JP3411668B2 - 電着塗装方法 - Google Patents
電着塗装方法Info
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Description
塗装方法に関する。
形状を有する素材に対する塗装方法として、電着塗装方
法が採用されている。ここで、電着塗装方法とは、電極
が配置された水性塗料中に自動車のボディー等の被塗物
を浸漬し、電極と被塗物との間に直流電流を流すことに
より被塗物に連続皮膜を形成する塗装方法を言い、複雑
な形状を有する被塗物の外側表面部だけでなく内側表面
部まで同時に塗装できる性質(つきまわり性)を有する
点が大きな特徴である。
てスポット溶接された鋼板からなり、複雑な形状部位に
は数10μmの小間隙(クリアランス)が形成されてい
る。このようなクリアランス部は、電着塗装が不十分に
なり易く、例えば防錆上の見地からすれば欠陥部位にな
ることが多い。これは、 クリアランス内では塗料の入れ替わりが少ないため
に、電着により生じるジュール熱および水の電気分解に
より発生する水素ガスが外部に拡散しにくくなること、 クリアランスの開口部に電流が集中し易いために、当
該開口部に膜厚の大きな塗膜が異常析出し易いこと、か
らクリアランスの開口部が水素ガス(電気絶縁体)や異
常析出した塗膜により閉塞されて、電着塗装が進行し難
い為と考えられている。
についても十分なつきまわり性が確保できるような電着
塗装方法が要望されているが、未だ当該課題は解決され
るに至っていない。なお、特開昭53−81535号
は、電着塗料中に金属または金属化合物を添加してつき
まわり性の改善を試みているが、これは、つきまわり性
一般の改善を目的とするものであり、クリアランス部の
つきまわり性を改善する効果は期待できない。
アランス部のつきまわり性を改善することにある。
法は、定電圧下において電着塗装をしたときの電着浴温
−膜厚の関係における連続皮膜形成最低温度幅が5〜2
0℃の電着塗料を用意する工程と、連続皮膜形成最低温
度幅を形成する温度領域の最高温度よりも低い温度に設
定された前記電着塗料中において電着塗装を実施する工
程とを含んでいる。
膜形成最低温度幅を形成する温度領域の最高温度よりも
2〜6℃低い温度に設定される。 *******
る場合、電着浴温−膜厚の関係は、図1のように示され
る。図1によれば、定電圧下で電着塗装を行うと、塗料
浴温を高めるに従って被塗物上に形成される電着塗膜の
膜厚が低下し、一定の塗料浴温以上になれば、逆に膜厚
が増大する傾向にあることがわかる。このような電着浴
温−膜厚の関係において、電着塗膜の膜厚が最小になる
ときの塗料浴温(図1に示すカーブの極小値に対応する
塗料浴温)を連続皮膜形成最低温度(MFT)と言う。
続皮膜形成最低温度に一定の幅を有する電着塗料であ
る。この種の電着塗料を用いて定電圧下で電着塗装を実
施すると、電着浴温−膜厚の関係は図2のようになる。
本発明では、図2において電着浴温の低い側でカーブが
鋭く立ち上がり始める点(A点)と電着浴温の高い側で
カーブが鋭く立ち上がり始める点(B点)との間の塗料
浴温を連続皮膜形成最低温度と定義する。このため、本
発明では、仮に上述のA点とB点との間でカーブが緩や
かに下降または上昇していたとしても、A点とB点との
間の塗料浴温を連続皮膜形成最低温度として考える。
な電着塗料のうち、連続皮膜形成最低温度の幅が5〜2
0℃のものである。当該温度幅が5℃未満の場合は、つ
きまわり性が向上しない。逆に、20℃を越える場合
は、平滑な塗膜が得られない。
低温度の最高温度(図2のB点の温度)が25〜40℃
の範囲にあるものが好ましい。この最高温度が25℃未
満の場合は、液温の上昇により抵抗が低下するため、つ
きまわり性が向上しにくい。逆に、40℃を越えると、
平滑な塗膜が得られない。
mg/C以上が好ましい。クーロン効率が30mg/C
未満の場合は、被塗物のクリアランス部へのつきまわり
性は勿論、一般的なつきまわり性も十分に確保するのが
困難になる。なお、ここで言うクーロン効率は、単位電
気量(クーロン)当たりの焼付け塗膜重量(mg)であ
り、実測した値である。
ては、基体樹脂と、二種類のブロックイソシアネート化
合物Aおよびブロックイソシアネート化合物Bを含む硬
化剤とを含み、しかもブロックイソシアネート化合物A
とブロックイソシアネート化合物Bとのガラス転移温度
の差が少なくとも25℃であり、かつブロックイソシア
ネート化合物Aのガラス転移温度がブロックイソシアネ
ート化合物Bのガラス転移温度に比べて高いものが挙げ
られる。次に、この電着塗料の詳細を説明する。
基体樹脂は、例えば、エポキシ当量が150〜4,00
0のビスフェノール型エポキシ樹脂から誘導される、数
平均分子量が400〜10,000、好ましくは1,0
00〜3,000のものである。基体樹脂の塩基当量
は、通常の範囲でよく、具体的には40〜150(ミリ
当量/100g)、好ましくは60〜100(ミリ当量
/100g)である。また、基体樹脂のガラス転移温度
は、40℃が以下が好ましく、35℃以下であればより
好ましい。ガラス転移温度が40℃を越えるものは、加
熱時のフロー性が不十分なため、電着塗膜の平滑性を損
なうおそれがある。なお、ガラス転移温度の下限は、0
℃が好ましい。
ールのグリシジルエーテルにハーフブロック化ジイソシ
アネートを反応させ、そのエポキシ樹脂をアミン化合物
で開環したものなど、当業者に広く知られたものが用い
られる。なお、基体樹脂として最も好ましいものは、分
子内にオキサゾリドン環を含む変性エポキシ樹脂であ
る。このような変性エポキシ樹脂を用いると、加熱減量
の抑制効果が期待できる。なお、この種の変性エポキシ
樹脂は、ジイソシアネート化合物を反応させたビスウレ
タン化合物あるいは他の活性水素化合物を反応させたヘ
テロウレタン化合物と、エポキシ樹脂とを脱アルコール
反応させると得られる。
化剤は、2種類のブロックイソシアネート化合物、即
ち、ブロックイソシアネート化合物Aとブロックイソシ
アネート化合物Bとを含んでいる。ブロックイソシアネ
ート化合物AおよびBは、以下の関係を満たすものであ
れば特に限定されない。一般に、ブロックイソシアネー
ト化合物は、イソシアネート化合物由来の部分と活性水
素化合物由来の部分からなり、種々のイソシアネート化
合物と活性水素化合物を組み合わせることによって、多
種類のブロックイソシアネート化合物が存在する。
およびBは、ガラス転移温度が互いに異なり、かつブロ
ックイソシアネート化合物Aの方がブロックイソシアネ
ート化合物Bに比べてガラス転移温度が高い必要があ
る。
クイソシアネート化合物Bとのガラス転移温度の差は、
少なくとも25℃、好ましくは25〜60℃である。ガ
ラス転移温度の差が25℃未満の場合には、電着塗料の
連続皮膜形成最低温度に一定の幅が形成されなくなる。
なお、ガラス転移温度の差が60℃を越える場合には、
硬化剤としての機能が十分に発揮されないおそれがあ
る。
により実測した値である。各ブロックイソシアネート化
合物のガラス転移温度は、ブロックイソシアネート化合
物Aについては10〜45℃、ブロックイソシアネート
化合物Bについては−20〜0℃が好ましい。これらの
範囲外では、電着塗膜の一般的物性に悪影響を及ぼすお
それがある。
ブロックイソシアネート化合物Bとの溶解性パラメータ
ーの差は、0.1〜3.0が好ましく、さらに好ましく
は0.6〜1.5である。この範囲外の場合には、本発
明が目的とするつきまわり性が十分に改善されない場合
がある。なお、両ブロックイソシアネート化合物間では
溶解性パラメーターの大小は問わない。すなわち、ブロ
ックイソシアネート化合物Aの溶解性パラメーターは、
ブロックイソシアネート化合物Bの溶解性パラメーター
に比べて、大きくてもよいし、小さくてもよい。
パラメーターは、特に限定されない。ただし、ブロック
イソシアネート化合物Aについては9.5〜11.5が
好ましく、ブロックイソシアネート化合物Bについては
11.6〜13.5が好ましい。なお、溶解性パラメー
ター(SP)は、Journal of Applie
d Polymer Science,12,2359
(1968)に示された、K.W.SUHおよびJ.
M.CORBETTによる下記の式(1)により決定さ
れる。
Vmhは高SP溶剤の濁点での容積、δmlは低SP溶剤の
溶解度パラメーター、δmhは高SP溶剤の溶解性パラメ
ーターである。
よびBとしては、ポリイソシアネート化合物を活性水素
化合物でブロックしたものであれば種々のものが利用で
きる。ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリ
イソシアネート化合物と脂肪族ポリイソシアネート化合
物のいずれもが用いられ得る。よって、ブロックイソシ
アネート化合物AおよびBの組合せとしては、例えば以
下の4通りが考えられる。
合物 B:脂肪族ブロックイソシアネート化合物 2.A:芳香族ブロックイソシアネート化合物 B:芳香族ブロックイソシアネート化合物 3.A:脂肪族ブロックイソシアネート化合物 B:脂肪族ブロックイソシアネート化合物 4.A:脂肪族ブロックイソシアネート化合物 B:芳香族ブロックイソシアネート化合物 上述の組合せの中では、設計の自由度の観点から1.の
組合せが好ましい。
れらのポリイソシアネート化合物は、イソシアヌレート
環を含んでいることが好ましい。イソシアヌレート環を
含んだポリイソシアネート化合物は、一般にジイソシア
ネート化合物の3量化反応によって形成される。例え
ば、芳香族ポリイソシアネート化合物の場合には、トリ
レンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシ
アネートのうちの少なくとも1つに由来するイソシアヌ
レート環を含むものが好ましく、一方、脂肪族ポリイソ
シアネート化合物の場合には、ヘキサメチレンジイソシ
アネートに由来するイソシアヌレート環を含むものが好
ましい。なお、このようなイソシアヌレート環を含むポ
リイソシアネート化合物を用いる場合、芳香族ポリイソ
シアネート化合物はラクタム類、グリコールエーテル類
またはオキシム類でブロックされているのが好ましく、
脂肪族ポリイソシアネート化合物は、オキシム類、ラク
タム類または活性メチレン化合物でブロックされている
のが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物Bとの混合比は、重量比
(A/B)で10/90〜50/50が好ましく、15
/85〜40/60がより好ましい。この範囲を外れる
場合には、連続皮膜形成最低温度が一定の幅を有する電
着塗料が得られにくい。なお、上述の硬化剤は、上述の
ブロックイソシアネート化合物AおよびBを、任意の方
法で混合すると得られる。
は、基体樹脂との比率で決定するのが好ましい。通常、
基体樹脂(R)と硬化剤(C)との比率(R/C)は、
90/10〜50/50に設定される。硬化剤の比率が
10未満の場合は、十分な硬化性が得られず、逆に50
を越えると加熱減量が増加するおそれがある。
上述の硬化剤の他に、顔料、顔料分散用樹脂および溶剤
を含んでいてもよい。顔料、顔料分散用樹脂及び溶剤と
しては、カチオン電着塗料用の一般的なものが用いられ
る。
塗料は、上述の具体例に係る電着塗料に限られない。他
の電着塗料としては、例えば、基体樹脂とブロックイソ
シアネート化合物系の硬化剤とを含み、両者のガラス転
移温度の差が少なくとも25℃、好ましくは25〜60
℃のものが挙げられる。この場合、基体樹脂のガラス転
移温度は、ブロックイソシアネート化合物系の硬化剤の
ガラス転移温度に比べて高くてもよいし低くてもよい。
と、ブロックイソシアネート化合物系の硬化剤とを含
み、2種類の樹脂のガラス転移温度の差が少なくとも2
5℃、好ましくは25〜60℃のものも利用できる。な
お、2種類の樹脂は、基体樹脂であってもよいし、顔料
分散用樹脂等の、基体樹脂とは異なる他の樹脂であって
もよい。これらの電着塗料において、ガラス転移温度の
差が25℃未満の場合の不都合は、上述の具体例の場合
と同様である。
に対して電着塗装を実施する。電着塗装方法としては、
従来から行われている方法と同様の方法が適用され得
る。但し、本発明では、電着塗料の温度を所定の温度範
囲に設定する必要がある。具体的には、利用する電着塗
料についての連続皮膜形成最低温度幅を形成する温度領
域の最高温度よりも低い温度に電着塗料の温度を設定す
る必要がある。このような温度に電着塗料の温度を設定
しない場合は、目的とするつきまわり性が改善されな
い。電着塗料の設定温度として好ましい範囲は、上述の
温度領域の最高温度よりも2〜6℃低い温度である。こ
のような温度領域で電着塗装を実施した場合は、クリア
ランス部分でのつきまわり性についてより高い改善効果
が期待できる。
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコに、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの3量体
のメチルイソブチルケトン溶液(商品名”MC−708
S”:日本ポリウレタン株式会社製、NCO当量=23
0、固形分=60%、残留モノマー成分=20%)を固
形分換算で230gとε−カプロラクタム22.8gと
を加えた。そして、フラスコ内の内容物を80℃まで昇
温し、均一に溶解させた。ここに、ジブチルスズジラウ
レート0.183g、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)−7−ウンデセン0.183gおよびエチレン
グリコールモノヘキシルエーテル14gを均一に溶解し
たものを発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、フ
ラスコを80℃に保ちながら、NCO当量が380にな
るまで反応を続けた(工程1)。
ーテル100gを滴下ロートよりさらに1時間かけて滴
下した。IRスペクトルでNCO基の吸収が消失するま
で反応させ、ブロックイソシアネート化合物(硬化剤
A)を得た(工程2)。この硬化剤Aの特性を表1に示
す。
示す通りに変更し、合成例1と同様の操作を経由して硬
化剤BおよびCを得た。但し、合成例2では、工程1に
おいてNCO当量が760になるまで反応を続けた。
105℃で乾燥することにより溶剤が除去された固形分
について熱分析装置を用いて測定した値である。製造例4〜5(硬化剤D〜Eの合成) 撹拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロート
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコに、表
2に示すイソシアネート化合物、メチルイソブチルケト
ン32g、およびジブチルスズジラウレート0.05g
を加えた。次に、これを撹拌し、窒素をバブリングさせ
ながらメチルエチルケトオキシムを滴下ローとより1時
間かけて滴下した。この際、フラスコ内の温度は、50
℃から70℃に上昇した。引き続き反応を継続し、赤外
線分光計によりNCOの吸収スペクトルが消失した時点
で反応を終了した。これにより、硬化剤DおよびEを得
た。
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコに、ト
リレンジイソシアネート(商品名”コロネートT−8
0”:日本ポリウレタン株式会社製、NCO当量=8
7)を174g、ε−カプロラクタム45g、およびメ
チルイソブチルケトン112gを加えた。ここに、ジブ
チルスズジラウレート0.35g、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)−7−ウンデセン0.35gおよび
エチレングリコールモノヘキシルエーテル28gを均一
に溶解したものを発熱に注意しながら滴下した。次に、
フラスコを60℃に保ちながら、エチレングリコールモ
ノヘキシルエーテル170gをさらに滴下し、その後ト
リメチロールプロパン70gを加えた。その後反応を継
続し、赤外線分光計によりNCOの吸収スペクトルが消
失した時点で反応を終了した。これにより、硬化剤aを
得た。得られた硬化剤aにメチルイソブチルケトンを加
え、不揮発分を70.4%に調整した。得られた硬化剤
aのガラス転移温度は、8℃であった。
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコに2,
4−/2,6−トリレンジイソシアネート(重量比=8
/2)92g、メチルイソブチルケトン95gおよびジ
ブチルチンジラウレート0.5gを加え、これらを撹拌
しながらメタノール21gを30分かけて滴下した。こ
の際、反応は室温から始まり、発熱により60℃まで昇
温した。30分間反応を継続した後に、エチレングリコ
ールモノ−2−エチルヘキシルエーテル57gを滴下ロ
ートより滴下し、さらにビスフェノールA−プロピレン
オキシド5モル付加体42gを加えた。反応は、主に6
0〜65℃の範囲で行い、赤外線分光計によりNCOの
吸収スペクトルが消失した時点で反応を終了した。
リンとから合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂
365gを加え、125℃まで昇温させた。その後、ベ
ンジルジメチルアミン1.0gを加え、エポキシ当量が
410になるまで130℃で反応させた。続いて、ビス
フェノールA87gを反応容器に加えて120℃で反応
させたところ、エポキシ当量は1190となった。その
後冷却し、ジエタノールアミン11g、N−メチルエタ
ノールアミン24g、およびアミノエチルエタノールア
ミンのケチミン化物(79重量%メチルイソブチルケト
ン溶液)25gを加え、110℃で2時間反応させた。
その後、不揮発分が80%になるまでメチルイソブチル
ケトンを用いて希釈し、ガラス転移温度が22℃の基体
樹脂Iを得た。
を取り付けたフラスコを用意した。このフラスコに2,
4−/2,6−トリレンジイソシアネート(重量比=8
/2)70g、メチルイソブチルケトン109gおよび
ジブチルチンジラウレート0.35gを加え、これらを
撹拌しながらメタノール21gを滴下した。反応は室温
から始まり、発熱により60℃まで昇温した。その後、
30分間反応を継続した後に、エチレングリコールモノ
−2−エチルヘキシルエーテル47gを滴下ロートより
滴下し、さらにビスフェノールA−プロピレンオキシド
5モル付加体42gを加えた。反応は、主に60〜65
℃の範囲で行い、赤外線分光計によりNCOの吸収スペ
クトルが消失した時点で反応を終了した。
リンとから誘導したエポキシ樹脂(エポキシ当量=47
5)475gを加え、昇温して均一化した後、ベンジル
ジメチルアミン1.5gを更に加え、エポキシ当量が1
140になるまで130℃で反応させた。その後、冷却
し、ジエタノールアミン11.0g、N−メチルエタノ
ールアミン25g、およびアミノエチルエタノールアミ
ンのケチミン化物(79重量%メチルイソブチルケトン
溶液)24gを加え、110℃で2時間反応させた。そ
の後、メチルイソブチルケトンで不揮発分90%になる
まで希釈し、ガラス転移温度が25℃の基体樹脂IIを
得た。
5.0g)、イオン交換水400.0g、カーボンブラ
ック8.5g、カオリン72.0g、酸化チタン34
5.0g、およびリンモリブデン酸アルミ75.0gを
サンドグラインドミルを用いて分散し、これをさらに粒
度が10μm以下になるまで粉砕して顔料分散ペースト
を得た。
示す割合で混合し、これにエチレングリコール−モノ−
2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%にな
るよう添加した。これを、氷酢酸を用いて中和率が4
0.5%になるよう中和し、その後脱イオン水でゆっく
り希釈した。さらに、固形分が36.0重量%になるよ
う減圧下においてメチルイソブチルケトンを除去した。
このようにして得られたメインエマルション2,00
0.0g、製造例9で得られた顔料分散ペースト46
0.0g、イオン交換水2,252.0gおよび表面制
御剤/硬化触媒(ジブチルスズオキシド:1.0%/ソ
リッド)を混合し、固形分が20.0重量%のカチオン
電着塗料を調整した。
した冷延鋼板に対して電着浴温を変えながら電着塗装を
実施し、これにより得られた電着塗膜について乾燥膜厚
を測定した。これにより、各電着塗料について膜厚変化
が一定となる温度幅(連続皮膜形成最低温度幅)を求め
た。次に、各カチオン電着塗料の浴温度条件を表3に示
すように設定し、電着塗装時のつきまわり性を調べた。
結果を表3に示す。
から40℃まで2℃間隔で変化させながら電着塗装した
ときの膜厚変化に基づいて測定した。 *2:連続皮膜形成最低温度幅を形成する温度領域の最
高温度 *3:4枚ボックスつきまわり性測定装置(日本ペイン
ト株式会社発行、テクノコスモス、1993.Vol.
3、44頁)を用いて調べた。具体的には、図3に示す
ように、電着塗料Pが貯蔵された容器内に直径8mmの
孔Hを設けた4枚の燐酸亜鉛処理鋼板B1〜B4(各鋼
板の大きさは150mm×70mm)を20mm間隔に
平行に設置し、電極Eに最も近い鋼板B1の電極側面の
膜厚が25μm(加熱乾燥後)になる塗装電圧で電着塗
装したときに、4枚目の鋼板に形成される塗膜厚(μ
m)により評価した。この値が10μm以上の場合、ク
リアランスつきまわり性が良好である。
最低温度幅が5〜20℃の電着塗料を用い、さらに当該
電着塗料を連続皮膜形成最低温度幅を形成する温度領域
の最高温度よりも低い温度に設定して電着塗装を実施し
ているので、被塗装物のクリアランス部に対するつきま
わり性を改善できる。
る電着浴温−膜厚の関係を示すグラフ。
圧下における電着浴温−膜厚の関係を示すグラフ。
Claims (17)
- 【請求項1】定電圧下において電着塗装をしたときの電
着浴温−膜厚の関係における連続皮膜形成最低温度幅が
5〜20℃の電着塗料を用意する工程と、 前記連続皮膜形成最低温度幅を形成する温度領域の最高
温度よりも低い温度に設定された前記電着塗料中におい
て電着塗装を実施する工程と、を含む電着塗装方法。 - 【請求項2】前記電着塗料の温度を前記連続皮膜形成最
低温度幅を形成する温度領域の最高温度よりも2〜6℃
低い温度に設定する、請求項1に記載の電着塗装方法。 - 【請求項3】前記電着塗料の前記最高温度が25〜40
℃である、請求項1または2に記載の電着塗装方法。 - 【請求項4】前記電着塗料は、クーロン効率が30mg
/C以上である、請求項1、2または3に記載の電着塗
装方法。 - 【請求項5】前記電着塗料は、基体樹脂と、ブロックイ
ソシアネート化合物Aおよびブロックイソシアネート化
合物Bを含む硬化剤とを含み、 前記ブロックイソシアネート化合物Aと前記ブロックイ
ソシアネート化合物Bとは、ガラス転移温度の差が少な
くとも25℃であり、かつ前記ブロックイソシアネート
化合物Aのガラス転移温度が前記ブロックイソシアネー
ト化合物Bのガラス転移温度に比べて高い、請求項3ま
たは4に記載の電着塗装方法。 - 【請求項6】前記ブロックイソシアネート化合物Aのガ
ラス転移温度が10〜45℃であり、前記ブロックイソ
シアネート化合物Bのガラス転移温度が−20〜0℃で
ある、請求項5に記載の電着塗装方法。 - 【請求項7】前記ブロックイソシアネート化合物Aと前
記ブロックイソシアネート化合物Bとの溶解性パラメー
ターの差が0.1〜3.0である、請求項5または6に
記載の電着塗装方法。 - 【請求項8】前記ブロックイソシアネート化合物Aの溶
解性パラメーターが9.5〜11.5であり、前記ブロ
ックイソシアネート化合物Bの溶解性パラメーターが1
1.6〜13.5である、請求項5、6または7に記載
の電着塗装方法。 - 【請求項9】前記溶解性パラメーターの差が0.6〜
1.5である、請求項7または8に記載の電着塗装方
法。 - 【請求項10】前記ブロックイソシアネート化合物Aが
芳香族ポリイソシアネート化合物由来のブロックイソシ
アネート化合物であり、前記ブロックイソシアネート化
合物Bが脂肪族ポリイソシアネート化合物由来のブロッ
クイソシアネート化合物である、請求項5、6、7、8
または9に記載の電着塗装方法。 - 【請求項11】前記芳香族ポリイソシアネート化合物お
よび前記脂肪族ポリイソシアネート化合物は、それぞれ
イソシアヌレート環を含んでいる、請求項10に記載の
電着塗装方法。 - 【請求項12】前記芳香族ポリイソシアネート化合物
は、トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメタン
ジイソシアネートのうちの少なくとも1つに由来するイ
ソシアヌレート環を含み、 前記脂肪族ポリイソシアネート化合物は、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートに由来するイソシアヌレート環を含
む、請求項11に記載の電着塗装方法。 - 【請求項13】前記ブロックイソシアネート化合物Aと
前記ブロックイソシアネート化合物Bとの重量比(A/
B)が、10/90〜50/50である、請求項5、
6、7、8、9、10、11、または12に記載の電着
塗装方法。 - 【請求項14】前記電着塗料は、2種類の樹脂と、ブロ
ックイソシアネート化合物系の硬化剤とを含み、 前記2種類の樹脂は、ガラス転移温度の差が少なくとも
25℃である、請求項4に記載の電着塗装方法。 - 【請求項15】前記電着塗料は、基体樹脂とブロックイ
ソシアネート化合物系の硬化剤とを含み、 前記基体樹脂と前記ブロックイソシアネート化合物系の
硬化剤とは、ガラス転移温度の差が少なくとも25℃で
あり、かつ前記基体樹脂のガラス転移温度が前記ブロッ
クイソシアネート化合物系の硬化剤のガラス転移温度に
比べて高い、請求項4に記載の電着塗装方法。 - 【請求項16】前記電着塗料は、基体樹脂とブロックイ
ソシアネート化合物系の硬化剤とを含み、 前記基体樹脂と前記ブロックイソシアネート化合物系の
硬化剤とは、ガラス転移温度の差が少なくとも25℃で
あり、かつ前記ブロックイソシアネート化合物系の硬化
剤のガラス転移温度が前記基体樹脂のガラス転移温度に
比べて高い、請求項4に記載の電着塗装方法。 - 【請求項17】前記ガラス転移温度の差が、25〜60
℃である、請求項5、6、7、8、9、10、11、1
2、13、14、15または16に記載の電着塗装方
法。
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JP10594294A JP3411668B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 電着塗装方法 |
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JPH07286297A JPH07286297A (ja) | 1995-10-31 |
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JP10594294A Expired - Lifetime JP3411668B2 (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 電着塗装方法 |
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-
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