JP3407845B2 - 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法 - Google Patents

熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法

Info

Publication number
JP3407845B2
JP3407845B2 JP26922996A JP26922996A JP3407845B2 JP 3407845 B2 JP3407845 B2 JP 3407845B2 JP 26922996 A JP26922996 A JP 26922996A JP 26922996 A JP26922996 A JP 26922996A JP 3407845 B2 JP3407845 B2 JP 3407845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
steel strip
scale
hot
pickling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26922996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09164417A (ja
Inventor
哲彦 岡野
俊典 三喜
正樹 大塚
淳也 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP26922996A priority Critical patent/JP3407845B2/ja
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to EP96932826A priority patent/EP0796675B1/en
Priority to CN01124090.3A priority patent/CN1184026C/zh
Priority to US08/849,215 priority patent/US6210501B1/en
Priority to DE69625997T priority patent/DE69625997T2/de
Priority to CN96191202A priority patent/CN1079303C/zh
Priority to KR1019970703903A priority patent/KR100229819B1/ko
Priority to PCT/JP1996/002903 priority patent/WO1997013596A1/ja
Publication of JPH09164417A publication Critical patent/JPH09164417A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3407845B2 publication Critical patent/JP3407845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延鋼帯を高圧下圧延
することにより酸洗負荷を軽減したディスケーリング方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延された鋼帯は、酸化物を主体と
するスケールで表面が覆われている。この熱延鋼帯を、
そのまま冷延等の下工程に送ると、熱延スケールに起因
する表面疵やクラック等の欠陥が発生する原因となる。
そこで、通常、酸洗によって熱延スケールを除去し、熱
延鋼帯を下工程に搬送している。この方法では、酸洗設
備,廃酸処理,脱スケール能の調整等の点で問題があ
り、また酸洗時に発生する水素の侵入によって鋼材の特
性が劣化する虞れもある。
【0003】酸洗に起因する諸問題を解決するため、酸
洗工程に送り込まれる熱延鋼帯のスケールを除去する方
法が種々検討されている。たとえば、スケールが付着し
た熱延鋼帯を高圧下率で冷間圧延すること(以下、黒皮
圧延という)が特公昭54−133460号公報,特開
昭57−41821号公報,特開昭57−10917号
公報等で紹介されている。高圧下率の冷間圧延により、
スケールに亀裂が発生し、また鋼帯に対する付着力が低
下するので、ショットブラスト,高圧水噴射,ブラッシ
ング,砥粒研削等により冷間圧延後の鋼帯から容易に分
離される。その結果、酸洗槽に搬入される熱延鋼帯に付
着しているスケールが少なくなり、酸洗工程の負荷が軽
減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱延鋼帯を高圧下率で
黒皮圧延するとき、確かに酸洗工程の負荷が軽減される
ものの、鋼帯表面から剥離したスケールの破片が鋼帯表
面に付着・残存し易い。この場合のスケールは、熱延鋼
帯をテンションレベラーに通板したときに生じるスケー
ルと異なり、鋼帯表面に対する密着性が強い。そのた
め、酸洗槽に送り込まれるスケールが多く、予期したほ
どに酸洗負荷を軽減することができない。しかも、高圧
下圧延で熱延鋼帯から剥離したスケールの破片が鋼帯表
面に圧着され、或いは押し込まれ、酸洗工程での除去が
困難になり、後続する冷間圧延工程で表面疵等の欠陥を
発生させる原因となり易い。そのため、たとえば砥粒研
削等によってスケール破片を除去しているが、依然とし
て鋼帯表面に残留するものがある。
【0005】本発明者等は、酸洗負荷の軽減に有効であ
る黒皮圧延の長所を活かすことを狙って、製品に表面疵
を発生させる残留スケールに対する対策を種々検討し
た。その結果、黒皮圧延後の鋼帯表面をブラッシング及
びスプレー処理するとき残留スケールのほぼ全量が除去
されること、また圧延機のワークロールに熱延鋼帯から
転写されたスケール片をポリッシャー,高圧水スプレ
ー,スクレーパ等で取り除くとき、鋼帯表面に残留する
スケール自体も大幅に少なくなることを見い出し、別途
出願した。このようにして、酸洗前の圧延で効率よくデ
ィスケーリングし、酸洗槽に持ち込まれるスケールを減
少させるとき、酸洗負荷が軽減される。本発明は、酸洗
前の高圧下圧延によるディスケーリング法を更に改良し
たものであり、後続するスプレー処理で容易に除去され
る水溶性圧延油の水溶液を圧延時の潤滑に使用すること
により、酸洗槽に異物が混入することを防止すると共
に、優れた表面性状をもつ鋼帯を酸洗槽に搬入し、負荷
が軽減された酸洗を可能にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のメカニカルディ
スケーリング方法は、その目的を達成するため、表面に
熱延スケールが付着している熱延鋼帯を圧下率10〜5
0%で冷間圧延した後、ブラッシングを施すことにより
熱延スケールを機械的に除去し、次いで酸洗槽に搬入し
てディスケーリングする際、冷間圧延機のワークロール
と鋼帯との間に、下記(1)式で示される摩擦係数μを
もつ水溶性圧延油を含む水溶液を供給することを特徴と
する。 0.05〜(0.15+α×R+β×γ) ・・・(1) ただし、α:1/7500(定数),β:−1/250
0(定数),γ:圧下率(%),R:圧延ロール径(m
m) 水溶性圧延油としては、高圧下圧延された鋼帯を洗浄す
る際に鋼帯から容易に洗い流される油脂,合成エステ
ル,鉱油又はその混合油を主成分とする油等が使用され
る。
【0007】本発明に従ったラインは、図1に示すよう
に構築される。熱延スケールが付着したままの熱延鋼帯
1は、ペイオフリール2から巻き戻され、ブライドルロ
ール3を経て冷間圧延機4で高圧下圧延される。熱延ス
ケールは、高圧下圧延によって亀裂,粉砕され、鋼帯1
から剥離される。鋼帯表面に残留しているスケール粉砕
物をブラシロール5で除去した後、更にスプレー装置6
に導入され、スプレーノズル7から高圧水を吹き付ける
ことによって鋼帯の表面が清浄化される。このとき、水
溶性圧延油を使用しているので鋼板付着油分も同時に洗
浄される。そのため、酸洗槽への油分持込みが防止さ
れ、廃酸処理時の処理設備が油分で汚染される問題がな
くなる。このように処理された鋼帯は、次いで酸洗槽8
に送り込まれ、表面に僅かに残っているスケールが酸洗
除去される。
【0008】冷間圧延機としては、ポリッシャー,スプ
レーノズル又はスクレーパを周面に対向させたワークロ
ールを備えたものが好ましい。この場合、熱延鋼帯から
ワークロールの周面に転写された熱延スケールの粉砕物
は、圧延ロールの表面に対向配置したポリッシャー,ス
プレーノズル,スクレーパ等によってロール表面から除
去され、系外に排出される。ポリッシャー,スプレーノ
ズル,スクレーパ等は、回転方向に関して圧下点よりも
下流側の位置でワークロールの周面に対向配置すること
が好ましい。また、ワークロールに接して回転するバッ
クアップロールに対しても、同様なポリッシャー,スプ
レーノズル,スクレーパ等を設けてもよい。
【0009】冷間圧延機4は、圧下率が10%以上(好
ましくは、40%以上)となるように調整される。この
ような高圧下率が熱延鋼帯1のディスケーリングに有効
である理由を、本発明者等は次のように考察した。熱延
鋼帯1の表面に形成されているスケールは、主としてF
34で構成されるが、概念的には内部から表層に向か
って酸素濃度が順次高くなるFeO層,Fe34層及び
Fe23層が基地鋼の表面に積層された構造をもつもの
と考えられる。実際、急冷した鋼帯ほどFeO層が厚く
なる傾向を示す。スケール層は、弱脱酸鋼では9〜10
μmと比較的厚く、Ti脱酸鋼では6〜7μmと比較的
薄くなっている。
【0010】スケール層の大半を占めるFe34 層及
びFe23 層は硬質で脆く、比較的低い圧下力でもク
ラックが入り易い。たとえば、酸洗の前工程として組み
込まれている従来のテンションレベラー程度の圧下力
(約2%)や機械的な繰返し曲げ加工でも、クラックが
入り剥離する。硫酸酸洗でみられるような機械的な繰返
し曲げを与える装置でも、Fe23 層,Fe34
に亀裂を付けることができる。これに対し、基地鋼との
界面にあるFeO層は、展延性があり、低い圧下率では
基地鋼の伸びに従って変形する。そのため、テンション
レベラー程度の圧下力で下地鋼から剥離せず、酸洗槽に
持ち込まれる。しかし、圧下率を高く設定すると、基地
鋼とFeO層との変形量の差が大きくなり、基地鋼の伸
びに追従できなくなったFeO層にクラックが発生す
る。実際、冷間圧延で熱延鋼帯表面から剥離したスケー
ルの粉砕物を調査してみると、圧下率が低いときには剥
離したスケールが粉粒状であるのに対し、圧下率の上昇
に伴って粉砕物のサイズが大きく鱗片状になってくるこ
とが観察される。この圧下率に応じた剥離スケールの状
態変化は、高圧下率の圧延になるほどスケール層の内
部,換言すればFeO層まで入ったクラックを起点とし
てスケール剥離が生じ、スケール剥離量が多くなる原因
であると推察される。その結果、圧延後の鋼帯表面に残
存するスケールが大幅に少なくなる。
【0011】しかし、鱗片状で剥離したスケール片は、
鋼材表面に対する付着性が強く、鋼帯から剥離されたも
のであっても、圧延ロール表面に移し取られた後、再度
鋼帯表面に圧着又は押し込まれる場合もある。そこで、
本発明者等は、冷間圧延後の鋼帯表面をブラッシングす
ることにより鋼帯表面から残存スケールを除去すると共
に、圧延ロール表面に付着しているスケール片を除去す
る方法を試みた。その結果、予想以上にスケールの除去
が行われ、酸洗槽8における酸洗条件が大幅に緩和され
ることを見い出した。これは、高圧下圧延によってスケ
ール層にクラックが深く入り、そのクラックを起点とし
てブラッシングによる剥離力がスケール層の深部まで行
き渡ることに起因するものと考えられる。また、ブラッ
シング中或いはブラッシング後に、高圧温水を使用して
スプレー処理すると、鋼帯表面に残留しているスケール
片の除去が一層確実となる。
【0012】冷間圧延機4では、熱延鋼帯1が高圧下率
で冷間圧延される。そのため、ワークロールと熱延鋼帯
1との間に潤滑を図ることが必要とされる。しかし、通
常の油性潤滑剤を使用すると、圧延後の鋼帯表面に残留
している油分が酸洗槽8に持ち込まれ、廃酸の処理等に
支障を来す。そこで、本発明においては、スプレー装置
6のスプレーノズル7から噴射される高圧水によって十
分洗い流される水溶性圧延油を含んだ水溶液が使用され
る。水溶性圧延油を含んだ水溶液は、圧延時に鋼帯から
スケールの剥離を促進させる上でも有効である。圧延時
のメタルフローは、図3(a)に示すように不均一変形
である。また、鋼板の表面近傍と厚み方向中心部には、
図3(b)に示すように変形程度の差がある。この圧延
形態及びスケール層と素地鋼の延性差により、スケール
層に剥離が生じる。
【0013】この程度は、ワークロールと鋼板表面(ス
ケール面)間に働く摩擦係数μが大きいとき、表面に働
く剪断力τ(=μP)も大きくなる。そのため、鋼板表
面の拘束力が大となり、板厚方向の不均一変形が大き
く、結果としてスケールが剥離する。通常の冷間圧延で
は、かなり潤滑性の良好な圧延油を用いてロールと鋼帯
間の摩擦係数を0.03程度とし、圧延荷重やミルモー
タ電力を低減し、高圧下率を達成している。この圧延油
は、通常1〜5%程度の水溶液を使用し、水によるロー
ルバイト部の冷却も兼ねて焼付き等の防止も図ってい
る。これに対し、本発明では、黒皮圧延による脱スケー
ルという観点から、図3に示す内部まで大きな変形を起
こさせることが重要である。そのため、摩擦係数の高い
ものを使用することが望ましく、圧延油の潤滑性を多少
落とした状態で圧延を行う。すなわち、水溶性圧延油を
含む水溶液によって圧延材の潤滑性を適度に調整する。
【0014】水溶性圧延油として、0.05〜(0.1
5+α×R+β×γ)[ただし、α:1/7500(定
数),β:−1/2500(定数),γ:圧下率
(%),R:圧延ロール径(mm)]の範囲にある摩擦
係数μをもつものを使用するとき、大きな塑性変形が得
られ、スケール層の剥離が促進される。摩擦係数μは、
脱スケール性を向上させる上で0.05以上が有効であ
る。しかし、摩擦係数μが高過ぎると、圧延時のミルモ
ータ電力や荷重等が増大する。電力費,荷重,トルクを
考慮したミル建設コスト等で占められる圧延コストは、
図4に示すように圧延潤滑性に応じて減少するが、酸洗
液量,酸洗セクション建設コスト等で占められる酸洗コ
ストは逆に上昇する。
【0015】熱延鋼帯を高圧下圧延するとき、基地鋼の
展延に追従できないスケールには、亀裂,層間剥離等が
生じ、基地鋼に対する密着性が低下する。このような鋼
帯をブラッシングするとき、スケール層に発生している
隙間にブラシ毛が入り込み、鋼帯表面からスケールが除
去される。ブラシロール5としては、シリカ系,アルミ
ナ系等の砥粒入りナイロンブラシ等が使用される。ま
た、砥粒入りのブラシロールを使用すると、スケールの
除去が一層促進される。ブラッシングは、大きな脱スケ
ール力で鋼帯表面全域に作用する。ブラッシング後にも
残留しているスケールは、スプレー装置6に搬入され、
スプレーノズル7からたとえば10〜50kgf/cm
2程度の高圧水が吹き付けられる。これにより、基地鋼
を傷付けることなく、残留スケールと共に圧延時の潤滑
に使用された水溶性圧延油を含む水溶液が洗い流され
る。また、残留圧延油分があっても、水性であることか
ら酸洗槽8内の酸液に、また廃酸処理に悪影響を与える
ことがない。
【0016】ブラッシング及びスプレーにより、大半の
スケールが鋼帯表面から除去されるので、酸洗処理で取
り除くべきスケールは極く僅かなものとなる。そのた
め、酸洗負荷が大幅に軽減される。また、ブラッシング
後のスプレーで使用する高圧水として、80〜95℃に
保持された温水を使用するとき、高圧下冷延に起因する
加工熱で昇温した鋼帯を降温させることなく酸洗槽に搬
入できる。また、圧延時の潤滑に使用された水溶性圧延
油を含む水溶液も効率よく除去される。そのため、酸洗
浴の温度低下や異物混入が抑制され、一定した酸洗条件
下での処理が可能になると共に、酸洗浴の温度補償に必
要なエネルギーも節減される。
【0017】
【実施例】板厚2.7mmの熱延鋼帯を、図1に示すデ
ィスケーリングラインで酸洗に先立って圧下率50%で
冷間圧延した。熱延鋼帯としては、表1に示す成分・組
成を持ち、表面に平均厚み7〜15μmの熱延スケール
が付着したままの熱延鋼帯を使用した。また、圧延中
に、水溶性圧延油を含む水溶液を直径450mmのワー
クロールと熱延鋼帯1との間に流量4.5Nm3/分で
供給した。水溶性圧延油の摩擦係数は、0.05〜0.
19(=0.15+450/7500−50/250
0)の範囲内で調整した。
【0018】
【0019】水も含めた潤滑剤不使用、すなわちドライ
圧延とした場合、冷却能力不足によりロールバイト部で
温度上昇を起こし、焼付きの原因となる。また、油性潤
滑剤を使用した場合、酸タンク前での油分洗浄を十分に
行わないと、酸洗槽へ油分が混入し、廃酸処理設備が油
分で汚染され、たとえば廃酸処理で通常採用されている
噴霧焙焼等でノズルフィルターのメンテナンス負担が大
きくなる。他方、水や高圧下圧延後のブラッシング及び
スプレー処理で容易に鋼帯付着分が洗浄される水溶性圧
延油を使用すると、冷却能力不足によるロールバイト部
での冷却不足が発生せず、酸タンク前の黒皮鋼帯用のブ
ラッシング及びスプレー処理で容易に油分が除去される
ため酸洗槽への油分の混入がなく、黒皮圧延における脱
スケール性確保のための適正なロール−鋼帯間の摩擦係
数の確保とミルモータ電力,荷重等の低減の両者の適正
なバランスをたとえば濃度の調整により容易に行うこと
が可能となる。
【0020】このように、水溶性圧延油を含む水溶液を
使用して圧延することにより、冷却不足,酸洗槽の油分
による汚染,脱スケール性確保とミルモータ電力,荷重
等の低減の両立を効果的に達成できた。なお、冷間圧延
の荷重計算に通常用いられるHillの近似式で摩擦係
数を逆算すると、本実施例では表2に示すように0.0
5〜0.2程度の摩擦係数となっており、通常の冷間圧
延の0.03程度に比較して相当高い値であった。しか
し、脱スケール性を向上させる上では、このサイズにつ
いては適正な範囲であった。また、スプレー装置6を通
過した後の鋼帯の表面を観察したところ、鋼帯表面に残
留する異物は皆無であった。
【0021】スプレー処理された鋼帯を、90℃に保持
した塩酸系酸液を収容した酸洗槽8に通板し、6秒間浸
漬する酸洗処理を施した。酸洗後の鋼帯は、何れの場合
も残留スケールがない良好な表面をもっていた。また、
摩擦係数μがスケール剥離状況に及ぼす影響を調査した
ところ、表2にみられるように、摩擦係数μが低い領域
では剪断力τ(=μP)が小さく、スケール剥離性が低
下していた。しかし、摩擦係数μが大き過ぎると、却っ
てスケール剥離性が低下した。これは、摩擦係数μの上
昇に応じて圧延荷重が大きくなり、ロールバイト部の面
圧も高くなるため、基地鋼に対してスケールが圧着され
た結果である。
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、熱延鋼帯を高圧下圧延でディスケーリングする際、
ワークロールと鋼帯との間に水溶性圧延油を含む水溶液
を供給しながら圧延している。供給された水溶性圧延油
を含む水溶液は、後続するスプレー工程で鋼帯表面から
洗い流されるため、酸洗槽に持ち込まれることがない。
また、残留する水溶性圧延油があっても、水性であるこ
とから酸液やその廃酸処理に悪影響を与えることがな
い。このようにして、本発明によるとき、酸洗浴の長寿
命化も図られ、酸洗浴の劣化も抑えられる。また、酸洗
負荷が減少し、酸洗時間の短縮,酸洗設備の小規模化や
低濃度酸液の使用等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った熱延鋼帯のディスケーリング
ライン
【図2】 熱延鋼帯表面に形成されているスケールの層
構成
【図3】 高圧下圧延時のメタルフロー(a)及び変形
領域(b)
【図4】 圧延時の潤滑性が圧延コスト及び酸洗コスト
に及ぼす影響
【符号の説明】
1:熱延鋼帯 2:ペイオフリール 3:ブライド
ルロール 4:冷間圧延機 5:ブラシ 6:ス
プレー装置 7:スプレーノズル 8:酸洗槽
9:巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 40:20 C10N 40:20 Z (72)発明者 早川 淳也 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭58−13408(JP,A) 特開 平5−98283(JP,A) 特開 平6−88088(JP,A) 特開 昭55−27408(JP,A) 特開 平5−317907(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/06 - 28/04 B21B 45/02 - 45/08 C10M 171/00 C10N 40:00 C10N 40:20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に熱延スケールが付着している熱延
    鋼帯を圧下率10〜50%で冷間圧延した後、ブラッシ
    ングを施すことにより熱延スケールを機械的に除去し、
    次いで酸洗槽に搬入してディスケーリングする際、冷間
    圧延機のワークロールと鋼帯との間に、下記(1)式で
    示される摩擦係数μをもつ水溶性圧延油を含む水溶液
    供給することを特徴とする熱延鋼帯のディスケーリング
    方法。 0.05〜(0.15+α×R+β×γ) ・・・(1) ただし、α:1/7500(定数),β:−1/250
    0(定数),γ:圧下率(%),R:圧延ロール径(m
    m)
  2. 【請求項2】 油脂,合成エステル,鉱油又はその混合
    油を主成分とし、高圧下圧延後に鋼帯付着分が容易に洗
    浄除去される油から選ばれた1種又は2種以上の水溶性
    圧延油を使用する請求項1記載のメカニカルディスケー
    リング方法。
JP26922996A 1995-10-11 1996-09-19 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法 Expired - Fee Related JP3407845B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26922996A JP3407845B2 (ja) 1995-10-12 1996-09-19 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法
CN01124090.3A CN1184026C (zh) 1995-10-11 1996-10-07 去除热轧钢带表面氧化皮的装置
US08/849,215 US6210501B1 (en) 1995-10-11 1996-10-07 Heavy-duty cold-rolling for mechanically descaling a hot-rolled steel strip before pickling
DE69625997T DE69625997T2 (de) 1995-10-11 1996-10-07 Verfahren zum entzundern von stahlbandcoils durch walzen mit hohem walzdruck
EP96932826A EP0796675B1 (en) 1995-10-11 1996-10-07 Method of descaling steel sheet in coil by high draft rolling
CN96191202A CN1079303C (zh) 1995-10-11 1996-10-07 去除重载轧制钢带氧化皮的方法
KR1019970703903A KR100229819B1 (ko) 1995-10-11 1996-10-07 고압하 압연에 의한 강대의 디스케일 방법, 디스케일 장치 및 냉연강대의 제조방법
PCT/JP1996/002903 WO1997013596A1 (fr) 1995-10-11 1996-10-07 Procede de decalaminage d'une tôle d'acier en bobine par laminage a etirage eleve

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29171595 1995-10-12
JP7-291715 1995-10-12
JP26922996A JP3407845B2 (ja) 1995-10-12 1996-09-19 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09164417A JPH09164417A (ja) 1997-06-24
JP3407845B2 true JP3407845B2 (ja) 2003-05-19

Family

ID=26548677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26922996A Expired - Fee Related JP3407845B2 (ja) 1995-10-11 1996-09-19 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3407845B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100467796B1 (ko) * 2000-11-10 2005-01-24 주식회사 포스코 탈지설비의 스와프 유입 방지장치
KR100563261B1 (ko) * 2001-12-21 2006-03-27 재단법인 포항산업과학연구원 변형된 열연강편 슬래브의 스케일 제거장치
CN105537290B (zh) * 2016-01-07 2018-03-13 银邦金属复合材料股份有限公司 一种冷轧铝钢复合带材生产装置及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09164417A (ja) 1997-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0796675B1 (en) Method of descaling steel sheet in coil by high draft rolling
CN102083562B (zh) 热轧钢带的氧化皮的去除方法及其去除设备
KR20000053533A (ko) 개선된 표면 거칠기를 갖는 냉간 압연 금속 스트립 제조방법
JP6249929B2 (ja) 鋼線材の連続表面処理方法
JP3407847B2 (ja) 熱延鋼帯のディスケーリング方法
JP3407845B2 (ja) 熱延鋼帯のメカニカルディスケーリング方法
JP3407844B2 (ja) 圧延によるディスケーリング方法
JP3406749B2 (ja) 熱延鋼帯の機械的ディスケーリング方法
JP2004306077A (ja) ステンレス鋼帯の製造方法
JP3406756B2 (ja) 冷延鋼帯のソーエッジ防止方法
JP3333405B2 (ja) 高圧下圧延による熱延鋼帯のディスケーリング方法
JP3407843B2 (ja) 圧延によるディスケーリング方法
JP3371061B2 (ja) 酸洗前圧延による冷延鋼帯の製造方法
JP3407846B2 (ja) 熱延鋼帯のディスケーリング方法
JP3406750B2 (ja) 熱延鋼帯のディスケーリング方法
JP3810733B2 (ja) 熱延鋼帯のディスケーリング装置
JP2002348691A (ja) マグネシウム合金板の表面粗度低減方法
JP2003181520A (ja) 熱延鋼帯のディスケーリング装置
JP3695212B2 (ja) ステンレス鋼帯の冷間圧延方法
JPH0757363B2 (ja) ステンレス冷延鋼帯の製造方法
JPH0417908A (ja) ステンレス冷延鋼帯の製造方法
JP3470663B2 (ja) 加工性に優れた鋼材及びその製造方法
JPH10195684A (ja) ステンレス熱延鋼材の脱スケール方法
JPH11319932A (ja) 熱延鋼板の脱スケール方法
JPH10180340A (ja) 熱延鋼帯のデスケーリング方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090314

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees