JP3223865B2 - 化合物半導体装置の製造プロセス評価方法およびプロセス評価パタン - Google Patents

化合物半導体装置の製造プロセス評価方法およびプロセス評価パタン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
プロセスの評価方法および評価を簡便に行うための評価
パタンに関し、特に化合物半導体材料を用いた半導体装
置の製造プロセスの評価方法および評価を簡便に行うた
めの評価パタンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガリウムヒ素(GaAs)、及びガリウ
ムヒ素とアルミニウムヒ素(AlAs)、インジウムヒ
素(InAs)との混晶系のアルミニウムガリウムヒ素
(AlxGa1−xAs)やインジウムガリウムヒ素
(InxGa1−xAs)などの化合物半導体材料は、
シリコン(Si)に比べて電子の移動度が高いことか
ら、これらの材料を用いた電界効果型トランジスタ(F
ET)やヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(HB
T)によるマイクロ波、ミリ波帯の高出力素子や集積回
路の研究開発が盛んである。図10(b)にはこのよう
な化合物半導体デバイスの一例として、GaAsFET
の構造を説明するための半導体チップの平面図を、また
図10(a)には図10(b)のA−A’線の断面図を
示す。図にはMESFET(Metal−Semico
nductor Field Effect Tran
sistor)型のFETを示している。図10のよう
に、GaAsFETは、半絶縁性GaAs基板1と、n
型GaAsからなる能動層15と、n型GaAsからな
るオーミックコンタクト層16と、WSiからなるゲー
ト電極17と、AuGe/Niからなるドレイン電極1
8とソース電極19と、Si02からなる保護膜20か
ら構成されている。
【0003】これらの化合物半導体デバイスでは、半導
体表面の保護膜として、Si02やSiNxやポリイミ
ドなどの絶縁膜が用いられており、素子能動部において
絶縁膜/半導体界面を形成している。このような保護膜
界面では半導体の自然酸化膜や絶縁膜と半導体との相互
拡散によりこれらが混合した遷移層が形成されているこ
とが知られている。このような遷移層内の結晶欠陥など
が電荷トラップとしてはたらくために、デバイス特性が
不安定性になると考えられている。特にGaAs系化合
物半導体では、半導体表面が酸化した際、Ga酸化物と
As酸化物の蒸気圧が異なるため、遷移層部分にてGa
/As組成比が変化し、これに伴い図11に示すように
素子耐圧が変化する。このため、ウェハ面内やロット間
での素子耐圧を高均一化するためには、保護膜を成膜し
た時の半導体表面の酸化の程度を厳密に制御する必要が
ある。半導体表面の酸化は、保護膜の成膜初期段階に
て、成膜装装置内の酸素ガスや水と半導体が反応して起
こるが、その程度は成膜前のウェハ表面に残存する自然
酸化膜の状態や成膜装置内の到達真空度などの複雑な要
因と相関がある。このためプロセス条件から半導体表面
の酸化の程度を予測することは極めて困難であり、一般
にはデバイス作製プロセスと同一条件で保護膜を成膜し
た後に、保護膜/半導体界面付近の断面をTEM等で観
察して、半導体表面の酸化によって形成された遷移層
(酸化層)の厚さを測定する方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
方法で酸化層厚を測定する場合には以下のような問題が
生ずる。まず、測定対象となる保護膜/半導体界面の酸
化層厚はGaAsの場合には高々1〜2nm程度である
ので、測定にはTEMなどの高倍率の電子顕微鏡を用い
る必要があるが、これらの電子顕微鏡による観察では、
試料厚を0.1μm程度にせねばならず、観察試料の作
成にはイオンミリングなど複雑な工程を要する。また、
イオンミリングにより観察対象である保護膜/半導体界
面部分にもダメージが導入され、これにより酸化層の厚
さや組成が変化してしまうため、正確な測定ができない
という間題がある。更に、前述のような半導体表面酸化
による素子耐圧の変化は極めて敏感であるため、保護膜
界面の酸化層厚さの測定は0.1nm程度の精度で行わ
ねばならず、測定精度の点でも問題である。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、本発明の目的は、化合物半導体材料を用いた
半導体装置の製造プロセスの評価方法に関して、簡便か
つ高精度に半導体表面の酸化量を測定する評価方法を提
供することにある。また、本発明の第2の目的は、上記
の半導体装置の製造プロセスの評価方法に関して、評価
を簡便に行うための評価パタンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本出願の請求項1に記載の化合物半導体装置の製造
プロセス評価方法は、前記化合物半導体装置に用いられ
化合物半導体材料よりも酸化速度の速い材料に対して
前記製造プロセスと同一の条件の製造プロセスを施し、
前記製造プロセスを終了した前記酸化速度の速い材料の
電気抵抗変化を測定することにより前記酸化速度の速い
材料の酸化量を求め、この酸化量を定数倍して前記化合
物半導体材料の酸化量を算出することを特徴とする。ま
た、本出願請求項2に記載の化合物半導体装置の製造プ
ロセス評価方法は、前記化合物半導体装置に用いられる
化合物半導体材料よりも酸化速度の速い材料を含む積層
構造をエピタキシャル成長する工程と、前記積層構造
膜を選択的にエッチングして前記酸化速度の速い材料が
側面に露出するようなメサパタンを作製する工程と、
記製造プロセスを終了した前記メサパタンの電気抵抗変
化を測定することにより前記酸化速度の速い材料の酸化
量を求める工程と、前記酸化速度の速い材料の酸化量を
定数倍して前記化合物半導体材料の酸化量を算出する工
程と、を有することを特徴とする。
【0007】また、本出願の請求項3に記載の化合物半
導体装置の製造プロセス評価方法は、前記化合物半導体
装置に用いられる化合物半導体材料よりも酸化速度の速
い材料を含む積層構造をエピタキシャル成長する工程
と、前記積層構造膜を選択的にエッチングして前記酸化
速度の速い材料が側面に露出するようなメサパタンを作
製する工程と、前記製造プロセスと同一の条件で保護膜
を成膜する工程を含む製造プロセスを終了した、前記酸
化速度の速い材料を含むメサパタンの電気抵抗変化を測
定することにより前記酸化速度の速い材料の酸化量を求
める工程と、前記酸化速度の速い材料の酸化量を定数倍
して前記化合物半導体材料の酸化量を算出する工程と
を、有することを特徴とする。また、本出願の請求項4
に記載の化合物半導体装置の製造プロセス評価方法は、
請求項1から請求3項のいずれか一項に記載の化合物半
導体装置の製造プロセス評価方法において前記化合物
半導体材料がGaAsで、前記酸化速度の速い材料がII
I族元素にAlを用いた化合物半導体材料であることを
特徴とする。また、本出願の請求項5に記載の発明は、
請求項2または3に記載の化合物半導体装置の製造プロ
セス評価に用いられるプロセス評価パタンであって
記半導体材料よりも酸化速度の速い材料を含む積層構造
からなり、前記酸化速度の速い材料が側面に露出してい
るようなメサ型の構造を有し、幅の異なる複数のストラ
イプ状のパタンから構成されることを特徴としている。
【0008】本発明のプロセス評価方法によれば、まず
酸化速度の速い材料の抵抗を測定し、その変化量から、
酸化速度の速い材料の酸化量を求める。このため、測定
量は電気抵抗であり、TEM等の複雑な高倍率形態観察
は必要なくなるので評価工程が簡略化できる。また、半
導体材料の酸化量を拡大して測定することができる。次
に、得られた酸化速度の速い材料の酸化量から、半導体
材料の酸化量を求める。表面酸化速度は、酸化量を求め
たい半導体材料と前記酸化速度の速い材料とで比率が一
定であるから、抵抗変化量から得られた酸化速度の速い
材料の酸化量を定数倍することで、半導体の酸化量を精
度良く求めることができる。また、本発明のプロセス評
価パタンは、幅の異なる複数のストライプ状のパタンか
ら構成されているので、これらの導通の有無を測定する
だけでメサ側面からの酸化量を簡便に評価することがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図面を参照して説明する。図1(a)〜(c)は、本発
明の一実施の形態である化合物半導体の製造プロセスの
評価方法の製造プロセス評価パタン作成方法を示す工程
順断面図である。製造プロセス評価パタン作成は、まず
半絶縁性GaAs基板1上に、GaAsより酸化速度の
速いAlAsを用いたn型AlAs層2をMBE法など
でエピタキシャル成長した後に、保護膜3を成膜して行
う。保護膜3の成膜条件は製造プロセス評価を行う、G
aAsFET作製プロセスと同一の条件を用いる。これ
によりAlAs層2と保護膜3の界面には、酸化層4が
形成される。次に、図1(b)、(c)に示すように、
フォトレジスト等を用いて所定のマスクパタンを形成し
た後に、保護膜3、酸化層4の一部をエッチングにより
除去し、リフトオフ法などによって電極5、6を形成し
て製造評価パタンが完成する。
【0010】前記製造評価パタンの電極5、6間の電気
抵抗を測定すると、図2の結果が得られる。図1に示し
たように、AlAs層2の厚さをd、酸化層4の厚さを
X、電極5、6の電極幅をW、電極5と6の電極間距離
をLとすると、抵抗値Rは次のように表される。R=ρ
L/W(dーX)以上のように、あらかじめ図2のよう
なAlAsに対する参加料と抵抗値の相関を測定してお
けば、任意の製造プロセスに対して求められた電気抵抗
を図2と比較することによりAlAsの酸化量を得るこ
とができる。
【0011】次に、前述のように電極5、6間の電気抵
抗値を測定することにより得られたAlAsの酸化量か
らGaAsの酸化量を算出する。図3に示すようにAl
Asの酸化量が50μm程度以下であれば、AlAsの
酸化量d[AlAs]とGaAsの酸化量d[GaA
s]の比は常に一定である。従って、あらかじめ図3の
ような酸化時間に対するAlAsの酸化量とGaAsの
酸化量の相関を測定しておけば、任意のプロセスに対し
てAlAsの酸化量からGaAsの酸化量が算出でき
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 (実施例1)図1(d)および図1(c)は、それぞれ
本発明のプロセス評価方法を説明するためのプロセス評
価パタンの平面図およびA−A’線断面図である。また
図1(a)〜(c)は、プロセス評価パタンの作成方法
を説明するための工程順断面図である。図1(a)を参
照すると、第1の実施例によりプロセス評価を行うに
は、まず半絶縁性GaAs基板1上に厚さdのn型Al
As層2をMBE法などでエピタキシャル成長した後
に、保護膜3を成膜する。保護膜の成膜条件はプロセス
評価を行うGaAsFET作製プロセスと同一の条件を
用いる。これによりAlAs層2と保護膜3の界面には
厚さXの酸化層4が形成される。酸化層はAl2O3で
あり、電気的には絶縁物である。AlAs層2の厚さd
は100〜500nm程度が適当である。AlAsの酸
化速度は保護膜形成時の基板温度に強く依存するが、通
常GaAsFET作製プロセスでの保護膜形成条件に用
いられている300℃前後では、100nm/min程
度であり、成膜初期過程でAlAsの表面が酸化される
時間は高々1min程度である。このため、AlAs層
厚が薄すぎる場合には、AlAs層が全て酸化してしま
い抵抗変化を見ることができなくなってしまう。逆に厚
すぎる場合にはAlAs表面の酸化による抵抗変化が僅
かになるために測定精度が低下する。
【0013】次に、図1(b)、(c)に示すように、
フォトレジスト等を用いて所定のマスクパタンを形成し
た後に保護膜3、酸化層4の一部をエッチングにより除
去し、リフトオフ法などによって電極5、6を形成して
評価パタンが完成する。以上のようにして作製した評価
パタンの電極間の電気抵抗を測定すると、図2のよう
に、酸化状態を変化させたときX=dを漸近線とする双
曲線状の変化を示す。ここで、図2中に示したL、d、
W、X等の記号の意味は図1(c)、(d)と同じであ
る。電極間距離Lや電極幅Wは任意であるが、評価パタ
ン周辺部からのリーク電流の影響を低減し、また酸化量
Xに対する抵抗変化を線形に近づけ、僅かな酸化量に対
する抵抗変化を測定するためにはW/Lは大きいほうが
良い。以上のようにして、あらかじめ図2のようなAl
Asに対する酸化量と抵抗値の相関を測定しておき、任
意のプロセスに対して求められた電気抵抗を図2と比較
することによりAlAsの酸化量を得ることができる。
【0014】次に、AlAsの酸化量からGaAsの酸
化量を算出する。図3に示すようにAlAsの酸化量が
50μm程度以下であれば、AlAsの酸化量d[Al
As]とGaAsの酸化量d[GaAs]の比は常に一
定で、d[AlAs]/d[GaAs]=1000程度
である。従って、あらかじめ図3のような、酸化時間に
対するd[AlAs]とd[GaAs]の相関を測定し
ておけば、任意のプロセスに対してAlAsの酸化量か
らGaAsの酸化量を拡大した形で評価することができ
る。このように、本発明のプロセス評価方法によればA
lAs層の抵抗変化を測定することにより簡便にGaA
s表面の酸化量を得ることができる。この方法によれ
ば、GaAs基板上にAlAsが堆積されたエピ基板を
用いて、保護膜堆積と電極形成を行うだけでFET作製
プロセスによるGaAs表面の酸化量を知ることができ
る。
【0015】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
について詳細に説明する。図4(b)、(a)は、それ
ぞれ第2の実施例に用いるプロセス評価パタンの平面図
およびA−A’線断面図である。この第2の実施例の構
成が第1の実施例のそれと大きく異なるところは、周囲
からのリーク電流の影響をなくすために、2つの電極を
同心円上に配置している点である。この第2の実施例の
プロセス評価方法においては、第1の実施例と同様の方
法により、図4のような評価パタンを作製する。作製プ
ロセスの条件等は第1の実施例と同じである。次に2つ
の電極間の電気抵抗を測定すると、抵抗値は、AlAs
層の酸化量xに対して、第1の実施例と同様x=dを漸
近線とする双曲線状に変化するが、電極の一方が他方を
囲む同心円状の電極配置となっているために、評価パタ
ンの周辺部からのリーク電流の影響が無くなり、より精
密に抵抗値の変化を測定できるようになる。その後、第
1の実施例と同じ手続きによりGaAs表面の酸化量を
得ることができる。
【0016】(実施例3)次に、本発明の第3の実施例
について詳細に説明する。図5(e)は、第3の実施例
に用いるプロセス評価パタンの平面図、また図5(a)
〜(d)は、工程順のA−A’線断面図である。この第
3の実施例では、まず半絶縁性GaAs基板1上にn型
GaAs層7、厚さdのn型AlAs層2、n型GaA
s層8を順次MBE法などでエピタキシャル成長する。
なお、半絶縁性基板の代わりにn型GaAs基板を用い
てもよい。この場合にはn型GaAs層7は成長しなく
てもよい。また、n−GaAs層は抵抗率が充分に低く
なるよう1x1018cm−3程度の高濃度にドーピン
グしておく。次に図5(a)に示すように、フォトレジ
スト等で所定のマスクパタンを形成し、図5(b)のよ
うにn型AlAs層2、n型GaAs層8をエッチング
してメサ構造を形成する。その後、図5(c)のように
保護膜3を成膜する。保護膜の成膜条件はプロセス評価
を行うGaAsFET作製プロセスと同一の条件を用い
る。これによりAlAs層2と保護膜3の界面には厚さ
xの酸化層4が形成される。
【0017】次に、図5(d)に示すように、異方性ド
ライエッチングにより保護膜3をエッチングすることに
より、側壁9を形成する。図6のように、この結果露出
したメサ上部のn型GaAs層8とn型GaAs層7と
をプローブ等で接触して、2端子A、A’間の電気抵抗
を測定すると、n型GaAs層の抵抗率が充分に低いた
め測定される電気抵抗はメサ部分のAlAs層2の抵抗
で、図7のように、酸化状態を変化させたときX=L/
2を漸近線とする双曲線状の変化を示し、その変化の仕
方はR=R0+ρd/4(X−L/2)2となる。ここ
で、Rは測定される抵抗値、Lはメサの断面(正方形)
の一辺の長さ、ρはAlAs層の抵抗率である。また、
R0は接触抵抗などの寄生抵抗であるが小さい値であり
無視してもよい。なお、プローブとn型GaAs層の接
触抵抗のばらつきによる抵抗値のばらつきを避け、より
厳密な評価を行う場合には、側壁形成後にn型GaAs
層上に電極を形成すればよい。AlAs層2の厚さdの
最適値はドーピング濃度とメサの断面積により変わる
が、100〜500nm程度が適当である。厚すぎる場
合にはAlAs表面の酸化による抵抗変化が僅かになる
ために測定精度が低下する。わずかな抵抗変化を測定す
る場合にはL/dを大きくなるように設定すると良い。
以上のようにして、あらかじめ図7のようなAlAsに
対する酸化量と抵抗値の相関を測定しておき、任意のプ
ロセスに対して求められた電気抵抗を図7と比較するこ
とによりAlAsの酸化量を得ることができる。その
後、第1の実施例と同じ手続きによりGaAs表面の酸
化量を得ることができる。
【0018】この第3の実施例のプロセス評価方法で
は、第1、第2の実施例とは異なり、AlAs層のメサ
を形成し、これを酸化するので、同一の基板を用いて断
面積の異なるメサ構造を作成することができる。このた
め、第1、第2の実施例では電極とAlAs層との接触
抵抗のぱらつきによる抵抗測定精度の低下が避けられな
かったのに対し、本実施例では断面積の異なる複数のメ
サの抵抗値を測定して断面積で規格化することで接触抵
抗を除去して抵抗を測定できるという効果がある。
【0019】(実施例4)次に、本発明の第4の実施例
について詳細に説明する。図8(b)は、第4の実施例
に用いるプロセス評価パタンの平面図、また図8(a)
は、A−A’線断面図である。この第4の実施例では、
メサの断面を円形にしているのが実施例3とは異なる点
である。それ以外のメサの形成方法や評価方法は実施例
3と全く同じである。本実施例ではメサの断面を円形に
したため、測定される電気抵抗は、酸化状態を変化させ
たときX=rを漸近線とする双曲線状の変化を示し、そ
の変化の仕方はR=R0+ρd/π(X−r)2とな
る。ここで、Rは測定される抵抗値、rはメサの断面の
半径、ρはAlAs層の抵抗率である。また、R0は接
触抵抗などの寄生抵抗であるが小さい値であり無視して
もよい。このように、本実施例では実施例3よりも酸化
量に対する抵抗変化が4/πだけ緩やかになっている。
このため、わずかな酸化量を測定するのに適している。
【0020】(実施例5)次に、本発明の第5の実施例
について詳細に説明する。図9(d)は、第3の実施例
に用いるプロセス評価パタンの平面図、また図9(a)
〜(c)は、工程順のA−A’線断面図、図9(e)は
B−B’線断面図である。この第4の実施例では、メサ
の形状をストライプ状にしているのが実施例3や実施例
4とは異なる点である。まず、図9(a)に示すよう
に、実施例3および実施例4と同様にしてストライプ状
のメサを形成する。ただし、結晶構造は実施例3や実施
例4とは異なり、半絶縁性GaAs基板1上にじかにn
型AlAs層を成長するか、または図9(a)のように
半絶縁性GaAs基板上に高抵抗のノンドープGaAs
10を成長した後にn型AlAs層2を成長し、その後
高抵抗のノンドープGaAs11を成長する。次に、図
9(b)に示すように、フォトレジスト等のマスクパタ
ンを用いて、メサを切断する形で開口部12を形成す
る。その後、図9(c)に示すように電極13、14を
形成して評価パタンが完成する。電極の形成にはリフト
オフ法を用いるのが簡便で適当である。このようにして
形成された電極13、14は、メサ側面に露出したAl
As層とは横方向に接触するいわゆるラテラル型のコン
タクトとなっているが、AlAs層がすべて酸化されて
絶縁物であるAl2O3になるまでは電極間には電流が
流れる。
【0021】このようなストライプ状のメサを、ストラ
イプの幅を変えて複数作成しておき、電極間の導通を測
定することにより、酸化量をより厳密に測定することが
できる。すなわち、ストライプ幅Aのパタンでは導通が
あり、幅Bのパタンでは導通が無いとき、酸化量Xは、
A>2X>Bの関係を満たす。このため、ストライプ幅
を僅かずつ変化させた多数のパタンを作成しておけば、
酸化量Xを厳密に測定することができる。上記のように
してAlAs層の酸化量を測定した後に、第1の実施例
と同じ手続きによりGaAs表面の酸化量を得ることが
できる。本実施例では、実施例1〜4とは異なり、酸化
量の測定に抵抗変化ではなく導通の有無を測定する点で
ある。このため、接触抵抗などの変化による測定精度の
低下を避けることができるという効果がある。
【0022】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の第
1実施例では、GaAs層の酸化量を得るために、抵抗
測定によりAlAs層の酸化量を求めたが、これに限ら
ず、AlGaAs層の抵抗測定を行って、その酸化量を
求めても同様の効果が得られる。また、AlAs層の酸
化量からInGaAs層の酸化量を得ることもできる。
このほか、V族元素にリンやアンチモン等他の材料を用
いても同様の効果が得られる。また、実施例では、評価
の対象となる製造プロセスとしてCVD法によるSi0
2保護膜成膜について述べたが、これに限らずSiNx
成膜プロセスや熱酸化プロセス、プラズマ処理、ウェッ
ト処理など半導体表面を酸化させるプロセスであれば同
様に酸化量を簡便かつ高精度に求めることができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1お
よび4記載の構成によれば、化合物半導体装置の製造プ
ロセスによる化合物半導体の酸化量を測定するために、
半導体材料よりも酸化速度の速い材料に対して、酸化量
を測定する対象である製造プロセスと同一の条件のプロ
セスを施し、酸化速度の速い材料の電気抵抗変化を測定
するので、従来のような高倍率の顕微鏡観察を用いる方
法と比べて簡便かつ高精度に化合物半導体の酸化量を測
定することができる。
【0024】また、請求項2および3、4記載の構成に
よれば、化合物半導体装置の製造プロセスによる化合物
半導体材料の酸化量を測定するために、半導体材料より
も酸化速度の速い材料を含む積層構造により構成され、
かつ酸化速度の速い材料が側面に露出するようなメサパ
タンを用いて、酸化量を測定する対象である製造プロセ
スと同一の条件のプロセスを含む製造プロセスを施し、
酸化速度の速い材料を含むメサパタンの電気抵抗変化を
測定するので、請求項1記載構成で得られる効果に加え
て、断面積の異なる複数のメサの抵抗値を測定して断面
積で規格化することができる。このため、接触抵抗を除
去してさらに厳密に抵抗を測定できるので、より高精度
に化合物半導体の酸化量を測定できる。
【0025】また、請求項5記載の構成によれば、請求
項2および3、4記載の構成に関して、半導体材料より
も酸化速度の速い材料を含む積層からなり、前記酸化速
度の速い材料が側面に露出しているようなメサ型の構造
を有し、幅の異なる複数のストライプ状のパタンから構
成されるプロセス評価パタンを用いると、複数のパタン
での導通の有無を測定することにより、さらに簡便に化
合物半導体の酸化量を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの構造を示す図であり、(c)は
断面図、(a)、(b)は評価パタンの製造途中の工程
順断面図、(d)は平面図である。
【図2】 この発明の第1実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの、酸化量Xと電気抵抗Rの関係
を表す図である。
【図3】 GaAsとAlAsに対する酸化時間と酸化
量Xの関係を表す図である。
【図4】 この発明の第2実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの構造を示す図であり、(a)は
断面図、(b)は平面図である。
【図5】 この発明の第3実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの構造を示す図であり、(d)は
断面図、(a)、(b)、(c)は評価パタンの製造途
中の工程順断面図、(e)は平面図である。
【図6】 この発明の第3実施例であるプロセス評価方
法での抵抗測定の方法を示す図である。
【図7】 この発明の第3実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの、酸化量Xと電気抵抗Rの関係
を表す図である。
【図8】 この発明の第4実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの構造を示す図であり、(a)は
断面図、(b)は平面図である。
【図9】 この発明の第5実施例であるプロセス評価方
法に用いる評価パタンの構造を示す図であり、(d)は
断面図、(a)、(b)、(c)は評価パタンの製造途
中の工程順断面図、(e)は平面図である。
【図10】 従来のMESFETの半導体チッブ構造を
示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
【図11】 従来のMESFETの保護膜界面の表面酸
化量と耐圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 n型AlAs層 3 SiO2保護膜 4 酸化層 5 電極 6 電極 7 n型GaAs腰 8 n型GaAs層 9 側壁 10 ノンドープGaAs層 11 ノンドープGaAs層 12 開口部 13 電極 14 電極 15 n型GaAs能動層 16 n型GaAsオーミックコンタクト層 17 ゲート電極 18 ドレイン電極 19 ソース電極 20 保護膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体装置の製造プロセス評価方
    法であって、前記化合物半導体装置に用いられる化合物
    半導体材料よりも酸化速度の速い材料に対して前記製造
    プロセスと同一の条件の製造プロセスを施し、前記製造
    プロセスを終了した前記酸化速度の速い材料の電気抵抗
    変化を測定することにより前記酸化速度の速い材料の酸
    化量を求め、この酸化量を定数倍して前記化合物半導体
    材料の酸化量を算出することを特徴とする化合物半導体
    装置の製造プロセス評価方法。
  2. 【請求項2】 化合物半導体装置の製造プロセス評価方
    法であって、前記化合物半導体装置に用いられる化合物
    半導体材料よりも酸化速度の速い材料を含む積層構造
    をエピタキシャル成長する工程と、前記積層構造膜を選
    択的にエッチングして前記酸化速度の速い材料が側面に
    露出するようなメサパタンを作製する工程と、前記製造
    プロセスを終了した前記メサパタンの電気抵抗変化を測
    定することにより前記酸化速度の速い材料の酸化量を求
    める工程と、前記酸化速度の速い材料の酸化量を定数倍
    して前記化合物半導体材料の酸化量を算出する工程と、
    を有することを特徴とする化合物半導体装置の製造プロ
    セス評価方法。
  3. 【請求項3】 化合物半導体装置の製造プロセス評価方
    法であって、前記化合物半導体装置に用いられる化合物
    半導体材料よりも酸化速度の速い材料を含む積層構造
    をエピタキシャル成長する工程と、前記積層構造膜を選
    択的にエッチングして前記酸化速度の速い材料が側面に
    露出するようなメサパタンを作製する工程と、前記製造
    プロセスと同一の条件で保護膜を成膜する工程を含む製
    造プロセスを終了した、前記酸化速度の速い材料を含む
    メサパタンの電気抵抗変化を測定することにより前記酸
    化速度の速い材料の酸化量を求める工程と、前記酸化速
    度の速い材料の酸化量を定数倍して前記化合物半導体材
    料の酸化量を算出する工程とを、有することを特徴とす
    る化合物半導体装置の製造プロセス評価方法。
  4. 【請求項4】 前記化合物半導体材料がGaAsで、
    酸化速度の速い材料がIII族元素にAlを用いた化合
    物半導体材料であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか一項に記載の化合物半導体装置の製造プ
    ロセス評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3に記載の化物半
    導体装置の製造プロ セス評価方法に用いられるプロセス
    評価パタンであって、前記半導体材料よりも酸化速度の
    速い材料を含む積層構造からなり、前記酸化速度の速い
    材料が側面に露出しているようなメサ型の構造を有し、
    幅の異なる複数のストライプ状のパタンから構成される
    ことを特徴とするプロセス評価パタン。
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