JPH11319932A - 熱延鋼板の脱スケール方法 - Google Patents
熱延鋼板の脱スケール方法Info
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- JPH11319932A JPH11319932A JP13870998A JP13870998A JPH11319932A JP H11319932 A JPH11319932 A JP H11319932A JP 13870998 A JP13870998 A JP 13870998A JP 13870998 A JP13870998 A JP 13870998A JP H11319932 A JPH11319932 A JP H11319932A
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンパクトな設備で、スケール残りおよび表
面疵の発生を防止できる熱延鋼板の脱スケール方法を提
供する。 【解決手段】 直径が30mm以上400mm以下のロ
ールを用い、下記の条件を満足する圧下量で熱延鋼板に
冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬し、次いで高圧水
噴射または/およびブラッシングにて脱スケールをおこ
なう。 Δh≧D/324 ただし、D:ロール直径(mm) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm)
面疵の発生を防止できる熱延鋼板の脱スケール方法を提
供する。 【解決手段】 直径が30mm以上400mm以下のロ
ールを用い、下記の条件を満足する圧下量で熱延鋼板に
冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬し、次いで高圧水
噴射または/およびブラッシングにて脱スケールをおこ
なう。 Δh≧D/324 ただし、D:ロール直径(mm) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱延鋼板の脱スケー
ル方法に関する。
ル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延鋼板(以下、「熱延鋼板」また
は「鋼板」という)の酸洗による脱スケールにおいて、
酸洗処理前に、冷間圧延やレベラなどにより圧下を加え
る方法、またはブラッシングやショットブラストなどメ
カニカル脱スケール処理にて、スケールにき裂を入れ、
酸洗効率を向上させる技術は公知である。酸洗前に冷間
加工をするのは、熱延鋼板の表面スケールにき裂を入
れ、酸液が地鉄とスケールとの間の層に入り込んで、地
鉄界面のスケールを溶解することにより、スケールを浮
き上がらせ、スケールの剥離を促進するためと考えられ
ている。
は「鋼板」という)の酸洗による脱スケールにおいて、
酸洗処理前に、冷間圧延やレベラなどにより圧下を加え
る方法、またはブラッシングやショットブラストなどメ
カニカル脱スケール処理にて、スケールにき裂を入れ、
酸洗効率を向上させる技術は公知である。酸洗前に冷間
加工をするのは、熱延鋼板の表面スケールにき裂を入
れ、酸液が地鉄とスケールとの間の層に入り込んで、地
鉄界面のスケールを溶解することにより、スケールを浮
き上がらせ、スケールの剥離を促進するためと考えられ
ている。
【0003】しかし、上記の処理を行っても、酸洗槽は
長大であり、設備費が大きい。これに対し、例えば、特
開昭58−84983号公報には、熱延鋼板を冷間圧延
後、酸液を塗布し、次いでメカニカル脱スケール処理を
施し、さらに仕上酸洗を行う方法、また、特開昭58−
107211号公報には冷間圧延後、酸液を塗布し、次
いでメカニカル脱スケール処理で仕上をする方法が開示
されている。
長大であり、設備費が大きい。これに対し、例えば、特
開昭58−84983号公報には、熱延鋼板を冷間圧延
後、酸液を塗布し、次いでメカニカル脱スケール処理を
施し、さらに仕上酸洗を行う方法、また、特開昭58−
107211号公報には冷間圧延後、酸液を塗布し、次
いでメカニカル脱スケール処理で仕上をする方法が開示
されている。
【0004】特開昭58−110116号公報には、冷
間圧延後、メカニカル脱スケール処理を行い、次いで仕
上酸洗する方法が開示されている。
間圧延後、メカニカル脱スケール処理を行い、次いで仕
上酸洗する方法が開示されている。
【0005】特開昭58−128217号公報には、熱
延鋼板を軽圧下後、浸漬酸洗し、次いで高圧水を噴射し
て脱スケールする装置が請求項1に、軽圧下、蒸気吹き
付け、酸液吹き付け、およびブラッシングを順次実施
し、次いで高圧水を噴射して脱スケールする装置が請求
項2に開示されている。
延鋼板を軽圧下後、浸漬酸洗し、次いで高圧水を噴射し
て脱スケールする装置が請求項1に、軽圧下、蒸気吹き
付け、酸液吹き付け、およびブラッシングを順次実施
し、次いで高圧水を噴射して脱スケールする装置が請求
項2に開示されている。
【0006】特開昭61−212419号公報には、冷
間圧延を下記の条件でおこない、次いで、化学的あるい
は物理的手段にて脱スケールする方法が提示されてい
る。
間圧延を下記の条件でおこない、次いで、化学的あるい
は物理的手段にて脱スケールする方法が提示されてい
る。
【0007】ロール径(mm)≦75×圧下率(%)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−8498
3号公報、特開昭58−107211号公報および特開
昭58−110116号公報の技術は、いずれも、熱延
鋼板の巻き取り温度を500℃以下として、酸に溶解し
やすいFeOをスケール中に残存させることにより脱ス
ケール性の向上を図ったものである。しかし、巻き取り
温度が500℃以上の場合、前記FeOの生成が少な
く、脱スケール性の向上効果を期待することができず、
さらに、スケールも厚くなるため、スケールを充分に除
去することが難しい。近年、後工程の冷延鋼板製造プロ
セスでは、連続焼鈍が一般的となり、成形性の向上のた
め、熱延巻き取り温度は600℃以上になることも多
い。
3号公報、特開昭58−107211号公報および特開
昭58−110116号公報の技術は、いずれも、熱延
鋼板の巻き取り温度を500℃以下として、酸に溶解し
やすいFeOをスケール中に残存させることにより脱ス
ケール性の向上を図ったものである。しかし、巻き取り
温度が500℃以上の場合、前記FeOの生成が少な
く、脱スケール性の向上効果を期待することができず、
さらに、スケールも厚くなるため、スケールを充分に除
去することが難しい。近年、後工程の冷延鋼板製造プロ
セスでは、連続焼鈍が一般的となり、成形性の向上のた
め、熱延巻き取り温度は600℃以上になることも多
い。
【0009】前記特開昭58−84983号公報または
特開昭58−107211号公報の技術のように、酸液
塗布後メカニカル脱スケールをおこなう方法では、スケ
ールの内部まで酸液が染み込まず、充分にスケールを浮
き上がらせることが難しいため、メカニカル脱スケール
処理の負担が大きくなり、動力コストおよびブラシなど
の消耗品コストが大きい。
特開昭58−107211号公報の技術のように、酸液
塗布後メカニカル脱スケールをおこなう方法では、スケ
ールの内部まで酸液が染み込まず、充分にスケールを浮
き上がらせることが難しいため、メカニカル脱スケール
処理の負担が大きくなり、動力コストおよびブラシなど
の消耗品コストが大きい。
【0010】また、特開昭58−110116号公報の
技術のように、酸洗前処理として、冷間圧延とメカニカ
ル脱スケール処理をするだけでは、スケールを充分に剥
離することができない。
技術のように、酸洗前処理として、冷間圧延とメカニカ
ル脱スケール処理をするだけでは、スケールを充分に剥
離することができない。
【0011】特開昭58−128217号公報の請求項
2に開示の技術は、酸液の吹き付けをおこなうもので、
上記の酸液塗布技術と同様の理由で、高温巻き取りの熱
延鋼板には適用が困難である。同公報の請求項1に開示
の技術は、浸漬酸洗後、高圧水の噴射をする。しかし、
本発明者らの追実験では、高圧水の噴射後も点状のスケ
ールが残ることがわかった。
2に開示の技術は、酸液の吹き付けをおこなうもので、
上記の酸液塗布技術と同様の理由で、高温巻き取りの熱
延鋼板には適用が困難である。同公報の請求項1に開示
の技術は、浸漬酸洗後、高圧水の噴射をする。しかし、
本発明者らの追実験では、高圧水の噴射後も点状のスケ
ールが残ることがわかった。
【0012】また浸漬酸洗後、ブラッシングをおこなう
方法では、脱スケール性を高めるため、ブラシの強度を
上げたり、砥粒入りブラシを用いたりすると、鋼板表面
に疵が発生し易い。
方法では、脱スケール性を高めるため、ブラシの強度を
上げたり、砥粒入りブラシを用いたりすると、鋼板表面
に疵が発生し易い。
【0013】従って、本発明の課題は、コンパクトな設
備で、熱延高温巻き取り材にも適用できるとの条件のも
と、スケール残りおよび表面疵の発生を防止することに
ある。
備で、熱延高温巻き取り材にも適用できるとの条件のも
と、スケール残りおよび表面疵の発生を防止することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前記の課題
を解決するため、熱延鋼板に冷間圧延をおこなった後、
酸液に浸漬し、次いで高圧水噴射または/およびブラッ
シングにて脱スケールをおこなうプロセスを前提にし
て、スケール残存の原因およびその対策を検討し、以下
の知見を得た。
を解決するため、熱延鋼板に冷間圧延をおこなった後、
酸液に浸漬し、次いで高圧水噴射または/およびブラッ
シングにて脱スケールをおこなうプロセスを前提にし
て、スケール残存の原因およびその対策を検討し、以下
の知見を得た。
【0015】図1は、冷間圧延におけるスケールの噛み
込み状況を示す模式図である。同図に示すように、熱延
鋼板1は噛み込み角θで冷間圧延され、熱延鋼板1のス
ケール2には、ほぼ地金3に達するき裂4が生じる。
込み状況を示す模式図である。同図に示すように、熱延
鋼板1は噛み込み角θで冷間圧延され、熱延鋼板1のス
ケール2には、ほぼ地金3に達するき裂4が生じる。
【0016】図2は、冷間圧延によるスケールブレーキ
ングの状況を模式的に示すスケールの縦断面図で、同図
(a)が噛み込み角が大きいとき、同図(b)が小さい
ときである。なお、図1と同じ要素は、同一の符号で示
す。
ングの状況を模式的に示すスケールの縦断面図で、同図
(a)が噛み込み角が大きいとき、同図(b)が小さい
ときである。なお、図1と同じ要素は、同一の符号で示
す。
【0017】(a) 冷間圧延時の噛み込み角が小さいとき
には、図2(b)に示すように、き裂4の間隔が大き
く、かつ不均一になる。そのため、酸液浸漬時におい
て、き裂4の間隔が大きい部分で、地金界面のスケール
の溶解が不充分となりスケールが剥離しがたく、スケー
ル残りが生じやすい。
には、図2(b)に示すように、き裂4の間隔が大き
く、かつ不均一になる。そのため、酸液浸漬時におい
て、き裂4の間隔が大きい部分で、地金界面のスケール
の溶解が不充分となりスケールが剥離しがたく、スケー
ル残りが生じやすい。
【0018】(b) 冷間圧延時の噛み込み角が大きいとき
には、図2(a)に示すように、き裂4の間隔が小さ
く、かつ不均一性が減少する。そのため、酸液浸漬時に
おいて、地金界面のスケールの溶解がほぼ均等に、かつ
充分に進み、酸液浸漬後の高圧水噴射または/およびブ
ラッシングにて、スケール残りを生じることなくスケー
ルを除去することができる。
には、図2(a)に示すように、き裂4の間隔が小さ
く、かつ不均一性が減少する。そのため、酸液浸漬時に
おいて、地金界面のスケールの溶解がほぼ均等に、かつ
充分に進み、酸液浸漬後の高圧水噴射または/およびブ
ラッシングにて、スケール残りを生じることなくスケー
ルを除去することができる。
【0019】(c) さらに、き裂の間隔が小さくなること
により、地金とスケールとの間の局部電池作用による界
面のスケールの溶解が一層促進されるため、特開昭58
−128217号公報などの技術のように、酸に溶解し
やすいFeOを残しておくため熱延の巻き取り温度を5
00℃以下にする必要がないことが判った。
により、地金とスケールとの間の局部電池作用による界
面のスケールの溶解が一層促進されるため、特開昭58
−128217号公報などの技術のように、酸に溶解し
やすいFeOを残しておくため熱延の巻き取り温度を5
00℃以下にする必要がないことが判った。
【0020】本発明は、上記の知見に基づくもので、そ
の要旨は以下のとおりである。 (1) 熱延鋼板に冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬
し、次いで高圧水噴射または/およびブラッシングにて
脱スケールをおこなう方法において、該冷間圧延を下記
の条件にておこなうことを特徴とする熱延鋼板の脱スケ
ール法。
の要旨は以下のとおりである。 (1) 熱延鋼板に冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬
し、次いで高圧水噴射または/およびブラッシングにて
脱スケールをおこなう方法において、該冷間圧延を下記
の条件にておこなうことを特徴とする熱延鋼板の脱スケ
ール法。
【0021】Δh≧D/324 ただし、D:ロール直径(mm) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm) (2) ロール直径が30mm以上400mm以下であるこ
とを特徴とする上記(1) 項に記載の熱延鋼板の脱スケー
ル方法。
とを特徴とする上記(1) 項に記載の熱延鋼板の脱スケー
ル方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の脱スケール処理における
構成を詳細に説明する。なお、酸洗前の冷間圧延は、ス
ケールにき裂を生成させることが目的であり、したがっ
て、冷間圧延のみならず、レベラによって所定の圧下を
加えても良い。
構成を詳細に説明する。なお、酸洗前の冷間圧延は、ス
ケールにき裂を生成させることが目的であり、したがっ
て、冷間圧延のみならず、レベラによって所定の圧下を
加えても良い。
【0023】本発明者らは、熱延鋼板(以下、「鋼板」
ともいう)に冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬し、
次いで高圧水噴射または/およびブラッシングにて脱ス
ケールをおこなうプロセスを前提にして、冷間圧延の噛
み込み角とき裂の生成との関係を調査した。
ともいう)に冷間圧延をおこなった後、酸液に浸漬し、
次いで高圧水噴射または/およびブラッシングにて脱ス
ケールをおこなうプロセスを前提にして、冷間圧延の噛
み込み角とき裂の生成との関係を調査した。
【0024】低炭素鋼熱延鋼板(板厚:3.0mm、巻
き取り温度:600℃)を供試材として、噛み込み角を
変えて冷間圧延(ロール直径:120mm)をおこな
い、スケールに入るき裂の圧延方向における間隔を調査
した。
き取り温度:600℃)を供試材として、噛み込み角を
変えて冷間圧延(ロール直径:120mm)をおこな
い、スケールに入るき裂の圧延方向における間隔を調査
した。
【0025】図3は、冷間圧延の噛み込み角とき裂の圧
延方向における間隔との関係を示すグラフである。
延方向における間隔との関係を示すグラフである。
【0026】図3に示すように、噛み込み角の増加と共
に、き裂の間隔は小さくなる。噛み込み角が4.5度以
上で、き裂の間隔は10μm程度以下となり、冷間圧延
後の浸漬酸洗、次いで高圧水の噴射あるいはブラッシン
グでスケールを均一に除去することができる。
に、き裂の間隔は小さくなる。噛み込み角が4.5度以
上で、き裂の間隔は10μm程度以下となり、冷間圧延
後の浸漬酸洗、次いで高圧水の噴射あるいはブラッシン
グでスケールを均一に除去することができる。
【0027】ここで、噛み込み角は、次式で表すことが
できる。 cosθ=(1−Δh/D) ただし、θ:噛み込み角(度) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) D:ロール直径(mm) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm) したがって、θ≧4.5度として、圧下量Δh(=h0
−h1 )は、ロール直径Dとの関係で、下記の式で表す
ことができる。
できる。 cosθ=(1−Δh/D) ただし、θ:噛み込み角(度) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) D:ロール直径(mm) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm) したがって、θ≧4.5度として、圧下量Δh(=h0
−h1 )は、ロール直径Dとの関係で、下記の式で表す
ことができる。
【0028】Δh≧D/324 なお、圧下量の上限は特に限定しないが、冷間圧延時の
スリップ防止の観点から、θ≦16度とし、Δh≦D/
25とするのが望ましい。
スリップ防止の観点から、θ≦16度とし、Δh≦D/
25とするのが望ましい。
【0029】すなわち、上記条件を満足する圧下量Δh
で冷間圧延をおこなうことにより、表面スケールに、地
金にほぼ達する程度のき裂を圧延方向に小さな間隔で生
成させることができる。これにより、酸洗後のスケール
の密着性は、均一に低下し、高圧水の噴射やブラッシン
グよる脱スケール時のスケール残存が防止できる。ま
た、ブラシの強度を低下させることができ、ブラシによ
る表面疵の発生が抑制され、ブラシの寿命も増加する。
で冷間圧延をおこなうことにより、表面スケールに、地
金にほぼ達する程度のき裂を圧延方向に小さな間隔で生
成させることができる。これにより、酸洗後のスケール
の密着性は、均一に低下し、高圧水の噴射やブラッシン
グよる脱スケール時のスケール残存が防止できる。ま
た、ブラシの強度を低下させることができ、ブラシによ
る表面疵の発生が抑制され、ブラシの寿命も増加する。
【0030】本発明の好適態様では、ロール直径が30
mm以上400mm以下である。
mm以上400mm以下である。
【0031】ロール直径が30mm未満では、ロールの
曲げ剛性が低下するため、熱延鋼板の板幅方向に均一な
深さのき裂の形成が困難となる。400mmを越える
と、圧下力が大きくなり、設備コストが高くなる。好ま
しくは、ロール直径が100mm以上300mm以下で
ある。
曲げ剛性が低下するため、熱延鋼板の板幅方向に均一な
深さのき裂の形成が困難となる。400mmを越える
と、圧下力が大きくなり、設備コストが高くなる。好ま
しくは、ロール直径が100mm以上300mm以下で
ある。
【0032】本発明の方法にあっては、冷間圧延後、酸
液に浸漬し、次いで、高圧水噴射または/およびブラッ
シングにて脱スケールをおこなう。
液に浸漬し、次いで、高圧水噴射または/およびブラッ
シングにて脱スケールをおこなう。
【0033】酸液浸漬の処理は、塩酸とインヒビタタを
含む酸洗液に5秒以上浸漬するのがよい。塩酸濃度は、
特に限定しないが、溶解反応の観点から1重量%以上
で、酸洗液消費量の抑制の観点から5重量%以下が望ま
しい。なお、塩酸の代わりに、酸濃度が1〜10重量%
の硫酸でも良い。浸漬時間の上限は特に設けないが、酸
洗液消費量の抑制などの観点から10秒以下が好まし
い。したがって、酸洗槽の規模は、槽の長さで20〜5
0m程度でよいため、通常の酸洗槽の50%程度以下の
コンパクトな設備となる。
含む酸洗液に5秒以上浸漬するのがよい。塩酸濃度は、
特に限定しないが、溶解反応の観点から1重量%以上
で、酸洗液消費量の抑制の観点から5重量%以下が望ま
しい。なお、塩酸の代わりに、酸濃度が1〜10重量%
の硫酸でも良い。浸漬時間の上限は特に設けないが、酸
洗液消費量の抑制などの観点から10秒以下が好まし
い。したがって、酸洗槽の規模は、槽の長さで20〜5
0m程度でよいため、通常の酸洗槽の50%程度以下の
コンパクトな設備となる。
【0034】高圧水噴射の処理は、噴射圧力が10kg
f/cm2 以上のノズルを熱延鋼板の板幅方向に所定間
隔で複数個設置しておこなうのがよい。好ましくは、噴
射圧力が40kgf/cm2 以上である。
f/cm2 以上のノズルを熱延鋼板の板幅方向に所定間
隔で複数個設置しておこなうのがよい。好ましくは、噴
射圧力が40kgf/cm2 以上である。
【0035】ブラッシング処理は、回転駆動されたブラ
シロールを熱延鋼板に押しつけることによりおこなう。
ブラシの材質としては、ナイロン製が一般的であるが、
スケールの除去ができれば他の材質でも良い。
シロールを熱延鋼板に押しつけることによりおこなう。
ブラシの材質としては、ナイロン製が一般的であるが、
スケールの除去ができれば他の材質でも良い。
【0036】図4は、本発明の脱スケール方法の処理ラ
インの例で、高圧水噴射処理をおこなう場合である。
インの例で、高圧水噴射処理をおこなう場合である。
【0037】同図において、コイル状の鋼板5は、ペイ
オフリール6にセットされた後、先端を先行コイル7の
後端に溶接され(溶接機は図示せず)、連続鋼帯とな
る。冷間圧延機8で鋼板5を所定の圧下量で圧下した
後、前処理酸洗槽9に浸漬する。次いで、高圧水噴射装
置10で脱スケールの仕上げ処理がおこなわれ、巻き取
りリール11で巻き取られる。
オフリール6にセットされた後、先端を先行コイル7の
後端に溶接され(溶接機は図示せず)、連続鋼帯とな
る。冷間圧延機8で鋼板5を所定の圧下量で圧下した
後、前処理酸洗槽9に浸漬する。次いで、高圧水噴射装
置10で脱スケールの仕上げ処理がおこなわれ、巻き取
りリール11で巻き取られる。
【0038】図5は、本発明の脱スケール方法の処理ラ
インの他の例で、ブラッシング処理をおこなう場合であ
る。なお、同図で、図4と同じ要素は同一の符号で示
す。
インの他の例で、ブラッシング処理をおこなう場合であ
る。なお、同図で、図4と同じ要素は同一の符号で示
す。
【0039】図5において、コイル状の鋼板5は、ペイ
オフリール6にセットされた後、先端を先行コイル7の
後端に溶接され、連続鋼帯となる。冷間圧延機8で鋼板
5を所定の圧下量で圧下した後、前処理酸洗槽9に浸漬
する。次いで、ブラシ装置12で脱スケールの仕上げ処
理がおこなわれ、巻き取りリール11で巻き取られる。
オフリール6にセットされた後、先端を先行コイル7の
後端に溶接され、連続鋼帯となる。冷間圧延機8で鋼板
5を所定の圧下量で圧下した後、前処理酸洗槽9に浸漬
する。次いで、ブラシ装置12で脱スケールの仕上げ処
理がおこなわれ、巻き取りリール11で巻き取られる。
【0040】図6は、本発明の脱スケール方法の処理ラ
インの他の例で、高圧水噴射処理とブラッシング処理の
両方をおこなう場合である。なお、同図で、図4および
図5と同じ要素は同一の符号で示す。
インの他の例で、高圧水噴射処理とブラッシング処理の
両方をおこなう場合である。なお、同図で、図4および
図5と同じ要素は同一の符号で示す。
【0041】図6において、鋼板5は、高圧水噴射装置
10で脱スケール処理がされ、次いでブラシ装置12で
仕上げの脱スケール処理がおこなわれる。
10で脱スケール処理がされ、次いでブラシ装置12で
仕上げの脱スケール処理がおこなわれる。
【0042】高圧水噴射あるいはブラッシングの単独処
理がコスト的には好ましいが、高品質要求材や付着性の
高いスケールの場合には、両方の処理をおこなうのが好
ましい。
理がコスト的には好ましいが、高品質要求材や付着性の
高いスケールの場合には、両方の処理をおこなうのが好
ましい。
【0043】
【実施例】表1に示す化学組成で、板厚が1.2〜4.
5mm、板幅が50mmの低炭素鋼熱延板(巻き取り温
度:600℃)の供試材を用意し、ロール径(30mm、
60mm、120mm、200mm)と圧下量を変えて冷間圧
延し、次いで、塩酸の酸洗液に浸漬した。
5mm、板幅が50mmの低炭素鋼熱延板(巻き取り温
度:600℃)の供試材を用意し、ロール径(30mm、
60mm、120mm、200mm)と圧下量を変えて冷間圧
延し、次いで、塩酸の酸洗液に浸漬した。
【0044】
【表1】
【0045】酸洗条件は、塩酸の濃度が5重量%(イン
ヒビタ:0.1重量%添加)で、液温度が80℃で、浸
漬時間が5秒間である。次いで、ブラッシング処理(グ
ループA)あるいは高圧水噴射処理(グループB)を施
した。ブラッシング条件は、ブラシ材質がナイロンで、
ブラシロールの回転周速が2m/秒で、単位幅あたりの
押し付け力が5kgf/cmである。高圧水噴射条件
は、噴射圧力が50kgf/cm2 であり、ノズルの噴
射角が20度で、ノズルと供試材との距離が15cmで
ある。
ヒビタ:0.1重量%添加)で、液温度が80℃で、浸
漬時間が5秒間である。次いで、ブラッシング処理(グ
ループA)あるいは高圧水噴射処理(グループB)を施
した。ブラッシング条件は、ブラシ材質がナイロンで、
ブラシロールの回転周速が2m/秒で、単位幅あたりの
押し付け力が5kgf/cmである。高圧水噴射条件
は、噴射圧力が50kgf/cm2 であり、ノズルの噴
射角が20度で、ノズルと供試材との距離が15cmで
ある。
【0046】ブラッシング処理あるいは高圧水噴射処理
の後、水でよく洗浄し、乾燥後表面を観察し、脱スケー
ル面積率を調査した。表2に実験結果を示す。
の後、水でよく洗浄し、乾燥後表面を観察し、脱スケー
ル面積率を調査した。表2に実験結果を示す。
【0047】
【表2】
【0048】グループAのブラッシング処理をおこなっ
たものでは、試験No.10、13、14、20、23
〜28、32、35、36、39、40、42〜44、
47、48、51、52、55、56および58〜60
の処理条件は本発明の範囲であり、ブラッシング処理後
のスケール残りはなかった。試験No.1〜9、11、
12、15〜19、21、22、29〜31、33、3
4、37、38、41、45、46、49、50、5
3、54および57は、噛み込み角が不足しており、ブ
ラッシング処理後にスケール残りが生じた。
たものでは、試験No.10、13、14、20、23
〜28、32、35、36、39、40、42〜44、
47、48、51、52、55、56および58〜60
の処理条件は本発明の範囲であり、ブラッシング処理後
のスケール残りはなかった。試験No.1〜9、11、
12、15〜19、21、22、29〜31、33、3
4、37、38、41、45、46、49、50、5
3、54および57は、噛み込み角が不足しており、ブ
ラッシング処理後にスケール残りが生じた。
【0049】グループBの高圧水噴射処理をおこなった
ものでは、試験No.70、73、74、80、83〜
88、92、95、96、99、100、102〜10
4、107、108、111、112、115、116
および118〜120の処理条件は本発明の範囲であ
り、高圧水処理後のスケール残りはなかった。試験N
o.61〜69、71、72、75〜79、81、8
2、89〜91、93、94、97、98、101、1
05、106、109、110、113、114および
117は、噛み込み角が不足しており、高圧水噴射処理
後にスケール残りが生じた。
ものでは、試験No.70、73、74、80、83〜
88、92、95、96、99、100、102〜10
4、107、108、111、112、115、116
および118〜120の処理条件は本発明の範囲であ
り、高圧水処理後のスケール残りはなかった。試験N
o.61〜69、71、72、75〜79、81、8
2、89〜91、93、94、97、98、101、1
05、106、109、110、113、114および
117は、噛み込み角が不足しており、高圧水噴射処理
後にスケール残りが生じた。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法により、従来に比べコンパ
クトな設備で、スケール残りが生じることなく、またブ
ラシによる疵の発生もなく、脱スケールをおこなうこと
ができる。
クトな設備で、スケール残りが生じることなく、またブ
ラシによる疵の発生もなく、脱スケールをおこなうこと
ができる。
【図1】冷間圧延におけるスケールの噛み込み状況を示
す模式図である。
す模式図である。
【図2】冷間圧延によるスケールブレーキングの状況を
模式的に示すスケールの縦断面図で、同図(a)が噛み
込み角が大きいとき、同図(b)が小さいときである。
模式的に示すスケールの縦断面図で、同図(a)が噛み
込み角が大きいとき、同図(b)が小さいときである。
【図3】冷間圧延の噛み込み角とき裂の圧延方向におけ
る間隔との関係を示すグラフである。
る間隔との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の脱スケール方法の処理ラインの例で、
高圧水噴射処理をおこなう場合である。
高圧水噴射処理をおこなう場合である。
【図5】本発明の脱スケール方法の処理ラインの他の例
で、ブラッシング処理をおこなう場合である。
で、ブラッシング処理をおこなう場合である。
【図6】本発明の脱スケール方法の処理ラインの他の例
で、高圧水噴射処理とブラッシング処理の両方をおこな
う場合である。
で、高圧水噴射処理とブラッシング処理の両方をおこな
う場合である。
1 熱延鋼板 2 スケール 3 地金 4 き裂 5 鋼板 6 ペイオフリール 7 先行コイル 8 冷間圧延機 9 前処理酸洗槽 10 高圧水噴射装置 11 巻き取りリール 12 ブラシ装置 θ 噛み込み角
Claims (2)
- 【請求項1】 熱延鋼板に冷間圧延をおこなった後、酸
液に浸漬し、次いで高圧水噴射または/およびブラッシ
ングにて脱スケールをおこなう方法において、該冷間圧
延を下記の条件にておこなうことを特徴とする熱延鋼板
の脱スケール法。 Δh≧D/324 ただし、D:ロール直径(mm) Δh:圧下量(mm)(=h0 −h1 ) h0 :圧延前板厚(mm) h1 :圧延後板厚(mm) - 【請求項2】 ロール直径が30mm以上400mm以
下であることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の
脱スケール方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13870998A JPH11319932A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 熱延鋼板の脱スケール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13870998A JPH11319932A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 熱延鋼板の脱スケール方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11319932A true JPH11319932A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15228302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13870998A Withdrawn JPH11319932A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 熱延鋼板の脱スケール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11319932A (ja) |
-
1998
- 1998-05-20 JP JP13870998A patent/JPH11319932A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050802 |