JP3405300B2 - 車両の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

車両の電動パワーステアリング装置

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JP3405300B2 JP35870099A JP35870099A JP3405300B2 JP 3405300 B2 JP3405300 B2 JP 3405300B2 JP 35870099 A JP35870099 A JP 35870099A JP 35870099 A JP35870099 A JP 35870099A JP 3405300 B2 JP3405300 B2 JP 3405300B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、操舵ハンドルの回
動操作に対してアシスト力を付与する電動モータを備え
た車両の電動パワーステアリング装置に係り、特に、検
出される車両の運転状態に応じて前記電動モータに流す
電流値を決定するように構成された電動パワーステアリ
ング装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の電動パワーステアリング装置
は、例えば特開昭63−87367号公報に開示されて
いるように、エンジン回転数等の車両の運転状態を表す
物理量を検出し、この検出された物理量に応じて電動モ
ータに通電する電流値を決定するように構成されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検出す
る物理量はノイズが重畳する等の理由により大きく変動
する場合があり、上記従来の技術のように検出される物
理量をそのまま電流値の決定に使用したのでは、アシス
ト力が大きく変動して操舵フィーリングが悪化するとい
う問題がある。 【0004】 【本発明の概要】本発明は、上記課題に対処すべくなさ
れたものであり、その特徴は、流される電流に応じたト
ルクを発生する電動モータと、所定時間が経過する毎に
車両の運転状態を表す物理量を検出する検出手段と、前
記検出された物理量に基づいて演算用物理量を決定する
演算用物理量決定手段と、前記決定された演算用物理量
に応じて指令電流値を決定する指令電流決定手段とを備
え、前記決定された指令電流値に応じた電流を前記電動
モータに流すことにより操舵ハンドルの回動操作に対し
アシスト力を付与する車両の電動パワーステアリング装
置において、前記演算用物理量決定手段は、前記検出手
段により前記所定時間前に検出された物理量と今回検出
された物理量との差の絶対値が所定のガード値より小さ
い場合には前記演算用物理量に今回検出された物理量を
設定し、前記差の絶対値が前記所定のガード値より大き
い場合には前記演算用物理量に同演算用物理量と前記所
定時間前に検出された物理量との差の絶対値が前記ガー
ド値以下となるように定められた所定の値を設定するガ
ード処理を行うとともに、前記ガード処理の実行の際に
前記検出手段により前記所定時間前の物理量が検出され
ていない場合には、同所定時間前の物理量として今回検
出された物理量を採用するガード手段を含むことにあ
る。 【0005】これによれば、検出された物理量に基づい
て決定した演算用物理量に応じて指令電流値が決定さ
れ、この指令電流値に応じた電流が電動モータに流され
る。このとき、ガード手段は、所定時間前に検出された
物理量と今回検出された物理量との差の絶対値が所定の
ガード値より小さい場合には演算用物理量に今回検出さ
れた物理量を設定し、前記差の絶対値が前記所定のガー
ド値より大きい場合には演算用物理量に同演算用物理量
と所定時間前に検出された物理量との差の絶対値が前記
ガード値以下となるように定められた所定の値を設定す
るガード処理を行う。 【0006】従って、ノイズ等によって検出物理量が急
変した場合にも、演算用物理量の所定時間における変化
はガード値以下に抑制されるので、これに応じて決定さ
れる指令電流値が安定し、操舵フィーリングが良好に維
持される。 【0007】また、一般には、上記のようなガード処理
はマイクロコンピュータ等の演算機能を有する電気制御
装置により実行されるが、電気制御装置が起動された直
後においては所定時間前の物理量が検出されていないた
め、同所定時間前の物理量として予め定められた初期値
が使用される。しかしながら、このようにすると、例え
ば、前記物理量が車速であって車両の走行中に電気制御
装置が起動されたときには、その初期値と実際の車速と
の差が大きい場合があり、この場合、ガード処理により
演算用物理量の変化が遅いことから、同演算用物理量が
実際の物理量に等しくなるまで長時間を要するという問
題が生じる。 【0008】そこで、前記ガード手段は、前記ガード処
理の実行の際に前記検出手段により前記所定時間前の物
理量が検出されていない場合には、同所定時間前の物理
量として今回検出された物理量を採用するように構成さ
れている。 【0009】従って、本発明によれば、電気制御装置の
起動直後のように、検出手段により所定時間前の物理量
が検出されていない場合であっても、今回の検出物理量
と所定時間前の検出物理量との差は「0」となり、その
絶対値が前記ガード値以上となることはないので、演算
用物理量が直ちに実際の検出物理量と等しくされ、この
結果、指令電流値が適切な値となって良好な操舵アシス
ト力制御が達成され得る。 【0010】 【0011】 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ説明すると、図1は本発明による電
動パワーステアリング装置の概略をブロック図により示
していて、この電動パワーステアリング装置は、電気制
御装置10と同電気制御装置10と接続された駆動回路
20とを含んで構成される電気制御ユニット(以下「E
CU」と称する。)25と、駆動回路20により通電制
御される直流電動モータ30とを備えている。 【0013】電動モータ30は、操舵ハンドル(ステア
リングホイール)31の回動操作による前輪の操舵に対
してアシスト力を付与するもので、減速機構32を介し
て操舵軸33にトルク伝達可能に取付けられていて、そ
の回転に応じてラックバー34を軸線方向に駆動し、同
ラックバー34にタイロッドを介して連結されている前
輪を操舵する。前記操舵軸33には操舵トルクセンサ3
5が組みつけられていて、同操舵トルクセンサ35は操
舵軸33に作用する操舵トルクTMを検出し、同トルクを
表す操舵トルク信号を出力する。 【0014】次に、図1に示した電動パワーステアリン
グ装置の電気回路の詳細について図2を参照しつつ説明
すると、電気制御装置10は、マイクロコンピュータ
(CPU)11と、入力インターフェース12と、出力
インターフェース13と、EEPROM14(Electric
al Erasable PROM)とから構成されていて、CPU11
は、後述するプログラム及びマップ等を記憶したメモリ
11aを内蔵している。 【0015】入力インターフェース12は、バスを介し
てCPU11に接続されるとともに、前述した操舵トル
クセンサ35、車速Vを検出する車速センサ41、エン
ジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ42、
及び駆動回路20のプリント基板上に配設され同プリン
ト基板の温度TMPBORDを検出する基板温度センサ23と
接続され、CPU11に対し各センサの検出信号を供給
するようになっている。 【0016】出力インターフェース13は、バスを介し
てCPU11に接続されるとともに、駆動回路20、及
び常開(ノーマリー・オープン)型のリレー21に接続
されていて、CPU11からの指令に基づきこれらの導
通状態を変更する信号を送出するようになっている。ま
た、EEPROM14は、車両バッテリ50からの電源
の供給を受けない状態においてもデータを記憶・保持す
る記憶手段であり、バスを介してCPU11と接続され
ていて、同CPU11から供給されるデータを保持する
とともに、CPU11の要求に応じて保持しているデー
タを同CPU11に供給するようになっている。 【0017】駆動回路20は、ゲートが出力インターフ
ェース13にそれぞれ接続されたMOSFETからなる
4個のスイッチング素子Tr1〜Tr4と、2つの抵抗
20a,20bと、前述した基板温度センサ23とを備
えている。抵抗20aの一端は、車両に搭載されたバッ
テリ50の電源ラインLに上流側端子が接続された前記
リレー21の下流側端子に接続されていて、同抵抗20
aの他端はスイッチング素子Tr1,Tr2の各ソース
に接続されている。スイッチング素子Tr1,Tr2の
ドレインは、スイッチング素子Tr3,Tr4のソース
にそれぞれ接続され、同スイッチング素子Tr3,Tr
4のドレインは抵抗20bを介して接地されている。 【0018】また、スイッチング素子Tr1とTr3と
の間は電動モータ30の一側に接続され、スイッチング
素子Tr2とTr4との間は電動モータ30の他側に接
続されている。なお、電動モータ30の両端は入力イン
ターフェース12に接続されていて、これによりCPU
11が電動モータ30のモータ端子間電圧Vtを入力す
るようになっている。また、抵抗20bの両端も入力イ
ンターフェース12に接続されていて、CPU11が同
抵抗20bの両端電圧を検出することで、電動モータ3
0のモータ電流値IMOTRを検出し得るようになってい
る。 【0019】以上の構成により、駆動回路20(即ち、
電動モータ30)はリレー21がオン(閉成)したときに
バッテリ50から電源の供給を受け得る状態となり、ス
イッチング素子Tr1,Tr4が選択的に導通状態(オ
ン状態)とされたとき、電動モータ30に所定の方向の
電流が流れて同モータ30は右回転し、スイッチング素
子Tr2,Tr3が選択的に導通状態とされたとき、電
動モータ30に前記所定の方向と反対方向の電流が流れ
て同モータ30は左回転する。また、リレー21がオフ
(開成)したときには電動モータ30の電源供給経路が
遮断され、同モータ30への通電は停止する。 【0020】前記バッテリ50の電源ラインLには、運
転者によりオン(閉成)状態又はオフ(開成)状態に切
換えられるイグニッションスイッチ(I/Gスイッチ)
22の一端が接続されている。イグニッションスイッチ
22の他端はダイオードD1を介してCPU11、入力
インターフェース12、出力インターフェース13、E
EPROM14、及び操舵トルクセンサ35に接続され
ていて、イグニッションスイッチ22がオン状態とされ
たとき、それぞれに電源が供給されるようになってい
る。また、ダイオードD1の下流は、リレー21の下流
側から前記ダイオードD1の下流側へ向う電流のみを許
容するダイオードD2を介して前記リレー21の下流側
端子と接続されていて、リレー21がオン状態とされた
ときは、イグニッションスイッチ22の状態にかかわら
ず、CPU11、入力インターフェース12、出力イン
ターフェース13、EEPROM14、及び操舵トルク
センサ35に電源が供給されるようになっている。 【0021】次に、上記のように構成した電動パワース
テアリング装置の作動について、図3〜図10を参照し
て説明すると、図3及び図4は検出物理量としての操舵
トルクTM及び車速Vにガード処理を施すため、CPU1
1が所定時間Tの経過毎に実行するプログラム(ルーチ
ン)をフローチャートにて示したものである。また、図
5は、電動パワーステアリング装置によるアシスト力制
御のために、CPU11が所定時間毎に実行するメイン
ルーチンをフローチャートにて示したものであり、図6
は図5に示したステップ510の詳細を示したものであ
る。図7〜図10はメモリ11a内に記憶されている各
種のマップ(テーブル)を示したものである。 【0022】初めに、図3を参照しつつ、操舵トルクセ
ンサ35が検出する操舵トルクTMにガード処理を施して
演算用物理量の一つである演算用操舵トルクTMSを決定
するルーチンについて、操舵トルクセンサ35の出力値
が正常である場合から説明する。先ず、運転者がイグニ
ッションスイッチ22をオフからオンへと変更するとC
PU11が起動され、同CPU11は図示しないイニシ
ャルルーチンを実行することでリレー21をオン状態に
変更する。次いで、CPU11は、所定のタイミングに
て図3のルーチンの処理をステップ300から開始して
ステップ305に進み、同ステップ305にて操舵トル
クセンサ35の出力をAD変換し、操舵トルクTMを読み
込む(検出する)。以下、この値を今回の検出操舵トル
クTMと称する。なお、上記AD変換は本ルーチンとは独
立して別途所定の短時間毎に行い、ステップ305では
最新のAD変換値を読み込むことにより、今回の検出操
舵トルクTMを得るように構成することもできる。 【0023】次いで、CPU11はステップ310に進
み、同ステップ310にてCPU11が起動されてから
初めてこのルーチンを実行するか否かを判定する。この
段階においては、CPU11は起動後に初めて本ルーチ
ンを実行することになるため、ステップ310にて「Y
es」と判定してステップ315に進み、同ステップ3
15にて演算用物理量の一つである演算用操舵トルクTM
Sに初期値として値「0」を設定する。この演算用操舵
トルクTMSは、後述するアシスト力制御において、電動
モータ30へ通電すべき電流値を決定する際に使用され
るものである。 【0024】次いで、CPU11はステップ320に進
み、ステップ305にて読み込んだ今回の検出操舵トル
クTMから前記ステップ310にて値「0」となっている
演算用操舵トルクTMSを減算した値が所定のガード値
(正の値)GTM以上か否かを判定する。このガード値GTM
は、通常の運転状態において操舵トルクTMが本ルーチン
の実行間隔時間T内に変化し得る最大値に選択されてい
る。 【0025】現段階においては、操舵トルクセンサ35
の出力は正常であるので、今回の検出操舵トルクTMから
演算用操舵トルクTMS(「0」)を減算した値がガード
値GTMを超えることはあり得ない。このため、CPU1
1はステップ320にて「No」と判定してステップ3
25へと進む。 【0026】次いで、CPU11はステップ325に
て、検出操舵トルクTMから演算用操舵トルクTMS
(「0」)を減算した値が所定のガード値(正の値)GT
Mにマイナス符号を付した値(−GTM)以下か否かを判定
する。この場合においても、検出操舵トルクTMから演算
用操舵トルクTMSを減算した値が所定のガード値−GTM以
下となることはあり得ず、従って、CPU11はステッ
プ325にて「No」と判定してステップ330に進
み、同ステップ330にて演算用操舵トルクTMSに今回
の検出操舵トルクTMを設定し、ステップ395に進んで
本ルーチンを一旦終了する。 【0027】その後、所定の時間Tが経過すると、CP
U11は再びステップ300から処理を開始し、ステッ
プ305に進んで新たに操舵トルクTMを読み込み、ステ
ップ310に進む。この段階においては、CPU11
は、起動後において既にステップ305を実行している
ため、同ステップ305にて「No」と判定して直接ス
テップ320に進む。 【0028】そして、CPU11は前述したステップ3
20を実行するが、この段階における演算用操舵トルク
TMSは、ステップ330にて設定された所定時間T前の
検出操舵トルクTMとなっている。このため、今回の検出
操舵トルクTMと演算用操舵トルクTMSとの差は所定時間
T内の検出操舵トルクTMの変化量と等しく、この場合に
おいては操舵トルクセンサ35は正常であるので、この
変化量がガード値GTM以上となることはない。従って、
CPU11はステップ320にて「No」と判定してス
テップ325に進む。 【0029】CPU11は、ステップ325にて前述し
たように今回の検出操舵トルクTMと演算用操舵トルクTM
Sとの差が符号を変えたガード値−GTM以下であるか否か
を判定する。この場合においても、操舵トルクセンサ3
5が正常であるため、今回の検出操舵トルクTMと演算用
操舵トルクTMSとの差が符号を変えたガード値−GTM以下
となることはなく、従って、CPU11はステップ32
5にて「No」と判定してステップ330に進み、同ス
テップ330にて演算用操舵トルクTMSを今回の検出操
舵トルクTMとした後にステップ395にて本ルーチンを
一旦終了する。 【0030】このように、操舵トルクセンサ35の出力
が正常である場合には、ステップ330が繰り返し実行
され、演算用操舵トルクTMSは検出した操舵トルクTMと
等しい値に更新されて行く。 【0031】次に、操舵トルクセンサ35の出力がノイ
ズ等により急変した場合について説明する。この場合に
ついても、所定のタイミングにてCPU11が図3に示
したルーチンの処理を開始すると、ステップ305にて
今回の操舵トルクTMを読み込み、今回の本ルーチンの実
行がCPU11の起動後初めてであれば、ステップ31
5にて演算用操舵トルクTMに初期値「0」を設定する。 【0032】次いで、CPU11は前記ステップ320
以降の処理を実行する。この場合には所定時間T内にお
ける検出操舵トルクTMの変化量の絶対値がガード値GTM
以上となっているため、CPU11はステップ320又
はステップ325の何れかにて「Yes」と判定し、ス
テップ335又はステップ340の処理を実行する。 【0033】即ち、今回の検出操舵トルクTMが異常に増
大していた場合には、CPU11はステップ320にて
「Yes」と判定してステップ335に進み、同ステッ
プ335にて既に得られている演算用操舵トルクTMS
(起動後初めて本ルーチンを実行した場合には初期値
「0」)に所定のガード値GTMを加えた値を新たな演算用
操舵トルクTMSとし、ステップ395に進んで本ルーチ
ンを一旦終了する。また、上記ステップ325に「Ye
s」と判定される場合には、CPU11はステップ34
0に進み、同ステップ340にて既に得られている演算
用操舵トルクTMS(起動後初めて本ルーチンを実行した
場合には初期値「0」)がら所定のガード値GTMを減算し
た値を新たな演算用操舵トルクTMSとし、ステップ39
5に進んで本ルーチンを一旦終了する。 【0034】以上の説明から明らかなように、本ルーチ
ンの実行により、今回(現時点)の検出操舵トルクTMと
所定時間T前の本ルーチン実行時に演算された演算用操
舵トルクTMS(前回の演算用操舵トルクTMS)の差の絶対
値が所定のガード値GTMより小さい場合には、今回の演
算用操舵トルクTMSは今回の検出操舵トルクTMと等しく
される。また、今回の検出操舵トルクTMと前回の演算用
操舵トルクTMSの差の絶対値が所定のガード値GTMを超え
る場合には、新たな演算用操舵トルクTMSは、その新た
な演算用操舵トルクTMと前回の演算用操舵トルクTMSと
の差の絶対値がガード値GTMとなるように決定される。
以上のガード処理により、演算用操舵トルクTMSの急激
な変化が抑制される。 【0035】次に、図4を参照しつつ、車速センサ41
が検出する車速Vにガード処理を施して演算用物理量の
一つである演算用車速VSを決定するルーチンについて説
明する。この図4に示したルーチンについても、CPU
11はイグニッションスイッチ22のオン操作に伴う起
動後に図示しないイニシャルルーチンを実行した後、所
定のタイミングにてステップ400から処理を開始し、
ステップ405に進んで車速センサ41の出力に基づい
て現在の車速Vを読み込む。以下、この車速Vを今回の
検出車速Vと称する。 【0036】次いで、CPU11はステップ410に進
み、同ステップ410にてCPU11が起動されてから
初めてこのルーチンを実行するか否かを判定する。この
段階においては、CPU11は起動後に初めて本ルーチ
ンを実行することになるため、ステップ410にて「Y
es」と判定してステップ415に進み、同ステップ4
15にて前回の車速VOLDにステップ405にて読み込ん
だ今回の検出車速Vを設定する。 【0037】次いで、CPU11はステップ420に
て、ステップ405にて読み込んだ今回の検出車速Vか
ら前回の車速VOLDを減算した値が所定のガード値(正の
値)GV以上か否かを判定する。このガード値GVは、通常
の運転状態において車速Vが本ルーチンの実行間隔時間
T内に変化し得る最大値に選択されている。 【0038】この段階においては、先のステップ415
の実行により、前回の車速VOLDは今回の検出車速Vと等
しくされているため、今回の検出車速Vから前回の車速
VOLDを減算した値がガード値GVを超えることはあり得な
い。このため、CPU11はステップ420にて「N
o」と判定してステップ425に進み、同ステップ42
5にて今回の検出車速Vから前回の車速VOLDを減算した
値が所定のガード値(正の値)GVにマイナス符号を付し
た値(−GV)以下か否かを判定する。 【0039】この場合においても、前回の車速VOLDは今
回の検出車速Vと等しくされているため、今回の検出車
速Vから前回の車速VOLDをを減算した値がガード値−GV
以下となることはあり得ない。このため、CPU11は
ステップ425にて「No」と判定してステップ430
へと進み、同ステップ430にて演算用車速VSに今回の
検出車速Vを設定する。 【0040】次いで、CPU11はステップ445に進
み、次回の本ルーチンの実行に備えて前回の車速VOLDの
値に演算用車速VSを設定する。この場合においては、演
算用車速VSはステップ430にて今回の検出車速Vと等
しくされているので、前回の車速VOLDには今回の検出車
速Vが書き込まれることになる。そして、CPU11は
ステップ495に進み、同ステップ495にて本ルーチ
ンを一旦終了する。以上に説明したように、CPU11
の起動直後に本ルーチンが実行される場合には、必ずス
テップ430が実行されるため、同ステップ430にて
今回の検出車速Vが演算用車速VSとされる。 【0041】以降、CPU11は、所定時間Tが経過す
る毎に本ルーチンの処理をステップ400から開始し、
ステップ405を実行して今回の車速Vを読み込んだ後
にステップ410に進む。この段階においては、CPU
11は起動した後に既に本ルーチンを実行しているた
め、ステップ410にて「No」と判定してステップ4
15を実行することなくステップ420へと直接進む。 【0042】そして、CPU11はステップ420にて
今回の検出車速Vから前回の車速VOLDを減算した値が所
定のガード値(正の値)GV以上か否かを判定する。前述
したように、ガード値GVは、本ルーチンの実行間隔時間
T内で車速Vが変化することがあり得る最大値に選択さ
れている。従って、車速センサ41の出力が正常であれ
ば、今回の検出車速Vから前回の車速VOLDを減算した値
がガード値GVを超えることはあり得ない。このため、通
常、CPU11はステップ420にて「No」と判定し
てステップ425へと進む。 【0043】次いで、CPU11はステップ425に
て、今回の検出車速Vから演算用車速VSを減算した値が
所定のガード値(正の値)GVにマイナス符号を付した値
(−GV)以下か否かを判定する。この場合においても、
車速センサ41の出力が正常であれば、今回の検出車速
Vから前回の車速VOLDを減算した値が所定のガード値−
GV以下となることはあり得ず、通常、CPU11はステ
ップ425にて「No」と判定してステップ430に進
み、同ステップ430にて演算用車速VSに今回の検出車
速Vを設定し、次いでステップ445にてこの演算用車
速VSを次回の演算に備えて前回の車速VOLDに書き込み、
その後、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終了
する。このように、車速センサ41の検出値が正常な場
合には、演算用車速VSは今回の検出車速Vと等しい値に
更新されて行く。 【0044】一方、ノイズ等により検出車速Vが急増し
て上記ステップ420にて「Yes」と判定される場合
には、CPU11はステップ435に進み、同ステップ
435にて前回の車速VOLDに所定のガード値GVを加えた
値を新たな演算用車速VSとし、続くステップ445にて
この演算用車速VSを次回の演算に備えて前回の車速VOLD
に書き込み、その後ステップ495に進んで本ルーチン
を一旦終了する。また、検出車速Vが急減して上記ステ
ップ425にて「Yes」と判定される場合には、CP
U11はステップ440に進み、同ステップ440にて
前回の車速VOLDから所定のガード値GVを減算した値を新
たな演算用車速VSとし、ステップ445にてこの演算用
車速VSを次回の演算に備えて前回の車速VOLDとして書き
込んだ後、ステップ495に進んで本ルーチンを一旦終
了する。 【0045】以上の説明から明らかなように、本ルーチ
ンの実行により、検出車速Vと所定時間T前に決定(検
出)された前回の車速VOLDの差の絶対値が所定のガード
値GVより小さい場合には、今回の演算用車速VSは今回の
検出車速Vと等しくされる。また、今回の検出車速Vと
前回の車速VOLDの差の絶対値が所定のガード値GVを超え
る場合には、新たな演算用車速VSは、その新たな演算用
車速VSと前回の車速VOLDとの差の絶対値がガード値GVと
なるように決定される。以上のガード処理により演算用
車速VSの急変が抑制される。 【0046】次に、図5を参照しつつ、上記の演算用物
理量(演算用操舵トルクTMS,演算用車速VS)を用い
て、電動モータ30への通電量を決定するルーチンにつ
いて説明する。 【0047】前述したように、CPU11はイグニッシ
ョンスイッチ22がオン状態にあるとき、図5に示した
メインルーチンを所定時間の経過毎に実行している。従
って、CPU11は、イグニッションスイッチ22がオ
ン状態にあるとき、所定のタイミングにてステップ50
0から処理を開始してステップ510に進む。CPU1
1は、このステップ510にて指令電流値の一つである
基本目標電流値TKIHONを、演算用操舵トルクTMSと図7
(A)〜(C)に示した基本目標電流値マップ(以下、
単に「マップ」とも称する。)とから求める。なお、マ
ップA,B及びマップCは、順に車速VS1,VS2及
びVS3(VS1<VS2<VS3)に対応付けられて
いる。 【0048】具体的には、CPU11はステップ510
の実行にあたり、図6のプログラムを実行する。即ち、
CPU11は、ステップ600から処理を開始し、続く
ステップ605にて前述した演算用車速VSと演算用操舵
トルクTMSを読み込む。次いで、CPU11はステップ
610にて車速VがマップAに対応付けられた車速VS
1より小さいか否かを判定し、「Yes」と判定される
場合にはステップ615にて演算用操舵トルクTMSとマ
ップAとから基本目標電流値TKIHONを求め、ステップ6
95にて本ルーチンを一旦終了する。 【0049】一方、ステップ610にて「No」と判定
される場合には、CPU11はステップ620に進み、
演算用車速VSがマップAに対応付けられている車速VS
1以上で、且つ図7(B)に示したマップBに対応付け
られている車速VS2より小さいか否かを判定する。そ
して、このステップ620にて「Yes」と判定される
場合には、CPU11はステップ625に進み、演算用
操舵トルクTMSとマップAとから第1基本目標電流値TK1
を演算する。 【0050】次いで、CPU11はステップ630に進
み、演算用操舵トルクTMSとマップBとから第2基本目
標電流値TK2を演算し、ステップ635にて同ステップ
635中に示した式に従って第1基本目標電流値TK1と
第2基本目標電流値TK2を演算用車速VSに関して補間
し、その結果を基本目標電流値TKIHONとして設定した
後、ステップ695にて本ルーチンを一旦終了する。 【0051】また、上記ステップ620にて「No」と
判定される場合には、CPU11はステップ640に進
み、演算用車速VSがマップBに対応付けられている車速
VS2以上で、且つ図7(C)に示したマップCに対応
付けられている車速VS3より小さいか否かを判定す
る。そして、このステップ640にて「Yes」と判定
される場合には、CPU11はステップ645に進み、
演算用操舵トルクTMSとマップBとから第1基本目標電
流値TK1を演算する。 【0052】次いで、CPU11はステップ650に進
み、演算用操舵トルクTMSとマップCとから第2基本目
標電流値TK2を演算し、ステップ655にて同ステップ
655中に示した式に従って第1基本目標電流値TK1と
第2基本目標電流値TK2を演算用車速VSに関して補間
し、その結果を基本目標電流値TKIHONとして設定した
後、ステップ695にて本ルーチンを一旦終了する。 【0053】更に、上記ステップ640にて「No」と
判定される場合には、CPU11はステップ660に進
み、演算用操舵トルクTMSとマップCとから基本目標電
流値TKIHONを求め、ステップ695にて本ルーチンを一
旦終了する。以上により、図3,4のルーチンにて決定
された演算用操舵トルクTMSと演算用車速VSに基づき、
電動モータ30の指令電流値の基礎となる基本目標電流
値TKIHONが決定される。 【0054】次いで、CPU11は図5のステップ52
0に進み、モータの慣性感等を低減して操舵フィーリン
グを向上するための慣性補償電流値TKANの演算を行う。
具体的には、演算用操舵トルクTMSの時間微分値(dTM/
dt)を求め、同演算用操舵トルクTMSの時間微分値が0
のとき0の値をとり、同操舵トルクTMSの時間微分値dTM
/dtが大きいほど大きくなる慣性補償電流基本値TKANB
を求めるとともに、演算用車速VSに応じて変化するゲイ
ンk1(例えば、低車速域では車速に関し単調増加し、中
車速域で一定値となり、その後車速の増大に従って漸減
する)を求め、これらの積(=k1・TKANB)を最終的な
慣性補償電流値TKANとする。 【0055】次いで、CPU11は図5のステップ53
0に進み、操舵ハンドル31の戻り性能(中立点への復
帰性能)を向上するため、及び操舵に伴う機械系の摩擦
を補償するたのハンドル戻し制御電流値TMODの演算を行
う。具体的には、CPU11は電動モータ30の端子間
電圧Vt、同電動モータ30の電流値IMOTR、及び電圧
方程式(K・ω=Vt−R・IMOTR、ここでKは定数,
Rは電動モータ30の端子間の抵抗値)とから、電動モ
ータ30の回転角速度ωを求め、これに所定の定数を乗
じて操舵角速度推定値STRVを求め、この操舵角速度推定
値STRVと図8に示したハンドル戻し制御電流値マップ、
及び図9に示した摩擦補償電流値マップとからハンドル
戻し制御電流値TMOD及び摩擦補償電流基本値TMASAをそ
れぞれ求める。 【0056】次いで、CPU11は図5のステップ54
0に進み、高車速でのハンドル操舵の収斂性、及び運転
者が操舵ハンドル31を所定の角度に操舵している状態
から更に角度を増大する(切り込む)際の手応え感等の
向上を図るためのダンピング制御電流値TDAMPの演算を
行う。具体的には、CPU11は操舵角速度推定値STRV
と図10に示したダンピング制御電流値マップとからダ
ンピング制御電流値TDAMPを演算する。 【0057】次いで、CPU11は図5のステップ55
0に進み、ECU25(駆動回路20)内のスイッチン
グ素子Tr1〜Tr4を過熱から保護するためのECU
側電流制限値ILECUを演算する。具体的には、CPU1
1は電動モータ30の電流値IMOTRを積分して電動モー
タ電流積分値ISUMを得て、所定の係数ke3と、基板温度
センサ23が検出する基板温度TMPBORDとを用いて所定
の計算式(TMPECU=ke3・ISUM+TMPBORD)に従った演算
を行い、スイッチング素子Tr1〜Tr4の推定温度TM
PECUを求め、この推定温度TMPECUの増大にともない減少
するECU側電流制限値ILECUを演算する。 【0058】次いで、CPU11は、図5のステップ5
60に進み、電動モータ30を過熱から保護するための
モータ側電流制限値ILMOTRを演算する。具体的には、C
PU11は、電動モータ30のモータ電流値IMOTRから
所定の熱収支バランス電流THSQIMを減算した値を熱収支
バランス化後電流IMBARAとして設定する。なお、熱収支
バランス電流THSQIMは同電流を電動モータ30に通電し
続けたとしても、同電動モータ30が過熱温度以下の一
定温度にて平衡状態となる電流値である。 【0059】そして、CPU11は熱収支バランス化後
電流IMBARAが「0」以上の場合には熱収支バランス化後
電流IMBARAを2乗した値に所定の正の係数kupを乗じた
値をその時点のモータ電流2乗積算値SQIMSUMに加え、
その結果を新たなモータ電流2乗積算値SQIMSUMとし、
熱収支バランス化後電流IMBARAが「0」より小さい場合
には熱収支バランス化後電流IMBARAを2乗した値に所定
の正の係数kdwnを乗じた値をその時点のモータ電流2乗
積算値SQIMSUMから減算し、その結果を新たなモータ電
流2乗積算値SQIMSUMとし、このようにして求めたモー
タ電流2乗積算値SQIMSUMが所定の閾値を越えるとき所
定量づつ減少し、且つモータ電流2乗積算値SQIMSUMが
所定の閾値より小さいとき所定量づつ増大するモータ側
電流制限値ILMOTRを演算する。 【0060】上記モータ側電流制限値ILMOTRの演算後、
CPU11は図5のステップ570に進み、ECU側電流
制限値ILECUとモータ側電流制限値ILMOTRのうち、小さ
い方を最終的な電流制限値ILTEMPとする。 【0061】次いで、CPU11は、図5のステップ5
80に進み、最終アシスト電流値IFINALを演算する。具
体的には、CPU11は、慣性補償電流値TKANとハンド
ル戻し制御電流値TMODの和を慣性・戻し電流値TKMと
し、この値が所定の値を超えないようにガードをかけた
後、基本目標電流値TKIHON、慣性・戻し電流値TKM、及
びダンピング制御電流値TDAMPの和を求め、この和をア
シスト電流値ICTRLとし、アシスト電流値ICTRLの絶対値
が電流制限値ILTEMPよりも小さいときは、アシスト電流
値ICTRLを最終アシスト電流値IFINALとし、アシスト電
流値ICTRLの絶対値が電流制限値ILTEMPよりも大きいと
きは、アシスト電流値ICTRLの正負に応じて電流制限値I
LTEMPに正負の符号を付したものを最終アシスト電流値I
FINALとする。 【0062】次いで、CPU11は、図5のステップ5
90にて上記最終アシスト電流値IFINALに基づき、周知
のPID制御、及びPWM制御を実施してスイッチング
素子Tr1〜Tr4の各々の通電時間を決定し、これに
応じて駆動回路20に制御信号を発生する。その結果、
電動モータ30には最終アシスト電流値IFINALに応じた
電流が流れ、同電流に応じたアシスト力が操舵軸33に
付与される。そして、CPU11はステップ595にて
本ルーチンを一旦終了し、所定時間後に再び同ルーチン
をステップ500から開始する。 【0063】以上、説明したように、本発明による実施
形態においては、車両の運転状態を表す物理量である操
舵トルクTM又は車速Vを検出する検出手段(操舵トルク
センサ35,車速センサ41)と、この検出手段により
検出された各物理量に基づいて演算用物理量を決定する
演算用物理量決定手段(図3,図4に示したルーチン)
と、決定された演算用物理量に応じて指令電流値を決定
する指令電流決定手段(図5に示したルーチン)とを備
え、前記演算用物理量決定手段は、前記運転状態検出手
段により検出された所定時間前の物理量(前回の演算用
操舵トルクTMS,前回の検出車速VOLD)と今回検出され
た物理量(今回の検出操舵トルクTM,今回の検出車速
V)との差の絶対値が所定のガード値(GTM,GV)より小
さい場合には前記演算用物理量(演算用操舵トルクTM
S,演算用車速VS)を今回検出された物理量とし、前記差
の絶対値が前記所定のガード値より大きい場合には前記
演算用物理量(TMS,VS)を同演算用物理量(TMS,VS)と
前記所定時間前に検出又は決定された物理量(TMS,VOL
D)との差の絶対値が前記ガード値以下となる所定の値
(TMS+GTM又はTMS−GTM,VOLD+GV又はVOLD−GV)とす
るガード処理を行う。(ステップ320〜340,ステ
ップ420〜440)。 【0064】従って、検出物理量が通常ではあり得ない
変化を示した場合であっても、同検出物理量がアシスト
力制御(指令電流値の決定)にそのまま使用されること
はないため、同アシスト力制御が安定し、操舵フィーリ
ングの悪化が防止される。 【0065】また、上記実施形態においては、前記演算
用物理量をガード値でガードした所定の値(TMS+GTM又
はTMS−GTM,VOLD+GV又はVOLD−GV)とした場合には、
ステップ335,340及びステップ445により、次
回のガード処理の実行の際に使用する前記所定時間前の
物理量を同所定の値としている。このため、次回のガー
ド処理が信頼性の低い前回の検出物理量を基準として成
されることがなく、その結果、得られる演算用物理量の
信頼度が向上する。 【0066】また、CPU11(ECU25)がイグニ
ッションスイッチ22のオフからオンへの操作等によっ
て起動された場合等のように、前記検出手段により所定
時間前の物理量が検出されていない場合には、少なくと
も車速Vに関し、ステップ410,415によって同所
定時間前の物理量として今回検出された物理量を使用す
るようになっている。これにより、演算用物理量が実際
の物理量とかけ離れた状態が継続することがなく、良好
なアシスト力制御が達成されるものとなる。 【0067】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記ステップ335,340又はステップ43
5,440にて前回の値に加算、減算する値はガード値
GTM又はGVである必要はなく、同ガード値GTM又はGVより
小さい正の値であればよい。また、本発明が適用される
物理量としては、操舵トルクTM,車速Vに限定されるこ
とはなく、電動パワーステアリング装置のアシスト力制
御の入力として使用される他の物理量(例えば、エンジ
ン回転数、モータ回転速度、又はモータ電流値等)につ
いても本発明を適用することができる。 【0068】また、上記実施形態においては、操舵トル
クTMと車速Vに対し所定のガード処理を施した値をその
まま演算用操舵トルクTMS及び演算用車速VSとしていた
が、所定のガード処理を施した値を更に加工し、その加
工後の値を演算用操舵トルクTMS及び演算用車速VSとす
ることも本発明の範囲内に含まれる。なお、そのような
加工としては、今回得られた上記ガード後の物理量をX
nとし、今回の演算用の物理量をYn、前回の演算用物
理量をYn−1とするとき、Yn=α・Xn+(1−
α)・Yn−1(αは「1」以下の正の値)とする、い
わゆる「なまし処理(デジタルフィルタ)」が一般的で
ある。 【0069】また、上記実施形態における慣性補償電流
値TKAN、ハンドル戻し制御電流値TMOD、及びダンピング
制御電流値TDAMPは、車速Vに無関係のものであった
が、これらの値の各々に対し演算用車速VSに応じて変化
するゲインをそれぞれ決定し、このゲインを各値に乗じ
たものを最終的な慣性補償電流値TKAN、ハンドル戻し制
御電流値TMOD、及びダンピング制御電流値TDAMPとする
ように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施形態に係る電動パワーステア
リング装置の概略ブロック図である。 【図2】 図1に示した電動パワーステアリング装置の
電気回路図である。 【図3】 図2に示したCPUが実行するプログラム
(操舵トルクのガード処理)を示すフローチャートであ
る。 【図4】 図2に示したCPUが実行するプログラム
(車速のガード処理)を示すフローチャートである。 【図5】 図2に示したCPUが実行するプログラム
(メインルーチン)を示すフローチャートである。 【図6】 図2に示したCPUが実行するプログラム
(基本目標電流値演算)を示すフローチャートである。 【図7】 基本目標電流値のマップ(テーブル)であ
る。 【図8】 ハンドル戻し制御電流値のマップである。 【図9】 摩擦補償電流値のマップである。 【図10】 ダンピング制御電流値のマップである。 【符号の説明】 10…電気制御装置、11a…メモリ、20…駆動回
路、21…リレー、22…イグニッションスイッチ、2
3…基板温度センサ、30…直流電動モータ、31…操
舵ハンドル、32…減速機構、33…操舵軸、35…操
舵トルクセンサ、50…バッテリ、Tr1〜Tr4…ス
イッチング素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 119:00 B62D 119:00 127:00 127:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】流される電流に応じたトルクを発生する電
    動モータと、 所定時間が経過する毎に車両の運転状態を表す物理量を
    検出する検出手段と、 前記検出された物理量に基づいて演算用物理量を決定す
    る演算用物理量決定手段と、 前記決定された演算用物理量に応じて指令電流値を決定
    する指令電流決定手段とを備え、 前記決定された指令電流値に応じた電流を前記電動モー
    タに流すことにより操舵ハンドルの回動操作に対しアシ
    スト力を付与する車両の電動パワーステアリング装置に
    おいて、 前記演算用物理量決定手段は、前記検出手段により 前記所定時間前に検出された物理量
    と今回検出された物理量との差の絶対値が所定のガード
    値より小さい場合には前記演算用物理量に今回検出され
    た物理量を設定し、前記差の絶対値が前記所定のガード
    値より大きい場合には前記演算用物理量に同演算用物理
    量と前記所定時間前に検出された物理量との差の絶対値
    が前記ガード値以下となるように定められた所定の値を
    設定するガード処理を行うとともに、前記ガード処理の
    実行の際に前記検出手段により前記所定時間前の物理量
    が検出されていない場合には、同所定時間前の物理量と
    して今回検出された物理量を採用するガード手段を含む
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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