JP3408567B2 - 合成シリカガラス及びその製造方法 - Google Patents

合成シリカガラス及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成シリカガラス、特
に紫外領域、例えばエキシマレーザ−などに使用される
光学部品、超LSI用フォトマスク基板、ステッパー用
光学材料などに使用される合成シリカガラス及びその製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超LSIの高集積化に伴い、露光
源の短波長化が進展し、エキシマレーザーを光源とする
リソグラフィー工程の開発が進んでいる。エキシマレー
ザは、主として紫外線領域で発振する高出力のパルスレ
ーザーで、ガスの組合せにより、XeF(350n
m)、XeCl(308nm)、F2(157nm)な
どがあり、このうち、リソグラフィー関係で問題にされ
ているのは、KrFおよびArFレーザーである。
【0003】エキシマレーザーを光源とするリソグラフ
ィー工程では、パターン転写のため、通常縮小投影機
(ステッパ)を用いて写真のネガに相当するレチクルに
刻まれたパターンをウエハー上に転写する。このとき、
ステッパー用の照明系および投影用のレンズ材料とし
て、シリカガラスが用いられる。
【0004】また、レチクルの基板材料としてもシリカ
ガラスが用いられ、シリカガラスは、エキシマレーザー
などの短波長の光に対する透過特性に優れている。しか
しながら、製造条件により微妙に異なるガラス中の欠陥
構造や、溶存ガス分子、微量の金属不純物に起因して、
エキシマレーザーの照射により発光や吸収が生じ、発熱
により光学系が変形したり、屈折率の変化によりパター
ンの歪みが生じ、所期の解像度が得られなくなる欠点が
ある。このため、エキシマレーザーの照射により発光や
吸収が生じない材料が要求されている。
【0005】また、シリカガラスは、水銀ランプの輝線
であるg線(435nm)やi線(365nm)を光源
とするリソグラフィー工程において用いられるパターン
転写用の写真乾板であるフォトマスクの材料としても用
いられている。これは、シリカガラスの熱膨張係数が約
5×10-7-1と通常のガラスよりも約一桁小さく寸法
安定性に優れているためである。
【0006】フォトマスク作製工程中のスパッタリング
やプラズマエッチングなどの工程において、フォトマス
クの素材であるシリカガラスが劣化し、吸収を生じる場
合がある。このような工程で吸収が生成しない材料を選
別する方法として、特開平1−18965に示すよう
に、KrFエキシマレーザーを照射したとき650nm
にピークをもつ赤色発光が生じないような材料を用いれ
ば、フォトマスク製造工程で発光、吸収の生成が無い材
料を得ることができる。
【0007】しかしながら、選別により製造することは
製品歩留まりが悪く、効率的でない。そこで、特開平1
−201664に示すように水素中で熱処理することに
より所望の材料がえられるが、このように水素中で熱処
理を行うという工程がふえるばかりでなく、このように
して改質した材料をアニールすると発光・吸収が再び生
じるようになる。
【0008】そこで、さらに特開平2−64645に示
すように合成時の火炎を水素過剰の状態にするという方
法が開発された。
【0009】一方、ArFエキシマレーザー用の光学材
料の製造方法も、KrFレーザー用の光学材料とほぼ同
様の方法でおこなわれているが、ArFレーザーなどの
より短波長のレーザー用の光学材料としては不十分であ
る。すなわち、ArFレーザーを照射した場合、KrF
レーザー照射時にみられる650nmの赤色発光の他に
280nmあるいは450nm付近の紫外域の発光が生
じたり、215nmに吸収帯が生成したりする。それら
の発光、吸収の生成は、もともとの素材で赤色発光の生
じにくい材料で著しい。
【0010】そこで、特開平4−21540および特開
平4−13001に示すごとく、水素過剰の火炎中でシ
リカガラスを合成したのち、非還元性の雰囲気で熱処理
することによりArFおよびKrFレーザー照射でも発
光も吸収も生じない材料の製造方法が開発された。
【0011】これらの製造方法は、いずれも酸水素火炎
中で四塩化珪素などの珪素化合物を高温で加水分解し、
直接堆積ガラス化する直接法とよばれる方法で合成した
ものである。
【0012】また、工業的に用いられているシリカガラ
スの合成方法としては、直接法の他に四塩化珪素の酸・
水素火炎中での加水分解を比較的低温でおこない、シリ
カの多孔質体を合成したのちさらに高温で焼結ガラス化
する方法で合成したスート法がある。
【0013】スート法はガラス生成速度が速いため、2
段階法であるにもかかわらず直接法に比べて生産効率の
面で優れている。また、スート法は、生産効率の面ばか
りでなく、2段階法であるため微量元素のドーピングや
焼結前に各種ガス中での熱処理が可能であるためその性
質を調整する上での自由度が大きく、例えば通信用の光
ファイバーでは、少なくとも屈折率の異なる2つの相が
必要となるが、GeO2やフッ素をドープすることによ
り屈折率の制御が可能となる。
【0014】また、光ファイバーでは、1.55μmの
波長の近赤外線を用いるが、光ファイバー中にOH基が
存在すると1.4μmにOH基による吸収が存在するた
め、光の伝送効率が著しく低下する。このような、OH
基の無い石英ガラスは、スートを焼結ガラス化する前に
塩素ガス中で熱処理することにより得られる。
【0015】また、スートから単純にガラス化したシリ
カガラスは、OH基濃度が数十〜300ppm程度と低
いため、直接法シリカガラスに比べて高温での粘性が高
く耐熱性の面で優れている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、直接法のシリ
カガラスは、生産速度が遅く、生産効率が悪く、また、
酸水素火炎中で合成するため、OH基を500〜150
0ppm程度含み、高温での粘性が低く耐熱性が弱いと
いう欠点がある。
【0017】また、スート法により合成したシリカガラ
スは、エキシマレーザーなどの紫外線の照射により吸収
・発光が生じやすいという欠点がある。つまり、光ファ
イバーに用いられるスート法シリカガラスは、ガラス中
のOH基を除去するために、焼結前に多孔質体を塩素ガ
ス雰囲気中で熱処理してOH基をClに置換したのちガ
ラス化しているが、この種の合成シリカガラスにKrF
あるいはArFエキシマレーザーを照射すると、290
nmおよび450nmにピークをもつ発光が生じるばか
りではなく、もともとの素材において245nmにピー
クをもつ吸収帯が存在し、光学材料としては適さず、こ
の245nmの吸収帯は酸素欠乏欠陥(≡Si−−Si
≡)によるものであるため、エキシマレーザー、特にK
rFレーザー用光学材としては不適当である。
【0018】また、245nmの吸収帯は、水素中で熱
処理することにより無くなるが、KrFまたはArFエ
キシマレーザーを照射すると215nmに吸収帯が生
じ、215nmの吸収帯はE´中心とよばれる≡Si・
構造によるもので、不活性ガス、酸化雰囲気あるいは真
空中で熱処理しても245nmの吸収帯は変化しない。
したがってOHを含まないスート法シリカガラスはエキ
シマレーザー用光学材料として適当な雰囲気中での熱処
理により改質することは困難である。
【0019】一方、塩素処理せずにガラス化したスート
法シリカガラスはOH基を数十〜300ppm程度含む
が、紫外域に吸収帯が存在せず、直接法シリカガラスと
同様の優れた紫外線透過特性を示すが、KrFあるいは
ArFエキシマレーザーの照射やプラズマエッチングに
より、650nmにピークをもつ赤色発光を伴う260
nmの吸収帯が生じ、スート法シリカガラスもKrFレ
ーザー等のエキシマレーザー用光学材料や、フォトマス
ク用の材料としては不適当である。
【0020】本発明は、OH基を有するスート法シリカ
ガラスの難点を克服し、650nmの発光帯の生成を抑
制し、エキシマレーザーやプラズマエッチングに対して
耐久性のある材料を得ることを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】650nmの発光帯の原
因は、シリカガラス中に過剰に存在する酸素に関連して
いることが知られているが、発光の原因については2〜
3の説がある。ひとつは、パーオキシリンケージ(≡S
i−O−O−Si≡)を前駆体として、エキシマレーザ
ーによって生じたパーオキリラジカル(≡Si−O−O
・)あるいは、非架橋酸素欠陥(≡Si−O・)による
というもの、いまひとつは、溶存酸素分子を前駆体とす
るもので、エキシマレーザー照射による光分解で生じた
酸素分子が溶存酸素分子と反応しオゾン分子を形成し、
さらに、そのオゾンが光分解する際に650nmの赤色
発光を生じるというものである。そこで、本発明者は、
これらの前駆体を如何に除去すれば発光帯の生成を抑制
することができるかを鋭意研究した。
【0022】その結果、OH基を有するスート法シリカ
ガラスを不活性ガス中又は真空中で熱処理すれば、赤色
発光の原因と思われる前駆体が消去され、発光、吸収を
防止でき、スート法シリカガラスも650nmの発光帯
の生成を抑制し、エキシマレーザーやプラズマエッチン
グに対して耐久性のある優れた紫外線用光学材料が得ら
れるとの知見を得て本発明を完成した。
【0023】つまり、本発明は、四塩化珪素を酸水素火
炎中で加水分解し、気相中でシリカの多孔質体を形成し
たのち、その多孔質体を高温で熱処理することにより透
明ガラス化して得たOH基を50ppm以上含むスート
法シリカガラスを、さらに不活性気体中または真空中で
800〜2000℃で加熱処理することにより、エキシ
マレーザー照射またはプラズマエッチング前後とも吸収
帯が観測されず、波長が300nm以下の紫外線照射、
スパッタリング、ドライエッチングにより吸収が生じる
ことなく、かつ650、280〜300、400、45
0nm付近にピークをもつ発光が生じない合成シリカガ
ラス、及び、その製造方法を提供するものである。
【0024】
【作用】スート法シリカガラスは四塩化珪素を酸水素火
炎中で加水分解することにより合成したシリカ多孔質体
をさらに高温で熱処理してガラス化するもので、シリカ
の多孔質体は、直径が0.1〜0.2μm程度のシリカ
粒子から成り立っており、粒子の表面には、OH基が存
在している。これを塩素中で熱処理すると、≡Si−O
Hの水酸基が置換されて≡Si−Clとなり、これをガ
ラス化したものの中にはOH基は存在しなくなる。これ
は、OH基がシリカ粒子の表面のみに存在しているもの
と考えられる。
【0025】しかし、ガラス化過程において、シリカ表
面に存在するOH基は、 〔シリカ粒子〕−OH + HO−〔シリカ粒子〕 …→〔シリカ粒子〕−O−O−〔シリカ粒子〕+H2 (1) または、 〔シリカ粒子〕−OH + HO−〔シリカ粒子〕 …→〔シリカ粒子〕−O−〔シリカ粒子〕+H2O (2) の反応によって、粒子の融着が生ずる。
【0026】そして、シリカ粒子中での(1)の構造
は、赤色発光の原因となり、エキシマレーザーの照射に
より ≡Si−O−O−Si≡ …→ ≡Si−O・・O−Si≡ (3) となる。このとき、≡Si−O・により赤色発光が生じ
るものと考えられる。
【0027】一方、溶存酵素モデルに基づくならば、 ≡Si−O−O−Si≡ …→ ≡Si−O−Si≡ +1/2O2 (4) の反応によりO2分子が生じ、ガラス化過程に於いて、
かなりの割合の酸素分子は系外に排出されるが、一部取
り残され、赤色発光の原因となる。
【0028】一方、(2)式の場合に対して溶存酵素モ
デルでは次のように説明できる。つまり、H2OがSi
−OH基に水素結合によってくっつき、電子の非局在化
によって
【化1】 (… は水素結合を表す)の構造の組替えがおこる。H
2はガラス網目中を拡散できるが、O2は拡散しにくいた
め、取り残され、この残存O2分子が赤色発光の前駆体と
なる。
【0029】いずれにしても、赤色発光の前駆体はスー
ト融着界面に関係している。本発明は、これを特定条件
下で熱処理することにより赤色発光を抑制できることを
見出したもので、熱処理としては、真空中あるいは不活
性ガス中での熱処理が有効となり、不活性ガスとして
は、ヘリウム、アルゴン、窒素が挙げられる。
【0030】赤色発光防止のメカニズムは、以下のよう
に考えられる。パーオキシリンケージを前駆体とするモ
デルに基づくならば、熱処理により(4)式の反応が生
じ、赤色発光の前駆体が除去される。一方、溶存酸素説
に基づくならば、溶存O2はエキシマレーザー照射によ
り光分解し、O原子が生じ、このO原子がガラス網目中
を拡散し、他のO2分子と反応することによりO3が生じ
る。このO3がエキシマレーザー光を吸収することによ
り、光分解する過程で赤色発光が生じる。そのため溶存
2分子間の平均最近接距離が小さいほど赤色発光が強
くなる。熱処理前に溶存O2は、融着界面に存在してい
るが、熱処理によりガラス中に均一に分散し、平均最近
接分子間距離が増大して赤色発光強度は弱くなると考え
られる。
【0031】酸素中で熱処理すると、酸素ガスがガラス
内部に拡散して、かえって赤色発光強度が増してしまい
好ましくない。また、直接法シリカガラスでは、赤色発
光の防止に水素中での熱処理が有効であるが、水素中で
熱処理を行うと、欠陥が生じ、エキシマレーザー照射に
よって215nmにE´中心による吸収帯が生成してし
まう。
【0032】この熱処理条件の違いは、スート法シリカ
ガラスでは、直接法シリカガラスと比べてOH濃度が低
く、スートの融着した界面が存在するため、その界面に
Si−O−Si結合角が平衡値から大きくくずれたもの
が多数存在し、それが水素と反応して次のような機構で
E´中心の前駆体が生成するものと考えられる。
【0033】 ≡Si−O−Si≡ −→ ≡Si−H HO−Si (6) この前駆体からE´中心が
【化2】 のように生成する。
【0034】OH基を有するスート法シリカガラスのこ
の前駆体を不活性ガス中又は真空中で熱処理することに
よって発光が生じない合成シリカガラスを得ることがで
きる。
【0035】熱処理温度は800〜2000℃が好まし
く、800℃未満では効果がなく、また2000℃を超
えると材料が昇華するなど問題がある。
【0036】なお、エキシマレーザーとしては、KrF
レーザー、ArFレーザー、F2レーザー、または、K
rClレーザーをもちいることができる。
【0037】
【効果】本発明は、OH基を有するスート法シリカガラ
スの難点を克服し、波長が300nm以下の紫外線照
射、スパッタリング、ドライエッチングにより吸収が生
じることなく、かつ650、280〜300、400、
450nm付近にピークをもつ発光、吸収を防止でき、
エキシマレーザーやプラズマエッチングに対して耐久性
のある優れた紫外線用光学材料を得ることができる。
【0038】
【実施例】
実施例1〜12 四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解することによりシ
リカの多孔質体を合成したのち、ヘリウム中で加熱処理
することによりOH濃度50、150ppmのシリカガ
ラスを合成し1〜12のサンプルを得た。それぞれのサ
ンプルにArFおよびKrFエキシマレーザーを照射し
たところ、強い赤色発光が観測された。次いで、これら
のサンプルを表1に示す条件で熱処理したところ、いず
れの場合も赤色発光および吸収帯の生成はみられなかっ
た。その結果を表1に示す。また、650、280〜3
00、400、450nmのいずれも発光がみられなか
った。
【0039】比較例13〜16 四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解することによりシ
リカの多孔質体を合成したのち、ヘリウム中で加熱処理
することによりOH濃度50、150ppmのシリカガ
ラスを合成し13〜16のサンプルを得た。得られたサ
ンプルを表1に示す条件で熱処理したところ、650n
mに赤色発光が認められた。その結果を表1に示す。吸
収帯生成は、OH濃度150ppmのサンプルについて
のKrFエキシマレーザー照射の場合については、見ら
れないものの他は全て吸収帯生成が認められた。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−80343(JP,A) 特開 平4−130031(JP,A) 特開 平5−186234(JP,A) 特開 平5−238758(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 8/04 C03B 19/14 C03B 20/00 C03C 1/00 - 14/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】OH基を50〜250ppmに調整したス
    ート法シリカガラスを不活性ガス中又は真空中で800
    〜2000℃で熱処理し、波長が300nm以下の紫外
    線照射、スパッタリング、ドライエッチングにより吸収
    が生じることなく、かつ650、280〜300、40
    0、450nm付近にピークをもつ発光が生じない合成
    シリカガラス。
  2. 【請求項2】四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解し、
    気相中でシリカの多孔質体を形成し、OH基を50〜2
    50ppmに調整し、高温で熱処理することにより透明
    ガラス化して得たスート法合成シリカガラスを、さらに
    不活性ガス中または真空中で800〜2000℃で熱処
    理する合成シリカガラスの製造方法。
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