JP3411526B2 - 折板屋根材及び屋根構造 - Google Patents

折板屋根材及び屋根構造

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JP3411526B2 JP20764399A JP20764399A JP3411526B2 JP 3411526 B2 JP3411526 B2 JP 3411526B2 JP 20764399 A JP20764399 A JP 20764399A JP 20764399 A JP20764399 A JP 20764399A JP 3411526 B2 JP3411526 B2 JP 3411526B2
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秀明 藤原
克明 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は横葺用の折板屋根材
及び横葺の屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板・アルミニウム板等の折板で屋根を
葺く方法としては、一般に縦葺工法と横葺工法が知られ
ている。
【0003】縦葺工法は、幅方向(屋根面水平方向)の
中央が谷部、両側端が山部となるように折り曲げ加工さ
れた折板屋根材を、屋根面水平方向に沿って順次に配置
してゆくとともに、その連設される折板屋根材の側端部
同士を吊子を介して馳継ぎすることにより、釘打ち・ボ
ルト止め等を行うことなく屋根を葺く方法である。
【0004】一方、横葺工法は、棟側端部と軒側端部に
連結用の屈曲部が形成された折板屋根材を屋根構体上に
一文字形に配置するとともに、屋根面傾斜方向において
互いに隣接する折板屋根材を、その一方の折板屋根材の
棟側端部の屈曲部に、他方の折板屋根材の軒側端部の屈
曲部を嵌め込んで連結することにより、吊子を用いるこ
となく屋根を葺く工法である。この横葺工法において、
屋根面水平方向に連設される折板屋根材の継ぎ(横方向
の継ぎ)は、折板の側端部同士を単に重ね合わせるとい
う方式が採られることが多く、この場合、折板屋根材の
横方向の重ね代は、例えば50mm程度としている。
【0005】このような横葺工法による屋根によれば、
通常は問題がないが、例えば大型の台風の接近など、風
雨が激しいときには、折板屋根材の横方向の重ね部分に
雨水が浸入して、室内への雨漏りが発生することがまれ
にある。
【0006】これを解消するための構造として、従来、
図13及び図14に示すように、折板屋根材301の両
側端部に下面側に折れ曲がる折曲部311を形成すると
ともに、その折曲部311に嵌まり込む係止片321が
一体形成された防水継手材302を用い、その防水継手
材302の係止片321を折板屋根材301の折曲部3
11に差し込んで、折板屋根材301同士の連結と、連
結部(継ぎ部)の防水を行う構造が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13及び
図14に示した屋根構造によれば、折板屋根材301の
棟側端部と屋根構体2との隙間の関係上、防水継手材3
02の高さを大きくとることができず、雨水を溜める空
間がどうしても狭くなる。このため、雨量が多いときに
は雨水が防水継手材302からオーバーフローして雨漏
りが起こる可能性がある。さらに、防水継手材302の
内部空間が狭いと、防水継手302内に浸入した雨水が
乾燥し難くなるので、錆などが発生し易くなる。また、
雨水が蒸発せずに、防水継手材302の内部に長時間に
わたって溜まっていると、かびの発生など衛生上の問題
も出てくる。
【0008】また、図14に示すように、折板屋根材3
01の軒側の継ぎ部には、防水継手材302の下方に大
きな空間ができてしまうので、その部分を踏みつけた際
の強度が弱いという問題があり、さらに、折板屋根材3
01の棟側端部と防水継手材302との寸法上の兼ね合
いによって、折板屋根材301の継ぎ部が盛り上がると
いう不具合が発生することもある。
【0009】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、横葺工法の屋根において、折板屋根材の横方向
の継ぎ部からの雨漏りを確実に防止することが可能な屋
根構造の提供と、そのような屋根構造を構築するのに適
した折板屋根材の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の折板屋根材は、
屋根材本体の棟側端部と軒側端部に連結用の屈曲部が形
成された横葺用の折板屋根材であって、屋根材本体の両
側端部のいずれか一方に防水板が、他方に折返し片がそ
れぞれ一体形成されており、その防水板は、屋根材本体
の側端から斜め外方に立ち下がる側板と、この側板の下
端から外方に突出する底板と、底板の側端から立ち上が
る側板とからなり、それら底板の深さ及び側板の高さ
が、屋根材本体の棟側から軒側に向かうに従って大きく
なっており、前記折返し片は、前記防水板の屋根材本体
の側端から斜め外方に立ち下がる側板と対応する角度で
傾斜していることによって特徴づけられる。
【0011】本発明の屋根構造は、上記した折板屋根材
の複数を屋根構体上に配置するとともに、屋根面傾斜方
向において互いに隣接する折板屋根材を、その一方の折
板屋根材の棟側端部の屈曲部に、他方の折板屋根材の軒
側端部の屈曲部を嵌め込んで連結し、かつ、屋根面水平
方向において互いに隣接する折板屋根材を、その一方の
折板屋根材の防水板上に、他方の折板屋根材の側端部を
被せた状態で配置したことによって特徴づけられる。
【0012】このような屋根構造によれば、折板屋根材
の横方向の継ぎ部に雨水が浸入しても、その雨水は防水
板で受け止められ、屋根構体に落下することがない。ま
た、防水板に落下した雨水は、底板(及び側板)に沿っ
て軒側に流れて外部に流出するか、あるいは防水板の内
部において自然に蒸発するので、屋根構体側に雨水が達
することもない。
【0013】しかも、防水板の底板が屋根材本体に対し
て傾斜する構造となっているので、雨水が排出されやす
く、また、防水板の内部空間が大きいので、浸入した雨
水が乾燥しやすい。さらに、防水板の側板が棟側から軒
側に向けて高さが大きくなる形状となっているので、防
水板の側板が屋根材本体の補強リブとしての役目も果た
す。
【0014】ここで、本発明の折板屋根材においては、
屋根材本体の側端から立ち下がる側板を、屋根材本体に
対して斜め外方に傾斜する形状とし、さらに折返し片
を、防水板の屋根材本体の側端から斜め外方に立ち下が
る側板と対応する角度で傾斜する形状としているので、
折板屋根材の熱伸縮による影響を軽減できる。その理由
を以下に説明する。
【0015】まず、図11(A)に示すように、防水板
13′の側板13b′(屋根材本体側)が、屋根材本体
10′の側端から略垂直に立ち下がる形状であり、さら
に、折板屋根材1′の他端に垂下片15′が形成されて
いる場合、折板屋根材1′が熱膨張により屋根面水平方
向に伸びたときに、図11(B)に示すように、折板屋
根材1′の端部が、防水板13′内に入り込んでしま
う。このような状況になると、折板屋根材1′の端部に
よって防水板13′内面が擦られ、その部分の塗装が剥
離し、また擦れ傷が発生する。さらに、屋根材本体1
0′が盛り上がるというような不具合が生じる。
【0016】これに対し、図12(A)に示すように、
屋根材本体10の側端から立ち下がる側板13bを、屋
根材本体10に対して斜め外方に傾斜する形状とし、さ
らに折板屋根材1の他端に、側板13bの傾斜角に対応
する角度の折返し片15を形成しておけば、折板屋根材
1の端部の当たりは傾斜面の当たりとなるので、折板屋
根材1が熱膨張により屋根面水平方向に伸びても、図1
2(B)に示すように、折板屋根材1の端部が斜め方向
に少しずれるだけで済み、塗装の剥離、擦れ傷の発生が
起こり難くなり、しかも、折板屋根材1が大きく変形す
るというような不具合も解消できる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】なお、本発明の明細書で言う屋根構体と
は、垂木や野地板、あるいはこれらに代わる屋根用の構
造体を言う。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図
面に基づいて説明する。
【0022】まず、本発明の屋根構造に用いる折板屋根
材を、図1〜図6を参照しつつ説明する。
【0023】折板屋根材1は、鋼板またはアルミニウム
板等の板材を折り曲げ加工した横長の部材で、図2〜図
4に示すように、屋根材本体10の棟側端部と軒側端部
にそれぞれ連結用の屈曲部11、12が一体形成されて
いる。
【0024】棟側端部の屈曲部11は、屋根構体2にビ
スめされる固定片11aと、この固定片11aの軒側端
部から立上り片11bを経て形成された係止凸部11c
と、固定片11aの棟側端部から上方に折れ曲がる立上
り片11dとからなる。
【0025】軒側端部の屈曲部12は、屋根材本体10
から下方に略45°で折れ曲がる傾斜片12aと、この
傾斜片12aの下端から水平片12bを経て形成された
係止凸部12cと、係止凸部12cから略水平に突出す
る挿入片12dとからなり、図5に示すように、屈曲部
12の挿入片12dを、その下方(軒側)に配置した折
板屋根材1の係止凸部11cの下方に差し込んで、係止
凸部12cを係止凸部11cに係止させることによっ
て、これら上下2枚の折板屋根材1を相互に連結するこ
とができる。
【0026】一方、屋根材本体10の横方向(屋根面水
平方向)の一側端部には防水板13が一体形成されてい
る。この防水板13は、屋根材本体10の側端から斜め
下方(外方)に立ち下がる側板13bと、この側板13
bの下端から外方に突出する底板13aと、底板13a
の側端から斜め上方(外方)に立ち上がる側板13cと
からなる。それら底板13aの屋根材本体10に対する
深さ及び側板13b、13cの高さは、屋根材本体10
の棟側から軒側に向かうに従って大きくなっている。
【0027】また、防水板13の棟側端部には、立上り
片13dが一体形成されている。さらに、折板屋根材1
の一側端部には、横方向に隣接して配置される折板屋根
材1の傾斜片12aの内側に嵌まり込んで、この部分の
隙間を塞ぐ舌片14が一体形成されている。
【0028】屋根材本体10の横方向(屋根面水平方
向)の他端部には、折返し片15が一体形成されてい
る。この折返し片15は、防水板13の側板13bの傾
斜角に対応する角度で傾斜している(図6参照)。
【0029】なお、横葺工法では、通常、図1に示すよ
うに、折板屋根材1の横方向の継ぎ部が、千鳥状の配置
となるように折板屋根材1が葺かれるので、実際に屋根
を施工する際には、折板屋根材1の横方向長さがフルサ
イズ(例えば1200mm)ものと、ハーフサイズ(6
00mm)のものを用意しておく。また、前記したよう
な防水板13や舌片14などを設けていない折板屋根材
も、必要に応じて用意しておく。
【0030】次に、本実施の形態の施工手順を図1、図
5及び図6を参照しつつ説明する。まず、折板屋根材1
の軒側端部の屈曲部12が引っ掛かる係合部が加工され
た軒先スタータ(図示せず)を、屋根構体2の軒先にビ
ス止め等により固定しておく。
【0031】次に、屋根を葺く基点つまり屋根構体2の
軒側端部で屋根面水平方向における一端部に、折板屋根
材1を運んでゆき、その軒側端部の屈曲部12を軒先ス
タータに引っ掛けながら屋根構体2上に置いた後、この
折板屋根材1を屋根構体2にビス止めする(図5参
照)。
【0032】以上の施工が完了した折板屋根材1の横に
次の折板屋根材1を配置し、その軒側端部の屈曲部12
を軒先スタータに引っ掛けるとともに、この折板屋根材
1の側端部を、先に施工済の折板屋根材1の側端部の防
水板13の上に被せ(図6参照)、かつ、先の折板屋根
材1の舌片14に、次の折板屋根材1の屈曲部12を差
し込みながら、次の折板屋根材1を屋根構体2上に置い
た後、この折板屋根材1をビス止めする。
【0033】以後、同様にして、屋根面水平方向に折板
屋根材1を順に配置してゆき、上記した要領で各折板屋
根材1のビス止めを行う。そして、屋根面水平方向の他
端部までの折板屋根材1の施工が完了したら、2列目の
施工に移る。その2列目及び3列目以降の施工は、次の
手順で行う。
【0034】まず、屋根面水平方向の一端部に折板屋根
材(ハーフサイズ)1を、その折板屋根材1の軒側端部
の屈曲部12を、一列目に施工した折板屋根材1の棟側
端部の屈曲部11に嵌め込んで、1列目と2列目の折板
屋根材1を相互に連結するとともに、この2列目の折板
屋根材1を屋根構体2にビス止めする。
【0035】次いで、折板屋根材(フルサイズ)1を横
に配置し、その軒側端部の屈曲部12を1列目の折板屋
根材1の棟側端部の屈曲部11に嵌め込むとともに、こ
の折板屋根材1の側端部を、先に施工済の折板屋根材1
の側端部の防水板13の上に被せ、かつ、先の折板屋根
材1の舌片14に、次の折板屋根材1の屈曲部12を差
し込みながら、次の折板屋根材1を屋根構体2上に置い
た後、この折板屋根材1をビス止めする。
【0036】以後、同様にして、屋根面水平方向に折板
屋根材1を順に配置してゆき、上記した要領で各折板屋
根材1のビス止めを行い、さらに、同じ要領にて3列
目、4列目・・・・の施工を順次に行ってゆく。
【0037】以上の実施形態によれば、折板屋根材1の
一側端部に防水板13を一体形成しているので、折板屋
根材1の横方向の継ぎ部に雨水が浸入しても、その雨水
は防水板13で受け止められ、屋根構体2に落下するこ
とはない。また、防水板13に落下した雨水は、図5に
示すように、底板13a(及び側板13b、13c)に
沿って軒側に流れて外部に流出するか、あるいは防水板
13の内部において自然に蒸発するので、屋根構体2側
に雨水が達することがなくなる。その結果、室内への雨
漏りを確実に防止することができる。
【0038】また、防水板13の底板13aが屋根材本
体10に対して軒側に傾斜しているので(図5参照)、
雨水が排出されやすく、しかも、防水板13の内部空間
が大きいので、浸入した雨水が乾燥しやすい上、雨水の
オーバーフローの可能性も少なくなる。
【0039】さらに、防水板13の側板13b、13c
が棟側から軒側に向けて高さが大きくなる形状となって
いるので、それら側板13b、13cが屋根材本体10
の補強リブとして機能することになり、これにより折板
屋根材1の軒側の継ぎ部を踏みつけても、屋根材本体1
0が変形して凹む等の不具合が起こる可能性が少なくな
る。また、図5に示すように、防水板13の棟側の高さ
を、板厚程度にまで小さくすることができるので、折板
屋根材1の横方向の継ぎ部が盛り上がるというような不
具合もない。
【0040】ここで、図2に示す折板屋根材1を用いる
場合、折板屋根材1を屋根構体2上に配置するだけで、
横方向の継ぎ部の防水を行えるので、防水継手材の取り
付けや捨板の配置等の作業工程を省略することができ、
横葺屋根を構築する際の施工性が向上するという利点も
ある。
【0041】また、屋根材本体10の側端から立ち下が
る側板13bを、屋根材本体10の側端に対して傾斜す
る形状としているので、折板屋根材の加工性が良好にな
るとともに、熱伸縮による影響、例えば塗装の剥離、傷
の発生及び折板屋根材の変形等の不具合を解消すること
ができる。
【0042】ちなみに、横方向の寸法が3m〜4m程度
の折板屋根材(横葺用屋根材)は、温度差=Δ70℃で
2mm程度伸びるが、図6示すように、防水板13の側
板13bを傾斜板とし、さらに折板屋根材1の端部の折
返し片15を、側板13bの傾斜角に合わせた傾斜片と
することで、折板屋根材1に2mm程度の伸びが生じて
も、塗装の剥離、傷の発生及び折板屋根材の変形等の不
具合は発生しないことが確認できた。
【0043】なお、熱伸縮を考慮する必要がない場合の
折板屋根材の一例として、図7に示すように、防水板1
3′の側板13b′を、屋根材本体10′の側端から略
垂直に立ち下がる形状の折板屋根材が挙げられる。この
図7に示す折板屋根材において、防水板13′のもう一
方の側板13c′も、屋根材本体10′側の側板13
b′に合わせて、底板13a′の側端から略垂直に立ち
上がる形状としている。
【0044】次に、他の屋根構造の一例を、図8〜図1
0を参照しつつ説明する。この例では、折板屋根材及び
捨板を用いて横葺屋根を構築する。
【0045】折板屋根材101は、図9に示すように、
鋼板またはアルミニウム板等の板材を折り曲げ加工した
横長の部材で、屋根材本体110の棟側端部と軒側端部
に、それぞれ、先の図2に示した折板屋根材1と同様な
屈曲部111、112が一体形成されている。
【0046】また、折板屋根材101の一側端には垂下
片113が一体形成されている。この垂下片113は、
高さが屋根材本体110の棟側から軒側に向かうに従っ
て大きくなるテーパ形状の片で、その傾斜角は、後述す
る捨板201の側板201b、201cの傾斜角と対応
している。さらに、折板屋根材101の他方の側端部に
は、横方向に隣接して配置される折板屋根材101の傾
斜片112aの内側に嵌まり込んで、この部分の隙間を
塞ぐ舌片114が一体形成されている。
【0047】捨板201は、鋼板等の板材を折り曲げ加
工した部材で、折板屋根材101の横方向の継ぎ部の防
水に用いられる。
【0048】この捨板201は、図9及び図10に示す
ように、平面形状が台形の底板201aと、この底板2
01aの両側端から立ち上がる側板201b、201c
と、底板201aの軒側端部から斜め下方に折り曲げら
れた傾斜片201dと、底板201aの棟側端部から上
方に折れ曲がる立上り片201eとが一体形成されてお
り、その立上り片201eを、折板屋根材101の棟側
端部の立上り片111dに当てた状態で、傾斜片201
dが折板屋根材101の軒側端部の屈曲部112の内に
入り込む形状寸法に加工されている。
【0049】なお、横葺工法では、通常、図8に示すよ
うに、折板屋根材101の横方向の継ぎ部が、千鳥状の
配置となるように折板屋根材101が葺かれるので、実
際に屋根を施工する際には、折板屋根材101の横方向
長さがフルサイズ(例えば1200mm)ものと、ハー
フサイズ(600mm)のものを用意しておく。また、
前記したような垂下片113や舌片114などを設けて
いない折板屋根材も、必要に応じて用意しておく。
【0050】次に、施工手順を図8及び図9を参照しつ
つ説明する。まず、折板屋根材101の軒側端部の屈曲
部112が引っ掛かる係合部が加工された軒先スタータ
(図示せず)を、屋根構体2の軒先にビス止め等により
固定しておく。
【0051】次に、屋根を葺く基点つまり屋根構体2の
軒側端部で屋根面水平方向における一端部に、折板屋根
材101を運んでゆき、その軒側端部の屈曲部112を
軒先スタータに引っ掛けながら屋根構体2上に置く。次
いで、図9に示すように、折板屋根材101の一側端部
の下方に捨板201を配置し、この捨板201の傾斜片
201dを、折板屋根材101の屈曲部112内に差し
込んだ状態で、折板屋根材101を屋根構体2にビス止
めする。
【0052】以上の施工が完了した折板屋根材101の
横に、次の折板屋根材101を配置し、その軒側端部の
屈曲部112を軒先スタータに引っ掛けるとともに、こ
の折板屋根材101の側端部を、先に施工済の折板屋根
材101の側端部に突き合わせた状態で、次の折板屋根
材101を屋根構体2上に置いた後、上記した要領で捨
板201を配置して、次の折板屋根材101のビス止め
を行う。
【0053】以後、同様にして、屋根面水平方向に折板
屋根材101を順に配置してゆき、上記した要領で、捨
板201の配置と、各折板屋根材101のビス止めを行
う。そして、屋根面水平方向の他端部までの折板屋根材
101の施工が完了したら、2列目の施工に移る。その
2列目及び3列目以降の施工は、次の手順で行う。
【0054】まず、屋根面水平方向の一端部に折板屋根
材(ハーフサイズ)101を、その軒側端部の屈曲部1
12を、一列目に施工した折板屋根材101の棟側端部
の屈曲部111に嵌め込んで、1列目と2列目の折板屋
根材101を相互に連結して屋根構体2上に置く。次
に、図9に示すように、折板屋根材101の一側端部の
下方に捨板201を配置し、その傾斜片201dを折板
屋根材101の屈曲部112内に差し込んだ状態で、折
板屋根材101を屋根構体2にビス止めする。
【0055】この施工が完了した折板屋根材101の横
に次の折板屋根材101を配置し、その軒側端部の屈曲
部112を1列目の折板屋根材101の棟側端部の屈曲
部111に嵌め込むとともに、この折板屋根材101の
側端部を、先に施工済の折板屋根材101の側端部に突
き合わせた状態で、次の折板屋根材101を屋根構体2
上に置いて、上記した要領にて捨板201を配置し、次
の折板屋根材101のビス止めを行う。
【0056】以後、同様にして、屋根面水平方向に折板
屋根材101を順に配置してゆき、上記した要領で、捨
板201の配置と、各折板屋根材101のビス止めを行
い、さらに、同じ要領にて3列目、4列目・・・・の施工を
順次に行ってゆく。
【0057】以上の図8及び図9の屋根構造によれば、
折板屋根材101の横方向の継ぎ部の下方に捨板201
を配置しているので、継ぎ部に雨水が浸入しても、その
雨水は捨板201で受け止められ、屋根構体2に落下す
ることはない。また、捨板201に落下した雨水は、底
板201a(及び側板201b、201c)に沿って軒
側に流れて外部に流出するか、あるいは捨板201の内
部において自然に蒸発するので、屋根構体2側に雨水が
達することがなく、室内への雨漏りを確実に防止するこ
とができる。
【0058】また、捨板201は折板屋根材101の継
ぎ部の下方に配置した状態で、底板201aが屋根材本
体110に対して傾斜するので、雨水が排出されやす
く、また、捨板201の内部空間が大きいので、浸入し
た雨水が乾燥しやすい上、雨水のオーバーフローの可能
性も少なくなる。
【0059】さらに、捨板201の側板201b、20
1cが棟側から軒側に向けて高さが大きくなる形状とな
っているので、それら側板201b、201cが屋根材
本体110の補強リブとして機能する。これにより、折
板屋根材101の軒側の継ぎ部を踏みつけても、屋根材
本体110が変形して凹む等の不具合が起こる可能性が
少なくなる。また、捨板201の棟側の高さを、板厚程
度にまで小さくすることができるので、折板屋根材10
1の継ぎ部が盛り上がるというような不具合もない。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
横方向に連設される折板屋根材の継ぎ部の下方に、屋根
材本体に対して傾斜する防水板を設けているので、室内
側への雨漏りを確実に防止することができるとともに、
継ぎ部から浸入した雨水を効率良く排出・蒸発させるこ
とができる。しかも、防水板に一体形成した側板が屋根
材本体の補強リブとして機能するので、折板屋根材の継
ぎ部の踏み付け強度が強くなる。さらに、防水板の棟側
端部の高さを、板厚程度とすることが可能となるので、
折板屋根材の継ぎ部が盛り上がるというような不具合が
発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屋根構造の実施形態を模式的に示す斜
視図である。
【図2】図1に示す屋根構造に用いる折板屋根材の斜視
図である。
【図3】同じく折板屋根材の側面図である。
【図4】図2のA−A端面図である。
【図5】本発明の実施形態の要部構造を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の実施形態の要部構造を示す端面図であ
る。
【図7】図1に示す屋根構造に用いる折板屋根材の変形
例の斜視図である。
【図8】屋根構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【図9】同じく屋根構造の一例を模式的に示す斜視図で
ある。
【図10】図8に示す屋根構造に用いる捨板の斜視図で
ある。
【図11】横葺用の折板屋根材の熱伸縮による影響の説
明図である。
【図12】横葺用の折板屋根材の熱伸縮による影響を回
避する構造の説明図である。
【図13】従来の屋根構造の要部断面図である。
【図14】従来の屋根構造の要部断面図である。
【符号の説明】
1 折板屋根材 10 屋根材本体 11 屈曲部(棟側端部) 11a 固定片 11b 立上り片 11c 係止凸部 11d 立上り片 12 屈曲部(軒側端部) 12a 傾斜片 12b 水平片 12c 係止凸部 13 防水板 13a 底板 13b,13c 側板 13d 立上り片 14 舌片 15 折返し片 2 屋根構体 101 折板屋根材 110 屋根材本体 111 屈曲部(棟側端部) 112 屈曲部(軒側端部) 113 垂下片 114 舌片 201 捨板 201a 底板 201b,201c 側板 201d 傾斜片 201e 立上り片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−241149(JP,A) 特開 平7−292907(JP,A) 実公 平6−13296(JP,Y2) 実用新案登録2523790(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 - 3/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根材本体の棟側端部と軒側端部に連結
    用の屈曲部が形成された横葺用の折板屋根材であって、
    屋根材本体の両側端部のいずれか一方に防水板が、他方
    に折返し片がそれぞれ一体形成されており、その防水板
    は、屋根材本体の側端から斜め外方に立ち下がる側板
    と、この側板の下端から外方に突出する底板と、底板の
    側端から立ち上がる側板とからなり、それら底板の深さ
    及び側板の高さが、屋根材本体の棟側から軒側に向かう
    に従って大きくなっており、前記折返し片は、前記防水
    板の屋根材本体の側端から斜め外方に立ち下がる側板と
    対応する角度で傾斜していることを特徴とする折板屋根
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の折板屋根材の複数を屋根
    構体上に配置するとともに、屋根面傾斜方向において互
    いに隣接する折板屋根材を、その一方の折板屋根材の棟
    側端部の屈曲部に、他方の折板屋根材の軒側端部の屈曲
    部を嵌め込んで連結し、かつ、屋根面水平方向において
    互いに隣接する折板屋根材を、その一方の折板屋根材の
    防水板上に、他方の折板屋根材の側端部を被せた状態で
    配置したことを特徴とする屋根構造。
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