JP3405682B2 - 半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方法 - Google Patents
半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方法Info
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Description
ャル膜の非破壊検査方法に係る。より詳細には、半導体
エピタキシャル膜を破壊することなく、室温付近のフォ
トルミネッセンススペクトルの測定から、シートキャリ
ア濃度を評価することが可能な半導体エピタキシャル膜
の非破壊検査方法に関する。特に、近年超高速のデバイ
スとして脚光をあびているヘテロ構造変調ドープ電界効
果トランジスタに用いられるチャネル層として機能する
半導体エピタキシャル膜の評価法として、本発明は好適
に用いられる。
いはマイクロ波等無線通信システムの高速化等に伴い、
半導体デバイスにはさらなる高速動作が求められてい
る。このような分野において、ヘテロ構造変調ドープ電
界効果トランジスタ(以後HFETと略記)は、最も高
速な半導体デバイスの一つである。中でも、InP基板
上のInAlAs/InGaAs系HFETは超高速の
デバイスとして注目されている。このような構成のデバ
イスでは、基板上に前もってチャネルとして機能する層
を含む半導体エピタキシャル膜が設けられ、その膜を用
いてInAlAs/InGaAs系HFETが形成され
る。従って、半導体エピタキシャル膜に対して、デバイ
ス作製プロセスに供する前に非破壊評価によってチャネ
ル層のシートキャリア濃度(以後Nsと略記)を求めス
クリーニングすることができれば、その後作製するHF
ETにおけるしきい値電圧(以後Vthと略記)等のデバ
イス特性を歩留まり良く所望のものが得られると考えら
れている。例えば、上記Nsと上記Vthには一定の関係
があることが報告されている[H. Hida, T. Tsukada,
Y. Ogawa, Toyoshima, M. Fujii, K. Shibahara, M. Ko
hno, and T. Nozaki, IEEE Trans. Electron Device, 3
6, 223 (1989)]。
チャネル層のNs評価は以下のように行われてきた。
膜が付いたウェハ)をを成長できる装置では同時に成長
した膜ウェハのうち1枚抜き出しホール素子等測定用試
料を作りNsを測定していた。残りの膜ウェハのNsはそ
の測定値と同じとみなした。単数枚しか成長できない装
置では、HFET製作に用いる膜の前あるいは後に成長
した膜ウェハに対しホール素子等測定用試料を作りNs
を測定していた。HFET製作に用いる膜ウェハのNs
はその測定値と同じと考えた。
ないHFETエピタキシャル膜では、うず電流法による
非破壊評価によってシート抵抗や移動度を求めひいては
Nsを算出していた。
を用いた測定法 研究段階では、低温20Kでのフォトルミネッセンス
(以後PLと略記)測定からNsを求める方法が報告さ
れている。このPL測定では、HFETチャネル層にお
ける量子準位の基底準位の電子e1と基底準位の正孔h
との結合に対応するPLピークエネルギー位置E1と、
フェルミエネルギー位置の電子eFと基底準位の正孔h
との結合に対応する高エネルギー端側の肩部のエネルギ
ー位置EFとのエネルギー差Δ*Eを求めている。そのΔ
*EがNsと線形関係にあることを利用している。
な課題があった。
効果測定用のホール素子を作製するため、エピタキシャ
ル膜の付いたウェハ1枚を割ったりあるいはエッチング
したりして破壊しなければならなかった。従って、Ns
を測定した同じウェハ領域にHFETを作製し製品化す
ることは困難であった。また、ホール素子を作るのに数
時間かかる等の問題もあった。
ル層以外に導電層(例えばコンタクト層)を持つHFE
Tエピタキシャル膜には適用できないという欠点があっ
た。これはチャネル層のNsとそれ以外の導電層のNsを
同時に測定してしまい、両者のNsの分離ができないた
めである。InP基板上のIAlAs/InGaAs系
HFETでは、フッ素汚染等材料劣化をさけるためソー
スドレイン電極アロイ熱処理ができず、オーミックコン
タクトをとるためにはn+InGaAs等の高導電性の
コンタクトエピタキシャル層を用いノンアロイ電極をつ
ける必要がある。従って、うず電流による方法を用いる
ことができない。
ウェハを割ったりエッチングしたりする必要はないが、
冷却過程にウェハの表面が汚れるあるいは傷つく心配が
ありまたエピタキシャル膜に歪みが生じるため、完全な
非破壊測定とはいかず、HFET等デバイス実用生産ラ
インでは受け入れられない。また、冷却のためまた測定
後室温にもどすのに時間がかかる等の問題があった。な
お、このPL評価はチャネル層以外に導電層を持たない
HFETエピタキシャル膜にのみ適用され、導電層の影
響が明らかにされていなかった。一方、ウェハ汚染やひ
ずみの心配がない室温付近のPLスペクトルでは、エネ
ルギー位置EFが識別できない、またNsが2×1012c
m-2付近あるいはそれ以上の領域ではPLピークエネル
ギー位置E1が識別しにくいため、その方法が使えない
という問題点があった。これは、室温付近ではフェルミ
エネルギー付近での電子の状態占有確率がだれること、
また、PLピークがブロードになるために量子準位の基
底準位の電子e1と基底準位の正孔hとの結合に対応す
るe1hPLピークが量子準位の励起準位の電子e2と基
底準位の正孔hとの結合に対応するe2hPLピーク
(このピークはNsの増加とともに大きくなり、約2×
1012cm-2以上ではe1hPLピークよりかなり優勢
となる)とかなりの部分重なることによる。
体エピタキシャル膜を破壊することなく、室温付近のフ
ォトルミネッセンススペクトルの測定から、シートキャ
リア濃度を評価することが可能な半導体エピタキシャル
膜の非破壊検査方法を提供することである。
タキシャル膜の非破壊検査方法は、半導体エピタキシャ
ル膜からのフォトルミネッセンススペクトルを測定する
工程と、前記スペクトルの最大強度ピーク位置の第1の
エネルギー値を求める工程と、前記ピークの高エネルギ
ー側で前記スペクトルが前記ピーク値の20%乃至80
%の範囲の予め決めた値となる位置の第2のエネルギー
値を求める工程と、前記第1のエネルギー値と前記第2
のエネルギー値との差分を算出する工程と、前記差分か
ら、予め測定により求めておいた関係を用いて、前記半
導体エピタキシャル膜のシートキャリア濃度を推定する
工程と、を有することを特徴とする。
エピタキシャル膜に対して室温でPL測定を行って得
た、HFETチャネル層からの最も大きなPLピークの
エネルギー位置Epとそのピークの高エネルギー側半値
位置のエネルギー位置Ehとのエネルギー差ΔEと、ホ
ール効果から求めたNsとが線形の正相関を有すること
を見出し、上記構成からなる本発明を考案した。
ず維持されることも分った。従って、ΔEとNsの対応
データを予め蓄積しておき、それらの相関関係をコンピ
ューターに記憶させておくと、デバイスを作製する前の
HFET構造を備えた半導体エピタキシャル膜を設けた
ウェハに対し、室温PLを測定することによって非破壊
でチャネル層のNs が求められること、さらにはウェハ
のスクリーニングができることが明らかとなった。
と本発明者は考えた。
である。ここで、Epは量子準位の基底準位の電子e1と
基底準位の正孔hとの結合エネルギーE1(チャネル層
のキャリヤ濃度が低い場合)あるいは量子準位の励起準
位の電子e2と基底準位の正孔hとの結合エネルギーE2
(チャネル層のキャリヤ濃度が高い場合)に相当する。
1012cm-2近傍あるいはそれ以上では室温PLのEp
は一般にE2に相当する。チャネル層のキャリヤ濃度が
増えるにつれて、伝導帯中高エネルギー側まで電子が存
在するようになる。この電子と光励起後基底状態に緩和
された正孔との結合によるPLが発生するため、最も大
きなPLピークEpの高エネルギー側のすそが膨らみ高
エネルギー側に伸びる。
対して相対的に高エネルギー側にずれるので、(Eh −
Ep )がNsと正相関をもつと、本発明者は考えた。
hとEpとの関係に基づき説明したが、半値エネルギー位
置Ehの代わりに、最大ピーク値の20%〜80%のエ
ネルギー位置を用いても、同様の作用・効果が得られる
ことが分かった。
けないのは、コンタクト層は通常非常に低抵抗すなわち
非常に高濃度ドープ層であり、このような層からのPL
ピークは非常にブロードでかつ非常に低強度であるた
め、という実験事実も本発明者は見出した。
ピタキシャル膜の非破壊検査方法について、具体的な手
順に基づき詳述する。
ャル膜としてInGaAsからなるチャネル層を有す
る、表1に示した層構成からなるHFET用ウェハを用
意した。すなわち、このウェハはInP基板上にInA
lAs/InGaAs系HFET構造を備えている。但
し、表1のInAlAsとしてはIn0.52Al0.48As
を、InGaAsとしてはIn0.53Ga0.47Asを、そ
れぞれ用いた。
ウェハの2箇所において、チャネル層からのPLスペク
トルを室温で測定した。図1は、この測定により得られ
たPLスペクトルの一例を示すグラフである。そして、
図1に示すようにΔEを求めた。図1において、横軸は
PL測定に用いた光の波長であり、縦軸は各波長で観測
されたPL強度である。但し、図1の縦軸は、最大ピー
ク強度を10として規格化した数値である。
たホール素子を用いてホール効果を測定することによっ
て、シートキャリア濃度Nsを求めた。
ール効果の測定から得られたNsとの関係を示すグラフ
である。図2において、●印はダイオード領域が無い場
合、○印はダイオード領域が有る場合を各々示してい
る。
を示していることが分かった。また、図2にはダイオー
ド領域が有るウェハと無いウェハのデータが混在してい
るが、ダイオード領域の有無には相関がほとんど影響を
受けないことも明らかとなった。従って、半導体エピタ
キシャル膜構造が同じウェハに対して室温非破壊PL測
定を行って得られたΔEから、図2の相関関係を用いる
ことにより、チャネル層のシートキャリア濃度Nsを非
破壊で求めることができる。
らつきが見られるが、これはPL測定系のS/N比改良
等により十分低減可能である。例えば、ΔE=49me
Vの場合に、Ns=約2×1012cm-2と求まる。従っ
て、コンタクト層が有っても室温PL測定で求まるΔE
から、シートキャリア濃度Nsを非破壊検査できること
が明らかとなった。
測定を終えたウェハを使って、作製するHFETにおけ
るしきい値電圧Vthをも予想することが可能である。
であり、その面内には5mm間隔で室温PL測定を行
い、非破壊で求めたΔEの数値をマッピングした一例を
示す。図3において、ΔEの平均値は51.54meV
であり、ΔEの標準偏差は1.06meVである。そし
て、図2の関係を用いNsに置き換えることにより、Ns
の標準偏差は約2×1011cm-2と求まる。この結果か
ら、このウェハで所期のHFETを作製するとしきい値
電圧Vthの標準偏差は約50mVになると予想された。
この予想に基づき、このウェハはHFET作製用として
均一性はほぼ合格と判定することができた。
小さく外周側で大きい回転対称に近くなっていることが
分かった。この結果は、エピタキシャル成長条件の面内
不均一を反映していると考えられ、成長条件改善に重要
な情報として利用できることも明らかとなった。
がEpの1/2になるエネルギーを採用したが、一定比
率に定めてΔEとNsとの相関をとれば、その前後例え
ば1/3でも2/3でも可能なことは、上記説明から明
らかである。具体的な範囲としては、最大ピーク値の2
0%〜80%の範囲に設定すれば同様の効果が得られる
ことが確認された。
ャル膜としてInGaAsからなるチャネル層を有し、
InP基板上にInAlAs/InGaAs系HFET
構造を備えたウェハを用いた例を示したが、本発明に係
る方法は、この構成のみに限られるものではない。例え
ば、GaAs基板上のAlGaAs/InGaAs系H
FET構造を備えたエピタキシャル膜、他のHFET構
造を備えたエピタキシャル膜、あるいはHFET以外の
量子井戸構造を備えたエピタキシャル膜等を使った各種
電子デバイスや光デバイスにも、本発明に係る方法は適
用できる。
体エピタキシャル膜の非破壊検査方法を用いることによ
り、HFET作製プロセスに供する前に、例えばチャネ
ルとして用いる層を含む半導体エピタキシャル膜を非破
壊で評価することによって、当該膜のスクリーニングが
可能であり、その結果所望のしきい値電圧Vthを有する
デバイスが歩留まり良く得られる。
1回のエピタキシャル膜の成長に比べてかなり多くの時
間(数ヶ月)と人手を要する。これに対して、上記スク
リーニングで不合格になり膜を再度成長し直したとして
もせいぜい数日で済む。ゆえに、本発明に係る方法を採
用することで、デバイス作製に要する時間と労力と費用
を著しく低減することができる。
いた破壊検査のホール効果測定に比べてもNsのウェハ
面内分布をとるのに時間と労力が少なくてすむ。加え
て、図3に示したように、本発明に係る方法で求めたΔ
Eの分布は、エピタキシャル成長条件(例えば、成長温
度など)の面内不均一を反映しているので、早いフィー
ドバックの成長条件出しや成長条件改良にも有効な手段
として利用できる。
した結果を示すグラフであり、横軸はPL測定に用いた
光の波長であり、縦軸は各波長で観測されたPL強度で
ある。
定から得られたNs との関係を示すグラフであり、●印
はダイオード領域が無い場合、○印はダイオード領域が
有る場合を各々示す。
面内には5mm間隔で室温PL測定を行い非破壊で求め
たΔEの数値をマッピングした一例を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体エピタキシャル膜からのフォトル
ミネッセンススペクトルを測定する工程と、前記スペク
トルの最大強度ピーク位置の第1のエネルギー値を求め
る工程と、前記ピークの高エネルギー側で前記スペクト
ルが前記ピーク値の20%乃至80%の範囲の予め決め
た値となる位置の第2のエネルギー値を求める工程と、
前記第1のエネルギー値と前記第2のエネルギー値との
差分を算出する工程と、前記差分から、予め測定により
求めておいた関係を用いて、前記半導体エピタキシャル
膜のシートキャリア濃度を推定する工程と、を有するこ
とを特徴とする半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方
法。 - 【請求項2】 前記半導体エピタキシャル膜からのフォ
トルミネッセンススペクトルの測定が、室温付近で行わ
れることを特徴とする請求項1に記載の半導体エピタキ
シャル膜の非破壊検査方法。 - 【請求項3】 前記予め測定により求めておいた関係
は、前記半導体エピタキシャル膜からのフォトルミネッ
センススペクトルの測定から求めた前記第1のエネルギ
ー値と前記第2のエネルギー値との差分と、前記半導体
エピタキシャル膜に対するホール効果の測定から求めた
シートキャリア濃度との関係であることを特徴とする請
求項1に記載の半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方
法。 - 【請求項4】 前記半導体エピタキシャル膜は、ヘテロ
構造変調ドープ電界効果トランジスタに用いられるチャ
ネル層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体
エピタキシャル膜の非破壊検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20040698A JP3405682B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=16423798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20040698A Expired - Lifetime JP3405682B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 半導体エピタキシャル膜の非破壊検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3405682B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107887287A (zh) * | 2016-09-30 | 2018-04-06 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 测试方法 |
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-
1998
- 1998-07-15 JP JP20040698A patent/JP3405682B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107887287B (zh) * | 2016-09-30 | 2020-03-13 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 测试方法 |
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