着色も少なく、硬化
物に可とう性を付与せしめるためにも好ましい。
【0023】非反応性希釈剤は、重合前に粘度を低下さ
せ、硬化物に可とう性を付与する目的でエポキシ樹脂に
添加されることが好ましい。非反応性希釈剤としては、
例えば、キシレン、グリコール等の高沸点溶剤、フタル
酸エステル等の可塑剤などが挙げられる。
【0024】反応性希釈剤としては、例えば、スチレン
オキサイド、オクチレンオキサイド等のモノエポキシ化
合物、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジ
ルエーテル等のポリエポキシ化合物などが挙げられる。
【0025】また、重合速度を促進させる目的で、フェ
ノール、クロルフェノール、ビスフェノールA、レゾル
シノール、フェノール樹脂、サリチル酸、トリフェニル
ホスファイト等の硬化促進剤を上記の硬化剤100重量
部に対して5〜25重量部添加してもよい。
【0026】さらに重合反応の際には、各種の添加剤を
添加してもよく、添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、着色剤等が挙げられる。紫外線吸収剤として
は、例えば、前記のベンゾフェノン系化合物、ヒンダー
ドアミン系化合物などが挙げられる。
【0027】酸化防止剤としては、例えば、前記のフェ
ノール系化合物、前記のリン系化合物、亜リン酸水素2
ナトリウム・5水和物、次亜リン酸ナトリウム等の無機
系のリン酸塩などが挙げられる。
【0028】着色剤としては、例えば、前記のアントラ
キノン系染料、前記のペリノン系染料、フルオレセイ
ン、チオフラビン、エオシン、ローダミン、クマリン、
イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾ
ール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン、ジアミノ
スチルベンジスルホン酸、およびこれらの誘導体等の蛍
光増白染料などが挙げられる。
【0029】この重合反応は、通常、重合温度20〜1
50℃で10〜20時間かけて昇温するが、特に、重合
温度20〜80℃で10〜15時間かけて昇温すること
が好ましい。ここで、重合温度が20℃未満では硬化不
十分となる場合があり、重合温度が150℃を超える
と、メチルメタクリレート樹脂板またはポリカーボネー
ト樹脂板が流動する場合がある。
【0030】軟質重合体による接合は、メタクリレート
系樹脂板とポリカーボネート系樹脂板との間に、軟質重
合体の原料を注入して重合する注型重合などの方法によ
り実施される。この注型重合で製造する際に使用される
鋳型としては、特に限定されるものではなく、例えば、
2枚の対向する上記透明樹脂板の両方の面の間に軟質塩
化ビニールホースやテープ等の軟質シール材を挟むこと
により構成される鋳型などが挙げられる。
【0031】接合材である軟質重合体の厚みは、メチル
メタクリレート樹脂板とポリカーボネート樹脂板との両
方の面の間に挟まれた軟質シール材の厚みにより調整す
ることが可能であり、その厚みは、通常、0.1〜4.0
mm、特に1.0〜3.0mmが好ましい。厚みが0.1mm未
満では、軟質重合体の重合時にムラが発生する場合があ
り、4mmを超えて厚くすると全体の重量が増大し、材料
の使用量が多くなり、実用上問題を生じる場合がある。
【0032】上記のようにして得られたビスフェノール
型エポキシ樹脂系軟質重合体は、ガラス転移温度が−5
0〜30℃の範囲にあることが好ましく、特に−20〜
20℃の範囲にあることが好ましい。また、軟質重合体
は、引張試験(JIS K 6251)において、5〜150kgf/
cm2 の範囲で100%モジュラスであることが好まし
く、この範囲をはずれると、軟質重合体層を有する透明
樹脂積層体が優れた耐衝撃性を発現することができない
場合がある。ここで、100%モジュラスとは、ゴム状
弾性を有する材料の物性試験において試験片に100%
の伸びを与えたときの引張応力をいう。
【0033】本発明の透明樹脂積層体の形状は特に限定
されるものではなく、平板のみならず、予め任意の曲率
半径にて熱成形した2枚の対向する前記透明樹脂板の間
に、軟質重合体の原料を注入して重合する注型重合によ
り製造された曲面板などの種々の形状のものが挙げられ
る。なお、これらの透明樹脂積層体の両面または片面
に、硬度処理、防曇処理などの、通常用いられる一般的
な処理を施してもよく、また、表面に衝撃を受けた際に
該透明樹脂積層体材料の飛散を防止する目的で、例え
ば、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等
のフィルムを貼合するなどの処理を施してもよい。さら
には、透明樹脂積層体を構成するメタクリレート系樹脂
板の軟質中間層との接触面にプライマー処理を施すこと
によっても、該透明樹脂積層体材料の飛散を防止するこ
とが可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明の透明樹脂積層体は、限定された
領域に強い衝撃を与える銃弾等に対して十分な防護性能
を有し、しかも60℃を超える高温下で使用しても優れ
た透明性を維持できるため、各種車両のグレージング
材、防弾面、防弾楯、金融機関カウンターの仕切り板、
防犯ドアー、公共施設や運動施設等のグレージング材な
どに利用することが可能となる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明が実施例により限定されるものでな
いことは言うまでもない。なお、本発明における衝撃エ
ネルギーの測定およびヘイズの測定は、以下に述べる耐
衝撃試験法およびヘイズ測定試験法により行った。
【0036】〔耐衝撃試験法〕 透明樹脂積層板面に衝撃エネルギーが掛かる最も厳しい
条件は、銃弾による衝撃エネルギーである。銃弾は、そ
の重量が110グレイン、10m離れた所から発射され
た場合の弾速は450m/秒である。この銃弾が持つ全
運動エネルギーが、破壊のためのエネルギーとなり、そ
のエネルギーは750J(ジュール)にも達する。そこ
で、このレベルのエネルギーに耐えうる透明樹脂積層板
を開発することを目的とし、その試験機として、同レベ
ルのエネルギーを樹脂板に与えることができる図2に示
すような衝撃試験機を製作した。
【0037】図2に示すように、支持台5上に載置され
た積層板試験片4のメタクリル系樹脂板側に、支持棒1
の先端にある打ち抜き刃3を介して30kgの荷重2を上
方から落下させることにより試験片4に衝撃を与えて、
耐衝撃試験を行った。耐衝撃試験に用いる打ち抜き刃3
は、先端が2mmRのステンレス製のものとした。この耐
衝撃試験における試験片の形状と支持状態は、図3に示
すとおりである。この場合のエネルギーは、いうまでも
なく荷重2の重量と高さと重力加速度の積で表現され、
衝撃を最初に受ける面であるメタクリル系樹脂が割れ、
刃3が中間軟質接合層を通って、衝撃裏面層のポリカー
ボネート系樹脂板に到達したとき、このエネルギーを衝
撃破壊エネルギーと定義した。この衝撃破壊エネルギー
が750J以上のものが、銃弾による衝撃に耐えうるも
のと判断した。以下の実施例1〜2および比較例1〜5
では、100mm四方の試験片を耐衝撃試験に供した。
【0038】〔ヘイズ測定試験法〕 ヘイズは、透明性材料の光学的性質のうち透明性を表わ
す尺度で、試料に光を入射させて光が拡散する度合(百
分率)をいい、次式で表される。ヘイズ=(拡散透過率
/全光線透過率)×100(%)ここでは、試料室の温度調
節が可能なヘイズ測定装置(ヘイズメーター:三菱化成
社製、温調機:熱電子工業社製の THC17S )を用い、積
層体試験片を20℃および60℃でそれぞれ3時間加熱
したときのヘイズを測定した。
【0039】実施例1 軟質重合体の原料組成(表1)
【表1】 ───────────────────────────── 主剤 :ビスフェノールF型エポキシ化合物 42.5wt% ビスフェノールA型エポキシ化合物 7.5wt% ───────────────────────────── 硬化剤:ポリエーテルアミン系硬化剤 50.0wt% (ポリオキシプロピレンジアミン) ─────────────────────────────
【0040】透明樹脂積層板の作製 板厚15mmで300mm四方のメチルメタクリレート鋳込
み板(住友化学工業社製品、商品名:スミペックス 00
0)と、板厚6mmで300mm四方のポリカーボネート樹
脂板(筒中プラスチック工業社製品、商品名:ポリカエ
ース ECK100 )とを対向させ、その面の全周囲に2mm厚
の軟質塩化ビニールホースを挟んで中空部分を形成さ
せ、その中空部に、に示した軟質重合体の原料を注入
し、10時間かけて20℃から80℃まで昇温させて重
合せしめ、樹脂積層板を製造した。この樹脂積層板につ
いて耐衝撃試験およびヘイズ測定試験を実施した。結果
を表2に示す。
【0041】実施例2 メチルメタクリレート系板状鋳込み板の板厚を18mmと
する以外は、実施例1に準拠して樹脂積層板を製造し
た。この樹脂積層板について耐衝撃試験およびヘイズ測
定試験を実施した。結果を表2に示す。
【0042】比較例1 多層弾性体を含有したメチルメタクリレート系鋳込み
板の製造 第一段階でブチルアクリレート76.0wt%、スチレン
20.0wt%、トリエチレングリコール2.0wt%、アリ
ルメタクリレート2.0wt%の単量体混合物を重合さ
せ、第二段階でメチルメタクリレート単量体を重合させ
る乳化重合で多層構造弾性体を得たのち、このアクリル
系多層弾性体10wt%をメチルメタクリレート90wt%
に混合し、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.
1重量部を添加し、公知のメタクリル樹脂板鋳込み製造
法にて80℃で10時間重合させ、さらに110℃で1
時間熱処理して、15mm厚のメチルメタクリレート系鋳
込み板を製造した。
【0043】透明樹脂積層板の作製 上記の方法にて製造し、多層弾性体を含有した板厚1
5mmのメチルメタクリレート鋳込み板を用いる以外は、
実施例1に準拠して樹脂積層板を製造した。この樹脂積
層板について耐衝撃試験およびヘイズ測定試験を実施し
た。結果を表2に示す。
【0044】比較例2 多層弾性体を含有した板厚18mmのメチルメタクリレー
ト系板状鋳込み板を用いること以外は、実施例1に準拠
して樹脂積層板を製造した。この樹脂積層板について耐
衝撃試験およびヘイズ測定試験を実施した。結果を表2
に示す。
【0045】比較例3 板厚4mmのメチルメタクリレート系板状鋳込み板を用い
ること以外は、実施例1に準拠して樹脂積層板を製造し
た。この樹脂積層板について耐衝撃試験およびヘイズ測
定試験を実施した。結果を表2に示す。
【0046】比較例4 ポリカーボネート樹脂板(筒中プラスチック工業社製
品、商品名:ポリカエース ECK100 )を用い、板厚6mm
のもの3枚と板厚5mmのもの1枚とを、溶剤(ジクロロ
メタン)で接着して、板厚23mmのポリカーボネート樹
脂板を製造した。この樹脂板について耐衝撃試験を実施
した。結果を表2に示す。
【0047】比較例5 板厚23mmのシリケートガラスについて耐衝撃試験を実
施した。結果を表2に示す。
【表2】
【0048】銃弾のエネルギーを750Jとして耐衝撃
性能の評価を実施した。実施例1〜2の透明樹脂積層板
は、750J以上の衝撃破壊エネルギーに耐えうるの
で、銃弾による破壊に対して十分耐えることができる。
これに対し、比較例3の透明樹脂積層板および比較例5
のシリケートガラス単一板では、衝撃破壊エネルギーは
750J以下となるため、銃弾による破壊に対して耐え
ることはできない。比較例1および2の多層弾性体を含
有する透明樹脂積層板は、750J以上の衝撃破壊エネ
ルギーに耐えうるが、60℃ではヘイズ値が増大して透
明性が低下する。また、比較例4のポリカーボネート単
一板では、750J以上の衝撃破壊エネルギーに耐えう
るが、衝撃により板自身に大きな変形が発生するため、
繰り返し使用ができないなどの問題がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明樹脂積層体の断面図である。
【図2】衝撃試験機の略図である。
【図3】衝撃試験に供試した試験片の形状の略図であ
る。
【符号の説明】
〔図1〕 I メチルメタクリレート系重合体 II ポリカーボネート樹脂板 III 軟質エポキシ樹脂 〔図2〕 1 支持棒 2 荷重(30kg) 3 打ち抜き刃 4 試験片 5 試験片支持台 〔図3〕 試験片 打ち抜き刃の接点 試験片支持部(100mmφ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野間 総治 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−361034(JP,A) 特開 平4−301448(JP,A) 特開 昭49−17412(JP,A) 特表 昭55−500982(JP,A) 日本接着協会,接着ハンドブック(第 2版),日本,日刊工業新聞社,1980年 11月10日,第2版,p280−287 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/08 B32B 27/30 B32B 27/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ5〜40mmのメタクリレート系樹脂
    板と厚さ3〜15mmのポリカーボネート系樹脂板とを、
    分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するビスフェ
    ノール型エポキシ化合物および分子中に少なくとも2個
    のアミノ基を有する脂肪族炭化水素系硬化剤を含有する
    混合物の重合体であるビスフェノール型エポキシ樹脂系
    軟質重合体で接合してなる耐衝撃性透明樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 ビスフェノール型エポキシ樹脂系軟質重
    合体が、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する
    ビスフェノール型エポキシ化合物30〜80wt%、分子
    中に少なくとも2個のアミノ基を有する脂肪族炭化水素
    系硬化剤20〜50wt%、非反応性希釈剤0〜25wt
    %、反応性希釈剤0〜25wt%からなる混合物の重合体
    である請求項1記載の耐衝撃性透明樹脂積層体。
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