JP2002317674A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
内燃機関の空燃比制御装置Info
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Abstract
xの排出量を低減することにより、排気特性を向上させ
ることができる内燃機関の空燃比制御装置を提供する。 【解決手段】 排気ガスを浄化する触媒12を有する内
燃機関1に供給する混合気の空燃比を制御する内燃機関
の空燃比制御装置であって、内燃機関1がアイドル運転
状態にあることを検出するアイドル運転状態検出手段
4、15、5と、内燃機関1がアイドル運転状態からの
発進加速に移行することを予測する発進加速予測手段1
8、5と、発進加速予測手段により内燃機関1の発進加
速が予測されたときに、空燃比を理論空燃比よりもリッ
チ側にあらかじめ制御する発進時予リッチ化手段5と、
を備えている。
Description
る触媒を有する内燃機関に供給する混合気の空燃比を制
御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
例えば特開平11−210536号公報に開示されたも
のが知られている。この空燃比制御装置はガソリンエン
ジンに適用されたものであり、エンジンの排気系には、
排気ガスを浄化するための三元触媒が設けられている。
この空燃比制御装置では、アイドル運転状態から加速運
転が開始されたか否かを、例えばスロットル弁開度の変
化量に基づいて判定し、加速運転が開始されたと判定し
たときに、燃料噴射量を増量補正することで、燃焼室に
供給される混合気の空燃比をリッチ化し、発進性を確保
するようにしている。
制御装置では、アイドル運転状態からの加速運転が実際
に開始されたときに、空燃比がリッチ側に制御される。
しかし、加速運転の開始後に直ちに燃料噴射量が増量補
正されたとしても、燃料の供給遅れにより、混合気が実
際にリッチ化されるまでに時間がかかるため、その間、
リーンな混合気が供給され続けてしまう。その結果、三
元触媒が一時的に酸化状態になり、排気ガス中のNOx
が十分に還元されずに排出されるため、発進時にNOx
の排出量が一時的に増大するおそれがある。
元触媒よりも貴金属の使用量が少ない低貴金属三元触媒
や、結晶構造を有する複合酸化物を主な触媒成分とした
タイプの三元触媒(以下「結晶構造型三元触媒」とい
う)を用いた場合、以下の理由から、顕著になる。図6
および図7は、そのような結晶構造型三元触媒および貴
金属系三元触媒のNOxの浄化特性の一例を示してい
る。両図に示すように、結晶構造型三元触媒は、貴金属
系三元触媒と比較し、活性温度が高く、触媒が低温状態
のときや、排気ガスの空間速度が高いときに、NOx浄
化率が低くなるという特性がある。一方、アイドル運転
状態では、排気ガスの温度が低くかつ流量が少ないこと
で、触媒への供給熱量が少ないため、触媒床の温度が低
下する傾向にあり、また、発進時には、エンジンの回転
数および負荷がともに増大するため、排気ガスの空間速
度が高くなる。このため、アイドル運転状態から発進状
態への移行時には、NOx浄化率が低い低温状態の結晶
構造型三元触媒に、大きな空間速度の排気ガスが供給さ
れるという悪条件が重なる結果、NOxの排出量が増大
し、排気特性が悪化してしまう。
になされたものであり、アイドル運転状態からの発進時
におけるNOxの排出量を低減することにより、排気特
性を向上させることができる内燃機関の空燃比制御装置
を提供することを目的とする。
め、請求項1に係る発明は、排気ガスを浄化する触媒1
2を有する内燃機関1に供給する混合気の空燃比を制御
する内燃機関の空燃比制御装置であって、内燃機関1が
アイドル運転状態にあることを検出するアイドル運転状
態検出手段(実施形態における(以下、本項において同
じ)スロットル弁開度センサ4、エンジン回転数センサ
15、ECU5(図2のステップ21))と、内燃機関
1がアイドル運転状態からの発進加速に移行することを
予測する発進加速予測手段(ブレーキスイッチ18、E
CU5(図2のステップ24))と、発進加速予測手段
により内燃機関1の発進加速が予測されたときに、空燃
比を理論空燃比よりもリッチ側にあらかじめ制御する発
進時予リッチ化手段(ECU5(図2のステップ2
7))と、を備えていることを特徴とする。
アイドル運転状態にあるときに、発進加速への移行を発
進加速予測手段によって予測するとともに、内燃機関の
発進加速が予測されたときに、発進時予リッチ化手段に
より、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側にあらかじめ
制御する。このように、内燃機関の発進加速に先立ち、
空燃比をリッチ化するので、燃料の供給遅れを補償しな
がら、触媒をあらかじめ還元状態に確実に保持できる。
したがって、その後の発進時に排出されるNOxを触媒
で十分に還元でき、NOxの排出量を低減することがで
きる。また、内燃機関の発進加速が予測されたときのみ
空燃比をリッチ化するので、上記の作用を、最小限の燃
料の増量によって効果的に得ることができる。
2に係る発明は、排気ガスを浄化する触媒12を有する
内燃機関1に供給する混合気の空燃比を制御する内燃機
関の空燃比制御装置であって、内燃機関1がアイドル運
転状態にあることを検出するアイドル運転状態検出手段
(スロットル弁開度センサ4、エンジン回転数センサ1
5、ECU5(図4のステップ41))と、アイドル運
転状態検出手段により内燃機関1がアイドル運転状態に
あることが検出されたときに、空燃比を理論空燃比より
もリッチ側に制御するアイドル運転時リッチ化手段(E
CU5(図4のステップ47))と、を備えていること
を特徴とする。
アイドル運転状態にあるときには、アイドル運転時リッ
チ化手段により、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に
制御する。したがって、上述した請求項1の場合と同
様、アイドル運転状態からの発進に先立ち、空燃比をリ
ッチ化し、触媒をあらかじめ還元状態に保持できるの
で、発進時に排出されるNOxを触媒で十分に還元で
き、NOxの排出量を低減することができる。
明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本実
施形態による空燃比制御装置、およびこれを適用した内
燃機関の概略構成を示している。
1は、例えば、図示しないオートマチック・トランスミ
ッション車(以下「AT車」という)に搭載された4気
筒タイプのガソリンエンジンである。エンジン1の吸気
管2にはスロットル弁3が設けられており、このスロッ
トル弁3の開度(スロットル弁開度)θTHは、スロッ
トル弁開度センサ4(アイドル運転状態検出手段)で検
出され、その検出信号は、後述するECU5に送られ
る。また、吸気管2のスロットル弁3よりも下流側に
は、吸気管内絶対圧センサ6が取り付けられており、吸
気管2内の圧力を吸気管内絶対圧PBAとして検出し、
その検出信号をECU5に送る。
流側には、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)
7が気筒ごとに設けられている(1つのみ図示)。イン
ジェクタ7は、燃料ポンプ(図示せず)などに接続さ
れ、その開弁により燃料を各気筒の吸気ポート(図示せ
ず)に向けて噴射する。インジェクタ7の燃料噴射時間
(開弁時間)TOUT、すなわちエンジン1への供給燃
料量は、ECU5からの駆動信号によって制御される。
また、エンジン1の各気筒には、点火プラグ21が設け
られており、その点火時期もまた、ECU5からの駆動
信号によって制御される。
比(LAF)センサ11が取り付けられている。この空
燃比センサ11は、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を
リニアに検出し、ECU5に出力するものであり、その
検出値VLAFは、酸素濃度が低いほど、すなわち空燃
比がリッチ側であるほど、低くなるように設定されてい
る。また、排気管10の空燃比センサ11よりも下流側
には、排気ガス中のNOx、HC、COを浄化するため
の触媒12が設けられている。この触媒12は、本実施
形態では、前述した結晶構造型三元触媒で構成されてい
る。触媒12には、その触媒床の温度(触媒温度)TC
ATを検出する触媒温度センサ13が取り付けられてお
り、その検出信号もECU5に出力される。
ず)の周囲には、エンジン回転数(NE)センサ15
(アイドル運転状態検出手段)が設けられている。エン
ジン回転数センサ15は、エンジン1の各気筒の吸入行
程開始時の上死点(TDC)よりも所定角度前のクラン
ク角度位置で、TDC信号パルスを出力する。ECU5
は、このTDC信号パルスから、エンジン回転数NEを
算出する。
水温センサ16が取り付けられている。エンジン水温セ
ンサ16は、エンジン1の本体内を循環する冷却水の温
度であるエンジン水温TWを検出し、その検出信号をE
CU5に出力する。ECU5にはさらに、車速センサ1
7およびブレーキ(BR)スイッチ18(発進加速予測
手段)が接続されている。車速センサ17は、エンジン
1を搭載した車両の速度(車速)Vを検出する。ブレー
キスイッチ18は、フットブレーキ(図示せず)の踏込
み状態を検出するものであり、踏込み時にON信号を出
力する。
ル運転状態検出手段、発進加速予測手段、発進時予リッ
チ化手段、およびアイドル運転時リッチ化手段を構成す
るものである。ECU5は、I/Oインターフェース、
CPU、RAMおよびROM(いずれも図示せず)など
からなるマイクロコンピュータで構成されている。前述
した吸気管内絶対圧センサ6などの各種センサや、ブレ
ーキスイッチ18からの検出信号は、それぞれI/Oイ
ンターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CP
Uに入力される。
Mに記憶された制御プログラムなどに従って、エンジン
1のアイドル運転状態を含む運転状態を判別するととも
に、判別した運転状態に応じ、インジェクタ7の燃料噴
射時間TOUTを次式(1)で算出することによって、
エンジン1に供給される混合気の空燃比を制御する。 TOUT=TIM×KCMD×KAF×KTOTAL ・・・(1)
り、エンジン回転数NEおよび吸気管内絶対圧PBAに
応じて設定されたTIマップ(図示せず)を検索するこ
とによって、算出される。KCMDは、エンジン回転数
NEおよび吸気管内絶対圧PBAなどに応じて設定され
る目標空燃比係数である。具体的には、目標空燃比係数
KCMDは、目標空燃比が理論空燃比のときには値1.
0に設定され、目標空燃比が理論空燃比よりもリッチ側
のときには1.0よりも大きな値に、リーン側のときに
は1.0よりも小さな値にそれぞれ設定される。
ィードバック制御運転領域において、目標空燃比係数K
CMDと空燃比センサ11の出力値VLAFの変換値K
ACTとの偏差に応じて、PIDフィードバック制御に
より算出されるフィードバック補正係数である。なお、
フィードバック補正係数KAFは、空燃比のフィードフ
ォアード制御運転領域では、値1.0に設定される。
て設定される水温補正係数KTWや、排気還流制御装置
(図示せず)による排気還流(EGR)の実行中にEG
R量に応じて設定されるEGR補正係数KEGRなど、
フィードフォアード系補正係数をのすべてを乗算したも
のである。
5で実行される空燃比制御処理について説明する。この
制御処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。
図2は、本発明の第1実施形態による空燃比制御処理の
フローチャートを示している。
1」と図示。以下同じ)において、エンジン1がアイド
ル運転状態にあるか否かを判別する。この判別は、例え
ばスロットル弁開度θTHとエンジン回転数NEに基づ
いて行われ、θTH値がほぼ0で、かつNE値が所定値
(例えば1000rpm)以下のときに、アイドル運転
状態と判別される。このステップ21の答がNOで、エ
ンジン1がアイドル運転状態にないときには、エンジン
回転数NEや吸気管内絶対圧PBAなどの運転状態に応
じて、目標空燃比係数KCMDを設定する(ステップ2
2)。次いで、フィードバック補正係数KAFを、設定
した目標空燃比係数KCMDなどに基づき、前述したよ
うにして算出し(ステップ23)、本プログラムを終了
する。
エンジン1がアイドル運転状態にあるときには、エンジ
ン1がアイドル運転状態から発進加速へ移行しようする
状態にあるか否かを予測する(ステップ24)。この発
進加速の予測は、例えばブレーキスイッチ18の検出信
号に基づいて行われ、それがON状態からOFF状態か
ら切り換わったときに、発進加速へ移行しようする状態
と予測する。これは、このエンジン1を搭載したAT車
の場合、停止時には、クリープによる発進を防ぐために
フットブレーキが踏まれていて、発進の際に、フットブ
レーキから足を離してアクセルペダルを踏むという操作
が通常、行われるためである。したがって、上記の手法
によって、発進加速の予測を適切に行うことができる。
1の発進加速が予測されないときには、目標空燃比係数
KCMDを値1.0に設定する(ステップ25)。次い
で、フィードバック補正係数KAFをフィードバック制
御によって算出し(ステップ26)、本プログラムを終
了する。具体的には、設定した目標空燃比係数KCMD
(=1.0)と空燃比センサ11の出力値VLAFの変
換値KACTとの偏差に応じ、PID制御によってフィ
ードバック補正係数KAFを算出する(ステップ2
6)。これにより、アイドル運転状態において、空燃比
が理論空燃比に制御される。
なわちエンジン1の発進加速が予測されたときには、目
標空燃比係数KCMDを、値1.0よりも大きな発進予
リッチ化用の所定値KRICHACC(例えば1.0
2)に設定する(ステップ27)。また、フィードバッ
ク補正係数KAFを値1.0に設定し(ステップ2
8)、本プログラムを終了する。以上の設定により、ア
イドル運転状態においてエンジン1の発進加速が予測さ
れたときには、空燃比が理論空燃比よりもリッチ側に直
ちに制御される。
よって得られる動作の一例を示している。なお、同図
(c)(d)の1点鎖線は、従来の例、すなわち発進加
速が開始された後に燃料を増量補正した場合の動作例
を、比較のために示したものである。同図(a)に示す
ように、車両が時刻t1で停止した後、アイドル運転が
行われ、時刻t3で発進されるものとすると、車両の停
止とほぼ同時にフットブレーキが踏まれることにより、
時刻t1以降、ブレーキスイッチ18の検出信号はON
状態に維持される。そしてこの間、図2のステップ24
の答がNOになり、目標空燃比係数KCMDが値1.0
に設定される(ステップ25)ことで、空燃比は理論空
燃比に制御される。
の前の時刻t2でフットブレーキから足が離されると、
ブレーキスイッチ18の検出信号がOFF状態に切り換
わる。これに伴い、ステップ24の答がYESになり、
エンジン1の発進加速が予測されたとして、目標空燃比
係数KCMDは所定値KRICHACCに設定される
(ステップ27)。これにより、空燃比が理論空燃比よ
りもリッチ側に直ちに制御され、その状態が実際の発進
時(t3)まで継続される。
ジン1の発進加速に先立ち、空燃比をあらかじめリッチ
化するので、燃料の供給遅れを補償しながら、触媒12
をあらかじめ還元状態に確実に保持できる。したがっ
て、その後の発進時に排出されるNOxを触媒12で十
分に還元でき、その結果、同図(d)に実線で示すよう
に、従来の場合(1点鎖線)よりもNOxの排出量を低
減することができる。また、エンジン1の発進加速が予
測されたときのみ空燃比をリッチ化するので、上記の効
果を、最小限の燃料の増量によって効果的に得ることが
できる。
比制御処理のフローチャートを示している。本処理では
まず、図2の制御処理の場合と同様、エンジン1がアイ
ドル運転状態にあるか否かを判別し(ステップ41)、
アイドル運転状態にないときには、目標空燃比係数KC
MDを設定する(ステップ42)とともに、フィードバ
ック補正係数KAFを算出する(ステップ43)。
ン1がアイドル運転状態にあるときには、触媒温度TC
ATが所定温度TREF(例えば350℃)よりも高い
か否かを判別する(ステップ44)。この答がYES
で、TCAT>TREFのときには、触媒12の活性状
態が保たれているとして、図2のステップ25および2
6と同様、目標空燃比係数KCMDを値1.0に設定す
る(ステップ45)とともに、この目標空燃比係数KC
MDに基づくフィードバック補正係数KAFのフィード
バック制御を行う(ステップ46)ことで、空燃比を理
論空燃比に制御する。
CAT≦TREFのときには、アイドル運転の継続によ
り触媒温度TCATが活性温度付近まで低下していて、
触媒12の浄化性能が低下するおそれがあるとして、目
標空燃比係数KCMDを、値1.0よりも大きなリッチ
化用の所定値KRICHIDLE(例えば1.02)に
設定する(ステップ47)。次いで、前記ステップ46
に進み、設定した目標空燃比係数KCMDに基づき、フ
ィードバック補正係数KAFをフィードバック制御する
とともに、ステップ48において、点火時期をリタード
させる。以上の制御により、空燃比が理論空燃比よりも
リッチ化されることによって、触媒12が還元雰囲気に
保たれるとともに、点火時期のリタードによって、排気
ガス温度が上昇し、触媒12のそれ以上の温度低下が防
止される。
よって得られる動作の一例を示している。この例におい
ても、図3と同様、車両が時刻t1で停止し、時刻t3
で発進されるとすると、車両の停止直後は触媒温度TC
ATが高いことで、図4のステップ44の答がYESに
なり、目標空燃比係数KCMDを値1.0とするフィー
ドバック補正係数KAFのフィードバック制御が行われ
る(ステップ45、46)ことで、空燃比は理論空燃比
に制御される。
の温度が低下し、触媒温度TCATが所定温度TREF
以下になると(時刻t2)、ステップ44の答がNOに
なり、目標空燃比係数KCMDをリッチ化用の所定値K
RICHIDLEとするフィードバック補正係数KAF
のフィードバック制御が行われる(ステップ47、4
6)ことで、空燃比は理論空燃比よりもリッチ側に制御
される。
ジン1の発進加速に先立ち、アイドル運転状態において
空燃比をリッチ化するので、第1実施形態と同様、燃料
の供給遅れを補償しながら、触媒12をあらかじめ還元
状態に確実に保持できる。したがって、発進時に排出さ
れるNOxを触媒12で十分に還元でき、その結果、同
図(d)に実線で示すように、アイドル運転状態で空燃
比を理論空燃比に制御した場合(1点鎖線)よりも、N
Oxの排出量を低減することができる。また、触媒温度
TCATが所定温度TREF以下に低下したときに、空
燃比をリッチ化するとともに、点火時期をリタードさせ
るので、触媒12の温度低下を防止しながら、上記の効
果を、最小限の燃料の増量によって効果的に得ることが
できる。
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記の第2実施形態では、アイドル運転状態に
おける空燃比のリッチ化を、触媒温度TCATが所定温
度TREF以下のときにのみ行っているが、これを触媒
温度TCATにかかわらず行ってもよく、それにより、
触媒12をあらかじめ還元状態に保持することで、発進
時のNOxの排出量を低減できる。この場合には、目標
空燃比係数KCMDは、アイドル運転の継続に伴い、触
媒12が過度の還元状態になることでHCおよびCOの
浄化率が低下しないように、触媒12の浄化特性などに
応じて設定することが好ましい。また、第2実施形態で
は、アイドル運転時における空燃比のリッチ化を、目標
空燃比係数KCMDをリッチ側に変更することにより行
っているが、これに代えて、フィードバック補正係数K
AFのPID制御の積分項(I項)を、リーン側よりも
リッチ側で大きな値に設定することにより行ってもよ
い。さらに、触媒温度TCATを触媒温度センサ13に
よって検出しているが、エンジン回転数NEや吸気管内
絶対圧PBAなどから推定によって求めてもよい。
あることから、エンジン1の発進加速予測手段として、
ブレーキスイッチ18の検出信号を用いているが、これ
に代えて、シフトレバー位置を検出し、NまたはPポジ
ションからDポジションにシフトされたことをもって、
発進加速を予測してもよい。また、MT車の場合には、
クラッチを踏み、変速機をつないでから発進するのが通
常であるので、クラッチの操作状態を検出するクラッチ
スイッチを、発進加速予測手段として採用することが可
能である。あるいは、前車との車間距離を計測し、保ち
ながら自動的に追従する追従走行装置を備えた車両の場
合には、車間距離が離れたことをもって、発進加速を予
測してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部
の構成を適宜、変更することが可能である。
の空燃比制御装置は、内燃機関のアイドル運転状態から
の発進加速に先立ち、空燃比をリッチ化することで、燃
料の供給遅れを補償しながら、触媒をあらかじめ還元状
態に確実に保持でき、したがって、アイドル運転状態か
らの発進時におけるNOxの排出量を低減することによ
り、排気特性を向上させることができるなどの効果を有
する。
びこれを適用した内燃機関の概略構成を示す図である。
ーチャートである。
一例を、比較例とともに示すタイミングチャートであ
る。
ーチャートである。
一例を、比較例とともに示すタイミングチャートであ
る。
NOxの浄化特性を示す図である。
段) 5 ECU(アイドル運転状態検出手段、発進加速予測
手段、発進時予リッチ化手段、およびアイドル運転時リ
ッチ化手段) 12 触媒 15 エンジン回転数センサ(アイドル運転状態検出手
段) 18 ブレーキスイッチ(発進加速予測手段)
Claims (2)
- 【請求項1】 排気ガスを浄化する触媒を有する内燃機
関に供給する混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃
比制御装置であって、 前記内燃機関がアイドル運転状態にあることを検出する
アイドル運転状態検出手段と、 前記内燃機関がアイドル運転状態からの発進加速に移行
することを予測する発進加速予測手段と、 当該発進加速予測手段により前記内燃機関の発進加速が
予測されたときに、前記空燃比を理論空燃比よりもリッ
チ側にあらかじめ制御する発進時予リッチ化手段と、 を備えていることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
置。 - 【請求項2】 排気ガスを浄化する触媒を有する内燃機
関に供給する混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃
比制御装置であって、 前記内燃機関がアイドル運転状態にあることを検出する
アイドル運転状態検出手段と、 当該アイドル運転状態検出手段により前記内燃機関がア
イドル運転状態にあることが検出されたときに、前記空
燃比を理論空燃比よりもリッチ側に制御するアイドル運
転時リッチ化手段と、 を備えていることを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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