JP3409832B2 - 空燃比センサの異常検出装置 - Google Patents

空燃比センサの異常検出装置

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JP3409832B2
JP3409832B2 JP09637497A JP9637497A JP3409832B2 JP 3409832 B2 JP3409832 B2 JP 3409832B2 JP 09637497 A JP09637497 A JP 09637497A JP 9637497 A JP9637497 A JP 9637497A JP 3409832 B2 JP3409832 B2 JP 3409832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気ガ
ス中の酸素濃度に比例した信号を出力する空燃比センサ
の異常、特に空燃比センサの経年劣化による異常を検知
するための空燃比センサの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系に広域空燃比センサを
設け、この空燃比センサの出力に基づいて機関に供給さ
れる混合気の空燃比を比例項、積分項等を用いてフィー
ドバック制御する手法は従来より広く知られている。上
記従来の空燃比制御装置では、センサ保護用プロテクタ
の目詰まり等により広域空燃比センサの応答性の劣化を
検出する方法として、空燃比制御値が変化したときの空
燃比センサの応答性(反応時間)を測定し、その値が基
準値より大きい場合に劣化していると判定する方法が採
られていた(特願平7−168073号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該空燃
比センサの応答性(反応時間)は、排気ガスの空燃比が
リーン(酸素過剰)領域にある場合、リッチ(酸素過
少)領域にある場合、理論空燃比の近傍にある場合にお
いて、それぞれ異なる特性を有しており、空燃比変化が
どの領域で起こるかによって、該空燃比センサの応答性
の診断結果がばらつき、空燃比センサの正確な故障診断
を行うことができなかった。
【0004】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、空燃比センサの
出力に基づいて算出される空燃比の変化領域の違いによ
る空燃比センサの応答性のばらつきを防止することがで
きる空燃比センサの異常検出装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の空燃比センサの異常検出装置は、内燃機
関の排気系に設けられ排気ガス中の酸素濃度に比例する
値を出力する空燃比センサと、該空燃比センサの出力に
基づいて前記機関に供給する混合気の空燃比を目標空燃
比にフィードバック制御する空燃比制御フィードバック
制御手段とを備える内燃機関の空燃比制御装置における
空燃比センサの異常検出装置において、前記空燃比セン
サの応答性のパラメータを算出する応答性算出手段と、
該応答性のパラメータを劣化判定基準値と比較すること
により前記空燃比センサの劣化を検出する劣化検出手段
と、前記劣化判定基準値を前記空燃比センサの出力に基
づいて算出される空燃比の変化領域に応じて設定するこ
とを特徴とする。
【0006】この構成によれば、応答性算出手段によっ
て算出された空燃比センサの応答性のパラメータを劣化
判定基準値と比較することにより該空燃比センサの劣化
を検出するときに、該劣化判定基準値を空燃比センサの
出力に基づいて算出される空燃比の変化領域に応じて設
定するので、該空燃比の変化領域の違いによる空燃比セ
ンサの応答性のばらつきを防止することができる。
【0007】請求項2の空燃比センサ異常検出装置は、
請求項1の空燃比センサの異常検出装置において、前記
空燃比センサの応答性のパラメータが前記空燃比センサ
の出力の反転周期を含むことを特徴とする。
【0008】この構成によれば、空燃比センサの出力の
反転周期により空燃比センサの応答性を適切に検出でき
る。
【0009】請求項3の空燃比センサ異常検出装置は、
請求項1又は2の空燃比センサの異常検出装置におい
て、前記劣化判定基準値設定手段は、前記劣化判定基準
値を前記算出される空燃比がリーン領域にある場合、リ
ッチ領域にある場合、理論空燃比の近傍にある場合の少
なくとも2つ以上で持ち換えることを特徴とする。
【0010】この構成によれば、空燃比センサの出力に
基づいて算出される空燃比がリーン領域にある場合、リ
ッチ領域にある場合、理論空燃比の近傍にある場合の少
なくとも2つ以上で劣化判定基準値を持ち換えるので、
該算出される空燃比の変化領域の違いによる空燃比セン
サの応答性のばらつきをより確実に防止することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の実施の形態にかかる内燃
機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の構
成を示す図である。同図中、1は各気筒に吸気弁及び排
気弁(図示せず)を各1対ずつ設けたDOHC直列4気
筒のエンジンである。
【0013】エンジン1の吸気管2は分岐部(吸気マニ
ホルド)11を介してエンジン1の各気筒の燃焼室に連
通する。吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されて
いる。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)
センサ4が連結されており、スロットル弁開度θTHに
応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット
(以下「ECU」という)5に供給する。本実施の形態
では、ECU5は、空燃比フィードバック制御手段、応
答性算出手段、劣化検出手段及び劣化判定基準値設定手
段を構成する。
【0014】吸気管2には、スロットル弁3をバイパス
する補助空気通路6が設けられており、該通路6の途中
には補助空気量制御弁7が配されている。補助空気量制
御弁7は、ECU5に接続されており、ECU5により
その開度が制御される。
【0015】吸気管2のスロットル弁3の上流側には吸
気温(TA)センサ8が装着されており、その検出信号
がECU5に供給される。吸気管2のスロットル弁3と
吸気マニホルド11の間には、チャンバ9が設けられて
おり、チャンバ9には吸気管内絶対圧(PBA)センサ
10が取り付けられている。PBAセンサ10の検出信
号はECU5に供給される。
【0016】エンジン1の本体にはエンジン水温(T
W)センサ13が装着されており、その検出信号がEC
U5に供給される。ECU5には、エンジン1のクラン
ク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位
置センサ14が接続されており、クランク軸の回転角度
に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位
置センサ14は、エンジン1の特定の気筒の所定クラン
ク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パルス」と
いう)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開
始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度毎のク
ランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角18
0度毎に)TDC信号パルスを出力するTDCセンサ及
びTDC信号パルスより短い一定クランク角周期(例え
ば30度周期)で1パルス(以下「CRK信号パルス」
という)を発生するCRKセンサから成り、CYL信号
パルス、TDC信号パルス及びCRK信号パルスがEC
U5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時
期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転
数NEの検出に使用される。
【0017】また、車輪には車速(VPLS)センサ2
4が取り付けられ、該VPLSセンサ24により検出さ
れた車速VPLSは電気信号に変換され、ECU5に供
給される。
【0018】吸気マニホルド11の吸気弁の少し上流側
には、各気筒毎に燃料噴射弁12が設けられており、各
噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されているととも
にECU5に電気的に接続されて、ECU5からの信号
により燃料噴射時期及び燃料噴射時間(開弁時間)が制
御される。エンジン1の点火プラグ(図示せず)もEC
U5に電気的に接続されており、ECU5により点火時
期θIGが制御される。
【0019】排気管16は分岐部(排気マニホルド)1
5を介してエンジン1の燃焼室に接続されている。排気
管16には分岐部15が集合する部分の直ぐ下流側に、
空燃比センサとしての広域空燃比センサ(以下「LAF
センサ」という)17が設けられている。
【0020】さらにLAFセンサ17の下流側には直下
三元触媒19及び床下三元触媒20が配されており、ま
たこれらの三元触媒19及び20の間には酸素濃度セン
サ(以下「O2センサ」という)18が装着されてい
る。三元触媒19、20は、排気ガス中のHC,CO,
NOx等の浄化を行う。
【0021】LAFセンサ17は、ローパスフィルタ2
2を介してECU5に接続されており、排気ガス中の酸
素濃度(空燃比)に略比例した電気信号を出力し、その
電気信号をECU5に供給する。O2センサ18は、そ
の出力が理論空燃比の前後において急激に変化する特性
を有し、その出力は理論空燃比よりリッチ側で高レベル
となり、リーン側で低レベルとなる。O2センサ18
は、ローパスフィルタ23を介してECU5に接続され
ており、その検出信号はECU5に供給される。
【0022】排気還流機構30は、吸気管2のチャンバ
9と排気管16とを接続する排気還流路31と、排気還
流路31の途中に設けられ、排気還流量を制御する排気
還流弁(EGR弁)32と、EGR弁32の弁開度を検
出し、その検出信号をECU5に供給するリフトセンサ
33とから成る。EGR弁32は、ソレノイドを有する
電磁弁であり、ソレノイドはECU5に接続され、その
弁開度がECU5からの制御信号によりリニアに変化さ
せることができるように構成されている。
【0023】蒸発燃料処理装置40では、燃料タンク4
1は通路42を介してキャニスタ45に連通し、キャニ
スタ45はパージ通路43を介して吸気管2のチャンバ
9に連通している。キャニスタ45は、燃料タンク41
内で発生する蒸発燃料を吸着する吸着剤を内蔵し、外気
取込口を有する。通路42の途中には、正圧バルブ及び
負圧バルブから成る2ウェイバルブ46が配設され、パ
ージ通路43の途中にはデューティ制御型の電磁弁であ
るパージ制御弁44が設けられている。パージ制御弁4
4は、ECU5に接続されており、ECU5からの信号
に応じて制御される。
【0024】また、ECU5には、大気圧を検出する大
気圧(PA)センサ21が接続されており、その検出信
号がECU5に供給される。
【0025】ECU5は、上述した各種センサからの入
力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正
し、アナログ信号値をデジタル信号値に変化する等の機
能を有する入力回路と、中央処理回路(CPU)と、該
CPUで実行される各種演算プログラムや後述する各種
マップ及び演算結果等を記憶するROM及びRAMから
なる記憶回路と、燃料噴射弁12等の各種電磁弁や点火
プラグに駆動信号を出力する出力回路とを備えている。
【0026】ECU5は、上述の各種エンジン運転パラ
メータ信号に基づいて、LAFセンサ17及びO2セン
サ18の出力に応じたフィードバック制御運転領域やオ
ープンループ制御運転領域等の種々のエンジン運転状態
を判別するとともに、エンジン運転状態に応じ、下記式
により燃料噴射弁12の燃料噴射時間TOUTを演算
し、この演算結果に基づいて燃料噴射弁12を駆動する
信号を出力する。
【0027】TOUT(N)=TIMF×KTOTAL
×KCMDM×KAF ここでNは、気筒番号を表し、これを付したパラメータ
は気筒毎に算出される。なお、本実施の形態ではエンジ
ンへの燃料供給量は燃料噴射時間として算出されるが、
これは噴射される燃料量に対応するので、TOUTを燃
料噴射量若しくは燃料量とも呼んでいる。
【0028】また、TIMFは、吸入空気量に対応した
基本燃料量であり、この基本燃料量TIMFは、基本的
にはエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて設定されるが、スロットル弁3からエンジン1の燃
焼室に至る吸気系をモデル化し、その吸気系モデルに基
づいて吸入空気の遅れを考慮した補正を行うことが望ま
しい。その場合には、検出パラメータとしてスロットル
開度TH及び大気圧PAをさらに用いる。
【0029】KTOTALは、エンジン水温TWに応じ
て設定されるエンジン水温補正係数KTW,排気還流実
行中に排気還流量に応じて設定されるEGR補正係数K
EGR,蒸発燃料処理装置40によるパージ実行時にパ
ージ燃料量に応じて設定されるパージ補正係数KPUG
等のフィードフォワード系補正係数をすべて乗算するこ
とにより算出される補正係数である。
【0030】KCMDMは、エンジン回転数NE、吸気
管内絶対圧PBA等に応じて決定される目標空燃比係数
KCMD値に応じて燃料冷却補正を行って算出される最
終目標空燃比係数である。目標空燃比係数KCMDは、
空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、
理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比とも
いう。
【0031】KAFは、検出空燃比に基づいて適応制御
(Self Turning Regulation)により算出された適応補
正係数KSTRに応じて選択された空燃比補正係数であ
る。
【0032】本実施の形態では、上述した燃料噴射時間
TOUT(N)の算出等の機能は、ECU5のCPUに
よる演算処理により実現されるので、この処理のフロー
チャートを参照して処理の内容を具体的に説明する。
【0033】図2及び図3は、空燃比補正係数KAFを
算出する処理のプログラムを示す。本処理はTDC信号
パルスの発生毎に実行される。
【0034】ステップS100では、θTHセンサ4,
TAセンサ8,PBAセンサ10等の各センサが異常で
あるか否かを判別し、異常である場合は、空燃比のフィ
ードバック制御を実行することを「1」で示すフィード
バック制御実行フラグFLAFFBを「0」に設定して
オープンループ制御とし(ステップS101)、適応制
御を実行することを「1」で示す適応制御実行フラグF
STRFBを「0」に設定し(ステップS102)、次
いでフィードバックの目標となる目標当量比KCMDを
算出し(ステップS103)、さらに、空燃比補正係数
KAFを1.0に設定して(ステップS104)、本処
理を終了する。
【0035】ステップS100で、各センサが異常でな
い場合は、続くステップS105から107の各判別を
行う。すなわち、エンジン水温TWがフィードバック開
始水温TW02以下か否かを判別し(ステップS10
5)、スロットル弁3が全開であるか否かを判別し(ス
テップS106)、エンジン回転数NEが所定高回転N
HOP以上又は所定低回転NLOP以下であるか否かを
判別する(ステップS107)。以上の判別の結果、ス
テップS105からS107のいずれかの答が肯定(Y
ES)のときは、エンジン1が過渡運転中であるとし
て、ステップS101からS104の処理を行い、本処
理を終了する。
【0036】ステップS105からS107のすべての
答が否定(NO)のときは、ステップS108に進み、
燃料カット(F/C)処理実行中であるか否かを判別
し、燃料カット処理実行中であるときは、ダウンカウン
トタイマtmAFFBDを所定時間TMAFFBDにセ
ットしてスタートさせ(ステップS109)、前記ステ
ップS101からS104の処理を実行して、本処理を
終了する。
【0037】ステップS108で、燃料カット処理実行
中でないときは、ステップS110及びS111の各判
別を行う。即ち、LAFセンサ17が活性であるか否か
を判別し(ステップS110)、ステップS109でス
タートしたタイマtmAFFBDの値が「0」であるか
否かを判別する(ステップS111)。
【0038】ステップS110及びS111のいずれか
が否定(NO)であるときは、前記フィードバック制御
実行フラグFLAFFBを「0」に設定してオープンル
ープ制御とし(ステップS112)、前記適応制御実行
フラグFSTRFBを「0」に設定し(ステップS11
3)、次いで目標当量比KCMDを算出し(ステップS
114)、空燃比補正係数KAFを空燃比補正係数KA
Fの平均値KREFに設定し(ステップS115)、本
処理を終了する。
【0039】ステップS110及びS111の答が双方
肯定(YES)のときは、前記フィードバック処理実行
フラグFLAFFBを「1」に設定してフィードバック
制御とし(ステップS116)、次いで目標当量比KC
MDを算出し(ステップS117)さらに、後述する図
4の処理により空燃比補正係数KAFを算出して(ステ
ップS118)、本処理を終了する。
【0040】図2及び図3の処理においては、エンジン
運転状態が安定しているときは(ステップS105〜S
108の各答がNOで、S110及びS111の各答が
YES)、フィードバック制御を実行して(ステップS
116)、空燃比補正係数KAFの算出を行う(ステッ
プS118)。
【0041】次に、図4を参照して、図3のステップS
118の空燃比補正係数KAFの算出処理を説明する。
図4は空燃比補正係数KAFを算出するためのKAF算
出処理のプログラムである。このKAF算出処理は図2
及び図3の空燃比補正係数KAFの算出処理と同期して
実行される。空燃比フィードバック手段は、該KAF算
出処理のプログラム及びECU5により構成される。
【0042】先ず、ステップS201において、LAF
センサ17のストイキ劣化モニタ処理の実行条件が成立
したことを「1」で示すストイキ劣化モニタ実行許可フ
ラグFLFMCHK(後述する図12の処理で設定され
る)が「1」であるか否かを判別し、「1」であってス
トイキ劣化モニタ処理の許可条件が成立している場合
は、前記適応制御実行フラグFSTRFBをに「0」に
設定し(ステップS203)、LAFセンサ17のスト
イキ劣化モニタ処理を実行するために用いられる空燃比
補正係数KAFの算出処理であるLAFストイキ劣化モ
ニタ処理のための算出処理を実行する(ステップS20
4)。次いで、ステップS204で算出されたKAF値
の変化を所定幅に抑えるためのKAFリミットチェック
処理(ステップS205)を行い、本処理を終了する。
【0043】ステップS201で、前記ストイキ劣化モ
ニタ実行許可フラグFLFMCHKが「0」であって、
LAFストイキ劣化モニタ処理の許可条件が成立してい
ない場合は、LAFセンサ17の応答性劣化を判定する
LAF応答性劣化モニタ処理の実行条件の成立を「1」
で示す応答性劣化判定開始フラグFLFRPMSが
「1」であるか否かを判別する(ステップS206)。
【0044】ここで、FLFRPMS=1であれば、L
AF応答性劣化モニタ処理の実行条件が成立しているも
のとして、上記適応制御実行フラグFSTRFBを
「0」に設定し(ステップS207)、後述する図5の
処理によりLAF応答性劣化モニタ処理のためのKAF
算出処理を実行する(ステップS208)。このとき、
上記ステップS208のKAF算出処理においては、L
AF応答性劣化モニタ処理用のKAF算出処理が実行さ
れる。次いで、ステップS208で算出されたKAF値
の変化を所定幅に抑えるためのKAFリミットチェック
処理(ステップS209)を行い、処理を終了する。
【0045】また、上記ステップS206で前記応答性
劣化判定開始フラグFLFRPMSが「0」であってL
AF応答性劣化モニタ処理の実施条件が成立していなけ
れば、前記適応制御実行フラグFSTRFBを「1」に
設定し(ステップS210)、適応制御による空燃比補
正係数KSTRを算出し(ステップS211)、該算出
されたKSTR値をKAF値として設定し(ステップS
212)、該KAF値に対してリミットチェック処理を
行った(ステップS213)後、空燃比オープンループ
制御移行時に使用される空燃比補正係数KAFの平均値
KREFを算出し(ステップS214)、本処理を終了
する。
【0046】図4の処理においては、LAF応答性劣化
モニタ処理の実施条件が成立している場合は(ステップ
S206でYES)、LAF応答性劣化モニタ用KAF
を算出し(ステップS208)、LAF応答性劣化モニ
タ処理の実行条件が成立していない場合は(ステップS
206でNO)、LAFセンサ17の出力に基づく通常
の空燃比フィードバック制御を実行する(ステップS2
10からS214)。
【0047】以下、図4のステップS208のLAF応
答性劣化モニタ用KAFの算出処理を説明する。図5
は、LAF応答性劣化モニタ用の空燃比補正係数KAF
算出処理のプログラムを示す。この算出処理は、図4の
KAFの算出処理と同期して実行される。
【0048】まず、図6を用いて検出当量比KACT、
反転判定用基準値KCMRP、空燃比補正係数KAF等
間の関係を示すタイミングチャートについて説明する。
同図は、LAFセンサ17の応答性劣化モニタ処理の実
行時(応答性劣化判定実行中であることを「1」で示す
応答性劣化判定実行フラグFLFRPM(後述する図7
の処理で設定される)が「1」に設定されている時)の
タイミングチャートを示す。ここに、検出当量比KAC
Tは、LAFセンサ17の出力を当量比に変換したもの
である。検出当量KACTの詳細は後述する。
【0049】図6に示すように、検出当量比KACTの
リーン/リッチ反転判定用基準値KCMRPにはヒステ
リシスが設定されており、検出空燃比のリーン側からリ
ッチ側への反転時に適用される基準値KCMRPHと、
検出空燃比のリッチ側からリーン側への反転時に適用さ
れる基準値KCMRPLとによって、検出当量比KAC
Tの反転の有無が判断される。また、同図に示すよう
に、リッチ判断フラグFAFRPMは検出当量比KAC
Tが反転判定用基準値KCMRPHを越えたときに
「1」に、反転判定用基準値KCMRPLを下廻ったと
きに「0」に設定される。また、リッチ反転フラグFA
FRPMCはLAFセンサ17の出力がリーンからリッ
チに反転したときに「1」に設定される。PIフィード
バック制御は、FAFRPM=1のときは、積分項IR
PMを空燃比補正係数KAF値から減算してKAF値を
徐々に減少させる一方、FAFRPM=0のときは、積
分項IRPMを空燃比補正係数KAF値に加算してKA
F値を徐々に増加させる積分制御と、フラグFAFRP
Mの反転があったときには比例項PRRPM,PLRP
Mを空燃比補正係数KAF値に加減させる比例制御とか
ら成る。LAFセンサ17の応答性劣化手法の詳細は後
述する。
【0050】図5において、まず、ステップS300で
検出当量比KACTを算出し、ステップS301で該算
出された検出当量比KACTが応答性劣化判定用目標空
燃比である反転判定用基準値KCMRP(KCMRP
H,KCMRPL)より小さいか否かを判別し、小さけ
れば検出空燃比がリーン側にあるので、空燃比が反転判
定用基準値KCMRPに対してリッチであることを
「1」で示すリッチ判断フラグFAFRPMを「0」に
セットし(ステップS302)、大きければ検出空燃比
がリッチ側にあるので、前記リッチ判断フラグFAFR
PMを「1」にセットして(ステップS303)して、
それぞれステップS304に進む。
【0051】ステップS304では検出当量比KACT
が反転判定用基準値KCMRP(KCMRPH,KCM
RPL)に対して反転したか否かを判別し、反転してい
ないときには、カウント値NITDCが0になったか否
かを判別し(ステップS305)、NITDC=0でな
いときはカウント値NITDCから1を減算して今回カ
ウント値NITDCとして(ステップS306)、本処
理を終了する。一方、ステップS305でNITDC=
0になったときは、リッチ判断フラグFAFRPMが
「1」であるか否かを判別する(ステップS307)。
ここでFAFRPM=0であるときは検出空燃比KAC
Tがリーン側にあるので、空燃比補正係数KAFに積分
項IRPMを加算して今回のKAF値とする一方(ステ
ップS308)、FAFRPM=1であるときは検出空
燃比KACTがリッチ側にあるので、空燃比補正係数K
AFから積分項IRPMを減算して今回のKAF値とし
(ステップS309)、ステップS310に進んでカウ
ント値NITDCを間引き数の所定値NIRPMにセッ
トして、本処理を終了する。
【0052】前記ステップS304で、検出当量比KA
CTが反転判定用基準値KCMRPに対して反転したと
きには、リッチ判断フラグFAFRPMが「1」である
か否かを判別する(ステップS311)。その判別の結
果、FAFRPM=1であるときは、検出当量比KAC
Tが反転判定用基準値KAMRPHより小さい状態から
大きい状態へと反転したことを「1」で示すリッチ反転
フラグFAFRPMCを「1」に設定し(ステップS3
12)、空燃比補正係数KAFから減算比例項PLRP
Mを減算して今回のKAFとして(ステップS31
3)、本処理を終了する。
【0053】一方、前記ステップS311で、FAFR
PM=0であるときは、空燃比補正係数KAFに減算比
例項PLRPMを加算して今回のKAF値とし(ステッ
プS314)、本処理を終了する。
【0054】上述した図5の処理において、検出当量比
KACTのリーン/リッチ反転判定用基準値KCMRP
にヒステリシスを設けたので、検出当量比KACTの周
期が長くなり、劣化による周期の変化が一層明確になっ
てLAFセンサ17の劣化を正確に求めることができ
る。
【0055】以下に、LAFセンサ17の応答性劣化判
定処理について説明する。
【0056】LAFセンサ17の応答性劣化判定は、図
7及び図8の応答性劣化判定処理によって実行される。
図7及び図8は応答性劣化判定処理のプログラムを示
す。本処理は所定時間(例えば10msec)毎に実行
される。本処理は、空燃比補正係数KAFを所定幅で往
復させたときの検出当量比KACTの反転周期を算出
し、この反転周期に基づいてLAFセンサ17の応答性
劣化の度合を判定するものである。応答性算出手段及び
劣化検出手段は、該応答性劣化判定処理のプログラム及
びECU5により構成される。
【0057】まず、ステップS501で、応答性劣化判
定開始条件が成立していることを「1」で示す応答性劣
化判定開始フラグFLFRPMS(後述する図12の処
理で決定される)が「1」であるか否かを判別する。そ
の結果、ステップS501の答が否定(NO)のとき
は、前記応答性劣化判定実行フラグFAFRPMCを
「0」に、応答性劣化判定実行中であることを「1」で
示す応答性劣化判定実行フラグFLFRPMを「0」に
それぞれ設定して(ステップS502)、本処理を終了
する。一方、ステップS501で、FLFRPMS=1
であって応答性劣化判定開始条件が成立しているとき
は、前記リッチ反転フラグFAFRPMCが「1」に設
定されているか否かを判別し(ステップS503)、F
AFRPMC=0であるときは直ちに本処理を終了する
一方、FAFRPMC=1であるときは、検出当量比K
ACTがリーン側からリッチ側に反転したとして、前記
リッチ反転フラグFAFRPMCを「0」にリセットし
て(ステップS504)、前記応答性劣化判定実行フラ
グFLFRPMを「1」に設定する(ステップS50
5)。次いで、前回のルーチンにおける前記応答性劣化
判定実行フラグFLFRPMが「1」であったか否か判
別する(ステップS506)。そして、前回はFLFR
PM=0であったときは、今回が最初の反転であるとし
てカウンタNWAVE及びアップカウントタイマtmW
AVEを共に「0」にリセットして(ステップS50
8、S509)、本処理を終了する。
【0058】ステップS506で、前回もFLFRPM
=1であったときは、カウンタnWAVEを「1」だけ
インクリメントして(ステップS507)、カウンタn
WAVEの値が所定値NWAVE(例えば、5周期)を
越えたか否かを判別する(ステップS510)。最初
は、nWAVE≦NWAVETであるので、直ちに本処
理を終了する。
【0059】ステップS510で、nWAVE>NWA
VEが成立して所定周期NWAVEが計測されると、下
記式によりnWAVE回分の平均周期tmCYCLを算
出する(ステップS511)。本実施の形態において
は、前記平均周期tmCYCLは空燃比センサの応答性
のパラメータ(空燃比センサの出力の反転周期)を構成
する。
【0060】tmCYCL=tmWAVE/nWAVE 続くステップS512では、後述する図9の処理により
LAFセンサ17の応答性劣化判定用の所定周期TMC
YCLOKを算出する。本実施の形態においては、前記
所定周期TMCYCLOKは劣化判定値を構成する。
【0061】次いで、ステップS513では、平均周期
tmCYCLが前記所定周期TMCYCLOKより短い
か否かを判別し、tmCYCL<TMCYLOKであれ
ば、LAFセンサ17の応答性劣化していないと判定し
て、LAFセンサ17が劣化していないことを「1」で
示す応答性劣化OKフラグFOKを「1」に設定して
(ステップS514)、ステップS517に進む。
【0062】一方、ステップS513で、tmCYCL
≧TMCYCLOKであるときは、LAFセンサ17の
応答性が劣化していると判定して、LAFセンサ17が
劣化していることを「1」で示す劣化判定フラグFFS
DLRPを「1」に設定し(ステップS515)、前記
応答性劣化OKフラグFOKを「0」に設定して(ステ
ップS516)、前記ステップS517に進む。
【0063】次いで、応答性劣化判定処理が終了したこ
とを「1」で示す応答性劣化判定フラグFDONERP
を「1」に設定して(ステップS517)、さらに、前
記応答性劣化判定開始フラグFLFRPMを「0」に設
定して(ステップS518)、本処理を終了する。ここ
で、ステップS517でフラグFDONERPを「1」
に設定することにより、後述する図12のモニタ条件判
定処理においてFLFRPMS=1が成立せず、S50
3以降の処理が実行されない。即ち、1度応答性劣化判
定が実行された後は、再度の応答性劣化判定は実行され
ない。
【0064】図9を参照して、図8のステップS512
におけるTMCYCLOK値の算出処理を説明する。図
9は、TMCYCLOK値の算出処理のプログラムを示
す。劣化判定基準値設定手段は、該TMCYCLOK値
の算出処理のプログラム及びECU5により構成され
る。
【0065】まず、ステップS601で、LAFセンサ
17の出力電圧VLAFに応じて図10に示すKACT
nテーブルを検索し、検出当量比KACTnを決定す
る。この決定は、具体的には以下のように行う。
【0066】図10のKACTnテーブルにおいて、L
AFセンサ17の出力電圧VLAFに対する検出当量比
KACTnは実線の特性に設定されているが、LAFセ
ンサ17に劣化が生じると、破線で示すように特性がず
れることになる。上記検索の際には、まず、ストイキ相
当出力電圧VLAFCNTに対する検出当量比KACT
nを検索する。
【0067】次いで、後述する図11の処理によりLA
Fセンサ17のずれ量を示す値としてLAF出力補正用
学習値DKACTSO2を算出して(ステップS60
2)、続くステップS603では、下記式によりストイ
キ相当検出当量比KACTCNTを算出する。
【0068】 KACTCNT=KACTn+DKACTSO2 次に、ステップS604では、ストイキ相当検出当量比
KACTCNTが前記反転判定用下限値KCMRPLよ
り小さいか否かを判別し、KACTCNT<KCMRP
Lであるときは、TMCYCLOK値をリーン領域用の
基準値TMCYCLH(例えば、0.9秒)に設定して
(ステップS606)、本処理を終了する。
【0069】ステップS604で、KACTCNT≧K
CMRPLであるときは、KACTCNT値が反転判定
用上限値KCMRPHより小さいか否かを判別し(ステ
ップS605)、KACTCNT<KCMRPHである
ときは、TMCYCLOK値をストイキ(理論空燃比)
近傍用の基準値TMCYCLM(例えば、1.0秒)に
設定して(ステップS607)、本処理を終了する一
方、KACTCNT≧KCMRPHであるときは、TM
CYCLOK値をリッチ領域用の基準値TMCYCLL
(例えば、0.8秒)に設定して(ステップS60
8)、本処理を終了する。本実施の形態では、リーン領
域、ストイキ近傍領域、リッチ領域の3つが空燃比の変
化領域を構成する。また、本実施の形態では、空燃比の
領域をリーン領域、ストイキ近傍領域、リッチ領域の3
つに分けているが、この分け方は、前記3つの領域のう
ち少なくとも2つの領域に応じて設定してもよい。
【0070】図9の処理によれば、図10に示すテーブ
ルにおけるストイキでの検出当量比KACTnに実際の
ずれ量DKACTSO2を加算したストイキ相当検出当
量比KACTCNTが反転判定用下限値KCMRPLよ
り小さいときはLAFセンサ17の応答性劣化判定用の
所定周期TMCYCLOKをリーン領域用の基準値TM
CYLHに設定し(ステップS606)、KACTCN
T値が反転判定用下限値KCMRPLと反転判定用上限
値KCMRPHとの間であるときはLAFセンサ17の
応答性劣化判定用の所定周期TMCYCLOKをストイ
キ近傍領域用の基準値TMCYLMに設定(ステップS
607)、KACTCNT値が反転判定用上限値KCM
RPHより大きいときはLAFセンサ17の応答性劣化
判定用の所定周期TMCYCLOKをリッチ領域用の基
準値TMCYLLに設定する(ステップS608)。こ
れにより、KACTCNT値をリーン領域、ストイキ近
傍領域、リッチ領域の各変化領域にある場合においてそ
れぞれ適した値に算出することができ、変化領域の違い
によるLAFセンサ17の応答性のばらつきによる誤診
断を確実に防止することができる。
【0071】本実施の形態においては、空燃比センサ1
7の応答性のパラメータの変化領域の1つとしてストイ
キ近傍において行うようにしたが、ストイキよりもリー
ン状態、リッチ状態においてLAFセンサ17の応答性
のパラメータを検出する手法に適用することが可能であ
る。
【0072】図11は、図9の処理のステップS602
におけるLAF出力補正用学習値DKACTSO2の算
出処理のプログラムである。
【0073】以下の算出処理においては、LAF出力補
正用学習値DKACTSO2が、O2センサの出力SV
O2に応じて設定される領域に応じて算出される。この
算出条件は、三元触媒19,20の浄化効率を改善する
ための強制的変動の手法(空燃比のパータベーションの
手法)においてリッチ側又はリーン側変動継続時間を持
ち換える条件に対応している。
【0074】まず、ステップS700でエンジン始動後
所定時間(例えば180秒)を経過したか否かを判別
し、所定時間経過していなければ直ちに本処理を終了す
る。始動直後は三元触媒19,20の触媒の状態が安定
しないことを考慮したものである。所定時間経過した後
は、パータベーションフラグFPRTが反転したか否か
を判別する(ステップS701)。ここに、パータベー
ションフラグFPRTは、パータベーション手法におい
てリッチ側偏倚制御又はリーン側偏倚制御が所定時間継
続されて反転要求を行うときに「1」となるフラグであ
る。ステップS701で前記パータベーションフラグF
PRTが反転直後でないときは直ちに本処理を終了す
る。即ち、ステップS702以下の処理は、パータベー
ションフラグFPRTが反転した直後のみ実行される。
【0075】パータベーションフラグFPRTが反転し
たときは、パータベーション手法におけるリッチ側継続
時間補正係数KPRTRがリーン側継続時間補正係数K
PRTLに等しいか否かを判別して(ステップS70
2)、等しくなければ、ステップS703で、KPRT
R>KPRTLであるか否かを判別する。ここで、KP
RTR及びKPRTLはパータベーション実行中に触媒
19の下流側のO2センサ18の出力が変動するのに応
じて更新される値でパータベーションの時間を短くする
方向に補正する。
【0076】ステップS703で、KPRTR>KPR
TLであるときは、検出当量比KACTがリッチ側にず
れているとして検出当量比KACTをリーン側に修正す
るために下記式によりDKACTSO2値を算出してD
KACTSO2値の減算処理を行う(ステップS70
4)。
【0077】DKACTSO2=DKACTSO2−D
DKACTS1 即ち、前回までに算出されたDKACTSO2値から補
正項DDACTS1で減算して新しいDKACTSO2
値とする。
【0078】次に、ステップS705〜S706で下限
リミット処理を行う。即ち、ステップS705では、D
KACTSO2値が所定下限値(−DKACTLMT)
より小さいか否かを判別し、DKACTSO2<(−D
KACTLMT)であるときは、ステップS706でD
KACTSO2=(−DKACTLMT)として、本処
理を終了する一方、DKACTSO2≧(−DKACT
LMT)であるときは、直ちに本処理を終了する。な
お、DKACTLMT値は、DKACTSO2値による
補正範囲の限界値であり、LAFセンサ17の耐久性に
関する単体ばらつきに基づいて設定される。
【0079】ステップS703で、KPRTR≦KPR
TLであるときは、検出当量比KACTがリーン側にず
れているとして検出当量比KACTをリッチ側に修正す
るために下記式によりDKACTSO2値を算出してD
KACTSO2値の加算処理を行う(ステップS70
7)。
【0080】DKACTSO2=DKACTSO2+D
DKACTS1 即ち、前回までに算出されたDKACTSO2値に補正
項DDACTS1を加算して新しいDKACTSO2値
とする。
【0081】次に、ステップS708〜S709では上
限リミット処理を行う。即ち、ステップS708では、
DKACTSO2値が所定上限値DKACTLMTより
大きいか否かを判別し、DKACTSO2>DKACT
LMTであるときは、ステップS709でDKACTS
O2=DKACTLMTとして本処理を終了する一方、
DKACTSO2≦DKACTLMTであるときは、直
ちに本処理を終了する。
【0082】一方、ステップS702で、KPRTR=
KPRTLであれば、直ちに本処理を終了する。
【0083】ステップS703〜S709の処理によれ
ば、O2センサ出力SVO2がストイキ相当基準値SV
REF近傍の所定範囲の領域にある場合において、KP
RTR>KPRTLであるときは、検出当量比KACT
をリーン側に修正するためにDKACTSO2値を補正
項DDKACTS1づつ漸減すると共に、KPRTR≦
KPRTLであるときは、検出当量比KACTをリッチ
側に修正するためにDKACTSO2値を補正項DDK
ACTS1づつ漸増する。
【0084】図12は、上述したLAFストイキ劣化モ
ニタ処理及びLAF応答性劣化モニタ処理の実行条件の
成否を判定するモニタ条件判定処理のフローチャートで
あり、本処理は優先度の高い処理が実行されない、いわ
ゆるバックグラウンドで実行される。
【0085】まず、FDONERP=1であるか否か、
即ち前記応答性劣化モニタが終了したか否かを判別し
(ステップS801)、終了していれば、ステップS8
07に進み、ダウンカウントタイマtmLFMCHKに
所定時間TMLFCHKをセットしてスタートさせ、L
AFストイキ劣化モニタを許可する条件が成立すること
を「1」で示すモニタ許可条件フラグFLFMCHKを
「0」に設定し(ステップS808)、応答性劣化判定
を開始することを「1」で示す応答性劣化判定開始フラ
グFLFRPMSを「0」に設定して(ステップS80
9)、本処理を終了する。
【0086】ステップS801で、前記LAF応答性劣
化モニタが終了していなければ、続くステップS802
からS806の各判別を行う。即ち、O2センサ18が
活性であるか否かを判別し(ステップS802)、O2
センサ18が正常であるか否かを判別する(ステップS
803)。
【0087】次いで、エンジン1、及びエンジン1を搭
載した車両の運転状態が所定の領域にあるか否かを判定
する(ステップS804)。即ち、エンジン水温TWが
所定上下限値TWLAFMH,TWLAFMLの範囲内
にあるか否か、吸気温TAが所定上下限値TALAFM
H,TALAFMLの範囲内にあるか否か、エンジン回
転数NEが所定上下限値NELAFMH,NELAFM
Lの範囲内にあるか否か、吸気管内絶対圧PBAが所定
上下限値PBLAFMH,PBLAFMLの範囲内にあ
るか否か及び車速VPLSが所定上下限値VLAFM
H,VLAFMLの範囲内にあるか否かを判別し、すべ
ての判別の答が肯定(YES)のとき、エンジン1、及
びエンジン1を搭載した車両の運転状態がLAFセンサ
17の異常を正確に検出できる安定した所定の領域にあ
ると判定する。
【0088】ここで、上記各パラメータが所定の領域に
あれば、さらに、前記空燃比フィードバックフラグFL
AFFBが「1」であるか否かを判別し(ステップS8
05)、KAF値がリミットアウトしているか否かを判
別する(ステップS806)。
【0089】以上の判別の結果、O2センサ18が不活
性のとき(ステップS802でNO)、O2センサ18
が正常でないとき(ステップS803のNO)、エンジ
ン1等の運転状態が上記所定の状態にないとき(ステッ
プS804でNO)、FLALLB=0で空燃比フィー
ドバック中でないとき(ステップS805でNO)、K
AF値がリミットアウトしているとき(ステップS80
6でYES)は、前述のステップS807からS809
を実行して本処理を終了する。
【0090】また、ステップS802からS806の答
がすべて上記判定結果と反対の場合は、前記S808で
スタートしたタイマtmFLFMCHKの値が「0」で
あるか否かを判別する(ステップS810)。最初は、
tmLFMCHK>0であるので前記ステップS808
に進み、tmLFMCHK=0となると、応答性劣化判
定のモニタ条件成立と判定して前記ストイキ劣化モニタ
実行条件フラグFLFMCHKを「1」に設定して(ス
テップS811)、ストイキ劣化モニタが終了したか否
かを判別する(ステップS812)。
【0091】その結果、ストイキ劣化判定が終了してい
るときには、前記応答性劣化モニタ実行フラグFLFR
PMSを「1」に設定し(ステップS813)、ストイ
キ劣化判定が終了していない場合は応答性劣化判定開始
フラグFLFRPMSを「0」に設定して(ステップS
809)、本処理を終了する。
【0092】図12の処理において、ステップS801
〜S806の所定の判定条件が成立して所定時間TML
FMCHK経過後に、前記ストイキ劣化モニタ実施許可
フラグFLFMCHKを「1」とし、また、ストイキ劣
化モニタが終了している場合は応答性劣化判定開始フラ
グFLFPMSを「1」とする。
【0093】本実施の形態においては、LAFセンサ1
7の応答性のパラメータとしてLAFセンサ17の出力
の反転周期を用いたが、該反転周期の代りに、空燃比を
変動させた後LAFセンサ17の出力が変動するまでの
時間を用いてもよい。
【0094】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の空燃比センサの
異常検出装置によれば、応答性算出手段によって算出さ
れた空燃比センサの応答性のパラメータを劣化判定基準
値と比較することにより該空燃比センサの劣化を検出す
るときに、該劣化判定基準値が空燃比センサの出力に基
づいて算出される空燃比の変化領域に応じて設定される
ので、該空燃比の変化領域の違いによる空燃比センサの
応答性のばらつきを防止することができる。
【0095】本発明の請求項2記載の空燃比センサの異
常検出装置によれば、空燃比センサの出力の反転周期に
より空燃比センサの応答性を適切に検出できる。
【0096】本発明の請求項3記載の空燃比センサの異
常検出装置によれば、空燃比センサの出力に基づいて算
出される空燃比がリーン領域にある場合、リッチ領域に
ある場合、目標空燃比の近傍にある場合の少なくとも2
つ以上で劣化判定基準値を持ち換えるので、該算出され
る変化領域の違いによる空燃比センサの応答性のばらつ
きをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる内燃機関及びその
制御装置の構成を示す図である。
【図2】空燃比補正係数KAFを算出する処理のフロー
チャートである。
【図3】空燃比補正係数KAFを算出する処理のフロー
チャートである。
【図4】空燃比補正係数KAFを算出する処理のフロー
チャートである。
【図5】LAF応答性劣化モニタ用の空燃比補正係数K
AFの算出処理のフローチャートである。
【図6】検出当量比KACT、反転判定用基準値KCM
RP、補正係数KAF等間のタイミングチャートを示す
図である。
【図7】LAFセンサ17の応答性劣化判定処理の全体
構成を示すフローチャートである。
【図8】LAFセンサ17の応答性劣化判定処理の全体
構成を示すフローチャートである。
【図9】TMCYCLOKの算出処理のフローチャート
である。
【図10】KACTnテーブルのグラフである。
【図11】LAF出力補正用学習値DKACTSO2の
算出処理のフローチャートである。
【図12】LAFセンサ17のモニタ条件判定処理のフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 吸気管 5 ECU(空燃比フィードバック制御手段、応答性算
出手段、劣化検出手段、劣化判定基準値設定手段) 12 燃料噴射弁 16 排気管 17 LAFセンサ(空燃比センサ) 18 O2センサ 19 直下三元触媒 20 床下三元触媒
フロントページの続き (72)発明者 野田 幸男 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−269400(JP,A) 特開 平6−50200(JP,A) 特開 平4−109051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設けられ排気ガス中
    の酸素濃度に比例する値を出力する空燃比センサと、該
    空燃比センサの出力に基づいて前記機関に供給する混合
    気の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃
    比フィードバック制御手段とを備える内燃機関の空燃比
    制御装置における空燃比センサの異常検出装置におい
    て、前記空燃比センサの応答性のパラメータを算出する
    応答性算出手段と、該応答性のパラメータを劣化判定基
    準値と比較することにより前記空燃比センサの劣化を検
    出する劣化検出手段と、前記劣化判定基準値を前記空燃
    比センサの出力に基づいて算出される空燃比の変化領域
    に応じて設定する劣化判定基準値設定手段とを備えるこ
    とを特徴とする空燃比センサの異常検出装置。
  2. 【請求項2】 前記空燃比センサの応答性のパラメータ
    が前記空燃比センサの出力の反転周期を含むことを特徴
    とする請求項1記載の空燃比センサの異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記劣化判定基準値設定手段は、前記劣
    化判定基準値を前記算出される空燃比がリーン領域にあ
    る場合、リッチ領域にある場合、理論空燃比の近傍にあ
    る場合の少なくとも2つ以上で持ち換えることを特徴と
    する請求項1又は2記載の空燃比センサの異常検出装
    置。
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