JP3407572B2 - エンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置 - Google Patents

エンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置

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JP3407572B2
JP3407572B2 JP34474996A JP34474996A JP3407572B2 JP 3407572 B2 JP3407572 B2 JP 3407572B2 JP 34474996 A JP34474996 A JP 34474996A JP 34474996 A JP34474996 A JP 34474996A JP 3407572 B2 JP3407572 B2 JP 3407572B2
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  • Testing Of Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却水
の温度調節を行うサーモスタットの故障の有無を検出す
るエンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水冷式のエンジンでは、エンジ
ン内の冷却水路(ウォータジャケット)とラジエータと
の間で冷却水を循環させる冷却水循環経路に、冷却水温
に応じて自動的に開閉するサーモスタットを設け、エン
ジンの始動後に暖機運転が完了するまでは、サーモスタ
ットを閉じて冷却水の循環を停止し、エンジン側の冷却
水温を速やかに適正温度域に上昇させて、燃費向上、エ
ミッション低減を図り、エンジン側の冷却水温が適正温
度域を越えたときにサーモスタットを自動的に開いて、
ラジエータ側の冷えた冷却水をエンジン側へ循環させて
エンジン側の冷却水温を適正温度域まで低下させるよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サーモスタ
ットの故障モードには、サーモスタットが開き放しにな
る開故障と、閉じ放しになる閉故障とがある。開故障が
発生すると、エンジンが冷えた状態で始動する冷間始動
時でも、始動当初からラジエータ内の冷えた冷却水がエ
ンジン内に循環されてしまうため、始動後のエンジン側
の冷却水温の上昇が妨げられて、エンジンの暖機が遅
れ、燃費悪化やエミッション増加を招いてしまう。ま
た、閉故障が発生すると、エンジン側の冷却水温が適正
温度域を越えたときでも、ラジエータ側の冷えた冷却水
がエンジン側に循環されないため、エンジン側の冷却水
温が上昇し続け、エンジンがオーバーヒートしてしまう
おそれがある。
【0004】従って、サーモスタットの故障が発生した
ときには、それを直ちに検出して運転者に警告すること
が望ましいが、今日まで、サーモスタットの故障を検出
する技術が開発されておらず、開故障しても、それを長
期間知らずに運転したり、閉故障時には、エンジンがオ
ーバーヒートするまで運転し続けしまうおそれがあっ
た。
【0005】尚、エンジン冷却系の故障を検出する公知
技術として、特開平4−19329号公報に示すよう
に、ラジエータの入口と出口にそれぞれ水温センサを設
け、ラジエータの入口水温と出口水温とに基づいてラジ
エータの放熱性能を評価して、ラジエータの劣化を検出
するものがある。サーモスタットは、エンジン側の冷却
水温に応じて自動的に開閉作動するものであるため、上
記公知技術のように、サーモスタットの開閉作動とは無
関係のラジエータ側の冷却水温を2箇所で検出してもサ
ーモスタットの故障を検出することはできない。しか
も、ラジエータ側に新たに2つの温度センサを設けなけ
ればならず、その分、コスト高になる欠点がある。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、サーモスタットの故
障を比較的安価な手段で精度良く検出することができる
内燃機関冷却系のサーモスタット故障検出装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の理解を容
易にするために、サーモスタット故障時の冷却水温の挙
動を図2、図4、図7、図9に基づいて説明する。
【0008】図2、図4、図7、図9は、いずれも、サ
ーモスタットが開き放しになる開故障が発生したときの
始動後のエンジン側冷却水温の挙動を正常時と比較して
示したものである。エンジンが冷えた状態で始動する冷
間始動時には、サーモスタットが正常であれば閉弁して
いるため、冷却水の循環が停止されて、始動直後からエ
ンジン側冷却水温が速やかに上昇し始めるが、開故障が
発生すると、冷間始動時でも、始動当初からラジエータ
内の冷えた冷却水がエンジン内に循環されてしまうた
め、開故障時には、始動直後にエンジン側冷却水温がラ
ジエータ側の冷えた冷却水の流入によって一時的に低下
し、その後、エンジン側冷却水温が緩やかに上昇すると
いう経過をたどる。
【0009】このようなエンジン側冷却水温の挙動に着
目し、本発明の請求項1のサーモスタット故障検出装置
は、サーモスタットよりもエンジン側の冷却水循環経路
の冷却水温(エンジン側冷却水温)を冷却水温検出手段
によって検出し、エンジンが冷えた状態で始動する冷間
始動時に、サーモスタットが正常であれば閉じている温
度領域で、前記冷却水温検出手段により検出したエンジ
ン側冷却水温に基づいて、前記サーモスタットの開故障
の有無を開故障診断手段により診断する。エンジンが冷
えた状態で始動する冷間始動時に、サーモスタットが正
常であれば閉じている温度領域では、正常時と開故障時
とでエンジン側冷却水温の挙動が大きく異なるため、こ
の温度領域で、エンジン側冷却水温の挙動から開故障の
有無を精度良く診断することができる。しかも、冷却水
温検出手段は、従来のエンジンにも設けられていたエン
ジン制御用の水温センサを使用すれば良いので、従来の
エンジン制御システムに新たな冷却水温検出手段を追加
する必要がなく、コスト面でも大きな利点がある。尚、
開故障の診断を行う時期的条件は、請求項1では、「エ
ンジンが冷えた状態で始動する冷間始動時」としたが、
請求項9のように、「始動時の冷却水温がサーモスタッ
トの開弁温度以下の所定温度よりも低いとき」としても
良い。
【0010】この場合、請求項2のように、エンジン始
動直後のエンジン側冷却水温の低下量又は低下率を判定
し、このエンジン側冷却水温の低下量又は低下率に基づ
いて開故障の有無を診断するようにしても良い。エンジ
ン停止中も、ラジエータは外気に晒されているため、ラ
ジエータ側冷却水温はエンジン側冷却水温よりも低くな
っている。従って、開故障が発生すると、始動直後にエ
ンジン側冷却水温がラジエータ側の冷えた冷却水の流入
によって一時的に低下するため、このエンジン側冷却水
温の低下量又は低下率から開故障の有無を精度良く診断
することができる。
【0011】或は、請求項3のように、エンジン始動後
の経過時間、点火回数、エンジン発生熱量の積算値のい
ずれかが所定値に達するまでのエンジン側冷却水温の上
昇量を判定し、このエンジン側冷却水温の上昇量に基づ
いて開故障の有無を診断するようにしても良い。ここ
で、エンジン側冷却水温の上昇量を判定する期間は、エ
ンジン始動後の経過時間で決めても良いし、点火回数又
はエンジン発生熱量の積算値で決めても良い。点火回数
又はエンジン発生熱量の積算値で決めると、エンジン運
転状態の変動によるエンジン側冷却水温の上昇量の変動
の影響を排除でき、開故障の診断精度を向上できる。
【0012】また、請求項4のように、エンジン始動後
にエンジン側冷却水温の上昇量が所定量に達するまで、
又はエンジン側冷却水温が所定水温に達するまでの経過
時間、点火回数、エンジン発生熱量の積算値のいずれか
を判定し、その判定値に基づいて開故障の有無を診断す
るようにしても良い。このようにしても、上記請求項3
と同じく、開故障を精度良く診断できる。
【0013】また、開故障時には、エンジン側冷却水温
の上昇率が正常時よりも小さくなるため、請求項5のよ
うに、エンジン始動後にエンジン側冷却水温の上昇率を
周期的に判定し、このエンジン側冷却水温の上昇率が所
定値以下になった回数に基づいて開故障の有無を診断す
るようにしても良い。このようにすれば、エンジン側冷
却水温の上昇率に基づく開故障の診断を繰り返すことが
でき、信頼性の高い開故障の診断を行うことができる。
【0014】この場合、エンジン側冷却水温の上昇率の
判定は、請求項6のように、所定時間当りの水温上昇
量、所定点火回数当りの水温上昇量、所定エンジン発生
熱量当りの水温上昇量のいずれかによって判定すれば良
い。ここで、エンジン側冷却水温の上昇率を所定点火回
数当りの水温上昇量又は所定エンジン発生熱量当りの水
温上昇量から判定すると、エンジン運転状態の変動によ
るエンジン側冷却水温の上昇率の変動の影響を排除で
き、開故障の診断精度を向上できる。
【0015】また、車速、外気温、吸気温、空調装置の
作動状態は、いずれも冷却水の放熱量に影響を与え、エ
ンジン側冷却水温の挙動を変動させるため、請求項7の
ように、開故障の診断処理に用いるデータを車速、外気
温、吸気温、空調装置の作動状態のうちの少なくとも1
つに基づいて補正するようにしても良い。このようにす
れば、冷却水の放熱量を考慮した開故障の診断が可能と
なり、その分、開故障の診断精度を向上させることがで
きる。
【0016】次に、サーモスタットが開かずに閉じ放し
になる閉故障の診断方法を説明する。図12は、閉故障
が発生したときのエンジン側冷却水温の挙動を正常時と
比較して示したものである。エンジン側冷却水温がサー
モスタット開弁温度を越えたときには、サーモスタット
が正常であれば開弁して、ラジエータ側の冷えた冷却水
がエンジン側に循環され、エンジン側冷却水温が低下す
るが、閉故障時には、サーモスタットが開弁せず、冷却
水の循環が行われずに、エンジン側冷却水温が上昇し続
ける。
【0017】この点に着目し、請求項8,10では、サ
ーモスタットが正常であれば開いている温度領域で、冷
却水温検出手段により検出したエンジン側冷却水温に基
づいてサーモスタットの閉故障の有無を閉故障診断手段
により診断する。サーモスタットが正常であれば開いて
いる温度領域では、正常時と閉故障時とでエンジン側冷
却水温の挙動が大きく異なるため、この温度領域で、エ
ンジン側冷却水温の挙動から閉故障の有無を精度良く診
断することができる。更に、請求項10のように、ラジ
エータを冷却するラジエータファンを電動ファンで構成
した場合には、ラジエータファンが停止している期間中
に、閉故障の診断を行うようにすると良い。このように
すれば、ラジエータファンの運転によるエンジン側冷却
水温の低下を防ぐことができ、その分、閉故障の診断精
度を向上させることができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン1
1の冷却系全体の概略構成を説明する。エンジン11の
シリンダブロックとシリンダヘッドの内部にはウォータ
ジャケット12が設けられ、このウォータジャケット1
2内に冷却水が注入されている。このウォータジャケッ
ト12の出口部にはサーモスタット13が設けられ、こ
のサーモスタット13を通過する高温の冷却水が冷却水
循環路14を介してラジエータ15に送られる。このラ
ジエータ15で放熱して温度低下した冷却水は、冷却水
循環路16を介してウォータジャケット12内に戻され
る。従って、サーモスタット13の開弁時には、冷却水
がウォータジャケット12→サーモスタット13→冷却
水循環路14→ラジエータ15→冷却水循環路16→ウ
ォータジャケット12という経路で循環し、エンジン1
1を適温に冷却する。
【0025】また、ウォータジャケット12の入口部に
はウォータポンプ17が設けられ、このウォータポンプ
17がベルト19を介して伝達されるエンジン動力によ
って回転駆動され、このウォータポンプ17の回転によ
り上記冷却水循環経路内の冷却水が強制循環される。一
方、ラジエータ15の後方には、電動ファンで構成され
たラジエータファン18が設置され、このラジエータフ
ァン18の回転によりラジエータ15の放熱効果が高め
られて、ラジエータ15内の冷却水の冷却が促進され
る。
【0026】エンジン11のシリンダブロックには、サ
ーモスタット13よりもエンジン11側の冷却水循環経
路であるウォータジャケット12内の冷却水温(エンジ
ン側冷却水温)を検出する冷却水温センサ20(冷却水
温検出手段)が設けられている。尚、エンジン側冷却水
温センサ20の取付位置は、サーモスタット13よりも
エンジン11側の冷却水循環経路であれば良く、例えば
ウォータジャケット12のシリンダヘッド側の部分に取
り付けても良い。
【0027】この冷却水温センサ20の出力信号は電子
制御装置22(以下「ECU」と略記する)に取り込ま
れる。このECU22は、マイクロコンピュータを主体
として構成され、エンジン制御とサーモスタット故障診
断とを行う。尚、ECU22は、エンジン制御用ECU
とサーモスタット故障診断用ECUとに分離された2つ
のECUから構成しても良いし、1つのECUでエンジ
ン制御とサーモスタット故障診断の双方を行うようにし
ても良い。
【0028】ECU22には、エンジン制御やサーモス
タット故障診断を行うための情報として、上述した冷却
水温センサ20からの冷却水温信号の他、エンジン回転
数センサ23からのエンジン回転数信号、吸気量センサ
24からの吸気量信号、吸気温センサ25からの吸気温
信号、車速センサ26からの車速信号が読み込まれ、更
に、空調装置27のブロワモータ(図示せず)の作動状
態を示す信号も読み込まれる。このECU22には、サ
ーモスタット13の故障を検出したときにそれを警告す
る警告手段である警告ランプ28と、サーモスタット1
3の故障情報を記憶する書込み可能な不揮発性メモリで
あるバックアップRAM29が接続されている。このバ
ックアップRAM29は、エンジン停止中もバッテリ
(図示せず)から電源が供給され、故障情報の記憶を保
持し、修理・点検時に故障情報を読み出せるようになっ
ている。
【0029】ECU22に内蔵されたROM(記憶媒
体)には、後述するサーモスタット故障診断用の各プロ
グラムが記憶され、これらのプログラムを実行すること
で、サーモスタット13の開故障と閉故障の有無を診断
する。この場合、サーモスタット13が開き放しになる
開故障は、次の5つの診断方法のうちのいずれか1つの
方法で行う。
【0030】[開故障診断(1)]まず、開故障診断
(1)の概略を図2に基づいて説明する。図2は、サー
モスタット13の開故障が発生したときの始動後のエン
ジン側冷却水温の挙動を正常時と比較して示したもので
ある。エンジン11が冷えた状態で始動する冷間始動時
には、サーモスタット13が正常であれば閉弁している
ため、冷却水の循環が停止されて、始動直後からエンジ
ン側冷却水温が速やかに上昇し始めるが、開故障が発生
すると、冷間始動時でも、始動当初からラジエータ15
内の冷えた冷却水がエンジン11内に循環されてしまう
ため、開故障時には、始動直後にエンジン側冷却水温が
ラジエータ15側の冷えた冷却水の流入によって一時的
に低下し、その後、エンジン側冷却水温が緩やかに上昇
するという経過をたどる。上述した開故障時に発生する
始動直後のエンジン側冷却水温の一時的な低下は、エン
ジン停止中にラジエータが外気に晒され続けるために、
ラジエータ側冷却水温がエンジン側冷却水温よりも低く
なっていることから発生する現象である。
【0031】開故障診断(1)は、開故障時に発生する
始動直後のエンジン側冷却水温の一時的な低下に着目
し、図3に示す開故障診断プログラムによって、始動直
後のエンジン側冷却水温の低下量を判定し、この低下量
を判定値と比較して開故障の有無を診断する。以下、図
3に示す開故障診断プログラムの処理内容を説明する。
本プログラムは、イグニッションキー(IGキー)のオ
ン後に所定時間毎又は所定クランク角毎に起動され、特
許請求の範囲でいう開故障故障診断手段としての役割を
果たす。
【0032】本プログラムが起動されると、まずステッ
プ101で、IGキーがオンで且つ始動前か否かを判定
し、始動前であれば、ステップ102に進み、冷却水温
センサ20により検出したエンジン側冷却水温を始動時
水温THWS,最低水温THWmin の初期値として記憶
した後、ステップ103で、スタータ(図示せず)をオ
ンしてエンジン11を始動する。
【0033】この後、ステップ104で、冷間始動であ
るか否かを、始動時水温THWSが所定温度(サーモス
タット13の閉弁温度以下の所定温度)より低いか否に
よって判定し、冷間始動でなければ、以降の診断処理を
行うことなく、本プログラムを終了する。
【0034】これに対し、冷間始動であれば、ステップ
105〜108の処理により、始動から所定時間が経過
するまでの期間に、エンジン側冷却水温THWが低下す
る毎に最低水温THWmin を更新し、始動から所定時間
が経過した時点で、ステップ109に進み、始動時水温
THWSからそれまでの最低水温THWmin を差し引い
て、始動後のエンジン側冷却水温低下量ΔTHWを求め
る。
【0035】この後、ステップ110で、始動後のエン
ジン側冷却水温低下量ΔTHWを判定値と比較し、エン
ジン側冷却水温低下量ΔTHWが判定値よりも大きけれ
ば、ステップ111に進み、サーモスタット13が開故
障していると判定し、次のステップ112で、バックア
ップRAM29に開故障の情報を記憶すると共に、ステ
ップ113で、警告ランプ28を点灯又は点滅して、運
転者に警告し、本プログラムを終了する。尚、ステップ
110で、エンジン側冷却水温低下量ΔTHWが判定値
以下と判定された場合には、開故障と判定されず、本プ
ログラムを終了する。
【0036】本プログラムでは、始動後のエンジン側冷
却水温の低下量ΔTHWによって開故障の診断を行うよ
うにしたが、始動後のエンジン側冷却水温の低下率(所
定時間当りの水温上昇量、所定点火回数当りの水温上昇
量又は所定エンジン発生熱量当りの水温上昇量)によっ
て開故障の診断を行うようにしても良い。
【0037】[開故障診断(2)]まず、開故障診断
(2)の概略を図4に基づいて説明する。図4は、サー
モスタット13が開き放しになる開故障が発生したとき
の始動後のエンジン側冷却水温の挙動を正常時と比較し
て示したものである。開故障が発生すると、冷間始動時
でも、始動当初からラジエータ15内の冷えた冷却水が
エンジン11内に循環されてしまうため、開故障時に
は、始動後のエンジン側冷却水温の上昇が正常時よりも
かなり緩やかになる。
【0038】この特性に着目し、開故障診断(2)で
は、図5に示す開故障診断プログラムによってエンジン
始動後の所定時間内のエンジン側冷却水温の上昇量を判
定し、このエンジン側冷却水温の上昇量を判定値と比較
して開故障の有無を診断する。以下、図5に示す開故障
診断プログラムの処理内容を説明する。本プログラム
は、IGキーのオン後に所定時間毎又は所定クランク角
毎に起動され、特許請求の範囲でいう開故障故障診断手
段としての役割を果たす。
【0039】本プログラムが起動されると、ステップ1
21〜124において、前述した開故障診断(1)と同
じく、始動時水温を読み込んでからエンジン11を始動
し、冷間始動の場合に、ステップ125以降の処理を次
のように実行する。まずステップ125,126で、冷
間始動からアイドル状態が継続している時間を始動後時
間タイマーによって積算し、その積算時間が所定時間に
なった時点で(ステップ127)、現在のエンジン側冷
却水温から始動時水温を差し引くことで、冷間始動後の
所定時間内のエンジン側冷却水温上昇量ΔTHWを算出
する(ステップ128)。
【0040】もし、冷間始動後、所定時間が経過するま
でアイドル状態が継続しない場合(ステップ125で
「No」と判定された場合)には、ステップ126以降
の診断処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
これは、アイドル状態が所定時間継続しない場合には、
所定時間内のエンジン発生熱量が変動し、エンジン側冷
却水温上昇量ΔTHWが変動してしまうためである。
【0041】冷間始動後、アイドル状態が所定時間継続
した場合には、ステップ129で、上記ステップ128
で算出したエンジン側冷却水温上昇量ΔTHWを判定値
と比較し、エンジン側冷却水温上昇量ΔTHWが判定値
よりも大きければ、エンジン側冷却水温の上昇速度が速
いことを意味するため、ステップ130に進み、サーモ
スタット13が正常に閉じていると判定し、本プログラ
ムを終了する。
【0042】これに対し、ステップ129で、エンジン
側冷却水温上昇量ΔTHWが判定値以下と判定されれ
ば、エンジン側冷却水温の上昇速度が遅いことを意味す
るため、ステップ131に進み、サーモスタット13が
開故障していると判定し、次のステップ132で、バッ
クアップRAM29に開故障の情報を記憶すると共に、
ステップ133で、警告ランプ28を点灯又は点滅し
て、運転者に警告し、本プログラムを終了する。
【0043】尚、本プログラムでは、エンジン運転状態
がエンジン側冷却水温の挙動に影響を及ぼすことを考慮
して、アイドル継続中に開故障の診断を行うようにした
が、アイドル以外の運転状態でも、その運転状態がほぼ
一定の状態が継続している期間があれば、その期間に開
故障の診断を行うようにしても良い。
【0044】[開故障診断(3)]上記開故障診断
(2)では、冷間始動後の所定時間内のエンジン側冷却
水温上昇量ΔTHWを算出するため、冷間始動からアイ
ドル状態が所定時間継続しているときにエンジン側冷却
水温上昇量ΔTHWを算出することで、エンジン運転状
態の変動の影響を受けないようにした。従って、上記開
故障診断(2)では、冷間始動からアイドル状態が所定
時間継続しなければ、開故障の診断を行うことができな
い。
【0045】そこで、開故障診断(3)では、冷間始動
からアイドル状態が継続しない場合でも開故障の診断を
精度良く行うことができるようにするために、冷間始動
後のエンジン発生熱量を積算し、その積算値が所定値に
なるまでの期間のエンジン側冷却水温上昇量を算出する
ことで、エンジン運転状態の変動によるエンジン側冷却
水温の上昇量の変動の影響を排除できるようにしてい
る。
【0046】以下、この開故障診断(3)の処理を行う
図6に示す開故障診断プログラムの処理内容を説明す
る。本プログラムは、IGキーのオン後に所定時間毎又
は所定クランク角毎に起動され、特許請求の範囲でいう
開故障故障診断手段としての役割を果たす。
【0047】本プログラムは、前記開故障診断(2)で
用いた図5のプログラムと比較してエンジン側冷却水温
上昇量の算出に関するステップ125a〜127aの処
理が異なるのみであり、他の処理は同じである。従っ
て、ステップ125a〜127aの処理についてのみ説
明する。
【0048】冷間始動時に、ステップ125aで、エン
ジン回転数NEと吸気量Gを読み込んだ後、ステップ1
26aで、エンジン回転数NEと負荷G/NEをパラメ
ータするエンジン発生熱量Qの二次元マップより、現在
のエンジン回転数NEと負荷G/NEに応じたエンジン
発生熱量Qを算出する。そして、次のステップ126b
で、前回までのエンジン発生熱量積算値ΣQ(i-1) に今
回のエンジン発生熱量Qを積算してエンジン発生熱量積
算値ΣQ(i) を更新し、続くステップ127aで、今回
までのエンジン発生熱量積算値ΣQ(i) が所定値に達し
たか否かを判定する。
【0049】そして、冷間始動後のエンジン発生熱量積
算値ΣQ(i) が所定値に達した時点で、ステップ128
に進み、現在のエンジン側冷却水温から始動時水温を差
し引くことで、冷間始動後のエンジン側冷却水温上昇量
ΔTHWを算出する。これ以降の処理は、前記開故障診
断(2)と同じである。
【0050】このように、冷間始動後のエンジン発生熱
量積算値ΣQ(i) が所定値に達するまでのエンジン側冷
却水温上昇量ΔTHWを算出して、開故障の診断を行え
ば、エンジン運転状態の変動によるエンジン側冷却水温
の上昇量の変動の影響を排除でき、開故障の診断精度を
向上できる。
【0051】尚、エンジン発生熱量に代えて、点火回数
を積算し、その積算値が所定値に達するまでのエンジン
側冷却水温上昇量を算出して開故障の診断を行うように
しても良い。この場合でも、エンジン運転状態の変動に
よるエンジン側冷却水温の上昇量の変動の影響を少なく
でき、開故障の診断精度を向上できる。
【0052】[開故障診断(4)]上述した開故障診断
(2),(3)では、冷間始動後の経過時間又はエンジ
ン発生熱量積算値(又は点火回数)が所定値に達するま
でのエンジン側冷却水温の上昇量を判定し、このエンジ
ン側冷却水温の上昇量に基づいて開故障の有無を診断す
るようにしたが、開故障診断(4)では、図7に示すよ
うに、冷間始動後にエンジン側冷却水温が所定水温に達
するまでの経過時間を算出し、その時間の長さから開故
障の有無を診断する。
【0053】以下、この開故障診断(4)の処理を行う
図8に示す開故障診断プログラムの処理内容を説明す
る。本プログラムは、IGキーのオン後に所定時間毎又
は所定クランク角毎に起動され、特許請求の範囲でいう
開故障故障診断手段としての役割を果たす。
【0054】本プログラムが起動されると、まず始動前
に始動時水温THWSを読み込み(ステップ141,1
42)、この始動時水温THWSに応じた開故障判定用
の判定値Kを予め設定されたマップ又は数式により算出
した後(ステップ143)、エンジン11を始動する
(ステップ144)。そして、冷間始動である場合に、
始動からアイドル状態が継続している時間を始動後時間
タイマーによって積算する(ステップ145〜14
7)。この始動後時間タイマーの積算動作は、冷却水温
センサ20により検出したエンジン側冷却水温THWが
所定水温に上昇するまで継続する(ステップ148)。
【0055】もし、エンジン側冷却水温THWが所定水
温に上昇する以前に、アクセルがオンされてアイドル状
態でなくなった場合(ステップ146で「No」と判定
された場合)には、以降の診断処理を行うことなく、本
プログラムを終了する。これは、アイドル状態でなくな
ると、エンジン発生熱量が変動し、エンジン側冷却水温
THWの上昇具合が変動してしまうためである。
【0056】そして、冷間始動後、エンジン側冷却水温
THWが所定水温に上昇するまでアイドル状態が継続し
た場合には、その時点の始動後時間タイマーの積算時
間、つまり冷間始動後からエンジン側冷却水温THWが
所定水温に上昇するまでに要した時間を、前記ステップ
143で算出した判定値Kと比較し、この時間が判定値
Kよりも短い場合には、エンジン側冷却水温の上昇速度
が速いことを意味するため、ステップ150に進み、サ
ーモスタット13が正常に閉じていると判定し、本プロ
グラムを終了する。
【0057】これに対し、ステップ149で、エンジン
側冷却水温THWが所定水温に上昇するまでに要した時
間が判定値K以上であると判定されれば、エンジン側冷
却水温の上昇速度が遅いことを意味するため、ステップ
151に進み、サーモスタット13が開故障していると
判定し、次のステップ152で、バックアップRAM2
9に開故障の情報を記憶すると共に、ステップ153
で、警告ランプ28を点灯又は点滅して、運転者に警告
し、本プログラムを終了する。
【0058】本プログラムでは、冷間始動後にエンジン
側冷却水温THWが所定水温に上昇するまでに要する時
間が始動時水温THWSによって異なってくることを考
慮し、ステップ143で、始動時水温THWSに応じた
開故障判定用の判定値Kを算出するようにしている。こ
れにより、始動時水温THWSに左右されない信頼性の
高い開故障の診断が可能となる。
【0059】尚、エンジン側冷却水温THWが所定水温
に上昇するまでの時間を積算するのに代えて、始動後の
エンジン側冷却水温THWの上昇量が所定量に達するま
での時間を積算し、その積算時間によって開故障の診断
を行うようにしても良い。この場合には、始動時水温T
HWSが積算時間に与える影響が少なくなる利点があ
る。
【0060】また、積算する対象を、始動後の経過時間
から、エンジン発生熱量又は点火回数に代えても良い。
エンジン発生熱量を積算する場合には、図6のステップ
125a〜126bと同じ手順で行えば良い。そして、
冷間始動後にエンジン側冷却水温が所定水温に達するま
で、又はエンジン側冷却水温の上昇量が所定量に達する
までのエンジン発生熱量積算値(又は点火回数)を判定
値と比較して、開故障の診断を行えば良い。このように
すれば、エンジン運転状態の変動によるエンジン側冷却
水温の変動の影響を排除でき、アイドル状態が継続しな
くても、開故障の診断を精度良く行うことができる。
【0061】[開故障診断(5)]開故障診断(5)で
は、図9に示すようにエンジン始動後に所定時間毎にエ
ンジン側冷却水温の上昇量ΔTHWを判定し、このエン
ジン側冷却水温の上昇量が判定値以下になった回数に基
づいて開故障の有無を診断する。
【0062】この開故障診断(5)の処理を行う図10
及び図11に示す開故障診断プログラムの処理内容を説
明する。本プログラムは、IGキーのオン後に所定時間
毎又は所定クランク角毎に起動され、特許請求の範囲で
いう開故障故障診断手段としての役割を果たす。
【0063】本プログラムが起動されると、ステップ1
61〜164において、前述した開故障診断(1)と同
じく、始動時水温を読み込んでからエンジン11を始動
し、冷間始動の場合に、ステップ165以降の処理を次
のように実行する。まずステップ165では、仮フェイ
ルカウンタをクリアし、続くステップ166〜171の
処理により、エンジン側冷却水温THWがサーモスタッ
ト13の開弁温度に達するまでの期間に、次のようにし
て所定時間毎にその時間内の水温上昇量ΔTHWを算出
する処理を繰り返す。
【0064】すなわち、エンジン側冷却水温THWがサ
ーモスタット13の開弁温度よりも低ければ、ステップ
167〜169の処理により、エンジン回転数NEと吸
気量G(負荷G/NE)とから、二次元マップによりエ
ンジン発生熱量Qを算出し、前回までのエンジン発生熱
量積算値ΣQ(i-1) に今回のエンジン発生熱量Qを積算
してエンジン発生熱量積算値ΣQ(i) を更新する。この
エンジン発生熱量積算値ΣQは、後述するステップ17
3で、開故障の判定値を算出するのに用いられる。
【0065】そして、所定時間が経過する毎に、ステッ
プ171で、その時点のエンジン側冷却水温THWを今
回の水温THWF(i) として記憶し、次のステップ17
2で、今回の水温THWF(i) から前回の水温THWF
(i-1) を差し引くことで、所定時間当りの水温上昇量Δ
THWを算出する。
【0066】この後、ステップ173で、前記ステップ
169で積算した所定時間内のエンジン発生熱量積算値
ΣQ(i) に応じた判定値を予め設定されたマップ又は数
式により算出する。これにより、エンジン運転状態の変
動によるエンジン側冷却水温の上昇量の変動の影響を考
慮した判定値が算出される。判定値の算出後は、エンジ
ン発生熱量積算値ΣQ(i) をクリアする。そして、次の
ステップ174で、所定時間当りの水温上昇量ΔTHW
を上記ステップ173で求めた判定値と比較し、水温上
昇量ΔTHWが判定値以下であれば、開故障の疑いがあ
るので、ステップ175に進み、仮フェイルカウンタを
インクリメントして本プログラムを終了する。尚、所定
時間当りの水温上昇量ΔTHWが判定値よりも大きけれ
ば、何もせずに、本プログラムを終了する。
【0067】このようにして、冷間始動後に、エンジン
側冷却水温THWがサーモスタット13の開弁温度に達
するまで、所定時間毎に水温上昇量ΔTHWを算出して
判定値と比較し、ΔTHW≧判定値のときに仮フェイル
カウンタをインクリメントするという処理を繰り返す。
そして、エンジン側冷却水温THWがサーモスタット1
3の開弁温度に達した時点で、上述した処理を終了し
て、ステップ176に進み、仮フェイルカウンタの値を
所定値と比較し、仮フェイルカウンタの値が所定値以上
であれば、ステップ177に進み、サーモスタット13
が開故障していると判定し、次のステップ178で、バ
ックアップRAM29に開故障の情報を記憶すると共
に、ステップ179で、警告ランプ28を点灯又は点滅
して、運転者に警告し、本プログラムを終了する。尚、
ステップ176で、仮フェイルカウンタの値が所定値よ
りも少ないと判定された場合には、開故障と判定され
ず、本プログラムを終了する。
【0068】本プログラムでは、所定時間当りの水温上
昇量ΔTHWを算出したが、所定エンジン発生熱量当り
の水温上昇量又は所定点火回数当りの水温上昇量を算出
して、それを判定値と比較するようにしても良い。要
は、エンジン始動後にエンジン側冷却水温の上昇率を周
期的に判定し、このエンジン側冷却水温の上昇率が判定
値以下になった回数に基づいて開故障の有無を診断する
ようにすれば良い。このようにすれば、エンジン側冷却
水温の上昇率に基づく開故障の診断を繰り返すことがで
き、信頼性の高い開故障の診断を行うことができる。
【0069】以上説明した各開故障診断(1)〜(5)
では、エンジン運転状態がエンジン側冷却水温の挙動に
影響を及ぼすことを考慮して、アイドル継続中(又はほ
ぼ一定の運転状態が継続している期間)に開故障の診断
を行ったり、エンジン発生熱量又は点火回数を基準にし
てエンジン側冷却水温の挙動を判定するようにした。し
かし、エンジン側冷却水温の挙動に影響を及ぼす要因
は、エンジン運転状態だけではなく、冷却水の放熱量に
影響を与える要因(車速、外気温、吸気温、空調装置の
作動状態)も、エンジン側冷却水温の挙動に影響を与え
る要因となる。従って、開故障の診断処理に用いる判定
値、所定期間、検出水温等のデータを車速、外気温、吸
気温、空調装置の作動状態のうちの少なくとも1つに基
づいて補正するようにしても良い。このようにすれば、
冷却水の放熱量を考慮した開故障の診断が可能となり、
その分、開故障の診断精度を向上させることができる。
【0070】また、燃料カット中は、エンジン発生熱量
が無くなるので、燃料カット期間を除いて、経過時間の
積算、点火回数の積算、エンジン発生熱量の積算を行う
ようにしても良い。
【0071】一方、サーモスタット13が閉じ放しにな
る閉故障は、次の2つの診断方法のうちのいずれかの方
法で行う。
【0072】[閉故障診断(1)]まず、閉故障診断
(1)の概略を図12に基づいて説明する。図12は、
閉故障が発生したときのエンジン側冷却水温の挙動を正
常時と比較して示したものである。エンジン側冷却水温
がサーモスタット開弁温度を越えたときには、サーモス
タット13が正常であれば開弁して、ラジエータ15側
の冷えた冷却水がエンジン11側に循環され、エンジン
側冷却水温が低下するが、閉故障時には、サーモスタッ
ト13が開弁せず、冷却水の循環が行われずに、エンジ
ン側冷却水温が上昇し続ける。
【0073】この点に着目し、閉故障診断(1)では、
エンジン側冷却水温がサーモスタット開弁温度に達した
後に、エンジン側冷却水温の変化率を判定値と比較して
閉故障の有無を診断する。ここで、エンジン側冷却水温
の変化率は、所定時間当りの水温変化量、所定点火回数
当りの水温変化量、所定エンジン発生熱量当りの水温変
化量のいずれかによって判定すれば良い。
【0074】以下、この閉故障診断(1)の処理を行う
図13に示す閉故障診断プログラムの処理内容を説明す
る。本プログラムは、IGキーのオン後に所定時間毎
(例えば200ms毎)に起動され、特許請求の範囲で
いう閉故障故障診断手段としての役割を果たす。
【0075】本プログラムが起動されると、まずステッ
プ201で、冷却水温センサ20で検出したエンジン側
冷却水温THWを読み込み、次のステップ202で、閉
故障診断に使用するセンサ(冷却水温センサ20、吸気
量センサ24、吸気温センサ25、車速センサ26)が
正常であるか否かを判定する。ここで、センサが正常か
否かの判定は、センサの出力電圧が所定電圧範囲内にあ
るか否か等によって行う。もし、センサが異常と判定さ
れた場合には、正常な故障診断を行うことができないの
で、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了す
る。
【0076】センサが正常であれば、ステップ203に
進み、失火が発生したか否かを判定し、失火発生時に
は、エンジン発生熱量が低下して、エンジン側冷却水温
の挙動が変動するため、以降の処理を行うことなく、本
プログラムを終了する。
【0077】失火が発生していなければ、ステップ20
4に進み、冷間始動であるか否かを始動時のエンジン側
冷却水温THWSが例えば60℃(サーモスタット13
の閉弁温度以下の所定温度)よりも低いか否かによって
判定し、冷間始動でなければ以降の診断処理を行うこと
なく、本プログラムを終了する。
【0078】冷間始動であれば、ステップ205に進
み、後述する図14のエンジン発生熱量積算プログラム
によって積算したエンジン発生熱量積算値SQENGが
判定熱量に達したか否かを判定する。ここで、判定熱量
は、冷間始動後に正常なサーモスタット13が確実に開
弁するまでに必要なエンジン発生熱量である。従って、
エンジン発生熱量積算値SQENGが判定熱量に達して
いなければ、以降の診断処理を行うことなく、本プログ
ラムを終了する。
【0079】これに対し、エンジン発生熱量積算値SQ
ENGが判定熱量に達していれば、ステップ206に進
み、後述する図16の閉故障フラグセットプログラムに
よってセットされる閉故障フラグXDTHWCLが閉故
障を意味する「0」であるか否かを判定する。尚、閉故
障フラグXDTHWCLは、初期化時に正常を意味する
「1」にセットされる。
【0080】もし、閉故障フラグXDTHWCLが閉故
障を意味する「0」であれば、ステップ207に進み、
サーモスタット13が閉故障していると判定し、次のス
テップ208で、バックアップRAM29に閉故障の情
報(閉故障時のエンジン回転数、吸気量、エンジン側冷
却水温、車速及び故障コード)を記憶すると共に、ステ
ップ209で、警告ランプ28を点灯又は点滅して、運
転者に警告し、本プログラムを終了する。
【0081】次に、図14に示すエンジン発生熱量積算
プログラムの処理内容を説明する。本プログラムは、I
Gキーのオン後に所定時間毎(例えば100ms毎)に
起動され、始動後のエンジン発生熱量を次のように積算
する。まず、ステップ221で、吸気量GA、吸気温T
HA、車速SPD、空調装置27のブロワファンの作動
状態ELBを読み込み、次のステップ222で、燃料カ
ット中であるか否かを判定する。燃料カット中はエンジ
ン発生熱量がゼロになり、放熱によりエンジン側冷却水
温が低下する。従って、燃料カット中であれば、ステッ
プ226に進み、前回までのエンジン発生熱量積算値S
QENG(i-1) から所定値(例えば10)を差し引い
て、燃料カットの影響をキャンセルする。
【0082】一方、燃料カット中でなければ、ステップ
223に進み、エンジン発生熱量QENGを図15
(a)のマップより吸気量GAに応じて算出する。尚、
エンジン発生熱量QENGを算出するためのパラメータ
は、吸気量GAに代えて、吸気管圧力又は燃料噴射量を
用いても良い。
【0083】エンジン発生熱量QENGの算出後、ステ
ップ224に進み、前回までのエンジン発生熱量積算値
SQENG(i-1) に今回のエンジン発生熱量QENGを
積算して、エンジン発生熱量積算値SQENG(i) を更
新する。この後、ステップ225で、吸気温THA、車
速SPD、ブロワファン作動状態ELBに応じた補正係
数KQTHA,KQSPD,KQELBを乗算してエン
ジン発生熱量積算値SQENG(i) を補正する。
【0084】ここで、吸気温THAに応じた補正係数K
QTHAは、図15(b)のマップより吸気量GAに応
じて算出される。尚、吸気温THAに代えて外気温を用
いても良い。また、車速SPDに応じた補正係数KQS
PDは、図15(c)のマップより車速SPDに応じて
算出される。ブロワファン作動状態ELBに応じた補正
係数KQELBは、図15(d)のマップよりブロワフ
ァンのオン/オフに応じて算出される。
【0085】このように、吸気温THA、車速SPD、
ブロワファン作動状態ELBに応じてエンジン発生熱量
積算値SQENG(i) を補正する理由は、吸気温TH
A、車速SPD、ブロワファン作動状態ELBは、いず
れも、冷却水の放熱量に影響を与え、エンジン側冷却水
温の挙動を変動させるためである。尚、ブロワファンは
運転モード(送風の強/弱や外気導入/車室内循環)に
よって冷却水の放熱量が変化するため、運転モードによ
って補正係数KQELBを変えるようにしても良い。
【0086】次に、図16に示す閉故障フラグセットプ
ログラムの処理内容を説明する。本プログラムは、IG
キーのオン後に所定時間毎(例えば100ms毎)に起
動され、次のようにして閉故障フラグXDTHWCLを
セットする。まず、ステップ231で、所定時間毎(例
えば100ms毎)のエンジン側冷却水温の変化量DT
HWを、前回のエンジン側冷却水温THW(i-1) から今
回のエンジン側冷却水温THW(i) を差し引いて求め
る。
【0087】この後、ステップ232で、電動式のラジ
エータファン18がオフであるか否かを判定し、ラジエ
ータファン18がオフであれば、ステップ233に進
み、ラジエータファン18がオンからオフに切り替わっ
てから所定時間(例えば5秒)が経過したか否かを判定
し、この時間が経過している場合に、ステップ234に
進み、閉故障の判定を行う。上述したステップ232,
233のいずれか一方が「No」の場合、つまりラジエ
ータファン18がオンの場合、又はラジエータファン1
8がオンからオフに切り替わってから所定時間(例えば
5秒)が経過していない場合には、閉故障の判定を行な
わずに、本プログラムを終了する。これは、ラジエータ
ファン18の送風による冷却水の放熱の影響を受けない
ようにするためである。
【0088】ラジエータファン18がオンからオフに切
り替わってから所定時間(例えば5秒)が経過している
場合には、ステップ234で、水温変化量DTHWを判
定値(例えば0℃)と比較し、水温変化量DTHWが判
定値よりも小さければ、サーモスタット13が正常に開
弁していると推定できるため、ステップ235に進み、
閉故障フラグXDTHWCLを正常を意味する「1」に
セットして、本プログラムを終了する。
【0089】これに対し、水温変化量DTHWが判定値
以上であれば、エンジン側冷却水温THWが異常に上昇
し続けていることを意味するため、ステップ236に進
み、閉故障フラグXDTHWCLを閉故障を意味する
「0」にセットして、本プログラムを終了する。尚、上
記ステップ234で、水温変化量DTHWと比較する判
定値は0℃に限定されず、プラス温度であっても良い。
【0090】[閉故障診断(2)]上述した閉故障診断
(1)では、所定時間毎の水温変化量DTHWを算出し
たが、閉故障診断(2)では、所定エンジン発生熱量毎
の水温変化量DTHWSQを算出する。また、上述した
閉故障診断(1)では、始動後のエンジン発生熱量積算
値が所定量に達したときに閉故障の診断を行うようにし
たが、閉故障診断(2)では、エンジン側冷却水温がサ
ーモスタット13の開弁温度より所定温度高くなったと
きに閉故障の診断を行う。
【0091】以下、この閉故障診断(2)の処理を行う
図18に示す閉故障診断プログラムの処理内容を説明す
る。本プログラムは、IGキーのオン後に所定時間毎
(例えば200ms毎)に起動され、特許請求の範囲で
いう閉故障故障診断手段としての役割を果たす。
【0092】本プログラムが起動されると、まずステッ
プ241で、冷却水温センサ20で検出したエンジン側
冷却水温THWを読み込むと共に、後述する図19の水
温変化量算出プログラムによって算出された所定エンジ
ン発生熱量毎の水温変化量DTHWSQを読み込む。こ
の後、ステップ242,243で、閉故障診断に使用す
る冷却水温センサ20等のセンサが正常で且つ失火が発
生していないと判定された場合に、ステップ244に進
み、エンジン側冷却水温THWをサーモスタット13の
開弁温度(例えば90℃)より所定温度(例えば5℃)
高い温度である例えば95℃と比較する。この温度は、
サーモスタット13が正常であれば確実に開弁している
温度である。従って、エンジン側冷却水温THWが95
℃以下の場合には、以降の診断処理を行うことなく、本
プログラムを終了する。
【0093】一方、エンジン側冷却水温THWが95℃
を越えていれば、ステップ245に進み、所定エンジン
発生熱量毎の水温変化量DTHWSQを判定値(例えば
0℃)と比較し、水温変化量DTHWが判定値以下であ
れば、サーモスタット13が正常に開弁していると推定
できるため、以降の処理を行うことなく、本プログラム
を終了する。
【0094】もし、水温変化量DTHWが判定値よりも
大きければ、エンジン側冷却水温THWが異常に上昇し
続けていることを意味するため、ステップ246に進
み、サーモスタット13が閉故障していると判定し、次
のステップ247で、バックアップRAM29に閉故障
の情報を記憶すると共に、ステップ248で、警告ラン
プ28を点灯又は点滅して、運転者に警告し、本プログ
ラムを終了する。
【0095】次に、図19に示す水温変化量算出プログ
ラムの処理内容を説明する。本プログラムは、IGキー
のオン後に所定時間毎(例えば100ms毎)に起動さ
れ、次のようにして所定エンジン発生熱量毎の水温変化
量DTHWSQを算出する。まず、ステップ251で、
前述した図14のエンジン発生熱量積算プログラムによ
って積算したエンジン発生熱量積算値SQENGとエン
ジン側冷却水温THWを読み込む。
【0096】この後、ステップ252で、エンジン発生
熱量積算値SQENGが所定値(図17参照)を越えた
か否かを判定し、エンジン発生熱量積算値SQENGが
所定値を越える毎に、ステップ253で、エンジン側冷
却水温の変化量DTHWSQを、前回の水温THWOか
ら今回の水温THWを差し引くことで算出する。この
後、ステップ254で、THWOを今回の水温THWで
更新すると共に、エンジン発生熱量積算値SQENGを
クリアして、本プログラムを終了する。
【0097】尚、本プログラムでは、所定エンジン発生
熱量毎の水温変化量DTHWSQを算出したが、所定点
火回数毎の水温変化量を算出しても良い。また、アイド
ル状態が継続している期間、又は、ほぼ一定の運転状態
が継続している期間に、所定時間毎の水温変化量を算出
しても良い。
【0098】尚、図1のシステム構成例では、ラジエー
タファン18を電動ファンで構成したが、ラジエータフ
ァンをウォータポンプ17と連結し、エンジン動力によ
ってラジエータファンとウォータポンプ17とを一体的
に回転駆動するようにしても良い。また、ラジエータ1
5の取付位置は、ウォータジャケット12の出口部に限
定されず、ウォータジャケット12の入口部等、他の部
分であっても良い。
【0099】その他、本発明は、開故障診断プログラム
と閉故障診断プログラムのいずれか一方のみを実施する
ようにしても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変
更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるエンジン冷却系全
体の構成を示す図
【図2】開故障診断(1)の方法を説明するためのタイ
ムチャート
【図3】開故障診断(1)の開故障診断プログラムの処
理の流れを示すフローチャート
【図4】開故障診断(2)の方法を説明するためのタイ
ムチャート
【図5】開故障診断(2)の開故障診断プログラムの処
理の流れを示すフローチャート
【図6】開故障診断(3)の開故障診断プログラムの処
理の流れを示すフローチャート
【図7】開故障診断(4)の方法を説明するためのタイ
ムチャート
【図8】開故障診断(4)の開故障診断プログラムの処
理の流れを示すフローチャート
【図9】開故障診断(5)の方法を説明するためのタイ
ムチャート
【図10】開故障診断(5)の開故障診断プログラムの
前半部の処理の流れを示すフローチャート
【図11】開故障診断(5)の開故障診断プログラムの
後半部の処理の流れを示すフローチャート
【図12】閉故障診断(1)の方法を説明するためのタ
イムチャート
【図13】閉故障診断(1)の開故障診断プログラムの
処理の流れを示すフローチャート
【図14】エンジン発生熱量積算プログラムの処理の流
れを示すフローチャート
【図15】(a)は吸気量GAからエンジン発生熱量Q
ENGを算出するマップを概念的に示す図、(b)は吸
気温THAから補正係数KQTHAを算出するマップを
概念的に示す図、(c)は車速SPDから補正係数KQ
SPDを算出するマップを概念的に示す図、(d)はブ
ロワファン作動状態ELBから補正係数KQELBを算
出するマップを概念的に示す図
【図16】閉故障フラグセットプログラムの処理の流れ
を示すフローチャート
【図17】閉故障診断(2)の方法を説明するためのタ
イムチャート
【図18】閉故障診断(2)の開故障診断プログラムの
処理の流れを示すフローチャート
【図19】水温変化量算出プログラムの処理の流れを示
すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン、12…ウォータジャケット、13…サ
ーモスタット、14…冷却水循環路、15…ラジエー
タ、16…冷却水循環路、18…ラジエータファン、2
0…冷却水温センサ(水温検出手段)、22…ECU
(開故障診断手段,閉故障診断手段)、23…エンジン
回転数センサ、24…吸気量センサ、25…吸気温セン
サ、26…車速センサ、27…空調装置、28…警告ラ
ンプ(警告手段)、29…バックアップRAM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16K 31/68 F16K 31/68 Q G01M 15/00 G01M 15/00 Z (56)参考文献 特開 平6−213117(JP,A) 特開 平6−294326(JP,A) 特開 平6−281538(JP,A) 特開 平8−326590(JP,A) 特開 平4−132818(JP,A) 特開 平8−177487(JP,A) 特開 平4−60150(JP,A) 特開 昭64−3220(JP,A) 特開 昭58−172444(JP,A) 実開 平2−50043(JP,U) 実開 平2−72343(JP,U) 実開 昭61−99650(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 360 F01P 7/16 502 F02B 77/08 F02D 41/22 301 F16K 31/68 G01M 15/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの冷却水循環経路に設けられた
    サーモスタットの故障を検出するエンジン冷却系のサー
    モスタット故障検出装置であって、 前記サーモスタットよりもエンジン側の冷却水循環経路
    の冷却水温(以下「エンジン側冷却水温」という)を検
    出する冷却水温検出手段と、エンジンが冷えた状態で始動する冷間始動時に、 前記サ
    ーモスタットが正常であれば閉じている温度領域で、前
    記冷却水温検出手段により検出したエンジン側冷却水温
    に基づいて、前記サーモスタットが閉じずに開き放しに
    なる故障(以下「開故障」という)の有無を診断する開
    故障診断手段とを有することを特徴とするエンジン冷却
    系のサーモスタット故障検出装置。
  2. 【請求項2】 前記開故障診断手段は、エンジン始動直
    後のエンジン側冷却水温の低下量又は低下率を判定し、
    このエンジン側冷却水温の低下量又は低下率に基づいて
    開故障の有無を診断することを特徴とする請求項1に記
    載のエンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置。
  3. 【請求項3】 前記開故障診断手段は、エンジン始動後
    の経過時間、点火回数、エンジン発生熱量の積算値のい
    ずれかが所定値に達するまでのエンジン側冷却水温の上
    昇量を判定し、このエンジン側冷却水温の上昇量に基づ
    いて開故障の有無を診断することを特徴とする請求項1
    に記載のエンジン冷却系のサーモスタット故障検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記開故障診断手段は、エンジン始動後
    にエンジン側冷却水温の上昇量が所定量に達するまで、
    又はエンジン側冷却水温が所定水温に達するまでの経過
    時間、点火回数、エンジン発生熱量の積算値のいずれか
    を判定し、その判定値に基づいて開故障の有無を診断す
    ることを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却系の
    サーモスタット故障検出装置。
  5. 【請求項5】 前記開故障診断手段は、エンジン始動後
    にエンジン側冷却水温の上昇率を周期的に判定し、この
    エンジン側冷却水温の上昇率が所定値以下になった回数
    に基づいて開故障の有無を診断することを特徴とする請
    求項1に記載のエンジン冷却系のサーモスタット故障検
    出装置。
  6. 【請求項6】 前記開故障診断手段は、前記エンジン側
    冷却水温の上昇率を所定時間当りの水温上昇量、所定点
    火回数当りの水温上昇量、所定エンジン発生熱量当りの
    水温上昇量のいずれかによって判定することを特徴とす
    る請求項5に記載のエンジン冷却系のサーモスタット故
    障検出装置。
  7. 【請求項7】 前記開故障診断手段は、開故障の診断処
    理に用いるデータを車速、外気温、吸気温、空調装置の
    作動状態のうちの少なくとも1つに基づいて補正するこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエン
    ジン冷却系のサーモスタット故障検出装置。
  8. 【請求項8】 前記サーモスタットが正常であれば開い
    ている温度領域で、前記冷却水温検出手段により検出し
    たエンジン側冷却水温に基づいて、前記サーモスタット
    が開かずに閉じ放しになる閉故障の有無を診断する閉故
    障診断手段を有することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のエンジン冷却系のサーモスタット故障
    検出装置。
  9. 【請求項9】 エンジンの冷却水循環経路に設けられた
    サーモスタットの故障を検出するエンジン冷却系のサー
    モスタット故障検出装置であって、 前記サーモスタットよりもエンジン側の冷却水循環経路
    の冷却水温(以下「エンジン側冷却水温」という)を検
    出する冷却水温検出手段と、始動時の冷却水温が前記サーモスタットの開弁温度以下
    の所定温度よりも低いときに、 前記サーモスタットが正
    常であれば閉じている温度領域で、前記冷却水温検出手
    段により検出したエンジン側冷却水温に基づいて、前記
    サーモスタットが閉じずに開き放しになる開故障の有無
    を診断する故障診断手段とを有することを特徴とする
    エンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置。
  10. 【請求項10】 エンジンの冷却水循環経路に設けられ
    たサーモスタットの故障を検出するエンジン冷却系のサ
    ーモスタット故障検出装置であって、 前記サーモスタットよりもエンジン側の冷却水循環経路
    の冷却水温(以下「エンジン側冷却水温」という)を検
    出する冷却水温検出手段と、 前記サーモスタットが正常であれば開いている温度領域
    で、前記冷却水温検出手段により検出したエンジン側冷
    却水温に基づいて、前記サーモスタットが開かずに閉じ
    放しになる閉故障の有無を診断する閉故障診断手段とを
    備え、 前記冷却水循環経路に設けられたラジエータを冷却する
    ラジエータファンを電 動ファンで構成し、 前記閉故障診断手段は、前記ラジエータファンが停止し
    ている期間中に閉故障の診断を行うことを特徴とする
    ンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置。
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