JPH08232707A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH08232707A
JPH08232707A JP6178495A JP6178495A JPH08232707A JP H08232707 A JPH08232707 A JP H08232707A JP 6178495 A JP6178495 A JP 6178495A JP 6178495 A JP6178495 A JP 6178495A JP H08232707 A JPH08232707 A JP H08232707A
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fuel ratio
air
combustion engine
internal combustion
engine
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浩樹 宗像
Naosuke Akasaki
修介 赤崎
Masuhiro Yoshizaki
益博 吉崎
Norio Suzuki
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 所定温度に対し、低温時又は高温時における
内燃機関始動直後のリーンバーン制御による回転の低下
やストール等、及び、同制御中の車両走行によるストー
ルや加速感の悪化等を防止する制御装置を提供する。 【構成】 変速機がインギヤ状態か否かS41、始動直
後のリーンバーン制御を行う所定時間が経過したか否か
S42、機関水温TWが上限値より高水温であるか否か
S43、機関水温が下限値以下であるか否かS44、ス
ロットル変動THが上限値を超えているか否かS45、
回転数変動の絶対値DMEが上限値を超えているか否か
S46、失火が検出されたか否かS47、回転数NEが
上限値を超えているか否かS48、負荷が所定値より大
きいか否かS49が判別され、全ての答えが「NO」の
ときにはエンジン始動直後のリーンバーン制御が開始さ
れS50、1つでもYESの時には、始動直後のリーン
バーン制御が禁止又は停止されるS51。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の始動直後に
該内燃機関を理論空燃比よりもリーン側の空燃比で運転
制御する内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関が始動した直後時におい
て、該内燃機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃
比よりリッチ側に制御して機関回転の安定性を確保して
いたが、リーン側に制御しても機関回転の安定性を確保
することが可能となってきたために、空燃比のフィード
バック制御を開始するまで空燃比をリーン側に制御して
機関を運転する内燃機関の制御装置が提案されている
(例えば特公平5−31646号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の内燃機関の制御装置では、内燃機関が始動した直後
に理論空燃比よりもリーン側の空燃比で運転すること
(以下、「機関始動直後のリーンバーン制御」という)
は、いかなる運転領域において行い得るものではなく、
機関の所定温度以下の低温時(例えば、燃料の霧化が悪
化したり、機関のフリクションが大きく、燃料の燃焼状
態が悪化する低温時)及び機関の所定温度以上の高温時
(例えば、燃料供給ライン内にベーパの発生が予想され
る高温時)において理論空燃比よりリーン側の空燃比で
運転すると、機関回転の安定性の低下や機関のストール
等の問題が生じ得る。
【0004】また、例えばリーン側の空燃比で運転して
いる状態から理論空燃比による運転へ即座に切り替える
等、空燃比に急激な変動が起こると、機関の回転変動や
ハンチング等が生ずるという問題もあった。
【0005】さらに、機関始動直後のリーンバーン制御
中に車両を走行させると、機関の出力トルクが低下して
いるために、機関のストールや加速感の悪化等の問題も
生ずる。
【0006】また、内燃機関が始動した直後は、通常フ
ィードフォワード制御によって空燃比を制御するため
に、経年変化等により燃料供給状態が変化すると、正確
に燃料を供給できず、失火や機関の回転変動等を招くと
いう問題もあった。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、所定温度以下の低温時又は所定温度以上の高温時に
おける機関始動直後のリーンバーン制御による機関回転
の低下や機関のストール等、及び、機関始動直後のリー
ンバーン制御中に車両を走行させることによる機関のス
トールや加速感の悪化等を防止することが可能な内燃機
関の制御装置を提供することを第1の目的とする。
【0008】また、急激な空燃比の変動による機関の回
転変動及びハンチング等を防止することが可能な内燃機
関の制御装置を提供することを第2の目的とする。
【0009】さらに、内燃機関が始動した直後の空燃比
をフィードフォワード制御により制御する場合に、経年
変化等による失火や機関の回転変動を防止することが可
能な内燃機関の制御装置を提供することを第3の目的と
する。
【0010】また、さらに、内燃機関の失火や機関回転
数変動に対する機関回転の安定性の低下を防止すること
が可能な内燃機関の制御装置を提供することを第4の目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明は、内燃機関の始動直後に該内燃機関を理
論空燃比よりもリーン側の空燃比で運転制御する内燃機
関の制御装置において、前記内燃機関の運転状態および
該内燃機関を搭載した車両の運転状態のうち少なくとも
一方を検出する運転状態検出手段と、該検出された運転
状態から前記車両の走行開始を予測する車両走行開始予
測手段と、該予測手段により車両の走行開始が予測され
たときに、前記内燃機関が運転される空燃比を前記リー
ン側の空燃比よりもリッチ側の空燃比に変更する空燃比
変更手段とを有することを特徴とする。
【0012】また、好ましくは、前記運転状態検出手段
は、前記車両の変速機のインギヤ状態、前記内燃機関に
かかる負荷、前記内燃機関の回転数、及び前記内燃機関
のスロットル弁の開度のうち少なくとも1つを検出する
ことを特徴とする。
【0013】上記第2の目的を達成するため本発明は、
内燃機関の始動直後に該内燃機関を理論空燃比よりもリ
ーン側の空燃比で所定時間運転制御する内燃機関の制御
装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する運転
状態検出手段と、前記所定時間中に前記内燃機関が運転
される空燃比を前記運転状態検出手段により検出された
運転状態に応じて連続的に変化させる空燃比設定手段と
を有することを特徴とする。
【0014】また、好ましくは、前記運転状態検出手段
は、前記内燃機関の温度、前記内燃機関にかかる負荷、
前記内燃機関の回転数、及び前記内燃機関の始動後の経
過時間のうち少なくとも1つを検出することを特徴とす
る。
【0015】上記第3の目的を達成するため本発明は、
複数の気筒を備えた内燃機関の制御装置において、前記
内燃機関の排気系に設けられ、排気ガスの空燃比を検出
する空燃比検出手段と、該空燃比検出手段の出力および
排気系の挙動モデルから気筒毎の空燃比を推定する気筒
毎空燃比推定手段と、該推定された気筒毎の空燃比に応
じて気筒別空燃比フィードバック制御を行う第1の制御
手段と、少なくとも前記内燃機関の始動直後に、前記内
燃機関が運転される空燃比を理論空燃比よりもリーン側
の空燃比にフィードフォワード制御する第2の制御手段
と、前記第1の制御手段による制御値を学習値として学
習する学習手段とを有し、前記第2の制御手段は、前記
学習された値を用いて制御を行うことを特徴とする。
【0016】また、好ましくは、前記気筒毎空燃比推定
手段は、前記内燃機関の排気系の挙動を記述するモデル
に基いて、その内部状態を観測するオブサーバを設定
し、前記空燃比検出手段の出力により各気筒の空燃比を
推定することを特徴とする。
【0017】上記第4の目的を達成するため本発明は、
内燃機関の始動直後に該内燃機関を理論空燃比よりもリ
ーン側の空燃比で運転制御する内燃機関の制御装置にお
いて、前記内燃機関の回転数変動を検出する回転変動検
出手段と、前記内燃機関の失火の発生を検出する失火発
生検出手段と、前記内燃機関の回転数変動が所定値より
大きいこと及び前記内燃機関の失火が発生したことのい
ずれか一方が検出されたときには、前記内燃機関が運転
される空燃比を前記リーン側の空燃比よりもリッチ側の
空燃比に変更する空燃比変更手段とを有することを特徴
とする。
【0018】
【作用】本発明の構成に依れば、運転状態検出手段によ
り内燃機関の運転状態および車両の運転状態のうちの少
なくとも一方が検出され、車両走行開始予測手段によ
り、この検出された運転状態から車両の走行状態が予測
されたときに、空燃比変更手段により、理論空燃比より
もリーン側に設定されていた空燃比がリッチ側の空燃比
に変更される。
【0019】また、運転状態検出手段により運転状態が
検出されると、空燃比設定手段により、内燃機関始動直
後の所定時間中の空燃比が前記検出された運転状態に応
じて連続的に変化される。
【0020】さらに、気筒別空燃比推定手段により検出
空燃比および排気系の挙動モデルから気筒別の空燃比が
推定されて、第1の制御手段により気筒別空燃比フィー
ドバック制御が行われると、学習手段によりその制御値
が学習され、第2の制御手段により、この学習された制
御値が使用されてフィードフォワード制御が行われる。
【0021】また、回転変動検出手段により検出された
内燃機関の回転数変動が所定値より大きいとき、及び/
又は、失火発生検出手段により失火発生が検出されたと
きには、空燃比変更手段により、理論空燃比よりもリー
ン側に設定されていた空燃比がリッチ側の空燃比に変更
される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施例にかかる内燃機
関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の構成
を示す図である。同図中、1はエンジンである。
【0024】エンジン1の吸気管2は分岐部(吸気マニ
ホルド)11を介してエンジン1の各気筒の燃焼室に連
通する。吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されて
いる。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)
センサ4が連結されており、スロットル弁開度θTHに
応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット
(以下「ECU」という)5に供給する。吸気管2に
は、スロットル弁3をバイパスする補助空気通路6が設
けられており、該通路6の途中には補助空気量制御弁7
が配されている。補助空気量制御弁7は、ECU5に接
続されており、ECU5によりその開弁量が制御され
る。
【0025】吸気管2のスロットル弁3の上流側には吸
気温(TA)センサ8が装着されており、その検出信号
がECU5に供給される。吸気管2のスロットル弁3と
吸気マニホルド11の間には、拡径されたチャンバ9が
設けられており、チャンバ9には吸気管内絶対圧(PB
A)センサ10が取り付けられている。PBAセンサ1
0の検出信号はECU5に供給される。
【0026】エンジン1の本体にはエンジン水温(T
W)センサ13が装着されており、その検出信号がEC
U5に供給される。ECU5には、エンジン1のクラン
ク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位
置センサ14が接続されており、クランク軸の回転角度
に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位
置センサ14は、エンジン1の特定の気筒の所定クラン
ク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パルス」と
いう)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開
始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のク
ランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角18
0度毎に)TDC信号パルスを出力するTDCセンサ及
びTDC信号パルスより短い一定クランク角周期(例え
ば30度周期)で1パルス(以下「CRK信号パルス」
という)を発生するCRKセンサから成り、CYL信号
パルス、TDC信号パルス及びCRK信号パルスがEC
U5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射量
(燃料噴射時間)、燃料噴射時期、点火時期等の各種タ
イミング制御及びエンジン回転数NEの検出に使用され
る。
【0027】吸気マニホルド11の吸気弁の少し上流側
には、各気筒毎に燃料噴射弁12が設けられており、各
噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されているととも
にECU5に電気的に接続されて、ECU5からの信号
により燃料噴射時期及び燃料噴射時間(開弁時間)が制
御される。エンジン1の点火プラグ(図示せず)もEC
U5に電気的に接続されており、ECU5により点火時
期θIGが制御される。
【0028】排気管16は分岐部(排気マニホルド)1
5を介してエンジン1の燃焼室に接続されている。排気
管16には分岐部15が集合する部分の直ぐ下流側に、
広域空燃比センサ(以下「LAFセンサ」という)17
が設けられている。さらにLAFセンサ17の下流側に
は直下三元触媒19及び床下三元触媒20が配されてお
り、またこれらの三元触媒19及び20の間には酸素濃
度センサ(以下「O2センサ」という)18が装着され
ている。三元触媒19、20は、排気ガス中のHC,C
O,NOx等の浄化を行う。
【0029】LAFセンサ17は、ローパスフィルタ2
2を介してECU5に接続されており、排気ガス中の酸
素濃度(空燃比)に略比例した電気信号を出力し、その
電気信号をECU5に供給する。O2センサ18は、そ
の出力が理論空燃比の前後において急激に変化する特性
を有し、その出力は理論空燃比よりリッチ側で高レベル
となり、リーン側で低レベルとなる。O2センサ18
は、ローパスフィルタ23を介してECU5に接続され
ており、その検出信号はECU5に供給される。
【0030】エンジン1は、吸気弁及び排気弁のバルブ
タイミングを、エンジンの高速回転領域に適した高速バ
ルブタイミングと、低速回転領域に適した低速バルブタ
イミングとの2段階に切換可能なバルブタイミング切換
機構60を有する。このバルブタイミングの切換は、弁
リフト量の切換も含み、さらに低速バルブタイミング選
択時は2つに吸気弁のうちの一方を休止させて、空燃比
を理論空燃比よりリーン化する場合においても安定した
燃焼を確保するようにしている。
【0031】バルブタイミング切換機構60は、バルブ
タイミングの切換を油圧を介して行うものであり、この
油圧切換を行う電磁弁及び油圧センサがECU5に接続
されている。油圧センサの検出信号はECU5に供給さ
れ、ECU5は電磁弁を制御してバルブタイミングの切
換制御を行う。
【0032】また、ECU5には、大気圧を検出する大
気圧(PA)センサ21が接続されており、その検出信
号がECU5に供給される。
【0033】ECU5は、上述した各種センサからの入
力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正
し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機
能を有する入力回路と、中央処理回路(CPU)と、該
CPUで実行される各種演算プログラムや後述する各種
マップ及び演算結果等を記憶するROM及びRAMから
なる記憶装置と、燃料噴射弁12等の各種電磁弁や点火
プラグに駆動信号を出力する出力回路とを備えている。
【0034】ECU5は、上述の各種エンジン運転パラ
メータ信号に基づいて、機関始動直後のリーンバーン制
御やLAFセンサ17及びO2センサ18の出力に応じ
たフィードバック制御運転領域やオープン制御運転領域
等の種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エン
ジン運転状態に応じ、下記数式1により燃料噴射弁12
の燃料噴射時間TOUTを演算し、この演算結果に基づ
いて燃料噴射弁12を駆動する信号を出力する。
【0035】
【数1】TOUT(N)=TIMF×KTOTAL×K
CMDM×KLAF×KOBSV#N 図2は上記数式1による燃料噴射時間TOUT(N)の
算出手法を説明するための機能ブロック図であり、これ
を参照して本実施例における燃料噴射時間TOUT
(N)の算出手法の概要を説明する。ここでNは、気筒
番号を表し、これを付したパラメータは気筒毎に算出さ
れる。なお、本実施例ではエンジンへの燃料供給量は燃
料噴射時間として算出されるが、これは噴射される燃料
量に対応するので、TOUTを燃料噴射量若しくは燃料
量とも呼んでいる。
【0036】図2においてブロックB1は、吸入空気量
に対応した基本燃料量TIMFを算出する。この基本燃
料量TIMFは、基本的にはエンジン回転数NE及び吸
気管内絶対圧PBAに応じて設定されるが、スロットル
弁3からエンジン1の燃焼室に至る吸気系をモデル化
し、その吸気系モデルに基づいて吸入空気の遅れを考慮
した補正を行うことが望ましい。その場合には、検出パ
ラメータとしてスロットル弁開度θTH及び大気圧PA
をさらに用いる。
【0037】ブロックB2〜B8は乗算ブロックであ
り、ブロックの入力パラメータを乗算して出力する。こ
れらのブロックにより、上記数式1の演算が行われ、ブ
ロックB5〜B8の出力として、気筒毎の燃料噴射量T
OUT(N)が得られる。
【0038】ブロックB9は、エンジン水温TWに応じ
て設定されるエンジン水温補正係数KTW,排気還流実
行中に排気還流量に応じて設定されるEGR補正係数K
EGR等のフィードフォワード系補正係数をすべて乗算
することにより、補正係数KTOTALを算出し、ブロ
ックB2に入力する。
【0039】ブロックB21は、エンジン回転数NE、
吸気管内絶対圧PBA等に応じて目標空燃比係数KCM
Dを決定し、ブロックB22に入力する。目標空燃比係
数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F
/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、
目標当量比ともいう。ブロックB22は、ローパスフィ
ルタ23を介して入力されるO2センサ出力VMO2に
基づいて目標空燃比係数KCMDを修正し、ブロックB
18及びB23に入力する。ブロックB23は、KCM
D値に応じて燃料冷却補正を行い最終目標空燃比係数K
CMDMを算出し、ブロックB3に入力する。
【0040】ブロックB10は、ローパスフィルタ22
を介して入力されるLAFセンサ出力値を、CRK信号
パルスの発生毎にサンプリングし、そのサンプル値をリ
ングバッファメモリに順次記憶し、エンジン運転状態に
応じて最適のタイミングでサンプリングしたサンプル値
を選択し(LAFセンサ出力選択処理)、ブロックB1
1並びにローパスフィルタブロックB16を介してブロ
ックB18に入力する。このLAFセンサ出力選択処理
は、サンプリングのタイミングによっては変化する空燃
比を正確に検出できないこと、燃焼室から排出される排
気ガスがLAFセンサ17に到達するまでの時間やLA
Fセンサ自体の反応時間がエンジン運転状態によって変
化することを考慮したものである。
【0041】ブロックB18は、検出空燃比と目標空燃
比との偏差に応じてPID制御によりPID補正係数K
LAFを算出してブロックB4に入力する。
【0042】ブロックB11は、いわゆるオブザーバと
しての機能を有し、LAFセンサ17によって検出され
る集合部(各気筒から排出された排気ガスの混合ガス)
の空燃比に基づいて、各気筒毎の空燃比を推定し、4つ
の気筒に対応しているブロックB12〜B15に入力す
る。図2においては、ブロックB12が気筒#1に対応
し、ブロックB15が気筒#2に対応し、ブロックB1
3が気筒#3に対応し、ブロック14が気筒#4に対応
する。ブロックB12〜B15は、各気筒の空燃比(オ
ブザーバブロックB11が推定した空燃比)が、集合部
空燃比に一致するようにPID制御により気筒別補正係
数KOBSV#N(N=1〜4)を算出し、それぞれブ
ロックB5〜B8に入力する。
【0043】以上のように本実施例では、LAFセンサ
出力に基づいて推定した各気筒の空燃比に応じて設定さ
れる気筒別補正係数KOBSV#Nを上記数式1に適用
して、気筒毎の燃料噴射量TOUT(N)を算出してい
る。すなわち、気筒別補正係数KOBSV#Nにより気
筒毎の空燃比のばらつきを解消して、触媒の浄化率を向
上させ、種々のエンジン運転状態において良好な排気ガ
ス特性を得ることができる。
【0044】本実施例では、上述した図2の各ブロック
の機能は、ECU5のCPUによる演算処理により実現
されるので、この処理のフローチャートを参照して処理
の内容を具体的に説明する。
【0045】図3は、LAFセンサ17の出力に応じて
PID補正係数KLAF及び気筒別補正係数KOBSV
#Nを算出する処理のフローチャートである。本処理は
TDC信号パルスの発生毎に実行される。
【0046】ステップS1では、始動モードか否か、す
なわちクランキング中か否かを判別し、始動モードのと
きは始動モードの処理へ移行する。始動モードでなけれ
ば、目標空燃比係数(目標当量比)KCMD及び最終目
標空燃比係数KCMDMの算出(ステップS2)及びL
AFセンサ出力選択処理を行う(ステップS3)ととも
に検出当量比KACTの演算を行う(ステップS4)。
検出当量比KACTは、LAFセンサ17の出力を当量
比に変換したものである。
【0047】次いでLAFセンサ17の活性化が完了し
たか否かの活性判別を行う(ステップS5)。これは、
例えばLAFセンサ17の出力電圧とその中心電圧との
差を所定値(例えば0.4V)と比較し、該差が所定値
より小さいとき活性化が完了したと判別するものであ
る。
【0048】次にエンジン運転状態がLAFセンサ17
の出力に基づくフィードバック制御を実行する運転領域
(以下「LAFフィードバック領域」という)にあるか
否かの判別を行う(ステップS6)。これは、例えばL
AFセンサ17の活性化が完了し、且つフュエルカット
中やスロットル全開運転中でないとき、LAFフィード
バック領域と判定するものである。この判別の結果、L
AFフィードバック領域にないときはリセットフラグF
KLAFRESETを「1」に設定し、LAFフィード
バック領域にあるときは「0」とする。
【0049】続くステップS7では、リセットフラグF
KLAFRESETが「1」か否かを判別し、FKLA
FRESET=1のときは、ステップS8に進んでPI
D補正係数KLAFを「1.0」、気筒別補正係数KO
BSV#Nを後述する気筒別補正係数学習値KOBSV
#Nstyに設定するとともに、PID制御の積分項K
LAFIを「0」に設定して、本処理を終了する。ここ
で、気筒別補正係数KOBSV#Nを気筒別補正係数学
習値KOBSV#Nstyに設定することにより、フィ
ードフォワード制御時に経年変化等による燃料供給状態
の変化に起因する内燃機関の失火や、機関回転変動に対
する機関の安定性を確保できる。
【0050】一方、ステップS7の判別で、FKLAF
RESET=0のときはオブザーバ停止判別を行う(ス
テップS9)。このオブザーバ停止判別とは、例えば機
関高回転時で演算時間の確保が困難又はセンサ応答性が
不十分なエンジン回転数を予めオブザーバ限界回転数と
して定めておき、該オブザーバ限界回転数と検出された
エンジン回転数NEとを比較し、検出されたエンジン回
転数NEがオブザーバ限界回転数以上であるときには、
オブザーバ(ブロックB11)の処理を停止するための
フラグFOBSVSTを「1」にし、一方、検出された
エンジン回転数NEがオブザーバ限界回転数より小さい
ときには、フラグFOBSVSTを「0」にする処理を
いう。
【0051】続くステップS10では、フラグFOBS
VSTが「1」であるか否かを判別し、「0」のときに
はオブザーバによる演算であるKOBSV#N算出処理
を行い(ステップS11)、一方、フラグFOBSVS
Tが「1」のときにはKOBSV#N算出処理を行う代
わりに、前回行ったKOBSV#N算出処理の結果で値
KOBSV#Nを置き換える(ステップS12)。この
ようにオブザーバが停止しているときには前回値KOB
SV#Nを使用するので、オブザーバが作動し、値KO
BSV#Nを算出しているときには、該算出値KOBS
V#Nを記憶しておく必要がある。すなわち、この算出
値KOBSV#Nは、前記RAMの所定位置に確保した
領域に記憶しておき、オブザーバが停止したときにその
前回値KOBSV#Nを読み出して値KOBSV#Nを
更新する。これにより、経年変化等による失火やエンジ
ンの回転変動を防止することができる。
【0052】続いて、このステップS11又はS12で
得た値KOBSV#Nを用いて、フィードバック補正係
数KLAFの演算を行った(ステップS13)後に、本
処理を終了する。
【0053】図4は、図3のステップS2における最終
目標空燃比係数KCMDMを算出する処理のフローチャ
ートである。
【0054】ステップS21では、エンジン回転数NE
及び吸気管内絶対圧PBAに応じてマップを検索し、基
本値KBSを算出する。なお、そのマップにはアイドル
時用の値も設定されている。
【0055】続くステップS22では、エンジン始動直
後のリーンバーン制御を実行すべき条件が成立するか否
かを判別し(始動後リーン判別)、条件が成立したとき
は始動後リーンフラグFASTLEANを「1」に設定
する一方、条件不成立のときは「0」とする。このリー
ンバーン制御実行条件の詳細は、図5を参照して後述す
る。なお、始動直後のリーンバーン制御は、従前のよう
にエンジン始動直後の触媒が未活性の状態でHCの排出
量が増加したり燃料消費率が低下することを防止する目
的で行うものである。
【0056】次いでステップS23では、スロットル弁
が全開(WOT)の状態か否かを判別し、全開のときは
WOTフラグFWOTを「1」に設定し、全開でなけれ
ば「0」とする。次いで、エンジン水温TWに応じて増
量補正係数KWOTを算出する(ステップS24)。こ
のとき高水温時の補正係数KXWOTも算出する。
【0057】続くステップS25では、目標空燃比係数
KCMDを算出し、次いで算出したKCMD値のリミッ
ト処理(所定上下限値の範囲内に入るようにする処理)
を行う(ステップS26)。このステップS25の処理
は図6を参照して後述する。
【0058】続くステップS27では、O2センサ18
の活性化が完了しているか否かの判別を行い、活性化が
完了したときは、活性フラグFMO2を「1」に設定
し、完了していないときは、「0」とする。例えばエン
ジン始動後所定期間経過したとき、活性化完了と判定す
る。
【0059】ステップS28では、O2センサ18の出
力VMO2に応じて目標空燃比係数KCMDの補正項D
KCMDO2を算出する。この処理は、O2センサ出力
VMO2と基準値VREFMとの偏差に応じてPID制
御により、補正項DKCMDO2を算出するものであ
る。
【0060】ステップS29では、次式により目標空燃
比係数KCMDの補正を行う。
【0061】KCMD=KCMD+DKCMDO2 これにより、LAFセンサ17の出力のずれを補償する
ように目標空燃比係数KCMDを設定することができ
る。
【0062】続くステップS30では、算出したKCM
D値に応じてKCMD−KETCテーブルを検索して補
正係数KETCを算出し、次式により最終目標空燃比係
数KCMDMを算出する。
【0063】KCMDM=KCMD×KETC 補正係数KETCは、KCMD値が増加し、燃料噴射量
が増加するほど、噴射による燃料冷却効果が大きくなる
ことを考慮して、その影響を補正するものであり、KC
MD値が増加するほど大きな値に設定される。。
【0064】次いで、KCMDM値のリミット処理を行
うとともに(ステップS31)、ステップS29で得ら
れたKCMD値をリングバッファに格納して(ステップ
S32)、本処理を終了する。
【0065】図5は、図4のステップS22における始
動後リーン判別処理のフローチャートである。
【0066】先ず、図示しない変速機がインギヤ状態か
否かを判別し(ステップS41)、インギヤ状態のとき
には、エンジン始動直後のリーンバーン制御を行うべき
所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS4
2)。
【0067】ステップS42の判別で、所定時間が経過
していない場合には、エンジン水温TWがエンジン始動
直後のリーンバーン制御を行ってもよいエンジン水温の
上限値TWASTLEANHより高いか否かを判別し
(ステップS43)、エンジン水温TWが上限値TWA
STLEAN以下のときには、エンジン水温TWがエン
ジン始動直後のリーンバーン制御を行ってもよいエンジ
ン水温の下限値TWASTLEANL以下であるか否か
を判別する(ステップS44)。
【0068】ステップS44の判別で、エンジン水温T
Wが下限値TWASTLEANLより高いときには、ス
ロットル弁開度の変動量THが、エンジン始動直後のリ
ーンバーン制御を行ってもよいスロットル弁開度変動量
の上限値THLEANを超えているか否かを判別する
(ステップS45)。ここで、スロットル弁開度変動量
THは、前記スロットル弁開度センサ4からの弁開度θ
TH信号を常に監視し、現在検出した値と前回検出した
値との差分を取ることによって求められる。
【0069】ステップS45の判別で、スロットル弁開
度変動量THが上限値THLEAN以下のときには、エ
ンジン回転数の回転変動量の絶対値|DME|が、エン
ジン始動直後のリーンバーン制御を行ってよい回転変動
量の上限値DMELEANを超えているか否かを判別す
る(ステップS46)。ここで、回転変動量|DME|
も、スロットル弁開度変動量THと同様に、検出された
エンジン回転数NEに基づいて算出される。
【0070】ステップS46の判別で、回転変動量|D
ME|が上限値DMELEAN以下のときには失火を検
出したか否かを判別する(ステップS47)。この失火
検出の具体的な方法は、図28〜31を参照して後述す
る。
【0071】ステップS47の判別で、失火が検出され
ないときには、エンジン回転数NEが、エンジン始動直
後のリーンバーン制御を行ってもよい、ヒステリシスを
有する上限値NEASTLEAN(H,L)を超えてい
るか否かを判別し(ステップS48)、該上限値NEA
STLEAN(H,L)以下のときには、エンジン1に
かかっている負荷の大きさを判別する(ステップS4
9)。ここでは、エンジン1にかかる負荷の大きさは、
前記吸気管内絶対圧PBAによって判別する。
【0072】ステップS49の判別で、吸気管内絶対圧
PBAが、エンジン始動直後のリーンバーン制御を行っ
てもよい、ヒステリシスを有する上限値PBASTLE
AN(H,L)以下のときには、前記始動後リーンフラ
グFASTLEANを「1」にして(ステップS5
0)、エンジン始動直後のリーンバーン制御を開始す
る。
【0073】一方、ステップS41〜S49の判別で、
その答えが「肯定(YES)」のものが1つでもあると
きには、始動後リーンフラグFASTLEANを「0」
にして(ステップS51)、エンジン始動直後のリーン
バーン制御を禁止又は停止する。
【0074】すなわち、本実施例では、変速機がインギ
ヤ状態のとき、スロットル弁開度変動量THが大きいと
き、エンジン回転数NEが大きいとき、及び、エンジン
1にかかる負荷が大きいときには、運転者が車両を走行
させようとする状態であると予測し、このときにエンジ
ン始動直後のリーンバーン制御を行っている場合にはリ
ーンバーン制御を停止するように構成したので、エンジ
ンのストールや加速感の悪化等を防止することができ
る。
【0075】また、エンジン水温TWが、上限値TWA
STLEANHより高温であるとき、又は下限値TWA
STLEANL以下であるときにも、エンジン始動直後
のリーンバーン制御を停止するように構成したので、エ
ンジン回転の安定性の低下やエンジンのストール等を防
止することができる。
【0076】さらに、失火を検出したとき、又は回転変
動量|DME|が上限値DMELEANを超えたときに
も、エンジン始動直後のリーンバーン制御を停止するよ
うに構成したので、エンジン回転の安定性の低下を防止
することができる。
【0077】図6及び7は、図4のステップS25にお
けるKCMD算出処理のフローチャートである。
【0078】先ず図6のステップS61では、図4のス
テップS22で設定した始動後リーンフラグFASTL
EANが「1」か否かを判別し、FASTLEAN=1
であるときは、LEANテーブルを検索して、エンジン
始動直後のリーンバーン制御を行うために必要なリーン
化係数KLEANの各構成要素を読み出す(図7のステ
ップS62)。ここで、リーン化係数KLEANの各構
成要素は、具体的には、エンジン水温TWに応じて設定
される係数KLEANTW,吸入空気温PAに応じて設
定される係数KLEANPA,エンジン回転数NEに応
じて決定される係数KLEANNE,吸気管内絶対圧P
BAに応じて決定される係数KLEANPBA,エンジ
ン始動後の時間経過に応じて決定される係数KLEAN
ASTである。そして、リーン化係数KLEANは、各
係数KLEANTW,KLEANPA,KLEANN
E,KLEANPBA,KLEANASTを乗算した結
果として定義される。
【0079】図8は、リーン化係数KLEANの各構成
要素(係数)の値を記憶したリーン(LEAN)テーブ
ルの一例を示す図である。
【0080】同図において、(a)は、係数KLEAN
TWを決定するためのテーブルデータをグラフ化したも
のであり、縦軸は係数値を示し、横軸はエンジン水温T
Wを示している。同図中、エンジン水温TWが0℃以下
又は40℃以上の範囲は、リーン化を禁止する領域であ
るので、係数KLEANTWを「1.0」に設定し、エ
ンジン水温TWが10℃〜30℃の範囲は、リーン化を
自由に行える領域であるので、係数KLEANTWを
「0.9」に設定し、エンジン水温TWが0℃〜10℃
又は30℃〜40℃の範囲は、空燃比の急変によりエン
ジン回転数の変動等が起き易い領域であるので、係数K
LEANTWをリニアに変化させている。
【0081】(b)は、係数KLEANPAを設定する
ためのテーブルデータをグラフ化したものであり、縦軸
は係数値を示し、横軸は吸入空気温PAを示している。
【0082】(c)は、係数KLEANNEを設定する
ためのテーブルデータをグラフ化したものであり、縦軸
は係数値を示し、横軸はエンジン回転数NEを示してい
る。
【0083】(d)は、係数KLEANPBAを設定す
るためのテーブルデータをグラフ化したものであり、縦
軸は係数値を示し、横軸は吸気管内絶対圧PBAを示し
ている。
【0084】(e)は、係数KLEANASTを設定す
るためのテーブルデータをグラフ化したものであり、縦
軸は係数値を示し、横軸はエンジン始動後の経過時間を
示している。
【0085】(b)〜(e)から分かるように、各グラ
フの係数値は、それぞれ(a)のグラフと同様に設定さ
れている。
【0086】図7のフローチャートに戻り、続くステッ
プS63では、上述のようにリーン化テーブルから読み
出した各係数KLEANTW,KLEANPA,KLE
ANNE,KLEANPB,KLEANASTを全て乗
算し、その乗算結果を前記RAMの所定位置に確保され
たテンポラリ領域KLEANTMPに格納する。
【0087】次に、リーン化係数KLEANを徐々に
(ΔKLEANの幅で)変化させながらテンポラリ領域
KLEANTMPの値まで変更する処理を行うためのフ
ラグFΔLEANの値を判別し(ステップS64)、フ
ラグFΔLEANの値が「0」のときには前回の始動後
リーンフラグFASTLEANの値を判別する(ステッ
プS65)。ここで、始動後リーンフラグFASTLE
ANの前回値を使用するために、前回値を記憶する領域
が、例えば前記RAMの所定位置に設けれている。
【0088】ステップS65の判別で、前回の始動後リ
ーンフラグFASTLEANが「0」のとき、すなわち
今回初めてリーンバーン制御を行う条件が成立したとき
には、フラグFΔLEANを「1」にする(ステップS
66)とともに、リーン化係数KLEANを初期値1.
0に設定し(ステップS67)、リーン化係数KLEA
Nから所定値ΔKLEANだけ減算して、その減算値に
リーン化係数KLEANを更新する(ステップS6
8)。
【0089】一方、ステップS64の判別で、フラグF
ΔLEANが「1」のときにはステップS65〜S67
をスキップしてステップS68に進む。
【0090】次に、ステップS68で更新したリーン化
係数KLEANの値が、前記ステップS63で算出した
テンポラリ領域KLEANTMPの値より大きいか否か
を判別し(ステップS69)、大きいときには現在の目
標空燃比係数KCMDにリーン化係数KLEANを乗算
して、その乗算値に目標空燃比係数KCMDを更新する
(ステップS70)。
【0091】すなわち、ステップS64〜S69の処理
は、リーン化係数KLEANをΔKLEANの幅で変化
(減少)させながら、ステップS63で算出した値KL
EANTMPに近づけて行く処理である。これにより、
空燃比の急激な変動によるエンジンの回転変動やハンチ
ング等を防止することができる。
【0092】一方、ステップS65の判別で、前回の始
動後リーンフラグFASTLEANの値が「1」のと
き、すなわちフラグFΔLEANが「0」であり、且つ
今回が2回目以降のリーンバーン制御であるとき、また
は、ステップS69の判別で、リーン化係数KLEAN
がテンポラリ領域KLEANTMPの値以下のときに
は、フラグFΔLEANを「0」にし(ステップS7
1)、リーン化係数KLEANをテンポラリ領域KLE
ANTMPの値に更新した(ステップS72)後に、前
記ステップS70に進む。
【0093】一方、前記ステップS61でFASTLE
AN=0であって、始動後リーンバーン制御実行条件が
成立しないときは、エンジン水温TWが所定水温TWC
MD(例えば80℃)より高いか否かを判別する(図6
のステップS73)。そしてTW>TWCMDが成立す
るときは、KCMD値を図4のステップS21で算出し
た基本値KBSに設定して(ステップS74)、ステッ
プS78に進む。また、TW≦TWCMDが成立すると
きは、エンジン水温TW及び吸気管内絶対圧PBAに応
じて設定されたマップを検索して、低水温用目標値KT
WCMDを算出し(ステップS75)、基本値KBSが
このKTWCMD値より大きいか否かを判別する(ステ
ップS76)。その結果KBS>KTWCMDであると
きは、前記ステップS74に進み、KBS≦KTWCM
Dであるときは、基本値KBSを低水温用目標値KTW
CMDに置き換えて(ステップS77)、ステップS7
8に進む。
【0094】ステップS78では、図4のステップS2
3で設定したWOTフラグFWOTが「1」か否かを判
別し、FWOT=0であれば直ちに本処理を終了し、F
WOT=1のときは、高負荷用のKCMD値の設定処理
を行い(ステップS79)、本処理を終了する。この処
理は、KCMD値を図4のステップS24で算出した高
負荷用増量補正係数KWOT,KXWOTと比較し、K
CMD値がこれらの係数値より小さいときは、KCMD
値に補正係数KWOT又はKXWOTを乗算して補正を
行うものである。
【0095】次に図3のステップS3におけるLAFセ
ンサ出力選択処理について説明する。
【0096】エンジンの排気ガスは排気行程で排出され
ることから、多気筒エンジンの排気系集合部において空
燃比の挙動を見ると、明らかにTDC信号パルスに同期
している。したがって、LAFセンサ17により空燃比
を検出するときもTDC信号パルスに同期して行う必要
がある。ところが、センサ出力のサンプルタイミングに
よっては空燃比の挙動を正確に把握できない場合が生じ
る。例えば、TDC信号パルスに対して排気系集合部の
空燃比が図9のようであるとき、ECU5が認識する空
燃比は図10に示すように、サンプルタイミングによっ
て全く異なる値となる。この場合、実際のLAFセンサ
の出力変化を可能な限り正確に把握できるタイミングで
サンプリングすることが望ましい。
【0097】さらに、空燃比の変化は排気ガスのセンサ
までの到達時間やセンサの反応時間によっても相違す
る。そのうち、センサまでの到達時間は排気ガス圧力、
排気ガスボリューム等に依存して変化する。さらに、T
DC信号パルスに同期してサンプリングすることはクラ
ンク角度に基づいてサンプリングすることになるので、
必然的にエンジン回転数NEの影響を受ける。このよう
に、空燃比の検出の最適なタイミングは、エンジン運転
状態に大きく依存する。
【0098】そこで、本実施例では図11に示すよう
に、CRK信号パルス(クランク角度30度毎に発生す
る)の発生毎にサンプリングしたLAFセンサ出力をリ
ングバッファ(本実施例では18個の格納場所を有す
る)に順次格納し、最適タイミングの出力値(17回前
の値から今回値までの中の最適の値)を検出当量比KA
CTに変換してフィードバック制御に使用するようにし
ている。
【0099】図12は、図3のステップS3におけるL
AFセンサ出力選択処理のフローチャートある。
【0100】先ずステップS81では、エンジン回転数
NE及び吸気管内絶対圧PBAを読み出し、次いで現在
のバルブタイミングが高速バルブタイミングか否かを判
別する(ステップS82)。その結果高速バルブタイミ
ングのときは高速バルブタイミング用のタイミングマッ
プを検索し(ステップS83)、低速バルブタイミング
のときは低速バルブタイミング用のタイミングマップを
検索し(ステップS84)、その検索結果に応じてリン
グバッファに格納したLAFセンサ出力VLAFを選択
して(ステップS85)、本処理を終了する。
【0101】上記タイミングマップは、図13に示すよ
うに、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに
応じて、エンジン回転数NEが低いほど、あるいは吸気
管内絶対圧PBAが高いほど早いクランク角度位置でサ
ンプリングした値を選択するように設定されている。こ
こで、「早い」とは、前のTDC位置により近い位置で
サンプリングした値(換言すれば古い値)を意味する。
このように設定したのは、LAFセンサ出力は、図10
に示したように、実際の空燃比の極大値又は極小値(以
下「極値」という)に可能な限り近い位置でサンプリン
グするのが最良であるが、その極値、例えば最初のピー
ク値は、センサの反応時間を一定と仮定すれば、図14
に示すように、エンジン回転数NEが低下するほど早い
クランク角度位置で生じ、また、負荷が高いほど排気ガ
ス圧力や排気ガスボリュームが増加し、排気ガスの流速
が増してセンサへの到達時間が早まるからである。
【0102】また、高速バルブタイミング用マップは、
同一のエンジン回転数NE又は吸気管内絶対圧PBAに
対しては、低速バルブタイミング用マップより早期のタ
イミングとなるように設定されている。これは、高速バ
ルブタイミングでは、低速バルブタイミングより排気弁
の開弁開始時期が早いからである。
【0103】以上のように、図12の処理によれば、エ
ンジン運転状態に応じて最適なタイミングでサンプリン
グしたセンサ出力VLAFが選択されるので、空燃比の
検出精度を向上させることができる。その結果、オブザ
ーバによる気筒毎の空燃比の推定精度が向上し、気筒毎
の空燃比フィードバック制御の精度を向上させることが
できる。
【0104】なお、CRKセンサの異常を検出したとき
は、TDC信号パルスの発生時のLAFセンサ出力を採
用する。
【0105】次に図3のステップS4における検出当量
比KACTの算出処理について説明する。図15は、こ
のKACT算出処理のフローチャートである。
【0106】先ずステップS101では、上述した図1
2の処理により選択されたセンサ出力選択値VLAFS
ELからセンサ出力中心値VCENTを減算して、テン
ポラリ値VLAFTEMPを算出する。ここで、中心値
VCENTは、混合気の空燃比が理論空燃比のときのL
AFセンサ出力値である。
【0107】次いで、VLAFTEMP値が負の値か否
かを判別し(ステップS102)、VLAFTEMP<
0であって、空燃比が理論空燃比よりリーン側のとき
は、リーン補正係数KLBLLを乗算して、VLAFT
EMP値を補正する(ステップS103)一方、VLA
FTEMP≧0であって、空燃比が理論空燃比よりリッ
チ側のときは、リッチ補正係数KLBLRを乗算して、
VLAFTEMP値を補正する(ステップS104)。
ここで、リーン補正係数KLBLL及びリッチ補正係数
KLBLRは、LAFセンサに装着されたラベル抵抗の
値に応じて算出されるばらつき補正用の補正係数であ
る。ラベル抵抗値は、予めLAFセンサの特性を測定し
て、その結果に応じて設定されており、ECU5がその
値を読み取って補正係数KLBLL,KLBLRを決定
する。
【0108】続くステップS105では、テンポラリ値
VLAFTEMPにテーブル中心値VOUTCNTを加
算して、修正出力値VLAFEを算出し、次いでVLA
FE値に応じてKACTテーブルを検索して、検出当量
比KACTを算出する(ステップS106)。ここで、
KACTテーブルは、修正出力値VLAFEに応じて検
出当量比KACTを算出するためのテーブルであり、テ
ーブル中心値VOUTCNTは理論空燃比(KACT=
1.0)に対応する格子点データ(修正出力値)であ
る。
【0109】以上の処理により、LAFセンサの特性ば
らつきの影響を排除した検出当量比KACTを得ること
ができる。
【0110】図16は、図3のステップS6におけるL
AFフィードバック領域判別処理のフローチャートであ
る。
【0111】先ずステップS121では、LAFセンサ
17が不活性状態にあるか否かを判別し、活性状態にあ
るときはフュエルカット中であることを「1」で示すフ
ラグFFCが「1」か否かを判別し(ステップS12
2)、FFC=0であるときは、スロットル弁全開中で
あることを「1」で示すフラグFWOTが「1」か否か
を判別し(ステップS123)、FWOT=0であると
きは、図示しないセンサによって検出したバッテリ電圧
VBATが所定下限値VBLOWより低いか否かを判別
し(ステップS124)、VBAT≧VBLOWである
ときは、理論空燃比に対応するLAFセンサ出力のずれ
(LAFセンサストイキずれ)があるか否かを判別する
(ステップS125)。そして、ステップS121〜S
125のいずれかの答が肯定(YES)のときは、PI
D補正係数KLAFを1.0(無補正値)にリセットす
べき旨を「1」で示すKLAFリセットフラグFKLA
FRESETを「1」に設定する(ステップS12
7)。
【0112】一方、ステップS121〜S125の答が
すべて否定(NO)のときは、KLAFリセットフラグ
FKLAFRESETを「0」に設定する(ステップS
126)。
【0113】続くステップS128では、O2センサ1
8が不活性状態にあるか否かを判別し、活性状態にある
ときは、エンジン水温TWが所定下限水温TWLOW
(例えば0℃)より低いか否かを判別する(ステップS
129)。そして、O2センサ18が不活性状態のとき
またはTW<TWLOWであるときは、PID補正係数
KLAFを現在値に維持すべきことを「1」で示すホー
ルドフラグFKLAFHOLDを「1」に設定して(ス
テップS131)、本処理を終了する。一方、O2セン
サ18が活性状態にあり且つTW≧TWLOWであると
きは、FKLAFHOLD=0として(ステップS13
0)、本処理を終了する。
【0114】次に図3のステップS13におけるPID
補正係数KLAF算出処理を、図17を参照して説明す
る。
【0115】先ずステップS141では、ホールドフラ
グFKLAFHOLDが「1」か否かを判別し、FKL
AFHOLD=1のときは、直ちに本処理を終了し、F
KLAFHOLD=0のときは、KLAFリセットフラ
グFKLAFRESETが「1」か否かを判別する(ス
テップS142)。その結果、FKLAFRESET=
1のときは、ステップS143に進み、PID補正係数
KLAFを「1.0」に設定するとともに、積分制御ゲ
インKI及び目標当量比KCMDと検出当量比KACT
との偏差DKAFを「0」に設定して、本処理を終了す
る。
【0116】ステップS142でFKLAFRESET
=0のときは、ステップS144に進み、比例制御ゲイ
ンKP、積分制御ゲインKI及び微分制御ゲインKDを
エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて
設定されたマップから検索する。ただし、アイドル状態
のときはアイドル用のゲインを採用する。次いで、目標
当量比KCMDと検出当量比KACTとの偏差DKAF
(k)(=KCMD(k)−KACT(k))を算出し
(ステップS145)、偏差DKAF(k)及び各制御
ゲインKP,KI,KDを下記式に適用して、比例項K
LAFP(k)、積分項KLAFI(k)及び微分項K
LAFD(k)を算出する(ステップS146)。
【0117】KLAFP(k)=DKAF(k)×KP KLAFI(k)=DKAF(k)×KI+KLAFI
(k−1) KLAFD(k)=(DKAF(k)−DKAF(k−
1))×KD 続くステップS147〜S150では、積分項KLAF
I(k)のリミット処理を行う。すなわち、KLAFI
(k)値が所定上下限値KLAFILMTH,KLAF
ILMTLの範囲内にあるか否かを判別し(ステップS
147、S148)、KLAFI(k)>KLAFIL
MTHであるときは、KLAFI(k)=KLAFLM
THとし(ステップS150)、KLAFI(k)<K
LAFILMTLであるときは、KLAFI(k)=K
LAFILMTLとする(ステップS149)。
【0118】続くステップS151では、下記式により
PID補正係数KLAF(k)を算出する。
【0119】KLAF(k)=KLAFP(k)+KL
AFI(k)+KLAFD(k)+1.0 次いで、KLAF(k)値が所定上限値KLAFLMT
Hより大きいか否かを判別し(ステップS152)、K
LAF(k)>KLAFLMTHであるときは、KLA
F(k)=KLAFLMTHとして(ステップS15
5)、本処理を終了する。
【0120】ステップS152で、KLAF(k)≦K
LAFLMTHであるときは、KLAF(k)値が所定
下限値KLAFLMTLより小さいか否かを判別し(ス
テップS153)、KLAF(k)≧KLAFLMTL
であれば直ちに本処理を終了する一方、KLAF(k)
<KLAFLMTLであるときは、KLAF(k)=K
LAFLMTLとして(ステップS154)、本処理を
終了する。
【0121】本処理により、検出当量比KACTが目標
当量比KCMDに一致するように、PID制御によりP
ID補正係数KLAFが算出される。
【0122】次に図3のステップS11における気筒別
補正係数KOBSV#Nの算出処理について説明する。
【0123】最初にオブザーバによる気筒別空燃比の推
定手法について説明し、次に推定した気筒別空燃比に応
じた気筒別補正係数KOBSV#Nの算出手法を説明す
る。
【0124】先ず、1個のLAFセンサ出力から各気筒
の空燃比を精度よく分離抽出するためには、LAFセン
サの検出応答遅れを考慮する必要がある。そこで、LA
Fセンサを1次遅れ系と仮定してモデル化し、図18に
示すモデルを作成したところ、このモデルに基づいて得
られる空燃比が真の空燃比とよく一致することが実験に
よって確認された。ここで、LAF(t)はLAFセン
サ出力、A/F(t)は入力A/F、αはゲインであ
り、このモデルの状態方程式は、数式2に示すことがで
きる。
【0125】
【数2】 これを周期ΔTで離散化すると、数式3に示すようにな
り、これをブロック線図で表すと図19に示すようにな
る。
【0126】
【数3】 この数式3を変形すると数式4に示すようになるので、
時刻kのときの値から時刻(k−1)のときの値を数式
5のように逆算することができる。
【0127】
【数4】
【0128】
【数5】 具体的には、数式3をZ変換して伝達関数で示すと数式
6のようになるので、その逆伝達関数を今回のLAFセ
ンサ出力LAF(k)に乗算することによって、前回の
入力空燃比A/F(k−1)をリアルタイムで推定する
ことができる。図20にそのリアルタイムのA/F推定
器のブロック線図をしめす。
【0129】
【数6】 次に上述のようにして求めた真の空燃比に基づいて各気
筒の空燃比を分離抽出する手法を説明する。
【0130】排気系集合部の空燃比を各気筒の空燃比の
時間的な寄与度を考慮した加重平均であると考え、時刻
kのときの値を数式7のように表した。なお、燃料量
(F)を操作量としたため、数式7では燃空比F/Aを
用いている。なお、数式7の燃空比F/Aは、数式5に
より求めたセンサの応答遅れを補正した真の値を意味す
る。
【0131】
【数7】 すなわち、集合部の空燃比は、気筒毎の過去の燃焼履歴
に重みC(例えば直前に燃焼した気筒は40%、その前
が30%、…など)を乗算したものの合計で表した。こ
のモデルをブロック線図で表すと、図21のようにな
り、その状態方程式は数式8のようになる。
【0132】
【数8】 また、集合部の燃空比をy(k)とおくと、出力方程式
は数式9のように表すことができる。
【0133】
【数9】 数式9において、u(k)は観測不可能であるため、こ
の状態方程式からオブザーバを設計してもx(k)は観
測することができない。そこで、4TDC前(すなわ
ち、同一気筒)の空燃比は急激に変化しない定常運転状
態にあると仮定してx(k+1)=x(k−3)とする
と、数式9は数式10のようになる。
【0134】
【数10】 図22は、4気筒エンジンの3気筒の空燃比を14.7
とし、1気筒の空燃比を12.0とした場合における、
上記モデルの出力値及び実測値の推移を示す図であり、
上記モデルが4気筒エンジンの排気系をよくモデル化し
ていることが確認された。従って、集合部A/Fから気
筒別空燃比を推定する問題は、数式11で示される状態
方程式と出力方程式にてx(k)を観察する通常のカル
マンフィルタの問題に帰着する。その荷重行列Q,Rを
数式12のようにおいてリカッチの方程式を解くと、ゲ
イン行列Kは数式13のようになる。
【0135】
【数11】
【0136】
【数12】
【0137】
【数13】 これより、(A−KC)を求めると、数式14のように
なる。
【0138】
【数14】 ここで、一般的なオブザーバの構成は図23に示すよう
になるが、本実施例のモデルでは入力u(k)がないの
で、図24に示すようにy(k)のみを入力とする構成
となり、これを数式で表すと数式15のようになる。
【0139】
【数15】 したがって、集合部燃空比y(k)及び過去の気筒別燃
空比の推定値Xハット(k)から、今回の気筒別燃空比
の推定値xハット(k)を算出することができる。
【0140】ここで、y(k)を入力とするオブザー
バ、すなわちカルマンフィルタのシステム行列Sは、数
式16のように表される。
【0141】
【数16】 そして本実施例のモデルでリカッチ方程式の荷重配分R
の要素:Qの要素=1:1のとき、システム行列Sは、
数式17で与えられる。
【0142】
【数17】 図25は、上記モデルとオブザーバとを組み合わせたブ
ロック線図であり、これによって得られる気筒別空燃比
は、実測値とよく一致するというシミュレーション結果
が得られている。このように、本実施例では、LAFセ
ンサの応答遅れを考慮するとともにオブザーバを導入し
たので、集合部空燃比から気筒別の空燃比を的確に抽出
することができる。
【0143】図26は、上述した気筒別空燃比の推定処
理のフローチャートである。
【0144】同図において、ステップS161では、高
速バルブタイミング用のオブザーバ演算(即ち気筒別空
燃比の推定演算)を行い、続くステップS162では、
低速バルブタイミング用のオブザーバ演算を行う。そし
て、現在のバルブタイミングが高速バルブタイミングか
否かを判別し(ステップS163)、高速バルブタイミ
ングのときは、高速バルブタイミング用のオブザーバ演
算結果を選択し(ステップS164)、低速バルブタイ
ミングのときは、低速バルブタイミング用のオブザーバ
演算結果を選択する(ステップS165)。
【0145】このように、現在のバルブタイミングに拘
わらず、高速及び低速バルブタイミング用のオブザーバ
演算をともに行い、現在のバルブタイミングに応じて、
演算結果を選択するようにしたのは、気筒別空燃比の推
定演算は、収束するまでに数回の演算を要するからであ
る。これにより、バルブタイミング切換直後の気筒別空
燃比の推定精度を向上させることができる。
【0146】次に推定した気筒別空燃比に基づいて気筒
別補正係数KOBSV#Nを算出する手法を、図27を
参照して説明する。
【0147】すなわち、集合部A/Fを全気筒の気筒別
補正係数KOBSV#Nの平均値の前回演算値で除算し
て目標A/Fを算出し、#1気筒の気筒別補正係数KO
BSV#1は、その目標A/Fと#1気筒の推定空燃比
A/F#1との偏差が0となるように、PID制御によ
り求める。#2〜#4気筒についても同様の演算を行
い、KOBSV#2〜#4を算出する。
【0148】これにより、各気筒の空燃比は集合部空燃
比に収束し、集合部空燃比はPID補正係数KLAFに
より、目標空燃比に収束するので、結果的にすべての気
筒の空燃比を目標空燃比に収束させることができる。さ
らに、この気筒別補正係数KOBSV#Nの学習値であ
る気筒別補正係数学習値KOBSV#Nstyを次式に
より算出し記憶する。
【0149】KOBSV#Nsty=C×KOBSV#
N+(1−C)×KOBSV#Nsty(n−1) ここで、Cは重み係数であり、KOBSV#Nsty
(n−1)は前回学習値である。
【0150】なお、実際の演算では図27の集合部A/
Fは、検出当量比KACTであり、気筒別推定空燃比A
/F#N及び目標A/Fも当量比として演算される。
【0151】図28は、前記図5のステップS47で使
用する失火判定の手順を示すフローチャートである。
【0152】同図(a)は、前記CRK信号パルスの発
生毎にこれと同期して実行されるCRK処理を示し、本
処理ではCRK信号パルスの発生時間間隔(エンジン回
転速度の逆数に比例するパラメ−タ)の平均値(以下
「第1の平均値」という)TAVEの算出を行う(ステ
ップS171)。
【0153】同図(b)は、前記TDC信号パルスの発
生毎にこれと同期して実行されるTDC処理を示し、本
処理ではCRK処理で算出される第1の平均値TAVE
の平均値(以下「第2の平均値」という)Mの変化量Δ
M(ステップS172)に基づいてエンジン1における
失火の発生の有無が判定される(ステップS173)。
【0154】図29は、第1の平均値TAVEを算出す
るプログラムのフロ−チャ−トである。
【0155】ステップS181では、CRK信号パルス
の発生時間間隔CRMe(n)を計測する。具体的に
は、クランク軸が30度回転する毎に順次CRMe
(n),CRMe(n+1),CRMe(n+2)…が
計測される。
【0156】ステップS182では、数式18により1
1回前の計測値CRMe(n−11)から最新の計測値
CRMe(n)までの12個のCRMe値の平均値とし
て、第1の平均値TAVE(n)を算出する。
【0157】
【数18】 本実施例ではCRK信号パルスはクランク軸が30度回
転する毎に発生するので、第1の平均値TAVE(n)
はクランク軸1回転に対応する平均値である。このよう
な平均化処理を行うことにより、クランク軸1回転で1
周期のエンジン回転の1次振動成分、即ち、クランク角
センサ11を構成するパルサ又はピックアップの機械的
誤差(製造誤差、取付誤差等)によるノイズ成分を除去
することができる。
【0158】なおTAVE(n)値に基づいてエンジン
回転速度NEが算出される。
【0159】図30は、図28(b)のステップS17
2における処理を具体的に示したフロ−チャ−トであ
る。
【0160】ステップS191では、数式19により、
第1の平均値TAVEの5回前の算出値TAVE(n−
5)から最新の算出値TAVE(n)までの6個のTA
VE値の平均値として、第2の平均値M(n)を算出す
る。
【0161】
【数19】 本実施例では、エンジン1は4気筒4サイクルエンジン
であり、クランク軸が180度回転する毎にいずれかの
気筒で点火が行われる。従って、第2の平均値(n)
は、第1の平均値TAVE(n)の点火周期毎の平均値
である。このような平均化処理を行うことにより、燃焼
によるエンジン回転のトルク変動分として表わされる2
次振動成分、即ち、クランク軸半回転周期の振動成分を
除去することができる。
【0162】続くステップS192では、次式により、
第2の平均値M(n)のハイパスフィルタ処理を行う。
ハイパスフィルタ処理後の第2の平均値をFM(n)と
している。
【0163】FM(n)=b(1)×M(n)+b(2)×M
(n−1)+b(3)×M(n−2)−a(2)×FM(n−
1)−a(3)×FM(n−2) ここで、b(1)〜b(3),a(2),a(3)はフィルタ伝達係数で
あり、それぞれ例えば0.2096,−0.4192,
0.2096,0.3557,0.1940に設定され
る。またFM(0)及びFM(1)はいずれも値0とし
て、値2以上のnについて上式が適用される。
【0164】このハイパスフィルタ処理により、M
(n)値に含まれる約10Hz以下の低周波成分が除か
れ、駆動系からエンジンに伝わる振動(例えばクランク
シャフトのねじりに起因する振動、タイヤから伝わる路
面振動等)の影響を除去することができる。
【0165】続くステップS193では、ハイパスフィ
ルタ処理した第2の平均値FM(n)の変化量ΔM
(n)を次式により算出する。
【0166】ΔM(n)=FM(n)−FM(n−1) なお、ハイパスフィルタ処理した後の第2の平均値FM
(n)は、M(n)値と極性が反転するため、エンジン
1で失火が発生した場合には、M(n)値は増加するの
でFM(n)値はマイナス方向に増加し、ΔM(n)値
もマイナス方向に増加する傾向を示す。
【0167】図31は、上述のようにして算出した変化
量ΔMに基づいて失火判定及び失火気筒判別を行うプロ
グラムのフロ−チャ−トである。
【0168】ステップS201では、モニタ実施条件、
即ち失火判定が実行可能か否かの判別を行う。モニタ実
施条件は、例えば、エンジン運転状態が定常的な状態に
あり、かつエンジン水温TW、吸気温TA、エンジン回
転速度NE等が所定範囲内にあるとき成立する。
【0169】モニタ実施条件が不成立のときには、直ち
に本プログラムを終了し、モニタ実施条件が成立してい
るときには、前記変化量ΔMが負の所定値MSLMTよ
り小さいか否か(|ΔM|が|MSLMT|よい大きい
か否か)を判別する。ここで、負の所定値MSLMT
は、エンジン回転数NE及びエンジン負荷(吸気管内絶
対圧PBA)に応じて設定されたマップから読み出され
る。MSLMT値の絶対値は、エンジン回転速度NEが
増加するほど小さくなるように設定され、エンジン負荷
が増加するほど大きくなるように設定される。
【0170】ステップS202の答が否定(NO)、即
ちΔM≧MSLMTが成立するときには、直ちに本プロ
グラム終了し、ステップS202の答が肯定(YE
S)、即ちΔM<MSLMTが成立するときには、前回
点火した気筒で失火が発生したと判定する。前述したよ
うに、失火が発生したときには、ΔM(n)値がマイナ
ス方向に増加するからである。
【0171】また、前回点火気筒で失火発生と判定する
のは、ハイパスフィルタ処理によって遅れ分が発生する
からである。
【0172】なお、本実施例では、失火の判定は上記方
法により行ったが、これに限らず失火の判定を行うこと
ができる方法であれば、どのような方法を用いてもよ
い。
【0173】以上説明したように、本実施例に依れば、
オブザーバにより気筒毎の空燃比のばらつきを観測し、
該観測結果に応じて空燃比の制御を行うように構成した
ので、エンジン始動直後のリーンバーン制御をより広い
範囲で行うことができるとともに、エンジンの状態がそ
の範囲外にあるときにはエンジン始動直後のリーンバー
ン制御を停止するように構成したので、エンジン回転の
低下、ストール及び加速感の悪化等を防止することがで
きる。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に依れば、
運転状態検出手段により内燃機関の運転状態および車両
の運転状態のうちの少なくとも一方が検出され、車両走
行開始予測手段により、この検出された運転状態から車
両の走行状態が予測されたときに、空燃比変更手段によ
り、理論空燃比よりもリーン側に設定されていた空燃比
がリッチ側の空燃比に変更されるので、所定温度以下の
低温時又は所定温度以上の高温時における機関始動直後
のリーンバーン制御による機関回転の低下や機関のスト
ール等、及び、機関始動直後のリーンバーン制御中に車
両を走行させることによる機関のストールや加速感の悪
化等を防止することが可能となる効果を奏する。
【0175】また、運転状態検出手段により運転状態が
検出されると、空燃比設定手段により、内燃機関始動直
後の所定時間中の空燃比が前記検出された運転状態に応
じて連続的に変化されるので、急激な空燃比の変動によ
る機関の回転変動及びハンチング等を防止することがで
きる。
【0176】さらに、気筒別空燃比推定手段により検出
空燃比および排気系の挙動モデルから気筒別の空燃比が
推定されて、第1の制御手段により気筒別空燃比フィー
ドバック制御が行われると、学習手段によりその制御値
が学習され、第2の制御手段により、この学習された制
御値が使用されてフィードフォワード制御が行われるの
で、内燃機関が始動した直後の空燃比をフィードフォワ
ード制御により制御する場合に、経年変化等による失火
や機関の回転変動を防止することができる。
【0177】また、さらに、回転変動検出手段により検
出された内燃機関の回転数変動が所定値より大きいと
き、及び/又は、失火発生検出手段により失火発生が検
出されたときには、空燃比変更手段により、理論空燃比
よりもリーン側に設定されていた空燃比がリッチ側の空
燃比に変更されるので、内燃機関の失火や機関回転数変
動に対する機関回転の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる内燃機関及びその制
御装置の構成を示す図である。
【図2】燃料噴射時間TOUT(N)の算出手法を説明
するための機能ブロック図である。
【図3】図1のLAFセンサの出力に応じてPID補正
係数KLAF及び気筒別補正係数KOBSV#Nを算出
する処理のフローチャートである。
【図4】図3のステップS2における最終目標空燃比係
数KCMDMを算出する処理のフローチャートである。
【図5】図4のステップS23における始動後リーン判
別処理のフローチャートである。
【図6】図4のステップS25におけるKCMD算出処
理のフローチャートである。
【図7】図4のステップS25におけるKCMD算出処
理のフローチャートである。
【図8】リーン化係数KLEANを決定する各係数を読
み出すリーンテーブルを示す図である。
【図9】多気筒内燃機関のTDCと排気系集合部の空燃
比との関係を説明するための図である。
【図10】実際の空燃比に対するサンプルタイミングの
良否を説明するための図である。
【図11】CRK信号パルスの発生毎にサンプリングし
たLAFセンサ出力から最適タイミングの出力値を求め
る方法を説明するための図である。
【図12】図3のステップS3におけるLAFセンサ出
力選択処理のフローチャートある。
【図13】図12のフローチャートで使用するタイミン
グマップの特性を示す図である。
【図14】図13の特性を説明するための機関回転数及
び機関負荷に対するセンサ出力特性を示す図である。
【図15】図3のステップS4における検出当量比KA
CTの算出処理のフローチャートである。
【図16】図3のステップS6におけるLAFフィード
バック領域判別処理のフローチャートである。
【図17】図3のステップS13におけるPID補正係
数KLAF算出処理のフローチャートである。
【図18】LAFセンサを1次遅れ系と仮定してモデル
化したモデルを示すブロック線図である。
【図19】図18のモデルを周期ΔTで離散化したモデ
ルを示すブロック線図である。
【図20】LAFセンサの検出挙動をモデル化した真の
空燃比推定器を示すブロック線図である。
【図21】内燃機関の排気系の挙動を示すモデルを表す
ブロック線図である。
【図22】4気筒エンジンの3気筒の空燃比を14.7
とし、1気筒の空燃比を12.0とした場合における、
図21のモデルの出力値及び実測値の推移を示す図であ
る。
【図23】一般的なオブザーバの構成を示すブロック線
図である。
【図24】図23の一般的なオブザーバを本実施例で用
いたモデル用に書き換えた場合の構成を示すブロック線
図である。
【図25】図21のモデルと図23のオブザーバとを組
み合わせたブロック線図である。
【図26】気筒別空燃比の推定処理のフローチャートで
ある。
【図27】図26の処理により推定した気筒別空燃比に
基づいて気筒別補正係数KOBSV#Nを算出する手法
を説明するための図である。
【図28】図5のステップS47で使用する失火判定の
手順を示すフローチャートである。
【図29】第1の平均値TAVEを算出するプログラム
のフロ−チャ−トである。
【図30】図28のステップS172における処理を具
体的に示したフロ−チャ−トである。
【図31】図30で算出した変化量ΔMに基づいて失火
判定及び失火気筒判別を行うプログラムのフロ−チャ−
トである。
【符号の説明】
4 スロットル弁開度センサ(運転状態検出手段) 5 ECU(車両走行開始予測手段、空燃比変更手段、
空燃比設定手段、気筒毎空燃比推定手段、第1の制御手
段、第2の制御手段、学習手段、回転変動検出手段) 10 PBAセンサ(運転状態検出手段) 13 エンジン水温センサ(運転状態検出手段) 14 クランク角度位置センサ(運転状態検出手段) B11 オブザーバ(気筒毎空燃比推定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 典男 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の始動直後に該内燃機関を理論
    空燃比よりもリーン側の空燃比で運転制御する内燃機関
    の制御装置において、 前記内燃機関の運転状態および該内燃機関を搭載した車
    両の運転状態のうち少なくとも一方を検出する運転状態
    検出手段と、 該検出された運転状態から前記車両の走行開始を予測す
    る車両走行開始予測手段と、 該予測手段により車両の走行開始が予測されたときに、
    前記内燃機関が運転される空燃比を前記リーン側の空燃
    比よりもリッチ側の空燃比に変更する空燃比変更手段と
    を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記運転状態検出手段は、前記車両の変
    速機のインギヤ状態、前記内燃機関にかかる負荷、前記
    内燃機関の回転数、及び前記内燃機関のスロットル弁の
    開度のうち少なくとも1つを検出することを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の始動直後に該内燃機関を理論
    空燃比よりもリーン側の空燃比で所定時間運転制御する
    内燃機関の制御装置において、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記所定時間中に前記内燃機関が運転される空燃比を前
    記運転状態検出手段により検出された運転状態に応じて
    連続的に変化させる空燃比設定手段とを有することを特
    徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記運転状態検出手段は、前記内燃機関
    の温度、前記内燃機関にかかる負荷、前記内燃機関の回
    転数、及び前記内燃機関の始動後の経過時間のうち少な
    くとも1つを検出することを特徴とする請求項3記載の
    内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】 複数の気筒を備えた内燃機関の制御装置
    において、 前記内燃機関の排気系に設けられ、排気ガスの空燃比を
    検出する空燃比検出手段と、 該空燃比検出手段の出力および排気系の挙動モデルから
    気筒毎の空燃比を推定する気筒毎空燃比推定手段と、 該推定された気筒毎の空燃比に応じて気筒別空燃比フィ
    ードバック制御を行う第1の制御手段と、 少なくとも前記内燃機関の始動直後に、前記内燃機関が
    運転される空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比
    にフィードフォワード制御する第2の制御手段と、 前記第1の制御手段による制御値を学習値として学習す
    る学習手段とを有し、 前記第2の制御手段は、前記学習された値を用いて制御
    を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記気筒毎空燃比推定手段は、前記内燃
    機関の排気系の挙動を記述するモデルに基いて、その内
    部状態を観測するオブサーバを設定し、前記空燃比検出
    手段の出力により各気筒の空燃比を推定することを特徴
    とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関の始動直後に該内燃機関を理論
    空燃比よりもリーン側の空燃比で運転制御する内燃機関
    の制御装置において、 前記内燃機関の回転数変動を検出する回転変動検出手段
    と、 前記内燃機関の失火の発生を検出する失火発生検出手段
    と、 前記内燃機関の回転数変動が所定値より大きいこと及び
    前記内燃機関の失火が発生したことのいずれか一方が検
    出されたときには、前記内燃機関が運転される空燃比を
    前記リーン側の空燃比よりもリッチ側の空燃比に変更す
    る空燃比変更手段とを有することを特徴とする内燃機関
    の制御装置。
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Cited By (5)

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