JP3408950B2 - エレベータの画像情報提供装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗りかご内の様子
がモニタ装置に映し出せるようにしてあるエレベータの
画像情報提供装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】この種の従来技術としては、特開平３−
３１１７７号公報等に記載されているように、エレベー
タの乗りかご内をテレビカメラで監視する乗りかご監視
装置が広く知られている。かかる監視装置は、乗りかご
内にテレビカメラを設置し、このテレビカメラで撮影し
た乗りかご内の映像を他所に設置したモニタ装置に映し
出すことにより、乗りかご内に異常が発生していないか
どうかを監視するというもので、犯罪行為の発生を抑制
したり、閉じ込め事故が発生した場合の乗客の救出に役
立つものとされている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の乗りかご監視装置では、通常、エレベータの乗
場にはモニタ装置が設置されていないので、乗りかご内
に不審な人物が乗っていたとしても、乗場で待機してい
る人にはそのことがわからず、そのため不審な人物と一
緒には乗りかごを利用しないようにするという防犯上の
自衛策が講じにくかった。また、乗場にモニタ装置が設
置されている場合でも、従来は、そのモニタ装置に乗り
かご内の様子が常時映し出されているので、乗場にいる
人にとってはいつでも似たような映像が映し出されてい
るという気分になりやすく、そのためモニタ装置の画像
に対して次第に注意が払われなくなる傾向が強かった。
いずれにせよ、従来技術では乗りかご内で懸念される犯
罪を抑止する効果が不十分であり、モニタ装置の有効利
用という観点からも改善の余地があった。 【０００４】また、エレベータに故障が発生して乗客が
乗りかご内に閉じ込められたとき、従来技術ではモニタ
装置を注視していないと、それが閉じ込め事故の発生な
のかどうかが判然としないので、乗客の救出が遅れてし
まう危険性があった。 【０００５】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
てなされたもので、その目的は、乗りかご内の犯罪を抑
止する効果が高く、かつ閉じ込め事故が発生しても瞬時
に把握でき、しかもモニタ装置の有効利用が図れる、エ
レベータの画像情報提供装置を提供することにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的
は、乗りかご内を撮影するテレビカメラの画像が、乗場
に設置されたモニタ装置に映し出せるようにしてあるエ
レベータの画像情報提供装置において、前記テレビカメ
ラから出力されるかご内映像信号と、前記テレビカメラ
以外のアンテナを介して入力されるテレビ映像信号を選
択的に出力するテレビチューナと、及び記憶媒体に予め
記憶された複数種類の文書信号を選択的に出力する記憶
情報提供手段とを用いた情報提供手段から出力される画
像信号とが入力される画像データ入力手段と、少なくと
も、乗場呼び釦の押圧操作を検出する乗場呼び押圧検出
信号、もしくは乗りかごの停止を検出するエレベータ停
止信号、もしくは乗客が乗りかご内に閉じ込められたこ
とを検出する閉じ込め信号が入力されたときに、前記か
ご内映像信号が前記モニタ装置へ出力されるようになす
画像制御手段と、この画像制御手段に前記閉じ込め信号
が入力されたとき、前記画像重畳手段が前記かご内映像
信号に所定の文書信号を重畳させる画像重畳手段とを備
え、前記乗場呼び釦の押圧操作が解除されてから所定時
間後、もしくは乗りかごが停止してから所定時間後、も
しくは前記閉じ込め信号が入力されなくなった時点で、
前記モニタ装置への前記かご内映像信号の送信が解除す
るように設定したエレベータの画像情報提供装置を用い
ればよい。 【０００７】このように構成されるエレベータの画像情
報提供装置は、乗場にいる人が乗場呼び釦を押圧操作し
たり、乗りかごが停止するたびに、乗りかご内の様子が
乗場のモニタ装置に映し出されるので、乗りかご内にど
のような人物が乗っていて他の階での乗降の様子はどう
なのかが、乗りかごの到着を待っている間、乗場にいな
がらにして把握できる。そのため、モニタ装置を見て乗
りかご内の様子に不安を感じたときには、その乗りかご
の利用を見合わせることにより、身の安全を確保するこ
とができる。 【０００８】また、かかる画像情報提供装置は、乗客が
乗りかご内に閉じ込められて閉じ込め信号が発せられた
ときにも乗りかご内の様子が乗場のモニタ装置に映し出
されるので、その際、閉じ込め事故の発生を文言で伝え
る所定の文書信号を前記かご内映像信号に重畳させるこ
とにより、乗場に居合わせた人は瞬時に閉じ込め事故の
発生を把握することができて、閉じ込められた乗客の早
期救出が行える。 【０００９】また、かかる画像情報提供装置は、乗りか
ご内の様子がモニタ装置に映し出されていないとき、前
記テレビチューナや前記記憶情報提供手段を介して、テ
レビ映像や予め用意された文字情報がモニタ装置に映し
出されるようになっているので、乗場で乗りかごの到着
を待っている人にとっては、モニタ装置から新鮮な情報
が得られることになって手持ちぶさたの解消に役立つ。 【００１０】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
ないし図３を参照しつつ説明する。ただし、図１は本実
施形態に係るエレベータの画像情報提供システムを示す
要部ブロック図、図２は同実施形態の動作を示すフロー
チャート、図３は同実施形態でモニタ装置に映し出され
た画像の一例を示す説明図である。 【００１１】図１において、昇降路１内を昇降する乗り
かご２と、昇降路１の上方の機械室３内に設置されてエ
レベータ制御回路が組み込まれた制御盤４とは、移動ケ
ーブル５や端子ボックス６Ａ、ケーブル６Ｂ等を介して
接続されている。また、乗りかご２内の天井等に設置さ
れたテレビカメラ７が、ケーブル７Ａを介して、タイム
ラプスＶＴＲ８と接続されている。さらに、機械室３内
には、複数の文書信号を予め記憶して選択的に出力する
インフォメーションユニット９と、建物の屋上等に設置
されたアンテナ１０に接続されてテレビ映像信号を選択
的に出力するテレビチューナ１１とが配設されている。
そして、これらの制御盤４、タイムラプスＶＴＲ８、イ
ンフォメーションユニット９、およびテレビチューナ１
１がそれぞれ、表示切替ユニット１２に接続されてい
て、この表示切替ユニット１２が、図示せぬ管理人室
や、乗場１３に設置されたモニタ装置１４に接続されて
いる。なお、制御盤４から表示切替ユニット１２に出力
されるエレベータ制御信号は、ドア開信号やドア閉信
号、かご呼び信号（図示せぬかご呼び釦の押圧操作に応
答して出力される信号）、乗場呼び信号（乗場呼び釦１
３Ａの押圧操作に応答して出力される信号）、エレベー
タの故障で乗りかご２内に乗客が閉じ込められたことを
検出する図示せぬ閉じ込め検出手段の閉じ込め信号など
である。 【００１２】前記表示切替ユニット１２は、タイムラプ
スＶＴＲ８を介してテレビカメラ７から送信されるかご
内映像信号、およびインフォメーションユニット９から
送信される文書信号、およびテレビチューナ１１から送
信されるテレビ映像信号がそれぞれ入力される画像デー
タ入力装置１２ａと、この画像データ入力装置１２ａに
入力される複数の画像信号を必要時に重畳させるべく画
像処理を行うキャラクタージェネレータ１２ｂと、制御
盤４から乗場呼び釦１３Ａの押圧操作を検出する乗場呼
び押圧検出信号、もしくは乗りかご２の停止を検出する
エレベータ停止信号、もしくは乗客が乗りかご内に閉じ
込められたことを検出する閉じ込め信号が入力されたと
きに、前記かご内映像信号がモニタ装置１４へ出力され
るように制御する画像制御装置１２ｃとを備えて構成さ
れている。つまり、この表示切替ユニット１２は、画像
データ入力装置１２ａに取り込まれた情報が、キャラク
タージェネレータ１２ｂや画像制御装置１２ｃから出力
される信号により適宜選択されてモニタ装置１４へ送信
されるようになっている。 【００１３】なお、制御盤４から出力されるドア開信
号、ドア閉信号、かご呼び信号、乗場呼び信号、閉じ込
め信号等のエレベータ制御信号や、予め定めた時間が経
過すると信号を出力する図示せぬタイマの計時信号が、
画像制御装置１２ｃへ入力されると、この画像制御装置
１２ｃから画像データ入力装置１２ａやキャラクタージ
ェネレータ１２ｂへ制御信号が出力されるようになって
いる。また、この画像制御装置１２ｃは、乗場呼び釦１
３Ａの押圧操作が解除されてから所定時間（例えば５
秒）後、もしくは乗りかご２が停止してから所定時間
（例えば５秒）後、もしくは閉じ込め信号が入力されな
くなった時点で、モニタ装置１４への前記かご内映像信
号の送信を解除する制御信号を画像データ入力装置１２
ａに出力する。 【００１４】次に、図２のフローチャートを参照しつ
つ、上述した画像情報提供システムの動作について説明
する。通常は、テレビチューナ１１とインフォメーショ
ンユニット９からそれぞれ、表示切替ユニット１２の画
像データ入力装置１２ａへ入力されるテレビ映像と文字
情報が、前記計時信号に基づく画像制御装置１２ｃの制
御により所定時間（例えば１０秒）ごとに交互に選択さ
れて、乗場１３のモニタ装置１４に表示される（ステッ
プＳ１）。なお、インフォメーションユニット９から送
信される文字情報は例えば、館内案内情報や「防犯カメ
ラ作動中」等のメッセージである。そして、いま、乗場
１３の乗場呼び釦１３Ａが押圧操作されたとすると（ス
テップＳ２）、制御盤４から乗場呼び信号が画像制御装
置１２ｃへ出力されるので、この画像制御装置１２ｃは
画像データ入力装置１２ａに対し、タイムラプスＶＴＲ
８を介してテレビカメラ７から送信されるかご内映像信
号を選択してモニタ装置１４へ出力するよう指令すると
ともに、キャラクタージェネレータ１２ｂに対し、「防
犯カメラ作動中」という文字情報をテレビカメラ７の画
像に重畳させるよう指令する。その結果、乗りかご２内
を撮影するテレビカメラ７の画像がモニタ装置１４に映
し出される（ステップＳ３）ので、呼びが登録された乗
場１３で待機している人は、乗りかご２内の様子を把握
することができる。また、乗場呼び釦１３Ａの押圧操作
が解除されてから所定時間（例えば５秒）経過すると、
画像制御装置１２ｃに図示せぬタイマの計時信号が出力
されて、モニタ装置１４への前記かご内映像信号の送信
が解除され、ステップＳ４からステップＳ５へと移行す
る。そして、このステップＳ５では前記ステップＳ１と
同様に、テレビ映像と文字情報が所定時間（例えば１０
秒）ごとに交互に選択されてモニタ装置１４に表示され
るが、その間に乗りかご２が停止したと判定（ステップ
Ｓ６）されると、制御盤４のエレベータ制御信号（エレ
ベータ停止信号や故障検出信号、閉じ込め信号等）に基
づいて、乗りかご２内に乗客が閉じ込められる事故が発
生したのか否かが判定される（ステップＳ７）。そし
て、このステップＳ７において乗りかご２が正常に停止
したと判定された場合は、ステップＳ８へ移行して前記
ステップＳ３と同様に、乗りかご２内の様子がモニタ装
置１４に映し出されるが、閉じ込め事故が発生したと判
定された場合は、ステップＳ９へ移行して、乗りかご２
内を撮影するテレビカメラ７の画像に救出要請のメッセ
ージを重畳させるべくキャラクタージェネレータ１２ｂ
が制御されて、例えば図３に示すように、乗りかご２内
の映し出す画像７Ｂと、「乗りかごに閉じ込められまし
た。救出をお願いします。」という文字情報９Ａとを重
畳させた画像を、モニタ装置１４の画面１４Ａに表示す
る。 【００１５】このように本実施形態によれば、乗場１３
にいる人が乗場呼び釦１３Ａを押圧操作したり、乗りか
ご２が停止するたびに、乗りかご２内の様子が乗場１３
のモニタ装置１４に映し出されるので、乗りかご２内に
どのような人物が乗っていて他の階での乗降の様子はど
うなのかが、乗りかご２の到着を待っている間、乗場１
３にいながらにして把握できる。そのため、モニタ装置
１４を見て乗りかご２内の様子に不安を感じたときに
は、その乗りかご２の利用を見合わせることにより、身
の安全を確保することができる。また、本実施形態で
は、乗客が乗りかご２内に閉じ込められて閉じ込め信号
が発せられたときには、乗りかご２内の様子が乗場１３
のモニタ装置１４に映し出されるだけでなく、その画像
７Ｂに、閉じ込め事故の発生を伝える文書情報９Ａを重
畳させて表示するようになっているので、乗場１３に居
合わせた人は瞬時に閉じ込め事故の発生を把握すること
ができて、閉じ込められた乗客の早期救出が行える。さ
らにまた、本実施形態では、乗りかご２内の様子がモニ
タ装置１４に常時表示されるわけではなく、通常は、テ
レビチューナ１１やインフォメーションユニット９から
表示切替ユニット１２へ入力されるテレビ映像や文字情
報がモニタ装置１４に映し出されるようになっているの
で、乗場１３で乗りかご２の到着を待っている人にとっ
ては、モニタ装置１４から新鮮な情報が得られることに
なって手持ちぶさたの解消に役立つ。しかも、本実施形
態では、通常運転中に乗りかご２内の様子をモニタ装置
１４に映し出す場合、その画像に「防犯カメラ作動中」
という文字情報を重畳させているので、乗りかご２内に
おける犯罪を抑止する効果も高い。 【００１６】また、乗場１３に加えて乗りかご２内にも
モニタ装置１４を設けた場合は、乗客が走行中にモニタ
装置１４の映像を見ることで手持ちぶたさが解消できる
とともに、乗りかご２内に閉じ込められたときは、モニ
タ装置１４にて閉じ込め発生を知らしめていることが判
り不安感が緩和される。 【００１７】なお、乗りかご２内の様子がモニタ装置１
４に映し出されていないときにモニタ装置１４に提供す
る画像として、上述した実施形態ではテレビ映像と予め
用意された文字情報とを利用しているが、そのほかにも
各種の情報提供手段による画像情報が利用できることは
言うまでもない。 【００１８】 【発明の効果】本発明によるエレベータの画像情報提供
装置は以上説明したような形態で実施され、以下に記載
されるような効果を奏する。 【００１９】乗場にいる人が乗場呼び釦を押圧操作した
り、乗りかごが停止するたびに、乗りかご内の様子が乗
場のモニタ装置に映し出されるので、モニタ装置を見て
乗りかご内の様子に不安を感じたときにはその乗りかご
の利用を見合わせることにより、身の安全を確保するこ
とができて、乗りかご内での犯罪の発生を抑えることが
できる。 【００２０】また、乗客が乗りかご内に閉じ込められた
ときにも乗りかご内の様子が乗場のモニタ装置に映し出
されるので、その際、閉じ込め事故の発生を伝える文字
情報が併せてモニタ装置に表示されるように設定してお
けば、乗場に居合わせた人は瞬時に閉じ込め事故の発生
を把握することができるので、閉じ込められた乗客の早
期救出が行える。 【００２１】また、乗りかご内の様子がモニタ装置に映
し出されていないとき、テレビ映像信号や文書信号等の
他の画像信号がモニタ装置に送信されるように設定して
おけば、乗場にいる人にとってはモニタ装置から新鮮な
情報が得られることになるので、手持ちぶさたの解消に
役立つ。

【図面の簡単な説明】 【図１】本実施形態に係るエレベータの画像情報提供シ
ステムを示す要部ブロック図である。 【図２】同実施形態の動作を示すフローチャートであ
る。 【図３】同実施形態でモニタ装置に映し出された画像の
一例を示す説明図である。 【符号の説明】 ２ 乗りかご ４ 制御盤 ７ テレビカメラ ８ タイムラプスＶＴＲ ９ インフォメーションユニット（記憶情報提供手段） １０ アンテナ １１ テレビチューナ １２ 表示切替ユニット １２ａ 画像データ入力装置 １２ｂ キャラクタージェネレータ（画像重畳手段） １２ｃ 画像制御装置 １３ 乗場 １３Ａ 乗場呼び釦 １４ モニタ装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 義博 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 矢内 中 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株式会社日立ビルシステム内 (56)参考文献 特開 平８−59118（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−1553（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−81859（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−330232（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−172720（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B66B 3/00

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 乗りかご内を撮影するテレビカメラの画
   像が、乗場に設置されたモニタ装置に映し出せるように
   してあるエレベータの画像情報提供装置において、 前記テレビカメラから出力されるかご内映像信号と、前
   記テレビカメラ以外のアンテナを介して入力されるテレ
   ビ映像信号を選択的に出力するテレビチューナと、及び
   記憶媒体に予め記憶された複数種類の文書信号を選択的
   に出力する記憶情報提供手段とを用いた情報提供手段か
   ら出力される画像信号とが入力される画像データ入力手
   段と、少なくとも、乗場呼び釦の押圧操作を検出する乗
   場呼び押圧検出信号、もしくは乗りかごの停止を検出す
   るエレベータ停止信号、もしくは乗客が乗りかご内に閉
   じ込められたことを検出する閉じ込め信号が入力された
   ときに、前記かご内映像信号が前記モニタ装置へ出力さ
   れるようになす画像制御手段と、この画像制御手段に前
   記閉じ込め信号が入力されたとき、前記画像重畳手段が
   前記かご内映像信号に所定の文書信号を重畳させる画像
   重畳手段とを備え、前記乗場呼び釦の押圧操作が解除さ
   れてから所定時間後、もしくは乗りかごが停止してから
   所定時間後、もしくは前記閉じ込め信号が入力されなく
   なった時点で、前記モニタ装置への前記かご内映像信号
   の送信が解除するように設定したことを特徴とするエレ
   ベータの画像情報提供装置。