JP3411235B2 - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents
ヘテロ接合バイポーラトランジスタInfo
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L29/00—Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/66—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
- H01L29/68—Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
- H01L29/70—Bipolar devices
- H01L29/72—Transistor-type devices, i.e. able to continuously respond to applied control signals
- H01L29/73—Bipolar junction transistors
- H01L29/737—Hetero-junction transistors
- H01L29/7371—Vertical transistors
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタに関する。特にコレクタ/ベースへテ
ロ接合を持つバイポーラトランジスタに関する。
ーラトランジスタに関する。特にコレクタ/ベースへテ
ロ接合を持つバイポーラトランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
のダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタ(DHB
T)の一つとして、コレクタ・ベース間のヘテロ接合
(以下「コレクタ/ベースヘテロ接合」という。)での
バンド不連続を除去するために、コレクタ・ベース間等
にバンドギャップが厚さ方向に関して線形に変化する傾
斜層を介挿したものが知られている(キュー・エム・ツ
ァン(Q.M.Zhang)他,「ダブルヘテロ接合バイポーラ
トランジスタのエミッタ−ダウン構造の解析」,IEEE T
rans.Electron Device,vol.39(10),pp.2220-2229,199
2)。また、別のダブルヘテロ接合バイポーラトランジ
スタとして、コレクタ/ベースヘテロ接合での障壁(バ
リア)を下げるために、コレクタ・ベース間に高濃度で
狭いバンドギャップを持つセットバック層を介挿したも
のが知られている(ダブリュ・シー・リウ(W-C.Liu)
他,「高降伏電圧および低オフセットトランジスタのた
めのδドープワイドギャップコレクタ構造の応用」,Ap
pl.Phys.Lett.,vol.73,(10),pp.1397-1399,1998)。
のダブルヘテロ接合バイポーラトランジスタ(DHB
T)の一つとして、コレクタ・ベース間のヘテロ接合
(以下「コレクタ/ベースヘテロ接合」という。)での
バンド不連続を除去するために、コレクタ・ベース間等
にバンドギャップが厚さ方向に関して線形に変化する傾
斜層を介挿したものが知られている(キュー・エム・ツ
ァン(Q.M.Zhang)他,「ダブルヘテロ接合バイポーラ
トランジスタのエミッタ−ダウン構造の解析」,IEEE T
rans.Electron Device,vol.39(10),pp.2220-2229,199
2)。また、別のダブルヘテロ接合バイポーラトランジ
スタとして、コレクタ/ベースヘテロ接合での障壁(バ
リア)を下げるために、コレクタ・ベース間に高濃度で
狭いバンドギャップを持つセットバック層を介挿したも
のが知られている(ダブリュ・シー・リウ(W-C.Liu)
他,「高降伏電圧および低オフセットトランジスタのた
めのδドープワイドギャップコレクタ構造の応用」,Ap
pl.Phys.Lett.,vol.73,(10),pp.1397-1399,1998)。
【0003】しかしながら、これらの傾斜層やセットバ
ック層は、可動電荷担体からみた障壁を或る程度減少さ
せるが、完全には消滅させることができない。このこと
は特に、バイアス電圧が低いとき、すなわちトランジス
タを飽和領域近くのバイアス条件で動作させたとき顕著
になる。
ック層は、可動電荷担体からみた障壁を或る程度減少さ
せるが、完全には消滅させることができない。このこと
は特に、バイアス電圧が低いとき、すなわちトランジス
タを飽和領域近くのバイアス条件で動作させたとき顕著
になる。
【0004】例えば図3(a)は上述の傾斜層を備えた
npn型DHBTに対して飽和領域から十分離れたバイ
アス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレ
クタ・エミッタ間電圧Vce=2V)を印加したときの
エネルギバンドダイアグラムを計算値で示し、図3
(b)は同じDHBTを飽和領域近くのバイアス(ベー
ス・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミ
ッタ間電圧Vce=0.1V)で動作させたときのエネ
ルギバンドダイアグラムを計算値で示している。このn
pn型DHBTは、n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層
(厚さ800Å,不純物濃度n=5×1017cm-3)3
1と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜層(厚さ200
Å,不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混晶比x=
0.3→0)32と、p+型GaAsベース層(厚さ8
00Å,不純物濃度n=4×1019cm- 3)33と、n
型AlxGa1-xAs傾斜層(厚さ500Å,不純物濃度
n=2×1016cm-3,Al混晶比x=0→0.2)3
4と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ600
0Å,不純物濃度n=2×1016cm-3)35と、Al
xGa1-xAs傾斜層(厚さ500Å,不純物濃度n=2
×1016cm-3,Al混晶比x=0.2→0)36と、
n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物
濃度n=5×1018cm-3)37とからなっている。な
お、Al混晶比xにおける数字の間の矢印「→」は、A
l混晶比xの値がその層の厚さ方向に関して線形に変化
することを表している(以下同様。)。この図3
(a),(b)から、傾斜層によっては、バイアス電圧
が低いときにコレクタ/ベースヘテロ接合の障壁39を
十分には低減できないことが分かる。
npn型DHBTに対して飽和領域から十分離れたバイ
アス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレ
クタ・エミッタ間電圧Vce=2V)を印加したときの
エネルギバンドダイアグラムを計算値で示し、図3
(b)は同じDHBTを飽和領域近くのバイアス(ベー
ス・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミ
ッタ間電圧Vce=0.1V)で動作させたときのエネ
ルギバンドダイアグラムを計算値で示している。このn
pn型DHBTは、n型Al0.3Ga0.7Asエミッタ層
(厚さ800Å,不純物濃度n=5×1017cm-3)3
1と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜層(厚さ200
Å,不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混晶比x=
0.3→0)32と、p+型GaAsベース層(厚さ8
00Å,不純物濃度n=4×1019cm- 3)33と、n
型AlxGa1-xAs傾斜層(厚さ500Å,不純物濃度
n=2×1016cm-3,Al混晶比x=0→0.2)3
4と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ600
0Å,不純物濃度n=2×1016cm-3)35と、Al
xGa1-xAs傾斜層(厚さ500Å,不純物濃度n=2
×1016cm-3,Al混晶比x=0.2→0)36と、
n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物
濃度n=5×1018cm-3)37とからなっている。な
お、Al混晶比xにおける数字の間の矢印「→」は、A
l混晶比xの値がその層の厚さ方向に関して線形に変化
することを表している(以下同様。)。この図3
(a),(b)から、傾斜層によっては、バイアス電圧
が低いときにコレクタ/ベースヘテロ接合の障壁39を
十分には低減できないことが分かる。
【0005】また、図4(a)は上述のセットバック層
を備えたnpn型DHBTに対して飽和領域から十分離
れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4
V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2V)を印加し
たときのエネルギバンドダイアグラムを計算値で示し、
図4(b)は同じDHBTを飽和領域近くのバイアス
(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ
・エミッタ間電圧Vce=0.1V)で動作させたとき
のエネルギバンドダイアグラムを計算値で示している。
このnpn型DHBTは、n型Al0.3Ga0.7Asエミ
ッタ層(厚さ800Å,n=5×1017cm-3)41
と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜層(厚さ200Å,
不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混晶比x=0.
3→0)42と、p+型GaAsベース層(厚さ800
Å,不純物濃度n=4×1019cm-3)43と、n型G
aAsセットバック層(厚さ500Å,不純物濃度n=
2×1017cm-3)44と、n型Al0.2Ga0.8Asコ
レクタ層(厚さ6000Å,不純物濃度n=2×1016
cm-3)45と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層
(厚さ500Å,不純物濃度n=2×1018cm-3)4
6と、n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,
不純物濃度n=5×1018cm-3)47とからなってい
る。この図4(a),(b)から、セットバック層によ
っては、バイアス電圧が低いときにコレクタ/ベースヘ
テロ接合の障壁49を十分には低減できないことが分か
る。
を備えたnpn型DHBTに対して飽和領域から十分離
れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4
V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2V)を印加し
たときのエネルギバンドダイアグラムを計算値で示し、
図4(b)は同じDHBTを飽和領域近くのバイアス
(ベース・エミッタ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ
・エミッタ間電圧Vce=0.1V)で動作させたとき
のエネルギバンドダイアグラムを計算値で示している。
このnpn型DHBTは、n型Al0.3Ga0.7Asエミ
ッタ層(厚さ800Å,n=5×1017cm-3)41
と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜層(厚さ200Å,
不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混晶比x=0.
3→0)42と、p+型GaAsベース層(厚さ800
Å,不純物濃度n=4×1019cm-3)43と、n型G
aAsセットバック層(厚さ500Å,不純物濃度n=
2×1017cm-3)44と、n型Al0.2Ga0.8Asコ
レクタ層(厚さ6000Å,不純物濃度n=2×1016
cm-3)45と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層
(厚さ500Å,不純物濃度n=2×1018cm-3)4
6と、n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,
不純物濃度n=5×1018cm-3)47とからなってい
る。この図4(a),(b)から、セットバック層によ
っては、バイアス電圧が低いときにコレクタ/ベースヘ
テロ接合の障壁49を十分には低減できないことが分か
る。
【0006】また、図5(a)は上述のセットバック層
に加えてδドープ層を備えたnpn型DHBTに対して
飽和領域から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間
電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vc
e=2V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラ
ムを計算値で示し、図5(b)は同じDHBTを飽和領
域近くのバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=
1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=0.1
V)で動作させたときのエネルギバンドダイアグラムを
計算値で示している。このnpn型DHBTは、n型A
l0.3Ga0.7Asエミッタ層(厚さ800Å,n=5×
1017cm-3)51と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜
層(厚さ200Å,n=5×1017cm-3,Al混晶比
x=0.3→0)52と、p+型GaAsベース層(厚
さ800Å,不純物濃度n=4×101 9cm-3)53
と、n型GaAsセットバック層(厚さ500Å,不純
物濃度n=2×1016cm-3)54と、δドープ層(ド
ナーの2次元ドーピング密度NS=5×1011cm-2)
55と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ60
00Å,不純物濃度n=2×1016cm-3)56と、n
型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ500Å,不純
物濃度n=2×1018cm-3)57と、n型GaAsサ
ブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物濃度n=5×1
018cm-3)58とからなっている。この図5(a),
(b)から、セットバック層に加えてδドープ層を設け
たとしても、バイアス電圧が低いときにコレクタ/ベー
スヘテロ接合の障壁を十分には低減できないことが分か
る。
に加えてδドープ層を備えたnpn型DHBTに対して
飽和領域から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間
電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vc
e=2V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラ
ムを計算値で示し、図5(b)は同じDHBTを飽和領
域近くのバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vbe=
1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=0.1
V)で動作させたときのエネルギバンドダイアグラムを
計算値で示している。このnpn型DHBTは、n型A
l0.3Ga0.7Asエミッタ層(厚さ800Å,n=5×
1017cm-3)51と、AlxGa1-xAsエミッタ傾斜
層(厚さ200Å,n=5×1017cm-3,Al混晶比
x=0.3→0)52と、p+型GaAsベース層(厚
さ800Å,不純物濃度n=4×101 9cm-3)53
と、n型GaAsセットバック層(厚さ500Å,不純
物濃度n=2×1016cm-3)54と、δドープ層(ド
ナーの2次元ドーピング密度NS=5×1011cm-2)
55と、n型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ60
00Å,不純物濃度n=2×1016cm-3)56と、n
型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ500Å,不純
物濃度n=2×1018cm-3)57と、n型GaAsサ
ブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物濃度n=5×1
018cm-3)58とからなっている。この図5(a),
(b)から、セットバック層に加えてδドープ層を設け
たとしても、バイアス電圧が低いときにコレクタ/ベー
スヘテロ接合の障壁を十分には低減できないことが分か
る。
【0007】そこで、この発明の目的は、可動電荷担体
がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領
域を通過でき、したがって高動作効率を達成できるコレ
クタ/ベースへテロ接合を含むヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを提供することにある。
がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領
域を通過でき、したがって高動作効率を達成できるコレ
クタ/ベースへテロ接合を含むヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタは、エ
ミッタ領域、ベース領域、コレクタ領域およびサブコレ
クタ領域を順に備えたヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいて、上記コレクタ領域は、可動電荷担体が移動
する厚さ方向に関して、隣接した複数のサブ領域を含
み、上記各サブ領域の中では、エネルギバンドギャップ
は一定であるかまたは上記厚さ方向の位置に応じて線形
に変化し、上記各サブ領域の間では、コレクタ中の可動
電荷担体の走行するエネルギバンドエッジは連続し、上
記各サブ領域の間の電子親和力とエネルギバンドギャッ
プの相違により生じた擬似電場を補償するように、上記
各サブ領域の界面に2次元または擬似2次元の電荷層が
形成されていることを特徴とする。
め、本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタは、エ
ミッタ領域、ベース領域、コレクタ領域およびサブコレ
クタ領域を順に備えたヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいて、上記コレクタ領域は、可動電荷担体が移動
する厚さ方向に関して、隣接した複数のサブ領域を含
み、上記各サブ領域の中では、エネルギバンドギャップ
は一定であるかまたは上記厚さ方向の位置に応じて線形
に変化し、上記各サブ領域の間では、コレクタ中の可動
電荷担体の走行するエネルギバンドエッジは連続し、上
記各サブ領域の間の電子親和力とエネルギバンドギャッ
プの相違により生じた擬似電場を補償するように、上記
各サブ領域の界面に2次元または擬似2次元の電荷層が
形成されていることを特徴とする。
【0009】ここで、「2次元電荷層」とは電荷層の厚
さがゼロであるものを指し、「擬似2次元電荷層」とは
電荷層の厚さが有限であるものを指す。
さがゼロであるものを指し、「擬似2次元電荷層」とは
電荷層の厚さが有限であるものを指す。
【0010】本発明のヘテロ接合バイポーラトランジス
タのコレクタ領域は、可動電荷担体が移動する厚さ方向
に関して、複数のサブ領域に分割されている。上記各サ
ブ領域のエネルギバンドギャップは一定であるかまたは
上記厚さ方向の位置に応じて線形に変化して、上記各サ
ブ領域の、コレクタ中の可動電荷担体の走行するエネル
ギバンドエッジは連続している。つまり、npn型バイ
ポーラトランジスタであれば伝導帯中の電子が可動電荷
担体であり、その電子の走行する伝導帯バンドエッジが
連続している。また、pnp型バイポーラトランジスタ
であれば価電子帯中の正孔が可動電荷担体であり、その
正孔の走行する価電子帯のバンドエッジが連続してい
る。これにより、コレクタ領域を上記厚さ方向に横切る
可動電荷担体のために、連続したポテンシャルプロファ
イルが得られる。ただし、互いに異なるエネルギバンド
ギャップを持つサブ領域間に、厚さ方向の位置に応じて
エネルギバンドギャップが線形に変化する傾斜層を挿入
したとしても、それだけでは、可動電荷担体に対して平
滑かつバリアーフリーなポテンシャルを与えるには不十
分である。サブ領域間の界面に2次元または擬似2次元
の電荷層(いわゆるδドープ層)を挿入することが必要
である。上記各サブ領域間の電子親和力とエネルギバン
ドギャップの相違により擬似電場(quasi-electric fie
ld)が生じているからである。そこで、請求項1の構成
では、そのような擬似電場を補償するように、上記各サ
ブ領域間に2次元または擬似2次元の電荷層を形成す
る。サブ領域間に2次元電荷密度を挿入することによ
り、エネルギバンドエッジが平坦化される。これによ
り、可動電荷担体にとってのバリア高さが減少し、動作
効率が向上する。このとき、擬似電場を完全に補償する
ように、サブ領域間に2次元電荷密度を適切に挿入する
ことにより、エネルギバンドエッジを充分平坦化し、可
動電荷担体にとってバリアを実質上無くすることがより
好ましい。特に、全コレクタ領域を本特許のサブ領域構
造によって形成することで、可動電荷担体が実質上全く
バリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域
を通過できるようにすることが可能となり、その場合、
特に高い動作効率を達成できる。
タのコレクタ領域は、可動電荷担体が移動する厚さ方向
に関して、複数のサブ領域に分割されている。上記各サ
ブ領域のエネルギバンドギャップは一定であるかまたは
上記厚さ方向の位置に応じて線形に変化して、上記各サ
ブ領域の、コレクタ中の可動電荷担体の走行するエネル
ギバンドエッジは連続している。つまり、npn型バイ
ポーラトランジスタであれば伝導帯中の電子が可動電荷
担体であり、その電子の走行する伝導帯バンドエッジが
連続している。また、pnp型バイポーラトランジスタ
であれば価電子帯中の正孔が可動電荷担体であり、その
正孔の走行する価電子帯のバンドエッジが連続してい
る。これにより、コレクタ領域を上記厚さ方向に横切る
可動電荷担体のために、連続したポテンシャルプロファ
イルが得られる。ただし、互いに異なるエネルギバンド
ギャップを持つサブ領域間に、厚さ方向の位置に応じて
エネルギバンドギャップが線形に変化する傾斜層を挿入
したとしても、それだけでは、可動電荷担体に対して平
滑かつバリアーフリーなポテンシャルを与えるには不十
分である。サブ領域間の界面に2次元または擬似2次元
の電荷層(いわゆるδドープ層)を挿入することが必要
である。上記各サブ領域間の電子親和力とエネルギバン
ドギャップの相違により擬似電場(quasi-electric fie
ld)が生じているからである。そこで、請求項1の構成
では、そのような擬似電場を補償するように、上記各サ
ブ領域間に2次元または擬似2次元の電荷層を形成す
る。サブ領域間に2次元電荷密度を挿入することによ
り、エネルギバンドエッジが平坦化される。これによ
り、可動電荷担体にとってのバリア高さが減少し、動作
効率が向上する。このとき、擬似電場を完全に補償する
ように、サブ領域間に2次元電荷密度を適切に挿入する
ことにより、エネルギバンドエッジを充分平坦化し、可
動電荷担体にとってバリアを実質上無くすることがより
好ましい。特に、全コレクタ領域を本特許のサブ領域構
造によって形成することで、可動電荷担体が実質上全く
バリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域
を通過できるようにすることが可能となり、その場合、
特に高い動作効率を達成できる。
【0011】本発明のnpn型ダブルヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタは、請求項1に記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタにおいて、前記ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタはnpn型であり、前記各サブ領域の間
では、伝導帯のエネルギバンドエッジは連続し、前記2
次元または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度Ns
は、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz)/q …(1) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、χ1、χ2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、
ε2はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zは
その第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1
サブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるよう
な座標)なる関係を満たすように設定されていることを
特徴とする。
ーラトランジスタは、請求項1に記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタにおいて、前記ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタはnpn型であり、前記各サブ領域の間
では、伝導帯のエネルギバンドエッジは連続し、前記2
次元または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度Ns
は、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz)/q …(1) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、χ1、χ2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、
ε2はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zは
その第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1
サブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるよう
な座標)なる関係を満たすように設定されていることを
特徴とする。
【0012】なお、Nsが正であることは電荷層がアク
セプタイオンからなることを意味し、Nsが負であるこ
とは電荷層がドナーイオンからなることを意味する。
セプタイオンからなることを意味し、Nsが負であるこ
とは電荷層がドナーイオンからなることを意味する。
【0013】一般に、一定の空間電荷を持つ半導体中を
可動電荷担体が抵抗を受けることなく移動するための条
件は、擬似電場Fの位置zによる微分dF/dzが領域
を通じて連続であることである。ここで半導体の伝導帯
に関して言えば、伝導帯の擬似電場Fcは、 Fc=−dχ/dz …(5) で表される。ただし、χは電子親和力である。よって、
サブ領域間のdFc/dzの不連続性は、上記式(1)
で表される2次元電荷密度Nsを持つ2次元または擬似
2次元の電荷層をそのサブ領域間の界面に挿入すること
により解消されることが分かる。したがって、請求項2
の構成によれば、npn型ダブルヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、可動電荷担体がバリアに遭遇す
ることなくベース領域からコレクタ領域を通過でき、し
たがって高動作効率を達成できる。
可動電荷担体が抵抗を受けることなく移動するための条
件は、擬似電場Fの位置zによる微分dF/dzが領域
を通じて連続であることである。ここで半導体の伝導帯
に関して言えば、伝導帯の擬似電場Fcは、 Fc=−dχ/dz …(5) で表される。ただし、χは電子親和力である。よって、
サブ領域間のdFc/dzの不連続性は、上記式(1)
で表される2次元電荷密度Nsを持つ2次元または擬似
2次元の電荷層をそのサブ領域間の界面に挿入すること
により解消されることが分かる。したがって、請求項2
の構成によれば、npn型ダブルヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、可動電荷担体がバリアに遭遇す
ることなくベース領域からコレクタ領域を通過でき、し
たがって高動作効率を達成できる。
【0014】本発明のnpn型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、請求項2に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記の複数のサブ領域
は、AlxGa1-xAsからなり、上記サブ領域のAl混
晶比xは一定であるかまたは前記厚さ方向の位置に応じ
て線形に変化し、上記各サブ領域の界面ではAl混晶比
xは一致し、上記サブ領域の界面に2次元または擬似2
次元の電荷層が形成され、上記電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=0.8ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(2) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とする。
ランジスタは、請求項2に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記の複数のサブ領域
は、AlxGa1-xAsからなり、上記サブ領域のAl混
晶比xは一定であるかまたは前記厚さ方向の位置に応じ
て線形に変化し、上記各サブ領域の界面ではAl混晶比
xは一致し、上記サブ領域の界面に2次元または擬似2
次元の電荷層が形成され、上記電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=0.8ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(2) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とする。
【0015】上記サブ領域がAlxGa1-xAs(x=0
の場合GaAs)からなる場合は、式(1)はAlxG
a1-xAsのA1混晶比xによって、式(2)のように
書き直すことができる。これは、AlxGa1-xAsの電
子親和力χ(x)は、実験的にA1混晶比xによって χ(x)=χ0−0.8x …(6) と表されるからである。ただし、χ0はx=0のとき、
すなわちGaAsの電子親和力である。したがって、請
求項3の構成によれば、コレクタ領域がGaAs/Al
GaAs材料系を含むnpn型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタにおいて、可動電荷担体がバリアに遭遇する
ことなくベース領域からコレクタ領域を通過でき、した
がって高動作効率を達成できる。
の場合GaAs)からなる場合は、式(1)はAlxG
a1-xAsのA1混晶比xによって、式(2)のように
書き直すことができる。これは、AlxGa1-xAsの電
子親和力χ(x)は、実験的にA1混晶比xによって χ(x)=χ0−0.8x …(6) と表されるからである。ただし、χ0はx=0のとき、
すなわちGaAsの電子親和力である。したがって、請
求項3の構成によれば、コレクタ領域がGaAs/Al
GaAs材料系を含むnpn型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタにおいて、可動電荷担体がバリアに遭遇する
ことなくベース領域からコレクタ領域を通過でき、した
がって高動作効率を達成できる。
【0016】本発明のpnp型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、前記へテロ接合バイポーラトラ
ンジスタはpnp型であり、前記各サブ領域の間では、
価電子帯のエネルギバンドエッジは連続し、前記2次元
または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度Nsは、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz +(dEG1/dz−dEG2/dz)/q)/q …(3) (ただし、それぞれqは電子の電荷、χ1、χ2はその電
荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、ε2
はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zはその
第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サブ
領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような座
標、EG1、EG2はその第1、第2サブ領域のエネルギギ
ャップである。)なる関係を満たすように設定されてい
ることを特徴とする。
ランジスタは、請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、前記へテロ接合バイポーラトラ
ンジスタはpnp型であり、前記各サブ領域の間では、
価電子帯のエネルギバンドエッジは連続し、前記2次元
または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度Nsは、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz +(dEG1/dz−dEG2/dz)/q)/q …(3) (ただし、それぞれqは電子の電荷、χ1、χ2はその電
荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、ε2
はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zはその
第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サブ
領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような座
標、EG1、EG2はその第1、第2サブ領域のエネルギギ
ャップである。)なる関係を満たすように設定されてい
ることを特徴とする。
【0017】なお、Nsが正であることは電荷層がアク
セプタイオンからなることを意味し、Nsが負であるこ
とは電荷層がドナーイオンからなることを意味する。
セプタイオンからなることを意味し、Nsが負であるこ
とは電荷層がドナーイオンからなることを意味する。
【0018】既に述べたように、一定の空間電荷を持つ
半導体中を可動電荷担体が抵抗を受けることなく移動す
るための条件は、擬似電場Fの位置zによる微分dF/
dzが領域を通じて連続であることである。ここで半導
体の価電子帯に関して言えば、価電子帯の擬似電場Fv
は、 Fv=−d(χ+EG/q)/dz …(7) で表される。ただし、χは電子親和力、EGエネルギバ
ンドギャップである。よって、サブ領域間のdFv/d
zの不連続性は、上記式(3)で表される2次元電荷密
度Nsを持つ2次元または擬似2次元の電荷層をそのサ
ブ領域間の界面に挿入することにより解消されることが
分かる。したがって、請求項4の構成によれば、pnp
型ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、可動電
荷担体がバリアに遭遇することなくベース領域からコレ
クタ領域を通過でき、したがって高動作効率を達成でき
る。
半導体中を可動電荷担体が抵抗を受けることなく移動す
るための条件は、擬似電場Fの位置zによる微分dF/
dzが領域を通じて連続であることである。ここで半導
体の価電子帯に関して言えば、価電子帯の擬似電場Fv
は、 Fv=−d(χ+EG/q)/dz …(7) で表される。ただし、χは電子親和力、EGエネルギバ
ンドギャップである。よって、サブ領域間のdFv/d
zの不連続性は、上記式(3)で表される2次元電荷密
度Nsを持つ2次元または擬似2次元の電荷層をそのサ
ブ領域間の界面に挿入することにより解消されることが
分かる。したがって、請求項4の構成によれば、pnp
型ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、可動電
荷担体がバリアに遭遇することなくベース領域からコレ
クタ領域を通過でき、したがって高動作効率を達成でき
る。
【0019】本発明のpnp型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、請求項4に記載のpnp型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記の複数のサブ領域
は、AlxGa1-xAsからなり、上記サブ領域のAl混
晶比xは一定であるかまたは前記厚さ方向の位置に応じ
て線形に変化し、上記各サブ領域の界面ではAl混晶比
xは一致し、上記サブ領域の界面に2次元または擬似2
次元の電荷層が形成され、上記電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=0.45ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(4) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とする。
ランジスタは、請求項4に記載のpnp型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記の複数のサブ領域
は、AlxGa1-xAsからなり、上記サブ領域のAl混
晶比xは一定であるかまたは前記厚さ方向の位置に応じ
て線形に変化し、上記各サブ領域の界面ではAl混晶比
xは一致し、上記サブ領域の界面に2次元または擬似2
次元の電荷層が形成され、上記電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=0.45ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(4) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とする。
【0020】上記サブ領域がAlxGa1-xAs(x=0
の場合GaAs)からなる場合は、式(3)はAlxG
a1-xAsのA1混晶比xによって、式(4)のように
書き直すことができる。これは、AlxGa1-xAsの電
子親和力χ(x)とバンドギャップE(x)が、それぞ
れ実験的にA1混晶比xによって χ(x)=χ0−0.8x …(6) E(x)=EG0+1.247x …(8) と表されるからである。ただし、χ0はx=0のとき、
すなわちGaAsの電子親和力である。また、EG0はx
=0のとき、すなわちGaAsのバンドギャップであ
る。したがって、請求項5の構成によれば、コレクタ領
域がGaAs/AlGaAs材料系を含むpnp型ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体
がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領
域を通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
の場合GaAs)からなる場合は、式(3)はAlxG
a1-xAsのA1混晶比xによって、式(4)のように
書き直すことができる。これは、AlxGa1-xAsの電
子親和力χ(x)とバンドギャップE(x)が、それぞ
れ実験的にA1混晶比xによって χ(x)=χ0−0.8x …(6) E(x)=EG0+1.247x …(8) と表されるからである。ただし、χ0はx=0のとき、
すなわちGaAsの電子親和力である。また、EG0はx
=0のとき、すなわちGaAsのバンドギャップであ
る。したがって、請求項5の構成によれば、コレクタ領
域がGaAs/AlGaAs材料系を含むpnp型ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体
がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領
域を通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
【0021】本発明のnpn型ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタは、請求項3に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記のコレクタ領域
は、ベース層側の第1のサブ領域と、サブコレクタ層側
の第2のサブ領域からなり、上記各サブ領域のAl混晶
比xは、第1のサブ領域内では第2のサブ領域に向かっ
て線形に増加し、第2のサブ領域内ではサブコレクタ領
域に向かって線形に減少するように設定されていること
を特徴とする。
ランジスタは、請求項3に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、前記のコレクタ領域
は、ベース層側の第1のサブ領域と、サブコレクタ層側
の第2のサブ領域からなり、上記各サブ領域のAl混晶
比xは、第1のサブ領域内では第2のサブ領域に向かっ
て線形に増加し、第2のサブ領域内ではサブコレクタ領
域に向かって線形に減少するように設定されていること
を特徴とする。
【0022】本発明の構成によれば、コレクタ領域がG
aAs/GaAlAs材料系からなるヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタにおいて、AlxGa1-xAsからなる
第1、第2サブ領域間の界面のバリアを消滅できる。し
たがって、請求項3と同様に、可動電荷担体がバリアに
遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過で
きる。したがって高動作効率を達成できる。可動電荷担
体がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ
領域を通過できる高動作効率なコレクタ構造を比較的単
純な構造で実現でき、製造上の利点が大きい。
aAs/GaAlAs材料系からなるヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタにおいて、AlxGa1-xAsからなる
第1、第2サブ領域間の界面のバリアを消滅できる。し
たがって、請求項3と同様に、可動電荷担体がバリアに
遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過で
きる。したがって高動作効率を達成できる。可動電荷担
体がバリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ
領域を通過できる高動作効率なコレクタ構造を比較的単
純な構造で実現でき、製造上の利点が大きい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタを図示の実施の形態により詳細に説
明する。
ポーラトランジスタを図示の実施の形態により詳細に説
明する。
【0024】図2はこの発明の効果を模式的に示してい
る。すなわち、図2(a)は、コレクタ/ベースへテロ
接合を含んだnpn型AlGaAs/GaAs/AlG
aAsヘテロ接合バイポーラトランジスタであってコレ
クタ領域20を構成するサブ領域間の界面に2次元電荷
層を有しないもの(従来品)を、飽和領域近くのバイア
スで動作させたときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示している。このヘテロ接合バイポーラトランジ
スタは、n型AlGaAsエミッタ領域21と、p+型
GaAsベース領域22と、n型AlxGa1-xAs傾斜
サブ領域(厚さ50nm,Al混晶比x=0→0.2)
23と、均一な広いバンドギャップを持つn型Al0.2
Ga0.8Asサブ領域24と、n型AlxGa1-xAs傾
斜サブ領域(厚さ50nm,Al混晶比x=0.2→
0)25と、均一な狭いバンドギャップを持つn型Ga
Asサブ領域26と、n型GaAsサブコレクタ領域2
7とを備えている。一方、図2(b)はそれと対比し
て、同じnpn型AlGaAs/GaAs/AlGaA
sヘテロ接合バイポーラトランジスタであってこの発明
に基づいてコレクタ領域20Aを構成するサブ領域間の
界面に2次元電荷層を有するものを、飽和領域近くのバ
イアスで動作させたときのエネルギバンドダイアグラム
を計算値で示している。このヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタでは、傾斜サブ領域23と広バンドギャップサ
ブ領域24との間の界面に2次元電荷層28が形成さ
れ、広バンドギャップサブ領域24と傾斜サブ領域25
との間の界面に2次元電荷層29が形成され、また、傾
斜サブ領域25と狭バンドギャップサブ領域26との間
の界面に2次元電荷層30が形成されている。これらの
2次元電荷層28,29,30の2次元ドーピング密度
Nsはそれぞれ Ns=0.8ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(2) なる関係を満たすように設定されている。ただし、それ
ぞれqは電子の電荷、x 1、x2はその電荷層を挟む第
1、第2サブ領域のAl混晶比、εはその第1、第2サ
ブ領域間の界面の誘電率、zはその第1、第2サブ領域
間の界面に対して垂直で第1サブ領域から第2サブ領域
に向かう向きが正であるような座標である。
る。すなわち、図2(a)は、コレクタ/ベースへテロ
接合を含んだnpn型AlGaAs/GaAs/AlG
aAsヘテロ接合バイポーラトランジスタであってコレ
クタ領域20を構成するサブ領域間の界面に2次元電荷
層を有しないもの(従来品)を、飽和領域近くのバイア
スで動作させたときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示している。このヘテロ接合バイポーラトランジ
スタは、n型AlGaAsエミッタ領域21と、p+型
GaAsベース領域22と、n型AlxGa1-xAs傾斜
サブ領域(厚さ50nm,Al混晶比x=0→0.2)
23と、均一な広いバンドギャップを持つn型Al0.2
Ga0.8Asサブ領域24と、n型AlxGa1-xAs傾
斜サブ領域(厚さ50nm,Al混晶比x=0.2→
0)25と、均一な狭いバンドギャップを持つn型Ga
Asサブ領域26と、n型GaAsサブコレクタ領域2
7とを備えている。一方、図2(b)はそれと対比し
て、同じnpn型AlGaAs/GaAs/AlGaA
sヘテロ接合バイポーラトランジスタであってこの発明
に基づいてコレクタ領域20Aを構成するサブ領域間の
界面に2次元電荷層を有するものを、飽和領域近くのバ
イアスで動作させたときのエネルギバンドダイアグラム
を計算値で示している。このヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタでは、傾斜サブ領域23と広バンドギャップサ
ブ領域24との間の界面に2次元電荷層28が形成さ
れ、広バンドギャップサブ領域24と傾斜サブ領域25
との間の界面に2次元電荷層29が形成され、また、傾
斜サブ領域25と狭バンドギャップサブ領域26との間
の界面に2次元電荷層30が形成されている。これらの
2次元電荷層28,29,30の2次元ドーピング密度
Nsはそれぞれ Ns=0.8ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(2) なる関係を満たすように設定されている。ただし、それ
ぞれqは電子の電荷、x 1、x2はその電荷層を挟む第
1、第2サブ領域のAl混晶比、εはその第1、第2サ
ブ領域間の界面の誘電率、zはその第1、第2サブ領域
間の界面に対して垂直で第1サブ領域から第2サブ領域
に向かう向きが正であるような座標である。
【0025】図2(a),(b)を対比すれば、図2
(b)中の伝導帯のバンドエッジEcがコレクタ領域に
おいて連続かつ平滑であることが分かる。したがって、
この発明によれば、可動電荷担体がバリアに遭遇するこ
となくベース領域からコレクタ領域を通過できる。
(b)中の伝導帯のバンドエッジEcがコレクタ領域に
おいて連続かつ平滑であることが分かる。したがって、
この発明によれば、可動電荷担体がバリアに遭遇するこ
となくベース領域からコレクタ領域を通過できる。
【0026】サブ領域間に挿入すべき電荷層の理想的な
厚さはゼロであり、サブ領域間のポテンシャル障壁を除
去する効果は、そこに挿入される電荷層の厚さが厚くな
るほど減少する。ここで、極めて高い2次元ドーピング
密度を用いる場合は、物性またはデバイス作製法から負
わされた最大3次元ドーピング密度の制限から、サブ領
域間に挿入する電荷層の厚さを有限な値にする必要があ
る。けれども、サブ領域間の障壁の高さが可動電荷担体
の近似的熱エネルギ3kT/2以下であれば、実際に大
きな効果が得られる(ただし、kはボルツマン定数、T
は絶対温度である。)。だから、npn型トランジスタ
に対してコレクタ領域のサブ領域間に挿入すべき電荷層
の厚さ△zの妥当な上限は、 △z≦3kT/{2q|dχ1/dz−dχ2/dz|} …(9) と計算できる。また、pnpトタンジスタに対してコレ
クタ領域のサブ領域間に挿入すべき電荷層の厚さ△zの
妥当な上限は、 △z≦3kT/{2q|(dχ1/dz−dχ2/dz) +(dEG1/dz−dEG2/dz)/q|} …(10) と計算できる。ただし、χ1、χ2はその電荷層を挟む第
1、第2サブ領域の電子親和力、EG1、EG2はその電荷
層を挟む第1、第2サブ領域のエネルギバンドギャップ
である。
厚さはゼロであり、サブ領域間のポテンシャル障壁を除
去する効果は、そこに挿入される電荷層の厚さが厚くな
るほど減少する。ここで、極めて高い2次元ドーピング
密度を用いる場合は、物性またはデバイス作製法から負
わされた最大3次元ドーピング密度の制限から、サブ領
域間に挿入する電荷層の厚さを有限な値にする必要があ
る。けれども、サブ領域間の障壁の高さが可動電荷担体
の近似的熱エネルギ3kT/2以下であれば、実際に大
きな効果が得られる(ただし、kはボルツマン定数、T
は絶対温度である。)。だから、npn型トランジスタ
に対してコレクタ領域のサブ領域間に挿入すべき電荷層
の厚さ△zの妥当な上限は、 △z≦3kT/{2q|dχ1/dz−dχ2/dz|} …(9) と計算できる。また、pnpトタンジスタに対してコレ
クタ領域のサブ領域間に挿入すべき電荷層の厚さ△zの
妥当な上限は、 △z≦3kT/{2q|(dχ1/dz−dχ2/dz) +(dEG1/dz−dEG2/dz)/q|} …(10) と計算できる。ただし、χ1、χ2はその電荷層を挟む第
1、第2サブ領域の電子親和力、EG1、EG2はその電荷
層を挟む第1、第2サブ領域のエネルギバンドギャップ
である。
【0027】なお、電荷層の厚さ△zが式(9)または
(10)で与えられる上限を超えたとしても、直ちにそ
の電荷層挿入の効果がなくなるわけではないが、式
(9)または(10)で与えられる上限を超えないのが
望ましい。以下の説明では、「2次元ドープ層」とはド
ープにより形成された電荷層の厚さがゼロであるものを
指し、「擬似2次元ドープ層」とはドープにより形成さ
れた電荷層の厚さが有限であるものを指す。
(10)で与えられる上限を超えたとしても、直ちにそ
の電荷層挿入の効果がなくなるわけではないが、式
(9)または(10)で与えられる上限を超えないのが
望ましい。以下の説明では、「2次元ドープ層」とはド
ープにより形成された電荷層の厚さがゼロであるものを
指し、「擬似2次元ドープ層」とはドープにより形成さ
れた電荷層の厚さが有限であるものを指す。
【0028】図1(a)は本発明の一実施形態のnpn
型ヘテロ接合バイポーラトランジスタに対して飽和領域
から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vb
e=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2
V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示し、図1(b)は同じヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを飽和領域近くのバイアス(ベース・エミッ
タ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧
Vce=0.1V)で動作させたときのエネルギバンド
ダイアグラムを計算値で示している。このnpn型DH
BTは、n型Al 0.3Ga0.7Asエミッタ層(厚さ60
0Å,不純物濃度n=5×1017cm-3)11と、n型
In0.5Ga0.5Pエミッタ層(厚さ400Å,不純物濃
度n=5×1017cm-3)12と、p+型GaAsベー
ス層(厚さ800Å,不純物濃度n=4×1019c
m-3)13と、n型AlxGa1-xAs傾斜コレクタ層
(厚さ250Å,不純物濃度n=2×1016cm-3,A
l混晶比x=0→0.2)14と、n型AlxGa1-xA
s傾斜コレクタ層(厚さ6750Å,不純物濃度n=2
×1016cm-3,Al混晶比x=0.2→0)16と、
n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物
濃度n=5×1018cm-3)17とを順に備えている。
この例では、コレクタ領域を構成するサブ領域である傾
斜コレクタ層14,16間の界面に、ドナー不純物をド
ープしてなる2次元ドープ層(ドナーの2次元ドーピン
グ密度NS=4.8×1011cm-2)15が形成されて
いる。この2次元ドープ層15の2次元ドーピング密度
NSの値は、上述の式(2)に基づいて設定されてい
る。
型ヘテロ接合バイポーラトランジスタに対して飽和領域
から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧Vb
e=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2
V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示し、図1(b)は同じヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを飽和領域近くのバイアス(ベース・エミッ
タ間電圧Vbe=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧
Vce=0.1V)で動作させたときのエネルギバンド
ダイアグラムを計算値で示している。このnpn型DH
BTは、n型Al 0.3Ga0.7Asエミッタ層(厚さ60
0Å,不純物濃度n=5×1017cm-3)11と、n型
In0.5Ga0.5Pエミッタ層(厚さ400Å,不純物濃
度n=5×1017cm-3)12と、p+型GaAsベー
ス層(厚さ800Å,不純物濃度n=4×1019c
m-3)13と、n型AlxGa1-xAs傾斜コレクタ層
(厚さ250Å,不純物濃度n=2×1016cm-3,A
l混晶比x=0→0.2)14と、n型AlxGa1-xA
s傾斜コレクタ層(厚さ6750Å,不純物濃度n=2
×1016cm-3,Al混晶比x=0.2→0)16と、
n型GaAsサブコレクタ層(厚さ1000Å,不純物
濃度n=5×1018cm-3)17とを順に備えている。
この例では、コレクタ領域を構成するサブ領域である傾
斜コレクタ層14,16間の界面に、ドナー不純物をド
ープしてなる2次元ドープ層(ドナーの2次元ドーピン
グ密度NS=4.8×1011cm-2)15が形成されて
いる。この2次元ドープ層15の2次元ドーピング密度
NSの値は、上述の式(2)に基づいて設定されてい
る。
【0029】この図1(a),(b)から、伝導帯のバ
ンドエッジEcがコレクタ領域において連続かつ平滑で
あることが分かる。したがって、可動電荷担体はバリア
に遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過
できる。
ンドエッジEcがコレクタ領域において連続かつ平滑で
あることが分かる。したがって、可動電荷担体はバリア
に遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過
できる。
【0030】この計算例では、2次元ドープ層15の厚
さはゼロと仮定されている。しかしながら、電荷層(擬
似2次元ドープ層)の厚さ△zを式(6),(9)から
得られる次式 △z≦0.8×3kT/{2q|dx2/dz−dx1/dz|} …(11) を満たす有限の値に設定すれば、実際に大きな効果を得
ることができる。そのような厚さ△zの上限値は、例え
ば300Kの動作接合温度では5.8nm、600Kの
動作接合温度では11.7nmと求められる。
さはゼロと仮定されている。しかしながら、電荷層(擬
似2次元ドープ層)の厚さ△zを式(6),(9)から
得られる次式 △z≦0.8×3kT/{2q|dx2/dz−dx1/dz|} …(11) を満たす有限の値に設定すれば、実際に大きな効果を得
ることができる。そのような厚さ△zの上限値は、例え
ば300Kの動作接合温度では5.8nm、600Kの
動作接合温度では11.7nmと求められる。
【0031】なお、コレクタ領域とサブコレクタ領域と
の間の界面またはベース領域とコレクタ領域との間の界
面のように自由可動電荷密度が極めて高い界面では、可
動電荷は擬似電場を補償するように移動することから、
2次元または擬似2次元ドープ層を挿入する必要は無
い。また、コレクタ中はできる限り可動電荷担体の走行
エネルギバンドを連続にすることが好ましいが、可動電
荷担体にとってバリアとして認識されない程度(バリア
が3kT/2以下)の構造があってもかまわないのは言
うまでもない。
の間の界面またはベース領域とコレクタ領域との間の界
面のように自由可動電荷密度が極めて高い界面では、可
動電荷は擬似電場を補償するように移動することから、
2次元または擬似2次元ドープ層を挿入する必要は無
い。また、コレクタ中はできる限り可動電荷担体の走行
エネルギバンドを連続にすることが好ましいが、可動電
荷担体にとってバリアとして認識されない程度(バリア
が3kT/2以下)の構造があってもかまわないのは言
うまでもない。
【0032】図6(a)は本発明の別の実施形態のnp
n型ヘテロ接合バイポーラトランジスタに対して飽和領
域から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧V
be=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2
V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示し、図6(b)は同じヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを飽和領域近く(ベース・エミッタ間電圧V
be=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=
0.1V)で動作させたときのエネルギバンドダイアグ
ラムを計算値で示している。このnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタは、n型Al0.3Ga0.7Asエミ
ッタ層(厚さ800Å,不純物濃度n=5×1017cm
-3)61と、n型AlxGa1-xAs傾斜エミッタ層(厚
さ200Å,不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混
晶比x=0.3→0)62と、p+型GaAsベース層
(厚さ800Å,不純物濃度n=4×1019cm-3)6
3と、n型AlxGa1-xAs傾斜コレクタ層(厚さ25
0Å,不純物濃度n=2×1016cm-3,Al混晶比x
=0→0.2)64と、均一な広いバンドギャップを持
つn型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ4000
Å,不純物濃度n=5×1016cm-3)66と、n型A
lxGa1-xAs傾斜コレクタ層(厚さ500Å,不純物
濃度n=2×1016cm-3,Al混晶比x=0→0.
2)68と、均一な狭いバンドギャップを持つn型Ga
Asコレクタ層(厚さ2250Å,不純物濃度n=2×
1016cm-3)610と、n型GaAsサブコレクタ層
(厚さ1000Å,不純物濃度n=5×1018cm-3)
611とを順に備えている。この例では、サブ領域であ
る傾斜コレクタ層64、広バンドギャップコレクタ層6
6、傾斜コレクタ層68および狭バンドギャップコレク
タ層610がコレクタ領域を構成している。そして、傾
斜コレクタ層64と広バンドギャップコレクタ層66と
の間の界面にドナー不純物をドープしてなる2次元ドー
プ層(ドナーの2次元ドーピング密度NS=4.6×1
011cm-2)65が形成され、広バンドギャップコレク
タ層66と傾斜コレクタ層68との間の界面にドナー不
純物をドープしてなる2次元ドープ層(ドナーの2次元
ドーピング密度NS=2.3×1011cm- 2)67が形
成され、また、傾斜コレクタ層68と狭バンドギャップ
コレクタ層610との間の界面にアクセプタ不純物をド
ープしてなる2次元ドープ層(アクセプタの2次元ドー
ピング密度NS=2.3×1011cm-2)69が形成さ
れている。これらの2次元ドープ層65,67,69の
2次元ドーピング密度NSの値は、それぞれ上述の式
(2)に基づいて設定されている。
n型ヘテロ接合バイポーラトランジスタに対して飽和領
域から十分離れたバイアス(ベース・エミッタ間電圧V
be=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=2
V)を印加したときのエネルギバンドダイアグラムを計
算値で示し、図6(b)は同じヘテロ接合バイポーラト
ランジスタを飽和領域近く(ベース・エミッタ間電圧V
be=1.4V,コレクタ・エミッタ間電圧Vce=
0.1V)で動作させたときのエネルギバンドダイアグ
ラムを計算値で示している。このnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタは、n型Al0.3Ga0.7Asエミ
ッタ層(厚さ800Å,不純物濃度n=5×1017cm
-3)61と、n型AlxGa1-xAs傾斜エミッタ層(厚
さ200Å,不純物濃度n=5×1017cm-3,Al混
晶比x=0.3→0)62と、p+型GaAsベース層
(厚さ800Å,不純物濃度n=4×1019cm-3)6
3と、n型AlxGa1-xAs傾斜コレクタ層(厚さ25
0Å,不純物濃度n=2×1016cm-3,Al混晶比x
=0→0.2)64と、均一な広いバンドギャップを持
つn型Al0.2Ga0.8Asコレクタ層(厚さ4000
Å,不純物濃度n=5×1016cm-3)66と、n型A
lxGa1-xAs傾斜コレクタ層(厚さ500Å,不純物
濃度n=2×1016cm-3,Al混晶比x=0→0.
2)68と、均一な狭いバンドギャップを持つn型Ga
Asコレクタ層(厚さ2250Å,不純物濃度n=2×
1016cm-3)610と、n型GaAsサブコレクタ層
(厚さ1000Å,不純物濃度n=5×1018cm-3)
611とを順に備えている。この例では、サブ領域であ
る傾斜コレクタ層64、広バンドギャップコレクタ層6
6、傾斜コレクタ層68および狭バンドギャップコレク
タ層610がコレクタ領域を構成している。そして、傾
斜コレクタ層64と広バンドギャップコレクタ層66と
の間の界面にドナー不純物をドープしてなる2次元ドー
プ層(ドナーの2次元ドーピング密度NS=4.6×1
011cm-2)65が形成され、広バンドギャップコレク
タ層66と傾斜コレクタ層68との間の界面にドナー不
純物をドープしてなる2次元ドープ層(ドナーの2次元
ドーピング密度NS=2.3×1011cm- 2)67が形
成され、また、傾斜コレクタ層68と狭バンドギャップ
コレクタ層610との間の界面にアクセプタ不純物をド
ープしてなる2次元ドープ層(アクセプタの2次元ドー
ピング密度NS=2.3×1011cm-2)69が形成さ
れている。これらの2次元ドープ層65,67,69の
2次元ドーピング密度NSの値は、それぞれ上述の式
(2)に基づいて設定されている。
【0033】この図6(a),(b)から、伝導帯のバ
ンドエッジEcがコレクタ領域において連続かつ平滑で
あることが分かる。したがって、可動電荷担体はバリア
に遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過
できる。
ンドエッジEcがコレクタ領域において連続かつ平滑で
あることが分かる。したがって、可動電荷担体はバリア
に遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過
できる。
【0034】この種のヘテロ接合バイポーラトランジス
タの動作効率は、基本的にデバイスのニー電圧(knee v
oltage)またはターンオン電圧に依存している。なぜな
ら、図7から分かるように、負荷線上で出力電圧の最大
振幅が決定されるからである。図8は、本発明(図6の
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)のコレクタ電流密
度−コレクタ電圧特性と従来品(図3のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタ)のコレクタ電流密度−コレクタ電
圧特性とを、対比して計算値で示している。本発明のデ
バイス構造のニー電圧は従来のヘテロ接合バイポーラト
ランジスタのそれより十分低く、大きなデバイス効率が
可能であることが明白である。
タの動作効率は、基本的にデバイスのニー電圧(knee v
oltage)またはターンオン電圧に依存している。なぜな
ら、図7から分かるように、負荷線上で出力電圧の最大
振幅が決定されるからである。図8は、本発明(図6の
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)のコレクタ電流密
度−コレクタ電圧特性と従来品(図3のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタ)のコレクタ電流密度−コレクタ電
圧特性とを、対比して計算値で示している。本発明のデ
バイス構造のニー電圧は従来のヘテロ接合バイポーラト
ランジスタのそれより十分低く、大きなデバイス効率が
可能であることが明白である。
【0035】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明のヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタは、コレクタ領域を構成
する各サブ領域間の電子親和力とエネルギバンドギャッ
プの相違により生じた擬似電場を補償するように、上記
各サブ領域間の界面に2次元または擬似2次元の電荷層
が形成されているので、エネルギバンドエッジが十分に
平滑化される。これにより、可動電荷担体がバリアに遭
遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過で
き、したがって高動作効率を達成できる。
ロ接合バイポーラトランジスタは、コレクタ領域を構成
する各サブ領域間の電子親和力とエネルギバンドギャッ
プの相違により生じた擬似電場を補償するように、上記
各サブ領域間の界面に2次元または擬似2次元の電荷層
が形成されているので、エネルギバンドエッジが十分に
平滑化される。これにより、可動電荷担体がバリアに遭
遇することなくベース領域からコレクタ領域を通過で
き、したがって高動作効率を達成できる。
【0036】本発明の構成によれば、npn型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
【0037】本発明の構成によれば、コレクタ領域がG
aAs/GaAlAs材料系からなるnpn型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
aAs/GaAlAs材料系からなるnpn型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
【0038】本発明の構成によれば、pnp型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
【0039】本発明の構成によれば、コレクタ領域がG
aAs/GaAlAs材料系からなるpnp型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
aAs/GaAlAs材料系からなるpnp型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、可動電荷担体がバ
リアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域を
通過でき、したがって高動作効率を達成できる。
【0040】本発明の構成によれば、コレクタ領域がG
aAs/GaAlAs材料系からなるnpn型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、AlxGa1-xAs
からなる第1、第2サブ領域間の界面のバリアを消滅で
きる。したがって、請求項3と同様に、可動電荷担体が
バリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域
を通過できる。したがって高動作効率を達成できる。
aAs/GaAlAs材料系からなるnpn型ヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、AlxGa1-xAs
からなる第1、第2サブ領域間の界面のバリアを消滅で
きる。したがって、請求項3と同様に、可動電荷担体が
バリアに遭遇することなくベース領域からコレクタ領域
を通過できる。したがって高動作効率を達成できる。
【図1】 この発明の一実施形態のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタのエネルギバンドダイヤグラムを示す図
である。
ラトランジスタのエネルギバンドダイヤグラムを示す図
である。
【図2】 この発明による、ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタにおける障壁を消滅させる効果を、従来品と対
比して模式的に示す図である。
ンジスタにおける障壁を消滅させる効果を、従来品と対
比して模式的に示す図である。
【図3】 従来のDHBTのエネルギバンドダイヤグラ
ムを示す図である。
ムを示す図である。
【図4】 従来の別のDHBTのエネルギバンドダイヤ
グラムを示す図である。
グラムを示す図である。
【図5】 従来のさらに別のDHBTのエネルギバンド
ダイヤグラムを示す図である。
ダイヤグラムを示す図である。
【図6】 この発明の別の実施形態のヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタのエネルギバンドダイヤグラムを示す
図である。
ーラトランジスタのエネルギバンドダイヤグラムを示す
図である。
【図7】 DHBTの動作効率が基本的にデバイスのニ
ー電圧(knee voltage)またはターンオン電圧に依存す
ることを説明する図である。
ー電圧(knee voltage)またはターンオン電圧に依存す
ることを説明する図である。
【図8】 本発明(図6のヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタ)のコレクタ電流密度−コレクタ電圧特性と従来
品(図3のDHBT)のコレクタ電流密度−コレクタ電
圧特性とを、対比して示す図である。
ジスタ)のコレクタ電流密度−コレクタ電圧特性と従来
品(図3のDHBT)のコレクタ電流密度−コレクタ電
圧特性とを、対比して示す図である。
20A コレクタ領域
15,28,29,30,67,69 2次元電荷層
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−193084(JP,A)
特開 平8−83806(JP,A)
特開 平3−224285(JP,A)
特開 平4−723(JP,A)
特開 平11−186281(JP,A)
天宮 泰 他,「AlGaAs/In
GaAs微細HBTを用いた低消費電力
40GHz分周器」,電力情報通信学会技
術研究報告,1998年 6月,VOL.
98,NO.177(ED98 62−75),p
p.53−59
Wen−Chau Lin,et.,
al”Application of
δ−doped wide−gap c
ollector structure
for high−breakdow
n,and low−offset v
oansistor”,APPLIED
PHYSICS LETTERS,
1998年 9月 7日,VOL.73,N
O.10,pp.1397−1399
Q.M.Zhang,et.a
l.,”Analysis of th
e Emitter−Down Con
figuration of Doub
le−Heterojunction
Bipolar Transisto
r”,IEEE TRANSACTIO
N ON ELECTRON DEVI
CES,1992年10月,VOL.39,N
O.10,pp.2220−2228
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 21/33 - 21/331
H01L 29/68 - 29/737
H01L 29/00 - 29/267
H01L 29/30 - 29/38
Claims (6)
- 【請求項1】 エミッタ領域、ベース領域、コレクタ領
域およびサブコレクタ領域を順に備えたヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタにおいて、 上記コレクタ領域は、可動電荷担体が移動する厚さ方向
に関して、隣接した複数のサブ領域を含み、 上記各サブ領域の中では、エネルギバンドギャップは一
定であるかまたは上記厚さ方向の位置に応じて線形に変
化し、 上記各サブ領域の間では、コレクタ中の可動電荷担体の
走行するエネルギバンドエッジは連続し、 上記各サブ領域の間の電子親和力とエネルギバンドギャ
ップの相違により生じた擬似電場を補償するように、上
記各サブ領域の界面に2次元または擬似2次元の電荷層
が形成されていることを特徴とするヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ。 - 【請求項2】 請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、前記ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタはnpn型であり、 前記各サブ領域の間では、伝導帯のエネルギバンドエッ
ジは連続し、 前記2次元または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz)/q …(1) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、χ1、χ2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、
ε2はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zは
その第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1
サブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるよう
な座標)なる関係を満たすように設定されていることを
特徴とするnpn型ヘテロ接合バイポーラトランジス
タ。 - 【請求項3】 請求項2に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、 前記の複数のサブ領域は、AlxGa1-xAsからなり、 上記サブ領域のAl混晶比xは一定であるかまたは前記
厚さ方向の位置に応じて線形に変化し、 上記各サブ領域の界面ではAl混晶比xは一致し、 上記サブ領域の界面に2次元または擬似2次元の電荷層
が形成され、 上記電荷層の2次元電荷密度Nsは、 Ns=0.8ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(2) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とするnpn型ヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項4】 請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、前記へテロ接合バイポーラトラ
ンジスタはpnp型であり、 前記各サブ領域の間では、価電子帯のエネルギバンドエ
ッジは連続し、 前記2次元または擬似2次元の電荷層の2次元電荷密度
Nsは、 Ns=(ε1dχ1/dz−ε2dχ2/dz +(dEG1/dz−dEG2/dz)/q)/q …(3) (ただし、それぞれqは電子の電荷、χ1、χ2はその電
荷層を挟む第1、第2サブ領域の電子親和力、ε1、ε2
はその第1、第2サブ領域の界面での誘電率、zはその
第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サブ
領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような座
標、EG1、EG2はその第1、第2サブ領域のエネルギギ
ャップである。)なる関係を満たすように設定されてい
ることを特徴とするpnp型ダブルヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ。 - 【請求項5】 請求項4に記載のpnp型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、 前記の複数のサブ領域は、AlxGa1-xAsからなり、 上記サブ領域のAl混晶比xは一定であるかまたは前記
厚さ方向の位置に応じて線形に変化し、 上記各サブ領域の界面ではAl混晶比xは一致し、 上記サブ領域の界面に2次元または擬似2次元の電荷層
が形成され、上記電荷層の2次元電荷密度Nsは、 Ns=0.45ε(dx1/dz−dx2/dz)/q …(4) (ただし、それぞれ、qは電子の電荷、x1、x2はその
電荷層を挟む第1、第2サブ領域のAl混晶比であり、
εはその第1、第2サブ領域間の界面の誘電率、zはそ
の第1、第2サブ領域間の界面に対して垂直で、第1サ
ブ領域から第2サブ領域に向かう向きが正であるような
座標)なる関係を満たすように設定されていることを特
徴とするpnp型ヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項6】 請求項3に記載のnpn型ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタにおいて、 前記のコレクタ領域は、ベース層側の第1のサブ領域
と、サブコレクタ層側の第2のサブ領域からなり、 上記各サブ領域のAl混晶比xは、第1のサブ領域内で
は第2のサブ領域に向かって線形に増加し、第2のサブ
領域内ではサブコレクタ領域に向かって線形に減少する
ように設定されていることを特徴とするnpn型へテロ
接合バイポーラトランジスタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14012499A JP3411235B2 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
US09/573,892 US6399969B1 (en) | 1999-05-20 | 2000-05-19 | Heterojunction bipolar transistor including collector/base heterojunction achieving high operation efficiency |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14012499A JP3411235B2 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000332023A JP2000332023A (ja) | 2000-11-30 |
JP3411235B2 true JP3411235B2 (ja) | 2003-05-26 |
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ID=15261467
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---|---|---|---|
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---|---|
US (1) | US6399969B1 (ja) |
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